JP4019973B2 - 乗員保護装置の起動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗員保護装置の起動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の横転する可能性の有無を判定することを目的とした判定方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に開示されている車両の横転判定方法によれば、例えば、車両のロール角とロール角速度をパラメータとする二次元マップ上に閾値ラインを設定し、車両の実際のロール角及びロール角速度の履歴ラインがこの閾値ラインを非横転領域から横転領域に横切るか否かで横転可能性の有無を判定している。そして、この二次元マップを用いた車両の横転可能性の有無の判定結果は、エアカーテンやサイドエアバッグの展開制御等に適用される。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−260780号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した車両の横転判定方法では、車両の横滑り速度の増加に応じて閾値ラインを移動させることで、トリップオーバの横転形態において乗員を保護するための展開タイミングを早めているが、必ずしも乗員を保護するための適切なタイミングとは限らない。
【0005】
例えば、停止車両の側面に対して、SUV(Sports Utility Vehicles)等のような車高の高い車両が衝突した場合に、衝突直後に被衝突車両が非衝突側の車輪を支点として横転する(以下、SUV側突後横転と呼ぶ)形態では、横滑り速度は発生していないものの、衝突直後に乗員の上体が衝突側に振られるため、運転席側のエアカーテン等を早期に展開する必要がある。このように、従来の車両の横転判定方法は、乗員を保護するための適切なタイミングで判定をすることができない。
【0006】
本発明は、かかる問題を鑑みてなされたもので、適切なタイミングで車両の横転を判定することができる乗員保護装置の起動装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の乗員保護装置の起動装置は、車両のロール角速度を検出するロール角速度検出手段と、車両のロール角を検出するロール角検出手段もしくは、ロール角速度を積分することにより車両のロール角を算出するロール角演算手段と、ロール角の示す値とロール角速度の示す値とに基づいて車両の横転の可能性の有無を判定する車両横転判定手段と、車両の幅方向に発生する加速度を検出する横加速度検出手段と、横加速度の示す値に基づいて車両に対する幅方向の衝突の有無を判定する側突判定手段と、横加速度が発生し、その後、引き続いてロール角速度が発生する場合、側突判定手段の判定結果に基づいて車両の衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行い、車両横転判定手段の判定結果に基づいて車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行う起動判定手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
例えば、車両が横滑りして左右一方の車輪が縁石等に衝突し、この縁石を支点として横転する(以下、縁石トリップオーバと呼ぶ)形態や、上述したSUV側突後横転の形態では、横転初期の段階で比較的大きな横加速度が発生する。また、横転初期の段階では、乗員の上体は衝突側に振られるため、衝突側に搭載される乗員保護装置(例えば、乗員の頭部・胸部・腰部等を保護するエアバッグ装置や、シートベルトの弛みをとるプリテンショナ等)を早期に起動させる必要がある。
【0009】
そこで、本発明の乗員保護装置の起動装置は、側突判定手段の判定結果に基づいて車両の衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行い、車両横転判定手段の判定結果に基づいて車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行う。これにより、横転初期の段階で大きな横加速度が発生する横転形態では、側突判定の判定結果に基づいて衝突側に搭載される乗員保護装置を起動させ、また、車両横転判定の結果に基づいて非衝突側に搭載される乗員保護装置を起動させることができる。その結果、乗員にとって適切なタイミングで乗員保護装置を起動させることが可能となる。
【0010】
またこの乗員保護装置の起動装置によれば、車両横転判定手段は、ロール角とロール角速度とからなる2次元マップを有し、2次元マップ上には、車両が横転する可能性のある領域と横転する可能性のない領域との境界線が設定され、2次元マップ上に各値をあてはめて車両の横転可能性の有無を判定し、側突判定手段は、横加速度の示す値と所定の閾値との大小関係から衝突の有無を判定することを特徴とする。これにより、トリップオーバの形態における車両横転を判定することができる。
またこの乗員保護装置の起動装置では、車両横転判定手段は、車両の横転の可能性を抑制する方向に境界線を移動させた大閾値境界線を2次元マップ上に設定し、起動判定手段は、大閾値境界線の設定された2次元マップを用いた車両横転判定手段による判定結果に基づいて車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行うことを特徴とする。
これにより、非衝突側の乗員保護装置は、ロール角度がある程度大きく、かつ、ロール角速度がある程度高くなるタイミングで起動することになり、その結果、乗員にとって適切なタイミングで非衝突側に搭載される乗員保護装置を起動することができる。
さらにこの乗員保護装置の起動装置では、起動判定手段は、横加速度の車両の幅方向に対する発生方向とロール角速度の車両の前後軸周りの回転方向とに基づいて、車両の横転形態を判定する横転形態判定手段を備え、起動判定手段は、横転形態判定手段によってトリップオーバの横転形態と判定された場合に車両横転判定手段による判定結果に基づいて車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行うことを特徴とする。
例えば、縁石トリップオーバでは、横転初期では、乗員の上体は衝突側に振られ、その直後に乗員の上体が非衝突側に振られる。従って、縁石トリップオーバにおいては、乗員保護装置を衝突側と非衝突側ともに早期に起動する必要がある。一方、SUV側突後横転では、横転初期では、乗員の上体は衝突側に振られるが、非衝突側に乗員の上体が振られるタイミングは、縁石トリップオーバにおけるタイミングに比べ遅い。
このように、トリップオーバの横転形態であっても、非衝突側に乗員の上体が振られるタイミングが異なる。そのため、非衝突側の乗員保護装置の適切な起動タイミングも異なる。そこで、横加速度の発生方向とロール角速度の回転方向から横転形態を判定し、SUV側突後横転の場合には、非衝突側に搭載される乗員保護装置を衝突側に搭載される乗員保護装置よりも遅いタイミングで起動させる。
すなわち、縁石トリップオーバでは、縁石との非衝突側から衝突側に進む方向に横加速度が発生するのに対し、SUV側突後横転では、衝突側から非衝突側へ進む方向に横加速度が発生する。また、縁石トリップオーバでは、衝突側の縁石を支点として回転するのに対し、SUV側突後横転では、非衝突側の車輪を支点として回転する。
このように、横加速度の発生方向とロール角速度の回転方向がトリップオーバの横転形態であっても異なるため、これらの極性から、縁石トリップオーバであるか否かを判別できる。その結果、横転形態に適したタイミングで非衝突側の乗員保護装置を起動することができる。なお、車両が横滑りして左右一方の車輪が砂地等の路面の摩擦係数が異なる場所へ踏み入れ、この砂地等に踏み入れた車輪を支点として横転する、いわゆる砂地トリップオーバの形態においても適用される。
請求項2に記載の乗員保護装置の起動装置では、車両横転判定手段は、ロール角の示す値がロール角の臨界値以上である場合に車両の横転の可能性が有ると判定し、起動判定手段は、ロール角のみを用いた車両横転判定手段による判定結果に基づいて車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行うことを特徴とする。
これにより、非衝突側の乗員保護装置は、車両のロール角度がある程度大きくなったタイミングで起動することになり、その結果、乗員にとって適切なタイミングで非衝突側に搭載される乗員保護装置を起動することが可能となる。
【0011】
請求項3に記載の乗員保護装置の起動装置では、車両のロール角速度を検出するロール角速度検出手段と、車両のロール角を検出するロール角検出手段もしくは、ロール角速度を積分することにより車両のロール角を算出するロール角演算手段と、ロール角の示す値とロール角速度の示す値とに基づいて車両の横転の可能性の有無を判定する車両横転判定手段と、車両の幅方向に発生する加速度を検出する横加速度検出手段と、横加速度の示す値に基づいて車両に対する幅方向の衝突の有無を判定する側突判定手段と、横加速度が発生し、その後、又は略同時期にロール角速度が発生する場合、側突判定手段の判定結果と車両横転判定手段の判定結果とに基づいて車両の衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行い、車両横転判定手段の判定結果に基づいて車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行う起動判定手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
例えば、上述したSUV側突後横転において、衝突時の運動エネルギが衝突車両や被衝突車両によって効率よく吸収される場合、被衝突車両には横加速度やロール角速度があまり発生しないことがある。このような場合、側突判定の判定結果だけでは、被衝突車両の衝突側の乗員保護装置を早期に起動することができなくなる。そこで、衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を側突判定と車両横転判定との判定結果に基づいて行う。これにより、衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を早期に行うことができる。
【0013】
またこの乗員保護装置の起動装置によれば、車両横転判定手段は、ロール角とロール角速度とからなる2次元マップを有し、2次元マップ上には、車両が横転する可能性のある領域と横転する可能性のない領域との境界線が設定され、2次元マップ上に各値をあてはめて車両の横転可能性の有無を判定し、側突判定手段は、横加速度の示す値と所定の閾値との大小関係から衝突の有無を判定することを特徴とする。これにより、トリップオーバの形態における車両横転を判定することができる。
またこの乗員保護装置の起動装置では、車両横転判定手段は、車両の横転の可能性を抑制する方向に境界線を移動させた大閾値境界線を2次元マップ上に設定し、起動判定手段は、大閾値境界線の設定された2次元マップを用いた車両横転判定手段による判定結果に基づいて車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行うことを特徴とする。
これにより、非衝突側の乗員保護装置は、ロール角度がある程度大きく、かつ、ロール角速度がある程度高くなるタイミングで起動することになり、その結果、乗員にとって適切なタイミングで非衝突側に搭載される乗員保護装置を起動することができる。
さらにこの乗員保護装置の起動装置では、起動判定手段は、横加速度の車両の幅方向に対する発生方向とロール角速度の車両の前後軸周りの回転方向とに基づいて、車両の横転形態を判定する横転形態判定手段を備え、起動判定手段は、横転形態判定手段によってトリップオーバの横転形態と判定された場合に車両横転判定手段による判定結果に基づいて車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行うことを特徴とする。
例えば、縁石トリップオーバでは、横転初期では、乗員の上体は衝突側に振られ、その直後に乗員の上体が非衝突側に振られる。従って、縁石トリップオーバにおいては、乗員保護装置を衝突側と非衝突側ともに早期に起動する必要がある。一方、SUV側突後横転では、横転初期では、乗員の上体は衝突側に振られるが、非衝突側に乗員の上体が振られるタイミングは、縁石トリップオーバにおけるタイミングに比べ遅い。
このように、トリップオーバの横転形態であっても、非衝突側に乗員の上体が振られるタイミングが異なる。そのため、非衝突側の乗員保護装置の適切な起動タイミングも異なる。そこで、横加速度の発生方向とロール角速度の回転方向から横転形態を判定し、SUV側突後横転の場合には、非衝突側に搭載される乗員保護装置を衝突側に搭載される乗員保護装置よりも遅いタイミングで起動させる。
すなわち、縁石トリップオーバでは、縁石との非衝突側から衝突側に進む方向に横加速度が発生するのに対し、SUV側突後横転では、衝突側から非衝突側へ進む方向に横加速度が発生する。また、縁石トリップオーバでは、衝突側の縁石を支点として回転するのに対し、SUV側突後横転では、非衝突側の車輪を支点として回転する。
このように、横加速度の発生方向とロール角速度の回転方向がトリップオーバの横転形態であっても異なるため、これらの極性から、縁石トリップオーバであるか否かを判別できる。その結果、横転形態に適したタイミングで非衝突側の乗員保護装置を起動することができる。なお、車両が横滑りして左右一方の車輪が砂地等の路面の摩擦係数が異なる場所へ踏み入れ、この砂地等に踏み入れた車輪を支点として横転する、いわゆる砂地トリップオーバの形態においても適用される。
また請求項4に記載の乗員保護装置の起動装置では、車両横転判定手段は、ロール角の示す値がロール角の臨界値以上である場合に車両の横転の可能性が有ると判定し、起動判定手段は、ロール角のみを用いた車両横転判定手段による判定結果に基づいて車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行うことを特徴とする。
これにより、非衝突側の乗員保護装置は、車両のロール角度がある程度大きくなったタイミングで起動することになり、その結果、乗員にとって適切なタイミングで非衝突側に搭載される乗員保護装置を起動することが可能となる。
【0014】
請求項5に記載の乗員保護装置の起動装置では、車両横転判定手段は、車両の横転の可能性を助長する方向に境界線を移動させた小閾値境界線を2次元マップ上に設定し、側突判定手段は、閾値よりも小さい値を示す小閾値を有し、起動判定手段は、小閾値境界線の設定された2次元マップを用いた車両横転判定手段による判定結果と小閾値を用いた側突判定手段による判定結果とに基づいて車両の衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行うことを特徴とする。
【0015】
これにより、被衝突車両には横加速度やロール角速度があまり発生しないトリップオーバの横転形態であっても、衝突側に搭載される乗員保護装置を早期に起動させることができる。
【0016】
請求項6に記載の乗員保護装置の起動装置では、車両横転判定手段は、ロール角速度の前回値と現在値との差分値と所定値との大小関係の判定をさらに行い、起動判定手段は、ロール角速度の差分値の判定と2次元マップによる判定とを用いた車両横転判定手段の判定結果に基づいて車両の衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行うことを特徴とする。
【0017】
このように、衝突側に搭載される乗員保護装置についてのみ、ロール角速度の差分値を用いた起動判定を行うことにより、衝突側に搭載される乗員保護装置を早期に起動することができる。なお、非衝突側に搭載される乗員保護装置については、このロール角速度の差分値を用いた起動判定を行わないため、乗員にとって適切なタイミングで非衝突側に搭載される乗員保護装置が起動されるようになる。
【0027】
請求項7に記載の乗員保護装置の起動装置では、乗員保護装置は、車両の乗員と車室内側部との間に膨張展開するエアバッグ装置を構成し、起動判定手段は、車両横転判定手段による判定結果を車両の非衝突側に搭載されるエアバッグ装置の起動判定に用いることを特徴とする。
【0028】
これにより、非衝突側のエアバッグ装置を適切なタイミングで起動することが可能となる。また、非衝突側の乗員のシートベルトの弛みをとるプリテンショナ等の乗員保護装置については、衝突側に搭載されるプリテンショナと同じタイミングで作動させることで、横転初期の段階から乗員をシートに拘束することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態における乗員保護装置の起動装置に関して、図面に基づいて説明する。
【0030】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における乗員保護装置の起動装置を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態の乗員保護装置の起動装置は、側突センサ20、コントロールユニット30、及び角速度センサ40とによって構成される。また、コントロールユニット30は、乗員保護装置10と接続される。
【0031】
乗員保護装置10は、例えば、シートベルトの弛みをとるプリテンショナや、乗員の頭部・胸部・腰部等と車室内側部との間に膨張展開する衝撃吸収エアバッグ等(ともに図示せず)である。この乗員保護装置10は、運転席側と助手席側とに各々設けられ、コントロールユニット30からの起動指令を受けて作動する。
【0032】
側突センサ20は、車両の幅方向に発生する加速度(以下、横加速度(GY)と呼ぶ)を検出するセンサであり、車両の幅方向から受ける衝撃力を検出するために用いられる。この側突センサ20は、車両の運転席側と助手席側の両方のセンタービラー(Bピラー)の下端部付近に設けられるものであり、検出信号は、コントロールユニット30へ出力される。
【0033】
角速度センサ40は、車両の前後軸周りの角速度(ロール角速度、RR)を検出するセンサであり、例えば、回転に応じて所定の質量に生じる力を検出する加速度センサや、振動ジャイロ、ガスレートジャイロ等が用いられる。この角速度センサ40は、検出した信号をコントロールユニット30へ出力する。
【0034】
コントロールユニット30は、積分値演算部31、横転判定部32、側突判定部33、及び起動判定部34によって構成される。積分値演算部31は、角速度センサ40からのロール角速度(RR)を積分処理して、車両の前後軸周りの回転角度(ロール角度、RA)を算出する。例えば、次式によって求められる。
【0035】
【数1】
RA=∫RR・dt(t[t-1]〜t[t])
横転判定部32は、ロール角度(RA)とロール角速度(RR)とを用いて、車両の横転の可能性の有無を判定する。この横転判定部32は、図6に示すように、ロール角度とロール角速度との関係を示すマップを記憶しており、このマップ上におけるロール角度(RA)とロール角速度(RR)との値が示す位置から、車両の横転の可能性の有無を判定する。
【0036】
すなわち、非横転領域に位置する場合には、車両は横転の可能性が無いと判定し、横転領域に位置する場合には、車両は横転の可能性が有ると判定する。なお、非横転領域と横転領域との境界線aは、車両によって異なるものであり、予め実験等によって求められるものである。
【0037】
側突判定部33は、横加速度(GY)の示す値が所定値(GYth)以上であるか否かを判定する。起動判定部34は、横転判定部32による判定結果、及び側突判定部33による判定結果に基づいて、乗員保護装置10を起動するか否かの判定を行う。
【0038】
なお、本実施形態に起動判定部34は、運転席側と助手席側とに各々設けられる乗員保護装置10の起動判定を別々に実施する。まず、車両の運転席側と助手席側の両方のBピラーに設けられる側突センサ20の値を比較して絶対値の大きい方を衝突側とする。そして、衝突側と非衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定を別々に行う。以下、この本実施形態の特徴部分に係わる、乗員保護装置の起動判定処理について、図2及び図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0039】
先ず、図2に、衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定処理を示す。同図のステップS100では、ロール角速度(RR)を読み込む。ステップS110では、ロール角速度(RR)を積分処理してロール角度(RA)を算出する。ステップS120では、衝突側に搭載される側突センサ20から検出される横加速度(GY)を読み込む。
【0040】
ステップS130では、図6に示したマップを用いて、ステップS100において読み込んだロール角速度(RR)の値と、ステップS110において算出したロール角度(RA)の値が示すマップ上の位置から、車両の横転の可能性の有無を判定する。さらに、ステップS120において読み込んだ横加速度(GY)の値が所定値(GYth)よりも大きいか否かを判定する。
【0041】
そして、車両の横転の可能性の有無の判定結果、及び横加速度(GY)の判定結果に基づいて、衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定を行う。例えば、車両の横転の可能性が有り、かつ、横加速度(GY)が所定値(GYth)よりも大きい判定結果である場合に、衝突側に搭載される乗員保護装置10を起動する判定を行う。
【0042】
一方、図3は、非衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定処理を示すものである。同図に示すステップS140では、ロール角速度(RR)を読み込む。ステップS150では、ロール角速度(RR)を積分処理して、ロール角度(RA)を算出する。
【0043】
ステップS160では、図6に示したマップを用いて、ステップS140において読み込んだロール角速度(RR)の値と、ステップS150において算出したロール角度(RA)の値の示すマップ上の位置から横転の可能性の有無を判定する。そして、この横転判定結果に基づいて、非衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定を行う。
【0044】
このように、本実施形態における乗員保護装置の起動装置は、横加速度の示す値と、ロール角及びロール角速度の値を用いて車両の衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行い、ロール角及びロール角速度の値を用いて車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行っている。
【0045】
これにより、横転初期の段階で大きな横加速度が発生するトリップオーバの横転形態では、衝突側に設けられる側突センサから検出される横加速度と、ロール角及びロール角速度に基づいて衝突側に搭載される乗員保護装置を起動させ、また、ロール角及びロール角速度に基づいて非衝突側に搭載される乗員保護装置を起動させることができる。その結果、乗員にとって適切なタイミングで乗員保護装置を起動させることが可能となる。
【0046】
(変形例1)
本実施形態では、図2のステップS130の衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定において、横加速度(GY)、ロール角(RA)、及びロール角速度(RR)を用いた判定を行っているが、横加速度(GY)と所定値(GYth)との大小関係のみから起動判定を行ってもよい。これにより、横転初期の段階で大きな横加速度が発生する横転形態において、衝突側に搭載される乗員保護装置を早期に起動させることができる。
【0047】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。
【0048】
例えば、上述したSUV側突後横転において、衝突時の運動エネルギが衝突車両や被衝突車両によって効率よく吸収される場合、被衝突車両に発生する横加速度が小さくなり、発生するロール角速度も低くなることがある。このような場合、被衝突車両の衝突側の乗員保護装置を早期に起動することができなくなる。
【0049】
そこで、車両横転判定において用いられるマップ上に設定される境界線を、車両の横転の可能性が助長される方向に移動させた小閾値境界線を新たに設定し、この小閾値境界線を用いて車両の横転を判定する。また、側突判定において、通常の閾値よりも小さい小閾値を設定し、この小閾値を用いて衝突の判定をする。
【0050】
図4に、本実施形態における乗員保護装置の起動装置のブロック図を示す。同図に示すように、車両の横転可能性の有無の判定は、横転判定部32a、32bによって行われる。横転判定部32aは、図6に示す境界線aの設定されるマップを用いて車両の横転可能性の有無を判定し、この判定結果は、非衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定に用いられる。
【0051】
一方、横転判定部32bは、図7に示す境界線bの設定されるマップを用いて車両の横転可能性の有無を判定し、この判定結果は、衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定に用いられる。同図に示すように、境界線bは、境界線aよりも原点側に移動した位置に設定され、これにより、車両の横転の可能性が助長される。
【0052】
また、図4に示すように、車両の側面からの衝突を判定は、側突判定部33a、33bによって行われる。側突判定部33aは、横加速度(GY)の示す値が所定値(GYth)以上であるか否かを判定する。また、側突判定部33bは、横加速度(GY)の示す値が、所定値(GYth)よりも小さい値を示す所定値(GYLoth)以上であるか否かを判定する。この側突判定部33bによる判定結果は、衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定に用いられる。これにより、低い横加速度(GY)でも、衝突を判定することができる。
【0053】
次に、本実施形態の特徴部分に係わる、乗員保護装置の起動判定処理について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。なお、非衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定は、第1の実施形態における処理と同一であるので、説明を省略する。
【0054】
先ず、図5に示すステップS100では、ロール角速度(RR)を読み込む。ステップS110では、ロール角速度(RR)を積分処理してロール角度(RA)を算出する。ステップS120では、衝突側に搭載される側突センサ20から検出される横加速度(GY)を読み込む。
【0055】
ステップS130aでは、図7に示した境界線bの設定されるマップを用いて、ステップS100において読み込んだロール角速度(RR)の値と、ステップS110において算出したロール角度(RA)の値が示すマップ上の位置から、車両の横転の可能性の有無を判定する。さらに、ステップS120において読み込んだ横加速度(GY)の値が所定値(GYLoth)よりも大きいか否かを判定する。
【0056】
そして、車両の横転の可能性の有無の判定結果、及び横加速度(GY)の判定結果に基づいて、衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定を行う。例えば、車両の横転の可能性が有り、かつ、横加速度(GY)が所定値(GYLoth)よりも大きい判定結果である場合に、衝突側に搭載される乗員保護装置10を起動する判定を行う。これにより、衝突側に搭載される乗員保護装置を早期に起動させることができる。
【0057】
(変形例2)
本実施形態では、衝突側に搭載される乗員保護装置10を早期に起動するため、境界線bの設定されるマップと所定値(GYLoth)を用いた起動判定を行っているが、この方法に限定されるものではない。例えば、ロール角速度(RR)の現在値と前回値との差分値(D_RR)を求め、この差分値(D_RR)が所定値(Dth)以上である判定結果と、境界線aの設定されるマップによる判定結果を用いて、衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定を行ってもよい。
【0058】
これにより、横転の初期段階で高いロール角速度で横転する形態では、衝突側に搭載される乗員保護装置10を早期に起動することができる。なお、非衝突側に搭載される乗員保護装置10については、この差分値(D_RR)を用いた起動判定を行わないため、乗員にとって適切なタイミングで非衝突側に搭載される乗員保護装置が起動されるようになる。
【0059】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第1及び第2の実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。
【0060】
第1及び第2の実施形態における、非衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定では、図6に示す境界線aの設定されるマップを用いた車両の横転可能性の有無の判定結果を用いているが、この非衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動をより適切なタイミングとするために、マップ上に設定される境界線aを、車両の横転の可能性が抑制される方向に移動させた大閾値境界線を設定し、この大閾値境界線を用いて車両の横転を判定する。
【0061】
すなわち、図7に示す境界線cの設定されるマップを用いて車両の横転可能性の有無を判定する。同図に示すように、境界線cは、境界線aの反原点側に移動した位置に設定され、これにより車両の横転の可能性が抑制される。この境界線cの設定されたマップによる判定を、図3に示すステップS160において行う。
【0062】
これにより、非衝突側に搭載される乗員保護装置10は、ロール角度(RA)がある程度大きく、かつ、ロール角速度(RR)がある程度高くなるタイミングで起動することになり、その結果、乗員にとって適切なタイミングで非衝突側に搭載される乗員保護装置10を起動することができる。
【0063】
なお、この非衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定を、単にロール角度(RA)の値を用いて行ってもよい。例えば、ロール角度(RA)の値が、図7に示す境界線aがロール角速度の軸と交差する点dの値よりも大きい場合に、車両の横転の可能性が有ると判定する。なお、この点dは、境界線aとロール角速度の軸とが交差する地点に限定されるものではなく、任意に設定されるものである。これにより、非衝突側に搭載される乗員保護装置10は、ロール角度(RR)がある程度大きくなったタイミングで起動することになる。
【0064】
(変形例3)
本実施形態における、非衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定を、トリップオーバの形態に応じて実行するようにしてもよい。例えば、縁石トリップオーバでは、横転初期では、乗員の上体は衝突側に振られ、その直後に乗員の上体が非衝突側に振られる。従って、縁石トリップオーバにおいては、乗員保護装置10を衝突側と非衝突側ともに早期に起動する必要がある。一方、SUV側突後横転では、横転初期では、乗員の上体は衝突側に振られるが、非衝突側に乗員の上体が振られるタイミングは、縁石トリップオーバにおけるタイミングに比べ遅い。
【0065】
このように、トリップオーバの横転形態であっても、非衝突側に乗員の上体が振られるタイミングが異なる。そのため、非衝突側の乗員保護装置10の適切な起動タイミングも異なる。そこで、横加速度の発生方向とロール角速度の回転方向から横転形態を判定し、SUV側突後横転の場合には、非衝突側に搭載される乗員保護装置10を衝突側に搭載される乗員保護装置よりも遅いタイミングで起動させるようにする。
【0066】
すなわち、縁石トリップオーバでは、縁石との非衝突側から衝突側に進む方向に横加速度が発生するのに対し、SUV側突後横転では、衝突側から非衝突側へ進む方向に横加速度が発生する。また、縁石トリップオーバでは、衝突側の縁石を支点として回転するのに対し、SUV側突後横転では、非衝突側の車輪を支点として回転する。従って、横加速度の極性とロール角速度の極性から、トリップオーバの形態を判別することができる。
【0067】
そして、縁石トリップオーバの形態であると判別された場合に、本実施形態における非衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定を行うことで、縁石トリップオーバにおいて、乗員にとって適切なタイミングで非衝突側に搭載される乗員保護装置10を起動することができる。
【0068】
なお、車両が横滑りして左右一方の車輪が砂地等の路面の摩擦係数が異なる場所へ踏み入れ、この砂地等に踏み入れた車輪を支点として横転する、いわゆる砂地トリップオーバの形態においても適用される。
【0069】
(変形例4)
本実施形態における、非衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定は、非衝突側に搭載されるプリテンショナと衝撃吸収エアバッグの起動に用いているが、この非衝突側に搭載されるプリテンショナを、衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定結果を用いて起動させ、非衝突側に搭載される衝撃吸収エアバッグの起動のみに適用してもよい。これにより、横転初期の段階から乗員をシートに拘束することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる、乗員保護装置10を駆動させるためのコントロールユニット30の機能構成を示したブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係わる、衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定処理を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態に係わる、非衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定処理を示すフローチャートである。
【図4】第2の実施形態に係わる、乗員保護装置10を駆動させるためのコントロールユニット30の機能構成を示したブロック図である。
【図5】第2の実施形態に係わる、衝突側に搭載される乗員保護装置10の起動判定処理を示すフローチャートである。
【図6】ロール角度とロール角速度との関係を示すマップの図である。
【図7】ロール角度とロール角速度との関係を示すマップに設定される境界線b、cを示す図である。
【符号の説明】
10 乗員保護装置
20 側突センサ
30 コントロールユニット
31 積分値演算部
32 横転判定部
33 側突判定部
34 起動判定部
40 角速度センサ
Claims (7)
- 車両のロール角速度を検出するロール角速度検出手段(40)と、
前記車両のロール角を検出するロール角検出手段(40)もしくは、前記ロール角速度を積分することにより前記車両のロール角を算出するロール角演算手段(31)と、
前記ロール角の示す値と前記ロール角速度の示す値とに基づいて車両の横転の可能性の有無を判定する車両横転判定手段(32)と、
前記車両の幅方向に発生する加速度を検出する横加速度検出手段(20)と、
前記横加速度の示す値に基づいて前記車両に対する幅方向の衝突の有無を判定する側突判定手段(33)と、
前記横加速度が発生し、その後、引き続いて前記ロール角速度が発生する場合、前記側突判定手段の判定結果に基づいて前記車両の衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行い、前記車両横転判定手段の判定結果に基づいて前記車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行う起動判定手段(34)とを備え、
前記車両横転判定手段(32)は、ロール角とロール角速度とからなる2次元マップを有し、前記2次元マップ上には、車両が横転する可能性のある領域と横転する可能性のない領域との境界線が設定され、前記2次元マップ上に前記各値をあてはめて車両の横転可能性の有無を判定し、
前記側突判定手段(33)は、前記横加速度の示す値と所定の閾値との大小関係から衝突の有無を判定し、
前記車両横転判定手段(32)は、車両の横転の可能性を抑制する方向に前記境界線を移動させた大閾値境界線を前記2次元マップ上に設定し、
前記起動判定手段(34)は、前記大閾値境界線の設定された前記2次元マップを用いた前記車両横転判定手段(32)による判定結果に基づいて前記車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行い、
前記起動判定手段(34)は、前記横加速度の前記車両の幅方向に対する発生方向と前記ロール角速度の前記車両の前後軸周りの回転方向とに基づいて、前記車両の横転形態を判定する横転形態判定手段を備え、
前記起動判定手段(34)は、前記横転形態判定手段によってトリップオーバの横転形態と判定された場合に前記車両横転判定手段による判定結果に基づいて前記車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行うこと、
を特徴とする乗員保護装置の起動装置。 - 車両のロール角速度を検出するロール角速度検出手段(40)と、
前記車両のロール角を検出するロール角検出手段(40)もしくは、前記ロール角速度を積分することにより前記車両のロール角を算出するロール角演算手段(31)と、
前記ロール角の示す値と前記ロール角速度の示す値とに基づいて車両の横転の可能性の有無を判定する車両横転判定手段(32)と、
前記車両の幅方向に発生する加速度を検出する横加速度検出手段(20)と、
前記横加速度の示す値に基づいて前記車両に対する幅方向の衝突の有無を判定する側突判定手段(33)と、
前記横加速度が発生し、その後、引き続いて前記ロール角速度が発生する場合、前記側突判定手段の判定結果に基づいて前記車両の衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行い、前記車両横転判定手段の判定結果に基づいて前記車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行う起動判定手段(34)とを備え、
前記車両横転判定手段(32)は、ロール角とロール角速度とからなる2次元マップを有し、前記2次元マップ上には、車両が横転する可能性のある領域と横転する可能性のない領域との境界線が設定され、前記2次元マップ上に前記各値をあてはめて車両の横転可能性の有無を判定し、
前記側突判定手段(33)は、前記横加速度の示す値と所定の閾値との大小関係から衝突の有無を判定し、
前記車両横転判定手段(32)は、前記ロール角の示す値がロール角の臨界値以上であ る場合に車両の横転の可能性が有ると判定し、
前記起動判定手段(34)は、前記ロール角を用いた前記車両横転判定手段(32)による判定結果に基づいて前記車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行い、
前記起動判定手段(34)は、前記横加速度の前記車両の幅方向に対する発生方向と前記ロール角速度の前記車両の前後軸周りの回転方向とに基づいて、前記車両の横転形態を判定する横転形態判定手段を備え、
前記起動判定手段(34)は、前記横転形態判定手段によってトリップオーバの横転形態と判定された場合に前記車両横転判定手段による判定結果に基づいて前記車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行うこと、
を特徴とする乗員保護装置の起動装置。 - 車両のロール角速度を検出するロール角速度検出手段(40)と、
前記車両のロール角を検出するロール角検出手段(40)もしくは、前記ロール角速度を積分することにより前記車両のロール角を算出するロール角演算手段(31)と、
前記ロール角の示す値と前記ロール角速度の示す値とに基づいて車両の横転の可能性の有無を判定する車両横転判定手段(32)と、
前記車両の幅方向に発生する加速度を検出する横加速度検出手段(20)と、
前記横加速度の示す値に基づいて前記車両に対する幅方向の衝突の有無を判定する側突判定手段(33)と、
前記横加速度が発生し、その後、又は略同時期に前記ロール角速度が発生する場合、前記側突判定手段の判定結果と前記車両横転判定手段の判定結果とに基づいて前記車両の衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行い、前記車両横転判定手段の判定結果に基づいて前記車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行う起動判定手段(34)とを備え、
前記車両横転判定手段(32)は、ロール角とロール角速度とからなる2次元マップを有し、前記2次元マップ上には、車両が横転する可能性のある領域と横転する可能性のない領域との境界線が設定され、前記2次元マップ上に前記各値をあてはめて車両の横転可能性の有無を判定し、
前記側突判定手段(33)は、前記横加速度の示す値と所定の閾値との大小関係から衝突の有無を判定し、
前記車両横転判定手段(32)は、車両の横転の可能性を抑制する方向に前記境界線を移動させた大閾値境界線を前記2次元マップ上に設定し、
前記起動判定手段(34)は、前記大閾値境界線の設定された前記2次元マップを用いた前記車両横転判定手段(32)による判定結果に基づいて前記車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行い、
前記起動判定手段(34)は、前記横加速度の前記車両の幅方向に対する発生方向と前記ロール角速度の前記車両の前後軸周りの回転方向とに基づいて、前記車両の横転形態を判定する横転形態判定手段を備え、
前記起動判定手段(34)は、前記横転形態判定手段によってトリップオーバの横転形態と判定された場合に前記車両横転判定手段による判定結果に基づいて前記車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行うこと、
を特徴とする乗員保護装置の起動装置。 - 車両のロール角速度を検出するロール角速度検出手段(40)と、
前記車両のロール角を検出するロール角検出手段(40)もしくは、前記ロール角速度を積分することにより前記車両のロール角を算出するロール角演算手段(31)と、
前記ロール角の示す値と前記ロール角速度の示す値とに基づいて車両の横転の可能性の有無を判定する車両横転判定手段(32)と、
前記車両の幅方向に発生する加速度を検出する横加速度検出手段(20)と、
前記横加速度の示す値に基づいて前記車両に対する幅方向の衝突の有無を判定する側突判定手段(33)と、
前記横加速度が発生し、その後、又は略同時期に前記ロール角速度が発生する場合、前記側突判定手段の判定結果と前記車両横転判定手段の判定結果とに基づいて前記車両の衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行い、前記車両横転判定手段の判定結果に基づいて前記車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行う起動判定手段(34)とを備え、
前記車両横転判定手段(32)は、ロール角とロール角速度とからなる2次元マップを有し、前記2次元マップ上には、車両が横転する可能性のある領域と横転する可能性のない領域との境界線が設定され、前記2次元マップ上に前記各値をあてはめて車両の横転可能性の有無を判定し、
前記側突判定手段(33)は、前記横加速度の示す値と所定の閾値との大小関係から衝突の有無を判定し、
前記車両横転判定手段(32)は、前記ロール角の示す値がロール角の臨界値以上である場合に車両の横転の可能性が有ると判定し、
前記起動判定手段(34)は、前記ロール角を用いた前記車両横転判定手段(32)による判定結果に基づいて前記車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行い、
前記起動判定手段(34)は、前記横加速度の前記車両の幅方向に対する発生方向と前記ロール角速度の前記車両の前後軸周りの回転方向とに基づいて、前記車両の横転形態を判定する横転形態判定手段を備え、
前記起動判定手段(34)は、前記横転形態判定手段によってトリップオーバの横転形態と判定された場合に前記車両横転判定手段による判定結果に基づいて前記車両の非衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行うこと、
を特徴とする乗員保護装置の起動装置。 - 前記車両横転判定手段(32)は、車両の横転の可能性を助長する方向に前記境界線を移動させた小閾値境界線を前記2次元マップ上に設定し、
前記側突判定手段(33)は、前記閾値よりも小さい値を示す小閾値を有し、
前記起動判定手段(34)は、前記小閾値境界線の設定された2次元マップを用いた前記車両横転判定手段(32)による判定結果と前記小閾値を用いた前記側突判定手段(33)による判定結果とに基づいて前記車両の衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行うことを特徴とする請求項3又は4記載の乗員保護装置の起動装置。 - 前記車両横転判定手段(32)は、前記ロール角速度の前回値と現在値との差分値と所定値との大小関係の判定をさらに行い、
前記起動判定手段(34)は、前記ロール角速度の差分値の判定と前記2次元マップによる判定とを用いた前記車両横転判定手段(32)の判定結果に基づいて前記車両の衝突側に搭載される乗員保護装置の起動判定を行うことを特徴とする請求項3又は4記載の乗員保護装置の起動装置。 - 前記乗員保護装置(10)は、車両の乗員と車室内側部との間に膨張展開するエアバッグ装置を構成し、
前記起動判定手段(34)は、前記車両横転判定手段による判定結果を前記車両の非衝突側に搭載されるエアバッグ装置の起動判定に用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の乗員保護装置の起動装置。
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