JP4022047B2 - メタクリル酸合成用触媒の製造方法、メタクリル酸合成用触媒およびメタクリル酸の製造方法 - Google Patents

メタクリル酸合成用触媒の製造方法、メタクリル酸合成用触媒およびメタクリル酸の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を合成する際に使用するメタクリル酸合成用触媒の製造方法、メタクリル酸合成用触媒およびこの触媒を用いたメタクリル酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を合成する際に使用する触媒については数多くの提案がなされている。例えば、特開昭50−101316号公報、特開昭53−37614号公報、特開昭54−103819号公報、特開昭57−120547号公報、特開昭60−239439号公報、特開平2−240043号公報等にはモリブデンおよびリンを主成分とする触媒が開示されている。通常、これらの触媒は、各金属成分を含む水性スラリーを乾燥し、必要に応じて成型した後、焼成するという一連の工程で製造される。すなわち、一種類の水性スラリーを調製し、それを元に乾燥、成型、焼成の一連の工程を経て製造される。しかしながら、この方法により得られる触媒では、活性および選択性の点で工業触媒としては必ずしも十分ではない。
【0003】
特開平5−177141号公報には、少なくともモリブデン、リンおよびセシウムを含むヘテロポリ酸系触媒を調製する際に、少なくともモリブデン、リンおよびセシウムを含むヘテロポリ酸塩を得、該ヘテロポリ酸塩の懸濁液に少なくともモリブデンおよびリンを含みセシウムを含まない触媒原料を添加し、得られた液状物を乾燥、焼成して触媒を得る方法、すなわち2段階で触媒を調製する方法が開示されている。この方法により調製される触媒は、ヘテロポリ酸のセシウム塩の小粒子上にセシウムを含まないヘテロポリ酸が結晶成長し、結晶としては安定なセシウム塩の構造をとっているが反応に使用される触媒粒子表面には反応活性が高いセシウムを含まないヘテロポリ酸が存在していると推定され、従来の1段階で調製する方法よりも高い活性、選択性を有することが報告されている。
【0004】
しかしながら、この方法で得られる触媒においても、活性およびメタクリル酸選択性の点で工業触媒としては必ずしも十分ではなく、さらなる触媒性能の向上が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を合成する際に使用するメタクリル酸合成用触媒の新規な製造方法、この製造方法により得られる高活性、高メタクリル酸選択性のメタクリル酸合成用触媒、および、この触媒を用いた高収率のメタクリル酸の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、本発明者らは、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を合成する際に使用する触媒について、高活性、高メタクリル酸選択性を有する触媒を得ることができる新規調製法を完成させるに至った。本発明の上記課題は以下の本発明により解決できる。
(1)少なくともモリブデンと、リンと、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素であるXとを含むメタクリル酸合成用触媒の製造方法であって、少なくともモリブデン、リンおよびXを含む固形物Aを調製する工程と、少なくともモリブデン、リンおよびXを含む水性スラリーBを調製する工程と、固形物Aと水性スラリーBとを混合する工程と、固形物Aと水性スラリーBとを混合して得られる液状物を乾燥する工程と、この乾燥物を300〜500℃で焼成する工程とを含み、固形物Aに含まれるモリブデンとXの含有比(原子比)は12:2.5〜12:12とし、水性スラリーBに含まれるモリブデンとXの含有比(原子比)は12:0.05〜12:0.4とすることを特徴とするメタクリル酸合成用触媒の製造方法。
(2)前記(1)のメタクリル酸合成用触媒の製造方法により得られるメタクリル酸合成用触媒。
(3)前記(2)のメタクリル酸合成用触媒の存在下でメタクロレインを気相接触酸化することを特徴とするメタクリル酸の製造方法。
【0007】
メタクリル酸合成用触媒の製造方法において、固形物Aに含まれるモリブデンとXの含有比(原子比)は12:2.5〜12:12であり、12:3.05〜12:10、特に12:3.6〜12:8であることが好ましい。また、水性スラリーBに含まれるモリブデンとXの含有比(原子比)は12:0.05〜12:0.4であり、12:0.07〜12:0.35、特に12:0.09〜12:0.3であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の新規な製造方法により得られるメタクリル酸製造用触媒は、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造するための触媒であって、高活性、高メタクリル酸選択性を有している。
【0009】
本発明のメタクリル酸合成用触媒の製造方法は、
(1)少なくともモリブデン、リンおよびXを含む固形物Aを調製する工程と、
(2)少なくともモリブデン、リンおよびXを含む水性スラリーBを調製する工程と、
(3)固形物Aと水性スラリーBとを混合する工程と、
(4)固形物Aと水性スラリーBとを混合して得られる液状物を乾燥する工程と、
(5)この乾燥物を300〜500℃で焼成する工程と
を含むものである。ここで、Xは、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表す。
【0010】
本発明において、固形物Aの調製法としては特に限定されず、共沈法、蒸発乾固法、酸化物混合法等の種々の方法を用いることができる。特に、少なくともモリブデン、リンおよびXを含む水性スラリーを乾燥することにより調製する方法が好ましい。この際、水性スラリーの乾燥方法としては特に限定されず、汎用の箱型乾燥機、噴霧乾燥機、ドラムドライヤー、スラリードライヤー等を用いることができる。また、その調製過程において、300℃以上で熱処理する過程が含まれていないことが好ましい。固形物Aの調製条件は、少なくともモリブデン、リンおよびXを含むメタクリル酸合成用触媒の熱処理前の前駆体の製造方法に従い、適宜決めればよい。
【0011】
固形物Aの調製に用いる原料は特に限定されず、各元素の硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩、酸化物、ハロゲン化物等を使用することができる。例えば、モリブデン原料としてはパラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、モリブデン酸、塩化モリブデン等が使用できる。触媒成分の原料は各元素に対して1種を用いても2種以上を用いてもよい。
【0012】
なお、固形物Aは実質的に固形物であればよく、含水量等に関しては特に規定されない。
【0013】
固形物Aの形状については特に限定されないが、粉体状が好ましい。また、固形物Aを水性スラリーBに混合したときにできるだけ均一に混合されるように固形物Aを粉砕して適当な粒径の粒子にしてもよい。
【0014】
固形物Aは必ずしもヘテロポリ酸塩の構造を有していなくてもよい。本発明においては、固形物Aに含まれるモリブデンとXの含有比(原子比)が重要である。固形物Aに含まれるモリブデンとXの含有比(原子比)は12:2.5〜12:12であり、12:3.05〜12:10、特に12:3.6〜12:8であることが好ましい。
【0015】
また、固形物Aの構成元素は、モリブデン、リンおよびXを含有していれば特に限定されないが、モリブデン、リンおよびX以外に、銅、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、クロム、タングステン、マンガン、銀、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、インジウム、イオウ、セレン、テルル、ランタン、セリウムなどを適宜含んでいてもよい。
【0016】
本発明において、水性スラリーBの調製法は特に限定されない。少なくともモリブデン、リンおよびXを含む水性スラリーであればよい。水性スラリーの水の量も特に限定されないが、固形物Aがすべて再溶解しないようにしなければならない。具体的には、水性スラリーBに含まれるモリブデンと水の質量比は1:0.5〜1:10が好ましい。
【0017】
水性スラリーBの調製に用いる原料は特に限定されず、固形物Aと同様に各元素の硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩、酸化物、ハロゲン化物等を使用することができる。例えば、モリブデン原料としてはパラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、モリブデン酸、塩化モリブデン等が使用できる。触媒成分の原料は各元素に対して1種を用いても2種以上を用いてもよい。
【0018】
水性スラリーBに含まれるモリブデンとXの含有比(原子比)は12:0.05〜12:0.4であり、12:0.07〜12:0.35、特に12:0.09〜12:0.3であることが好ましい。
【0019】
また、水性スラリーBの構成元素は、モリブデン、リンおよびXを含有していれば特に限定されないが、モリブデン、リンおよびX以外に、銅、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、クロム、タングステン、マンガン、銀、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、インジウム、イオウ、セレン、テルル、ランタン、セリウムなどを適宜含んでいてもよい。
【0020】
本発明において、固形物Aと水性スラリーBを混合する際の手順は特に限定されない。混合においては、固形物Aを水性スラリーBに投入することが重要である。また、固形物Aを水性スラリーBへ混合するタイミングについては特に限定されないが、例えば、水性スラリーBを調合した後に固形物Aを投入し、できるだけ均一になるように混合して得られた液状物を乾燥することが好ましい。
【0021】
混合する際の固形物Aに含まれるモリブデンと水性スラリーBに含まれるモリブデンの比(原子比)は、高活性、高メタクリル酸選択性の触媒が得られるので、1:1〜1:30とすることが好ましい。
【0022】
液状物の乾燥方法に関しても特に限定されず、汎用の箱型乾燥機、噴霧乾燥機、ドラムドライヤー、スラリードライヤー等を用いることができる。乾燥条件は適宜決めればよい。
【0023】
固形物Aと水性スラリーBの混合液状物を乾燥して得られた乾燥物はそのまま次の焼成を行なってもよいが、通常は成形してから焼成する。
【0024】
乾燥物を成型する方法としては特に限定されず、通常の打錠成型、押出成型、造粒等の各種成型法を適用することができる。
【0025】
また、成型に際しては、乾燥物に対して従来公知の添加剤、例えば成型物の比表面積、細孔容積および細孔分布を再現性よく制御したり、機械的強度を高めるために、硫酸バリウム、硝酸アンモニウム等の無機塩類、グラファイト等の滑剤、セルロース類、でんぷん、ポリビニルアルコール、ステアリン酸等の有機物、シリカゾル、アルミナゾル等の水酸化物ゾル、ウィスカー、ガラス繊維、炭素繊維等の無機質繊維等を適宜添加してもよい。
【0026】
成型物の形状についても特に限定はなく、球状、円柱状、リング状、板状等の任意の形状に成型できる。
【0027】
本発明では、得られた成型物を300〜500℃の範囲の温度で焼成して本発明のメタクリル酸合成用触媒が得られる。焼成時間については特に限定されないが、良好な触媒が得られるので1時間以上であることが好ましく、通常、40時間以下が好ましい。焼成は、通常、酸素、空気または窒素流通下で行なう。
【0028】
このようにして得られる本発明のメタクリル酸合成用触媒中においては、ヘテロポリ酸またはヘテロポリ酸塩の構造が含まれていることが好ましい。
【0029】
本発明のメタクリル酸合成用触媒は、下記一般式(I)で表される組成を有する複合酸化物であることが好ましい。
【0030】
MoabCucdefg (I)
ここで、式中、Mo、P、Cu、VおよびOはそれぞれモリブデン、リン、銅、バナジウムおよび酸素を表し、Xはカリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表し、Yは鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、クロム、タングステン、マンガン、銀、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、インジウム、イオウ、セレン、テルル、ランタンおよびセリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表す。
【0031】
a、b、c、d、e、fおよびgは各元素の原子比を表し、a=12のとき、0.1≦b≦3、0.01≦c≦3、0.01≦d≦3、0.05≦e≦3、0≦f≦3であり、gは前記各成分の原子比を満足するのに必要な酸素の原子比である。
【0032】
本発明により製造される触媒の各成分の存在状態、殊にXの存在状態は複雑であり、厳密には把握されていない。ただし、固形物Aに含まれるXとモリブデンの含有比(原子比)X/Moは2.5/12〜12/12であり、X/Moが3/12より大きい場合は固形物Aは単なるX元素をカチオンとするヘテロポリ酸塩を形成しているとは考えにくい。したがって、特開平5−177141号公報に示された方法により製造されるような触媒の構造、すなわち、モリブデン、リンおよびXを含むヘテロポリ酸塩の結晶粒子の表面をXを含まないヘテロポリ酸が覆った構造になっている可能性は非常に低く、それとは異なる構造をしていると考えられる。また、X/Moが3/12以下では、固形物Aは単なるヘテロポリ酸塩を形成している可能性もあるが、本発明者らは、X/Moが2.5/12以上のときに触媒活性および選択性において良好な触媒が得られることを見出した。
【0033】
次に、本発明のメタクリル酸の製造方法について説明する。本発明のメタクリル酸の製造方法は、上記のような本発明の触媒の存在下でメタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造するものである。
【0034】
反応は、通常、固定床で行なう。また、触媒層は1層でも2層以上でもよい。
【0035】
原料ガス中のメタクロレインの濃度は広い範囲で変えることができるが、1〜20容量%、特に3〜10容量%が好ましい。原料のメタクロレインは、水、低級飽和アルデヒド等の実質的に反応に影響を与えない不純物を少量含んでいてもよい。
【0036】
接触酸化を行う際の酸素源としては、空気を用いるのが工業的に有利であるが、必要に応じて純酸素で富化した空気等も使用できる。原料ガス中のメタクロレイン対酸素のモル比(容量比)は1:0.5〜1:3が好ましい。
【0037】
原料ガスは反応原料と分子状酸素以外に水を含んでいることが好ましく、また窒素、二酸化炭素等の不活性ガスで希釈して用いることが好ましい。原料ガス中のメタクロレイン対水の容量比は1:0.1〜1:10が好ましい。
【0038】
反応圧力は常圧ないし数気圧まで用いられる。反応温度は200〜450℃の範囲が好ましい。接触時間は2〜7秒が好ましい。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の触媒の調製法、および、その触媒を用いた反応例を実施例により説明する。
【0040】
ただし、下記実施例および比較例中の「部」は質量部を意味する。反応試験分析はガスクロマトグラフィーにより行った。触媒組成は触媒原料の仕込み量から求めた。
【0041】
また、実施例、比較例中の反応用原料としてのメタクロレインの転化率、生成したメタクリル酸の選択率および収率は以下のように定義される。
【0042】
メタクロレイン転化率(%)=反応したメタクロレインのモル数/供給したメタクロレインのモル数×100
メタクリル酸選択率(%)=生成したメタクリル酸のモル数/反応したメタクロレインのモル数×100
メタクリル酸収率(%)=生成したメタクリル酸のモル数/供給したメタクロレインのモル数×100
<実施例1>
パラモリブデン酸アンモニウム22.5部、メタバナジン酸アンモニウム1.0部および硝酸カリウム5.4部を純水90部に溶解した。これを撹拌しながら、85%リン酸1.8部を純水2.3部に溶解した溶液を加え、さらに硝酸銅0.3部を純水2.3部に溶解した溶液を加えた。次に、硝酸ビスマス1.6部に60%硝酸1.6部および水9部を加えて得られた硝酸ビスマスの均一溶液を前記混合液に加えた後、95℃に昇温した。これに、60%ヒ酸0.5部を純水2.2部に溶解した溶液を加え、続いて三酸化アンチモン0.5部、二酸化セリウム0.4部を加えた。得られた水性スラリーを加熱撹拌しながら蒸発乾固した後、130℃で16時間乾燥し、粉砕することにより固形物A−1を得た。得られた固形物A−1に含まれるMoとKの含有比(原子比)は12:5であった。
【0043】
別に、水性スラリーに含まれるMoとKの含有比(原子比)が12:0.1になるように水性スラリーB−1を調製した。
【0044】
パラモリブデン酸アンモニウム100部、メタバナジン酸アンモニウム4.4部および硝酸カリウム0.5部を純水400部に溶解した。これを撹拌しながら、85%リン酸8.2部を純水10部に溶解した溶液を加え、さらに硝酸銅1.1部を純水10部に溶解した溶液を加えた。次に、硝酸ビスマス6.9部に60%硝酸7.0部および純水40部を加えて得られた硝酸ビスマスの均一溶液を前記混合液に加えた後、95℃に昇温した。これに、60%ヒ酸2.2部を純水10部に溶解した溶液を加え、続いて三酸化アンチモン2.1部、二酸化セリウム1.6部を加え、撹拌した後、この液状物を70℃に降温して水性スラリーB−1を得た。
【0045】
このようにして得られた固形物A−1全量を水性スラリーB−1に添加し、液状物を加熱撹拌しながら蒸発乾固した後、130℃で16時間乾燥し、得られた乾燥物を粉砕した。こうして得られた紛体100部にグラファイト3.0部を添加し、続いて打錠成型機により、外径5mm、内径2mm、長さ5mmのリング状に成型した。そして、得られた成型物を空気流通下、380℃で5時間焼成して触媒を得た。
【0046】
得られた触媒の酸素以外の元素の組成は、
Mo121.50.8Cu0.1Sb0.3Bi0.3As0.2Ce0.21
であった。
【0047】
得られた触媒を反応管に充填し、メタクロレイン5容量%、酸素10容量%、水蒸気30容量%および窒素55容量%からなる原料ガスを常圧下、反応温度290℃、接触時間3.6秒で通じた。生成物を捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、メタクロレイン転化率91.6%、メタクリル酸選択率89.0%、メタクリル酸収率81.5%であった。
<実施例2>
パラモリブデン酸アンモニウム36部、メタバナジン酸アンモニウム1.6部および硝酸カリウム6部を純水144部に溶解した。これを撹拌しながら、85%リン酸2.9部を純水3.6部に溶解した溶液を加え、さらに硝酸銅0.4部を純水3.6部に溶解した溶液を加えた。次に、硝酸ビスマス2.5部に60%硝酸2.5部および水14.4部を加えて得られた硝酸ビスマスの均一溶液を前記混合液に加えた後、95℃に昇温した。これに、60%ヒ酸0.8部を純水3.6部に溶解した溶液を加え、続いて三酸化アンチモン0.7部、二酸化セリウム0.6部を加えた。得られた水性スラリーを加熱撹拌しながら蒸発乾固した後、130℃で16時間乾燥し、粉砕することにより固形物A−2を得た。得られた固形物A−2に含まれるMoとKの含有比(原子比)は12:3.5であった。
【0048】
実施例1と同様にして得られた水性スラリーB−1に固形物A−2全量を添加し、実施例1と同様にして紛体を得、続いて成型、焼成を行い、触媒を得た。
【0049】
得られた触媒の酸素以外の元素の組成は、
Mo121.50.8Cu0.1Sb0.3Bi0.3As0.2Ce0.21
であった。
【0050】
得られた触媒を反応管に充填し、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、メタクロレイン転化率91.5%、メタクリル酸選択率88.9%、メタクリル酸収率81.3%であった。
<実施例3>
パラモリブデン酸アンモニウム10部、メタバナジン酸アンモニウム0.4部および硝酸カリウム4.3部を純水40部に溶解した。これを撹拌しながら、85%リン酸0.8部を純水1部に溶解した溶液を加え、さらに硝酸銅0.1部を純水1部に溶解した溶液を加えた。次に、硝酸ビスマス0.7部に60%硝酸0.7部および水4部を加えて得られた硝酸ビスマスの均一溶液を前記混合液に加えた後、95℃に昇温した。これに、60%ヒ酸0.2部を純水1部に溶解した溶液を加え、続いて三酸化アンチモン0.2部、二酸化セリウム0.2部を加えた。得られた水性スラリーを加熱撹拌しながら蒸発乾固した後、130℃で16時間乾燥し、粉砕することにより固形物A−3を得た。得られた固形物A−3に含まれるMoとKの含有比(原子比)は12:9であった。
【0051】
別に、水性スラリーに含まれるMoとKの含有比(原子比)が12:0.2になるように水性スラリーB−2を調製した。
【0052】
パラモリブデン酸アンモニウム100部、メタバナジン酸アンモニウム4.4部および硝酸カリウム1部を純水400部に溶解した。これを撹拌しながら、85%リン酸8.2部を純水10部に溶解した溶液を加え、さらに硝酸銅1.1部を純水10部に溶解した溶液を加えた。次に、硝酸ビスマス6.9部に60%硝酸7.0部および純水40部を加えて得られた硝酸ビスマスの均一溶液を前記混合液に加えた後、95℃に昇温した。これに、60%ヒ酸2.2部を純水10部に溶解した溶液を加え、続いて三酸化アンチモン2.1部、二酸化セリウム1.6部を加え、撹拌した後、この液状物を70℃に降温して水性スラリーB−2を得た。
【0053】
このようにして得られた固形物A−3を水性スラリーB−2に全量添加し、実施例1と同様にして紛体を得、続いて成型、焼成を行い、触媒を得た。
【0054】
得られた触媒の酸素以外の元素の組成は、
Mo121.50.8Cu0.1Sb0.3Bi0.3As0.2Ce0.21
であった。
【0055】
得られた触媒を反応管に充填し、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、メタクロレイン転化率91.4%、メタクリル酸選択率88.8%、メタクリル酸収率81.2%であった。
<実施例4>
パラモリブデン酸アンモニウム42.5部、メタバナジン酸アンモニウム2部および硝酸カリウム6.1部を純水170部に溶解した。これを撹拌しながら、85%リン酸3.5部を純水4.3部に溶解した溶液を加え、さらに硝酸銅0.5部を純水4.3部に溶解した溶液を加えた。次に、硝酸ビスマス3部に60%硝酸3部および水17部を加えて得られた硝酸ビスマスの均一溶液を前記混合液に加えた後、95℃に昇温した。これに、60%ヒ酸1部を純水4.3部に溶解した溶液を加え、続いて三酸化アンチモン0.9部、二酸化セリウム0.7部を加えた。得られた水性スラリーを加熱撹拌しながら蒸発乾固した後、130℃で16時間乾燥し、粉砕することにより固形物A−4を得た。得られた固形物A−4に含まれるMoとKの含有比(原子比)は12:3であった。
【0056】
別に、水性スラリーに含まれるMoとKの含有比(原子比)が12:0.15になるように水性スラリーB−3を調製した。
【0057】
パラモリブデン酸アンモニウム100部、メタバナジン酸アンモニウム4.4部および硝酸カリウム0.7部を純水400部に溶解した。これを撹拌しながら、85%リン酸8.2部を純水10部に溶解した溶液を加え、さらに硝酸銅1.1部を純水10部に溶解した溶液を加えた。次に、硝酸ビスマス6.9部に60%硝酸7.0部および純水40部を加えて得られた硝酸ビスマスの均一溶液を前記混合液に加えた後、95℃に昇温した。これに、60%ヒ酸2.2部を純水10部に溶解した溶液を加え、続いて三酸化アンチモン2.1部、二酸化セリウム1.6部を加え、撹拌した後、この液状物を70℃に降温して水性スラリーB−3を得た。
【0058】
このようにして得られた固形物A−4を水性スラリーB−3に全量添加し、実施例1と同様にして紛体を得、続いて成型、焼成を行い、触媒を得た。
【0059】
得られた触媒の酸素以外の元素の組成は、
Mo121.50.8Cu0.1Sb0.3Bi0.3As0.2Ce0.21
であった。
【0060】
得られた触媒を反応管に充填し、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、メタクロレイン転化率91.1%、メタクリル酸選択率88.9%、メタクリル酸収率81.0%であった。
<実施例5>
パラモリブデン酸アンモニウム9部、メタバナジン酸アンモニウム0.4部および硝酸カリウム4.7部を純水36部に溶解した。これを撹拌しながら、85%リン酸0.7部を純水0.9部に溶解した溶液を加え、さらに硝酸銅0.1部を純水0.9部に溶解した溶液を加えた。次に、硝酸ビスマス0.6部に60%硝酸0.6部および水3.6部を加えて得られた硝酸ビスマスの均一溶液を前記混合液に加えた後、95℃に昇温した。これに、60%ヒ酸0.2部を純水0.9部に溶解した溶液を加え、続いて三酸化アンチモン0.2部、二酸化セリウム0.2部を加えた。得られた水性スラリーを加熱撹拌しながら蒸発乾固した後、130℃で16時間乾燥し、粉砕することにより固形物A−5を得た。得られた固形物A−5に含まれるMoとKの含有比(原子比)は12:11であった。
【0061】
実施例1と同様にして得られた水性スラリーB−1に固形物A−5全量を添加し、実施例1と同様にして紛体を得、続いて成型、焼成を行い、触媒を得た。
【0062】
得られた触媒の酸素以外の元素の組成は、
Mo121.50.8Cu0.1Sb0.3Bi0.3As0.2Ce0.21
であった。
【0063】
得られた触媒を反応管に充填し、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、メタクロレイン転化率91.0%、メタクリル酸選択率88.9%、メタクリル酸収率80.9%であった。
<比較例1>
パラモリブデン酸アンモニウム100部、メタバナジン酸アンモニウム4.4部および硝酸カリウム4.8部を純水400部に溶解した。これを撹拌しながら、85%リン酸8.2部を純水10部に溶解した溶液を加え、さらに硝酸銅1.1部を純水10部に溶解した溶液を加えた。次に、硝酸ビスマス6.9部に60%硝酸7.0部および水40部を加えて得られた硝酸ビスマスの均一溶液を前記混合液に加えた後、95℃に昇温した。これに、60%ヒ酸2.2部を純水10部に溶解した溶液を加え、続いて三酸化アンチモン2.1部、二酸化セリウム1.6部を加えた。得られた水性スラリーを加熱撹拌しながら蒸発乾固した後、130℃で16時間乾燥し、粉砕することにより固形物A−6を得た。
【0064】
こうして得られた固形物A−6を実施例1と同様にして成型、焼成を行い、触媒を得た。
【0065】
得られた触媒の酸素以外の元素の組成は、
Mo121.50.8Cu0.1Sb0.3Bi0.3As0.2Ce0.21
であった。
【0066】
得られた触媒を反応管に充填し、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、メタクロレイン転化率90.0%、メタクリル酸選択率88.2%、メタクリル酸収率79.4%であった
<比較例2>
パラモリブデン酸アンモニウム90部、メタバナジン酸アンモニウム4部および硝酸カリウム8.6部を純水360部に溶解した。これを撹拌しながら、85%リン酸7.4部を純水9部に溶解した溶液を加え、さらに硝酸銅1部を純水9部に溶解した溶液を加えた。次に、硝酸ビスマス6.2部に60%硝酸6.3部および水36部を加えて得られた硝酸ビスマスの均一溶液を前記混合液に加えた後、95℃に昇温した。これに、60%ヒ酸2部を純水9部に溶解した溶液を加え、続いて三酸化アンチモン1.9部、二酸化セリウム1.5部を加えた。得られた水性スラリーを加熱撹拌しながら蒸発乾固した後、130℃で16時間乾燥し、粉砕することにより固形物A−7を得た。得られた固形物A−7に含まれるMoとKの含有比(原子比)は12:2であった。
【0067】
実施例1と同様にして得られた水性スラリーB−1に固形物A−7全量を添加し、実施例1と同様にして紛体を得、続いて成型、焼成を行い、触媒を得た。
【0068】
得られた触媒の酸素以外の元素の組成は、
Mo121.50.8Cu0.1Sb0.3Bi0.3As0.2Ce0.21
であった。
【0069】
得られた触媒を反応管に充填し、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、メタクロレイン転化率90.3%、メタクリル酸選択率88.3%、メタクリル酸収率79.7%であった。
<比較例3>
パラモリブデン酸アンモニウム6.9部、メタバナジン酸アンモニウム0.3部および硝酸カリウム4.6部を純水27.6部に溶解した。これを撹拌しながら、85%リン酸0.6部を純水0.7部に溶解した溶液を加え、さらに硝酸銅0.1部を純水0.7部に溶解した溶液を加えた。次に、硝酸ビスマス0.5部に60%硝酸0.5部および水2.7部を加えて得られた硝酸ビスマスの均一溶液を前記混合液に加えた後、95℃に昇温した。これに、60%ヒ酸0.2部を純水0.7部に溶解した溶液を加え、続いて三酸化アンチモン0.1部、二酸化セリウム0.1部を加えた。得られた水性スラリーを加熱撹拌しながら蒸発乾固した後、130℃で16時間乾燥し、粉砕することにより固形物A−8を得た。得られた固形物A−8に含まれるMoとKの含有比(原子比)は12:14であった。
【0070】
実施例1と同様にして得られた水性スラリーB−1に固形物A−8全量を添加し、実施例1と同様にして紛体を得、続いて成型、焼成を行い、触媒を得た。
【0071】
得られた触媒の酸素以外の元素の組成は、
Mo121.50.8Cu0.1Sb0.3Bi0.3As0.2Ce0.21
であった。
【0072】
得られた触媒を反応管に充填し、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、メタクロレイン転化率90.2%、メタクリル酸選択率88.2%、メタクリル酸収率79.6%であった。
<比較例4>
パラモリブデン酸アンモニウム40部、メタバナジン酸アンモニウム1.8部および硝酸カリウム6.7部を純水160部に溶解した。これを撹拌しながら、85%リン酸3.3部を純水4部に溶解した溶液を加え、さらに硝酸銅0.5部を純水4部に溶解した溶液を加えた。次に、硝酸ビスマス2.8部に60%硝酸2.8部および水16部を加えて得られた硝酸ビスマスの均一溶液を前記混合液に加えた後、95℃に昇温した。これに、60%ヒ酸0.9部を純水4部に溶解した溶液を加え、続いて三酸化アンチモン0.8部、二酸化セリウム0.7部を加えた。得られた水性スラリーを加熱撹拌しながら蒸発乾固した後、130℃で16時間乾燥し、粉砕することにより固形物A−9を得た。得られた固形物A−9に含まれるMoとKの含有比(原子比)は12:3.5であった。
【0073】
別に、パラモリブデン酸アンモニウム100部、メタバナジン酸アンモニウム4.4部を純水400部に溶解した。これを撹拌しながら、85%リン酸8.2部を純水10部に溶解した溶液を加え、さらに硝酸銅1.1部を純水10部に溶解した溶液を加えた。次に、硝酸ビスマス6.9部に60%硝酸7.0部および純水40部を加えて得られた硝酸ビスマスの均一溶液を前記混合液に加えた後、95℃に昇温した。これに、60%ヒ酸2.2部を純水10部に溶解した溶液を加え、続いて三酸化アンチモン2.1部、二酸化セリウム1.6部を加え、撹拌した後、この液状物を70℃に降温して水性スラリーB−4を得た。
【0074】
このようにして得られた固形物A−9全量を水性スラリーB−4に添加し、実施例1と同様にして紛体を得、続いて成型、焼成を行い、触媒を得た。
【0075】
得られた触媒の酸素以外の元素の組成は、
Mo121.50.8Cu0.1Sb0.3Bi0.3As0.2Ce0.21
であった。
【0076】
得られた触媒を反応管に充填し、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、メタクロレイン転化率90.1%、メタクリル酸選択率88.2%、メタクリル酸収率79.5%であった。
<実施例6>
パラモリブデン酸アンモニウム28.3部、メタバナジン酸アンモニウム0.8部および硝酸セシウム10.4部を純水113.2部に溶解した。これを攪拌しながら、85%リン酸2.3部を純水2.8部に溶解した溶液を加え、95℃に昇温した。次いで、硝酸銅1.0部、硝酸第二鉄2.2部、硝酸亜鉛0.4部および硝酸マグネシウム0.5部を純水22.7部に溶解した溶液を加えた。さらにこの混合液を100℃で30分間攪拌した。得られた水性スラリーを並流式噴霧乾燥機により、乾燥機入口温度300℃、スラリー噴霧用回転盤20000回転/分の条件で乾燥し、固形物A−10を得た。得られた固形物A−10に含まれるMoとCsの含有比(原子比)は12:4であった。
【0077】
別に、水性スラリーに含まれるMoとCsの含有比(原子比)が12:0.15になるように水性スラリーB−5を調製した。
【0078】
パラモリブデン酸アンモニウム100部、メタバナジン酸アンモニウム2.8部および硝酸セシウム1.4部を純水400部に溶解した。これを攪拌しながら、85%リン酸8.2部を純水10部に溶解した溶液を加え、95℃に昇温した。次いで、硝酸銅3.4部、硝酸第二鉄7.6部、硝酸亜鉛1.4部および硝酸マグネシウム1.8部を純水80部に溶解した溶液を加え、よく混合した後、この液状物を70℃に降温し、水性スラリーB−5を得た。
【0079】
このようにして得られた固形物A−10を水性スラリーB−5に全量添加し、よく混合した後、混合液を100℃で30分間攪拌した。得られた水性スラリーを並流式噴霧乾燥機により、乾燥機入口温度300℃、スラリー噴霧用回転盤20000回転/分の条件で乾燥した。得られた乾燥物100部にグラファイト3部を添加し、続いて打錠成形機により、外径5mm、内径2mm、長さ3mmのリング状に成形した。そして、得られた成形物を空気流通下、380℃で5時間焼成して触媒を得た。
【0080】
得られた触媒の酸素以外の元素の組成は、
Mo121.50.5Cu0.3Fe0.4Mg0.15Zn0.1Cs1
であった。
【0081】
得られた触媒を反応管に充填し、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、メタクロレイン反応率89.0%、メタクリル酸選択率86.8%、メタクリル酸収率77.3%であった。
<比較例5>
パラモリブデン酸アンモニウム100部、メタバナジン酸アンモニウム2.8部および硝酸セシウム9.2部を純水400部に溶解した。これを攪拌しながら、85%リン酸8.2部を純水10部に溶解した溶液を加え、95℃に昇温した。次いで、硝酸銅3.4部、硝酸第二鉄7.6部、硝酸亜鉛1.4部および硝酸マグネシウム1.8部を純水80部に溶解した溶液を加えた。さらにこの混合液を100℃で30分間攪拌した。そして、得られた水性スラリーを実施例6と同様にして乾燥を行い、固形物A−11を得た。
【0082】
このようにして得られた固形物A−11を実施例6と同様にして成型、焼成を行い、触媒を得た。
【0083】
得られた触媒の酸素以外の元素の組成は、
Mo121.50.5Cu0.3Fe0.4Mg0.15Zn0.1Cs1
であった。
【0084】
得られた触媒を反応管に充填し、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、メタクロレイン反応率87.4%、メタクリル酸選択率85.8%、メタクリル酸収率75.0%であった。
【0085】
【発明の効果】
本発明の新規な製造方法により得られるメタクリル酸合成用触媒は、メタクロレインの気相接触酸化反応において、高活性、高メタクリル酸選択性、高収率でメタクリル酸を生成させるという優れた効果を有する。この触媒によって効率的にメタクリル酸を製造することが可能になり、工業的な価値は極めて高い。

Claims (9)

  1. 少なくともモリブデンと、リンと、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素であるXとを含むメタクリル酸合成用触媒の製造方法であって、
    少なくともモリブデン、リンおよびXを含む固形物Aを調製する工程と、
    少なくともモリブデン、リンおよびXを含む水性スラリーBを調製する工程と、
    固形物Aと水性スラリーBとを混合する工程と、
    固形物Aと水性スラリーBとを混合して得られる液状物を乾燥する工程と、
    この乾燥物を300〜500℃で焼成する工程とを含み、
    固形物Aに含まれるモリブデンとXの含有比(原子比)は12:2.5〜12:12とし、
    水性スラリーBに含まれるモリブデンとXの含有比(原子比)は12:0.05〜12:0.4とすることを特徴とするメタクリル酸合成用触媒の製造方法。
  2. 固形物Aを調製する工程が、少なくともモリブデン、リンおよびXを含む水性スラリーを乾燥するものである請求項1記載のメタクリル酸合成用触媒の製造方法。
  3. 固形物Aに含まれるモリブデンとXの含有比(原子比)を12:3.05〜12:10とする請求項1または2記載のメタクリル酸合成用触媒の製造方法。
  4. 固形物Aに含まれるモリブデンとXの含有比(原子比)を12:3.6〜12:8とする請求項1または2記載のメタクリル酸合成用触媒の製造方法。
  5. 水性スラリーBに含まれるモリブデンとXの含有比(原子比)を12:0.07〜12:0.35とする請求項1または2記載のメタクリル酸合成用触媒の製造方法。
  6. 水性スラリーBに含まれるモリブデンとXの含有比(原子比)を12:0.09〜12:0.3とする請求項1または2記載のメタクリル酸合成用触媒の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のメタクリル酸合成用触媒の製造方法により得られるメタクリル酸合成用触媒。
  8. 下記一般式(I)で表される複合酸化物である請求項7記載のメタクリル酸合成用触媒。
    MoabCucdefg (I)
    (式中、Mo、P、Cu、VおよびOはそれぞれモリブデン、リン、銅、バナジウムおよび酸素を表し、Xはカリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表し、Yは鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、クロム、タングステン、マンガン、銀、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、インジウム、イオウ、セレン、テルル、ランタンおよびセリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表す。a、b、c、d、e、fおよびgは各元素の原子比を表し、a=12のとき、0.1≦b≦3、0.01≦c≦3、0.01≦d≦3、0.05≦e≦3、0≦f≦3であり、gは前記各成分の原子比を満足するのに必要な酸素の原子比である。)
  9. 請求項7または8記載のメタクリル酸合成用触媒の存在下でメタクロレインを気相接触酸化するメタクリル酸の製造方法。
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