JP4017347B2 - 携帯電話機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯電話機に関し、特に、信号の送受信を連続的に行なう連続送受信システムと、信号の送受信を時分割的に行なう時分割送受信システムとの両方で使用可能なダイバーシチ方式の携帯電話機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話機では、信号の送受信を時分割的に行なうTDMA方式の一種であるPDC方式が採用されている。また、携帯電話機に2つのアンテナを設け、2つのアンテナで受信した信号のレベルに基づいて受話データを再生するダイバーシチ方式も採用されている。
【0003】
一方、携帯電話機の方式を上記PDC方式から信号の送受信を連続的に行なうW−CDMA方式に移行させることが計画されている。この移行期においては、PDCおよびW−CDMAの両システムが併存する期間があると予想され、両システムで使用可能なデュアルモード携帯電話機のニーズも存在すると予想される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、単にPDCおよびW−CDMAの両方式の2台の携帯電話機をまとめて1台のデュアルモード携帯電話機としただけでは、装置寸法が大きくなる。特に、各システムにおいてダイバーシチ方式を実現しようとすると、4つのアンテナが必要となり、装置寸法が大きくなってしまう。
【0005】
本発明は、連続送受信システムおよび時分割送受信システムの両方で使用することができ、各システムでダイバーシチ方式を実現することができ、かつ装置寸法の小型化を図ることが可能な携帯電話機を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明に係る携帯電話機は、信号の送受信を連続的に行なう連続送受信システムと、信号の送受信を時分割的に行なう時分割送受信システムとの両方で使用可能なダイバーシチ方式の携帯電話機であって、互いに離間して設けられた第1および第2のアンテナと、連続送受信システムの基地局に信号を送信する第1の送信回路と、連続送受信システムの基地局から信号を受信する第1の受信回路と、時分割送受信システムの基地局に信号を送信する第2の送信回路と、時分割送受信システムの基地局から信号を受信する第2の受信回路と、第1および第2の受信回路の受信信号に基づいて連続送受信システムおよび時分割送受信システムのうちのいずれか一方をメインシステムと判定し他方をモニタシステムと判定する判定回路と、第1および第2のアンテナのうちの受信信号の信号レベルの高い方のアンテナを選択する選択回路と、判定回路によって連続送受信システムがメインシステムであると判定された場合において、メインシステムの基地局と信号の送受信を行なうメインシステム動作時は、第1のアンテナと第1の送信回路とを結合させるとともに第1および第2のアンテナと第1の受信回路とを結合させ、モニタシステムの基地局からの信号も受信するモニタ時は、選択回路によって選択された第1または第2のアンテナを第2の受信回路に結合させ、判定回路によって時分割送受信システムがメインシステムであると判定された場合において、メインシステム動作時は、第1のアンテナと第2の送信回路とを送信時に結合させるとともに選択回路によって選択された第1または第2のアンテナと第2の受信回路とを受信時に結合させ、モニタ時は、第1および第2のアンテナのうちの少なくとも一方のアンテナを第1の受信回路に結合させる結合器とを備えたものである。
【0008】
ここで、結合器は、第1のアンテナと第1の送信回路および第1の受信回路との間に設けられ、連続送受信システムの信号のみを通過させる第1のフィルタと、第1のアンテナと第2の送信回路および第2の受信回路との間に設けられ、時分割送受信システムの信号のみを通過させる第2のフィルタと、連続送受信システムがメインシステムの場合におけるメインシステム動作時および時分割送受信システムがメインシステムの場合におけるモニタ時は、第2のアンテナと第1の受信回路とを結合させ、時分割送受信システムがメインシステムの場合におけるメインシステム動作時および連続送受信システムがメインシステムの場合におけるモニタ時は、第2のフィルタを介して第1のアンテナと第2の送信回路とを送信時に結合させるとともに、受信時において選択回路によって第1のアンテナが選択された場合は第2のフィルタを介して第1のアンテナと第2の受信回路とを結合させ、受信時において選択回路によって第2のアンテナが選択された場合は第2のアンテナと第2の受信回路とを結合させる切換回路とを含む。したがって、連続送受信システムと時分割送受信システムの両方で使用することができ、各システムでダイバーシチ方式を実現でき、さらに2つのシステムで2つのアンテナを共用するので、装置寸法の小型化を図ることができる。また、信号の送受信に用いる第1のアンテナと第1および第2の送受信回路とをフィルタで結合するので、送信時における信号のパワーロスを小さく抑えることができる。また、切換回路はIC化することができるので、装置の小型化を図ることができる。
【0009】
また、この発明に係る他の携帯電話機では、結合器は、第1のアンテナと第1の送信回路および第1の受信回路との間に設けられ、連続送受信システムの信号のみを通過させる第1のフィルタと、第1のアンテナと第2の送信回路および第1の受信回路との間に設けられ、時分割送受信システムの信号のみを通過させる第2のフィルタと、第1のアンテナおよび第2のフィルタを介して第1の入出力ポートに与えられた受信信号を第2の入出力ポートに与え、第2の送信回路から第3の入出力ポートに与えられた送信信号を第1の入出力ポートおよび第2のフィルタを介して第1のアンテナに与えるサーキュレータと、連続送受信システムがメインシステムの場合におけるメインシステム動作時および時分割送受信システムがメインシステムの場合におけるモニタ時は、第2のアンテナと第1の受信回路とを結合させ、時分割送受信システムがメインシステムの場合におけるメインシステム動作時および連続送受信システムがメインシステムの場合におけるモニタ時は、選択回路によって第1のアンテナが選択された場合はサーキュレータの第2の入出力ポートと第2の受信回路とを結合し、選択回路によって第2のアンテナが選択された場合は第2のアンテナと第2の受信回路とを結合させる切換回路とを含む。この場合は、サーキュレータを用いるので、切換回路の制御を簡単化することができる。
【0010】
また、この発明に係るさらに他の携帯電話機では、結合器は、第1のアンテナと第1の送信回路および第1の受信回路との間に設けられ、連続送受信システムの信号のみを通過させる第1のフィルタと、第2のアンテナと第1の受信回路との間に設けられ、連続送受信システムの信号を通過させ時分割送受信システムの信号を遮断する第2のフィルタと、第1のアンテナと第2の送信回路および第2の受信回路との間に設けられ、時分割送受信システムの信号のみを通過させる第3のフィルタと、第2のアンテナと第2の受信回路との間に設けられ、時分割送受信システムの信号のみを通過させる第4のフィルタと、第1のアンテナおよび第3のフィルタを介して第1の入出力ポートに与えられた受信信号を第2の入出力ポートに与え、第2の送信回路から第3の入出力ポートに与えられた送信信号を第1の入出力ポートおよび第3のフィルタを介して第1のアンテナに与えるサーキュレータと、選択回路によって第1のアンテナが選択された場合はサーキュレータの第2の入出力ポートと第2の受信回路とを結合し、選択回路によって第2のアンテナが選択された場合は第2のアンテナを第4のフィルタを介して第2の受信回路に結合させる切換回路とを含む。この場合は、第1〜第4のフィルタおよびサーキュレータを用いるので、パワーロスを小さくすることができ、かつ結合器の制御が不要になる。
【0011】
また、この発明に係るさらに他の携帯電話機では、結合器は、第1のアンテナと第1の送信回路および第1の受信回路との間に設けられ、連続送受信システムの信号のみを通過させる第1のフィルタと、第2のアンテナと第1の受信回路との間に設けられ、連続送受信システムの信号のみを通過させる第2のフィルタと、第1のアンテナと第2の送信回路および第2の受信回路との間に設けられ、時分割送受信システムの信号を通過させ連続送受信システムの信号を遮断する第3のフィルタと、第2のアンテナと第2の受信回路との間に設けられ、時分割送受信システムの信号のみを通過させる第4のフィルタと、第2の送信回路の送信時は、第2の送信回路から出力された送信信号を第3のフィルタを介して第1のアンテナに与え、第2の受信回路の受信時は、選択回路によって第1のアンテナが選択された場合は第1のアンテナの受信信号を第3のフィルタを介して第2の受信回路に与え、選択回路によって第2のアンテナが選択された場合は第2のアンテナの受信信号を第4のフィルタを介して第2の受信回路に与える切換回路とを含む。この場合は、第1〜第4のフィルタおよび切換回路を用いるので、パワーロスを小さくすることができ、かつ装置の小型化を図ることができる。
【0012】
また好ましくは、第1の受信回路は第1および第2のアンテナからの受信信号に基づいて受話データを生成し、第2の受信回路は選択回路によって選択された第1または第2のアンテナの受信信号に基づいて受話データを生成する。この場合は、第1および第2のアンテナからの受信信号を合成し、またはそれらのうちの信号レベルの高い方の信号を選択するので、高感度で信号を受信することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るデュアルモード携帯電話機を、図面を参照して詳述する。
【0014】
第1図を参照すると、このデュアルモード携帯電話機は、送受信アンテナ1、受信アンテナ2、帯域分波器3,6、スイッチSW1〜SW3、W−CDMA送信回路11、W−CDMA受信回路12、PDC送信回路13、PDC受信回路14、および制御回路15を備える。
【0015】
送受信アンテナ1は、W−CDMAおよびPDCの両方式の信号の送受信に用いられる。第2図に示すように、W−CDMA方式の送信信号Tx1および受信信号Rx1は2GHz程度の周波数を有し、PDC方式の送信信号Tx2および受信信号Rx2は0.8GHz程度の周波数を有する。このような周波数の異なる2方式の信号を送受信するため、送受信アンテナ1は2つの共振点を持つように構成されている。受信アンテナ2も、2つの共振点を持ち、W−CDMAおよびPDCの両方式の信号の受信に用いられる。2つのアンテナ1,2によりスペースダイバーシチ方式が実現される。
【0016】
帯域分波器3は、ハイパスフィルタ(HPF)4、ローパスフィルタ(LPF)5および3つの入出力ポート3a〜5aを含む。ポート3aは、送受信アンテナ1に接続される。W−CDMA方式の信号Tx1,Rx1はポート3a、ハイパスフィルタ4およびポート4aの経路を通過可能となっており、PDC方式の信号Tx2,Rx2はポート3a、ローパスフィルタ5およびポート5aの経路を通過可能となっている。
【0017】
帯域分波器6は、2つのバンドパスフィルタ(BPF)7,8および3つのポート6a〜8aを含む。ポート6a〜8aは、それぞれ帯域分波器3のポート4a、W−DCMA送信回路11の出力端子11a、およびW−CDMA受信回路12の第1入力端子12aに接続される。W−CDMA方式の送信信号Tx1(1920〜1980MHz)はポート7a、バンドパスフィルタ7およびポート6aの経路を通過可能となっており、W−CDMA方式の受信信号Rx1(2110〜2170MHz)はポート6a、バンドパスフィルタ8およびポート8aの経路を通過可能となっている。
【0018】
スイッチSW1の共通端子T3aは受信アンテナ2に接続され、その第1切換端子T1aはスイッチSW3の第2切換端子T2cに接続され、その第2切換端子T2aはW−CDMA受信回路12の第2入力端子12bに接続される。スイッチSW1は、制御回路15によって切換制御される。端子T1a,T3a間が導通している状態を状態「1」とし、端子T2a,T3a間が導通している状態を状態「2」とする。
【0019】
スイッチSW2の共通端子T3bは帯域分波器3のポート5aに接続され、その第1切換端子T1bはPDC送信回路13の出力端子13aに接続され、その第2切換端子T2bはスイッチSW3の第1切換端子T1cに接続される。スイッチSW2は、制御回路15によって切換制御される。端子T1b,T3b間が導通している状態を状態「1」とし、端子T2c,T3c間が導通している状態を状態「2」とする。
【0020】
W−CDMA送信回路11は、W−CDMAシステムがメインシステムの場合に活性化され、この携帯電話機の使用者の音声に基づいて生成された送話データに従って送信信号Tx1を生成する。送信信号Tx1は、バンドパスフィルタ7およびハイパスフィルタ4を介して送受信アンテナ1に与えられる。
【0021】
W−CDMA受信回路12は、W−CDMAシステムがメインシステムの場合におけるメインシステム動作時に、送受信アンテナ1で受信されハイパスフィルタ4およびバンドパスフィルタ8を介して与えられる信号Rx1と、受信アンテナ2で受信されスイッチSW1を介して与えられる信号Rx1′とを合成して受話データを生成する。受話データは音声に変換されてこの携帯電話機の使用者に伝達される。
【0022】
また、W−CDMA受信回路12は、PDCシステムがメインシステムの場合におけるモニタ時に、受信信号Rx1,Rx1′に基づいてW−CDMAシステムの基地局からの情報をモニタする。このようにW−CDMAシステムの基地局の情報をモニタするのは、PDCシステムの基地局からの信号レベルが低くなったときにW−CDMAシステムに迅速に移行するためである。
【0023】
PDC送信回路13は、PDCシステムがメインシステムの場合に活性化され、送話データに従って送信信号Tx2を生成する。送信信号Tx2は、スイッチSW2およびローパスフィルタ5を介して送受信アンテナ1に与えられる。
【0024】
PDC受信回路14は、PDCシステムがメインシステムの場合におけるメインシステム動作時に、送受信アンテナ1によって受信されローパスフィルタ5およびスイッチSW2,SW3を介して与えられる信号Rx2、または受信アンテナ2によって受信されスイッチSW1,SW3を介して与えられる信号Rx2に基づいて受話データを生成する。
【0025】
また、PDC受信回路14は、W−CDMAシステムがメインシステムの場合におけるモニタ時に、信号Rx2に基づいてPDCシステムの基地局からの情報をモニタする。このようにPDCシステムの基地局からの情報をモニタするのは、W−CDMAシステムの基地局からの信号が弱くなったときにPDCシステムに迅速に移行するためである。
【0026】
制御回路15は、受信回路12,14からの信号に基づいてW−CDMAとPDCのいずれのシステムの信号レベルが高いかを判定し、信号レベルの高い方のシステムをメインシステムとし、信号レベルの低い方のシステムをモニタシステムとする。制御回路15は、その判定結果に基づいて、スイッチSW1〜SW3、送信回路11,13および受信回路12,14を制御する。
【0027】
第3図は、第1図で示したスイッチSW1〜SW3の状態を示す図である。以下、第3図に従って、この携帯電話機の動作について説明する。
【0028】
まず制御回路15によってW−CDMAシステムの受信信号Rx1とPDCシステムの受信信号Rx2との信号レベルが比較され、信号レベルの高い方のシステムがメインシステムとされ、信号レベルの低い方のシステムがモニタシステムとされる。
【0029】
W−CDMAシステムがメインシステムであり、電話機が通話状態の場合において、メインシステム動作時はスイッチSW1が状態「2」になって端子T2a,T3a間が導通し、SW2,SW3の各々はD/C(Don't Care)状態となる。アンテナ1で受信された信号Rx1はハイパスフィルタ4およびバンドパスフィルタ8を介してW−CDMA受信回路12の第1入力端子12aに入力されるとともに、アンテナ2で受信された信号Rx1′はスイッチSW1を介してW−CDMA受信回路12の第2入力端子12bに入力される。W−CDMA受信回路12は、2つのアンテナ1,2からの信号Rx1,Rx1′に基づいて受話データを生成する。すなわち、スペースダイバーシチ方式が実現される。
【0030】
また、W−CDMA送信回路11で生成された信号Tx1は、バンドパスフィルタ7およびハイパスフィルタ4を介してアンテナ1に与えられ、さらにアンテナ1からW−CDMAシステムの基地局に送信される。この場合は、第4図(a),(b)に示すように、送信信号Tx1は連続的に送信され、受信信号Rx1,Rx1′も連続的に受信される。このため、W−CDMAシステムは、連続送受信システムといわれる。
【0031】
W−CDMAシステムがメインシステムであり、電話機が通話状態の場合において、モニタ時はスイッチSW1は状態「1」になって端子T1a,T3a間が導通し、スイッチSW2が状態「2」になって端子T2b,T3b間が導通し、スイッチSW3がアンテナ1で受信した信号Rx2とアンテナ2で受信した信号Rx2とのうちの信号レベルの高い方の信号Rx2がPDC受信回路14に入力されるように状態「1」または「2」になる。この場合は、第4図(c),(d)に示すように、送信信号Tx2の出力は停止され、受信信号Rx2は連続的に受信される。PDC受信回路14は、受信信号Rx2に基づいてPDCシステムの基地局からの情報をモニタする。
【0032】
W−CDMAシステムがメインシステムであり、電話機が待ち受け受信状態の場合は、電話機は通話状態の場合と同じである。
【0033】
PDCシステムがメインシステムであり、電話機が通話状態の場合において、メインシステム動作時はスイッチSW1が状態「1」になって端子T1a,T3a間が導通し、スイッチSW2は送信時および受信時にそれぞれ状態「1」および「2」になり、スイッチSW3はアンテナ1で受信した信号Rx2とアンテナ2で受信した信号Rx2とのうちの信号レベルの高い方の信号Rx2がPDC受信回路14に入力されるように状態「1」または「2」となる。アンテナ1で受信した信号Rx2とアンテナ2で受信した信号Rx2とのうちの信号レベルの高い方の信号Rx2がPDC受信回路14に入力され、PDC受信回路14は入力された信号Rx2に基づいて受話データを生成する。すなわち、スペースダイバーシチ方式が実現される。
【0034】
また、PDC送信回路13で生成された信号Tx2は、スイッチSW2およびローパスフィルタ5を介してアンテナ1に与えられ、さらにアンテナ1からPDCシステムの基地局に送信される。この場合は、信号Rx2の受信と信号Tx2の送信とは時分割で交互に行なわれる。すなわち第5図(c),(d)に示すように、R(受信)スロットで信号Rx2が受信され、I(アイドル)スロットで何もせず、T(送信)スロットで信号Tx2が送信され、LM(レベルメジャリング)スロットでアンテナ1からの信号Rx1とアンテナ2からの信号との強度が比較されてスイッチSW3の状態が設定され、Rスロットで信号Rx2が受信される。このため、PDCシステムは、時分割送受信システムとよばれる。
【0035】
PDCシステムがメインシステムであり、電話機が通話状態の場合において、モニタ時はスイッチSW1が状態「2」になって端子T2a,T3a間が導通し、スイッチSW2,SW3はD/C状態となる。W−CDMA受信回路12は、アンテナ1,2からの信号Rx1,Rx1′に基づいてW−CDMAシステムの基地局からの情報をモニタする。
【0036】
PDCシステムがメインシステムであり、電話機が待受け受信状態の場合は、基本的には電話機が通話状態の場合と同じである。ただし、待受け受信状態では送信は行なわないので、スイッチSW2が状態「1」となることはない。
【0037】
この実施の形態では、帯域分波器3およびスイッチSW1〜SW3により、2つのアンテナ1,2とW−CDMA方式の送信回路11および受信回路12、または2つのアンテナ1,2とPDC方式の送信回路13および受信回路14を選択的に結合させる。したがって,W−CDMAおよびPDCの両システムで使用することができ、各システムにおいてダイバーシチ方式を実現でき、かつ装置寸法の小型化を図ることができる。
【0038】
なお、送受信アンテナ1とW−CDMA送信回路11とをフィルタ4,7で結合しているのは、送信時における信号のパワーロスを小さく抑えるためである。また、スイッチSW1〜SW3は容易にIC化できるので、装置寸法の小型化を図ることができる。
【0039】
以下、この実施の形態の変更例について説明する。第6図の変更例では、第1図のスイッチSW2がサーキュレータ21で置換される。サーキュレータ21は、3つの入出力ポート21a〜21cを含む。入出力ポート21a〜21cは、それぞれ帯域分波器3のポート5a、スイッチSW3の第1切換端子T1cおよびPDC送信回路13の出力ノード13aに接続される。アンテナ1で受信されローパスフィルタ5を通過してポート21aに入力された信号Rx2は、ポート21bを介してスイッチSW3の第1切換端子T1cに与えられる。PDC送信回路13で生成されポート21cに入力された信号Tx2は、ポート21aを介して帯域分波器3の入出力ポート5aに与えられる。したがって、サーキュレータ21は、スイッチSW2と同じ役割を果たす。スイッチSW1,SW3は、第7図に示すように、第1図および第3図で説明したのと同様に切換制御される。この変更例では、スイッチSW2の制御が不要になるので、制御の簡単化が図られる。
【0040】
第8図の変更例では、第6図のスイッチSW1が帯域分波器22で置換される。帯域分波器22は、ローパスフィルタ23、ハイパスフィルタ24および3つの入出力ポート22a〜24aを含む。W−CDMA方式の受信信号Rx1′はポート22a、ハイパスフィルタ24およびポート24aの経路を通過可能となっており、PDC方式の受信信号Rx2はポート22a、ローパスフィルタ23およびポート23aの経路を通過可能となっている。したがって、帯域分波器22は、スイッチSW1と同じ役割を果たす。スイッチSW3は、第9図に示すように、第1図および第3図で説明したのと同様に切換制御される。この変更例では、スイッチSW1,SW2の制御が不要になるので、制御の簡単化が図られる。
【0041】
第10図の変更例では、第8図のサーキュレータ21がスイッチSW2で置換される。スイッチSW2,SW3は、第11図に示すように、第1図および第3図で説明したのと同様に切換制御される。この変更例では、スイッチSW2の制御が不要になるので、制御の簡単化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態によるデュアルモード携帯電話機の要部を示す回路ブロック図である。
【図2】 図1に示されるデュアルモード携帯電話機で用いられるW−CDMA方式およびPCD方式の信号の周波数スペクトル図である。
【図3】 図1に示されるデュアルモード携帯電話機の動作を説明するための図である。
【図4】 図1に示されるデュアルモード携帯電話機の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図5】 図1に示されるデュアルモード携帯電話機の動作を説明するための他のタイムチャートである。
【図6】 この実施の形態の変更例を示す回路ブロック図である。
【図7】 図6に示されるデュアルモード携帯電話機の動作を説明するための図である。
【図8】 この実施の形態の他の変更例を示す回路ブロック図である。
【図9】 図8に示されるデュアルモード携帯電話機の動作を説明するための図である。
【図10】 この実施の形態のさらに他の変更例を示す回路ブロック図である。
【図11】 図10に示されるデュアルモード携帯電話機の動作を説明するための図である。
Claims (5)
- 信号の送受信を連続的に行なう連続送受信システムと、信号の送受信を時分割的に行なう時分割送受信システムとの両方で使用可能なダイバーシチ方式の携帯電話機であって、
互いに離間して設けられた第1および第2のアンテナ、
前記連続送受信システムの基地局に信号を送信する第1の送信回路、
前記連続送受信システムの基地局から信号を受信する第1の受信回路、
前記時分割送受信システムの基地局に信号を送信する第2の送信回路、
前記時分割送受信システムの基地局から信号を受信する第2の受信回路、
前記第1および第2の受信回路の受信信号に基づいて前記連続送受信システムおよび前記時分割送受信システムのうちのいずれか一方をメインシステムと判定し他方をモニタシステムと判定する判定回路、
前記第1および第2のアンテナのうちの受信信号の信号レベルの高い方のアンテナを選択する選択回路、および
前記判定回路によって前記連続送受信システムがメインシステムであると判定された場合において、メインシステムの基地局と信号の送受信を行なうメインシステム動作時は、前記第1のアンテナと前記第1の送信回路とを結合させるとともに前記第1および第2のアンテナと前記第1の受信回路とを結合させ、モニタシステムの基地局からの信号も受信するモニタ時は、前記選択回路によって選択された第1または第2のアンテナを前記第2の受信回路に結合させ、前記判定回路によって前記時分割送受信システムがメインシステムであると判定された場合において、前記メインシステム動作時は、前記第1のアンテナと前記第2の送信回路とを送信時に結合させるとともに前記選択回路によって選択された第1または第2のアンテナと前記第2の受信回路とを受信時に結合させ、前記モニタ時は、前記第1および第2のアンテナのうちの少なくとも一方のアンテナを前記第1の受信回路に結合させる結合器を備え、
前記結合器は、
前記第1のアンテナと前記第1の送信回路および前記第1の受信回路との間に設けられ、前記連続送受信システムの信号を通過させ前記時分割送受信システムの信号を遮断する第1のフィルタ、
前記第1のアンテナと前記第2の送信回路および前記第2の受信回路との間に設けられ、前記時分割送受信システムの信号を通過させ前記連続送受信システムの信号を遮断する第2のフィルタ、および
前記連続送受信システムがメインシステムの場合における前記メインシステム動作時および前記時分割送受信システムがメインシステムの場合における前記モニタ時は、前記第2のアンテナと前記第1の受信回路とを結合させ、前記時分割送受信システムがメインシステムの場合における前記メインシステム動作時および前記連続送受信システムがメインシステムの場合における前記モニタ時は、前記第2のフィルタを介して前記第1のアンテナと前記第2の送信回路とを送信時に結合させるとともに、受信時において前記選択回路によって前記第1のアンテナが選択された場合は前記第2のフィルタを介して前記第1のアンテナと前記第2の受信回路とを結合させ、受信時において前記選択回路によって前記第2のアンテナが選択された場合は前記第2のアンテナと前記第2の受信回路とを結合させる切換回路を含む、携帯電話機。 - 信号の送受信を連続的に行なう連続送受信システムと、信号の送受信を時分割的に行なう時分割送受信システムとの両方で使用可能なダイバーシチ方式の携帯電話機であって、
互いに離間して設けられた第1および第2のアンテナ、
前記連続送受信システムの基地局に信号を送信する第1の送信回路、
前記連続送受信システムの基地局から信号を受信する第1の受信回路、
前記時分割送受信システムの基地局に信号を送信する第2の送信回路、
前記時分割送受信システムの基地局から信号を受信する第2の受信回路、
前記第1および第2の受信回路の受信信号に基づいて前記連続送受信システムおよび前記時分割送受信システムのうちのいずれか一方をメインシステムと判定し他方をモニタシステムと判定する判定回路、
前記第1および第2のアンテナのうちの受信信号の信号レベルの高い方のアンテナを選択する選択回路、および
前記判定回路によって前記連続送受信システムがメインシステムであると判定された場合において、メインシステムの基地局と信号の送受信を行なうメインシステム動作時は、前記第1のアンテナと前記第1の送信回路とを結合させるとともに前記第1および第2のアンテナと前記第1の受信回路とを結合させ、モニタシステムの基地局からの信号も受信するモニタ時は、前記選択回路によって選択された第1または第2のアンテナを前記第2の受信回路に結合させ、前記判定回路によって前記時分割送受信システムがメインシステムであると判定された場合において、前記メインシステム動作時は、前記第1のアンテナと前記第2の送信回路とを送信時に結合させるとともに前記選択回路によって選択された第1または第2のアンテナと前記第2の受信回路とを受信時に結合させ、前記モニタ時は、前記第1および第2のアンテナのうちの少なくとも一方のアンテナを前記第1の受信回路に結合させる結合器を備え、
前記結合器は、
前記第1のアンテナと前記第1の送信回路および前記第1の受信回路との間に設けられ、前記連続送受信システムの信号を通過させ前記時分割送受信システムの信号を遮断する第1のフィルタ、
前記第1のアンテナと前記第2の送信回路および前記第1の受信回路との間に設けられ、前記時分割送受信システムの信号を通過させ前記連続送受信システムの信号を遮断する第2のフィルタ、
第1〜第3の入出力ポートを有し、前記第1のアンテナおよび前記第2のフィルタを介して前記第1の入出力ポートに与えられた受信信号を前記第2の入出力ポートに与え、前記第2の送信回路から前記第3の入出力ポートに与えられた送信信号を前記第1の入出力ポートおよび前記第2のフィルタを介して前記第1のアンテナに与えるサーキュレータ、および
前記連続送受信システムがメインシステムの場合におけるメインシステム動作時および前記時分割送受信システムがメインシステムの場合におけるモニタ時は、前記第2のアンテナと前記第1の受信回路とを結合させ、前記時分割送受信システムがメインシステムの場合におけるメインシステム動作時および前記連続送受信システムがメインシステムの場合におけるモニタ時は、前記選択回路によって前記第1のアンテナが選択された場合は前記サーキュレータの前記第2の入出力ポートと前記第2の受信回路とを結合し、前記選択回路によって前記第2のアンテナが選択された場合は前記第2のアンテナと前記第2の受信回路とを結合させる切換回路を含む、携帯電話機。 - 信号の送受信を連続的に行なう連続送受信システムと、信号の送受信を時分割的に行なう時分割送受信システムとの両方で使用可能なダイバーシチ方式の携帯電話機であって、
互いに離間して設けられた第1および第2のアンテナ、
前記連続送受信システムの基地局に信号を送信する第1の送信回路、
前記連続送受信システムの基地局から信号を受信する第1の受信回路、
前記時分割送受信システムの基地局に信号を送信する第2の送信回路、
前記時分割送受信システムの基地局から信号を受信する第2の受信回路、
前記第1および第2の受信回路の受信信号に基づいて前記連続送受信システムおよび前記時分割送受信システムのうちのいずれか一方をメインシステムと判定し他方をモニタシステムと判定する判定回路、
前記第1および第2のアンテナのうちの受信信号の信号レベルの高い方のアンテナを選択する選択回路、および
前記判定回路によって前記連続送受信システムがメインシステムであると判定された場 合において、メインシステムの基地局と信号の送受信を行なうメインシステム動作時は、前記第1のアンテナと前記第1の送信回路とを結合させるとともに前記第1および第2のアンテナと前記第1の受信回路とを結合させ、モニタシステムの基地局からの信号も受信するモニタ時は、前記選択回路によって選択された第1または第2のアンテナを前記第2の受信回路に結合させ、前記判定回路によって前記時分割送受信システムがメインシステムであると判定された場合において、前記メインシステム動作時は、前記第1のアンテナと前記第2の送信回路とを送信時に結合させるとともに前記選択回路によって選択された第1または第2のアンテナと前記第2の受信回路とを受信時に結合させ、前記モニタ時は、前記第1および第2のアンテナのうちの少なくとも一方のアンテナを前記第1の受信回路に結合させる結合器を備え、
前記結合器は、
前記第1のアンテナと前記第1の送信回路および前記第1の受信回路との間に設けられ、前記連続送受信システムの信号を通過させ前記時分割送受信システムの信号を遮断する第1のフィルタ、
前記第2のアンテナと前記第1の受信回路との間に設けられ、前記連続送受信システムの信号を通過させ前記時分割送受信システムの信号を遮断する第2のフィルタ、
前記第1のアンテナと前記第2の送信回路および前記第2の受信回路との間に設けられ、前記時分割送受信システムの信号を通過させ前記連続送受信システムの信号を遮断する第3のフィルタ、
前記第2のアンテナと前記第2の受信回路との間に設けられ、前記時分割送受信システムの信号を通過させ前記連続送受信システムの信号を遮断する第4のフィルタ、
第1〜第3の入出力ポートを有し、前記第1のアンテナおよび前記第3のフィルタを介して前記第1の入出力ポートに与えられた受信信号を前記第2の入出力ポートに与え、前記第2の送信回路から前記第3の入出力ポートに与えられた送信信号を前記第1の入出力ポートおよび前記第3のフィルタを介して前記第1のアンテナに与えるサーキュレータ、および
前記選択回路によって前記第1のアンテナが選択された場合は前記サーキュレータの前記第2の入出力ポートと前記第2の受信回路とを結合し、前記選択回路によって前記第2のアンテナが選択された場合は前記第2のアンテナを前記第4のフィルタを介して前記第2の受信回路に結合させる切換回路を含む、携帯電話機。 - 信号の送受信を連続的に行なう連続送受信システムと、信号の送受信を時分割的に行なう時分割送受信システムとの両方で使用可能なダイバーシチ方式の携帯電話機であって、
互いに離間して設けられた第1および第2のアンテナ、
前記連続送受信システムの基地局に信号を送信する第1の送信回路、
前記連続送受信システムの基地局から信号を受信する第1の受信回路、
前記時分割送受信システムの基地局に信号を送信する第2の送信回路、
前記時分割送受信システムの基地局から信号を受信する第2の受信回路、
前記第1および第2の受信回路の受信信号に基づいて前記連続送受信システムおよび前記時分割送受信システムのうちのいずれか一方をメインシステムと判定し他方をモニタシステムと判定する判定回路、
前記第1および第2のアンテナのうちの受信信号の信号レベルの高い方のアンテナを選択する選択回路、および
前記判定回路によって前記連続送受信システムがメインシステムであると判定された場合において、メインシステムの基地局と信号の送受信を行なうメインシステム動作時は、前記第1のアンテナと前記第1の送信回路とを結合させるとともに前記第1および第2のアンテナと前記第1の受信回路とを結合させ、モニタシステムの基地局からの信号も受信するモニタ時は、前記選択回路によって選択された第1または第2のアンテナを前記第2の受信回路に結合させ、前記判定回路によって前記時分割送受信システムがメインシステムであると判定された場合において、前記メインシステム動作時は、前記第1のアンテナ と前記第2の送信回路とを送信時に結合させるとともに前記選択回路によって選択された第1または第2のアンテナと前記第2の受信回路とを受信時に結合させ、前記モニタ時は、前記第1および第2のアンテナのうちの少なくとも一方のアンテナを前記第1の受信回路に結合させる結合器を備え、
前記結合器は、
前記第1のアンテナと前記第1の送信回路および前記第1の受信回路との間に設けられ、前記連続送受信システムの信号を通過させ前記時分割送受信システムの信号を遮断する第1のフィルタ、
前記第2のアンテナと前記第1の受信回路との間に設けられ、前記連続送受信システムの信号を通過させ前記時分割送受信システムの信号を遮断する第2のフィルタ、
前記第1のアンテナと前記第2の送信回路および前記第2の受信回路との間に設けられ、前記時分割送受信システムの信号を通過させ前記連続送受信システムの信号を遮断する第3のフィルタ、
前記第2のアンテナと前記第2の受信回路との間に設けられ、前記時分割送受信システムの信号を通過させ前記連続送受信システムの信号を遮断する第4のフィルタ、および
前記第2の送信回路の送信時は、前記第2の送信回路から出力された送信信号を前記第3のフィルタを介して前記第1のアンテナに与え、前記第2の受信回路の受信時は、前記選択回路によって前記第1のアンテナが選択された場合は前記第1のアンテナの受信信号を前記第3のフィルタを介して前記第2の受信回路に与え、前記選択回路によって前記第2のアンテナが選択された場合は前記第2のアンテナの受信信号を前記第4のフィルタを介して前記第2の受信回路に与える切換回路を含む、携帯電話機。 - 前記第1の受信回路は、前記第1および第2のアンテナからの受信信号に基づいて受話データを生成し、
前記第2の受信回路は、前記選択回路によって選択された前記第1または第2のアンテナの受信信号に基づいて受話データを生成する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の携帯電話機。
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