JP4025690B2 - 非磁性一成分現像用トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法等において形成される静電潜像の現像に用いられる電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を用いた画像形成処理は、光導電性物質を含む感光体の表面を一様に帯電させる帯電過程、その感光体の表面を露光して静電潜像を形成する露光過程、感光体表面の静電潜像をトナー像に顕像化する現像過程、感光体表面に担持されたトナー像を用紙の表面に転写する転写過程、及び、加熱及び加圧等の手段によってトナー像を用紙上に定着させる定着過程からなる。
【0003】
これらのうち、現像過程における方式として、トナー及びキャリアによって構成された現像剤を用いる二成分現像方式と、キャリアを含まないトナーのみからなる現像剤を用いる一成分現像方式が知られており、近年、保守が容易で装置の小型軽量化及びコストの低廉化を図ることができる等の利点から、一成分現像方式が広く採用されている。
【0004】
一成分現像方式を用いた画像形成では、感光体に近接して配置される現像ローラと、現像ローラにトナーを供給する供給ローラと、現像ローラに当接して現像ローラの周面のトナーに対して薄層化及び電荷付与を行う規制ブレードとを備えた現像装置を用いるものがある。この現像方式において感光体の表面に形成された静電潜像を適正に顕像化するためには、現像ローラ上に常に安定したトナーの薄層を形成する必要がある。また、近年、画像形成装置の高速化及び長寿命化が進展し、さらに、フルカラーの画像形成用として非磁性一成分現像方式が採用されているが、フルカラー画像形成用のトナーに用いられる結着樹脂は軟化点が低いため、黒用トナーに比較して規制ブレードにトナーが融着及び固着し易く、規制ブレードに対するトナーの融着や固着が生じると現像ローラの周面に均一なトナーの薄層が形成されず、画像上に白筋等が発生して画質の低下を招く問題がある。また、トナーに十分な電荷が与えられず、画像上の下地カブリの発生や、画像形成装置内にトナーが飛散する等の問題を生じる。
【0005】
一方、定着工程には、熱ローラ定着等の接触加熱定着方式やオーブン定着等の非接触加熱方式などが用いられている。接触方式は熱効率がよいことが特徴で、非接触方式に比べて、定着に必要な温度を下げることができ、省エネルギー化や複写機の小型化に有効である。しかしながら、この接触式加熱定着法においては、定着時に溶融したトナーの一部が熱ローラーに移り、後続の転写紙等に転写されるオフセット現像という問題が生じやすい。この現象を防止するため、従来より、熱ローラの表面をフッ素系樹脂等の離型性の優れた材料で加工したり、熱ローラの表面にシリコーンオイル等の離型剤を塗布したりしている。しかし、シリコーンオイル等を用いる方法は、定着装置が大きく複雑になるので、コスト高となったりトラブルの原因となることが考えられ好ましくない。
【0006】
これらの問題に対して、下記特許文献1には結着樹脂及び現像剤担持体表面における樹脂層の溶解度パラメーターの差を規定し、ワックスの種類及び酸価を特定することにより、非磁性一成分現像方式におけるトナーの融着を防止した、経時安定性、耐オフセット性の優れたトナーについて開示している。また、下記特許文献2には、トナーのガラス転移温度及び1/2流出開始温度を特定し、かつ結着樹脂の1/2流出開始温度とワックスの融点との差を規定することにより良好で安定した現像性を有し、かつ、定着装置に定着オイルを塗布することなく良好な定着性、光沢性、透明性、離型性を有するカラートナーについて開示している。
【0007】
さらに、下記特許文献3には、2種以上の非晶性結着樹脂、結晶性結着樹脂及びワックスを混合し、非晶性結着樹脂の融点、ガラス転移点及びクロロホルム不溶分率を規定し、また、結晶性結着樹脂の融点、ワックスの融点及び針入度を特定し、さらに、結晶性結着樹脂とワックスの比率を限定することにより、保存安定性、定着性、耐オフセット性及び環境安定性のいずれにも優れた電子写真用トナーについて開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−324514公報
【特許文献2】
特開平11‐249341公報
【特許文献3】
特開2003−57875号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された技術によると、結着樹脂及び現像剤担持体表面における樹脂層の溶解度パラメーターの差を規定し、ワックスの種類及び酸価を特定することにより、トナー中の分散状態を向上することができ、非磁性一成分現像における融着や高温オフセット性に優れたトナーを得ることは可能であるが、低温領域における定着性についての記述はされていない。
【0010】
また、特許文献2に開示された技術によると、トナーのガラス転移温度を規定することにより、長期の撹拌においてもトナーの変形、微粉化などの発生が無く、現像ローラへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化するためのブレード等の部材への融着が防止でき、さらに、及び1/2流出開始温度を特定し、かつ結着樹脂の1/2流出開始温度とワックスの融点との熱特性の関係を近づけることにより、トナー中でのワックスの分散が良好になり、一成分現像装置における長期の撹拌においてもトナーの表面からワックスが染み出したり、ワックスが脱離することが防止され、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着が防止できるとしている。しかしながら、結着樹脂の1/2流出開始温度とワックスの融点との熱特性の関係を近づけることにより、トナー中でのワックスの分散が良好になり、一成分現像装置におけるブレードなどへのトナーの固着・融着は防止できるが、低温領域におけるワックスの染み出し効果は期待できないため低温定着性に対する効果は得られない。
【0011】
さらに、特許文献3に開示された技術によると、2種以上の非晶性結着樹脂、結晶性結着樹脂及びワックスを組み合わせることにより、低温定着性及び耐オフセット性のいずれにも優れた電子写真用トナーが得られるとしている。しかしながら、低温定着性に主に起因する結晶性樹脂及びワックスのトナー中の含有量についての記載はない。結晶性樹脂及びワックスはその含有量が増大すると分散性が低下し、非磁性一成分現像において、規制ブレードなどの部材への融着を引き起こす。また、結晶性樹脂やワックスはトナーの透明性を低下させるため、フルカラートナーの色再現特性などに悪影響を及ぼし、使用できない。
【0012】
上記、従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、非磁性一成分現像方式において、規制ブレード部における固着や融着が発生することなく、また、低温定着性に優れたトナーを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究した結果、現像ローラ、及び、該現像ローラ上に形成される該トナーの薄層を均一に規制し、且つ該トナーに電荷を付与する導電性規制ブレードを備えた現像装置を用いる非磁性一成分現像方式において、特定の非晶性ポリエステル、特定の結晶性ポリエステル樹脂、及び、特定のワックスを用い、これらの重量比を特定の範囲とすることで上記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
【0014】
即ち、第1に、本発明のトナーは、現像ローラ、及び、該現像ローラ上に形成される該トナーの薄層を均一に規制し且つ該トナーに電荷を付与する導電性規制ブレードを備えた現像装置を用いる非磁性一成分現像方式において、少なくとも結着樹脂と着色剤及び離型剤からなるトナーであって、該トナーは重量平均分子量(Mw)が30万以上である非晶性ポリエステル(A)、重量平均分子量(Mw)が3万以下である非晶性ポリエステル(B)、融点が80℃〜140℃である結晶性ポリエステル樹脂(C)、及び、融点が70℃〜110℃のワックスを用い、非晶性ポリエステル〔樹脂(A)+樹脂(B)〕に対する〔樹脂(C)+ワックス(W)〕の重量比〔樹脂(C)+ワックス(W)〕/〔樹脂(A)+樹脂(B)〕が1%〜15%を満たし、且つワックス(W)を0.5〜5重量部含有することを特徴とする非磁性一成分現像用トナーである。
【0015】
通常、分子量の大きい結着樹脂は、加熱定着時に溶融粘度が低下し、トナー間の凝集力が低下することにより定着部材に付着する。すなわち、高温オフセット性に影響を及ぼし、分子量の小さい結着樹脂は加熱定着時に充分に溶融されずに定着部材に付着する低温オフセットの要因の一つである。本発明では、重量平均分子量(Mw)が30万以上の非晶性ポリエステル(A)と3万以下の非晶性ポリエステル(B)を組み合わせることにより、広い非オフセット領域を得ることが可能となる。一方、重量平均分子量(Mw)が30万以上の非晶性ポリエステルを用いることにより、低温領域においてトナーの弾性が高いために、紙繊維への染み込みが困難になり、紙との密着性の低下、いわゆる低温領域における定着性能の低下が起こる。融点が80℃〜140℃の結晶性ポリエステル、あるいは70℃〜110℃のワックスを用いることにより、低温定着性を向上することが可能となる。ところで、結晶性ポリエステルは非晶性ポリエステルとの相溶性が高いため、一成分現像方式における規制ブレードへの固着・融着に起因しないが、低温領域において染み出し効果を発揮し難い。一方、ワックスはポリエステルとの相溶性が悪く、分散性が低いため、低温領域において染み出し効果は高いが、一成分現像方式における規制ブレードへの固着・融着を引き起こしやすい。且つワックス(W)が0.5〜5重量部、それぞれ含有することにより、低温領域における染み出し効果が高く、かつ一成分現像方式における規制ブレードへの固着・融着の生じないように適正化することができる。また、ワックスや結晶性ポリエステルを含有することにより、低温領域における染み出し効果により高い低温定着性が得られるが、含有量が増加すると分散性が悪くなり、一成分現像方式における規制ブレードへの固着・融着が生じ、フルカラー用では透明性に影響を及ぼす。
【0016】
非晶性ポリエステルに対するワックス及び結晶性ポリエステルの重量比率〔樹脂(C)+ワックス(W)〕/〔樹脂(A)+樹脂(B)〕を1%〜15%とすることにより、低温定着性に優れ、一成分現像方式における規制ブレードへの固着・融着の無いトナーが得られる。さらに、結晶性ポリエステル及びワックスの融点をそれぞれ80℃〜140℃及び70℃〜110℃とするのは、それ以下であれば耐久性やブロッキング性に支障をきたし、それ以上であれば、低温領域における定着性に効果が無いためである。
【0017】
第2に、本発明は、現像ローラ、及び、該現像ローラ上に形成される該トナーの薄層を均一に規制し且つ該トナーに電荷を付与する導電性規制ブレードを備えた現像装置を用いる非磁性一成分現像方式において、少なくとも結着樹脂と着色剤及び離型剤からなるトナーであって、該トナーは重量平均分子量(Mw)が30万以上であり融点が70℃から110℃のワックス(W)を内添した非晶性ポリエステル(A2)、重量平均分子量(Mw)が3万以下である非晶性ポリエステル(B)、融点が80℃〜140℃である結晶性ポリエステル樹脂(C)で構成され、〔樹脂(C)+ワックス(W)〕/〔樹脂(A2)−ワックス(W)+樹脂(B)〕の重量比が1%〜15%を満たし、且つワックス(W)が0.5〜5重量部、含有することを特徴とする非磁性一成分現像用トナーである。
【0018】
ワックスは、非晶性ポリエステルとの相溶性が低いが、内添することによりポリエステル中の分散径を小さく制御することが可能となる。ワックスの分散径を小さくすることにより、低温領域における定着性を維持しつつ、非磁性一成分現像方式における規制ブレードへ固着・融着のより生じ難いトナーを生成することが可能となる。
【0019】
上記第1及び第2の本発明のトナーは、非晶性ポリエステル(A)及び(B)の酸価が5〜20mgKOH/gであることが好ましい。酸価が5〜20mgKOH/gである結着樹脂を用いることにより、ワックスの相溶性が向上するため、結着樹脂に対する分散性が向上しているとともに、非磁性一成分現像剤における規制ブレードに対するトナーの固着・融着の問題を解消することができる。一方、酸価が20mgKOH/gよりも大きくなると、外部環境、とりわけ湿度に対する影響を大きく受け、環境安定性に問題が生じる。
【0020】
上記第1及び第2の本発明のトナーは、ワックス(C)が極性を有していることが好ましい。極性を有するワックスを用いることにより、とりわけ酸価を有するバインダー樹脂に対する相溶性が向上するため、バインダー樹脂に対する分散性が向上しているとともに、トナー製造時にワックスが脱離しにくくなりフィルミングの問題も解消することができる。また、このようなワックスを含有させることにより非磁性一成分現像方式における規制ブレードに対するトナーの固着の問題を解消することができる。
【0021】
上記第1及び第2の本発明のトナーは、ワックス(C)の酸価が1〜15mgKOH/gであることが好ましい。酸価が1〜15mgKOH/gとしているのは、1mgKOH/gより小さいと結着樹脂との相溶性が向上せず、分散性も向上しないため、非磁性一成分現像方式における規制ブレードにおける融着が生じる。一方、ワックスの酸価が15mgKOH/gよりも大きくなると、ワックスの相溶性が向上し、分散性が良好となりすぎ、低温領域における染み出し効果が発揮できなくなる。
【0022】
上記第1及び第2の本発明のトナーは、25℃におけるワックス(C)の針入度が2以下であることが好ましい。針入度は硬さを示す指標であり、その値が小さいほど硬いことを示す。トナー中のワックスの分散状態が良好であっても、トナーの製造時、粉砕工程においてワックスの存在する部分で粉砕され、粒子を形成することが多く、トナー表面には少なからずワックスは存在している。非磁性一成分現像方式において、トナーは規制ブレード部との大きなストレスにより帯電する。トナー表面のワックスの針入度が2以下であれば、規制ブレードにおける固着・融着が生じない。
【0023】
上記第1及び第2の本発明のトナーは、現像ローラに対し、導電性規制ブレードが線圧15gf/cm以上50gf/cm以下で押圧されている非磁性一成分現像方式に用いられることが好ましい。現像ローラの周面に対する規制ブレードの圧接力が弱過ぎるとトナーの薄層の厚さが均一にならず、圧接力が強過ぎると長期間の使用により規制ブレードに対するトナーの融着・固着を生じる。したがって、現像ローラの周面に対する規制ブレードの圧接力を15gf/cm以上50gf/cm以下の線圧に規定することにより、現像ローラの周面に規定量のトナーの薄層が安定して形成されるとともに、長期間の使用によっても規制ブレードにトナーの融着・固着を生じない。
【0024】
第3に、本発明のトナーは、現像ローラ、及び、該現像ローラ上に形成される該トナーの薄層を均一に規制し且つ該トナーに電荷を付与する導電性規制ブレードを備えた現像装置を用いる非磁性一成分現像方式において、該現像装置がシアン、マゼンタ、イエローを順次画像形成するフルカラー用画像形成装置であってワックスの酸価が8〜15であることを特徴とする非磁性一成分フルカラー用トナーである。
【0025】
フルカラー画像は、シアン、マゼンタ、イエローの重ねあわせにより形成され、人間の目は外部光が各トナー層において吸収され、下地の紙において反射した光を認識し、色を識別している。ワックスや結晶性樹脂はトナーとして画像形成後も、再結晶化し、ドメインとして存在するが、とりわけ分散の困難なワックスは、外部光はドメインで乱反射し、フルカラー画像の色相や各色の重ね合わせによる色再現特性に悪影響を及ぼす。ワックスの酸価を8〜15としているのは、8より大きければワックスの分散状態が良好で、フルカラー画像において色相や色再現特性に悪影響を及ぼさない。また、15より小さければ、低温領域における定着性を良好に維持することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について詳述する。
本発明の実施形態に係る非磁性一成分現像方法が適用される画像形成装置の要部の構成を図1に示す。画像形成装置の内部には、矢印A方向に回転自在に支持した感光体ドラム5の周面に対向する現像装置6が設けられている。現像装置6は、矢印B方向に回転する現像ローラ1、規制ブレード2、矢印C方向に回転する供給ローラ3、及び矢印D方向に回転する攪拌ローラ4を備えており、内部に非磁性一成分トナー(以下、単にトナーという。)を収納している。なお、感光体ドラム5の周面は、現像装置6に対向する前に、帯電器7及び図外の光学系装置に対向している。感光体ドラム5の周面は、帯電器7によって単一極性の電荷を均一に付与された後、光学系装置から画像光の照射を受け、静電潜像が形成されている。
【0027】
現像ローラ1は、ウレタンゴム、シリコンゴム、NBR、EPDM又は天然ゴムを素材として円柱形状に形成されており、矢印B方向に回転自在に支持されている。現像ローラ1は、周面に薄層化したトナーを担持しており、感光体ドラム5の周面において静電潜像が形成された部分に当接して接触現像方式により静電潜像をトナー像に顕像化する。
【0028】
規制ブレード2は、SUS、アルミニウム又はリン青銅等の金属材料によって先端部に折曲部を有しない平板状に形成されており、先端部2aが支持部2bよりも現像ローラ1の回転方向の上流側で現像ローラ1の周面に圧接し、現像ローラ1の周面に規定量の厚さのトナー薄層を形成する。
【0029】
供給ローラ3は、ウレタンスポンジ等を素材として円柱形状に形成されており、矢印C方向に回転してトナーを現像ローラ1の周面に供給する。攪拌ローラ4は、矢印D方向に回転自在に支持されており、現像装置6内に収納されたトナーを攪拌し、トナーに所定の電荷を帯電させる。
【0030】
本発明において、用いられる結着樹脂は特定のポリエステル樹脂である。ポリエステル樹脂は、酸価の好ましい樹脂を容易に選択することができる。また、熱特性の制御の観点からも、フルカラー用として好ましく用いられている。
【0031】
上記ポリエステル系樹脂としては、具体的に、下記の多価アルコールと多価カルボン酸成分とから合成することができる。多価アルコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物等の2価アルコールを挙げることができる。
【0032】
また、ポリマーをテトラヒドロフラン不溶分が発生しない程度に非線状化するために3価以上の多価アルコールを使用することができる。3価以上のアルコール成分としては、グリセリン、ソルビトール、1,2,3,6−へキサンテトラオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等があげられる。
【0033】
また、多価カルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロへキサンジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アルキルコハク酸(例えば、n−オクチルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸)等の2塩基性カルボン酸、それらの酸無水物及びアルキルエステルをあげることができる。
【0034】
トナーの着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色について、公知のものを種々用いることができる。
イエロートナーの着色剤としては、例えば、カラーインデックスにより分類ささるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15若しくはC.I.ピグメントイエロー17等のアゾ系顔料、又は、黄色酸化鉄若しくは黄土等の無機系顔料を用いることができる。また、染料としては、例えば、C.I.アジットイエロー1等のニトロ系染料、又は、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19若しくはC.I.ソルベントイエロー21等の油溶性染料を用いることができる。特に、C.I.ピグメントイエロー17等のベンジジン系顔料が色味の点から好ましい。
【0035】
マゼンタトナーの着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10又はC.I.ディスパーズレッド15等を用いることができ、特に、C.I.ピグメントレッド122等のキナクリドン系顔料が色味の点から好ましい。
【0036】
シアントナーの着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25又はC.I.ダイレクトブルー86等を用いることができ、特に、C.I.ピグメントブルー15等の銅フタロシアニン顔料が色味の点から好ましい。
【0037】
ブラックトナーの着色剤としては、カーボンブラックが好適である。カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ロースブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、アセチレンブラックなどの、従来公知の様々なカーボンブラックの中から、適宜選択すればよい。
【0038】
本発明に用いられるワックスは、天然ワックスとして、動物由来の蜜蝋、鯨蝋、セラック蝋、植物由来のカルナバ蝋、木蝋、米糠蝋(ライスワックス)、キャンデリラワックス、石油由来のパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、鉱物由来のモンタンワックス、オゾケライトなどがあり、また合成ワックスとしては、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、油脂系合成ワック(エステル、ケトン類、アミド)、水素化ワックスなどがあるが、低温領域における染み出し効果を発揮するために、示差走査熱量分析計(以下、DSCと略す)による吸熱ピークが80〜110℃であるものであればよい。特に種類を限定されるものではないが、好ましくは、合成することによって得られる炭化水素系合成ワックス、或いは、石油系のワックスがよい。炭化水素系合成ワックスは次の2種類に大別される。1種類目はフィッシャー・トロプシュ(Fischer−Tropsch)ワックスと呼ばれているもので、一酸化炭素と水素を反応させることにより、生成することができる。他の一種はポリエチレンワックスと呼ばれているもので、エチレンの重合やポリエチレンの熱分解により生成することができる。
DSCはJIS−K7122−1987に準じて測定し、吸熱ピークの温度を融点とする。
【0039】
さらに本発明に用いられるワックスは、好ましくは極性を有するものであれば良く、さらに好ましくは酸価が1〜15のものであれば良い。一旦出来上がったワックスを原料として化学的・物理的手段で加工もしくは変性し、極性を持たせることが可能となる。変性ワックスとしては酸化ワックスと合成樹脂等をブレンドした配合ワックスに大別することができる。酸化ワックスは、原料のワックスを薬品や空気中の酸素で酸化することにより生成される。また、配合ワックスは機械的強度が小さいという欠点を補う為、相溶性の良い合成樹脂(エチレン酢ビ共重合体、ポリエチレン、合成ロジン等)を適当量ブレンドしたものである。
【0040】
さらに、本発明に用いられるワックスは、針入度が2以下であることが好ましい。針入度は、JISの規格(K−2235−5.4)に定められた方法により、ワックスの硬さを求める測定法である。測定装置で規定温度下に定められた針に100gの荷重をかけ、5秒間で試料に何mm侵入するかを求め、この10倍の数値で表すことができる。
【0041】
本発明の実施形態に係る非磁性一成分現像方法に用いるトナーには、トナーの摩擦帯電性を制御する目的で、電荷制御剤を配合することができる。この電荷制御剤は、トナーの帯電特性に応じて、正電荷制御用及び負電荷制御用がある。正電荷制御用の電荷制御剤としては、塩基性窒素原子を有する有機化合物、例えば、塩基性染料、第4級アンモニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン類又はニグロシンベース等を用いることができる。負帯電用の電荷制御剤としては、オイルブラック若しくはスピロンブラック等の油溶性染料、含金属アゾ染料、ナフテン酸金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、脂肪酸石鹸又は樹脂酸石鹸等を用いることができる。
【0042】
電荷制御剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部である。なお、カラー用トナーとしては、無色の第4級アンモニウム塩又はアルキルサリチル酸の金属塩が好ましいが、必須ではない。
【0043】
本発明の実施例形態に係る非磁性一成分現像方法に用いるトナーには、無機微粒子及び樹脂微粒子が外添される。無機微粒子としては、例えば、脂肪酸金属塩、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、酸化亜鉛粉末、酸化アルミ粉末、酸化チタン粉末又は微粉末シリカ等を用いることができる。また、樹脂微粒子としては、メラミン系樹脂を用いる。
【0044】
本発明の実施例形態に係る非磁性一成分現像方法に用いるトナーのトナー粒子は、平均粒径3μm〜15μmのものを用いる。特に高画質画像を得るためには、平均粒径が9μm以下の小粒径トナーを用い、画質の向上を図るためには5μm〜8μmの小粒径トナーが好適である。
【0045】
トナーは、上述した結着樹脂及び着色剤等の添加剤を、乾式ブレンダ、ヘンシェルミキサー又はボールミル等によって均一に予備混合して得られた混合物を、例えば、ハンドミキサ、ロール、又は、一軸若しくは二軸の押出混練機等の混練装置を用いて均一に溶融混練した後、得られた混練物を冷却して粉砕し、さらに、必要に応じて分級して製造される。得られたトナーは、上述した無機微粒子及び樹脂微粒子を外添剤として添加した後、篩等によって凝集物や異物を除去して製品化される。
【0046】
【実施例】
〔実施例1〜7及び比較例1〜7〕
[トナー作製]
重量部数が表1に示される重量平均分子量(Mw)が30万以上である非晶性ポリエステル(A)、重量平均分子量(Mw)が3万以下である非晶性ポリエステル(B)、結晶性ポリエステル樹脂(C)及びワックス(W)と、帯電制御剤としてアルキルサリチル酸の金属塩を2重量部と、着色剤としてマゼンタトナー用着色剤C.I.Pig.R−122 5重量部とを、ヘンシェルミキサーにて前混合後、二軸押出混練機にて溶融混練した。この混練物をカウンタージェットミルにて微粉砕した後、ロータリー式分級機にて過粉砕トナーを分級除去し平均7.5μmのトナーを作製した。分級したトナーに、流動化剤として平均粒径12nmの疎水性コロイダルシリカを外添処理し評価用トナーとした。
【0047】
【表1】
Figure 0004025690
【0048】
[定着性評価]
上記作製のトナーを、市販複写機(シャープ(株)ARC260)を用いて、普通紙(坪量80g/m2)上にトナー付着量が0.6mg/cm2となるように50mm×50mmのべた画像を転写し、定着部のローラ表面が120℃〜200℃と変化できるように改造した市販複写機(シャープ(株)製 ARC260)にて定着することにより、定着性評価用画像を作成した。
【0049】
評価用画像のべた部分を中心に、830g荷重を10秒間かけることにより折り曲げ、トナーのはがれ具合を目視により観察し、定着性の評価とした。なお、折り曲げ後の目視にてほとんどトナーのはがれが観察されなかった温度を定着性良好温度とし、その温度が140℃未満のものを◎、140℃〜150℃のものを○、155℃〜165℃のものを△、165℃より高いものを×と評価した。
【0050】
[一成分現像実写テストによる耐久性(固着・融着)評価]
上記作製のトナーを市販の非磁性一成分現像装置を有する複写機(シャープ(株)ARC260)に装着し、常温常質下において白色べた画像を20,000枚実写したのちに、該現像装置の規制ブレード部における固着・融着の状況をブロアーによって規制ブレード上のトナーを吹き飛ばした後、光学顕微鏡により規制ブレードの表面の状態を確認した。また、透明テープを現像ローラの周面に貼付した後に白紙上に再度貼付し、白筋の有無等を視認した。なお、規制ブレードにおける固着・融着や白筋が全く観察されなかったものを○、規制ブレード部の両端における少量の融着、あるいは現像ローラの両端に少量の白筋が観察されたものを△、全面に融着、あるいは白筋が観察されたものを×と評価した。
【0051】
[現像ローラ上のトナー付着量及び帯電量の測定]
上記実写テストの初期及び20,000枚実写後の現像ローラ上の周面に付着したトナーを吸引した際のカウンタチャージを測定し、トナーの電荷量及び吸引した重量を測定して比電荷を求めた。また、透明テープを現像ローラの周面における吸引跡に貼付した後に白紙上に再度貼付して吸引面積を測定し、単位面積当りのトナーの付着量を求めた。初期と20,000枚後の帯電量の変化率が5%未満のものを◎、5〜10%のものを○、10〜20%のものを△、20%より大きいものを×と評価した。付着量については、その変化率が5%未満のものを◎、5〜15%のものを○、15〜30%のものを△、30%より大きいものを×と評価した。
上記作製のトナーの評価結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
Figure 0004025690
【0053】
実施例1〜7においては、それぞれ低温領域における良好な定着性能と、非磁性一成分現像方式の規制ブレード部における固着や融着の無く、帯電性やトナー付着量が安定で画像形成状態を良好に維持することができる。実施例3と7を比較すると、付着量の変化率において、とりわけ良好な結果が得られている。これは、ワックスを内添することにより、ワックスの分散性が向上し、規制ブレードにおける融着が全く生じないため、トナー付着量を安定に維持することができたと考えられる。
【0054】
一方、比較例1及び3においては、低温領域において染み出し効果を有する樹脂(C)及びワックス(W)の含有比率が少ないため、十分な染み出し効果が得られず、165℃を超えた温度で定着しても、十分な定着強度が得られなかった。
【0055】
比較例2及び4においては、樹脂(C)及びワックス(W)の含有比率が多いため、十分な定着性が得られたが、分散性が悪く、トナー表面に低融点のワックスや結晶性樹脂が多数存在するため、実写テストにおいて規制ブレードにおけるストレスにより融着が生じ、それぞれ現像ローラ上に白筋が発生した。
【0056】
比較例5及び6については、ワックス及び結晶性樹脂の含有量は適正化されており、分散性は良好であると考えられ、規制ブレードにおいて観察された融着は両端に少量であったが、帯電量やトナー付着量の変化率が大きく、安定した画像形成状態を維持することはできない。トナー表面に存在する少量のワックスあるいは結晶性樹脂の融点が低いために、長時間の規制ブレードにおけるストレスにより、固着・融着が発生したものと考えられる。
また、比較例7については、ワックスの融点が高いため、低温領域において、十分に溶融できず粘度が高いために、紙繊維への染み込み効果が得られなかったと考えられる。
【0057】
〔実施例8〜12及び比較例8〜14〕
[トナーの作製]
表3に示す酸価を有する非晶性ポリエステル(A)及び非晶性ポリエステル(B)100部と、融点が86℃の結晶性ポリエステル樹脂(C)5重量部と、下記表3に示す酸価、融点、及び針入度を有するワックス(W)4重量部と、帯電制御剤としてアルキルサリチル酸の金属塩を2重量部と、着色剤としてマゼンタトナー用着色剤C.I.Pig.R−122 5重量部とを、ヘンシェルミキサーにて前混合後、二軸押出混練機にて溶融混練した。この混練物をカウンタージェットミルにて微粉砕した後、ロータリー式分級機にて過粉砕トナーを分級除去し平均7.5μmのトナーを作製した。分級したトナーに、流動化剤として平均粒径12nmの疎水性コロイダルシリカを外添処理し評価用トナーとした。
【0058】
【表3】
Figure 0004025690
【0059】
[定着性評価、一成分現像実写テストによる耐久性(固着・融着)評価、現像ローラ上のトナー付着量及び帯電量の測定]
市販の非磁性一成分現像装置を有する複写機(シャープ(株)ARC260)の規制ブレード線圧を変更できるように改造し、上記作製のトナーを、表3に示すブレード線圧を有する現像装置に装着し、常温常質下において白色べた画像を20,000枚実写したのちに、該現像装置の規制ブレード部における固着・融着の状況をブロアーによって規制ブレード上のトナーを吹き飛ばした後、光学顕微鏡により規制ブレードの表面の状態を確認した。また、透明テープを現像ローラの周面に貼付した後に白紙上に再度貼付し、白筋の有無等を視認した。なお、規制ブレードにおける固着・融着や白筋が全く観察されなかったものを○、規制ブレード部の両端における少量の融着、あるいは現像ローラの両端に少量の白筋が観察されたものを△、全面に融着、あるいは白筋が観察されたものを×と評価した。なお、定着性評価、現像ローラ上のトナー付着量及び帯電量の測定については実施例1〜7、比較例1〜7と同様の方法にて行った。
上記作製のトナーの評価結果を表4に示す。
【0060】
【表4】
Figure 0004025690
【0061】
実施例8〜12においては、非晶性ポリエステル、あるいはワックスの酸価を規定することによりワックスが適度に分散状態を保つことが可能となり、それぞれ低温領域における良好な定着性能と、非磁性一成分現像方式の規制ブレード部における固着や融着の無く、帯電性やトナー付着量が安定で画像形成状態を良好に維持することができるトナーを得ることができた。
【0062】
これに対し、比較例8及び10においては、非晶性ポリエステルあるいは、ワックスの酸価が低いため、分散性が十分に良好であるとは言えず、ややトナー付着量の安定性に欠け、それに起因し変化率が小さく、安定した帯電量を維持しているとはいえなかった。
【0063】
比較例9では樹脂の酸価が高いために、長期ランニング中において評価環境の影響を受け、帯電量が低下し、付着量が上昇する現象が観察された。
比較例11においては、ワックスの酸価が高いために分散性が良好なため、非磁性一成分現像方式の規制ブレード部における固着や融着の無く、帯電性やトナー付着量が安定であったが、低温領域における染み出し効果が十分に得られず、定着性がやや不十分な結果となった。定着良好温度は165℃であった。
【0064】
また、分散性が改善されたとはいえ、トナー作製の粉砕工程時に、ワックスの存在する箇所において粉砕されやすく、トナー表面にはワックスが存在する可能性が高い。比較例12は、硬さの指標である針入度が3のワックスを用いており、規制ブレード部分に固着しやすく、その結果、付着量の変化率のやや大きいトナーとなった。
【0065】
比較例13については、規制ブレードに対するストレスが小さいために、規制ブレードへの固着や融着は全く生じなかったが、層規制がやや不安定となり、付着量や帯電量の安定性がやや不安定なトナーとなった。
【0066】
また、比較例14については、規制ブレードの線圧が大きいため、一定した層規制が可能となるが、ストレスが大きすぎるために、若干の固着・融着が生じ、その結果、付着量もやや安定性のかける結果となった。しかし、いずれも総合的に問題のあるレベルではなかった。
【0067】
〔実施例13,14及び比較例15,16〕
[トナーの作製]
酸価が14.8mgKOH/gである非晶性ポリエステル(A)及び非晶性ポリエステル(B)100部と、融点が86℃の結晶性ポリエステル樹脂(C)5重量部と、下記表5に示す酸価及び融点を有するワックス(W)4重量部と、帯電制御剤としてアルキルサリチル酸の金属塩を2重量部と、着色剤としてマゼンタトナー用着色剤C.I.Pig.R−122 5重量部とを、ヘンシェルミキサーにて前混合後、二軸押出混練機にて溶融混練した。この混練物をカウンタージェットミルにて微粉砕した後、ロータリー式分級機にて過粉砕トナーを分級除去し平均7.5μmのトナーを作製した。分級したトナーに、流動化剤として平均粒径12nmの疎水性コロイダルシリカを外添処理し評価用トナーとした。
【0068】
【表5】
Figure 0004025690
【0069】
[定着性評価]
上記作製のトナーを、市販複写機(シャープ(株)ARC260)を用いて、普通紙(坪量80g/m2)上にトナー付着量が0.6mg/cm2となるように50mm×50mmのべた画像を転写し、定着部のローラ表面が120℃〜200℃と変化できるように改造した市販複写機(シャープ(株)製 ARC260)にて定着することにより、定着性評価用画像を作成した。
【0070】
評価用画像のべた部分を中心に、830g荷重を10秒間かけることにより折り曲げ、トナーのはがれ具合を目視により観察し、定着性の評価とした。なお、折り曲げ後の目視にてほとんどトナーのはがれが観察されなかった温度を定着性良好温度とし、その温度が140℃未満のものを◎、140℃〜150℃のものを○、155℃〜165℃のものを△、165℃より高いものを×と評価した。
【0071】
[透過特性評価]
加熱及び加圧により、上記作製トナーの6μmの厚みを有する分光透過特性評価サンプルを作製した。分光光度計UV−3300(日立製作所(株))により本評価サンプルの分光透過特性を測定した。430nm及び680nmにおける分光透過率の値を下記表6に示す。
【0072】
【表6】
Figure 0004025690
【0073】
マゼンタトナーにおいて、430nmあるいは680nm付近における透過性は、彩度の高い発色をするために有用であり、さらに、フルカラートナーとして用いる際に、トナーを重ね合わせ発色するという点においても重要である。実施例13及び14であれば、高い定着性とともに、高い発色性、色再現性を有したトナーが得られる。比較例15においては、各波長において透過率が低いため、フルカラートナーとして用いるのには、やや改善の必要がある結果となった。対して、比較例16については、発色性や色再現性の高いフルカラー用トナーが得られたが、低温領域における定着性がやや弱く、定着良好温度が160℃であった。なお、本発明の実施例においてはマゼンタトナーについて記載しているが、シアントナー及びイエロートナーについても同様の評価及び測定を行ったところ、同様な傾向を有する結果が得られた。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、現像ローラ、及び、該現像ローラ上に形成される該トナーの薄層を均一に規制し、且つ該トナーに電荷を付与する導電性規制ブレードを備えた現像装置を用いる非磁性一成分現像方式において、特定の非晶性ポリエステル、特定の結晶性ポリエステル樹脂、及び、特定のワックスを用い、これらの重量比を特定の範囲とすることにより、十分な非オフセット領域及び高い定着性能を有し、且つ非磁性一成分現像装置における規制ブレードへの固着や融着の無いために画像形成状態の安定なトナーを得ることができる。
【0075】
又、ワックスを内添することにより、低温における定着性を維持しつつ、分散性の向上により、非磁性一成分現像方式の規制ブレード部における固着や融着の無い、帯電性やトナー付着量が安定で画像形成状態を良好に維持できるトナーを得ることができる。
【0076】
又、非晶性ポリエステルの酸価が1以上であることにより、ワックスの分散性が向上し非磁性一成分現像方式の規制ブレード部における固着や融着の無く、画像形成状態を良好に維持することができる。一方、酸価を20mgKOH/g以下とすることにより、環境安定性の良好で低温領域において定着性の良好なトナーを得ることができる。
【0077】
又、極性ワックスを用いることにより、ワックスの分散性が向上し、非磁性一成分現像方式の規制ブレード部における固着や融着の無く、帯電性やトナー付着量が安定で画像形成状態を良好に維持できるトナーを得ることができる。
【0078】
又、ワックス(C)の酸価が1以上とすることで、ワックスの分散性が向上し、非磁性一成分現像方式の規制ブレード部における固着や融着の無く、帯電性やトナー付着量が安定で画像形成状態を良好に維持することができる。一方、酸価を15mgKOH/g以下とすることにより、低温領域において定着性の良好なトナーを得ることができる。
【0079】
又、針入度が2以下であるワックスを用いることにより、規制ブレード部によるストレスに対し固着や融着のなく、帯電性やトナー付着量が安定で画像形成状態を良好に維持できるトナーを得ることができる。
【0080】
又、現像ローラに対する導電性規制ブレードの線圧を特定範囲とすることで、現像ローラの周面に均一なトナーの薄層を長期間にわたって安定して形成することができるとともに、規制ブレードに対するトナーの融着や固着の発生を防止することができ、かつ、トナーに十分な電荷を帯電させることができ、画像形成状態を良好に維持できるトナーを得ることができる。
【0081】
更に、現像ローラ、及び、該現像ローラ上に形成される該トナーの薄層を均一に規制し且つ該トナーに電荷を付与する導電性規制ブレードを備えた現像装置が、シアン、マゼンタ、及びイエローを順次画像形成するフルカラー用画像形成装置であってワックスの酸価を8〜15mgKOH/gとすることにより、低温領域のおける良好な定着性とフルカラー用トナーとして重要な因子であるの良好な透過特性を有するフルカラー用トナーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非磁性一成分現像方法が適用される画像形成装置の要部の構成例を示す。
【符号の説明】
1−現像ローラ
2−規制ブレード
3−供給ローラ
4−攪拌ローラ
5−感光体ドラム
6−現像装置
7−帯電器

Claims (8)

  1. 現像ローラ、及び、該現像ローラ上に形成される該トナーの薄層を均一に規制し且つ該トナーに電荷を付与する導電性規制ブレードを備えた現像装置を用いる非磁性一成分現像方式において、少なくとも結着樹脂と着色剤及び離型剤からなるトナーであって、該トナーは重量平均分子量(Mw)が30万以上である非晶性ポリエステル(A)、重量平均分子量(Mw)が3万以下である非晶性ポリエステル(B)、融点が80℃〜140℃である結晶性ポリエステル樹脂(C)、及び、融点が70℃〜110℃のワックスを用い、非晶性ポリエステル〔樹脂(A)+樹脂(B)〕に対する〔樹脂(C)+ワックス(W)〕の重量比〔樹脂(C)+ワックス(W)〕/〔樹脂(A)+樹脂(B)〕が1%〜15%を満たし、且つワックス(W)を0.5〜5重量部含有することを特徴とする非磁性一成分現像用トナー。
  2. 現像ローラ、及び、該現像ローラ上に形成される該トナーの薄層を均一に規制し且つ該トナーに電荷を付与する導電性規制ブレードを備えた現像装置を用いる非磁性一成分現像方式において、少なくとも結着樹脂と着色剤及び離型剤からなるトナーであって、該トナーは重量平均分子量(Mw)が30万以上であり融点が70℃から110℃のワックス(W)を内添した非晶性ポリエステル(A2)、重量平均分子量(Mw)が3万以下である非晶性ポリエステル(B)、融点が80℃〜140℃である結晶性ポリエステル樹脂(C)で構成され、〔樹脂(C)+ワックス(W)〕/〔樹脂(A2)−ワックス(W)+樹脂(B)〕の重量比が1%〜15%を満たし、且つワックス(W)が0.5〜5重量部、含有することを特徴とする非磁性一成分現像用トナー。
  3. 非晶性ポリエステル(A)及び(B)の酸価が5〜20mgKOH/gであることを特徴とする請求項1又は2に記載の非磁性一成分現像用トナー。
  4. ワックス()が極性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の非磁性一成分現像用トナー。
  5. ワックス()の酸価が1〜15mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の非磁性一成分現像用トナー。
  6. 25℃におけるワックス()の針入度が2以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の非磁性一成分現像用トナー。
  7. 現像ローラに対し、導電性規制ブレードが線圧15gf/cm以上50gf/cm以下で押圧されている非磁性一成分現像方式に用いられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の非磁性一成分現像用トナー。
  8. 現像ローラ、及び、該現像ローラ上に形成される該トナーの薄層を均一に規制し且つ該トナーに電荷を付与する導電性規制ブレードを備えた現像装置を用いる非磁性一成分現像方式において、該現像装置がシアン、マゼンタ、及びイエローの重ねあわせにより画像を形成するフルカラー用画像形成装置であって、ワックスの酸価が8〜15であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の非磁性一成分フルカラー用トナー。
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