JP4025830B2 - 植物育成用基盤の製造方法、植物育成用基盤および植物育成用基盤製造装置 - Google Patents

植物育成用基盤の製造方法、植物育成用基盤および植物育成用基盤製造装置 Download PDF

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Description

本発明は木材を切削または粉砕して得られる粉砕物(以下「木材粉砕物」という)等を主原料とした軽量な植物育成用基盤の製造方法、植物育成用基盤および植物育成用基製造装置に関するもので、植物の生長に適したいくつかの性能を付与させるとともに、型崩れ防止策離型性を向上させる等により品質低下を防ぎ、製造時間の短縮のできる植物育成用基盤の製造方法、植物育成用基盤および植物育成用基製造装置に関する。
近年、都市緑化を目的にした植物の育成が盛んとなっており、ゴルフ場、テニス場その他運動場や公園、屋上等において様々な植物育成の方法が考えられている。中でも植物育成用基盤やマットを用いる方法は、施工性に優れ、品質が安定している等の理由から色々な方法による植物育成用基盤が提案されている。このうち、木材を主原料としたものは、間伐材や木質系廃棄物を利用できることや生分解性を有する等の環境面の利点や、軽量でクッション性を有する等の利点を理由に、いくつかの提案がなされている。
たとえば、木屑、大鋸粉、樹皮粉等廃棄物を利用した3層からなる芝生育成用マット(特許文献12)や、ウッドチップに天然ラテックス、種子、肥料を混入して加圧成型したもの(特許文献3)、チップや大鋸粉を用い高吸水性樹脂と澱粉または寒天等の粘質接合剤を加えて所望の形状とする方法(特許文献4)等がある。また、本願出願人の一発明者による未公開の発明として、原木等を主原料とした製造工程を簡素化した植物育成マットがある。これは、熱硬化性樹脂接着剤等と木材粉砕物の混合物に対して上下熱盤からの熱伝導による加熱によって植物育成マットを形成するというものである。
また、非ホルマリン系接着剤としてイソシアネート樹脂接着剤が木質ボード製造分野を中心として需要を伸ばしている。
特許第2087391号「芝生育成用マット」 特許第2596883号「マット製造方法」 特開2001−252913号公報「ウッドチップブロック」 特開平8−266148号公報「人工土壌」
しかし、上記提案の方法にはいくつかの問題点がある。
1.特許文献1および2に開示された発明は、3層構造としていることから製造工程が複雑であり、製造コストも相当に不利である。
2.また、糸状木屑等の使用を要件としており、原料選択の自由度が小さい。
3.また、種子を混入するため常温型の接着剤を使用しなければならず、そのため、成型に時間を要する。
4.特許文献3に開示された発明は、天然ラテックスの添加量がウッドチップに対して30〜60%と多いため、木材細胞の保水機能を損ねるとともに、常温のため成型に時間を要する。
5.特許文献4に開示された発明は、澱粉糊や寒天を用いることから、成型体の固化に時間要することや耐水性がないため施工後の型くずれ等の問題がある。
6.上述の未公開発明は、熱硬化性樹脂接着剤等と木材粉砕物の混合物に対して上下熱盤からの熱伝導による加熱であるため、常温成型に比べれば圧縮時間がかからない。しかしながら、より圧締時間を短縮することは製造コスト上もメリットがある。
7.また、上下熱盤の温度設定や、内部と表面の加熱条件の違いが生じることがあり得る。したがって、基盤物性低下可能性をより軽減するための対策は有意義である。
8.また、これら特許文献1〜4には木材に含まれる植物の生長阻害物質の除去方法が示されていない。
9.一方、イソシアネート樹脂を使った熱盤による成型方法については、比較的薄い木質ボードに適するが、空隙率が大きく厚手の成型体製造には不向きである。
10.離型性にも問題があることが知られており、大量の離型剤やフィルム等による特殊な工夫が必要となる。
本発明の課題は、これら従来技術の欠点を解決するため、植物の生長に適したいくつかの物理的、化学的性能を付与させ、型崩れ防止策や離型性の向上等により品質低下を防ぎ、さらに製造時間を短縮することのできる、木質廃棄物や間伐材等を原料とすることのできる、軽量な植物育成用基盤の製造方法、植物育成用基盤および植物育成用基製造装置を提供することである。
本願発明者は上記課題について鋭意検討した結果、木材粒状物等の植物性細状物を主原料とした軽量植物育成用基盤実現の課題を解決する手段に至った。すなわち、本願において開示される発明、もしくは少なくとも開示される発明は以下のとおりである。
(1) 木材粉砕物等の植物性細状物に接着剤を添加し混合して混合物を得る混合過程と、該混合物の上下面には該型との接着を防止することのできる離型性シート状物を配置するようにして、成形用の型に詰める充填過程と、該型内において充填された該混合物を蒸気を用いて加熱する加熱過程を経ることにより植物育成用基盤を得る、植物育成用基盤の製造方法。特に、
木材粉砕物等の植物性細状物に接着剤を添加し混合して混合物を得る混合過程と、該混合物の上下面には該型との接着を防止することのできる離型性シート状物を配置するようにして、成形用の型に詰める充填過程と、該型内において充填された該混合物を蒸気を用いて加熱する加熱過程を経ることにより植物育成用基盤を得る植物育成用基盤の製造方法であって、該蒸気による加熱は該型の上側からなされ、該離型性シート状物は上面側のものが相対的に蒸気通気性を備えた蒸気通気性シート状物であり、下面側のものが相対的に吸水性を備えた吸水性シート状物であることを特徴とする、植物育成用基盤の製造方法。
(2) 前記接着剤は、イソシアネート樹脂接着剤等の非ホルマリン系接着剤または低ホルマリン系接着剤であることを特徴とする、(1)に記載の植物育成用基盤の製造方法。
(3) 前記接着剤は、前記植物性細状物に対して1重量%以上30重量%以下添加されることを特徴とする、(1)または(2)に記載の植物育成用基盤の製造方法。
(4) 前記接着剤は、前記植物性細状物に対して3重量%以上25重量%以下添加されることを特徴とする、(1)または(2)に記載の植物育成用基盤の製造方法。
) 前記蒸気通気性シート状物が不織布等からなる離型布であることを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれかに記載の植物育成用基盤の製造方法。
) 前記吸水性シート状物がフェルトであることを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれかに記載の植物育成用基盤の製造方法。
) 前記加熱過程では、圧力5kg/cm以上9kg/cm以下、温度155℃以上185℃以下の蒸気を用い、該蒸気は15秒以上60秒以下噴射され、噴射停止後から離型までの保持時間は60秒以上240秒以下であることを特徴とする、(1)ないし()のいずれかに記載の植物育成用基盤の製造方法。
) 前記混合物には、土壌改良資材または肥効成分を含む物質の少なくともいずれか一方が添加、混合されていることを特徴とする、(1)ないし()のいずれかに記載の植物育成用基盤の製造方法。
) 前記型に詰める前記混合物の嵩高さは、得ようとする植物育成用基盤の厚さを0.5以上0.9以下の数で除して得られる値とすることを特徴とする、(1)ないし()のいずれかに記載の植物育成用基盤の製造方法。
10) 木材粉砕物等の植物性細状物にイソシアネート樹脂接着剤を添加し混合してなる混合物を、該混合物の上面側には相対的に蒸気通気性を備えた蒸気通気性シート状物、下面側には相対的に吸水性を備えた吸水性シート状物をそれぞれ離型性シート状物として配置するようにして、成形用の型に詰め、該型の上側からなされる蒸気加熱により該混合物を処理して得られる植物育成用基盤であって、下記の少なくともいずれか一つを満たす、植物育成用基盤。
(A)比重が、0.2以上0.3以下である。
(B)空隙率が、70%以上90%以下である。
(C)保水性が、重量比で70%以上150%以下である。
11) 木材粉砕物等の植物性細状物と接着剤とからなる植物育成用基盤形成用の混合物を上方から加圧ならびに加熱するための蒸気噴射盤と、該混合物を詰めるための型枠と、該混合物の載置ならびに凝結水排水のための設置台とからなる植物育成用基製造装置であって、該装置には、該蒸気噴射盤の噴射口配設面を覆うことのできる、相対的に蒸気通気性を備えた蒸気通気性シート状物が設けられるとともに、該設置台の該混合物載置面を覆うことのできる、相対的に吸水性を備えた吸水性シート状物が設けられていることを特徴とする、植物育成用基盤製造装置。
つまり本発明には、上述課題に対する次のような解決手段が含まれる。
(i)反応型接着剤、特に非ホルマリン系接着剤等、とりわけイソシアネート樹脂接着剤と、木材粉砕物等の植物性細状物とを混合する。
(ii)底無しの型つまり型枠を用意し、型の底には吸水性シート状物であるフェルト等を敷き、該木材粉砕物等を型に詰め、その上には蒸気通気性シート状物である離型布(以下、「剥離布」ともいう。)を乗せる。
(iii)これを装置にセットして密閉し、高温蒸気で加熱する。
(iv)加熱・養生後、解圧して、植物育成用基盤の成型体を離型する。
本発明において植物性細状物とは、木質廃棄物や間伐材その他の木材が粉砕されてなる木材粉砕物の他、樹皮その他の植物繊維等に由来してこれらが粉砕、細片化、細粒化等された物を広く含む。また、片状、粒状、紛状など、その形状やサイズは限定されない。
本発明において離型性シート状物とは、植物性細状物と接着剤の混合物の熱硬化接着において、自身が型に接着せず、かつ混合物側にも接着せず、混合物を型に接着させずに離型させるのに用いることができ、混合物上下への配置の際に、それに対する加圧、加熱処理に支障がない程度の厚さおよび柔軟性もしくは可撓性を有する、布その他のシート状物をいう。
本発明の植物育成用基盤の製造方法および植物育成用基製造装置は上述のように構成されるため、これによれば、植物育成用基盤製造において、型崩れを有効に防止できるとともに離型性が向上することにより、品質低下を防ぎ、さらに製造時間を短縮し、コストを低減することができる。
また、本発明による植物育成用基盤は軽量に構成することができ、製造・流通・使用・保守の各段階において便宜である。さらに木質廃棄物や間伐材等を原料とすることができるため、山林の保全など環境対策に大いに貢献することができる。
さらに本発明で得ることのできる植物育成用基盤には、下記の各利点が確認されている。
(ア)蒸気加熱と凝結水により、木材粉砕物に含まれるフェノール物質やタンニン等が揮発、分解、温水抽出されることで、植物生長阻害物質が低減される。
(イ)170℃の蒸気の作用による木材のヘミセルロースの糖への分解が期待される。
(ウ)フェルトの働きによって、木材粉砕物の過剰の凝結水が原因となって生じる成型体の型崩れを防止することができる。
(エ)重量比で約80%の保水性と80%〜90%空隙率を持つ。
(オ)踏圧に耐える程度の圧縮強度と、屋外においても5年程度は型崩れしない耐水性を持つ。
(カ)上面からの片面蒸気噴射によって得られた成型体は、上面と下面の物性が異なり、フェルト面と接していることで密度が小さく、表面が荒くなっている下面を植生面とすることで植物の根の生育を促進させる。
(キ)イソシアネート樹脂成型体のプレス面や金網面への付着を防止できる。
(ク)成型に要する時間が短縮することができる。
(ケ)原材料として、木材粉砕物のみに限らず、樹皮、その他の植物繊維等を用いることができるとともに、土壌改良材や肥効成分の添加も可能な植物育成用基盤製造方法である。
以下、適宜図を用いつつ、本発明についてより詳細に説明する。
図1は、本発明の植物育成用基盤の製造方法の構成を示すフロー図である。図示するように本製造方法は、木材粉砕物等の植物性細状物20に接着剤30を添加、混合してこれらの混合物50を得る混合過程P10と、該混合物50の上下面には該型との接着を防止することのできる離型性シート状物を配置するようにして(P21)、成形用の型に該混合物50詰める充填過程P22と、該型内において充填された該混合物50を蒸気を用いて加熱する加熱過程P30とを経る構成をとる
かかる構成により本製造方法によれば、混合過程P10において木材粉砕物等の植物性細状物20に接着剤30を添加、混合されて、これらの混合物50が得られ、ついで、該混合物50の上下面には該型との接着を防止することのできる離型性シート状物が配置され(P21)、充填過程P22において成形用の型に該混合物50が詰められ、加熱過程P30において該型内に充填された該混合物50が蒸気を用いて加熱され、これら各過程を経ることによって、植物育成用基盤80が得られる。
前記接着剤30としては、イソシアネート樹脂接着剤等の非ホルマリン系接着剤または低ホルマリン系接着剤を用いることができるまた該接着剤30は、前記植物性細状物(乾燥重量)に対して1重量%以上30重量%以下添加することとすることができるこの数値範囲は、該植物性細状物に対して3重量%以上25重量%以下とすることもできるが、好ましくは、植物性細状物の全乾重量に対して5〜20%、より好ましくは実施例において後述するように、10〜15%重量比のイソシアネート樹脂を添加することにしてもよい。
図2は、本発明製造方法を用いる装置例により説明する該装置例の断面図である。図において本発明の植物育成用基盤製造方法は、前述のフローに加え、前記加熱過程P30における蒸気による加熱は、前記型(1、2、3)の上側からなされ、前記過程P21で用いる前記離型性シート状物は、上面側のものを、相対的に蒸気通気性を備えた蒸気通気性シート状物5、下面側のものを、相対的に吸水性を備えた吸水性シート状物4とすることができる
かかる構成により、該過程P21では、前記混合物7の上面側に相対的に蒸気通気性を備えた蒸気通気性シート状物5が配置され、下面側には相対的に吸水性を備えた吸水性シート状物4が配置された状態で、該加熱過程P30における蒸気加熱(14)が、該混合物7の上方からなされる。蒸気(14)は下方に噴射されて、該蒸気通気性シート状物5を通過して該混合物7を加熱する。該加熱過程P30において生じる凝結水は該吸水性シート状物4によって吸水されるため、該混合物7に余計に残ることはなく、また該吸水性シート状物4によって吸水されない余剰分の凝結水は、最終的に排水(12)される。
該蒸気通気性シート状物5としては、不織布等からなる離型布を用いることができまた、該吸水性シート状物4としては、フェルトを用いることができる
図3(a)、(b)は、図2で示した本発明の植物育成用基盤製造方法により得られた植物育成用基盤(成型体)を、型から取り出す過程を説明する断面図である。図示するように、まず成型体11の上下方向部分を外し、その後、該成型体11を囲繞する型と該蒸気通気性シート状物5と該吸水性シート状物4を取り外す手順をとることができる。
前掲図1で、前記加熱過程P30では、圧力5kg/cm 以上9kg/cm 以下、温度155℃以上185℃以下の蒸気を用い、該蒸気は15秒以上60秒以下噴射され、噴射停止後から離型までの保持時間は60秒以上240秒以下とする条件を採ることができるかかる条件設定により、より好適に植物育成用基盤を得ることができる。
図4は、本発明製造方法の別の構成を示すフロー図である。図示するように前述のフローに加えて、前記混合過程P11では、前記混合物55に、土壌改良資材41または肥効成分を含む物質42の少なくともいずれか一方を添加、混合することができるかかる添加により、得られる植物育成用基盤(成型体)85の付加価値を高めることができる。
以上説明した本発明製造方法では、前記型に詰める前記混合物の嵩高さについて、得ようとする植物育成用基盤の厚さを0.5以上0.9以下の数で除して得られる値とすることができるこれは、上述フローを経ることにより得られる成型物に対する圧縮を考慮することによって、得るべき成型物の厚さを、当初の混合物の充填量により制御するものである。
また、以上説明した方法で得られる植物育成用基盤には、次のような特性の少なくともいずれかが付与される。
(A)比重が、0.2以上0.3以下である。あるいは0.2以上0.25以下である。
(B)空隙率が、70%以上90%以下である。あるいは80%以上90%以下である。
(C)保水性が、重量比で70%以上150%以下である
図5は、本発明の植物育成用基盤製造装置の構成を示す断面図である。図において本装置500は、木材粉砕物等の植物性細状物と接着剤とからなる植物育成用基盤形成用の混合物を上方から加圧ならびに加熱するための蒸気噴射盤100と、該混合物を詰めるための型枠200と、該混合物の載置ならびに凝結水排水のための設置台300とからなり、該装置500には、該蒸気噴射盤100の噴射口180配設面を覆うことのできる、相対的に蒸気通気性を備えた蒸気通気性シート状物150が備えられているとともに、該設置台300の該混合物載置面を覆うことのできる、相対的に吸水性を備えた吸水性シート状物340が備えられていることを、主たる構成とする
該蒸気通気性シート状物150は、該蒸気噴射盤100の噴射口180配設面を覆うことができる限り、それが備えられる部位や態様は限定されない。したがって、該噴射盤100側に設けることも、あるいは該型枠200側に設けることも、また、着脱自在に設けることも、あるいはまたこれらに付設はせずに備えられた状態とすることも、できる。該吸水性シート状物340についても同様である。
かかる構成により本装置500では、木材粉砕物等の植物性細状物と接着剤とからなる植物育成用基盤形成用の混合物は、下方に該吸水性シート状物340が配置された状態で該設置台300上かつ該型枠200内に充填され、上方に該蒸気通気性シート状物150が配置されて、該蒸気噴射盤100がその上に置かれて、これによる該混合物への加圧ならびに、蒸気噴射口140から噴射される蒸気により、該混合物の蒸気加熱が行われる。
該蒸気噴射口140からの蒸気は、該蒸気通気性シート状物150を通して該混合物へと達し、蒸気加熱が行われる。これにより生じる凝結水は、該吸水性シート状物340によって吸水除去され、余剰分は網体390を通し、排水部380により排水される。
前記植物性細状物としての木材粉砕物は、丸鋸や帯鋸、回転カンナ、フライスカッター、ルーター等により得られる粒状または繊維方向に長い切削片や、専用機械から製造される切削片やハンマーミルタイプの木材小片であり、単独でも混合したものでも利用可能である。しかし、小片の大きさや形状によって製造条件が異なるため、前述したような保水率や空隙率の値を得るには、小片大きさが42メッシュ以下となる程度の木材粉砕物を用いることが、より好ましい。
本発明の実施例について、再度図2ならびに図3(a)、(b)を用いて説明するが、本発明がこの実施例によって限定されるものではないことはいうまでもない。また、実施例説明にあたっては、ここまで用いた用語とは異なる用語を用いることがある。また、上述の植物性細状物の例として、木材粉砕物を挙げて説明する。
設置台3は、断熱材13に覆われ、上面に金網9が設置され、傾斜した底面を持ち、管によって開閉弁8に接続されている。金網9は設置台3の内部の格子状補強治具15によって補強されている。この設置台3の上、高さ90mmの底の無い箱型治具2を設置し、5mm厚のフェルト4を底に敷く。
木材粉砕物と、木材粉砕物の全乾重量に対して10〜15%重量比のイソシアネート樹脂とが予め混合されてなる、イソシアネート樹脂と木材粉砕物との混合物7(以下「混合物7」)を、箱型治具2の高さまで均一に詰め、この上に剥離布5を乗せる。
次に蒸気噴射盤1が、箱型治具2に、混合物7の厚さが50mmの設定値となるまで挿入され、設定値に達する。同時にゴム製気密材6が箱型治具2の上端に密着され、開閉弁8を閉じることで、箱型治具2および設置台3の内部は密閉される。
次に、蒸気入口14から、約7kg/cmで約170℃の蒸気が蒸気噴射盤1に入り、蒸気噴射盤1の孔から蒸気10が25〜30秒間噴射される。この蒸気は剥離布5を通して、イソシアネート樹脂と混合された木材粉砕物7を加熱する。
その後100〜180秒間保持されるが、この間、蒸気熱と水分の一部はイソシアネート樹脂の尿素結合に使われたり、木材粉砕物7の加熱に使われる。
蒸気は時間経過とともに凝結し、箱型治具2の底に移動し、箱型治具2の底に設置したフェルト4に吸収されるが、それでも余った凝結水は、金網9を通して下に流れ、設置台の底に溜まる。
さらに、図3(a)に示した解圧過程において、蒸気噴射盤1が成型体11から離れる際、剥離布5の働きによって両者の付着を防止するとともにフェルト4は、成型体11が金網9へ付着することを防止する。
次に、図2(b)のように、箱型治具2の片面から平均的な圧力で押すことで簡単に成型体11を取り出すことができる。最後に、成型体11から、フェルト4と剥離布5を剥離する。
ここで用いた木材粉砕物は、丸鋸切削型のオガ粉製造専用機械から得られた42メッシュ以下が95%の粒状丸鋸切削片である。
また、ここで用いる剥離布5としては、蒸気の通気性や耐熱性、耐水性があり、イソシアネート樹脂との付着が少ない素材で、目詰りし難い適度の通気性を持った布がよい。また、フェルト4は、吸水性、耐熱性、耐水性、イソシアネート樹脂との付着が少ないフェルト類がよい。
実施例は、50mm厚の植物育成用基盤を得るためのもので、圧縮率が約60%としたものであり、この圧縮率によって比重0.2〜0.25で、空隙率80%〜90%の植物育成用基盤を得ることがでる。また、本方法では任意の厚さの植物育成用基盤を得ることが可能であり、その場合、箱型治具2に詰める混合物7の嵩高さは、得ようとする植物育成用基盤の厚さを0.6で除した値の高さとすればよい。
圧縮率を60%より小さくすると、小さな比重の空隙率の大きい植物育成用基盤が得られる。圧縮率を60%より大きくすると、大きな比重の空隙率の小さな植物育成用基盤が得られるとともに、型崩れ防止の点で、60%未満の場合よりも有利である。
また、実施例は方形の植物育成用基盤であるが、箱型治具2と蒸気噴射盤1の形状により、どのような形状の基盤でも製造することは可能であり、製品設計には自由度がある。
また、実施例のような植物育成用基盤に任意の大きさの貫通穴や非貫通穴を設ける場合においても、箱型治具2に穴設定用の専用治具を組み合わせることができるため、充分に製造可能である。
また、混合物7には、土壌改良のための粉炭、泥炭、樹皮、貝殻粉や肥効成分を添加することができ、製品の付加価値を高めることができる。
本発明の植物育成用基盤の製造方法および植物育成用基製造装置は上述のように構成されるため、これによれば、植物育成用基盤製造において、型崩れを有効に防止できるとともに離型性が向上することにより、品質低下を防ぎ、さらに製造時間を短縮し、コストを低減することができ、産業上利用価値が高い。
また、本発明による植物育成用基盤は軽量に構成することができ、製造・流通・使用・保守の各段階において便である。さらに木質廃棄物や間伐材等を原料とすることができるため、山林の保全など環境対策に大いに貢献することができ、産業上利用価値が高い。
本発明によって、木材粉砕物を主原料とした、軽量で高い保水性と空隙を持ち、植物の生長阻害物質が低減され植物育成に適した植物育成用基盤の製造が可能となり、製造時間も大幅に短縮でき、産業上利用価値が高い。
また、本発明による植物育成用基盤は、ヒートアイランド現象対策としての屋上緑用化資材として最適であるばかりでなく、その原料として間伐材や木質系の廃棄物を利用することもでき、産業上利用価値が高い。
本発明の植物育成用基盤の製造方法の構成を示すフロー図である。 本発明製造方法を用いる装置例により説明する該装置例の断面図である。 は、図2で示した本発明の植物育成用基盤製造方法により得られた植物育成用基盤(成型体)を、型から取り出す過程を説明する断面図である。 は、図2で示した本発明の植物育成用基盤製造方法により得られた植物育成用基盤(成型体)を、型から取り出す過程を説明する断面図である。 本発明製造方法の別の構成を示すフロー図である。 本発明の植物育成用基盤製造装置の構成を示す断面図である。
符号の説明
1…蒸気噴射盤
2…底の無い箱型治具
3…設置台
4…フェルト
5…剥離布
6…気密材
7…イソシアネート樹脂と木材粉砕物との混合物
8…開閉弁
9…金網
10…噴射蒸気
11…成型体
12…凝結水
13…断熱材
14…蒸気入口
15…格子状補強治具
20…植物性細状物
30…接着剤
50、55…混合物
80、85…植物育成用基盤(成型体)
41…土壌改良資材
42…肥効成分を含む物質
P10、P11…混合過程
P21、P23…離型性シート状物の配置過程
P22、P24…充填過程
P30、P31…加熱過程
100…蒸気噴射盤
140…蒸気入口
150…蒸気通気性シート状物
180…噴射口
200…型枠
300…設置台
340…吸水性シート状物
380…排水部
390…網体
500…植物育成用基盤製造装置





Claims (11)

  1. 木材粉砕物等の植物性細状物に接着剤を添加し混合して混合物を得る混合過程と、該混合物の上下面には型との接着を防止することのできる離型性シート状物を配置するようにして、成形用の型に詰める充填過程と、該型内において充填された該混合物を蒸気を用いて加熱する加熱過程を経ることにより植物育成用基盤を得る植物育成用基盤の製造方法であって、該蒸気による加熱は該型の上側からなされ、該離型性シート状物は上面側のものが相対的に蒸気通気性を備えた蒸気通気性シート状物であり、下面側のものが相対的に吸水性を備えた吸水性シート状物であることを特徴とする、植物育成用基盤の製造方法。
  2. 前記接着剤は、イソシアネート樹脂接着剤等の非ホルマリン系接着剤または低ホルマリン系接着剤であることを特徴とする、請求項1に記載の植物育成用基盤の製造方法。
  3. 前記接着剤は、前記植物性細状物に対して1重量%以上30重量%以下添加されることを特徴とする、請求項1または2に記載の植物育成用基盤の製造方法。
  4. 前記接着剤は、前記植物性細状物に対して3重量%以上25重量%以下添加されることを特徴とする、請求項1または2に記載の植物育成用基盤の製造方法。
  5. 前記蒸気通気性シート状物が不織布等からなる離型布であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の植物育成用基盤の製造方法。
  6. 前記吸水性シート状物がフェルトであることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の植物育成用基盤の製造方法。
  7. 前記加熱過程では、圧力5kg/cm以上9kg/cm以下、温度155℃以上185℃以下の蒸気を用い、該蒸気は15秒以上60秒以下噴射され、噴射停止後から離型までの保持時間は60秒以上240秒以下であることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の植物育成用基盤の製造方法。
  8. 前記混合物には、土壌改良資材または肥効成分を含む物質の少なくともいずれか一方が添加、混合されていることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の植物育成用基盤の製造方法。
  9. 前記型に詰める前記混合物の嵩高さは、得ようとする植物育成用基盤の厚さを0.5以上0.9以下の数で除して得られる値とすることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の植物育成用基盤の製造方法。
  10. 木材粉砕物等の植物性細状物にイソシアネート樹脂接着剤を添加し混合してなる混合物を、該混合物の上面側には相対的に蒸気通気性を備えた蒸気通気性シート状物、下面側には相対的に吸水性を備えた吸水性シート状物をそれぞれ離型性シート状物として配置するようにして、成形用の型に詰め、該型の上側からなされる蒸気加熱により該混合物を処理して得られる植物育成用基盤であって、下記の少なくともいずれか一つを満たす、植物育成用基盤。
    (A)比重が、0.2以上0.3以下である。
    (B)空隙率が、70%以上90%以下である。
    (C)保水性が、重量比で70%以上150%以下である。
  11. 木材粉砕物等の植物性細状物と接着剤とからなる植物育成用基盤形成用の混合物を上方から加圧ならびに加熱するための蒸気噴射盤と、該混合物を詰めるための型枠と、該混合物の載置ならびに凝結水排水のための設置台とからなる植物育成用基盤製造装置であって、該装置には、該蒸気噴射盤の噴射口配設面を覆うことのできる、相対的に蒸気通気性を備えた蒸気通気性シート状物が設けられるとともに、該設置台の該混合物載置面を覆うことのできる、相対的に吸水性を備えた吸水性シート状物が設けられていることを特徴とする、植物育成用基盤製造装置。
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