JP4019083B2 - 高温特性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板 - Google Patents

高温特性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板 Download PDF

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Description

本発明は、ボトル缶(飲料缶)の缶胴材として、0.2mm以下(缶胴中央部の肉厚が薄いところでは120 〜130 μm程度)の板厚に薄肉化されて高温で熱処理された際にも、強度低下が少なく高強度が確保でき、かつ、変形もし難い、などの高温特性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板(ボトル缶用素材板)に関するものである。なお、本発明で言うアルミニウム合金冷延板とは、熱間圧延−冷間圧延を通じて圧延された圧延板(冷間圧延板)である。以下、アルミニウム合金をAl合金とも言う。
アルミニウム系飲料缶としては、缶胴体と缶蓋(缶エンド)とをシーミング加工することによって得られる2ピースアルミニウム缶が多用されている。前記缶胴体は、アルミニウム系冷間圧延板をDI加工(深絞り加工及びしごき加工)し、所定のサイズにトリミングを施した後、脱脂・洗浄処理を行い、さらに塗装および印刷を行って焼付け(ベーキング)を行い、缶胴縁部をネッキング加工及びフランジ加工することによって製造されている。
前記缶胴体用の冷間圧延板としては、従来からAl−Mg−Mn系合金であるJIS3004合金、3104合金等の硬質板が広く用いられている。このJIS3004合金、3104合金は、しごき加工性に優れており、強度を高めるために高圧延率で冷間圧延を施した場合でも比較的良好な成形性を示すことから、DI缶胴材として好適であるとされている。
一方、ボトル缶は、アルミニウム合金板の両面に熱可塑性樹脂被膜層が形成され、潤滑剤が塗布されたものを打ち抜いてブランクを得、このブランクを絞り加工してカップ状に成形し、次いで、このカップ状の成形品に対し、再絞り加工とストレッチ加工又はしごき加工(DI加工)を行って、胴部が小径化され、薄肉化された有底円筒状の缶を成形する。そして、缶の底部側を複数回絞り加工することにより、肩部と未開口の口部を成形し、洗浄及びトリミング等の後に、缶胴部に印刷・塗装工程を実施し、口部を開口してカール部及びネジ部を形成し(ネジ・カール成形)、ネジ部の反対側の部分に対しネックイン加工とフランジ加工を施し、シーマーにより、別途成形した底蓋を巻き締めすることによりボトル缶が得られる(特許文献1参照)。
このように、2ピース缶では、アルミニウム合金板に、下地処理(クロメート等)を行なった後、樹脂被覆(樹脂塗布又はフィルムラミネート)を行ない、続いて円形のブランクに打抜き、カップ成形した後、絞りしごき加工を施し、印刷・塗装、ネッキング、トリミング等の処理を実施している。
また、ネジ付きの口部を有するボトル缶では、アルミニウム合金板に、下地処理(クロメート等)を行なった後、樹脂被覆(樹脂塗布又はフィルムラミネート)を行ない、続いて円形のブランクに打抜き、カップ成形した後、絞りしごき加工を施し、トリミング、印刷及び塗装を行ない、ネジ・カール成形後、ネックフランジ成形を実施している。
ボトル缶の缶胴はDI加工直後には缶胴の水平方向断面が略真円状になっているのが普通である。しかし、印刷塗装時及びラミネートフィルムの密着性を向上させるための熱処理時に、缶胴は200℃以上の温度まで加熱される。
この際、缶胴自体は元の約0.3〜0.4mm程度の板厚の冷延板から、0.2mm以下の肉厚にまで、薄肉化されている。したがって、このような200℃を超えるような高温における熱処理を受けると、缶胴は、DI加工時の加工歪及び残留応力が開放され、熱軟化が起きる。
この場合に、軟化しやすい材料では、軟化の度合いが顕著であり、缶の強度や硬度が著しく低下し、十分な缶強度を確保できなくなるという問題点がある。
また、缶の円周方向について軟化の度合いが不均一になるため、缶胴の横断面が、成形された真円ではなく、楕円となって変形してしまい、缶胴の形状が不均一となるという問題点がある。
近年では、缶軽量化の要求から、アルミニウム缶の板厚が0.2mm以下のレベルで、ますます薄くなってきており、上記熱軟化による、缶胴の強度や硬度の低下、缶胴の形状不均一化などの現象が顕著になってきている。
更に、近年、缶の生産性向上の観点から、前記印刷塗装時及びラミネートフィルムの密着性を向上させるための熱処理が、例えば、290℃×20秒と、より高温化、短時間化された高速化が進展している。このような傾向も、上記熱軟化による、缶胴の強度や硬度の低下や、缶胴の形状不均一化をより助長する。
これに対して、この熱軟化による缶胴の強度低下や変形を防止すべく、缶胴の板厚を増せば、缶重量の増加となり、また、板厚を増大させずにアルミニウム材料自体の強度を増加させると、前記しごき成形時に、破断が生じたりするという不都合がある。したがって、このような問題に対して、従来の胴缶材料や方法だけでは、対応できない。
上記熱軟化による缶胴の形状不均一化に対して、従来から、この塗装熱処理時の熱変形を防止し、真円度が高いDI缶を得ることができるDI缶用アルミニウム合金板が提案されてはいる(特許文献2)。具体的には、DI缶用アルミニウム合金板として、Mn:0.5乃至1.3質量%、Mg:0.5乃至1.3質量%、Cu:0.1乃至0.3質量%、Fe:0.2乃至0.6質量%、Si:0.1乃至0.5質量%を含有するアルミニウム合金組成によって、ベーキング温度T(℃)が230乃至270℃の条件で、20分間熱処理したときの、熱処理前後の引張り強さの変化ΔTSを小さくしようとするものである。
この他、缶への成形性向上のために、組織を制御することも、従来から多数提案されている。例えば、熱間圧延板のMn固溶量及び結晶粒径を所定の範囲に制御し、熱間圧延板の耳率を安定して−3〜−6%にし、これを、その後、中間焼鈍することなく冷間圧延することによって、得られる冷間圧延板の耳率を安定して0〜2%にすることが提案されている(特許文献3)。
特開2001−162344号公報(全文) 特開2003−277865号公報(全文) 特開2003−342657号公報(全文)
ただ、前記Mn固溶量及び結晶粒径など、従来からの耳率安定化のためのアルミニウム合金板の組織の冶金的な因子を制御するだけでは、塗装熱処理時の熱変形を防止することができない。
また、前記特許文献2のように、Mn、Mg、Cu、Fe、Siなどのアルミニウム合金組成のみによっては、前記した熱軟化による缶胴の強度低下や変形を抑制することには大きな限界がある。
即ち、前記特許文献2は、その規定している乃至想定している、230乃至270℃×20分間の熱処理に対しては有効かもしれない。しかしながら、これに対して、前記したように、290℃×20秒と、より高温化短時間化された高速化熱処理に対しては、特に熱処理温度がより高温となり、また、缶胴がより薄肉化されているために、熱軟化による缶胴の強度低下や変形を防止できない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、DI加工等の成形性の確保を前提に、より高温化短時間化された高速化熱処理に対しても、塗装熱処理時の熱変形を防止し、熱処理後の缶強度を確保するとともに、真円度が高いボトル缶を得ることができる、高温特性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の高温特性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板の要旨は、 Mn:0.7〜1.5%(質量%、以下同じ)、Mg:0.8〜1.7%、Fe:0.1〜0.7%、Si:0.05〜0.5%、Cu:0.1〜0.6%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有し、かつ、結晶粒組織を、板厚方向中央部の上面観察による結晶粒の平均アスペクト比が3以上の圧延方向に伸長させた組織とし、Cu固溶量が、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のCu量として0.05〜0.3%、Mg固溶量が、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のMg量として0.75〜1.6%であることとする。
ボトル缶のDI缶胴については、主として製造コストの低減、及び軽量化の目的から、前記して通り、更なる薄肉化が求められている。この薄肉化を達成するためには、座屈強度の低下をきたさないように、材料であるアルミニウム合金冷延板の高強度化を図る必要がある。また、薄肉化を達成するためには、更に、DI成形時における耳率が低いことが強く求められる。DI成形時の耳率を低くすれば、DI成形時の歩留まりを高めることができ、さらには缶胴の耳切れに起因する缶胴破断を防止することができる。
このため、前記した通り、従来から、耳率を高度に安定化させるために、ボトル缶のDI缶胴材料であるアルミニウム合金冷延板の特に組織の冶金的な因子を制御することが公知である。代表的には、結晶粒径の微細化制御、Mg2 Siなどの化合物の個数や大きさの制御、添加元素のミクロ的偏析抑制、Mnなどの合金元素の固溶量制御、キューブ方位の制御、などである。
しかし、本発明の課題である、塗装熱処理時の熱変形を防止するための、材料であるアルミニウム合金冷延板の組織の冶金的な因子を制御する技術は未だ実質的に提案されていない。これは、塗装熱処理時の熱変形と相関する組織の冶金的な因子の知見が未だなされていないことによる。また、上記耳率安定化のための公知の組織の冶金的な因子を種々制御するだけでは、塗装熱処理時の熱変形を防止することができない。
これに対して、本発明では、数有る組織の冶金的な因子の内でも、結晶粒の形態と、更に、組織におけるCu固溶量とMg固溶量とが、熱処理後の缶強度や塗装熱処理時の熱変形と相関することを知見した。
また、これらの組織の冶金的な因子は、耳率の安定化を阻害せず、却って、耳率を安定化させる作用もあるため、熱処理後の缶強度の確保や塗装熱処理時の熱変形を抑制した上で、DI加工等の成形性を確保することができる。言い換えると、熱処理後の缶強度の確保や塗装熱処理時の熱変形を抑制した上で、基本的な要求特性であるDI加工等の成形性を確保した、アルミニウム合金冷延板とすることができる。
アルミニウム合金冷延板の結晶粒を、等軸粒ではなく、平均アスペクト比が3以上の、圧延方向に伸長させた組織に制御することによって、より高温化短時間化された高速化熱処理に対しての、塗装熱処理時の熱変形が抑制され、熱処理後の缶強度も確保できる。
そして、本発明では、この結晶粒の形状制御に加えて、更に、組織におけるCu固溶量とMg固溶量とを併せて最適範囲に制御する。
Cu固溶量やMg固溶量は、高温熱処理時の耐軟化特性に大きく影響する。このため、Cu固溶量やMg固溶量を併せて確保することによって、高温熱処理時の耐軟化特性を向上させ、楕円変形を抑制することができる。また、Mg固溶量は、高温熱処理後の強度特性に大きく影響する。このため、Mg固溶量を確保することによって、高温熱処理後の強度をも確保することができる。
なお、前記した従来技術のMnなど他の合金元素の固溶量制御は、冷間圧延板の耳率の低下など、DI加工等の成形性を向上させることには寄与する。しかし、本発明が課題とする、塗装熱処理時の熱変形抑制や、熱処理後の缶強度確保の点では、Cu固溶量とMg固溶量との制御効果に比して著しく小さい。したがって、Mnなど他の合金元素の固溶量を確保しても、塗装熱処理時の熱変形は抑制されず、熱処理後の缶強度も確保できない。
(Al合金冷延板組成)
先ず、本発明のAl合金冷延板の好ましい化学成分組成(単位:質量%)について、各元素の限定理由を含めて、以下に説明する。
本発明の高温特性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板の組成は、Mn:0.7〜1.5%、Mg:0.8〜1.7%、Fe:0.1〜0.7%、Si:0.05〜0.5%、Cu:0.1〜0.6%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成とする。
但し、本発明では、主要構成元素(Mn、Mg、Fe、Cu、Si)の成分バランスを、Mg、Cuの固溶量が確保できるように成分設計することが好ましい。これによって、鋳造時に、平均サイズが5μm以下で、微細で安定な晶出物が生成するとともに、最適なCu固溶量、あるいはMg固溶量の組織に制御することができる。
Mn:0.7〜1.5%。
Mnは強度の向上に寄与し、さらには成形性の向上にも寄与する有効な元素である。特に本発明の缶胴材(冷間圧延板)では、DI成形時にしごき加工が行われるため、Mnは極めて重要となる。
より詳細には、MnはAl−Fe−Mn−Si系金属間化合物(α相)などの種々のMn系金属間化合物を形成する。そして前記α相が適正に分布しているほど、しごき加工性を向上できる。すなわちアルミニウム板のしごき加工においては、通常エマルジョンタイプの潤滑剤が用いられているが、前記α相の量が少ないと、エマルジョンタイプの潤滑剤を使用しても潤滑性が不足し、ゴーリングと称される擦り疵や焼付きなどの外観不良が発生する虞がある。従ってα相を生成し、しごき加工時の表面疵を防止するためにもMnは不可欠な元素である。
Mnの含有量が少な過ぎると上記効果が発揮されない。このため、Mnの含有量は0.7%以上、好ましくは0.8%以上、好ましくは0.85%以上、さらに好ましくは0.9%以上である。
一方、Mnが過剰になると、MnAl6 の初晶巨大金属化合物が晶出し、成形性が低下する。それゆえ、Mn含有量の上限は1.5%、好ましくは1.3%、さらに好ましくは1.1%、さらに好ましくは1.0%とする。
(Mn固溶量)
アルミニウム合金冷延板のMn固溶量は、前記した通り、中間焼鈍無しの冷間圧延と組み合わせることによって、冷間圧延板の耳率の低下など、DI加工等の成形性を向上させることには寄与する。したがって、DI加工等の成形性を向上させるために、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のMn量(固溶Mn量と粒子サイズが0.2μm以下の析出物中のMn量との合計量)として、0.12〜0.38%とすることが好ましい。Mn固溶量が0.12%未満では、DI加工等の成形性向上効果が無く、一方、Mn固溶量が0.38%を超えた場合、冷間圧延時の加工硬化が過剰となって、却ってDI加工等の成形性を低下させる可能性が高い。
Mg:0.8〜1.7%。
Mgは単独で固溶強化によって強度を向上できる点で有効である。更には、後述するCuと共に含有させることによって、本発明の缶胴材(冷間圧延板)を最終焼鈍(仕上焼鈍ともいう。例えば、温度:100〜150℃程度、時間:1〜2時間程度の焼鈍)し、その後に製缶してからベーキング(焼付印刷)する際に、軟化を抑制できる。即ち、Mg及びCuを両者含有すると、熱間圧延板の段階において、Cu固溶量を確保することができ、ベーキング(焼付印刷)を行う際にAl−Cu−Mgが析出するため、ベーキング時の軟化を抑制できる。
Mgの含有量が少な過ぎると、Mg固溶量が確保できず、高温熱処理時の耐軟化特性の向上効果が発揮されない。このため、Mgの含有量は0.8%以上、好ましくは0.9%以上、さらに好ましくは1.0%以上とする。
一方、Mgが過剰になると加工硬化が生じやすくなるため、成形性が低下する。このため、Mg含有量の上限は1.7%、好ましくは1.6%、さらに好ましくは1.35%とする。
なお、MgはMnの析出量及び固溶量にも影響を与える。すなわちMgが多いほどAl−Fe−Mn−Si系金属間化合物(α相)の析出量が抑制されるため、Mn固溶量が多くなりやすい。このため、Mn固溶量との関係で、Mg含有量を決定することが好ましい。
(Mg固溶量と0.2μm以下の微細析出中のMg量の和)
Mg固溶量と0.2μm以下の微細析出中のMg量の和は、Cu固溶量と0.2μm以下の微細析出中のCu量の和とともに、高温熱処理時の耐軟化特性に大きく影響する。
従来でも、前記特許文献3で、耳率ばらつきの安定化を目的として、Mn固溶量、およびCu固溶量を規定した特許があるが、本発明で解決しようとする課題である中間焼鈍工程で、缶加熱後の楕円変形を抑制するためには、従来の制御だけでは、不十分であり、Mgの固溶・析出状態も制御する必要がある。Mgの存在状態について、詳細に調査した結果、Mgは、従来言われているような固溶や微細析出物としてだけでなく、Al−Fe−Si系またはAl−Mn−Fe−Si系の粗大な析出物中にも、固溶していることがわかり、その量が多いと、固溶Mg、微細析出のMg量が少なくなり、楕円変形が生じやすいことがわかった。 またMg固溶量は、高温熱処理後の強度特性にも大きく影響する。したがって、本発明では、Cu固溶量とともに、Mg固溶量を確保して、高温熱処理時の耐軟化特性を向上させるとともに、高温熱処理後の強度をも確保する。
このために、本発明では、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のMg量(固溶Mg量と粒子サイズが0.2μm以下の析出物中のMg量との合計量)として、0.75〜1.6%とする。
粒子サイズが0.2μmを超える粗大な析出物中のMg量は、高温熱処理時の耐軟化特性や高温熱処理後の強度特性を却って低下させる。したがって、Mg固溶量を確保することは、粒子サイズが0.2μmを超える粗大な析出物を規制することにも繋がる。
また、事実として固溶しているMgだけでなく、粒子サイズが0.2μm以下の析出物中のMg量も、固溶しているMgと同様に、高温熱処理時の耐軟化特性を向上させるとともに、高温熱処理後の強度をも確保する。このため、本発明では、固溶Mg量と粒子サイズが0.2μm以下の析出物中のMg量との合計量を固溶Mg量として規定する。そのために、固溶Mg量を、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のMg量として規定する。
このMg固溶量が0.75%未満では、高温熱処理時の耐軟化特性が不足し、缶の変形が抑制されず、また、高温熱処理後の強度も低下する。
一方、このMg固溶量が1.6%を超えても、冷間圧延時の加工硬化が過剰となって、却ってDI加工等の成形性の方を低下させる。
Fe:0.1〜0.7%。
Feは結晶粒を微細化させる作用があり、さらには上述のAl−Fe−Mn−Si系金属間化合物(α相)を生成するため、成形性の向上に寄与する。またFeは、Mnの晶出や析出を促進し、アルミニウム基地中のMn固溶量やMn系金属間化合物(前記α相など)の分散状態を制御する点でも有用である。一方、Mnの存在下でFeが過剰になると、巨大な初晶金属間化合物が発生しやすくなり、成形性を損なう虞がある。
従って、Feの含有量は、Mnの含有量に応じて設定でき、FeとMnとの質量比(Fe/Mn)は、例えば、0.1〜0.7の範囲、好ましくは0.2〜0.6の範囲、さらに好ましくは0.3〜0.5の範囲である。
なお、Mnの含有量が上記範囲の場合、Feの下限含有量は0.1%以上、好ましくは0.2%以上、さらに好ましくは0.3%以上とする。また、Feの上限含有量は、0.7%以下、好ましくは0.6%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。
Si:0.05〜0.5%。
Siは、Al−Fe−Mn−Si系金属間化合物(α相)を生成し、Mn系金属間化合物の分散状態を制御するために有用な元素である。α相が適正に分布している程、成形性を向上できる。
このため、Siの含有量は0.05%以上、好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.2%以上とする。一方、Siが過剰になると、時効硬化によって材料が硬くなり過ぎ、成形性が低下する。このため、Si含有量の上限は0.5%、好ましくは0.45%、さらに好ましくは0.4%とする。
Cu:0.1〜0.6%。
Cuは、冷間圧延板の製缶時にベーキング(焼付印刷)を行うときに、Al−Cu−Mgが析出するとともに、Mgと共に含有させて、固溶Mgと固溶Cuとの作用によって、軟化を抑制できる。このため、Cu含有の下限量は0.1%以上、好ましくは0.15%以上、さらに好ましくは0.2%以上とする。一方、Cuが過剰になると、時効硬化は容易に得られるものの、硬くなりすぎるために、成形性が低下し、さらには耐食性も劣化する。このため、Cu含有の上限量は0.6%、好ましくは0.5%、さらに好ましくは0.35%とする。
Cuの他に、同効の強度向上元素としては、Cr、Znなどが挙げられる。この点、Cuに加えて、更に、Cr、Znの一種または二種を選択的に含有させることができる。
(Cu固溶量と0.2μm以下の微細析出中のCu量の和)
Cu固溶量と0.2μm以下の微細析出中のCu量の和は、Mg固溶量と0.2μm以下の微細析出中のMg量の和とともに、高温熱処理時の耐軟化特性に大きく影響する。
このために、本発明では、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のCu量(固溶Cu量と粒子サイズが0.2μm以下の析出物中のCu量との合計量)として、0.05〜0.3%とする。
粒子サイズが0.2μmを超える粗大な析出物中のCu量は、高温熱処理時の耐軟化特性や高温熱処理後の強度特性を却って低下させる。したがって、Cu固溶量を確保することは、粒子サイズが0.2μmを超える粗大な析出物を規制することにも繋がる。
また、事実として固溶しているCuだけでなく、粒子サイズが0.2μm以下の析出物中のCu量も、固溶しているCuと同様に、高温熱処理時の耐軟化特性を向上させるとともに、高温熱処理後の強度をも確保する。このため、本発明では、固溶Cu量と粒子サイズが0.2μm以下の析出物中のCu量との合計量を固溶Cu量として規定する。そのために、固溶Cu量を、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のCu量として規定する。
このCu固溶量が0.05%未満では、高温熱処理時の耐軟化特性が不足し、缶の変形が抑制されず、また、高温熱処理後の強度も低下する。
一方、このCu固溶量が0.3%を超えても、冷間圧延時の加工硬化が過剰となって、却ってDI加工等の成形性の方を低下させる。また、耐食性も低下する。
Cr:0.001〜0.3%。
この際、Crの含有量は、強度向上効果の発揮のためには、0.001%以上、好ましくは0.002%以上とする。一方、Crが過剰になると、巨大晶出物が生成して成形性が低下する。このため、Cr含有量の上限は0.3%、好ましくは0.25%とする。
Zn:0.05〜1.0%。
また、Znを含有させると、Al−Mg−Zn系粒子が時効析出することによって強度を向上できる。この効果を発揮させるためには、Zn含有量は0.05%以上、好ましくは0.06%以上とする。一方、Znが過剰になると耐食性が低下する。このため、Zn含有量の上限は0.5%、好ましくは0.45%とする。
Ti:0.005〜0.2%。
Tiは結晶粒微細化元素である。この効果を発揮させたい時には選択的に含有させる。その際のTiの含有量は0.005%以上、好ましくは0.01%以上、さらに好ましくは0.015%以上とする。なお、Tiが過剰になると、巨大なAl−Ti系金属間化合物が晶出して成形性を阻害する。したがって、Ti含有量の上限は0.2%、好ましくは0.1%、さらに好ましくは0.05%とする。
前記Tiは単独で含有させてもよいが、微量のBと共に含有してもよい。Bと併用すると、結晶粒の微細化効果がさらに向上する。このために選択的含有させる際のBの含有量は0.0001%以上、好ましくは0.0005%以上、さらに好ましくは0.0008%以上とする。一方、Bが過剰になると、Ti−B系の粗大粒子が生成して成形性を低下させる。したがって、B含有量の上限は0.05%、好ましくは0.01%、さらに好ましくは0.005%とする。
以上記載した元素以外は不可避的不純物であり、上記板特性を阻害しないために、含有量は基本的に少ない方が良いが、上記板特性を阻害しない範囲で、JIS規格などで記載された、3000系アルミニウム合金の各元素の上限値程度までの含有は許容される。
(Al合金冷延板組織)
次ぎに、本発明Al合金冷延板組織について、以下に説明する。
(結晶粒の平均アスペクト比)
前記した通り、アルミニウム合金冷延板の結晶粒を、通常の等軸粒ではなく、平均アスペクト比が3以上の、圧延方向に伸長させたものにすることによって、より高温化短時間化された高速化熱処理に対しての、塗装熱処理時の熱変形が抑制され、熱処理後の缶強度も確保できる。
即ち、アルミニウム合金冷延板の結晶粒を圧延方向への伸長粒とすることによって、しごき加工性を付与して、DI加工等の成形性を確保した上で、本発明で規定した、上記成分組成と、後述する固溶、析出状態組織のもとで、熱処理後の缶強度を確保できる。これによって、塗装熱処理時の熱変形も抑制される。
結晶粒の平均アスペクト比が3未満では、通常の等軸粒と大差なくなり、上記効果が不足するため、塗装熱処理時の熱変形抑制や、熱処理後の缶強度確保が達成できない。この点で、結晶粒の圧延方向への伸長は大きいほど良く、より好ましくは、結晶粒の平均アスペクト比は3.1以上である。
結晶粒のアスペクト比は、中間焼鈍を施さない工程では、熱延板の結晶粒組織、冷間圧延率および冷間圧延温度によって決まる。この点で、結晶粒の平均アスペクト比の上限は、熱間圧延や冷間圧延など、伸長粒とするための製造工程の能力限界から決定されるが、そのレベルは6程度である。
(平均アスペクト比測定方法)
結晶粒の平均アスペクト比は、板厚方向中央部の上面観察(偏光観察)によって測定される。調質処理後(ボトル缶成形前)の板の板厚方向中央部、圧延面上面を、機械研磨、電解研磨、およびバーカー液による陽極酸化処理後、偏光観察によって行う。
上記板の板厚方向中央部を上面から、結晶粒組織を偏光観察したとき、結晶方位の違いによって白黒の違いがでる。この際の観察で、輪郭がはっきり観察できる、視野内の結晶粒を対象に、個々の結晶粒の圧延方向の最大長さと、板幅方向の最大長さを計測する。そして、この個々の結晶粒の(圧延方向の最大長さ)/(板幅方向の最大長さ)をアスペクト比として計算する。×100倍の光学顕微鏡の観察で、測定する結晶粒を100個として、それら結晶粒のアスペクト比の平均値によって、結晶粒の平均アスペクト比を求める。
(製造方法)
本発明Al合金冷延板は、従来の均熱、熱延、冷延の製造工程を大きく変えることなく製造が可能である。但し、本発明規定の組織とし、かつ、ボトル缶成形のための基本的な材料特性(耳率、強度)や成形性、しごき加工性を阻害せずに確保するためには、上記個々の工程を最適条件範囲に限定するとともに、これらの工程を組み合わせる必要がある。
(均熱条件)
均熱温度は550〜650℃とする。均熱温度が低すぎると、均質化に時間がかかり過ぎて生産性が低下し、均熱温度が高すぎると、鋳塊表面に膨れが生じるため、前記範囲に均熱温度を設定する。好ましい均熱温度は、580℃以上(特に590℃以上)、615℃以下(特に610℃以下)である。
なお、均熱時間(均質化時間)は、鋳塊を均質化できれば短い程望ましく、例えば12時間以下、好ましくは6時間以下とするのが望ましいが、均熱温度を 550℃以上とする場合には均熱時間は6時間以上必要であり、均熱温度を580℃以上とする場合には均熱時間は5時間以上必要であり、均熱温度を590℃以上とする場合には均熱時間は4時間以上必要である。
均熱処理は、複数の段階に分けて行っても良い。その場合、上記均熱処理の昇温速度、均熱処理の温度(均質化温度)、及び冷却速度の制御は、いずれの段階で行ってもよく、全ての段階で行ってもよいが、少なくとも第1回目の段階で行うのが望ましい。
第1回目の均熱処理の温度を上記範囲に設定する場合、第2回目以降の均熱処理の温度は、第1回目の均熱処理温度よりも低くする場合が多い。第2回目以降の均熱処理の温度は、第1回目の均熱処理温度に比べて、例えば、10〜100℃程度、好ましくは50〜100℃程度低くする。
(熱延開始条件)
均熱処理終了後の鋳塊の取り扱いは、一旦冷却し、再加熱してから熱間粗圧延してもよく、あるいは過度に冷却することなく、そのまま熱間粗圧延してもよい。過度に冷却することなく、そのまま熱間粗圧延する場合、Cu固溶量と0.2μm以下の微細析出中のCu量の和が、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のCu量として0.05〜0.3%、Mg固溶量と0.2μm以下の微細析出中のMg量の和が、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のMg量として0.75〜1.6%としやすい。また、均熱処理後の鋳塊の自己発熱を利用することができ、生産時間や熱エネルギーを節約できるだけでなく、合金元素の析出物の数密度を小さくでき、耳率を低減できる。
なお、鋳塊を一旦冷却し、再加熱する場合には、30℃/時間以上の速度で急速加熱するのが望ましい。この急速加熱によって、MgやCuが、それまでに生成した粗大な化合物への固溶、若しくは、粗大な析出物界面での析出が抑制でき、Cu固溶量と0.2μm以下の微細析出中のCu量の和が、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のCu量として0.05〜0.3%、Mg固溶量と0.2μm以下の微細析出中のMg量の和が、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のMg量として0.75〜1.6%としやすい。また、合金元素の析出物の数密度が高くなり過ぎるのを防止でき、耳率を低減できる。
(熱間粗圧延条件)
熱延を、粗圧延と仕上げ圧延とに分けて、かつ連続して実施するに際し、熱間粗圧延の終了温度が低くなり過ぎると、次工程の熱間仕上圧延で圧延温度が低くなってエッジ割れが生じやすくなる。また、熱間粗圧延の終了温度が低くなり過ぎると、仕上圧延後に再結晶するために必要となる自己熱が不足しやすくなるため、結晶粒径が小さくなり過ぎる。このため、熱間粗圧延の終了温度は420℃以上とすることが好ましい。更に好ましい終了温度は430℃以上(特に440℃以上)、470℃以下(特に460℃以下)である。
この熱間粗圧延の終了温度を420〜480℃程度にしておくためには、熱間粗圧延の開始温度を、例えば、490〜550℃程度、好ましくは495〜540℃程度、さらに好ましくは500〜530℃程度にしておくのが望ましい。前記開始温度を550℃以下にしておけば、熱間圧延板の表面酸化を防止することもできる。更には、再結晶粒の粗大化を防止できるため、成形性をさらに高めることもできる。
熱間粗圧延が終了したアルミニウム合金板は、連続的など、速やかに熱間仕上圧延するのが望ましい。速やかに熱間仕上圧延することによって、熱間粗圧延で蓄積された歪みが回復してしまうのを防止でき、その後に得られる冷間圧延板の強度を高めることができる。熱間粗圧延が終了したアルミニウム合金板は、例えば、5分以内、好ましくは3分以内に熱間仕上圧延することが好ましい。
(熱間仕上圧延条件)
熱間仕上圧延の終了温度は310〜350℃とすることが好ましい。熱間仕上圧延工程は、合金冷延板を所定の寸法に仕上げる工程であり、圧延終了後の組織は自己発熱によって再結晶組織になるため、その終了温度は再結晶組織に影響を与える。熱間仕上圧延の終了温度を310℃以上とすることで、続く冷間圧延条件と併せて、最終板組織を、平均アスペクト比が3以上の圧延方向に伸長させた組織とし、かつ、本発明で規定のCu固溶量、Mg固溶量を確保することができる。熱間仕上圧延の終了温度が310℃未満では、続く冷間圧延の冷延率を大きくしても、上記本発明組織になりにくい。
一方、350℃を越えると、最終板組織を、平均アスペクト比が3以上の圧延方向に伸長させた組織とできず、かつ、所望のMg固溶量が確保できない。従って、熱間仕上圧延の終了温度の下限は310℃以上、好ましくは320℃以上とする。また、上限は350℃以下、好ましくは、340℃以下とする。
(熱間仕上圧延機の種類)
熱間仕上圧延機としては、スタンド数が3以上のタンデム式熱間圧延機を使用する。スタンド数を3以上とすることによって、1スタンドあたりの圧延率を小さくでき、熱延板の表面性状を保ちつつ歪みを蓄積することができるため、冷間圧延板及びそのDI成形体の強度をさらに高めることができる。
(熱間仕上圧延の総圧延率)
熱間仕上圧延の総圧延率は80%以上にするのが望ましい。総圧延率は80%以上とすることで、後述する冷間圧延と組み合わせて、最終板組織を、平均アスペクト比が3以上の圧延方向に伸長させた組織としやすい。また、冷間圧延板及びそのDI成形体の強度を高めることができる。
(熱間圧延板の板厚)
熱間 (仕上げ) 圧延終了後の合金板の板厚は、1.8〜3mm程度とするのが望ましい。板厚を1.8mm以上とすることによって、熱間圧延板の表面性状(焼付き、肌荒れなど)や板厚プロフィールの悪化を防止できる。一方、板厚が3mm以下とすることによって、冷間圧延板(通常、板厚:0.28〜0.35mm程度)を製造する際の圧延率が高くなりすぎるのを防止でき、DI成形後の耳率を抑制できる。
上述のようにして得られた熱間圧延板は、Cu固溶量及びMg固溶量が最適の範囲に制御されているため、平均耳率が所定の範囲に制御されている。そのため、中間焼鈍することなく冷間圧延して、冷間圧延板の平均耳率を0〜3.5%と小さくすることができる。また、後述する冷間圧延と組み合わせて、最終板組織を、平均アスペクト比が3以上の圧延方向に伸長させた組織とし、Cu固溶量と0.2μm以下の微細析出中のCu量の和が、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のCu量として0.05〜0.3%、Mg固溶量と0.2μm以下の微細析出中のMg量の和が、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のMg量として0.75〜1.6%としやすい。
(冷間圧延)
冷間圧延工程では、中間焼鈍することなく、複数のパス数による謂わば直通で圧延し、合計の圧延率を77〜90%にするのが望ましい。中間焼鈍することなく、合計の圧延率を77%以上とすることによって、最終板組織を、結晶粒の平均アスペクト比が3以上の圧延方向に伸長させた組織とし、Cu固溶量と0.2μm以下の微細析出中のCu量の和が、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のCu量として0.05〜0.3%、Mg固溶量と0.2μm以下の微細析出中のMg量の和が、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のMg量として0.75〜1.6%としやすい。また、缶の耐圧強度をより高めることができる。中間焼鈍を入れた場合、あるいは、合計の圧延率が低い場合、等軸粒になりやすく、結晶粒の平均アスペクト比が3以上の圧延方向に伸長させた組織になりにくい。
一方、圧延率が90%を超えると、結晶粒の平均アスペクト比は大きくできるものの、DI成形時のプラス耳が大きくなり過ぎ、また強度が強くなり過ぎるために、DI成形時にカッピング割れや缶底割れが生じる可能性が高い。
冷間圧延後の板厚は、ボトル缶への成形上、0.28〜0.35mm程度とする。
なお、冷間圧延工程では、圧延スタンドが2段以上直列に配置された、タンデム圧延機を使用することが望ましい。このようなタンデム圧延機を使用することにより、圧延スタンドが1段で、繰り返しパス(通板)を行なって所定板厚まで冷延するシングルの圧延機と比して、同じ合計冷延率でも、パス(通板)回数が少なくて済み、1回の通板における圧延率を高くすることができる。
したがって、最終板組織を、結晶粒の平均アスペクト比が3以上の圧延方向に伸長させた組織が得やすくなる。
また、従来のように、シングルの圧延機を用いた冷間圧延後に、仕上げ焼鈍を施す場合に比して、より低温で、かつ連続的に回復を生じさせ、サブグレインを生成することができる。但し、このように、冷間圧延により回復を生じさせて十分にサブグレインを生成することができるものであれば、圧延機はタンデム圧延機に限定されるものではない。
但し、タンデム圧延機による冷延では、1回の通板における圧延率が高くなるために、1回の通板における発熱量が高くなる。この発熱量が高くなり過ぎた場合、加工時の歪み導入と発熱によって、CuやMgの析出物発生量、特に、粗大析出物界面での析出物が増加して、その結果、CuやMgの固溶量および微細析出物量が確保できない可能性がある。
このため、タンデム圧延機による冷延では、冷間圧延工程における冷間圧延直後のアルミニウム合金板の温度が最も上昇する際に、アルミニウム合金板を強制的に冷却し、冷間圧延後のアルミニウム板の温度が200℃を超える温度に上昇しないようにすることが好ましい。
このような冷間圧延時のアルミニウム合金板の強制的な冷却手段としては、通常使用される水を含まない圧延油を、水溶性油や水溶性潤滑剤などのエマルジョンタイプに変えて、このエマルジョン水溶液を用い、潤滑性能を低下させずに、冷却性能を強化させることが好ましい。
冷間圧延後は、必要に応じて、再結晶温度よりも低い温度で仕上焼鈍(最終焼鈍)を行ってもよい。仕上焼鈍を行うと加工組織が回復し、DI成形性や缶底成形性が向上する。仕上焼鈍の温度は、例えば、100〜150℃程度、特に115〜150℃程度にするのが望ましい。温度を100℃以上とすることによって、加工組織を充分に回復させることができる。一方、温度が150℃以下とすることによって、固溶元素の過剰な析出を防止でき、DI成形性やフランジ成形性をさらに高めることができる。
仕上焼鈍の時間は、4時間以下(特に1〜3時間程度)とするのが望ましい。長すぎる焼鈍を避けることによって、固溶元素の過剰な析出を防止でき、DI成形性をさらに高めることができる。
但し、前記したタンデム圧延機による冷延では、より低温で、かつ連続的に回復を生じさせ、サブグレインを生成することができるために、仕上焼鈍が基本的には不要である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
アルミ地金のみを溶解原料として、下記表1に示すA〜Nの成分組成のAl合金の溶湯を溶解し、DC鋳造法にて板厚600mm、幅2100mmの鋳塊を製造した。なお、表1において「−」で示す元素含有量は検出限界以下であることを示す。
この鋳塊には、表1に示す通り、発明例、比較例ともに、その他元素の総量として、不可避的な不純物元素、Zr、Bi,Sn、Ga,V,Co,Ni,Ca、Mo,Be、Pb,Wを、これらの元素の含有量の総和で0.01%以下含んでいた。
この鋳塊を表2に示す条件に従って、均熱処理を行なった。均熱処理は、1回目の均熱処理後に室温まで表2に示す冷却速度にて冷却した後、再加熱して2回目の均熱処理を行う、2回の均熱処理とした。
ここで、1回目均熱条件の昇温速度は、実質上、特性に影響を及ぼす“300℃から最高温度までの昇温速度を指す。
また、1回目均熱条件の冷却速度は、実質上、特性に影響を及ぼす“最高温度から300℃までの冷却速度を指す。
この均熱処理後に、熱間粗圧延として、スタンド数が1個のリバース熱間粗圧延機、熱間仕上圧延機として、スタンド数が4個のタンデム式熱間圧延機を使用して、熱間圧延を行なった。その際、熱間粗圧延終了後に熱間仕上圧延を開始する時間は3分以内とした。そして、共通して熱間仕上圧延後の板厚を2〜2.5mmとしたアルミニウム合金熱延板を製造した。
得られた熱間圧延板を、中間焼鈍することなく、ロールスタンドが2段のタンデム圧延機により1回のみの通板で冷間圧延し、共通して、最終板厚0.3mmのボトル缶胴用板材(冷間圧延板)を製造した。この際、タンデム圧延機による冷延では、冷間圧延直後のアルミニウム板の温度が250℃を超える温度に上昇しないように、エマルジョン水溶液を用い、アルミニウム板を強制的に冷却した。この冷間圧延後の仕上焼鈍(最終焼鈍)は行なわなかった。
なお、比較例10のみは、総冷延率は同じであるが、比較のために、ロールスタンドが1段のシングル圧延機で2回通板し、1回目と2回目とのパス間に、150℃×1時間の中間焼鈍を施した。
冷延後のボトル缶胴用板材(コイル)から試験片を採取し、試験片の組織として、結晶粒の平均アスペクト比、およびCu固溶量、Mg固溶量を、各々前記した方法で調査した。これらの結果を表3に示す。
また、試験片の高温特性として、室温での試験片表面の硬さと0.2%耐力、および、試験片を290℃×20秒熱処理した時の表面の硬さと0.2%耐力を各々測定し、この熱処理前後での試験片表面の硬さ変化(硬さ減少量)ΔHv(Hv)を求めた。更に、成形後の缶胴のベークハード後の楕円変形量を測定した。これらの結果も表3に示す。
(0.2%耐力測定)
0.2%耐力測定の引張試験はJIS Z 2201にしたがって行うとともに、試験片形状はJIS 5 号試験片で行い、試験片長手方向が圧延方向と一致するように作製した。また、クロスヘッド速度は5mm/分で、試験片が破断するまで一定の速度で行った。
(硬さ測定)
冷延板試料の硬さ測定は、マイクロビッカース硬度計にて、100gの荷重を加えて4箇所行い、硬さはそれらの平均値とした。
(楕円変形評価)
楕円変形の評価は、後述するように、上記ボトル缶胴用板材をDI成形したボトル缶胴を、洗浄後、缶の実体温度が300℃に、30秒で達する条件でベーキングした上で、楕円変形度を調査した。楕円変形度調査は、ボトル缶胴の口部の径を順に円周方向に調査し、その中での最大径から最小径を減算した量を楕円変形量(mm)として求め、これをN=10缶の平均値として評価した。なお、この楕円変形量は4mm以下を楕円変形性が合格と評価した。この楕円変形量が4mmを超えると、缶製造工程における、後工程の搬送工程及びネッキング工程で、転倒及びジャムなどの不良が発生し、缶の連続的で効率的な製造を困難にする。
更に、ボトル缶胴用板材が基本的に満たすべき成形性として、耳率とDI(しごき)成形性(成形時の割れ発生回数)を測定、評価した。これらの結果も表3に示す。
(耳率)
耳率は、このボトル缶胴用板材からブランクを採取し、潤滑油[D.A.Stuart社製、ナルコ147]を塗布した上で、エリクセン試験機によって、40%深絞り試験、カップ状に成形して調査した。試験条件は、ブランクの直径=66.7mm、ポンチの直径=40mm、ダイス側肩部のRを2.0mm、ポンチの肩R=3.0mm、しわ押さえ圧=400kgfで行なった。
このように得られたカップの開口周縁部の8方向(圧延方向を0°として、0°方向、45°方向、90°方向、135°方向、180°方向、225°方向、270°方向、及び315°方向)に生じる山谷の形状を測定し、平均耳率を算出した。
平均耳率の算出方法は、図1に基づいて説明する。図1は、ボトル缶胴用板材をDI成形することによって得られるカップの展開図である。この展開図では、圧延方向を0°として、0°、90°、180°、及び270°方向に生じる耳の高さ(T1,T2,T3,T4;マイナス耳と称する)を測定し、45°、135°、225°、及び315°方向に生じる耳の高さ(Y1,Y2,Y3,Y4;プラス耳と称する)を測定する。なお各高さY1〜Y4,T1〜T4は、カップの底部からの高さである。そして各測定値から、次式に基づいて平均耳率を算出する。
平均耳率(%)=[{(Y1+Y2+Y3+Y4)−(T1+T2+T3+T4)}/{1/2×(Y1+Y2+Y3+Y4+T1+T2+T3+T4)}]×100
なお本発明の対象としている冷間圧延板では、平均耳率を0近くにした場合、4つのプラス耳(Y1〜Y4)並びに90°方向及び270°方向の2つのマイナス耳(図1のT2、T4)の発達は抑制されるものの、0°方向及び180°方向の2つのマイナス耳(図1のT1、T3)の発達は抑制されにくい。そして単に平均耳率の絶対値を小さくした場合には、例えば、平均耳率を−2〜2%(絶対値では2%以下)にした場合には、平均耳率を−2以上0%未満としても、マイナス耳(図1のT1、T3)の抑制が不十分なために、絞り成形のシワ押さえ圧が、この2つのマイナス耳(図1のT1、T3)に集中し、耳立ち、耳切れなどが発生して生産に不具合が生じるのに対して、平均耳率を0〜2%(プラス側)にした場合には、残りの2つのマイナス耳(図1のT1、T3)も十分に抑制できるために、耳切れに起因する缶胴破壊を防止できる。なお、本発明においては、+0%〜+3.5%を許容範囲とした。
(DI成形性)
前記ボトル缶胴用板材(板厚が0.3mm)から、直径156mmのブランクを打ち抜き、カップ径92mmのカップを成形し、再絞り加工、しごき加工、及びトリミングにより、製缶速度300缶/分の速さで、ボトル缶用DI缶胴(内径66mmφ、高さが170mm、側壁板厚103μm、側壁先端部板厚165μm、最終第3しごき率40%)を製造した。成形缶5万缶あたりの胴割れの発生個数を求め、DI成形性を評価した。全く存在しなかったものを◎(極めて良好)、1缶以下であったものを○(良好)、2乃至4缶であったものを△(概ね良好)、5缶を超えたものを×(不良)として評価した。
表3から明らかなように、発明例1〜6は、本発明成分組成を有し、かつ、結晶粒の平均アスペクト比が3以上、Cu固溶量が前記した測定方法で0.05〜0.3%、Mg固溶量が前記した測定方法で0.75〜1.6%である。
この結果、発明例1〜6は、表3から明らかなように、290℃×20秒熱処理後(ベークハード後)の、硬さ変化ΔHvが30Hv以下であり、かつ、0.2%耐力が210MPa以上であり、硬度低下や強度低下が少なく、高温特性に優れている。
更に、発明例1〜6は、耳率とDI成形性にも優れている。したがって、本発明における高温特性の改良が、ボトル缶胴用板材が基本的に満たすべき成形性を阻害していないことが分かる。
これに対して、比較例7、9〜10は、本発明成分組成ではあるものの、均熱処理や熱間圧延の条件が前記好ましい条件から外れるために、結晶粒の平均アスペクト比、Cu固溶量、Mg固溶量のいずれかが外れる。この結果、上記発明例に比して、硬度低下や強度低下が大きく、高温特性が劣っている。
比較例7は2回目の均熱温度が低過ぎる。また、熱間仕上げ圧延終了温度が低過ぎる。比較例9は熱間仕上げ圧延終了温度が低過ぎる。比較例10はシングル冷間圧延機であり、しかも冷間圧延途中で中間焼鈍を施している。
比較例11〜20は、好ましい製造条件で製造されている。しかし、合金組成が本発明成分組成から外れる。この結果、上記発明例に比して、硬度低下や強度低下が大きく、高温特性が劣っている。また、成形性も低くなっている。
以上の結果から、本発明の各要件の臨界的な意義が分かる。
Figure 0004019083
Figure 0004019083
Figure 0004019083
以上説明したように、本発明は、DI加工等の成形性の確保を前提に、より高温化短時間化された高速化熱処理に対しても、塗装熱処理時の熱変形を防止し、熱処理後の缶強度を確保するとともに、真円度が高いボトル缶を得ることができる、高温特性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板を提供できる。したがって、ボトル缶のような、薄肉で熱処理されても、強度低下や変形が無いことが求められ、しかも成形性はそのまま維持する必要がある、厳しい要求特性用途に好適である。
板材をDI成形することによって得られるカップの展開図である。

Claims (5)

  1. Mn:0.7〜1.5%(質量%、以下同じ)、Mg:0.8〜1.7%、Fe:0.1〜0.7%、Si:0.05〜0.5%、Cu:0.1〜0.6%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有し、かつ、結晶粒組織を、板厚方向中央部の上面観察による結晶粒の平均アスペクト比が3以上の圧延方向に伸長させた組織とし、Cu固溶量が、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のCu量として0.05〜0.3%、Mg固溶量が、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のMg量として0.75〜1.6%であることを特徴とする、高温特性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板。
  2. 前記アルミニウム合金冷延板が、更に、Cr:0.001〜0.3%、Zn:0.05〜1.0%から選択された一種または二種を含有する請求項1に記載の高温特性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板。
  3. 前記アルミニウム合金板が、更に、0.005〜0.2%のTiを単独で、又は0.0001〜0.05%のBと併せて含有する請求項1または2に記載の高温特性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板。
  4. 前記アルミニウム合金板のMn固溶量が、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のMn量として0.12〜0.38%である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高温特性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板。
  5. 前記アルミニウム合金板を290℃×20秒熱処理した時の、この熱処理前後でのアルミニウム合金板の硬さ変化ΔHvが30Hv以下であり、この熱処理後のアルミニウム合金板の0.2%耐力が215MPa以上である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の高温特性に優れたボトル缶用アルミニウム合金冷延板
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