JP4017766B2 - 中空筒状体およびその構築方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高層ビルや橋脚のなどの構造物の基礎として地中に構築される中空筒状体の構造、および該中空筒状体の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、高層ビルや橋脚などの構造物の基礎として、地中に中空筒状体を構築し、内部にコンクリートを打設する場合がある。この構築は、複数のピース部材を連結した中空筒状体を縦にして、上方から圧入力を加えて沈設し、且つ、中空筒状体の内部の地盤を掘削することによって行われる。あるいは、圧入力は加えずに、中空筒状体の内部の地盤を掘削し、その掘削した分だけ、中空筒状体の下端にピース部材を連結していく。
【0003】
前者の構築を採用する工法として、アーバンリング工法、あるいはセグメント圧入工法などと呼ばれるものがある。圧入オープンケーソン工法もこのうちに入る。また、後者の構築を採用する工法として、ライナープレートを用いる深礎工法と呼ばれるものがある。
【0004】
そして、構造物に対する外力として、地震による慣性力や風の力が加わった場合には、基礎としての中空筒状体には、水平方向の力や鉛直方向の力が加わる。このうち、鉛直方向の上向きの力、すなわち引き抜き力が加わった場合に、中空筒状体が地中から引き抜かれてしまわないか否かは、中空筒状体と周辺地盤との密着性に関係する。
【0005】
従来は、この密着性を大きくするために、中空筒状体と周辺地盤との間に充填剤を注入していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この充填剤の効果は、地盤の性質など種々の条件によるものであり、一定していなかった。
特に、圧入オープンケーソン工法などの場合で、中空筒状体と周辺地盤との間に積極的に隙間を形成させ、これにより圧入力を軽減させる場合があるが、その場合には、充填剤の効果は、さらに小さくなることがある。
【0007】
すなわち、中空筒状体の下端にフリクションカットと呼ばれる、外側へリング状に拡径した部分を形成し、これにより、中空筒状体を圧入する際には、この拡径の分だけ、中空筒状体と周辺地盤との間に隙間を積極的に形成することができる。この隙間により、周辺地盤に対する中空筒状体の摩擦は小さくなり、その分、圧入力は軽減されることになる。しかし、その形成された隙間の分だけ、充填剤が大量に必要になり、隙間が大きくなりすぎている場合などの部分には充填剤が効かず、効果が小さくなる。
【0008】
従って、実際の施工工事における評価においても、一般的には、充填剤であるコンタクトグラウトを注入すれば、中空筒状体の周面摩擦力度の向上が見込めると評価されるものの、耐引き抜き力に関しては、中空筒状体と周辺地盤との密着性を簡便に評価することが難しく、中空筒状体と周辺地盤との間の摩擦力によって鉛直荷重、すなわち引き抜き力を分担支持することを設計に評価・反映できなかった。
【0009】
そのため、摩擦力を大きくするために摩擦面を増大させ、あるいは全体の重量を増大させて引き抜き力を分担支持する必要があり、中空筒状体の径と深さが過大となる傾向があり、経済的に最適な材料設計とならなかったのみならず、費用、工期、周辺への影響などにおいて、工事に余分な負担がかかっていた。
【0010】
この発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、周辺地盤との密着性を安定的に向上させ、引き抜き力に対する十分な耐力を得ることができる中空筒状体およびその構築方向を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、第一の発明は、構造物の基礎として、複数のピース部材(3)を連結して地中に縦方向に構築する中空筒状体(1)において、前記中空筒状体に形成された複数の貫通孔(17)と、この貫通孔を貫通して周辺地盤に挿入された複数の棒状体(19)と、前記中空筒状体に引き抜き力が働いた場合に前記棒状体に働く曲げモーメントに対抗するため、前記棒状体の基部を前記中空筒状体に固定する曲げモーメント対抗手段と、を有することを特徴とする中空筒状体(1)である。
【0012】
第二の発明は、さらに、前記曲げモーメント対抗手段は、前記棒状体(19)の基部が埋め込まれ、中空筒状体(1)の内側に打設されたコンクリート、または鉄筋コンクリート(29、35)であることを特徴とする中空筒状体である。
【0013】
第三の発明は、さらに、前記鉄筋は、中空筒状体の内側に略同心状に配置された鉄筋籠(29)であり、この鉄筋籠に前記棒状体の基部が固定されていることを特徴とする中空筒状体である。
【0014】
第四の発明は、さらに、前記棒状体(19)は、地中に地盤改良剤を注入できるよう内径が8mm以上のバイプ状であることを特徴とする中空筒状体である。
【0015】
第五の発明は、さらに、前記貫通孔(17)は、ピース部材に予め形成されていることを特徴とする中空筒状体である。
【0016】
第六の発明は、さらに、構造物の基礎として、複数のピース部材(3)を連結して地中に構築する中空筒状体(1)の構築方法において、縦穴を掘削しつつ中空筒状体を該縦穴内に順次配置する工程と、この配置が完了した後に前記中空筒状体の内側に鉄筋籠(29)を略同心状に配置する工程と、前記中空筒状体に形成された貫通孔(17)に棒状体(19)を貫通させ周辺地盤に挿入する工程と、前記棒状体の基部を鉄筋籠に固定する工程と、前記鉄筋籠の内側に内型枠(31)を配置する工程と、前記筒状体と内型枠との間にコンクリート(35)を打設する工程と、を有してなることを特徴とする中空筒状体の構築方法である。
【0017】
なお、以上の用語の末尾に付した( )内の番号は、発明の理解を容易にするために、発明の実施の形態における図中で対応する部分を示すものであるが、用語の解釈を、その番号の部分に限定するものではない。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を、図1乃至図6において説明する。
図1の全体図に示すように、この中空筒状体1は、鋼製セグメントであり、多数のピース部材3が連結されて構成される。すなわち、中空筒状体1を筒体の軸方向に複数のリング状に分割し、且つ、このリングを更に周方向に分割した形状を有するピース部材3を、周方向や軸方向に連結しながら中空筒状体1を構成し、地中への圧入や内部での掘削を行う。
【0019】
図3に、このようなピース部材3の一種である鋼製セグメントピースを示す。この鋼製セグメントピースは、主桁5、継手板7、縦リブ9、スキンプレート11を有して構成される。
【0020】
すなわち主桁5は、筒体の周方向に長く、上下一対が略平行に配置される。この両主桁5の両端部を、左右一対が略平行に配置される継手板7によって接続する。更に、主桁5の中央部分には、複数の略平行な縦リブ9が接続される。そして、これら主桁5、継手板7、及び縦リブ9の外側にスキンプレート11が張り渡される。これら各部材5、7、9、11の接合は溶接によって行われる。
【0021】
また、主桁5と継手板7とにはボルト孔13が形成され、隣接する鋼製セグメントピース同士が前記ボルト孔13を連通させボルト14(図4)を締結することで連結される。
なお、図示の鋼製セグメントピースには、継手板7の中央部分を接続する補強桁15が主桁5と平行に設けられる。
【0022】
さて、図3、図4、図5、または図6に示すように、以上のような鋼製セグメントピースのスキンプレート11には、所定の場所に予め貫通孔17が形成される。この貫通孔17には、スキンプレート11の内側からシール用のキャップ20が、予めピース部材3の出荷時から取り付けられている。貫通孔17の内周面には、雌ネジ17Aが形成され、キャップ20の外周面に形成された雄ネジ20Aと螺合する。キャップ20のフランジ20Bには、スキンプレート11に面する側にOリング20Cが取り付けられ、周辺地盤からの地下水などを封じる構成になっている。
【0023】
そして、現場において、キャップ20が取り除かれた貫通孔17を貫通して、周辺地盤に棒状体19が挿入される。
すなわち、棒状体19は、先端部側が貫通孔17を貫通し、基部側には雄ネジ21が形成されている。この基部は、ピース部材3のスキンプレート11と同じ曲率のペアリングプレート21、ベベルワッシャー23、ナット25に通され、ナット25の締込みにより、固定される。この際、雄ネジ21を形成した棒状体の基部は、後述するように鉄筋籠の鉄筋にとめて固定し、将来鉄筋コンクリートとなる部分に入れる。
【0024】
また、棒状体19は、内径が8mm以上のバイプ状であり、内部を通して地盤改良剤、例えば棒状体19を地盤に定着するためのグラウトなどを注入できる。この実施形態における具体的な寸法は、長さが、1500mmで、外径が35mmで、地盤には長さ1000mmを略水平に挿入する。
【0025】
(構築手順)
以上説明した中空筒状体1である鋼製セグメントを地中に構築する手順を、図2をもとにして、以下説明する。
【0026】
まず、同図(A)に示すように、縦穴27を掘削しつつ中空筒状体1をその縦穴27内に順次配置する。すなわち、ピース部材3をリング状に連結し、短い中空筒状体1にして地表に縦置きした後に、中空筒状体1の内部を掘削する。そして、上方から、中空筒状体1に圧入力を加え、地中に沈設する。次ぎに、この沈設した分だけ、中空筒状体1の上端に、次のピース部材3を連結し、中空筒状体1の長さを長くし、圧入力を加え、地中に沈設する。これを繰り返して、地中の所定の深さまで、中空筒状体1を長く延ばし配置する。
【0027】
次に、同図(B)に示すように、配置が完了した中空筒状体1の内側に筒状の鉄筋籠29を、中空筒状体1と同心状に配置する。配置した鉄筋籠29は、中空筒状体1の内側に連結する。この連結は、主桁5、継手板7、縦リブ9、補強桁15に対して行うことができるほか、後述するように棒状体19の基部に対して行うことができる。
【0028】
そして、中空筒状体1を構成するピース部材3に形成された貫通孔17から、キャップ20を外す。
貫通孔17とキャップ20は、予め多めに設けておくことができる。使わない貫通孔17は、キャップ20をしたままにする。地下水のある場所で、地下水や土砂の侵入が不都合な場合、事前に貫通孔17にキャップ20をしておく必要がある。
【0029】
周辺地盤が固いなどの場合には、棒状体19を挿入する前に、地盤に対し、キャップ20を外した貫通孔17を通して、ドリルなどにより穿孔作業を行い、この穿孔に棒状体19を挿入する。地盤がある程度柔らかく、棒状体19を直接に地盤に打込むことができる場合には、穿孔作業は不要である。
【0030】
周辺地盤がかなり柔らかい場合には、パイプ状の棒状体19を直接に打ち込み、パイプ状の中空部から、棒状体19を地盤に定着するためのグラウトなどを注入する。また、中空筒状体1と周辺地盤の間に、コンタクトグラウトを注入することもできる。これらの注入のためにパイプ状の内径は8mm以上とし、地盤改良剤をさらに注入することにより周辺地盤との密着性をより向上できる。
【0031】
なお、地盤改良剤には、セメントモルタル型、セメントミルクで急結剤併用型、樹脂型、発泡性の樹脂型などがある。
【0032】
棒状体19は貫通孔17を貫通させ、周辺地盤に挿入した後に、基部を鉄筋籠29に固定する。すなわち、基部を、鉄筋籠29に接触あるいは近接する部分で、針金により固定する。スキンプレート11には、ワッシャー23およびナット25で固定したので、この棒状体19の基部は、二箇所で固定され、さらに後述するように打設されるコンクリートに埋め込まれるので、十分に固定され、大きな曲げモーメントにも対抗できる。なお、以上の固定により、鉄筋籠29は棒状体19を介して中空筒状体1に連結されることになる。
【0033】
棒状体19の基部の長さ寸法は、鉄筋籠29を通ってコンクリート層の内面へ飛び出さないように、定めておく。この基部の寸法が長すぎると、後述する内型枠の設置などの作業の妨げになる。
棒状体19本数は、ピース部材一つあたり2〜4本(この実施形態では4本)が望ましい。中空筒状体1全体では、略放射状に、あたかもハリネズミのように多数本が設けられることになる。
【0034】
次に、同図(C)に示すように、配置した鉄筋籠29の内側に、中空筒状の内型枠31を配置する。この内型枠31は、合板あるいは波形鋼板などを組み立て構成しても良い。鉄筋籠29と内型枠31は連結される。
【0035】
そして、同図(D)に示すように、そして、中空筒状体1と内型枠31との間に形成される空間33にコンクリート35を打設する。コンクリートが十分に養生されたら、内型枠31を撤去する。もっとも、この撤去は行わなくても良い。このコンクリートの養生により、コンクリート製筒体37(図6)が中空筒状体1と同心に一体的に設けられることになる。
【0036】
(実施形態の効果)
以上の実施形態によれば、以下の作用効果を得る。
周辺地盤に挿入された複数の棒状体19によって、中空筒状体1は周辺地盤との密着性を安定的に向上できる。
【0037】
すなわち、現実問題としては、従来の充填剤を用いての中空筒状体と周辺地盤との直接の密着性は効果の評価が難しいとされるので、中空筒状体1と周辺地盤とを棒状体19を介して積極的に密着させるものである。
【0038】
特に、工法によっては、中空筒状体と周辺地盤との間に積極的に隙間を形成させ、これにより圧入力を軽減させる場合があるが、その場合にも、十分に長い棒状体19を用いることで、密着性を向上できる。また、周辺地盤の性質など種々の条件にそれほど関わらず、中空筒状体は周辺地盤との密着性を安定的に向上できる。
【0039】
また、中空筒状体1は、仮設構造物であっても、建物の基礎として設置後に撤去されないものとすることにより、構造体として有効な力学性能を有するものになるので、前記向上した密着性の効果は、最終構造物に作用する外力に対して有効に働く。さらに、中空筒状体1が仮設構造物でなく、本体構造物として使われる場合は本体構造体としての性能が加わり、前記向上した密着性の効果は、なおさら有効に働くものと評価されると考えられる。
【0040】
また、棒状体19は、スキンプレート11にナット25で固定するのみならず、鉄筋籠29に固定し、よって、二箇所で固定することになり、また基部の全体がコンクリートによって固定されるので、大きな曲げモーメントにも対抗できる。
【0041】
すなわち、中空筒状体1に上向きの引き抜き力F(図6)が働くと、周辺地盤から棒状体19には下向きの大きな力が働くが、この下向きの力は、棒状体19の基部に大きな曲げモーメントMを生じる。そして、棒状体19の基部は十分に固定されているので、この大きな曲げモーメントMに耐えられ、斜めに傾いたりしない。このため、密着性を十分に維持できる。
【0042】
また、棒状体19の固定は、中空筒状体1の内側に打設されたコンクリート35によって主に行われるので、あらたに曲げモーメント対抗する手段を設けなくても済み、よってコストを押さえられる。
【0043】
また、棒状体19が貫通する貫通孔17は、ピース部材3に予め工場で形成されてくるので、現場での作業が容易となる。
【0044】
(他の実施形態)
以上の実施形態においては、中空筒状体として鋼製セグメントが用いられ、地中に圧入されて構築されるものであったが、他の実施形態においては、中空筒状体を圧入力を加えずに地中に構築するものとしても良い。
【0045】
すなわち、例えば、中空筒状体としてコンクリートセグメントを用い、コンクリートセグメントの自重により、地中に沈設されるものとしても良い。
【0046】
あるいは、中空筒状体としてライナープレートを用い、圧入力は加えずに、中空筒状体の内部の地盤を掘削し、その掘削した分だけ、中空筒状体の下端に、ライナーピースと呼ばれるピース部材を連結していくものとしても良い。
【0047】
以上の実施形態においては、内型枠31を用いたが、他の実施形態において、中空筒状体1内にコンクリートを全面打設する場合には、内型枠31は用いない。
以上の実施形態においては、棒状体19を略水平方向に設けるものとしたが、他の実施形態では、この方向に限定するものではない。すなわち、斜め上方あるいは斜め下方であっても良い。中空筒状体1の引抜き抵抗力を向上するためには、棒状体19は鉛直方向に一直線状に配置されない方が好ましい。
【0048】
以上の実施形態においては、棒状体19の形状はパイプ状であったが、他の実施形態では、その断面(水平方向の断面)が円形でなくとも、閉じた断面であればよい。すなわち、棒状体は地盤条件等によりきめられ、ツイスト棒鋼、異形棒鋼、全ねじ棒鋼を使うことができる。
【0049】
また、棒状体19にスエレックスボルト(市販品の名前)を使うことで、より効果的な定着をすることもできる。すなわち、ボルト(鋼管)を300kg/cm2のような高圧水で膨張成形して、あらかじめ穿孔してある孔に定着するものを使用できる。
【0050】
以上の実施形態においては、鉄筋籠29は一重であったが、他の実施形態においては、二重とし、棒状体19の基部は、二重の鉄筋籠に固定されることにすることもできる(図8)。二重に固定することで、引き抜き力によって棒状体19に生じる大きな曲げモーメントMに、より有効に耐えられる。
【0051】
以上の実施形態においては、キャップ20は単なる盲栓であったが、他の実施形態においては、逆止弁41が設けられたキャップ20(図7)を用いることができる。逆止弁41の働きにより、中空筒状体1の内部に溜まった地下水は、外の地盤に排出でき、外の地下水等が内部に浸入するのは防止できる。
以上の実施形態においては、圧入時に貫通孔17を仮に塞いでおくためにキャップ20を用いたが、他の実施形態では、樹脂で仮に塞いでおき、後に樹脂をドリル等で破って開口させても良い。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、第一乃至第九の発明のうちいずれか1つの発明によれば、周辺地盤に挿入された複数の棒状体によって、中空筒状体は周辺地盤との密着性を安定的に向上できる。また、各棒状体は、曲げモーメント対抗手段によって基部が中空筒状体に固定されているので、引き抜き力によって各棒状体に生じる大きな曲げモーメントに耐えられる。
【0053】
また、第二の発明によれば、さらに、前記曲げモーメント対抗手段は、前記棒状体の基部が埋め込まれ、中空筒状体の内側に打設されたコンクリート、または鉄筋コンクリートであることから、コストを押さえられる。
【0054】
また、第三の発明によれば、さらに、棒状体の基部は、鉄筋籠に固定されることになり、引き抜き力によって各棒状体に生じる大きな曲げモーメントに、より有効に耐えられる。
【0055】
また、第四の発明によれば、さらに、前記棒状体は、内径が8mm以上のバイプ状とすることから、この棒状体の内部を通して、地中に地盤改良剤を注入でき、周辺地盤との密着性をより向上できる。
【0056】
また、第五の発明によれば、さらに、棒状体が貫通する貫通孔は、ピース部材に予め形成されているので、現場での作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る中空筒状体の全体斜視図である。
【図2】(A)(B)(C)(D)は図1の中空筒状体を構築する構築手順を示す図である。
【図3】図1の中空筒状体を構成するピース部材1を示す斜視図である。
【図4】図3のピース部材に設けられた貫通孔の働きを説明するために、要部を拡大し一部を切り欠いて示す拡大斜視図である。
【図5】図4の貫通孔を塞ぐキャップを説明するものであり、
(A)は縦断面図
(B)は(A)のキャップのみの縦断面図
(C)は(B)のキャップの正面図である。
【図6】図4の棒状体の働きを示す縦断面側面図である。
【図7】図4の貫通孔を塞ぐキャップの他の変形例を示すものであり、
(A)は縦断面図
(B)は(A)のキャップのみの縦断面図
(C)は(B)のキャップの正面図である。
【図8】他の実施形態を示すもので、図6に対応する図である。
【符号の説明】
1 中空筒状体 3 ピース部材
5 主桁 7 継手板
9 縦リブ 11 スキンプレート
13 ボルト孔 14 ボルト
15 補強桁 17 貫通孔
19 棒状体 20 キャップ
21 ペアリングプレート 23 ベベルワッシャー
25 ナット 27 縦穴
29 鉄筋籠 31 内型枠
33 空間 35 コンクリート
37 コンクリート製筒体

Claims (4)

  1. 構造物の基礎として、複数のピース部材を連結して地中に縦方向に構築する中空筒状体において、
    前記中空筒状体に形成された複数の貫通孔と、この貫通孔を貫通して周辺地盤に挿入された複数の棒状体と、前記中空筒状体に引き抜き力が働いた場合に前記棒状体に働く曲げモーメントに対抗するため、前記棒状体の基部を前記中空筒状体に固定する曲げモーメント対抗手段と、を有し、
    前記曲げモーメント対抗手段は、中空筒状体の内側に略同心状に配置された鉄筋籠に前記棒状体の基部が固定されて成る鉄筋コンクリートであることを特徴とする中空筒状体。
  2. 前記棒状体は、地中に地盤改良剤を注入できるよう内径が8mm以上のパイプ状であることを特徴とする請求項1に記載の中空筒状体。
  3. 前記貫通孔は、ピース部材に予め形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の中空筒状体。
  4. 構造物の基礎として、複数のピース部材を連結して地中に構築する中空筒状体の構築方法において、縦穴を掘削しつつ中空筒状体を該縦穴内に順次配置する工程と、この配置が完了した後に前記中空筒状体の内側に鉄筋籠を略同心状に配置する工程と、前記中空筒状体に形成された貫通孔に棒状体を貫通させ周辺地盤に挿入する工程と、前記棒状体の基部を鉄筋籠に固定する工程と、前記鉄筋籠の内側に内型枠を配置する工程と、前記筒状体と内型枠との間にコンクリートを打設する工程と、を有してなることを特徴とする中空筒状体の構築方法。
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