JP4022512B2 - 結晶解析方法及び結晶解析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試料表面における個々の結晶粒の結晶方位などの結晶状態を解析することができる結晶解析方法及び結晶解析装置に関する。
近年、微細加工技術の発展などに伴って、固体表面などにおける結晶粒の結晶系や結晶方位を解析する技術が必要とされるようになってきている。例えば、ハードディスク装置に使用される磁気ヘッドの書き込み素子のコイル配線としては、めっき法で形成された微細な銅(Cu)配線が使用されている。この銅配線においては、結晶の配向性や結晶粒界の構造によって抵抗値に違いが生じ、ヘッドの特性のばらつきを引き起こす。結晶成長を制御することが信頼性の高い磁気ヘッドを作る要因の一つとなっており、微小な結晶の粒径や、粒界、結晶方位を把握することが重要となってきている。
結晶の粒径や粒界については、電子顕微鏡観察や走査イオン顕微鏡(SIM;Scanning Ion Microscope)観察によって容易に知ることができる。しかしながら、上述したような銅配線を構成する個々の銅の結晶粒の結晶配向を知るために利用できる実用的な方法としては、例えば、電子後方散乱パターン(EBSP;Electron Backscattering PatternあるいはElectron Backscatter Diffraction Pattern)法が知られている程度である。EBSP法は、走査電子顕微鏡(SEM)内において大きな入射角(本明細書では、入射面の法線方向から測った角度を入射角とする)で試料に電子線を照射すると、電子線は試料中で反射及び回折を受け、後方に散乱され、回折像を形成する。この回折像(回折パターン)は、電子線の入射位置での結晶構造に依存してそのバンドの幅や強度が変化するから、得られたパターンを解析することによって、結晶系や結晶の方位を決定することができる。試料表面を電子線で走査しながらパターンを解析すれば、試料表面での結晶方位の2次元的な分布を知ることができる。
しかしながらEBSP法は、大きな入射角で電子線を試料表面に照射するため、表面の微小な凹凸によって解析結果が左右されたり、また、通常の走査顕微鏡写真などとして観察された顕微鏡像と結晶方位の分布との対比が簡単ではないという問題点がある。また、回折像も結晶粒からのブラッグ反射によるものなので、原理的に、解像度(空間分解能)を現在得られている値からより高くすることが難しく、実用的には、数十nmのオーダーである。
X線回折によっても結晶系や結晶方位を定めることができるが、X線の場合にはビームを絞ることが難しいので解像度は十μm程度であり、また、X線の透過深さが大きいので、試料最表面での結晶方位を定めることは難しい。特開平5−264477号公報(特許文献1)には、X線を使用しつつ試料表層での結晶粒の結晶方位を回折する方法として、コリメートしたX線を大きな入射角(すなわち試料表面にすれすれの角度)で試料に照射し、得られる回折円をもとに表層中の結晶の方位を測定することが開示されている。
なお、特開2003−21609号公報(特許文献2)には、イオンビームを試料表面に入射させ試料から後方散乱したイオンを入射イオンビームと平行な磁場でビーム軸に収束させる平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置を用いて、試料の結晶軸を検出する方法が開示されている。この方法では、2次元イオン検出器を用いて散乱イオンの検出量分布を求め、それに基づいて試料の結晶軸検出を行っている。しかしながらこの方法は、2次元イオン検出器や平行磁場発生器を必要とするなど、使用する測定装置の構成が複雑になりがちであり、また、散乱イオンの2次元分布を測定するために、測定時間が長くなりがちである、という問題点がある。
特開平5−264477号公報 特開2003−21609号公報
上述したように、微小な結晶粒からなる試料表面におけるそれら結晶粒の結晶系や結晶方位を解析し同定する方法としては、現状では、EBSP法が広く使用されている。しかしながら、EBSP法では、大きな入射角で電子線を照射するために表面の微小な凹凸によって解析結果が左右されたり、解像度が数十nm程度である、という問題点がある。EBSP法以外にも試料表面での微小な結晶粒の結晶系や結晶方位を解析する方法はあるが、それらの方法はEBSP法に比較して実用的であるとはいえない。
そこで本発明の目的は、試料表面での各結晶粒の結晶方位や結晶系などを高い解像度で簡単に測定することができる結晶解析方法及び装置を提供することにある。
走査イオン顕微鏡像における濃淡は、直接的には、試料表面から放出される2次電子の量を表しているが、入射イオンに関してチャネリングが起きているところでは、入射イオンが試料の奥深くまで進入するために、放出される2次電子の量はかなり少なくなる。したがって、走査イオン顕微鏡像において画像が暗いところは、イオンのチャネリングが発生しているところであるといえる。走査イオン顕微鏡像が試料でのチャネリング現象に依存していることはこれまでも知られていたが、試料に対するイオンビームの入射角を種々に変えて走査イオン顕微鏡像を取得し、その画像における濃淡の変化について検討した事例はこれまでに知られていない。本発明者らは、入射角を変化させたときの走査イオン顕微鏡像での濃淡の変化を追跡することによって試料表面での各結晶粒の結晶方位を判別することができる、という知見を見出し、本発明を完成させた。チャネリングは結晶中での原子の配列に密接に関連した現象であり、イオンビームの入射角に依存した2次電子量の変化から、結晶中の原子の配列方向が解析できることになり、試料表面における各結晶粒の結晶方位を得ることができる。試料において異なる結晶相が混在するような場合であれば、各結晶粒の結晶相や属する結晶系も同定可能である。
すなわち本発明の結晶解析方法は、試料表面における結晶粒ごとの結晶方位を解析する方法であって、試料に対してイオンビームを照射し、イオンビームを照射したことによって発生する2次電子を測定する第1の段階と、試料に対するイオンビームの入射角を変えながら第1の段階を繰り返す第2の段階と、入射角の変化に応じた2次電子の量の変化に基づいて結晶方位を決定する第3の段階と、を有し、測定された最大の2次電子量に対応するイオンビームの入射角と測定された最小の2次電子量に対応するイオンビームの入射角との差から、結晶方位を決定する。
本発明の結晶解析方法は、走査イオン顕微鏡観察と容易に組み合わせて試料表面における各点あるいは各領域の結晶方位を同時に解析できるものであり、その場合、この方法は、試料に対して集束イオンビームを走査しながら照射し、イオンビームを照射したことによって発生する2次電子を測定して走査イオン顕微鏡像を取得する第1の段階と、試料に対するイオンビームの入射角を変えながら第1の段階を繰り返す第2の段階と、異なる入射角で取得された複数の走査イオン顕微鏡像における濃淡の変化から、結晶方位を決定する第3の段階と、を有し、試料表面の点あるいは領域ごとに、複数の走査イオン顕微鏡像中での最も黒い場合に対応する入射角と最も白い場合に対応する入射角との差(黒白反転角度と呼ぶ)を算出し、その差に基づいて結晶方位を決定する。試料表面における複数の点あるいは領域について結晶方位を決定し、試料表面における結晶方位の分布を示すようにすることが好ましい。
本発明の結晶解析装置は、試料表面の点あるいは領域ごとに結晶方位を解析する装置であって、試料室内の試料に対して集束イオンビームを走査しながら照射するイオン光学系と、イオンビームを照射したことによって発生する2次電子を検出して検出信号を出力する検出器と、検出信号に基づいて走査イオン顕微鏡像を取得する画像処理装置と、集束イオンビームに対する試料の角度を変化させる角度調節部と、画像処理装置が取得した走査イオン顕微鏡像を格納する記憶装置と、角度調節部を制御して、1枚の走査イオン顕微鏡像を取得する間は試料の角度を一定に保ち、走査イオン顕微鏡像を取得するたびに試料の角度を変化させる制御装置と、記憶装置に格納された複数の走査イオン顕微鏡像における濃淡の変化から、結晶方位を決定する結晶方位算出装置と、を有し、結晶方位算出装置は、点あるいは領域について、複数の前記走査イオン顕微鏡像中での最も黒い場合に対応する入射角と最も白い場合に対応する入射角との差を算出し、その差に基づいて点あるいは領域での結晶方位を決定する。
本発明の結晶解析方法及び装置は、イオンビームを試料表面に照射した際の2次電子量を観測し、試料に対するイオンビームの入射角が変化したときの2次電子量の変化を追跡して試料における結晶方位や結晶系を同定する。同様の測定結果は、電子線を照射するEBSP法によっても得られるが、本発明では、入射角を小さくしてすなわち試料表面の法線により近い角度でイオンビームを照射するので、観察された顕微鏡像と結晶方位の同定結果との対比がより簡単に行える。また、EBSP法では、ブラッグ回折による回折線を用いているので、解像度を向上することが原理的に難しいが、本発明は、粒子であるイオンのチャネリング現象に基づいているので、解像度を向上することが容易であり、より微細な結晶粒の結晶方位の決定が可能である。EBSP法による解像度が数十nm程度であるのに対し、本発明によれば、数nmの解像度を容易に得ることができ、集束イオンビームのビーム径をより細くすれば、より解像度を向上させることができる。また、本発明の方法は、試料表面をイオンビームで走査して2次電子による顕微鏡像を得る走査イオン顕微鏡観察に対して高い親和性を有しており、試料の角度を調節する機構が設けられていさえすれば、特殊な機構を付加することなく、既存の走査イオン顕微鏡を用いて実施することができる、という効果もある。
次に、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の一形態の結晶解析装置の構成を示すブロック図である。
本発明に基づく結晶解析方法は、試料表面にイオンビームを照射した際に試料から放出される2次電子の強度とイオンビームの試料への入射角との関係から、その試料表面での結晶方位あるいは結晶系を解析しようとするものである。したがって、試料表面に対するイオンビームの入射角を変えながら走査イオン顕微鏡観察を行い、異なる入射角で取得した複数の走査イオン顕微鏡像(以下、SIM像と呼ぶ)を解析することによって、試料表面における各結晶粒の結晶方位の2次元分布を示すデータを得ることができる。この2次元分布を示すデータは、EBSP法による測定で得られる逆極点図と同等のものである。したがって、図1に示した結晶解析装置は、集束イオンビームによる走査イオン顕微鏡に、結晶方位の同定、解析に必要な装置を取り付けたものである。以下、図1に示した結晶解析装置について説明する。
この結晶解析装置は、走査イオン顕微鏡を構成するイオン光学系10及び試料室20と、この結晶解析装置全体を制御する制御装置31と、SIM像を取得するための画像処理装置32と、各入射角ごとのSIM像を記憶する記憶装置33と、入射角が異なる複数のSIM像から試料表面における結晶方位の2次元分布を算出する結晶方位算出装置34と、SIM像や算出された2次元分布を表示あるいは印刷などする出力装置35と、を備えている。
イオン光学系10には、照射すべきイオンビームを発生するイオン源11と、イオン源11からのイオンビームを加速し集束する集束光学系12と、走査イオン顕微鏡観察を行うために、集束されたイオンビームを試料22の表面の面内方向(XY方向)で走査する偏向光学系13とを備えている。イオンビームとしては、通常、ガリウムイオン(Ga+)が使用される。イオン源11、集束光学系12及び偏向光学系13は、制御装置31によって制御される。
イオン光学系10に接続して設けられた試料室20には、イオン光学系10及び試料室20内を排気する排気ポンプ21と、試料22を載置するステージ23と、イオンビームを試料22に照射したときに試料22から放出される2次電子(e-)を検出する検出器24とが設けられている。ステージ23は、平行移動機構を備えて試料22をXY方向で移動させることができるものであるとともに、試料22に対するイオンビームの入射角を変化させることができるように、試料22を傾斜させることができるようになっている。本発明においては、より厳密な解析を行おうとする場合には、試料22に対するイオンビームの入射方位も変化させることが好ましい。このように試料22を傾斜させ、さらには入射方位を変化させることができるようにするために、ステージ23は少なくとも1軸、好ましくは2軸以上の角度調整機構も備えている。ステージ23の平行移動機構および角度調整機構を駆動するために、試料室20に近接して、ステージ駆動装置25が設けられている。ステージ駆動装置25は制御装置によって制御される。
画像処理装置32は、検出器24からの2次電子の検出信号と、偏向光学系13での集束イオンビームの偏向に同期した制御装置31からの同期信号とに基づいて、SIM像を取得するものである。結晶方位算出装置34は、試料表面の各位置あるいは各領域ごとに、イオンビームの入射角を変えたときのSIM像における画像濃淡がどのように変化したかに応じて、その位置あるいは領域における結晶方位を算出する。試料において異なる結晶相が混在するような場合であれば、各位置あるいは各領域における結晶粒の結晶系も算出することができる。
次に、この結晶解析装置を用いた結晶解析について説明する。
まず、試料22をステージ23上に載置し、イオン源11からのイオンビームを集束光学系12で集束して偏向光学系13で偏向して、試料22の表面を2次元的に走査するようにして照射する。試料22からの2次電子は検出器24で検出され、検出器24は2次電子量に対応した検出信号を発生する。画像処理装置32は、この検出信号と制御装置31からの同期信号とに基づいてSIM像を取得し、出力装置35に出力するとともに記憶装置33に格納する。制御装置31はステージ駆動装置25を制御しており、1枚のSIM像を取得する間は試料22に対するイオンビームの入射角が一定になるようにするとともに、SIM像を取得するたびに、試料22に対するイオンビームの入射角を少しずつ変化させる。このようにステージ駆動装置25が制御されることにより、画像処理装置32は、イオンビームの入射角が異なるSIM像を順次取得することになり、これらのSIM像はいずれも記憶装置33に格納される。
所定の入射角範囲での一連のSIM像が取得され、記憶装置33に格納されると、次に、結晶方位算出装置34は、記憶装置33からこれらのSIM像を取り出し、イオンビームの入射角の変化に伴う各SIM像における濃淡の変化に応じ、試料22の表面における観察領域中での結晶方位の分布を算出し、その結果を例えば分布図として出力装置35に出力する。その結果、EBSP法による逆極点図と同様の解析結果が得られる。
以下、本発明の結晶解析方法に基づいて実際に測定した結果を説明する。
ここでは、試料として、めっき法によって形成した銅を用いた。銅の結晶は、立方晶系であって、面心立方格子である。この試料について、集束イオンビームによる走査イオン顕微鏡によって、試料に対するイオンビームの入射角を変えながらSIM像を取得した。イオンとしてはGa+を用い、加速電圧30kV、試料電流10pAとした。
図2は、試料の傾斜角を0°、すなわち試料表面の法線に沿ってイオンビームを照射したときの試料のSIM像である。この試料において、図示A〜Fに示すように領域を設定した。図3は、同じ試料についてのEBSP法による逆極点図である。逆極点図は、通常、カラー画像で示されるが、ここでは白黒濃淡画像で示している。EBSP法での測定条件は、加速電圧20kV、試料の傾斜角70°である。
図4は、図2に示した領域A〜Fのそれぞれについて、試料の傾斜角を5°きざみで変化させた場合のSIM像の変化を示している。各領域における結晶方位がどうなっているかは、予め、図3に示した逆極点図によって同定した。図4の一番上の段の各画像は、領域ごとの逆極点図を示している。
図4から分かるように、試料の傾斜角の変化させることによって、SIM像における濃淡に明確な変化が生じた。これをさらに解析すると、001面と各結晶面との間の角度の半値と、SIM像におけるコントラストが白の最大値から黒の最大値まであるいは黒の最大値と白の最大値まで変化する角度との間に、相関があることがわかった。SIM像における白の最大値から黒の最大値まであるいは黒の最大値と白の最大値まで変化する角度のことを黒白反転角度と呼ぶ。各結晶面ごとの実測された黒白反転角度を表1に示す。
また、実測された黒白反転角度に対応する角度範囲を、図4においては、両矢印によって示している。ただし、001面だけは、異なる挙動を示した。すなわち、徐々に画像の濃淡値が変わるのではなく、ある角度のところで突然、濃淡が白から黒へあるいは黒から白へ変化している。
以上の結果から、黒白反転角度は、その結晶面が001面となす角度の半分とほぼ等しく、したがって、SIM像における任意の位置あるいは領域における黒白反転角度を測定することにより、その位置あるいは領域での結晶方位を判別することが可能であることが分かる。さらに、黒白反転角度に対応する実際の試料傾斜角の角度範囲を考慮したり、画像における濃淡の変化の形態を考慮したり、イオンビームの入射方位を変えることにより、結晶方位をより厳密に同定することが可能になる。また、測定に用いる複数の入射角を予め定めておき、これらの入射角のそれぞれで取得したSIM像における濃淡を単純に比較することによって、黒白反転角度を測定することなく結晶方位を定めることも可能である。
本発明の結晶解析方法及び結晶解析装置は、表面における微細な結晶粒の結晶方位や結晶系を解析し同定することが可能であるから、例えば、半導体装置製造において導電体層や半導体層での結晶方位の測定に適用することにより、不良解析や製造管理の向上に役立てることができる。その他、材料における結晶状態、結晶配向が製品の品質に影響を与える分野において、製品の品質向上や不良品発生の防止、製造プロセスの改善などに寄与する。
本発明の実施の一形態の結晶解析装置の構成を示すブロック図である。 試料の走査イオン顕微鏡写真である。 図2に示した試料の表面での各結晶粒の結晶方位をEBSP法で求めた結果を示す逆極点図である。 図2に示した領域A〜Fのそれぞれにおける試料の傾斜角度と走査イオン顕微鏡(SIM)像との対応を示した図である。
符号の説明
10 イオン光学系
11 イオン源
12 集束光学系
13 偏向光学系
20 試料室
21 排気ポンプ
22 試料
23 ステージ
24 検出器
25 ステージ駆動装置
31 制御装置
32 画像処理装置
33 記憶装置
34 結晶方位算出装置
35 出力装置

Claims (4)

  1. 試料表面における結晶粒ごとの結晶方位を解析する方法であって、
    前記試料に対してイオンビームを照射し、該イオンビームを照射したことによって発生する2次電子を測定する第1の段階と、
    前記試料に対する前記イオンビームの入射角を変えながら前記第1の段階を繰り返す第2の段階と、
    前記入射角の変化に応じた前記2次電子の量の変化に基づいて前記結晶方位を決定する第3の段階と、
    を有し、
    測定された最大の2次電子量に対応する前記イオンビームの入射角と測定された最小の2次電子量に対応する前記イオンビームの入射角との差から、前記結晶方位を決定する、結晶解析方法。
  2. 試料表面における点あるいは領域の結晶方位を解析する方法であって、
    前記試料に対して集束イオンビームを走査しながら照射し、該イオンビームを照射したことによって発生する2次電子を測定して走査イオン顕微鏡像を取得する第1の段階と、
    前記試料に対する前記イオンビームの入射角を変えながら前記第1の段階を繰り返す第2の段階と、
    異なる入射角で取得された複数の前記走査イオン顕微鏡像における濃淡の変化から、前記結晶方位を決定する第3の段階と、
    を有し、
    前記点あるいは領域について、複数の前記走査イオン顕微鏡像中での最も黒い場合に対応する入射角と最も白い場合に対応する入射角との差を算出し、該差に基づいて前記点あるいは領域での前記結晶方位を決定する、結晶解析方法。
  3. 試料表面の点あるいは領域ごとに結晶方位を解析する装置であって、
    試料室内の試料に対して集束イオンビームを走査しながら照射するイオン光学系と、
    該イオンビームを照射したことによって発生する2次電子を検出して検出信号を出力する検出器と、
    前記検出信号に基づいて走査イオン顕微鏡像を取得する画像処理装置と、
    前記集束イオンビームに対する前記試料の角度を変化させる角度調節部と、
    前記画像処理装置が取得した走査イオン顕微鏡像を格納する記憶装置と、
    前記角度調節部を制御して、1枚の走査イオン顕微鏡像を取得する間は前記試料の角度を一定に保ち、走査イオン顕微鏡像を取得するたびに前記試料の角度を変化させる制御装置と、
    前記記憶装置に格納された複数の前記走査イオン顕微鏡像における濃淡の変化から、前記結晶方位を決定する結晶方位算出装置と、
    を有し、
    前記結晶方位算出装置は、前記点あるいは領域について、複数の前記走査イオン顕微鏡像中での最も黒い場合に対応する入射角と最も白い場合に対応する入射角との差を算出し、該差に基づいて前記点あるいは領域での結晶方位を決定する、結晶解析装置。
  4. 前記結晶方位算出装置は、前記試料の表面における前記結晶方位の分布を示すデータを出力する、請求項に記載の結晶解析装置。
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