JP4026400B2 - 車両制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝突時に乗員を保護するように車両デバイスを制御する車両制御装置に係り、より詳細には、これらの制御を効果的に規制する車両制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、先行車両の速度に合わせて自車両の速度を制御して先行車両に追従させる車両追従制御を行う車両において、自車両に対する物標(例えば、先行車両)の距離や速度や方位等の物標情報を取得するセンサとして、精度の高いミリ波レーダセンサを使用することが知られている。
【0003】
このミリ波レーダセンサは、所定の周期(例えば、0.1s)ごとに車両前方の所定領域を電波により走査し、当該所定領域からの反射波を用いて物標を認識して、当該物標に関する物標情報を出力している。このミリ波レーダセンサは、反射波のノイズ等に起因して、実在するにも拘らず物体を一時的に認識できない場合や、逆に実在しないにも拘らず物標として一時的に認識する場合があり、物標の認識状態が常に安定しているとは限らない。
【0004】
前者の場合には、ミリ波レーダセンサは、前の周期で認識した物標情報に基づいて、現在の周期における物標情報を推定して出力し、物標情報の連続性を図っている。そして、ミリ波レーダセンサは、当該物体が認識されない状態が所定の周期で連続した場合には、当該物体に係る物標情報の出力を中止している。
【0005】
一方、後者の場合には、反射波のノイズが、実在する物標に係るピーク位置付近に発生すると、同一の距離情報を有した2以上の物標情報が並存してしまうことになる。車両追従制御においては、追従制御のための先行車両は、1つの物標であるべきであるので、これらの2以上の物標情報から先行車両に係る物標情報を特定する必要がある。このとき、ノイズに起因して出力された物標情報を特定してしまうと、先行車両を見失うことになってしまう。
【0006】
そこで、車両追従制御においては、2以上の物標情報から例えば最も長い時間で認識され続けている物標情報を、先行車両に係る物標情報として特定している。或いは、例えば特開2002−22832公報の記載のように、物標が自車両と同一の車線上に存在する確率である自車線確率を導入し、2以上の物標情報が並存する場合には、先の周期における自車線確率がより高い物標情報を、先行車両に係る物標情報として特定することにより、先行車を見失うことを防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年においては、ミリ波レーダセンサによる検出結果に基づいて車両が障害物に衝突する危険性を予知し、衝突を回避するように車両を制御すると共に、乗員が受ける衝突時の衝撃を緩和すべく衝突前に所定の乗員保護デバイスを起動させる衝突予知制御が提案されている。
【0008】
この衝突予知制御においては、ミリ波レーダセンサにより検出された自車両と障害物との関係に応じて、段階的な制御が実行されており、例えば、自車両が当該障害物と衝突しうる危険な状況であるが当該衝突を回避しうる状況にあると判断した場合には、警報等を発令して運転者に注意を喚起し、更に危険な状況であり衝突を回避すべきである判断した場合には、ブレーキ装置等を制御して衝突を回避するように車両の挙動を制御し、衝突を回避できない状況であると判断した場合には、シートベルト装置等の所定の乗員保護デバイスを衝突前に作動させている。
【0009】
このような衝突予知制御においては、車両前方の多数存在する物標の中から、自車両と衝突する可能性のある幾つかの物標を特定する必要がある。しかしながら、物標及び自車両は、ほとんどの場合、独自に移動する物体であるので、かかる特定を精度よく実現することは困難である。
【0010】
また、衝突予知制御は、車両衝突から乗員を保護するための安全システムであるので、ミリ波レーダセンサが出力する物標情報が上述したように推定情報であり得ることや、ミリ波レーダセンサの検出性能の低下及び検出精度等が十分考慮されることが望ましい。即ち、ミリ波レーダセンサによる物標の認識状態が反射波のノイズ等に起因して不安定である場合や、ミリ波レーダセンサの汚れ等に起因して検出性能が低下した場合には、衝突予知制御の実行を何らかの形で規制する必要がある。
【0011】
そこで、本発明は、衝突予知制御及び不可逆式の乗員保護装置の制御を行う際に、ミリ波レーダセンサが認識した多くの物標の中から予知判定等の対象を高精度に特定でき、また、ミリ波レーダセンサによる物標の認識状態及び自車両の進行経路を基準とした物標の位置に応じて各種車両デバイスの作動を規制できる、信頼性が向上された車両制御装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1に記載の如く、自車両前方の対象物を認識して、上記対象物と自車両との関係を検出する検出手段と、
上記検出手段により検出された関係に基づいて自車両と上記対象物との衝突を予知する衝突予知手段と、
上記衝突予知手段による予知結果に基づいて作動される複数の車両デバイスと、
上記検出手段による上記対象物の認識状態の良し悪しを表す認識指数を、上記検出手段により上記対象物が時系列でどの程度連続して認識されているかを表す指数である上記検出手段による上記対象物の認識の連続性、上記検出手段により上記対象物がどの程度安定して認識されているかを表す指数である上記検出手段による上記対象物の認識のばらつき、及び、上記検出手段が発する電波若しくは音波又は光波の上記対象物からの反射強度、のうちの少なくともいずれか1つに基づいて算出する認識指数算出手段と、
複数の車両デバイスのうちから作動規制対象となる車両デバイスを、上記認識指数算出手段による認識指数に応じて選択することを特徴とする、車両制御装置によって達成される。
【0013】
上記発明によれば、衝突予知判定の精度が向上し、信頼性が向上された衝突予知制御を実現することができる。
【0014】
衝突予知制御は、実際に発生しうる衝突を前もって予知する衝突予知判定を行い、当該予知判定の結果に基づいて所定の車両デバイスを作動させるものであり、かかる衝突予知制御においては、ミリ波レーダセンサのような検出手段が検出した自車両と対象物との関係に基づいて衝突予知判定がなされている。このような衝突予知判定において、検出手段による対象物の認識状態が考慮される場合には、認識状態の安定性に応じた衝突予知判定を実現することができる。また、上記対象物の認識状態が、上記検出手段による上記対象物の認識の連続性、上記検出手段による上記対象物の認識のばらつき、上記検出手段が発する電波若しくは音波又は光波の上記対象物からの反射強度、のうちの少なくとも1つである場合には、信頼性が更に向上された車両デバイスの制御を実現することができる。即ち、検出手段が先に認識した対象物を連続して認識できない場合等のような対象物の認識の不連続性や、直前の周期に認識された対象物の位置情報等に基づく推定による対象物の位置と実際の認識による位置との誤差が大きい場合や当該誤差が各周期で連続的に発生する場合や当該誤差の各周期間の変動が大きい場合等のような対象物の認識のばらつきや、対象物からの電波等の反射強度の大きさや当該反射強度の各周期間の変動等のような対象物からの反射強度が示す対象物の認識状態を考慮することによって、車両デバイスの制御の精度を向上させることが可能となる。
【0015】
また、上記目的は、請求項2に記載の如く、上記複数の車両デバイスは、乗員又は車両外部に向けて注意を喚起する第1車両デバイスと、乗員を保護する可逆式の第2車両デバイスとを含み、
上記認識指数算出手段による認識指数が第1閾値を上回り、上記検出手段による上記対象物の認識状態が悪いと判断した場合には、上記第1及び第2車両デバイスの作動を規制すると共に、上記認識指数算出手段による認識指数が上記第1閾値より小さいが第2閾値を上回り、上記検出手段による上記対象物の認識状態がやや良好でないと判断した場合には、上記第1及び第2車両デバイスのうち第2車両デバイスの作動を規制することを特徴とする、請求項1記載の車両制御装置によって達成される。
【0016】
上記発明によれば、複数の車両デバイスのうちの作動規制対象となる車両デバイスを、上記認識指数算出手段による認識指数に応じた適切な態様で、段階的に変化させることが可能となる。
【0018】
また、上記目的は、請求項3に記載の如く、上記検出手段により検出された関係を用いて把握される自車両の進行経路を基準とした上記対象物の位置と、上記認識指数算出手段による認識指数とに基づいて、上記対象物が自車両に対する衝突物となる確率を算出する衝突物確率算出手段とを更に備え、
上記複数の車両デバイスは、乗員又は車両外部に向けて注意を喚起する第1車両デバイスと、乗員を保護する可逆式の第2車両デバイスと、乗員を保護する不可逆式の第3車両デバイスとを含み、
上記衝突物確率算出手段により算出される衝突物確率が低レベルの場合には、上記第3車両デバイスの起動判定閾値を、起動判定がなされ難い高レベルに設定すると共に、上記第1及び第2車両デバイスの作動を禁止し、上記衝突物確率算出手段により算出される衝突物確率が中レベルの場合には、上記第3車両デバイスの起動判定閾値を、起動判定がなされ難い高レベルに設定すると共に、上記第2車両デバイスの作動を禁止し、上記第1車両デバイスの作動を許可し、且つ、上記衝突物確率算出手段により算出される衝突物確率が高レベルの場合には、上記第3車両デバイスの起動判定閾値を、低レベルに設定すると共に、上記第1及び第2車両デバイスの作動を許可する、請求項1又は2記載の車両制御装置によって達成される。
【0021】
また、請求項2又は3記載の車両制御装置において、好ましくは、上記第2車両デバイスは、ブレーキ装置、シートベルト装置のうちの少なくとも1つを含み、上記第3車両デバイスは、エアバック装置を含む。
【0022】
また、請求項1乃至4のうちいずれか1項の車両制御装置において、請求項5に記載の如く、上記対象物と自車両との上記関係が、自車両を基準とした上記対象物の相対距離、相対速度、及び方位を少なくとも含む場合には、衝突予知判定を正確に行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による制御システムの概略的な構成図である。本発明による車両制御装置80は、車両制御用電子制御ユニット10(以下、「車両制御ECU10」という)を中心に構成され、ミリ波レーダセンサ14と、衝突予知制御及び不可逆式の乗員保護装置の制御を実現するための各種デバイス(図示せず)を制御する各種ECU16A,16B,16C・・・とを備える。この各種ECUは、例えば多重通信網CAN18を介して車両制御ECU10と双方向通信可能に接続されている。
【0024】
ミリ波レーダセンサ14は、図示を省略するが、例えば車両のフロントグリル付近に若しくはフロントバンパ内部に車両前方を監視するように配設され、車両前方の所定領域に向けてミリ波帯の電波を放射する送信部と、当該領域内の車両若しくは障害物などの物標からの反射波を受信する受信部とを備える。この送信部及び受信部の前面は、電波を効率よく透過する樹脂等からなる保護部材により覆われてよい。
【0025】
ミリ波レーダセンサ14は、上記物標と自車両との関係を示す物標情報、例えば自車両を基準とした物標の相対速度Vr、相対距離Lr及び方位を所定の周期で取得する。ミリ波レーダセンサ14は、例えば2周波CW(Continuous Wave)方式により、電波のドップラー周波数を用いて物標の相対速度Vrを計測し、2つの周波数の位相情報から物標の相対距離Lrを計測してもよい。また、ミリ波レーダセンサ14は、放射ビームを1次元的又は2次元的に走査して、物標の方位を検出してもよい。
【0026】
図2は、ミリ波レーダセンサ14が物標判定に使用するパワースペクトル図である。このパワースペクトルは、2つの周波数を時分割で変調した信号をミリ波レーダセンサ14の送信部から発射し、物標から反射された受信信号に送信信号をミキシングしてFFT等の処理を施すことによって得ることができる。
【0027】
ミリ波レーダセンサ14は、スペクトルピークが図2に示すような物標判定用閾値を超えた場合には、後述する衝突予知判定の対象となる物標が存在すると判断して、当該スペクトルピーク係る周波数及び位相差に基づいて物標情報を生成する。
【0028】
ミリ波レーダセンサ14は、ある周期で物標を一度認識すると、当該周期において取得した物標情報に基づいて続く周期における物標の位置を推定する。そして、ミリ波レーダセンサ14は、続く周期において取得したパワースペクトル図において、上記推定した位置付近にスペクトルピークが現れるか否かを確認する。スペクトルピークが現れた場合には、ミリ波レーダセンサ14は、当該スペクトルピークに基づいて生成した物標情報を、先の周期で認識した同一の物標に関する物標情報として出力する。このように、続く各周期において同一の物標を連続的に認識できる場合には、ミリ波レーダセンサ14による物標の認識状態は安定していることになる。
【0029】
一方、反射波のノイズ等に起因して、続く周期のパワースペクトル図において、推定位置付近にスペクトルピークが現れない場合には、ミリ波レーダセンサは、先の周期で取得した物標情報に基づいて推定した当該物標に係る物標情報を、先の周期で認識(若しくは推定)した同一の物標に関する推定情報として出力している。このように、続く各周期において同一の物標を連続的に認識できない場合には、ミリ波レーダセンサ14による物標の認識状態は安定していないことになる。尚、これらの物標情報(推定情報を含む)は、車両制御ECU10に検出データとして上記所定の周期で送信される。
【0030】
なお、本実施例では、車両前方の物標情報を取得する手段として、雨や霧等の天候条件の影響を比較的受けずに物標情報を精度よく検出できるミリ波レーダセンサ14を使用するが、本発明は、特にこれに限定されることなく、レーザ光や超音波等を使用するセンサであってもよい。
【0031】
車両制御ECU10は、マイクロコンピュータを主な構成として、車速センサ、舵角センサ及びスロットルセンサ等の各種センサが接続されている。車両制御ECU10のマイクロコンピュータは、CPUを中心として構成され、所定の制御プログラム等が記憶されたROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、入出力インターフェース(I/O)とを備えている。
【0032】
車両制御ECU10は、ミリ波レーダセンサ14からの検出データに基づき、自車両が車両前方の物標に衝突するか否かの衝突予知判定を行う。衝突予知判定は、ミリ波レーダセンサ14の検出する自車両と物標との関係を例えば判定用マップと比較することによって行ってよい。
【0033】
ここで、図3を参照して、判定用マップを用いた衝突予知判定の一例を詳細に説明する。
【0034】
図3に示す判定マップの場合は、横軸が相対速度Vr(但し、物標が自車両に近づく方向を正としている)、縦軸が相対距離Lrとしている。この判定マップでは、領域αは、車両が物標と衝突すると判定される衝突不可避な領域、領域βは、乗員に注意を喚起する必要があるが車両が物標と衝突せずに回避できると判定される衝突回避可能な領域、領域γは、車両が物標と衝突せずに回避できると判定される安全な領域である。
【0035】
上記衝突領域αと衝突回避領域βとは、例えばブレーキ制動曲線BLとハンドル曲線HAとを用いて形成した曲線により区切られている。物標との相対速度が大きくなる程、ブレーキで制動しても当該物標に衝突する確率が高くなる。このような境界が上記ブレーキ制動曲線BLである。ミリ波レーダセンサ14からの検出データが、このブレーキ制動曲線BLより下であれば衝突する確率が高いということになる。同様に、物標との相対速度が大きくなる程、運転者がハンドルを操作して衝突を回避しようとしても当該物標に衝突する確率が高くなる。このような境界が上記ハンドル曲線HAである。ミリ波レーダセンサ14からの検出データが、このハンドル曲線HAより下にあるときには衝突する確率が高いということになる。
【0036】
前記衝突領域αは、ブレーキ制動曲線BL及びハンドル曲線HAより下となる領域として設定される。よって、この衝突領域αはブレーキで制動し、かつハンドル操作をしても車両が物標に極めて高い確率で衝突すると判定される領域となる。
【0037】
同様に、安全な領域γと衝突回避領域βとは、ブレーキ制動曲線BL’とハンドル曲線HA’とを用いて形成した曲線により区切られている。衝突回避領域βは、ブレーキ制動曲線BL及びハンドル曲線HAより上に属するが、ブレーキ制動曲線BL’及びハンドル曲線HA’より下に属する領域に設定される。
【0038】
車両制御ECU10は、所定の周期毎に、ミリ波レーダセンサ14からの検出データから相対速度Vr及び相対距離Lrを確認し、この2つから図3の判定マップ上に特定点を定める。
【0039】
この特定点が領域γから衝突回避領域βに移行した場合、車両制御ECU10は、レベル1の車両デバイスの作動を実行する。このレベル1の車両デバイスは、乗員に注意を喚起するための警報を発する警報装置や、後続車両に注意を喚起するために点滅するハザードランプであってよい。
【0040】
特定点が衝突回避領域βから衝突領域αに移行した場合、車両制御ECU10は、レベル2の車両デバイスの作動を実行する。このレベル2の車両デバイスは、モータ等を作動させてシートベルトの弛みを取るプリテンショナ機能が付加されたモータ式のシートベルト装置、モータ等を用いて可動に構成したバンパを前方に迫り出させるバンパ移動装置、及びモータ等を作動させてシートの位置を標準に戻すシート移動装置等のような可逆式の乗員保護装置であってよい。これらの可逆式の乗員保護装置は、実際の衝突に備えて乗員の保護を図ることができる装置である。この可逆式の乗員保護装置は、モータ等の作動をキャンセルすること、すなわち停止或いは逆転させて標準位置に戻す等を行ってそれまでの作動を解除することで、通常の状態に復帰させることができる。なお、駆動源はモータに限らず、油圧等を用いてもよい。
【0041】
更に、このレベル2の車両デバイスの作動とは、衝突を回避する方向にハンドルを自動操舵するステアリング装置の作動や、衝突を回避するように車両を減速させるブレーキ装置やスロットル駆動装置等の作動であってよい。
【0042】
この判定マップは、例えば車両の衝突試験やシミュレーション等を行って得たデータに基づいて作成することができる。また、この判定マップは、車両制御ECU10がアクセスするROM等に格納しておくのが好ましい。
【0043】
その他の衝突予知判定として、物標の自車両を基準とした位置を表わす位置ベクトルを利用してもよい。かかる場合、車両制御ECU10は、所定の周期毎に、ミリ波レーダセンサ14からの検出データから物標の位置ベクトルを算出し、当該周期の位置ベクトルと先の周期の位置ベクトルとの差を用いて、次の周期における物標の位置ベクトルを推定する。一方、車両制御ECU10は、所定の周期毎に出力される舵角センサ及び車速センサからの検出値から、次の周期における自車両の移動ベクトルを予測する。そして、車両制御ECU10は、詳細な説明は省略するが、これらのベクトルの関係から衝突予知を段階的に行い、上述したようにレベル1及びレベル2の車両デバイスを段階的に作動させる。
【0044】
上述した衝突予知制御の実行後に実際の衝突が発生したとき、エアバックECU16Aはレベル3の車両デバイスを起動させる。このレベル3の車両デバイスは、火薬を用いてバッグを瞬時に展開させるエアバッグ装置、火薬を用いてシートベルトを一気に巻き取るプリテンショナ付のシートベルト装置のような不可逆式の乗員保護装置、車両前部に搭載される歩行者保護用の車両前面エアバッグ装置であってよい。また、レベル3の車両デバイスは、ポップアップフードや緊急ブレーキであってもよい。
【0045】
エアバックECU16Aは、レベル3の車両デバイスを起動させるか否かの起動判定を行う。この起動判定は、図示は省略するが、例えばバンパに埋設したタッチセンサや、車両のフロア部若しくはサイドメンバの前方に配設された加速度センサからの加速度信号を用いて実現される。
【0046】
ここで、図4を参照して、起動判定用マップを用いた起動判定の一例を説明する。
【0047】
図4には、3つの起動判定閾値TH1,TH2,TH3が、加速度信号と共に示されている。エアバックECU16Aは、加速度信号が起動判定閾値を超えるか否かを判定し、加速度信号が起動判定閾値を超える場合に、レベル3の車両デバイスを所定の作動出力で起動させることになる。
【0048】
実際の判定に使用する起動判定閾値は、この3つの起動判定閾値TH1,TH2,TH3のうちから適宜選択されてよい。例えば、物標の自車両に対する相対速度Vrが非常に大きい場合には、低レベルの起動判定閾値TH3が選択されてよく、レベル3の車両デバイスを確実に起動するようにする。或いは、上述した衝突予知制御が実行されていない間は、高レベルの起動判定閾値TH1が選択されてよく、レベル3の車両デバイスの不要な起動を防止するようにする。
【0049】
以上のような車両制御ECU10及びエアバックECU16Aが行う衝突予知制御及び不可逆式の乗員保護装置の制御は、当業者に知られており、また、車両制御ECU10等が行う衝突予知制御等の内容、これらを実現する構成、衝突予知の判定手法及び不可逆式の乗員保護装置の起動判定手法は、多種多様であるので、ここではこれ以上の説明を省略する。但し、本発明は、あらゆる衝突予知制御及び不可逆式の乗員保護装置の制御に対して適用可能である。
【0050】
ところで、衝突予知制御は、上述から明らかなように、ミリ波レーダセンサ14によって検出される物標と自車両との関係を示す物標情報に基づいて実行されている。また、不可逆式の乗員保護装置の制御においても、例えば起動判定閾値を選択する際等に、ミリ波レーダセンサ14によって検出される物標と自車両との関係が利用されうる。
【0051】
このため、ミリ波レーダセンサ14が認識する多数の物標の中から、自車両との関係を監視すべき物標を的確に特定することが必要となる。即ち、衝突物となりえない物標に係る物標情報を、上述したような衝突予知判定等に対象から除外する必要がある。
【0052】
また、ミリ波レーダセンサ14による物標の認識状態は、上述したように、ノイズ等に起因して常に安定しているとは限らない。また、ミリ波レーダセンサ14は、上述したように雨や雪等に晒される車両室外に取り付けられているので、車両走行中等にアンテナ部を保護する保護部材に水分や汚れ等が付着し、検出性能が低下する場合がある。
【0053】
更に、車両制御ECU10に出力される物標情報には、上述したように推定による物標情報が含まれているが、たいていの場合、自車両及び物標はそれぞれ独立に移動する物体であり、自車両に対する物標の動きは常に安定しているとは限らない。
【0054】
本発明は、これらの事項を考慮することにより、上述の衝突予知制御及び不可逆式の乗員保護装置の制御の信頼性をより一層向上させるものである。
【0055】
具体的には、第1の事項として、自車両との関係を監視すべき物標の的確な特定は、自車両の進行経路を基準とした物標の位置を考慮することによって実現される。この考慮は、次に説明するように、ミリ波レーダセンサ14が認識した物標が自車両の進行経路との関係で実際に衝突物となる確率、即ち衝突物確率Proの算出を伴ってよい。この衝突物確率Proは、自車両の進行経路上に既に存在するか若しくは当該進行経路に移動しうる物標が衝突物となりえるという考えに基づく。
【0056】
ここで、図5を参照して、マップを用いた衝突物確率Proの算出方法の一例を説明する。但し、衝突物確率Proは、必ずしもこのようなマップを使用して算出される必要はないことは理解されるべきである。
【0057】
このマップでは、領域Αは、自車両Xの近傍に形成され、衝突物確率Proが最も高い領域である(例えば、衝突物確率Pro=100%)。領域Βは、自車両Xに対して遠方に形成され、衝突物確率Proが2番目に高い領域である(例えば、衝突物確率Pro=80%)。領域Γは、領域Α及び領域Βの両側に形成され、衝突物確率Proが3番目に高い領域である(例えば、衝突物確率Pro=60%)。同様にして、図示は省略するが、衝突物確率Pro=30%、10%・・・に対応して、領域Δ、領域Ε・・・が設定されてよい。
【0058】
マップ上の物標の位置は、ミリ波レーダセンサ14からの物標情報に基づいて、所定の周期毎に定められる。このとき、マップ上に定まる物標の位置は、自車両Xが走行している道路の曲率を考慮して補正されてよい。例えば、自車両Xの進行経路が曲線である場合(即ち、カーブする道路を走行中)、マップ上に定まる物標の位置は、舵角センサ等から得た情報を基に推定される当該曲線の曲率を用いて補正される。
【0059】
各物標に付与される衝突物確率Proは、マップ上に定められた各物標の位置に基づいて算出される。尚、最終的に各物標に付与される衝突物確率Proは、このようにして周期毎に算出される衝突物確率Proにフィルター処理を施した値であってよい。
【0060】
尚、図5のマップでは、領域Αは、自車両Xに近づくにつれて幅が広くなっている。これは、物標が自車両Xに近いほど、自車両Xの進行経路の曲率や進行方向の影響が小さく、自車両の進行経路上に確実に存在していると判断できる領域が広がることに基づく。
【0061】
領域Βは、進路変更や減速等のような物標の動きによって、マップ上に定まる物標の位置が短時間で領域Αに属し得る領域として設定されている。図5のマップでは、領域Βは、自車両Xから離れるにつれて幅が広くなっている。これは、物標が自車両Xからある程度離れている場合、上述した推定による曲率の実際のカーブの曲率に対する誤差の影響が大きくなり、マップ上に定まる物標の位置が短時間で領域Αに属する場合があるためである。
【0062】
尚、ここで説明した各領域は例示的なものであり、多種多様な変更が可能であることに注意されたい。また、衝突物確率Proは、ミリ波レーダセンサ14と協働して前方の物標を認識してよいCCDカメラの撮像画像を用いて算出してもよい。かかる場合、CCDカメラの撮像画像からレーンマークが認識され、自車両の走行する車線を基準とした物標の位置に基づいて、上述したような衝突物確率Proが算出されてよい。
【0063】
次に、第2の事項としてミリ波レーダセンサ14の検出性能の低下は、ミリ波レーダセンサ14が受信する反射波に基づいて判断される。例えば、車両制御ECU10は、図2に示すような各物標のスペクトルピークの高さ(反射強度)を監視することによって、ミリ波レーダセンサ14の検出性能の低下度合いを推定してもよい。尚、本実施例では、反射波は電波であるが、異なる種のセンサを使用する場合には、光波若しくは超音波であってよい。
【0064】
次に、第3の事項としてミリ波レーダセンサ14による物標の認識状態は、ミリ波レーダセンサ14から物標情報が推定によるものか否か、即ちミリ波レーダセンサ14が先の周期で認識した物標を現在の周期で認識したか否かによって判断される。この判断は、当該物標がどの程度連続した周期で認識され続けているかの考慮を伴ってよい。
【0065】
また、この判断は、ミリ波レーダセンサ14が先の周期で認識した物標を現在の周期で認識した場合に、推定による物標情報と実際の認識による物標情報との間の誤差の考慮を伴ってよい。例えば、推定による物標情報(例えば、物標の位置)が、実際の認識による物標情報と一致する場合には、ミリ波レーダセンサ14による物標の認識状態が安定であると判断することができる。逆に、相違する場合には、ミリ波レーダセンサ14による物標の認識状態が安定でないと判断することができる。
【0066】
次に、本発明による衝突予知制御等の実施例ついて言及する。
【0067】
図6は、本発明の第1の実施例として示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、車両制御ECU10が実行してよく、或いは、車両制御ECU10に接続される別のECUが実行してもよい。本実施例では、上述した第2及び第3の事項を考慮して、衝突予知制御の実行の規制が行われる。
【0068】
車両のイグニッションスイッチIGのオン等により本処理が開始されると、ステップ100では、上述した第2及び第3の事項、即ちミリ波レーダセンサ14による物標の認識状態及びミリ波レーダセンサ14の検出性能の低下が考慮される。本実施例では、これらの事項を定量的に考慮するため、認識指数Iなる指数を次式により算出する。尚、次式に示す認識指数Iは、ミリ波レーダセンサ14の認識状態を総合的に勘案している。
【0069】
I=a×STAB1+b×STAB2+c×POWER・・・・(式1)
ここで、STAB1は、ミリ波レーダセンサ14による物標の認識の連続性に係る認識状態を定量的に示す指数であり、全物標情報における推定による物標情報の数の割合であってよい。
【0070】
STAB2は、ミリ波レーダセンサ14による物標の認識バラツキに係る認識状態を定量的に示す指数であり、
STAB2=100×{(Xest−X)2+(Yest−Y)2}1/2/(X2+Y2)1/2
のように定義されてよい。尚、(X、Y)は、現周期Nの物標の位置であり、(Xest、Yest)は、前周期N−1の物標情報に基づいて推定された現周期の物標の推定位置である。
【0071】
POWERは、物標からの反射波の反射強度に関する指数であり、
POWER=100×(P(N)−P(N−1))/P(N−1)
のように定義されてよい。尚、P(N−1)は、周期N−1に受信した反射波の反射強度であり、P(N)は、周期Nに受信した反射波の反射強度である。
【0072】
尚、これらの指数の算出方法は、多種多様であり、本発明は、特に上述の算出方法に限定されるものでない。また、指数STAB2及びPOWERは、周期毎に、
STAB2(N)=ψ×STAB2(N)+(1−ψ)×STAB2(N−1)
POWER(N)=ψ×POWER(N)+(1−ψ)×POWER(N−1)
のようにフィルター処理されてよい。また、認識指数Iは、式1に示すように、適切な係数a,b,cにより各指数STAB1、STAB2、POWERを重み付けして算出されてよい。
【0073】
続くステップ102では、認識指数Iが、所定の第1の閾値THRE1より大きいか否かが判定される。判定が肯定された場合には、ステップ104に進み、ミリ波レーダセンサ14の認識状態が悪いと判断し、上述したレベル1及びレベル2の車両デバイスの作動を禁止する。一方、ステップ102の判定が否定された場合には、ステップ106に進む。
【0074】
ステップ106では、認識指数Iが、所定の第2の閾値THRE2より大きいか否かが判定される。判定が肯定された場合には、ステップ108に進み、ミリ波レーダセンサ14の認識状態がやや良好でないと判断し、レベル2の車両デバイスの作動を禁止する。従って、警報装置やハザードランプのようなレベル1の車両デバイスのみが、上述したような衝突予知判定の所定の条件が成立した場合に、作動されることになる。一方、ステップ106の判定が否定された場合には、ステップ110に進む。
【0075】
ステップ110では、ミリ波レーダセンサ14の認識状態が良好である判断し、レベル1及びレベル2の車両デバイスの作動を許可する。以上のステップ100乃至110は、ステップ112で例えばイグニッションスイッチIGのオフが確認されるまで繰り返し実行される。
【0076】
尚、本実施例では、各閾値は、THRE2<THRE1となるように定められ、ミリ波レーダセンサ14の認識状態に応じて、レベル1及びレベル2の車両デバイスの作動を段階的に規制している。但し、認識指数Iが所定の値を超えた場合に、レベル1及びレベル2の車両デバイスの作動を一律に規制することも可能である。また、レベル2の車両デバイスを更に分類して、より多段化された規制を実現することも可能である。また、衝突予知制御の実行を規制すると共に、或いは、衝突予知制御の実行を規制することに代わって、不可逆式の乗員保護装置の制御の実行を規制することも可能である。但し、この不可逆式の乗員保護装置の制御の実行の規制は、当該制御の実行を完全に禁止するものでなく、起動判定閾値を変更するものである。
【0077】
また、本実施例では、認識指数Iは、物標の認識の連続性、物標の認識のばらつき、及び物標からの反射強度の3つの要素を総合的に勘案するように定義されているが、認識指数Iは、これら3つの要素のいずれか1つ若しくはいずれか2つの要素を用いて定義されてもよい。
【0078】
以上の本発明の第1の実施例によると、衝突予知制御の信頼性を更に向上させることができる。また、ミリ波レーダセンサ14による物標の認識状態を考慮して、衝突予知制御及び不可逆式の乗員保護装置の制御を段階的に規制することが可能となる。
【0079】
次に説明する第2の実施例は、上記第1の実施例がミリ波レーダセンサ14による物標の認識状態(即ち、第2及び第3の事項)のみを考慮しているのに対し、上述した第1の事項、即ち自車両の進行経路を基準とした物標の位置を考慮して、衝突予知制御及び不可逆式の乗員保護装置の制御の実行を規制する。
【0080】
図7は、本発明の第2の実施例として示す、車両制御ECU10が実行してよい処理のフローチャートである。
【0081】
車両のイグニッションスイッチIGのオン等により本処理が開始されると、ステップ200では、車両制御ECU10は、ミリ波レーダセンサ14から物標情報の入力に応答して、図5に示すようなマップを用いて、各物標に対して衝突物確率Proを算出する。
【0082】
続くステップ202では、衝突物確率Proが、所定の値(例えば90%)より大きいか否かが判定される。判定が肯定された場合には、ステップ204に進み、レベル3の車両デバイスの起動判定閾値を低レベル(例えば、図4のTH3)に設定すると共に、上述したレベル1及びレベル2の車両デバイスの作動を許可する。一方、ステップ202の判定が否定された場合には、ステップ206に進む。
【0083】
ステップ206では、衝突物確率Proが、所定の値(例えば70%)より大きいか否かが判定される。判定が肯定された場合には、ステップ208に進み、レベル3の車両デバイスの起動判定閾値を中レベル(例えば、図4のTH2)に設定すると共に、レベル2の車両デバイスの作動を禁止する。一方、ステップ206の判定が否定された場合には、ステップ210に進む。
【0084】
ステップ210では、レベル3の車両デバイスの起動判定閾値を高レベル(例えば、図4のTH1)に設定すると共に、レベル1及びレベル2の車両デバイスの作動を禁止する。以上のステップ200乃至210は、ステップ212で例えばイグニッションスイッチIGのオフが確認されるまで繰り返し実行される。
【0085】
尚、本明細書において、車両デバイスの作動の“禁止”とは、車両デバイスの作動を完全に禁止することのみならず、車両デバイスの作動内容を部分的に規制すること及び複数の車両デバイスの中の幾つかの車両デバイスの作動のみを禁止することも含む。
【0086】
以上の本発明の第2の実施例によると、衝突予知制御及び不可逆式の乗員保護装置の制御の信頼性を更に向上させることができる。また、自車両の進行経路を基準とした物標の位置に応じて、衝突予知制御及び不可逆式の乗員保護装置の制御を段階的に規制することが可能となる。
【0087】
尚、上記第2の実施例では、レベル3の車両デバイスの起動判定閾値を段階的に変更するものであったが、レベル3の車両デバイスの出力レベルを段階的に変更することも可能である。例えば、レベル3の車両デバイスであるエアバック装置が、エアバックにガスを供給する2個のインフレータを備える場合、出力レベルの段階的な変更は、点火するインフレータの数の変更によって実現されてよい。
【0088】
ところで、ミリ波レーダセンサ14は、上述したように、車両のフロントグリル等の車両前部に取り付けられ、車両前方を電波により1次元的又は2次元的に走査している。従って、図8に示すように、車両が登坂路を走行している場合や、加速走行している場合には、車両前部が上方に向くことになるので、ミリ波レーダセンサ14は、衝突が考えられない対象物、例えば登坂路の頂上付近の看板、標識及び陸橋等を物標として認識することになる。また、車両が降坂路を走行している場合や、減速走行している場合にも同様に、車両前部が下方に向くことになるので、ミリ波レーダセンサ14は、衝突が考えられない対象物、例えば降坂路の終点付近の路面等を物標として認識する場合がある。
【0089】
次に説明する本発明の第3の実施例では、これら衝突物となりえない対象物を、上述の衝突予知制御及び不可逆式の乗員保護装置の制御における判定の対象から除外することを可能とする。
【0090】
図9は、本発明の第3の実施例として示す、ミリ波レーダセンサ14が認識した物標が、判定の対象から除外すべき対象物(即ち、看板、標識、陸橋等)か否かを判断する処理のフローチャートである。
【0091】
ステップ300では、加速度センサやスロットルセンサ等からの情報や実トルクと推定トルクの差等に基づいて、加速判定値、減速判定値、登坂判定値、降坂判定値をそれぞれ算出する。
【0092】
続くステップ302では、加速走行しているか否か、減速走行しているか否か、登坂路を走行しているか否か、降坂路を走行しているか否かの判定がなされる。この判定は、加速判定値が所定の値を超えた否か、減速判定値が所定の値を超えた否か、登坂判定値が所定の値を超えた否か、降坂判定値が所定の値を超えた否かをそれぞれ判断することによって実現される。これらの判定のいずれかが肯定された場合には、ステップ304に進み、すべての判定が否定された場合には、ステップ306に進む。
【0093】
ステップ304では、ミリ波レーダセンサ14からの物標情報に基づいて、位置が遠方にあり(例えば、Lr>100m)、且つ略停止している(即ち、Vr≒Vn(自車速))物標を特定し、当該物標を判定の対象から除外する。この除外は、上記第1の実施例においては、例えば当該物標に対する認識指数Iを高レベル(例えば、I>THRE1)に設定すること、第2の実施例においては、当該物標に対する衝突物確率Proを低レベル(例えば、衝突物確率Pro<50%)に設定することによって実現されてよい。尚、遠方に位置する物標を除外するのは、車両前部が上方に向いている場合、認識された物標の位置が遠方であるほど、当該物標の路面に対する高さが大きいためである。また、停止している物標を除外するのは、ミリ波レーダセンサ14が誤認する看板、標識及び陸橋等が停止物であるためである。
【0094】
尚、以上のステップ300乃至304は、ステップ306で例えばイグニッションスイッチIGのオフが確認されるまで繰り返し実行される。
【0095】
以上の本発明の第3の実施例によると、衝突物となりえない物標が確実に除外されるので、衝突予知制御及び不可逆式の乗員保護装置の制御の信頼性を更に向上させることができる。
【0096】
尚、上述の第3の実施例においては、加速走行しているか否か、減速走行しているか否か、登坂路を走行しているか否か、及び降坂路を走行しているか否かの全ての判定がされているが、これらの判定のうちいずれかの判定を行わないことも可能である。
【0097】
図10及び図11は、本発明の第4の実施例を詳細に示す、制御プログラムのフローチャートである。この制御プログラムは、ミリ波レーダセンサ14の検出周期毎(例えば、0.1sec毎)に実行される。また、この制御プログラムは、以下の説明のように車両制御ECU10によって実行されてよいが、車両制御ECU10に接続される別のECUが実行してもよい。尚、この制御プログラムは、車両制御ECU10のROMに予め記憶されている。
【0098】
車両のイグニッションスイッチIGのオン等により、制御プログラムの実行が開始されると、ステップ400において、ミリ波レーダセンサ14により認識された1若しくはそれ以上の物標についての物標情報が、車両制御ECU10に入力される。
【0099】
続くステップ402では、車両制御ECU10は、舵角センサからの舵角値等の情報に基づいて進行経路の曲率を推定し、図5に示すようなマップを用いて、物標情報及び当該推定した曲率から各物標についての衝突物確率Proを演算する。この衝突物確率Proは、周期ごとにフィルター処理されてよく、周期Nの衝突物確率Pro(N)が、前回の周期N−1の衝突物確率Pro(N−1)を用いて、Pro(N)=ψ×Pro(N)+(1−ψ)×Pro(N−1)と表わされてよい。
【0100】
続くステップ404では、ミリ波レーダセンサ14による物標の認識の連続性を考慮するため、各物標に対して認識連続性カウンタContを演算する。この認識連続性カウンタContは、今回の周期での物標情報が推定によるものでない場合には、所定の値UPをインクリメントされ、推定によるものである場合には、所定の値DNをデクリメントされる。
【0101】
続くステップ406では、ミリ波レーダセンサ14の検出性能の低下や物標の物理的な大きさやミリ波レーダセンサ14の誤認識を考慮するため、各物標からの反射波の強度を示す指数POWERを演算する。本実施例の指数POWERは、所定の閾値Pthresholdを用いて、POWER=Ptarget−Pthresholdと表わされる。ここで、Ptargetは、物標からの反射波の強度であり、各物標からの反射が現れる周波数ftargetに係るスペクトルピークの高さに相当する(図2参照)。この指数POWERは、周期ごとにフィルター処理されてよく、周期NのPOWER(N)は、POWER(N)=ψ×POWER(N)+(1−ψ)×POWER(N−1)と表わされる。但し、今回の周期での物標情報が推定によるである場合には、POWER(N)=POWER(N−1)として前回の周期での値が保持されてよい。
【0102】
続くステップ408では、ミリ波レーダセンサ14による物標の認識の安定性(バラツキ度合い)を考慮するため、各物標に対して認識の安定性に関する指標STAB2を演算する。本実施例の指数STAB2は、前回の周期での物標の位置(Xest、Yest)と今回の周期での物標の位置(X、Y)とを用いて、STAB2=(Xest−X)2+(Yest−Y)2と表わされる。この指標STAB2は、周期ごとにフィルター処理されてよく、周期NのSTAB2(N)は、STAB2(N)=ψ×STAB2(N)+(1−ψ)×STAB2(N−1)と表わされる。
【0103】
続くステップ410では、上記ステップ402で得られた衝突物確率Proを、上記ステップ404乃至408で得られたカウンタ値及び各指数を用いて補正し、新たな衝突物確率PCRSHを確立する。この新たな衝突物確率PCRSHは、上述の衝突物確率Pro等を用いて次式のように表わされてよい。
【0104】
PCRSH=a×Pro+b×Cont+c×POWER−d×STAB2ここで、各係数a,b,c,dは、衝突物確率PCRSHが最大で100%となるように設定される。
【0105】
続くステップ412では、車両状態を検知するため、加速度センサやスロットルセンサ等からの情報や実トルクと推定トルクの差等に基づいて、登坂判定値、加速判定値、降坂判定値、減速判定値をそれぞれ演算する。
【0106】
次いで、ステップ414では、登坂路走行・加速走行しているか否か、降坂路走行・減速走行しているか否かの判定がなされる。いずれかの判定が成立した場合には、ステップ416に進み、いずれの判定も不成立の場合、ステップ418に進む。
【0107】
ステップ416では、衝突物となりえない物標(例えば、登坂路頂上付近の看板等)を確実に除外するため、ミリ波レーダセンサ14からの物標情報に基づいて、遠方(例えば、Lr>100m)に位置する物標を特定し、当該物標に係る衝突物確率PCRSHを低レベル(例えば、PCRSH=49%)にリセットする。
【0108】
このようにして衝突物確率PCRSHが確立すると、衝突予知制御を選択的に規制する制御プログラムに移行する(ステップ418乃至422)。
【0109】
ステップ418では、衝突物確率PCRSHが、所定の値(例えば50%)より大きいか否かが判定される。判定が否定された場合には、ステップ420に進み、レベル3の車両デバイスの起動判定閾値を高レベル(例えば、図4のTH1)に設定すると共に、レベル1及びレベル2の車両デバイスの作動を禁止する。一方、ステップ418の判定が肯定された場合には、ステップ422に進む。
【0110】
ステップ422では、衝突物確率PCRSHが、所定の値(例えば70%)より大きいか否かが判定される。判定が否定された場合には、ステップ424に進み、レベル3の車両デバイスの起動判定閾値を高レベル(例えば、図4のTH1)に設定すると共に、レベル1の車両デバイスの作動を許可する。一方、ステップ422の判定が肯定された場合には、ステップ426に進む。
【0111】
ステップ426では、衝突物確率PCRSHが、所定の値(例えば90%)より大きいか否かが判定される。判定が否定された場合には、ステップ428に進み、レベル3の車両デバイスの起動判定閾値を高レベル(例えば、図4のTH1)に設定すると共に、レベル1及びレベル2の車両デバイスの作動を許可する。一方、ステップ426の判定が肯定された場合には、ステップ430に進む。
【0112】
ステップ430では、レベル3の車両デバイスの起動判定閾値を低レベル(例えば、図4のTH3)に変更すると共に、レベル1及びレベル2の車両デバイスの作動を許可する。
【0113】
以上のステップ420,424,428及び430の処理の後、ステップ432で、イグニッションスイッチIGがオフされたか否かを判定し、判定が否定された場合は、ステップ400以後の処理が繰り返される。一方、判定が肯定された場合は、処理を終了する。
【0114】
以上の本発明の第4の実施例は、上述の第1、第2及び第3の実施例におけるすべての効果を奏することができる。即ち、本発明の第4の実施例によると、衝突予知制御及び不可逆式の乗員保護装置の制御の信頼性を向上させることができる。また、ミリ波レーダセンサ14による物標の認識状態や自車両の進行経路を基準とした物標の位置に応じて、衝突予知制御及び不可逆式の乗員保護装置の制御を段階的に規制することが可能となる。
【0115】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0116】
上述した実施例において、上述した多種多様な処理を実行する主体として、車両制御ECU10等と特定されている場合があるが、車両制御ECU10の処理のすべて若しくは幾つかは、他の各種ECUによって実行されてよく、或いは、車両制御ECU10が、他の各種ECUの機能の幾つか若しくはすべてを行ってよい。
【0117】
尚、特許請求の範囲に記載された「検出手段」は、上記実施例に記載された「ミリ波レーダセンサ14」に対応する。また、特許請求の範囲に記載された「衝突予知手段」は、上記実施例に記載された「車両制御ECU10による衝突予知判定」により実現される。
【0118】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したようなものであるから、以下に記載されるような効果を奏する。請求項1記載の発明によれば、衝突予知判定の精度が向上し、信頼性が向上された衝突予知制御を実現することができる。また、ミリ波レーダセンサのような検出手段の認識状態に応じて、段階的に車両デバイスの作動を規制することができる。
【0121】
また、請求項4記載の発明によれば、シートベルト装置等の車両デバイスを正確に作動させることができ、請求項5記載の発明によれば、衝突予知判定を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による制御システムの概略的な構成図である。
【図2】反射波のパワースペクトルを示す図である。
【図3】衝突予知判定を行う際に用いる判定マップを示した図である。
【図4】不可逆的乗員保護装置の起動判定を行う際に用いる判定マップを示した図である。
【図5】衝突物確率を算出する際に用いるマップを示した図である。
【図6】本発明の第1の実施例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施例を示すフローチャートである。
【図8】車両状態とミリ波レーダセンサ14の認識範囲の関係を概略的に示す図である。
【図9】本発明の第3の実施例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第4の実施例による制御プログラムのフローチャート(その1)である。
【図11】本発明の第4の実施例による制御プログラムのフローチャート(その2)である。
【符号の説明】
10 車両制御ECU
14 ミリ波レーダセンサ
16 各種ECU
18 バス
80 車両制御装置
Claims (5)
- 自車両前方の対象物を認識して、上記対象物と自車両との関係を検出する検出手段と、
上記検出手段により検出された関係に基づいて自車両と上記対象物との衝突を予知する衝突予知手段と、
上記衝突予知手段による予知結果に基づいて作動される複数の車両デバイスと、
上記検出手段による上記対象物の認識状態の良し悪しを表す認識指数を、上記検出手段により上記対象物が時系列でどの程度連続して認識されているかを表す指数である上記検出手段による上記対象物の認識の連続性、上記検出手段により上記対象物がどの程度安定して認識されているかを表す指数である上記検出手段による上記対象物の認識のばらつき、及び、上記検出手段が発する電波若しくは音波又は光波の上記対象物からの反射強度、のうちの少なくともいずれか1つに基づいて算出する認識指数算出手段と、
複数の車両デバイスのうちから作動規制対象となる車両デバイスを、上記認識指数算出手段による認識指数に応じて選択することを特徴とする、車両制御装置。 - 上記複数の車両デバイスは、乗員又は車両外部に向けて注意を喚起する第1車両デバイスと、乗員を保護する可逆式の第2車両デバイスとを含み、
上記認識指数算出手段による認識指数が第1閾値を上回り、上記検出手段による上記対象物の認識状態が悪いと判断した場合には、上記第1及び第2車両デバイスの作動を規制すると共に、上記認識指数算出手段による認識指数が上記第1閾値より小さいが第2閾値を上回り、上記検出手段による上記対象物の認識状態がやや良好でないと判断した場合には、上記第1デバイスの作動を許可し上記第2車両デバイスの作動を規制することを特徴とする、請求項1記載の車両制御装置。 - 上記検出手段により検出された関係を用いて把握される自車両の進行経路を基準とした上記対象物の位置と、上記認識指数算出手段による認識指数とに基づいて、上記対象物が自車両に対する衝突物となる確率を算出する衝突物確率算出手段とを更に備え、
上記複数の車両デバイスは、乗員又は車両外部に向けて注意を喚起する第1車両デバイスと、乗員を保護する可逆式の第2車両デバイスと、乗員を保護する不可逆式の第3車両デバイスとを含み、
上記衝突物確率算出手段により算出される衝突物確率が低レベルの場合には、上記第3車両デバイスの起動判定閾値を、起動判定がなされ難い高レベルに設定すると共に、上記第1及び第2車両デバイスの作動を禁止し、上記衝突物確率算出手段により算出される衝突物確率が中レベルの場合には、上記第3車両デバイスの起動判定閾値を、起動判定がなされ難い高レベルに設定すると共に、上記第2車両デバイスの作動を禁止し、上記第1車両デバイスの作動を許可し、且つ、上記衝突物確率算出手段により算出される衝突物確率が高レベルの場合には、上記第3車両デバイスの起動判定閾値を、低レベルに設定すると共に、上記第1及び第2車両デバイスの作動を許可する、請求項1又は2記載の車両制御装置。 - 上記第2車両デバイスは、ブレーキ装置、シートベルト装置のうちの少なくとも1つを含み、上記第3車両デバイスは、エアバック装置を含む、請求項2又は3記載の車両制御装置。
- 上記対象物と自車両との上記関係は、自車両を基準とした上記対象物の相対距離、相対速度、及び方位を少なくとも含む、請求項1乃至4のうちいずれか1項の車両制御装置。
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