JP4020832B2 - 宝石類の外面研削装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、宝石類の外面を仕上げ加工するための研削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、宝石類の仕上げ加工は手作業で行われている。その方法は、作業者が拡大鏡等を用いてワーク形状を確認しながら、粗加工された宝石類を回転する砥石に押し当て所定の形状に研磨するというものである。
【0003】
一方、ダイヤモンドツールや超硬合金ツールのR部を研磨するための工作機械も発明されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−224961号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
宝石類の仕上げ加工を手作業で行う場合、作業者の熟練性を必要とし、また、熟練した作業者であっても加工精度が安定しないという問題がある。このような問題のある手作業によって、宝石類の仕上げ加工を行っている一つの理由は、宝石類のように独特な形状を有する小さいワークを、加工中に安定して保持することが非常に難しいためである。すなわち、ワークの保持が不安定であることによって、所定の形状が得られなかった場合、宝石類はその商品価値を大きく落としてしまうからである。
【0006】
また、ワークが宝石類のように小さいものである場合、砥石とワーク保持具とが接触しないようにワークを保持することは難しい。特に、ワークの外周面を研削加工するような工作機械においては、ワークを回転自在に保持しなければならないため、保持機構が複雑となり、更に砥石とワーク保持具とが接触しないようにワークを保持することは難しくなる。
【0007】
一方、上述した特許文献1に記載されている工作機械は主にバイトの仕上げ加工を対象としたものであり、その中で開示されたワーク保持具によって宝石類を安定して保持することは難しい。また、ワーク保持具はありふれた形状となっており、砥石とワーク保持具とが接触しないようにワークの外周面を加工することは難しい。したがって、開示された技術を利用して、加工中に宝石類を安定して保持することは難しい。
【0008】
本発明はこのような点を考慮したものであり、宝石類の外面を精度良く仕上げ加工することができる宝石類の外面研削装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ベッド上のA軸を中心に宝石類からなるワークを回転自在に保持するA軸回転機構と、A軸回転機構に対向して配置され、A軸に沿ってA軸回転機構側にワークを押圧するとともに、A軸回転機構との間でワークをA軸を中心に回転自在に保持する心押台と、A軸と直交し、ワークを研削する砥石を回転自在に保持する主軸回転機構とを備え、砥石は砥石面の中央に空間部を有するカップ形状からなり、心押台は砥石の空間部に配置されていることを特徴とする宝石類の外面研削装置である。
【0010】
本発明は、A軸回転機構はA軸と平行な方向に往復移動し、心押台はA軸回転機構にブラケットを介して片持支持され、A軸回転機構に連結されていることを特徴とする宝石類の外面研削装置である。
【0011】
本発明は、ワークは円柱形状部分と、円柱形状部分の一側に隣接する一側円錐形状部分と、円柱形状部分の他側に隣接するとともに基準面を有する他側円錐台形状部分とからなり、A軸回転機構はワークの一側円錐形状部分を収納する溝を有するとともに、心押台はワークの他側円錐台形状部分の基準面に当接し、ワークを位置決めする平坦面を有することを特徴とする宝石類の外面研削装置である。
【0012】
本発明は、心押台は切替レバーを有し、切替レバーによって心押台によるワークの押圧を解除することができることを特徴とする宝石類の外面研削装置。
【0013】
本発明は、心押台に収納されたコイルバネによってワークを押圧することを特徴とする宝石類の外面研削装置である。
【0014】
本発明は、心押台はシリンダーを有し、シリンダーにエアーを圧入することによって、ワークの押圧を補助することを特徴とする宝石類の外面研削装置。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図7は本発明による宝石類の外面研削装置の一実施の形態を示す図である。
【0016】
このうち図1は宝石類の外面研削装置の平面図であり、図2は宝石類の外面研削装置の正面図であり、図3は宝石類の外面研削装置の側面図であり、図4は図2の部分拡大図であり、図5は図3の部分拡大図であり、図6は心押台を示す部分拡大図であって便宜的に切替レバー等を取り除いた状態を示す図であり、図7はワークの保持部分を示す拡大断面図である。
【0017】
まず、本発明による宝石類の外面研削装置により研削されるワークについて説明する。図7に示すようにワーク11は、宝石類、例えばダイヤモンドからなり、略円柱形状の円柱形状部分11aを挟んで、一側が略円錐形状の一側円錐形状部分11bとなっており、他側が略円錐台形状の他側円錐台形状部分11cとなっている。このうち、円柱形状部分11aの側面はガードル面12となっており、一側円錐形状部分11bの側面は規則的に配列された多数の平らな面からなるパビリオン面13となっている。また、他側円錐台形状部分11cの上面はテーブル面14となっており、他側円錐台形状部分11cの側面は規則的に配列された多数の平らな面からなるクラウン面15となっている。
【0018】
次に、宝石類の外面研削装置10について述べる。図1乃至図4に示すように、本実施の形態における宝石類の外面研削装置10はワーク11を回転自在に保持し、ワーク11の回転軸と直交する方向に回転自在に配置された砥石81によりワーク11のガードル面12を研削加工するものである。
【0019】
このような宝石類の外面研削装置10はベッド18と、ベッド18上に設けられ、X軸に沿って往復するX軸テーブル24と、X軸テーブル24上に支持され、X軸に平行するA軸を中心にワーク11を回転自在に保持するA軸回転機構30と、A軸回転機構30に対向して配置された心押台40と、ベッド18上に設けられ、X軸と直交するZ軸に沿って往復するZ軸テーブル64と、Z軸テーブル上64に支持され、Z軸上に砥石81を回転自在に保持する主軸回転機構70と、制御装置88とを備えている。
【0020】
このうち、ベッド18は略立方体形状からなり、その下面の3箇所に3本の防振パッド付レベリングブロック18aを有している。また、ベッド18の上面には安全枠19が取り外し自在に取り付けられている。
【0021】
さらに、図3に示すように、ベッド18上面の1辺の縁部近傍に、ベッド18上のX軸に平行にX軸ベース21が設けられており、X軸ベース21はその上面にX軸に平行に配置された2本のX軸ガイド22を有している。さらにX軸テーブル24はその下面にX軸ベース21のX軸ガイド22にかみ合うX軸スライドユニット23を有し、このX軸ガイド22とX軸スライドユニット23とをかみ合わせてX軸ベース21上に配置されている。このように、X軸テーブル24は、X軸ベース21のX軸ガイド22とX軸テーブル24のX軸スライドユニット23に沿って、X軸ベース21上をX軸方向に移動することができるようになっている。
【0022】
また、図2に示すように、X軸ベース21の端部にX軸送り用のACサーボモータ25が配置され、ACサーボモータ25の軸は2本のX軸ガイド22間に配置されたX軸ボールねじ26に連結されている。また、X軸テーブル24はその下面にX軸ボールねじ26に螺合する図示しないナットを有している。この場合、ACサーボモータ25の回転はX軸ボールねじ26に伝達され、さらに、X軸ボールねじ26に螺合する図示しないナットを介し、X軸ボールねじ26の回転にともないX軸テーブル24がX軸方向に移動するようになっている。
【0023】
また、ワーク11を回転自在に保持するA軸回転機構30は、ブラケット27を介してX軸テーブル24に連結されている。A軸回転機構30の一方(図2の右方)の端面には先端にワーク11を保持するためのワーク軸31がA軸軸線上に回転自在に支持されており、他方(図2の左方)の端面にはワーク軸31を回転させるためのACサーボモータ32が取り付けられている。
【0024】
図7に示すように、A軸に垂直なワーク軸31の端面31aは、ワーク11の一側円錐形状部分11bの端部形状と略同一の溝31bを有している。本実施の形態の場合、ワーク軸31の溝31bはワーク11の一側円錐形状部分11bの形状に対応して略円錐形状となっている。
【0025】
次に、心押台40について説明する。図4に示すように、心押台40はA軸回転機構30に向かってワーク11を押圧し、A軸回転機構30との間でワーク11を保持するものであり、ブラケット33を介してA軸回転機構30により片持で支持されるとともに、A軸回転機構30に対向した位置に配置されている。心押台40は、A軸軸線上であって、ワーク11を挟んでA軸回転機構30のワーク軸31に対向して配置された心押し軸41と、この心押し軸41を回転自在に支持する心押し軸支持部材42とを有している。このように、ワーク11は心押台40の心押し軸41によりA軸回転機構30のワーク軸31に向けてA軸に沿って押しつけられ、A軸回転機構30のワーク軸31と心押台40の心押し軸41との間に保持される。また、ACサーボモータ32によってワーク軸31が回転された場合、ワーク11は心押し軸41とともにA軸を中心に回転する。
【0026】
なお、図7に示すように、ワーク11を押す心押し軸41の端面41aは、ワーク11の一方の端部であるテーブル面14に対応して平坦な面となっており、A軸に直交する。すなわち、ワーク11のテーブル面14は平坦な基準面となっており、心押し軸41の平坦な端面41aにテーブル面14を当接させることにより、宝石類の外面研削装置10において、ワーク11の位置決めを行うことができる。なお、心押台40の心押し軸41端面41aに、ワーク11の滑りを防止するために、ゴム等のシート状の滑り止めを貼り付けてもよい。
【0027】
次に、図6により心押台40の押圧機構について説明する。図6に示すように、心押台40は更にブラケット33に固定されている心押台ベース43を有している。心押台ベース43は、その上面に、心押し軸支持部材42をA軸に平行な方向へ案内するガイド43aを有している。また、心押台ベース43の図6に示す右側端部には、内部にピストン44を内蔵したシリンダー45が固定されており、ピストン44はシリンダー45内をA軸と平行な方向に移動することができる。
【0028】
さらに、心押し軸支持部材42の図6に示す右側端はシリンダー45内に挿入されており、ピストン44と心押し軸支持部材42との間にはコイルバネ46が収納されている。そして、このコイルバネ46の弾性力によって、心押し軸支持部材42はA軸に平行な方向に沿ってワーク11側方向(図6の左側方向)に押圧される。
【0029】
図6に示すように、シリンダー45の右側端面近傍には、その下方にシリンダー内部49と連通するポート47が設けられており、ポート47にはエアホース48が接続されている。この場合、シリンダー内部49にエアホース48を介してエアーを圧入し、ピストン44を心押し軸支持部材42に向けて押し出すことにより、コイルバネ46がさらに圧縮され、心押し軸41によるワーク11の押しつけ力をさらに高めることができる。なお、シリンダー45とピストン44の間からエアーが漏れるのを防止するため、ピストン44外周には環状パッキン50が取り付けられている。
【0030】
なお、図示してないが、エアホース48は流量制御弁、電磁弁および減圧弁を介して圧力源に連通し、電磁弁を励磁することによりエアーをシリンダー内部49に圧入し、電磁弁を消磁することによってシリンダー内部49からエアーを放出することができる。また、減圧弁を調整することによって、心押し軸41によるワーク11に対する押しつけ力を適切に調整することができる。
【0031】
また、図4に示すように、心押台ベース43には切替レバー51が設けられ、また心押台ベース43内には図示しないギヤが内蔵されている。切替レバー51を時計回り方向に回すと、心押台ベース43内に内蔵されたギヤによって、心押し軸支持部材42が、心押し軸支持部材42に対するコイルバネ46の押圧力に抗し、心押台ベース43上のガイド43a上をA軸回転機構30のワーク軸31から遠ざかる方向に移動する。また、切替レバー51が時計回り方向に回しきった位置にきたとき、心押台40の心押し軸41がA軸軸線上においてA軸回転機構30のワーク軸31から約10mm離れた位置にくる。この場合、心押し軸支持部材42に対するコイルバネ46の押圧力に抗し、心押し軸支持部材42はその位置に留まる。
【0032】
次に砥石81の取り付け機構について説明する。図2に示すように、ベッド18上には、X軸に直交するZ軸に平行にZ軸ベース61が設けられており、Z軸ベース61はその上面にZ軸に平行に配置された2本のZ軸ガイド62を有している。さらにZ軸テーブル64はその下面にZ軸ベース61のZ軸ガイド62にかみ合うZ軸スライドユニット63を有し、このZ軸テーブル64はZ軸ガイド62とZ軸スライドユニット63とをかみ合わせてZ軸ベース61上に配置されている。このように、Z軸テーブル64は、Z軸ベース61のZ軸ガイド62とZ軸テーブル64のZ軸スライドユニット63とに沿って、Z軸ベース61上をZ軸方向に移動することができるようになっている。
【0033】
また、図3に示すように、Z軸ベース61の端部にZ軸送り用のACサーボモータ65が配置され、ACサーボモータ65の軸は2本のZ軸ガイド62間に配置されたZ軸ボールねじ66に連結されている。また、Z軸テーブル64はその下面にZ軸ボールねじ66に螺合する図示しないナットを有している。この場合、ACサーボモータ65の回転はZ軸ボールねじ66に伝達され、さらに、Z軸ボールねじ66に螺合する図示しないナットを介し、Z軸ボールねじ66の回転にともなってZ軸テーブル64がZ軸方向に移動する。
【0034】
砥石81は主軸回転機構70によりZ軸上に回転自在に保持され、この主軸回転機構70は、ブラケット67を介してZ軸テーブル64と連結されている。主軸回転機構70には、先端に砥石81を取り外し自在に固定する主軸71が回転自在に支持されている。ここで、砥石81の回転中心である主軸71軸心の高さレベルとA軸の高さレベルとは同一となっている(図3)。また、主軸回転機構70には図示しないビルトインモーターが内蔵されており、このビルトインモーターによって主軸71が回転する。なお、主軸71は高速回転するため、主軸71は空気軸受けによって支持されている。
【0035】
ところで図5に示すように、砥石81は砥石面82側中央に空間部83を有するカップ形状からなっている。砥石81の空間部83の直径は、図4において心押台40の心押し軸41左端から心押し軸支持部材42右端までのA軸方向長さより長くなっている。このような砥石81を用いることによって、砥石81の空間部83に対応した位置に心押台40の心押し軸支持部材42を配置することができる。このため、一定の厚みを有する心押台40の心押し軸支持部材42を砥石81の空間部83に入れ込んで配置することができ、心押し軸支持部材42が砥石81に接触することはない。また、心押台40を挟んで砥石81の反対側(図5における左側)の空いたスペースにブラケット33を配置することにより、厚みを持たせることによって剛性を高めたブラケットを用いることができ、心押台40を安定して保持することができる。
【0036】
なお、上述したX軸テーブル24を移動させるためのACサーボモータ25、A軸回転機構30のACサーボモータ32、Z軸テーブルを移動させるためのACサーボモータ65、主軸回転機構70のビルトインモータは制御装置88からの信号によって数値制御される。
【0037】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0038】
まず、ワーク11を宝石類の外面研削装置10により保持するため、心押台40の切替レバー51を時計回り方向に回す。心押台40の切替レバー51を時計回り方向に回すことにより、心押台40の心押し軸支持部材42が、心押台40の心押台ベース43上部に設けられたガイド43aに沿って案内され、心押台ベース43上をシリンダー45側に向かって移動する。心押台40の切替レバー51が時計回り方向に回りきった位置にきたとき、心押し軸支持部材42に支持された心押し軸41の端面41aはA軸回転機構30のワーク軸31端面31aからA軸軸線上を約10mm離れた場所に位置し、心押台40のコイルバネ46の押圧力に抗して心押し軸支持部材42はその位置に留まることができる。
【0039】
次に、作業者がワーク11を保持しながら、A軸回転機構30のワーク軸31と心押台40の心押し軸41との間にワーク11を挿入し、心押台40の切替レバー51を反時計回り方向に回す。その際、ワーク11のテーブル面14を心押し軸41の平坦な端面41aに向ける。心押台40の切替レバー51を反時計回り方向に回すことにより、心押台40の心押し軸支持部材42が、心押台40の心押台ベース43上部のガイド43aに沿って案内され、心押台ベース43上をA軸回転機構30のワーク軸31側に向かって移動し、その後心押台40の心押し軸41はワーク11をA軸回転機構30のワーク軸31に押しつける。
【0040】
その際、心押台40の心押し軸支持部材42に支持された心押し軸41の平坦な端面41aがワーク11のテーブル面14に平行に当接し、これによってワーク11は加工基準面となるテーブル面14がA軸に垂直となるように位置決めされ、A軸回転機構30のワーク軸31に対して押しつけられる。同時に、ワーク11の一側円錐形状部分11bの尖端部はワーク軸31の端面31aに設けられた略円錐状の溝31bへ収納され、ワーク11の中心がA軸に一致する(図7)。したがって、微妙な調整をしなくても簡単に、ワーク11のテーブル面14を基準としてワーク11の位置決めを行うことができる。
【0041】
心押台40の切替レバー51を反時計回り方向に回しきったとき、心押台40のシリンダー45内に収納されたコイルバネ46はいまだ圧縮された状態にあり、心押台40の心押し軸支持部材42はA軸回転機構30のワーク軸31側に向けて押圧された状態にある。したがって、心押し軸支持部材42に支持された心押し軸41はワーク11をA軸回転機構30のワーク軸31に対してA軸に沿って押しつけ、このことによりワーク11がA軸回転機構30のワーク軸31と心押台40の心押し軸41との間でしっかり保持される。このように、ワーク11を片手で保持しつつ、心押台40の切替レバー51を回すだけで、簡単にワーク11を宝石類の外面研削装置10に位置決めし、かつ保持することができる。
【0042】
宝石類の外面研削装置10へのワーク11の保持が完了した後、研削加工を開始する。まず、砥石81およびワーク11を回転する。
【0043】
砥石81を保持する主軸71は制御装置88からの信号により数値制御された主軸回転機構70のビルトインモータにより駆動する。この際、砥石81は主軸71に連動して回転し、その回転速度は900〜9000min−1となる。
【0044】
この間、ワーク11はA軸回転機構30のワーク軸31と心押台40の心押し軸41との間に挟まれ、心押台40の心押し軸41によりA軸回転機構30のワーク軸31に向けてA軸に沿って押しつけられている。また、心押台40の心押し軸41は回転自在に心押台40の心押し軸支持部材42に支持されている。
【0045】
一方、ワーク軸31は制御装置88からの信号により数値制御されたA軸回転機構30のACサーボモータ32により駆動する。この際、ワーク11はA軸回転機構30のワーク軸31の回転に連動し、心押台40の心押し軸41とともに回転する。その回転速度は10〜100min−1となる。
【0046】
次に、砥石81をワーク11側に進入させて、ワーク11を砥石81によって研削加工する。
【0047】
この場合、制御装置88からの信号により数値制御されたACサーボモータ65の駆動により、Z軸ボールねじ66を介してZ軸テーブル64をZ軸方向に沿って移動させ位置決めする。
【0048】
この間、制御装置88からの信号により数値制御されたACサーボモータ25の駆動により、X軸ボールねじ26を介してX軸テーブル24をX軸方向に沿って往復移動させる。このとき、X軸テーブル24はワーク11が砥石81の砥石面82のうちA軸回転機構30側部分のみを通過すると逆向きに移動するようにプログラムされており、ワーク11は砥石面82の幅のみを往復移動する。この場合の往復移動速度は1〜1000mm/minとなる。このように、砥石81に対してワーク11を往復移動させることによって、砥石面82を全体的に研削加工に利用させることができる。また、心押台40の心押し軸支持部材42は常に砥石81の空間部83に入り込むため、心押し軸支持部材42と砥石81との接触を防止することができる。したがって、A軸回転機構30のワーク軸31または心押台40の心押し軸41を細長くしたり、心押台40の心押台支持部材42を薄くする必要もなく、結果としてワーク11を安定して保持でき、ワーク11を精度良く加工することができる。
【0049】
さらに、心押台40はA軸回転機構30にブラケット33を介して支持されているので、心押台40の心押し軸41はA軸回転機構30のワーク軸31と連動して移動することができ、A軸回転機構30を加工中に移動してもワーク11を安定して保持することができ、ワーク11の加工精度を落とすことはない。
【0050】
なお、研削加工中にワーク11と、A軸回転機構30のワーク軸31若しくは心押台40の心押し軸41との間に滑りが生じた場合、図6に示すように心押台40のシリンダー内部49に連通するポート47に接続されているエアホース48からエアーをシリンダー内部49に圧入する。これによって、ピストン44がコイルバネ46を圧縮する方向に押し出され、コイルバネ46の心押し軸支持部材42対する押圧力が高まる。その結果として、心押台40の心押し軸41がワーク11をA軸回転機構30のワーク軸31に押しつける力が強くなり、ワーク11の滑りを防止することができ、ワーク11の加工精度を維持することができる。
【0051】
なお、上述したワーク軸31の回転速度、主軸71の回転速度およびX軸テーブル24の往復移動速度は、砥石材質やワーク材質等に応じて最適条件で加工できるよう、事前に制御装置88にプログラムしておくとともに、加工中においてもプログラムを変更することができる。
【0052】
加工が終わった後、宝石類の外面研削装置10からワーク11を取り外す。ワーク11の取り外し作業は、ワーク11を保持させる場合と逆の手順で行う。すなわち、心押台40の切替レバー51を時計回り方向に回し、心押台40のコイルバネ46の押圧力に抗して心押台40の心押し軸41をA軸回転機構30のワーク軸31から遠ざかる向きに移動させ、ワーク11に対する心押し軸41による押しつけを解除する。このように、心押台40の切替レバー51を時計回り方向に回すことだけで、簡単に宝石類の外面研削装置10からワーク11を取り外すことができる。
【0053】
このようにして、ダイヤモンドからなる粗加工されたワーク11のテーブル面14を基準として、ガードル面12を精度良く仕上げ加工することができる。その後、後加工として別の研削装置を用い、このように精度良く仕上げ加工されたワーク11のガードル面12を保持して、テーブル面14と、クラウン面15と、パビリオン面13とを精度良く仕上げ加工することができる。
【0054】
以上のように本実施の形態においては、心押台40のシリンダー45内に収納されたコイルバネ46により心押台40の心押し軸支持部材42を押圧し、心押し軸支持部材42に支持された心押し軸41でワーク11をA軸回転機構30のワーク軸31に押しつけて保持することができる。この場合、心押台40は、この心押し軸支持部材42に対するコイルバネ46の押圧力に対抗できる切替レバー51を有しており、この切替レバー51を操作することによってワーク11の着脱を容易に行うことができる。
【0055】
また、A軸回転機構30のワーク軸31にワーク11を押しつける心押し軸41はワーク11の一方の端部である平坦なテーブル面14に対応した平坦な端面41aを有しており、また、A軸回転機構30のワーク軸31の先端の端面31bはワーク11の他方の端部形状と略同一の溝31bを有しているので、心押し軸41の端面41aをワーク11のテーブル面14に当接させることにより、ワーク11のテーブル面14を基準としてワーク11の位置決めを行うことができる。
【0056】
さらに、エアーの圧入によって、心押し軸支持部材42の押圧力を補助することができ、安定した状態でワーク11を保持することができる。さらに、心押し軸41の平坦な端面41aに、ワーク11の滑りを防止するためのゴム等を配置することにより、ワーク11の滑りを未然に防止することができる。
【0057】
さらにまた、心押し軸41を支持する心押台40はワーク軸31を支持するA軸回転機構30にブラケットを介して取り付けられているので、加工中にワーク軸31を移動しても、ワーク軸31に対する心押し軸41によるワーク11の押しつけ状態は変化せず、ワーク11を安定して保持することができる。
【0058】
また、砥石81は砥石面82中央に空間部83を有するカップ状の砥石81を用いており、カップ状砥石81の空間部83に心押台40を収納することによって砥石81と心押台40との接触を防止することができ、したがって、剛性の低い心押台を用いる必要はなく、安定してワーク11を保持することができる。
【0059】
以上のような本実施の形態の特徴から、宝石類の外面研削装置10は宝石類を簡単かつ確実に位置決めし、そして安定して保持することができる。その結果、宝石類の外面を精度良く仕上げ加工することができる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、宝石類を簡単かつ確実に位置決めし、そして安定して保持することができる。その結果、宝石類の外面を精度良く仕上げ加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による宝石類の外面研削装置の一実施の形態を示す平面図。
【図2】本発明による宝石類の外面研削装置の一実施の形態を示す正面図。
【図3】本発明による宝石類の外面研削装置の一実施の形態を示す側面図。
【図4】図2の部分拡大図。
【図5】図3の部分拡大図。
【図6】本発明による宝石類の外面研削装置の一実施の形態の心押台を示す部分拡大図であって便宜的に心押し軸と切替レバーとを取り除いた状態を示す図。
【図7】本発明による宝石類の外面研削装置の一実施の形態のワークの保持部分を示す拡大断面図。
【符号の説明】
10 宝石類の外面研削装置
11 ワーク
11a 円柱形状部分
11b 一側円錐形状部分
11c 他側円錐台形状部分
12 ガードル面
13 パビリオン面
14 テーブル面
15 クラウン面
18 ベッド
18a 防振パッド付レベリングブロック
19 安全枠
21 X軸ベース
22 X軸ガイド
23 X軸スライドユニット
24 X軸テーブル
25 ACサーボモータ
26 X軸ボールねじ
27 ブラケット
30 A軸回転機構
31 ワーク軸
31a 端面
31b 溝
32 ACサーボモータ
33 ブラケット
40 心押台
41 心押し軸
41a 端面
42 心押し軸支持部材
43 心押台ベース
43a ガイド
44 ピストン
45 シリンダー
46 コイルバネ
47 ポート
48 エアホース
49 シリンダー内部
50 パッキン
51 切替レバー
61 Z軸ベース
62 Z軸ガイド
63 Z軸スライドユニット
64 Z軸テーブル
65 ACサーボモータ
66 Z軸ボールねじ
67 ブラケット
70 主軸回転機構
71 主軸
81 砥石
82 砥石面
83 空間部
88 制御装置

Claims (6)

  1. ベッド上のA軸を中心に宝石類からなるワークを回転自在に保持するA軸回転機構と、
    A軸回転機構に対向して配置され、A軸に沿ってA軸回転機構側にワークを押圧するとともに、A軸回転機構との間でワークをA軸を中心に回転自在に保持する心押台と、
    A軸と直交し、ワークを研削する砥石を回転自在に保持する主軸回転機構とを備え、
    砥石は砥石面の中央に空間部を有するカップ形状からなり、
    心押台は砥石の空間部に配置されていることを特徴とする宝石類の外面研削装置。
  2. A軸回転機構はA軸と平行な方向に往復移動し、
    心押台はA軸回転機構にブラケットを介して片持支持され、A軸回転機構に連結されていることを特徴とする請求項1記載の宝石類の外面研削装置。
  3. ワークは円柱形状部分と、円柱形状部分の一側に隣接する一側円錐形状部分と、円柱形状部分の他側に隣接するとともに基準面を有する他側円錐台形状部分とからなり、
    A軸回転機構はワークの一側円錐形状部分を収納する溝を有するとともに、心押台はワークの他側円錐台形状部分の基準面に当接し、ワークを位置決めする平坦面を有することを特徴とする請求項1記載の宝石類の外面研削装置。
  4. 心押台は切替レバーを有し、
    切替レバーによって心押台によるワークの押圧を解除することができることを特徴とする請求項1記載の宝石類の外面研削装置。
  5. 心押台に収納されたコイルバネによってワークを押圧することを特徴とする請求項1記載の宝石類の外面研削装置。
  6. 心押台はシリンダーを有し、
    シリンダーにエアーを圧入することによって、ワークの押圧を補助することを特徴とする請求項5記載の宝石類の外面研削装置。
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