JP4019608B2 - 無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機のローターやステーターに用いられる電磁鋼板、その製造方法および鉄心に関し、特に、鉄心に加工する際の打ち抜き性およびかしめ性に優れるとともに、磁気特性にも優れる電磁鋼板およびその製造方法に関する。本発明の電磁鋼板によって製造された鉄心は、鉄心としての磁気特性が極めて良好である。したがって、本発明の電磁鋼板は、コンプレッサ用モータ、電気自動車用モータ等のインバータ制御されるモータの鉄心の素材として特に好適である。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境の保護の観点から、エネルギー消費量の削減が強く要求されている。そのために、電気機器に関しては、モータの電気消費量の改善が重要な課題となってきている。特に、使用数が多く、かつ連続運転されることの多い冷蔵庫やエアコンディショナ用モータは、そのモータ効率の向上が強く要求されている。
【0003】
また、地球環境問題の解決策の一つとして、自動車のガソリンエンジンに代わる動力が検討されている。特に、モータや、モータとガソリンエンジンとを併用する動力あるいはモータとディーゼルエンジンとを併用する動力の開発が進められており、それらを搭載した電気自動車やハイブリッドカーが注目されている。これらのエネルギー効率を高くするためには、モータ効率の向上が不可欠である。
【0004】
電気冷蔵庫やエアコンディショナなどに用いられるコンプレッサ用のモータの制御は、モータ効率を向上させるために、回転数を周波数で連続的に制御するインバータ制御が主流となってきた。また、自動車の動力用モータに関しても、自動車の走行速度に合わせて、モータの回転数を低速回転と高速回転の間で任意に制御する必要があるため、やはりインバータ制御方式のモータが主に採用されている。
【0005】
通常、これらのモータの鉄心には、板厚が0.20〜0.65mm程度、Si含有量が2%以上で、SiとAlの含有量の合計が2.5〜4.5 %程度の無方向性電磁鋼板が使用されている。しかし、鉄心に成形する際の打ち抜き加工性や打ち抜き後の板を積層加工する自動かしめ性等の性能が十分ではない。そのために、モータの生産性が低く、また、要求されるモータの性能が得られない場合がある。
【0006】
例えば、電磁鋼板を鉄心の形状に成形するための連続的な打ち抜き加工では、金型が使用される。その金型は摩耗しやすく、金型が摩耗すると、打ち抜き後の板の端面に「かえり」が生じる。金型の摩耗が進み、50μmを超えるような大きなかえりが発生すると、打ち抜き板が積層されて鉄心に加工された場合、鉄心の厚さが不正確になりやすい。さらに、積層された鋼板間で導通が生じ、渦電流損が増大しやすい。すなわち、モータ効率が低下しやすい。したがって、かえりはできるだけ小さくする必要があり、そのためには、金型の摩耗を抑えなければならない。
【0007】
金型の摩耗は、鋼板の特性の影響を受ける。従来のSiを多く含む硬さの高い鋼板を打ち抜き加工すると、金型が摩耗しやすいので、金型の取り替え頻度が増加する。その結果、打ち抜き作業を中止し、金型を交換する回数が多くなるので、鉄心の生産効率が低下するとともに、金型を再使用するための金型の研磨費用も増加する。
【0008】
打ち抜かれた鋼板は、次の自動かしめ工程で積層されるとともに、打ち抜きの際に鋼板に形成された凹凸部で固着される。積層され固着された鉄心のかしめ強度およびかしめ後の占積率は、電磁鋼板の材質、表面性状や板厚の影響を受け、かしめ性に劣る場合には、効率に優れたモータが得られない。
【0009】
特開平8−49044号公報および特開平10−25554号公報には、電気自動車のモータ用、インバータ制御コンプレッサーモータ用の無方向性電磁鋼板が開示されており、モータ効率に優れるとされている。しかし、打ち抜き性や自動かしめ性等の加工性については、必ずしも十分な性能とは言えないので、モータ効率についてもさらに向上させられる余地が残されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、モータの鉄心用素材として、鉄心に成形する際の打ち抜き性およびかしめ性に優れるとともに、鉄心として用いた場合の磁気特性が優れた無方向性電磁鋼板、その製造方法および鉄心を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記の無方向性電磁鋼板とその製造方法および本発明の鋼板からなる鉄心にある。
【0012】
本発明の鋼板は、化学組成が、質量%で、C:0.01%以下、Si:2.5%以下、Mn:2%以下(但し、0.32%を除く)、Al:1.7〜2.4%、残部:Feおよび不純物で、かつ、Si+Al+0.5×Mn:2.5〜4.4%を満足し、平均結晶粒径が50〜180μm、ビッカース硬さが130〜210、厚さが0.1〜0.4mmである。この鋼板は、Feの一部に代えて、質量%で、Sb:0.3%以下、Sn:0.3%以下およびB:0.01%以下から選択される1種以上を含有してもよい。
【0013】
鋼板の厚さが0.2〜0.4mmで、Mn含有量が1%以下の場合には、さらに、磁気特性が向上する。また、これらの鋼板で、Al含有量は1.5〜5%が好ましい。さらに、AlとSiの含有量の比Al/Siは、0.7〜1.4が好ましく、0.8を超え1.3以下はいっそう好ましい。
【0014】
鋼板の表面粗さがJIS B 0601で規定される算術平均粗さRaで0.5μm以下の場合には、鉄心の占積率が高くなるので、モータに適用した場合には、より優れたモータ効率が得られる。
【0015】
本発明の無方向性電磁鋼板は、次の工程で製造することができる。
【0016】
(1)上記の化学組成のスラブを準備する
(2)スラブを1300℃以下の温度に加熱した後熱間圧延する
(3)熱間圧延に続く1回の冷間圧延により0.1〜0.4mmの厚さまで圧延する
(4)700〜1150℃の温度で仕上焼鈍する表面粗さがJIS B 0601で規定される算術平均粗さRaで0.5μm以下の鋼板を製造する場合には、表面粗さがJIS B 0601で規定される算術平均粗さRaで1.5μm以下のロールを用いて冷間圧延するのがよい。また、冷間圧延の前に、600〜1000℃で焼鈍してもよい。
【0017】
本発明の無方向性電磁鋼板を打ち抜き加工し、打ち抜き板を積層してかしめ加工することにより、本発明のモータ用の鉄心が得られる。この鉄心が用いられたモータは、鉄心が磁束密度、鉄損等の磁気特性に優れているので、モータ特性がよい。そのため、コンプレッサ用モータ、電気自動車用モータ等インバータ制御されるモータに極めて好適である。
なお、本発明でいうかしめ加工とは、それぞれの打ち抜き板に形成された凹凸部の凹部に他の板の凸部を重ねあわせて積層し、積層体を上下面から押圧することにより、凸部と凹部を機械的に噛み合わせて、板同士を固着する加工を意味する。
【0018】
【発明の実施の形態】
コンプレッサ用や電気自動車用のモータのようなインバータ制御されるモータの効率を向上させるためには、鋼板の磁気特性として、幅広い周波数域で鉄損が低く、かつ、磁束密度が高いことが要求される。さらに、鋼板は、鉄心として用いられる場合の材料強度を満足しなければならない。さらに、鉄心に加工する場合の打ち抜き性や自動かしめ性といった加工性に優れることが要求される。
【0019】
本発明の電磁鋼板は、板厚が0.1〜0.4mmで、電磁鋼板としては、Si含有量が2.5%以下で低く、Al含有量が1.7〜2.4%と高い。また、Si+Al+0.5Mn((1)式と記す)が2.5〜4.4%の範囲に制限されている。さらに、鋼板の硬さがビッカース硬さHvで130〜210と低く、平均結晶粒径が50〜180μmに制限されている。
【0020】
Si含有量を低く制限したのは、鋼板の硬さの上昇を抑えて、打ち抜き性を確保するためである。このSi含有量の低下による鉄損の悪化は、Al含有量を高めるとともに、上記(1)式とその適性範囲を選択することによって補っている。本発明の電磁鋼板は、これらの条件をすべて満足するので、本発明の課題である磁気特性および加工性をすべて満足する。
【0021】
以下に、本発明の電磁鋼板、その製造方法および本発明の電磁鋼板を素材とするモータ用の鉄心について、具体的に説明する。なお、以下の説明における化学成分の含有量の%表示は質量%を意味する。
鋼板の化学組成:
C:鋼板中のCは、鉄損を高くするので、C含有量は低い方がよい。特に、C含有量が0.01%を超えると、鋼中の固溶炭素が炭化物として析出するので、鉄心として使用される際に、鉄損の劣化が生じる。したがって、C含有量は0.01%以下とする。望ましくは0.005%以下である。
【0022】
Si:Siは鋼板の電気抵抗を高めて渦電流損を低下させるので、鉄損を下げる作用がある。一方、Siは鋼板の硬さを著しく上昇させるので、打ち抜き性を低下させる。本発明では、打ち抜き性を確保するために、Si含有量は2.5%以下とする。打ち抜き性は、Si含有量が低くすぎても低下することはないので、Siは無添加でもよい。ただし、Siは、材料強度を確保する観点から、0.1%以上含有させることが望ましい。さらに望ましくは0.5%以上である。
【0023】
また、鋼板に要求される鉄損などの磁気特性を考慮して、含有量を選択してもよい。
【0024】
Mn:鋼板の磁気特性に及ぼすMnの影響は比較的小さいので、無添加でもよい。しかし、Mnは、鋼板の電気抵抗を高めるので、鉄損を下げる作用を持っている。その効果を得る場合には含有させてもよい。また、熱間加工性を向上させる作用もある。ただし、Mn含有量が2%を超えると、鋼板の飽和磁束密度が低くなる。さらに、Mn添加費が高くなり、製造コストが上昇する。したがって、Mn含有量は2%以下(但し、0.32%を除く)とする。好ましくは、1%以下である。鉄損の低下、熱間加工性の向上効果を得る場合には、Mn含有量は0.05%以上とするのが望ましい。
【0025】
Al:Alは、Siと同様に鋼板の電気抵抗を高める作用があるので、渦電流損を低くし、鉄損を下げる働きを持っている。しかも、Siに比べ、同じ含有量では、鋼板の硬さの上昇効果が小さい。そのため、打ち抜き性と磁気特性を両立させる上で、極めて重要な元素である。打ち抜き性と磁気特性の両者を確保するために、Al含有量は1.7%以上とする必要がある。しかし、Al含有量が2.4%を超えると、SiやMnと同様に、鋼板の飽和磁束密度が低下する。したがって、Al含有量は、1.7〜2.4%とする。
【0026】
Si+Al+0.5×Mn:
Si、AlおよびMnは、いずれも鋼板の電気抵抗を高めて鉄損を下げる作用を持っている。一方、いずれの元素も、含有量が過剰の場合には、鋼板の飽和磁束密度が低下する。これらの元素の磁気特性に及ぼす影響は、同じ含有量では、SiとAlの効果は同等で、Mnはその約1/2である。したがって、これらの3元素を総合的に考慮して、適正な含有量を選択する必要がある。
【0027】
本発明では、下記の(1)式が2.5〜4.4%を満足する条件を選択した。(1)式の値が2.5%未満の場合には、鋼板の鉄損を下げる効果が不十分であり、4.4%を超えると、鋼板の飽和磁束密度が低くなりすぎる。
Si(%)+Al(%)+0.5×Mn(%) ・・・(1)
Al/Si:磁気特性をさらに向上させるためには、AlとSiをほぼ等量含有させるのがよい。これは、磁区構造の変化に起因すると考えられる。この効果を得るためには、Al/Siで0.7〜1.4とするのがよい。Al/Siのさらに好ましい範囲は0.8〜1.3である。
【0028】
P、S、N:
P、SおよびNの含有量は、低い方がよい。Pは鋼板の硬さの観点から0.03%以下、SとNは鉄損の観点から、それぞれ0.01%以下、0.006%以下が望ましい。
【0029】
Sb、Sn、B:
これらの元素は、磁気特性を向上させる作用を持っており、必要に応じて添加する元素である。添加する場合の含有量は、Sb、Sn、Bそれぞれ0.3%以下、0.3%以下、0.01%以下とするのがよい。添加する場合のこれらの元素の望ましい下限は、それぞれ0.005%、0.005%、0.0002%である。
【0030】
なお、これら元素以外に含まれる不純物元素は、通常の製鋼法で製造される鋼に含有される程度の量であれば特に差し支えない。
鋼板の厚さ:
鋼板の厚さ(板厚)は、鉄損に及ぼす影響が大きい。板厚を薄くすることは、高周波域での渦電流損の低減に極めて効果的である。しかし、板厚の低下に伴い、目標の厚みの鉄心を得るのに、鋼板の積層枚数が増加するので、生産性の低下を招く。また、板厚が薄すぎる場合には、打ち抜き板を積層し自動かしめ装置で固着させて鉄心にする際に、十分な固着力が得られない。さらに、占積率(鉄心に積層した場合の打ち抜き板の充填率であり、空隙がないように積み重ねたと仮定した場合の鉄心の計算重量に対する実際の重量を%で表したもの」)が低下する傾向がある。これらの特性は、板厚が0.1mm以下の場合に、特に大きな影響を受ける。板厚が0.1mm以下では、素材の鋼板の磁気特性が良好でも、目標とするモータ効率を得ることができない。板厚のより好ましい下限は、0.2mmである。
【0031】
一方、板厚が0.4mmを超えると渦電流損が増大するので、鉄損の増加が著しい。特に、200〜10000Hzの高周波域で使用する場合には、鉄損がさらに低い方が望ましいので、そのような用途には、板厚を0.35mm以下とするのがよい。
【0032】
したがって、板厚は0.1〜0.4mmとする。好ましくは0.2〜0.4mm、さらに好ましくは0.2〜0.35mmである。
鋼板の硬さ:
本発明の鋼板では、硬さが重要な意味を持っている。鋼板の硬さがビッカース硬さHvで210を超えると打ち抜き加工に用いられる金型の摩耗が顕著になるので、前述のように、打ち抜き加工の生産性が大幅に低下する。一方、硬さHvが130未満の場合には、鋼板を鉄心に加工し、モータのロータとして使用される際に、ロータの高速回転に耐える強度が確保できない。
【0033】
したがって、硬さはHvで130〜210とする。望ましくは、140〜200である。特に、永久磁石を用いたモータのように、ロータの高速回転時にさらに強度が要求される場合には、160〜200が望ましい。
【0034】
なお、ビッカース硬さの測定は、JIS Z 2244に準拠し、試験荷重は9.8〜49Nの範囲内のいずれかで、鋼板の表面で測定すればよい。
鋼板の平均結晶粒径:
鋼板の平均結晶粒径は、50〜180μmとする。平均結晶粒径が50μm未満のような細粒の場合には鉄損が大きいので、モータに適用した場合に良好なモータ効率が得られない。望ましい平均結晶粒径の下限は60μmである。一方、平均結晶粒径が180μmを超えるような粗粒の場合には、渦電流損失が増加するので、高周波域での鉄損が大きくなる。
【0035】
したがって、鋼板の平均結晶粒径は、50〜180μm、望ましくは60〜180μmである。
【0036】
なお、平均結晶粒径とは、鋼板の圧延方向で、かつ板厚方向を含む断面(圧延方向に平行な縦断面)における結晶粒径の平均値である。この平均結晶粒径は、前記縦断面の100倍での顕微鏡写真をもとに、板厚方向と圧延方向について、それぞれ切断法により、2〜3回程度、結晶粒径の測定を繰り返し、その平均値を計算する方法によって求めることができる。ここで、切断法とは、顕微鏡写真上に結晶粒を横断する線を引き、線が横断する結晶粒の数で線の長さを除すことによって、平均結晶粒径を求める方法である。
鋼板の表面粗さ:鋼板の表面粗さは、鉄心の占積率に影響を及ぼす。表面粗さがJIS B 0601で規定される算術平均粗さRaで0.5μmを超えると、占積率が低下しやすいので、0.5μm以下とするのが望ましい。JIS B 0601で規定される算術平均粗さRaの下限は低い方がよい。ただし、通常の商業規模の生産で得られるJIS B 0601で規定される算術平均粗さRaの下限は、0.1μm程度である。
鋼板の製造方法:本発明の無方向性電磁鋼板は、通常採用されている製造設備により、通常の工程で製造することができる。
【0037】
はじめに、上述の化学組成を備えるスラブを準備する。スラブは、連続鋳造で製造された扁平形の鋼板用スラブでもよく、造塊法で製造されたインゴットを分塊法で扁平形に圧延したものでもよい。
【0038】
熱間圧延の前に、スラブを加熱する。この際の加熱温度は、1300℃以下とするのが望ましい。加熱温度が1300℃を超えると、磁気特性が低下することがある。一方、加熱温度が低すぎると、熱間加工の際にスラブに割れが生じやすいので、加熱温度の下限は1100℃とするのが望ましい。したがって、好ましい加熱温度は1100〜1300℃、さらに好ましくは1100〜1250℃である。熱間圧延では、1.5〜2.5mm程度の厚さまで圧延するのがよい。
【0039】
熱間圧延後、冷間圧延に先立って、磁気特性をより向上させるために熱延板焼鈍を行ってもよい。熱延板焼鈍温度が低すぎると効果がなく、高すぎると結晶粒が粗大化し、冷間圧延時に鋼板が破断することがあるので、焼鈍温度は600〜1000℃の範囲とするのがよい。
【0040】
冷間圧延の前に、鋼板の表面に生成している酸化物層を除去するための酸洗処理を行うのがよい。
【0041】
鋼板の表面粗さをJIS B 0601で規定される算術平均粗さRaで0.5μm以下とする場合には、冷間圧延の際の最終パスのロールの表面粗さを1.5μm以下とするのがよい。最終パスのロールとは、リバース式圧延機ではワークロール、タンデム式圧延機では最終スタンドのワークロールを意味する。
【0042】
冷間圧延後の仕上げ焼鈍は、700〜1150℃の温度範囲で行うのがよい。700℃未満では十分に再結晶しないので磁気特性が良好な鋼板が得られず、また、鋼板の硬さが高くなりすぎる傾向がある。一方、1150℃を超えると結晶粒の粗大化が起こりやすく、鉄心に加工する場合の打ち抜き性が低下しやすい。
【0043】
硬さおよび平均結晶粒径は、仕上げ焼鈍における焼鈍温度、焼鈍時間によって調整することができる。焼鈍温度、焼鈍時間と硬さ、平均結晶粒径との関係を予め求めておき、もっとも適した条件を選ぶ方法が実用的である。
【0044】
焼鈍後、必要に応じて鋼板の表面に、厚さ0.1〜0.8μm程度の樹脂皮膜をコーティングしてもよい。樹脂皮膜は、鉄心に加工する場合の鋼板の打ち抜き性を向上させるとともに、鉄心の積層板間の電気的な絶縁性を向上させる働きがある。樹脂皮膜は、有機樹脂単独でもよく、有機樹脂と無機材料の混合物でもよい。
【0045】
樹脂としてはメタアクリル酸メチル樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂などが好適である。無機材料としては、クロム酸マグネシウム、クロム酸アルミニウムなどを用いることができる。
鉄心の製造方法:
本発明の鋼板を素材とする鉄心の製造は、通常工業的に採用されている製造方法に従えばよい。具体的には、まず、鋼板を所定の形状に連続的に打ち抜く。打ち抜きの際、積層後打ち抜き板を固着するための凹凸部を形成しておく。次に、所定の枚数を積層し、さらにかしめ加工により積層体とする。かしめ加工の際には、打ち抜き工程でそれぞれの打ち抜き板に形成された凹凸部が機械的に相互にはめあわされて固着し、積層体すなわち鉄心ができあがる。
【0046】
表1に、試験に供した厚さ227mm、幅1000mmのスラブの化学組成を示す。
(実施例1)鋼板の打ち抜き性を連続打ち抜き試験により調査した。表1に示した化学組成が本発明の規定を満足する鋼CおよびJのスラブについて、表2に示すスラブ加熱温度に加熱して熱間圧延し、さらに表2に示す熱延板焼鈍温度および冷間圧延後の仕上げ焼鈍温度で処理することにより、硬さの異なる供試材を準備した。供試材の板厚、硬さも合わせて表2に示した。
【0047】
打ち抜き試験条件は、ブランクの大きさ:縦と横17mm、ダイスの材質:SKD11で、ストローク数:350回/分、クリアランス:5%とした。なお、打ち抜きの際には、打ち抜き油を使用した。打ち抜き性は、打ち抜き材のかえりの高さが50μmに達するまでの打ち抜き回数で評価した。
【0048】
表2に、試験結果を示す。
【0049】
【表1】
【表2】
化学組成が本発明で規定する範囲内にある鋼であっても、仕上げ焼鈍温度が低すぎ、硬さが本発明の規定の上限を超える場合(試験番号4)には、ダイスの寿命が短かった。すなわち、試験番号4の場合は、打ち抜き後のブランク材のかえりが50μmに達するまでの打ち抜き回数が、本発明で規定する条件を満足する他の試験番号の場合に比べて20%以上も少なく30万回以下であった。
(実施例2)表1に示した化学組成のスラブを1250℃に加熱した後、熱間圧延により厚さ2.2mmまで圧延した。次に、酸洗後、水素雰囲気中にて820℃で10時間、箱焼鈍による熱延板焼鈍を行った。その後、1回の冷間圧延により厚さ0.15〜0.50mmまで圧延した。なお、冷間圧延の際に用いた最終パスロールの表面粗さは、JIS B 0601で規定される算術平均粗さRaで0.8μmである。さらに、900〜1150℃で30秒間加熱する仕上げ焼鈍処理を行った。この焼鈍により、硬さ、平均結晶粒径が相違する供試材を作製した。仕上げ焼鈍後、鋼板の表面に無機質のクロム酸マグネシウム中に樹脂粒を分散させた、厚さ0.4μmの皮膜を形成させた。
【0050】
得られた鋼板について、鋼板の材料特性および磁気特性を調査した。
【0051】
鋼板の硬さは、JIS Z 2244に準拠して、鋼板表面でビッカース硬さ(荷重9.8N)を測定する方法によってもとめた。また、平均結晶粒径は、前述のように、鋼板の圧延方向でかつ厚さ方向の断面について、光学顕微鏡により100倍の倍率で撮影されたミクロ写真を基に、切断法により計2回測定し、測定値を平均する方法によって測定した。
【0052】
磁気特性は、JIS C 2550に準じたエプスタイン試験片(280mm×30mm)によって、W15/50、W15/400 (磁束密度1.5T、周波数50H zと400Hzにおける試料1kg当たりの鉄損)およびB50(磁化力5000A/mにおける磁束密度)を調査した。
【0053】
また、インバーター制御で駆動される4極の永久磁石埋め込み式同期モータを試作して、モータ効率の評価も行った。モータ効率は、インバータ周波数を30〜300Hzの範囲で変化させて測定し評価した。ここで、モータ効率とは、入力電気エネルギーに対する出力エネルギーの比であり、モータ効率はピーク効率(30〜300Hzの周波数範囲で最も高い効率)で比較した。なお、モータに用いた鉄心には、鉄心に加工後、750℃で2時間の歪取焼鈍を施した。
【0054】
かしめ性は、自動かしめ金型を用い、外径45mm、内径33mmのリングコア(4点かしめ)を作製し、引張試験によりその結束力を測定し、1点当たりのかしめ強度を求めた。
【0055】
表3に試験結果を示す。
【0056】
【表3】
試験番号1、11、20は、供試材(それぞれ鋼記号A、I、P)のSi含有量が本発明で規定する範囲の上限を超えているため、硬さが高すぎた。これらの内、試験番号20は、さらに,Si+Al+0.5Mnが本発明で規定する範囲の上限を外れているため、磁束密度も低かった。
【0060】
試験番号19は、Si+Al+0.5Mnが本発明で規定する範囲の下限を外れているため、鉄損が劣っていた。また,鋼板の硬さが低すぎるため、モータ鉄心に要求される強度が不足していた。
【0061】
その他の試験番号については、いずれも本発明で規定する条件を満足しているため、いずれも磁気特性に優れ、適度な硬さを兼ね備えていた。したがって、モータ効率も良好であった。特に、Al/Siの範囲が好ましい範囲にある条件の場合(2〜4、10、16〜18、23〜25)には、磁気特性、モータ効率ともに良好であった。
【0062】
なお、試験番号17および18について、前述の方法で1点当たりのかしめ強度を求めた結果、それぞれ33MPa、42MPaであり、自動かしめ性も良好であった。
【0063】
【発明の効果】
本発明の無方向性電磁鋼板は、化学組成、板厚、硬さ、平均結晶粒径について、それぞれ最適な条件が選択されているので、磁気特性に優れるとともに、モータ用等の鉄心に加工する場合の打ち抜き性に優れている。そのため、打ち抜き加工で用いられる金型の寿命が長く、かつ、鉄心等の積層体の形状が良く、占積率も高い。また、金型の寿命が長く、打ち抜き加工が容易なため、鉄心の生産性や作業性が極めてよい。本発明の無方向性電磁鋼板は、冷蔵庫、エアコンディショナのコンプレッサーモータや、電気自動車用モータのようなインバータ制御されるモータの鉄心に特に好適である。このような用途に適用する場合には、鉄心の生産性が高く、幅広い周波数領域で鉄損が低く、モータ効率が高いという利点がある。
Claims (14)
- 化学組成が、質量%で、C:0.01%以下、Si:2.5%以下、Mn:2%以下(但し、0.32%を除く)、Al:1.7〜2.4%、残部:Feおよび不純物で、かつ、Si+Al+0.5×Mn:2.5〜4.4%を満足し、平均結晶粒径が50〜180μm、ビッカース硬さが130〜210、厚さが0.1〜0.4mmである無方向性電磁鋼板。
- Feの一部に代えて、質量%で、Sb:0.3%以下、Sn:0.3%以下およびB:0.01%以下から選択される1種以上を含有する請求項1に記載の無方向性電磁鋼板。
- 厚さが0.2〜0.4mmで、Mn含有量が1%以下である請求項1または2に記載の無方向性電磁鋼板。
- AlとSiの含有量の比Al/Siが0.7〜1.4である請求項1から3までのいずれかに記載の無方向性電磁鋼板。
- 表面粗さがJIS B 0601で規定される算術平均粗さRaで0.5μm以下である請求項1から4までのいずれかに記載の無方向性電磁鋼板。
- 下記の工程で構成された無方向性電磁鋼板の製造方法。
(1)次の化学組成のスラブを準備する
質量%で、
C:0.01%以下、
Si:2.5%以下、
Mn:2%以下(但し、0.32%を除く)、
Al:1.7〜2.4%、
Si+Al+0.5×Mn:2.5〜4.4%、
残部:Feおよび不純物
(2)スラブを1300℃以下の温度に加熱した後熱間圧延する
(3)熱間圧延に続く1回の冷間圧延により0.1〜0.4mmの厚さまで圧延する
(4)700〜1150℃の温度で仕上焼鈍する - Feの一部に代えて、質量%で、Sb:0.3%以下、Sn:0.3%以下およびB:0.01%以下から選択される1種以上を含有する請求項6に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
- スラブのAlとSiの含有量の比Al/Siが0.7〜1.4である請求項6または7に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
- 表面粗さがJIS B 0601で規定される算術平均粗さRaで1.5μm以下のロールを用いて冷間圧延する請求項6から8までのいずれかに記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
- 冷間圧延の前に、600〜1000℃で焼鈍する請求項6から9までのいずれかに記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
- 厚さが0.1〜0.4mm、平均結晶粒径が50〜180μm、ビッカース硬さが130〜210で、かつ下記の化学組成を備える無方向性電磁鋼板で構成されたモータ用鉄心。質量%で、
C:0.01%以下
Si:2.5%以下
Mn:2%以下(但し、0.32%を除く)
Al:1.7〜2.4%
Si+Al+0.5×Mn:2.5〜4.4%
残部:Feおよび不純物 - Feの一部に代えて、質量%で、Sb:0.3%以下、Sn:0.3%以下およびB:0.01%以下から選択される1種以上を含有する請求項11に記載のモータ用鉄心。
- 鋼板のAlとSiの含有量の比Al/Siが0.7〜1.4である請求項11または12に記載のモータ用鉄心。
- 鋼板の表面粗さがJIS B 0601で規定される算術平均粗さRaで0.5μm以下である請求項11から13までのいずれかに記載のモータ用鉄心。
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