JP4017223B2 - 内燃エンジンの吸気装置 - Google Patents

内燃エンジンの吸気装置

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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気通路のスロットル弁よりも上流側に負圧応動弁を設けて成る内燃エンジンの吸気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8に従来の吸気装置を備える内燃エンジンのスロットル弁開度α、吸入空気量Q、吸入燃料量F、エンジントルクT及びエンジン回転数Nの過渡特性(経時変化)を示すが、同図に示すように、加速時の吸入空気量Qはスロットル弁開度αの増加速度に対して殆ど時間遅れなく増大するが、燃料は吸入空気量Qの増加に対して遅れて噴射されるため、加速の初期段階で吸入燃料量Fに不足が発生する。
【0003】
上記燃料不足を補うために燃料の非同期噴射制御や加速増量補正制御が行われるが、噴射された燃料はその大部分が一旦吸気管の壁面に付着し、その後の吸入空気量Qの増加に伴って付着燃料の蒸発量が増加する。このため、吸入空気量Qの増加に対する吸入燃料量Fの増加に時間遅れが不可避的に生じてしまう。
【0004】
ところで、エンジン出力であるトルクTは、スロットル弁を開けた瞬間それまで吸気管の内壁に付着していた燃料と非同期噴射燃料のシリンダ内への流入と急激な吸入空気量Qの増大とによって立ち上がりが図示のように急峻となるが、その後は吸入燃料量Fの増加の時間遅れによって混合気の空燃比A/Fがリーン側にずれてトルクTに落ち込みが発生する。そして、その後は吸気管の内壁に付着していた燃料の蒸発と燃料の加速増量によってシリンダ内に十分な量の燃料が吸入されるため、トルクTが再び立ち上がり、不快な所謂ギクシャク感が発生する。
【0005】
又、上述のようにギクシャク感が発生した後にトルクTが再び立ち上がるが、シリンダへの燃料の吸入は空気の吸入に対して遅れるためにトルクTの立ち上がりが緩慢となり、エンジン回転数Nの上昇に所謂モタツキが発生する。
【0006】
そこで、吸気通路のスロットル弁よりも上流側に負圧応動弁を設け、吸入空気をスロットル弁開度αに対して或る時定数をもって遅れてシリンダ内に吸入させ、吸入空気量Qの増加割合を吸入燃料量Fの増加割合に合わせることによって混合気のリーン化を防ぎ、空燃比A/Fを要求値に近づけて前記問題を解消することが行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述のように負圧応動弁を設けた場合であっても、加速初期の或る範囲においては吸入燃料量Fの増加は吸入空気量Qの増加に対して時間遅れが生じ、両者の増加割合に大きな差が生じるために混合気のリーン化が避けられず、ギクシャク感やエンジン回転上昇のモタツキを満足する程度に解消することはできなかった。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、加速初期における混合気のリーン化に伴うギクシャク感やエンジン回転上昇のモタツキを解消することができる内燃エンジンの吸気装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、燃焼室に連通する吸気通路内に燃料を供給する燃料供給手段と、上記吸気通路に設けられたスロットル弁と、上記吸気通路の上記スロットル弁よりも上流側に設けられた負圧応動弁を有し、上記負圧応動弁を、上記吸気通路を開閉する弁体と、該弁体に貫設された負圧通路を介して上記吸気通路に連通する負圧室と、弁体を閉じ側に付勢する付勢手段を含んで構成して成る内燃エンジンの吸気装置において、吸気管の内壁の上記弁体に対向する位置に突設される棒体を設け、上記棒体は、低負荷域において上記負圧通路に進入し、上記負圧応動弁は上記吸気通路に発生する負圧に対して開く方向に動く、ことを特徴とする。
【0010】
従って、本発明によれば、吸気通路の内壁への燃料の付着等のために吸入燃料量の増加割合の小さな加速初期段階においては負圧応動弁の弁体の負圧通路の断面積を絞り手段によって絞って弁体の開き速度を小さく抑えることができるため、吸入空気量の増加割合を吸入燃料量の増加割合に近づけて混合気のリーン化を防ぐことができ、エンジントルクとエンジン回転数をほぼ滑らかに立ち上げて不快なギクシャク感とエンジン回転上昇のモタツキを解消することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は本発明に係る吸気装置の構成を示す内燃エンジンの部分破断側面図、図2は図1の要部拡大詳細図である。
【0013】
図1に示す内燃エンジン1は水冷4サイクルエンジンであって、そのシリンダボディ2に形成されたシリンダ3にはピストン4が摺動自在に嵌装されている。尚、図示しないが、ピストン4はコンロッドを介してクランク軸に連結されており、該ピストン4のシリンダ3内での往復直線運動はコンロッドによってクランク軸の回転運動に変換される。
【0014】
又、前記シリンダボディ2の上部に被着されたシリンダヘッド5には燃焼室6と吸気通路7及び排気通路8が形成されるとともに、その電極部が燃焼室6に臨む点火プラグ9が螺着されている。そして、吸気通路7と排気通路8の燃焼室6に開口する吸気ポート7aと排気ポート8aは吸気バルブ10と排気バルブ11によってそれぞれ適当なタイミングで開閉されてシリンダ3内において所要のガス交換がなされる。
【0015】
即ち、上記吸気バルブ10と排気バルブ11はシリンダヘッド5に結着された筒状のバルブガイド12,13によってそれぞれ摺動自在に挿通保持されており、これらはバルブスプリング14,15によってそれぞれ閉じ側に付勢されている。
【0016】
又、シリンダヘッド5の上部には図1の紙面垂直方向にカム軸16,17がそれぞれ回転自在に配されており、各カム軸16,17に一体に形成された吸気カム16aと排気カム17aの各外周面には前記吸気バルブ10と排気バルブ11の各上端部がバルブリフター18,19を介して当接している。尚、図1において、20はヘッドカバーである。
【0017】
而して、内燃エンジン1が作動して不図示のクランク軸が回転駆動されると、クランク軸の回転は前記カム軸16,17に伝達されて該カム軸16,17がクランク軸の1/2の速度で回転駆動され、これらのカム軸16,17に一体に形成された前記吸気カム16aと排気カム17aに当接する前記吸気バルブ10と排気バルブ11がそれぞれ適当なタイミングで開閉されて前述のようにシリンダ3内において所要のガス交換がなされる。
【0018】
次に、本発明に係る吸気装置について説明する。
【0019】
前記シリンダヘッド5の吸気側端面には前記吸気通路7に連なる吸気管21の一端がゴム製のジョイント22によって連結されており、この吸気管21の他端にはエアクリーナ23内に下方から臨むゴム製のジョイント24が連結されている。尚、エアークリーナ23内にはエアフィルター25が収納されている。又、シリンダヘッド5の排気側端面には前記排気通路8に連なる不図示の排気管が取り付けられている。
【0020】
ところで、前記吸気管21内の前記吸気通路7に連なる吸気通路26にはスロットル弁27が設けられ、このスロットル弁27の上流(図1に矢印Aにて示す吸入空気の流れ方向に対して上流側)には負圧応動弁30が設けられており、吸気管21の負圧応動弁30に対向する部位にはインジェクタ28がボルト29によって取り付けられている。
【0021】
上記スロットル弁27は、スロットル操作によって回動して吸気通路26の断面積を変化させるものであって、その開度(スロットル弁開度α)は開度センサー31によって検出され、その検出信号は不図示のエンジンコントロールユニット(以下、ECUと略称する)に入力される。
【0022】
又、前記インジェクタ28は、不図示の燃料タンクからデリバリパイプ32を経て供給される燃料を適当なタイミングで吸気通路26の前記スロットル弁27の上流に向かって噴射するものであって、その噴射タイミングと噴射時間(燃料噴射量)は前記ECUによって制御される。
【0023】
ここで、前記負圧応動弁30について説明する。
【0024】
負圧応動弁30は、摺動することによって吸気通路26を開閉するピストン状の弁体である摺動絞り弁33と、該摺動絞り弁33に貫設された負圧通路34を介して吸気通路26に連通する負圧室35と、摺動絞り弁33を閉じ側に付勢するスプリング36を含んで構成されている。
【0025】
而して、吸気管21の外部には該吸気管21の一部とカバー37によって空間が形成されており、この空間は可撓性のダイヤフラム38によって前記負圧室35と大気室39とに画成されている。尚、ダイヤフラム38の周縁は吸気管21の一部と前記カバー37によって挟持されている。又、大気室39は不図示の孔を介して大気に連通しており、その内圧は大気圧に保たれている。
【0026】
一方、前記摺動絞り弁33は吸気管21に摺動自在に挿通保持されており、その上端部は前記ダイヤフラム38によって支持されている。そして、この摺動絞り弁33は、これと前記カバー37との間に縮装された前記スプリング36によって前述のように閉じ側に付勢されている。
【0027】
ところで、本実施の形態においては、図2に詳細に示すように、吸気管21の内壁の前記摺動絞り弁33に対向する位置には、摺動絞り弁33に貫設された前記負圧通路34に対して出没する円柱状の棒体40が突設されており、後述のように、この棒体40はスロットル弁27の開度αが所定値以下の低負荷域において図示のように摺動絞り弁33の負圧通路34に進入して該負圧通路34の断面積を絞る絞り手段を構成している。
【0028】
次に、本発明に係る吸気装置の作用を説明する。
【0029】
内燃エンジン1が始動されてピストン4がシリンダ3内で下動する吸気行程において吸気バルブ10が開くと、シリンダ3内に発生する負圧に引かれて空気がエアクリーナ23内に流入し、この空気はエアフィルター25を通過して浄化された後、エアクリーナ23内に開口するジョイント24から吸気通路26内に流入する。そして、吸気通路26を流れる空気にインジェクタ28から適当なタイミングで吸気通路26内に噴射される燃料が混合されることによって所定の空燃比A/Fの混合気が形成され、この混合気はスロットル弁27を通過してシリンダヘッド5の吸気通路7を流れ、吸気バルブ10を通って吸気ポート7aからシリンダ3内に流入する。その後、シリンダ3内の混合気は吸気バルブ10が閉じてピストン4がシリンダ3内を上動する圧縮行程において圧縮され、ピストン4が上死点近傍に達した時点で前記点火プラグ9によって着火燃焼せしめられる。
【0030】
ここで、本実施の形態に係る内燃エンジン1のスロットル弁開度α、吸入空気量Q、吸入燃料量F、エンジントルクT及びエンジン回転数Nの過渡特性を図3に示すが、スロットル開度αが小さいアイドリング運転を含む低負荷運転時には吸入空気量Qが小さく、吸入空気の流速も小さいために吸気通路26に発生する負圧が小さい。従って、負圧応動弁30の摺動絞り弁33に貫設された負圧通路34を介して吸気通路26に連通する負圧室35の負圧も小さく、摺動絞り弁33はスプリング36の付勢力によって図示のように閉じられ、このとき、前記棒体40は摺動絞り弁33の負圧通路34に進入して該負圧通路26の断面積を絞っている。
【0031】
而して、図3に示す時間T1 においてスロットル弁27を急に開いて急加速した場合、吸入空気量Qの増大と共に吸気通路26の負圧が大きくなるが、加速初期においては前述のように棒体40が摺動絞り弁33の負圧通路34に進入して該負圧通路34の断面積を絞っているために負圧室35内の負圧は緩慢に増大していく。このため、負圧室35の負圧に基づいてダイヤフラム38に作用する力もゆっくりと増大し、摺動絞り弁33もスプリング36の付勢力に抗して従来よりもゆっくりと摺動して吸気通路26を開く。
【0032】
従って、本実施の形態においては、図3に示すように、加速初期においては吸入空気量Qの増加割合は吸入燃料量Fの増加割合に沿って小さく抑えられ、加速初期における混合気のリーン化が防がれる。
【0033】
そして、摺動絞り弁33が徐々に開いてやがて図3に示す時間T2 においてその負圧通路34から棒体40が抜けると、負圧通路34の断面積が急拡大するため、吸気通路26の負圧がそのまま負圧室35に作用し、摺動絞り弁33の開く速度が速くなる(加速度が大きくなる)ために図3に示すように吸入空気量Qの増加割合が吸入燃料量Fの増加割合に沿って大きくなる。尚、比較のために従来の吸入空気量の特性(図8参照)を図3に示したが、本実施の形態では吸入空気量Qを2段階に増加させることによって吸入空気量Qの増加割合を吸入燃料量Fの増加割合に近づけることができ、混合気のリーン化を防ぐことができる。
【0034】
以上のように、本実施の形態においては、吸気管21の内壁への燃料の付着等のために吸入燃料量Fの増加割合の小さな加速初期(図3の時間T1 〜T2 の領域)においては摺動絞り弁33の負圧通路34の断面積を棒体40によって絞って摺動絞り弁33の開き速度を小さく抑えたため、吸入空気量Qの増加割合を吸入燃料量Fの増加割合に近づけて混合気のリーン化を防ぐことができ、図3に示すようにエンジントルクTがほぼ滑らかに立ち上がって不快なギクシャク感が解消されるとともに、エンジン回転数Nもモタツキなく滑らかに上昇する。
【0035】
ところで、図4(a)〜(d)に棒体40の各種形状を示し、図5(a)〜(d)に図4(a)〜(d)に示す棒体40を用いた場合の負圧通路34の断面積Sの変化を摺動絞り弁33のストロークLに対して示す図、図6は図4(a)〜(d)に示す棒体40を用いた場合の吸入空気量Qの加速初期における過渡特性を示す図である。
【0036】
図4(a)に示す本実施の形態に係る円柱状の棒体40を使用した場合、その断面積S2 は全長d0 に亘って一定であるため、図5(a)に示すように摺動絞り弁33のストロークLがd0 未満(L<d0 )の間(つまり、負圧通路34に棒体40が進入している間)は摺動絞り弁33の負圧通路34の断面積Sは棒体40によって絞られて(S1 −S2 )となる(S1 は負圧通路34に棒体40が進入していない場合の負圧通路34の断面積)。そして、摺動絞り弁33のストロークLがd0 に達すると(つまり、負圧通路34から棒体40が抜けると)、摺動絞り弁33の負圧通路34の断面積Sは棒体40によって絞られないためにS1 に急拡大する。そして、この場合の吸入空気量Qの過渡特性は図6において折れ線(a)に示されるが、棒体40が負圧通路34から抜けた瞬間(時間T2 )において吸入空気量Qは急増し、その後はやや緩慢に増大する。
【0037】
これに対して、図4(b)〜(d)に示す棒体40は断面積が先端に向かって変化するよう成形されたものであって、これらの棒体40を用いることによって負圧通路34の断面積Sを摺動絞り弁33のストロークLに応じて変化させることができる。
【0038】
即ち、図4(b)に示す棒体40は、長さd1 の部分40aは断面積S2 が一定の円柱で構成され、それより先の部分40bは円錐状に成形されてその部分40bの断面積は先端に向かって漸減している。
【0039】
従って、図4(b)に示す棒体40を使用した場合、その断面積は長さd1 の部分では一定(S2 )であるため、棒体40が負圧通路34に進入していて摺動絞り弁33のストロークLがd1 未満(L<d1 )の間は図5(b)に示すように摺動絞り弁33の負圧通路34の断面積Sは棒体40によって絞られて(S1 −S2 )となる。そして、摺動絞り弁33のストロークLがd1 〜d2 である場合(d1 <L<d2 )には、負圧通路34の断面積Sは(S1 −S2 )からS1 に2次曲線的に漸増し、やがて摺動絞り弁33のストロークLが(d1 +d2 )を超える(つまり、負圧通路34から棒体40が抜けると)、摺動絞り弁33の負圧通路34の断面積Sは棒体40によって絞られないためにS1 の一定値を示す。そして、この場合の吸入空気量Qの過渡特性は図6に曲線(b)にて示されるが、加速初期において吸入空気量Qは2次曲線的に漸増する。
【0040】
又、図4(c),(d)示す棒体40はその断面積が先端部に向かって漸減する先細り形状に成形したものであって、図4(c)に示す棒体40は全長d3 に亘って円錐状に成形され、図4(d)に示す棒体40は全長d4 に亘ってニードル状に成形されている。
【0041】
而して、図4(b),(c)に示す棒体40を使用した場合、その断面積は先端に向かって漸減するため、摺動絞り弁33のストロークLがそれぞれd3 ,d4 未満(L<d3 ,L<d4 )である間(つまり、負圧通路34に棒体40が進入している間)は摺動絞り弁33の負圧通路34の断面積Sは棒体40によって絞られ、図5(c),(d)にそれぞれ示すように負圧通路34の断面積Sは摺動絞り弁33のストロークLの増大に伴って(S1 −S2 )からS1 まで2次曲線的に漸増する。そして、摺動絞り弁33のストロークLがそれぞれd3 ,d4 を超える(L>d3 ,>d4 )と(つまり、負圧通路34から棒体40が抜けると)、摺動絞り弁33の負圧通路34の断面積Sは棒体40によって絞られないためにS1 の一定値を示す。そして、これらの場合の吸入空気量Qの過渡特性は図6に曲線(c),(d)にてそれぞれ示されるが、加速初期において吸入空気量Qは2次曲線的に漸増する。
【0042】
而して、図4(b)〜(d)に示すような断面積が先端に向かって変化する棒体40を用いることによって図6に曲線(b)〜(d)にて示すように吸入空気量Qを滑らかに漸増させることができるため、吸入空気量Qの増加割合を吸入燃料量Fの増加割合により一層近づけて混合気のリーン化を更に確実に防ぐことができ、エンジントルクT及びエンジン回転数Nをより滑らかに立ち上げてギクシャク感とエンジン回転数Nの上昇のモタツキをより効果的に解消することができる。
【0043】
尚、棒体40の径(断面積)は低負荷時の負圧応動弁30の応答特性に基づいて決定される。
【0044】
ところで、負圧応動弁30は、主に吸気通路26に発生する負圧、摺動絞り弁33を付勢するスプリング36のばね定数及び摺動絞り弁33の重量によってほぼ決定され、定常時においては負圧に基づく力とスプリング36の付勢力及び摺動絞り弁33の重量が釣り合うまで摺動絞り弁33が摺動する。又、加速や減速時等の過渡時においては、スプリング36のばね定数及び摺動絞り弁33の重量によって摺動絞り弁33の加速度がほぼ決定される。
【0045】
而して、棒体40が負圧通路34に進入している運転領域では、負圧通路34の絞りを大きくすることによって図7に実線Q’にて示すように吸入空気量Q’の増加割合を破線Qにて示す前記実施の形態における吸入空気量Qの増加割合よりも小さく抑えることができる。
【0046】
そして、摺動絞り弁33の加速度が前記実施の形態におけるそれよりも大きくなるようにスプリング36のばね定数と摺動絞り弁33の重量を設定しておき(具体的には、ばね定数及び重量共に小さく設定しておく)、棒体40が負圧通路34から抜けると吸入空気量Q’の増加割合が破線Qにて示す前記実施の形態における吸入空気量Qの増加割合よりも大きくすることによって吸入空気量Q’の増加割合を実際の吸入燃料量Fの増加率により近づけることができ、混合気の空燃比A/Fの所期の値からのズレをより小さく抑えて混合気の燃焼の安定化を図り、図7に破線T’に示すようにエンジントルクT’を実線Tにて示される前記実施の形態におけるエンジントルクTよりも滑らかに立ち上げることができ、加速の初期段階におけるギクシャク感とエンジン回転上昇のモタツキに関する問題をより効果的に解消することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、燃焼室に連通する吸気通路内に燃料を供給する燃料供給手段と、前記吸気通路に設けられたスロットル弁と、前記吸気通路の前記スロットル弁よりも上流側に設けられた負圧応動弁を有し、前記負圧応動弁を、前記吸気通路を開閉する弁体と、該弁体に貫設された負圧通路を介して前記吸気通路に連通する負圧室と、弁体を閉じ側に付勢する付勢手段を含んで構成して成る内燃エンジンの吸気装置において、前記スロットル弁の開度が所定値以下の低負荷域において前記負圧応動弁の負圧通路の断面積を絞る絞り手段を設けたため、吸気通路の内壁への燃料の付着等のために吸入燃料量の増加割合の小さな加速初期段階においては負圧応動弁の弁体の負圧通路の断面積を絞り手段によって絞って弁体の開き速度を小さく抑えることができ、吸入空気量の増加割合を吸入燃料量の増加割合に近づけて混合気のリーン化を防ぎ、エンジントルクとエンジン回転数をほぼ滑らかに立ち上げて不快なギクシャク感とエンジン回転上昇のモタツキを解消することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吸気装置の構成を示す内燃エンジンの部分破断側面図である。
【図2】図1の要部拡大詳細図である。
【図3】本発明に係る吸気装置を備える内燃エンジンのスロットル弁開度α、吸入空気量Q、吸入燃料量F、エンジントルクT及びエンジン回転数Nの過渡特性を示す図である。
【図4】(a)〜(d)は棒体の各種形状を示す図である。
【図5】(a)〜(d)は図4(a)〜(d)に示す棒体を用いた場合の摺動絞り弁の負圧通路断面積Sの変化を摺動絞り弁のストロークLに対して示す図である。
【図6】図4(a)〜(d)に示す棒体を用いた場合の吸入空気量Qの過渡特性を示す図である。
【図7】本発明の別形態に係る吸気装置を備える内燃エンジンの吸入空気量Qと吸入燃料量F及びエンジントルクTの過渡特性を示す図である。
【図8】従来の吸気装置を備える内燃エンジンのスロットル弁開度α、吸入空気量Q、吸入燃料量F、エンジントルクT及びエンジン回転数Nの過渡特性を示す図である。
【符号の説明】
1 内燃エンジン
6 燃焼室
26 吸気通路
27 スロットル弁
28 インジェクタ(燃料供給手段)
30 負圧応動弁
33 摺動絞り弁(弁体)
34 負圧通路
35 負圧室
36 スプリング(付勢手段)
40 棒体(絞り手段)
α スロットル弁開度
F 吸入燃料量
Q 吸入空気量

Claims (1)

  1. 燃焼室に連通する吸気通路内に燃料を供給する燃料供給手段と、前記吸気通路に設けられたスロットル弁と、前記吸気通路の前記スロットル弁よりも上流側に設けられた負圧応動弁を有し、前記負圧応動弁を、前記吸気通路を開閉する弁体と、該弁体に貫設された負圧通路を介して前記吸気通路に連通する負圧室と、弁体を閉じ側に付勢する付勢手段を含んで構成して成る内燃エンジンの吸気装置において、
    吸気管の内壁の前記弁体に対向する位置に突設される棒体を設け、前記棒体は、低負荷域において前記負圧通路に進入し、
    前記負圧応動弁は前記吸気通路に発生する負圧に対して開く方向に動く、
    ことを特徴とする内燃エンジンの吸気装置。
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