JP4025415B2 - 連続鋳造用タンディッシュノズル及び鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼の連続鋳造用タンディッシュノズルと連続鋳造用タンディッシュノズルを用いる鋼の連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、タンディッシュから鋳型内への溶鋼注入は、タンディッシュに設けられた逆Y型の吐出孔を有する耐火物製のタンディッシュノズルを介して行われている。溶鋼注入中において、該吐出口は鋳型内鋼浴中に浸漬する。タンディッシュノズルの左右吐出孔から鋳型内に流出した溶鋼は鋳型短片に衝突した後、上下方向に分割され、一方は短片に沿って下向きの下降流となり、他方は上昇して溶鋼表面流となる。この溶鋼表面流が強すぎる場合には、溶鋼表面でパウダーの巻き込みが生じ、反対に溶鋼表面流が弱すぎる場合には、溶鋼表面への熱供給が不足し部分的に凝固したディッケルが鋳型内に持ち込まれる。さらに、短片下降流が強すぎる場合には、鋳型内下方に向かう溶鋼の浸入深さが深くなるため、溶鋼中の介在物は浮上しきれず鋳片内部に捕捉される。このため、タンディッシュノズルには、溶鋼表面にパウダーの巻き込みとディッケルが生じない範囲の表面流速を与え、その上で溶鋼の浸入深さをできるだけ浅くすることが望まれており、従来から種々の形状のタンディッシュノズル、例えば特開昭61−14051号公報記載のタンディッシュノズル等が開発され、平均的な鋳型内の溶鋼流動はほぼ適正な範囲に制御されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、タンディッシュノズルの左右吐出孔から流出する溶鋼の流速は必ずしも同一ではなく、タンディッシュノズル内における溶鋼流の乱れに起因して左右の吐出流に偏りが生じ、この偏りは時間と共に変化する。また、鋳造時間の経過とともに、溶鋼中の非金属介在物がノズル内壁に付着してくると、偏流現象はより激しくなる。このような偏流現象が発生した場合には、吐出流速の速い側で溶鋼表面流速及び溶鋼浸入深さが同時に増大するため、パウダー起因の表面欠陥やアルミナ起因の内部欠陥が多発し、鋳片品質は著しく低下する。即ち、従来のタンディッシュノズル形状による鋳型内の平均的な流動制御だけでは、タンディッシュノズル内における溶鋼流の乱れやノズル閉塞に起因する偏流現象を防止し、鋳型内の溶鋼流動を常に適正な範囲に制御することはできない。
【0004】
本発明は、従来のタンディッシュノズルにおけるこれらの問題点を解決するもので、タンディッシュノズル内の溶鋼流動を整流化すると共に、ノズル閉塞をも防止することにより、常に鋳型内の溶鋼流動を最適に制御できる鋼の連続鋳造用タンディッシュノズル及びそれを用いた連続鋳造方法の提供を課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)鋼の連続鋳造用タンディッシュノズルにおいて、該タンディッシュノズルの内壁面に通気率を5×10−4Ncm・cm−1・Pa−1・s−1以下、C含有率を5%以下にした多孔質耐火物とその背面に密閉室を配置し、且つ該密閉室にガス吸引用の配管を接続するための排気口を配置したガス吸引構造であって、タンディッシュノズル内の溶鋼流を常に充満化させつつ、密閉室の圧力を13kPa以上とするためのガス吸引構造を有する連続鋳造用タンディッシュノズルである。また、(2)前記(1)記載のタンディッシュノズルを用いて、該タンディッシュノズルに配置した多孔質耐火物からガス吸引を行い、該タンディッシュノズル内の圧力を減圧しながらタンディッシュノズル内の溶鋼流を常に充満化させつつ、密閉室の圧力を13kPa以上として鋳造することを特徴とする鋼の連続鋳造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
一般に、タンディッシュノズル内にはノズル閉塞の防止を目的として、不活性ガスの吹き込みが行われている。この場合、注入流量を制御する溶鋼絞り部(ストッパー方式ではストッパー先端位置、スライディングノズル方式では摺動プレート位置)より下側で、タンディッシュノズル全周にわたってノズル内壁と溶鋼との間にガス溜まりが形成され、溶鋼流は鋳型内の溶鋼表面位置近傍に形成されたタンディッシュノズル内の溶鋼表面に向かって自由落下する。自由落下流はノズル内壁で拘束されないため不安定で乱れを生じ易く、その乱れがタンディッシュノズル内の溶鋼表面に伝わることにより偏流現象が発生する。さらに、タンディッシュノズル内に吹き込まれた不活性ガスは、一旦ノズル内壁と溶鋼との間に形成されたガス溜まりに滞留し、その後鋳型内に断続的に吹き込まれるため、タンディッシュノズル内の圧力は周期的に変化する。周期的な圧力変化はタンディッシュノズル内の溶鋼表面を上下に振動させ、偏流現象をさらに助長する。また、タンディッシュノズル内で自由落下流が生じると、溶鋼に比べて密度が小さく、且つ溶鋼と濡れ難い非金属介在物は一度タンディッシュノズル内の溶鋼表面に排出されるが、タンディッシュノズル内の溶鋼表面は周期的な圧力変化に伴い振動しているため非金属介在物はノズル内壁に付着する。
【0007】
以上の偏流発生機構及びノズル閉塞機構については、本発明者らが水や水銀を用いた連続鋳造機のモデル実験及びその解析により明らかにしたもので、本知見からタンディッシュノズル内における溶鋼流の乱れやノズル閉塞に起因する偏流現象を防止し、鋳型内の溶鋼流動を最適に制御するためには、不活性ガスの吹き込みに伴うタンディッシュノズル内の自由落下流を安定した充満流にすることが重要であると考えられる。
【0008】
鋳型内の溶鋼表面を基準にすると、タンディッシュノズル内における溶鋼表面高さH(m)は(1)式で表される。
【0009】
H=(PA −PN )/(ρ・g) (1)
ここで、PN はタンディッシュノズル内の圧力(Pa),PA は大気圧(Pa),ρは溶鋼密度(kg/m3 ),gは重力加速度(m/s2 )である。即ち、タンディッシュノズル内の圧力を下げることによりタンディッシュノズル内の溶鋼表面高さを上昇させることができ、理論的には0Paまでタンディッシュノズル内の圧力を下げるとタンディッシュノズル内の溶鋼表面高さは1.5m上昇する。一般に、タンディッシュノズル入り口(タンディッシュ底部)から鋳型内の溶鋼表面までの距離は1m程度であるため、不活性ガスの吹き込みにより自由落下流が生じた場合でも、タンディッシュノズル内の圧力を下げることによりタンディッシュノズル内の溶鋼流を常に充満化させ、偏流現象を防止することができる。
【0010】
タンディッシュノズル内の圧力を制御するためには、タンディッシュノズル内から不活性ガスを吸引する必要があるが、タンディッシュノズル内に連通した単管から不活性ガスを吸引すると溶鋼まで吸引することになる。このため、タンディッシュノズルの内壁に多孔質耐火物を設け、この多孔質耐火物を通して不活性ガスを吸引する方法が有効である。本方法でガス吸引を行う場合、多孔質耐火物への溶鋼付着や溶鋼浸透を防止し、鋳造全体にわたって不活性ガスの吸引機能を維持する必要がある。そこで、多孔質耐火物への溶鋼付着と溶鋼浸透の状態を評価するために、図1に示すガス吸引構造を有するタンディッシュノズルを製作し、溶鋼中での吸引試験を実施した。タンディッシュノズル1は内径90mm,外径180mm,長さ1200mm,吐出孔径90mm,吐出孔角度35°のアルミナグラファイト製で、タンディッシュノズルの内壁には、上部にガス吸引用の長さ50mm、厚み10mmの多孔質耐火物2を、下部にノズル閉塞防止用の長さ200mm、厚み10mmの不活性ガス吹き込み用耐火物3を設けた構造とした。多孔質耐火物2は長い程、ノズル強度を低下させるため、多孔質耐火物と不活性ガス吹き込み用耐火物の総長が従来の不活性ガス吹き込みで実績のある250mm長さを超えないように50mmとした。1550℃の溶鋼中にタンディッシュノズルを浸漬し、タンディッシュノズルの密閉室4と排気口の排気用口金具6を介して連通したガス吸引用配管5に圧力制御機能を有する真空ポンプ(図示せず)を接続し、密閉室4の圧力が13kPaになる条件で減圧した。なお、密閉室の圧力は減圧にするという条件以外に規定するものではないが、タンディッシュノズル自体の気密性が高いわけではなく、工業的には130Pa以下にすることは難しい。
【0011】
図2に多孔質耐火物の通気率と最大溶鋼浸透深さの関係を示す。なお、通気率は事前に101kPaの圧力を加えて多孔質耐火物を流れるArガス流量を測定することにより求めた。溶鋼が多孔質耐火物に浸透しないための通気率は、5×10-4Ncm3・cm-1・Pa-1・s-1 以下であることが分かる。これは、多孔質耐火物の通気性が低くなるにつれて気孔径が縮小し、溶鋼が浸透し難くなるためである。また、多孔質耐火物の通気率の下限値は特に規定するものではないが、1×10-7Ncm3・cm-1・Pa-1・s-1 より小さくすると多孔質耐火物の組織が緻密になり過ぎ、タンディッシュノズル内の圧力を下げるために高吸引能を有する真空ポンプが必要となる。このため、多孔質耐火物の通気率は工業的には1×10-7Ncm3・cm-1・Pa-1・s-1 以上にすることが望ましい。
【0012】
図3に多孔質耐火物のC濃度と溶鋼付着面積率の関係を示す。なお、多孔質耐火物の溶鋼付着面積率は付着面積を多孔質耐火物の全面積で除した値とした。多孔質耐火物のC濃度を5%以下(C濃度0%を含む。)にすることで、多孔質耐火物への溶鋼付着を防止できることが分かる。これは、熱伝導率が高く、溶鋼と濡れ易いC濃度が低下することにより、多孔質耐火物の表面に溶鋼が付着・凝固し難くなるためである。よって、多孔質耐火物に溶鋼が浸透せず、且つ表面に溶鋼が付着しないためには、多孔質耐火物の通気率を5×10-4Ncm3・cm-1・Pa-1・s-1 以下、C含有率を5%以下にすることが有効である。なお、上記スリット式浸漬ノズルは、不活性ガス吹き込み用耐火物を有しているが、実際の鋳造ではノズル閉塞防止用の不活性ガスは浸漬ノズル以外、例えばストッパー等から吹き込まれることもあり、その場合には必ずしも不活性ガス吹き込み用耐火物を有する必要はなく、図4に示すガス吸引用の多孔質耐火物のみを有する浸漬ノズルでも鋳造可能である。また、ノズル閉塞が問題とならない鋼種では、タンディッシュノズル内を完全に充満化させる必要はなく、タンディッシュノズル内の圧力を下げ、タンディッシュノズル内の溶鋼表面を引き上げるだけで溶鋼の落下距離を低減し、自由落下の乱れを小さくできるため、偏流現象を防止できる。
【0013】
以上に示したように、本発明のガス吸引用の多孔質耐火物を配した浸漬ノズルを用いて、ノズル内の圧力を制御しつつ連続鋳造することにより、鋳造全体に渡って偏流現象及びノズル付着を防止できるため、鋳型内の溶鋼流動を常に適正な範囲に制御できる。
【0014】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明について説明する。すべての実施例・比較例に共通する条件は次のとおりである。即ち、アルミナグラファイト製タンディッシュノズルとして、内径90mm,長さ1200mm,吐出孔径90mm,吐出孔角度35°のものを用いた。このタンディッシュノズルを用いて、鋳片サイズ250mm(厚み)×1830mm(幅)、炭素濃度30ppmの極低炭素鋼1250tを鋳造速度1.8m/minで鋳造した。鋳造した鋳片は8500mm長さに切断して1コイル単位とした。このスラブを常法により熱間圧延、冷間圧延し、最終的に0.7mm×幅1830mmコイルの冷延鋼板とした。鋳片品質については、冷間圧延後の検査ラインで目視観察を行い、1コイル当たりに発生する表面欠陥の発生個数を評価した。また、偏流の発生状況は鋳型内に埋め込んだ熱電対から両短片の溶鋼表面高さの差を検出することにより、タンディッシュノズルの閉塞状況はストッパー開度の変化と鋳造後に回収したタンディッシュノズルへのアルミナ付着厚さにより評価した。
【0015】
<実施例1>
図1に示すタンディッシュノズルの内壁に、ガス吸引用の長さ50mm、厚み10mm、通気率3×10-4Ncm3・cm-1・Pa-1・s-1 、C含有率を4%の同じくアルミナグラファイト製多孔質耐火物とノズル閉塞防止用の長さ200mm、厚み10mmのアルミナグラファイト製不活性ガス吹き込み用耐火物を設けた構造のタンディッシュノズルを用いて鋳造した。ノズル閉塞を防止するためのArガス吹き込みは、タンディッシュノズル下部のガス吹き込み用耐火物から6Nl/minで吹き込んだ。タンディッシュノズルの密閉室における圧力が13kPaになるように圧力制御機能を有する真空ポンプを用いてガス吸引を実施した。この場合、事前の水銀モデル実験でタンディッシュノズル内の溶鋼流は完全に充満化することを確認した。鋳造の結果、両短片の溶鋼表面高さの差は5mm以下で、偏流現象は見られなかったため、鋳片欠陥は全く発生しなかった。また、鋳造時のストッパー開度はほぼ一定であり、鋳造後にタンディッシュノズルを回収し、ノズル閉塞の発生状況を調査しても、ノズル内壁のアルミナ付着は殆ど観察されなかった。さらに、ガス吸引用の多孔質耐火物の表面にも溶鋼は付着していなかった。
【0016】
<実施例2>
図4に示すタンディッシュノズルの内壁に、ガス吸引用の長さ200mm、厚み10mm、通気率4×10-4Ncm3・cm-1・Pa-1・s-1 、C含有率を4%の同じくアルミナグラファイト製多孔質耐火物を設けた構造のタンディッシュノズルを用いて鋳造した。タンディッシュストッパーからは、ノズル閉塞を防止するためのArガスを10Nl/minで吹き込んだ。タンディッシュノズルの密閉室における圧力が13kPaになるように圧力制御機能を有する真空ポンプを用いてガス吸引を実施した。この場合、事前の水銀モデル実験でタンディッシュノズル内の溶鋼流は完全に充満化することを確認した。その結果、両短片の溶鋼表面高さの差は5mm以下で、偏流現象は見られなかったため、鋳片欠陥は全く発生しなかった。また、鋳造時のストッパー開度はほぼ一定であり、鋳造後にタンディッシュノズルを回収し、ノズル閉塞の発生状況を調査しても、ノズル内壁のアルミナ付着は殆ど観察されなかった。さらに、ガス吸引用の多孔質耐火物の表面にも溶鋼は付着していなかった。
【0017】
<比較例1>
タンディッシュノズルの内壁に、ノズル閉塞防止用の長さ200mm、厚み10mmのアルミナグラファイト製不活性ガス吹き込み用耐火物を設けた構造のタンディッシュノズルを用いて鋳造した。なお、鋳造に使用した浸漬ノズルはガス吸引構造を有していない。ノズル閉塞を防止するためのArガス吹き込みは、タンディッシュノズル下部のガス吹き込み用耐火物から6Nl/minで吹き込んだ。その結果、両短片の溶鋼表面高さの差は最大で30mmにも達し、偏流が激しかったため、パウダーの巻き込みとアルミナ介在物の捕捉により表面欠陥及び内部欠陥が発生した。また、鋳造時のストッパー開度は鋳造開始から徐々に開き、鋳造後に浸漬ノズルを回収し、ノズル閉塞の状況を調査したところ、タンディッシュノズル内壁にアルミナ介在物が10mm程度付着していた。
<比較例2>
図1に示すタンディッシュノズルの内壁に、ガス吸引用の長さ50mm、厚み10mm、通気率7×10-4Ncm3・cm-1・Pa-1・s-1 、C含有率を8%の同じくアルミナグラファイト製多孔質耐火物とノズル閉塞防止用の長さ200mm、厚み10mmのアルミナグラファイト製不活性ガス吹き込み用耐火物を設けた構造のタンディッシュノズルを用いて鋳造した。ノズル閉塞を防止するためのArガス吹き込みは、タンディッシュノズル下部のガス吹き込み用耐火物から6Nl/minで吹き込んだ。タンディッシュノズルの密閉室における圧力が13kPaになるように圧力制御機能を有する真空ポンプを用いてガス吸引を実施したが、溶鋼を250t鋳造したところでガスを吸引できなくなったため、それ以降の鋳造はガス吸引を実施していない。その結果、鋳造量が250t以降では両短片の溶鋼表面高さの差は最大で30mmにも達し、偏流が激しかったため、パウダーの巻き込みとアルミナ介在物の捕捉により表面欠陥及び内部欠陥が発生した。また、鋳造時のストッパー開度は鋳造量250t以降から徐々に開き、鋳造後に浸漬ノズルを回収し、ノズル閉塞の状況を調査したところ、タンディッシュノズル内壁にアルミナ介在物が9mm程度付着していた。さらに、ガス吸引用の多孔質耐火物の表面にも溶鋼が付着し、内部まで溶鋼が浸透していた。
【0018】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によりノズル閉塞と偏流現象を安定的に防止できるため、鋳型内の溶鋼流動は最適に制御され、鋳片の品質は格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不活性ガス吹き込み用耐火物とガス吸引構造の両方を有するタンディッシュノズルの正面断面図である。
【図2】多孔質耐火物の通気率と最大溶鋼浸透深さの関係である。
【図3】多孔質耐火物のC含有率と溶鋼付着面積率の関係である。
【図4】本発明のガス吸引構造のみを有するタンディッシュノズルの正面断面図である。
【符号の説明】
1:タンディッシュノズル、2:ガス吸引用多孔質耐火物、
3:不活性ガス吹き込み用耐火物、4:密閉室、
5:ガス吸引用配管、6:排気用口金具

Claims (2)

  1. 鋼の連続鋳造用タンディッシュノズルにおいて、該タンディッシュノズルの内壁面に通気率を5×10−4Ncm・cm−1・Pa−1・s−1以下、C含有率を5%以下にした多孔質耐火物とその背面に密閉室を配置し、且つ該密閉室にガス吸引用の配管を接続するための排気口を配置したガス吸引構造であって、タンディッシュノズル内の溶鋼流を常に充満化させつつ、密閉室の圧力を13kPa以上とするためのガス吸引構造を有する連続鋳造用タンディッシュノズル。
  2. 請求項1記載のタンディッシュノズルを用いて、該タンディッシュノズルに配置した多孔質耐火物からガス吸引を行い、該タンディッシュノズル内の圧力を減圧しながらタンディッシュノズル内の溶鋼流を常に充満化させつつ、密閉室の圧力を13kPa以上として鋳造することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
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