JP4016832B2 - 車両用暖房装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用暖房装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用暖房装置では、エンジン冷却水を熱源として室内に吹き出す空気を加熱するヒータのエンジン冷却水流れ上流側に燃焼式ヒータ等の加熱器を設けるとともに、ヒータに流入する冷却水を加熱器にて加熱することにより暖房能力を加熱器にて補完して急速暖房能力を高めている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2913484号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1に記載の発明では、車両に搭載された熱機関であるエンジンとヒータとの間でエンジン冷却水を循環させる温水回路に加熱器を設けているので、加熱器からエンジン冷却水に与えられた熱がエンジンに吸熱されてしまうおそれが高い。
【0005】
しかも、エンジンの熱容量は非常に大きいので、加熱器からエンジン冷却水に与えられた熱の多くがエンジンに吸熱されてしまい、ヒータに流入するエンジン冷却水の温度を短時間で暖房を行うに十分な温度まで上昇させることは難しい。
【0006】
したがって、特許文献1に記載の発明では、急速暖房能力を効果的に高めことが難しいと言う問題を有している。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な車両用暖房装置を提供し、第2には、急速暖房能力を確実に高めことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、車両に搭載された熱機関(2)で発生した熱を回収した冷却液を熱源として室内に吹き出す空気を加熱するヒータ(1)と、ヒータ(1)を流出した冷却液を熱機関(2)を迂回させてヒータ(1)に導くバイパス通路(3)と、熱機関(2)から流出してヒータ(1)側に供給される冷却液通路を開閉する弁であって、バイパス通路(3)及びヒータ(1)からなる冷却液の閉回路を構成するための制御バルブ(4)と、閉回路のうちヒータ(1)の冷却液入口側に設けられ、冷却液を加熱する加熱器(5)と、閉回路のうちバイパス通路(3)に設けられ、冷却液を循環させるポンプ(6)と、閉回路のうちバイパス通路(3)に設けられ、制御バルブ(4)を開いて閉回路を開いたときに熱機関(2)から流出した冷却液がヒータ(1)を迂回して循環することを防止する逆止弁(7)と、熱機関(2)から流出した冷却液と室外空気とを熱交換して冷却液を冷却する放熱器(8)と、放熱器(8)に循環させる冷却液量と放熱器(8)を迂回させる冷却液量とを調節する流量制御弁(9)と、熱機関(2)から動力を得て冷却液を循環させるポンプ(10)とを備え、制御バルブ(4)は、熱機関(2)と閉回路との間に設けられており、熱機関(2)、放熱器(8)、流量制御弁(9)及びポンプ(10)からなる冷却液回路から閉回路を独立させるように構成されており、熱機関(2)から流出する冷却液の温度が所定温度以下の場合には、閉回路を構成した状態で加熱器(5)及びポンプ(6)を稼動させることを特徴とする。
【0009】
これにより、加熱器(5)で発生した熱が、熱容量が非常に大きい熱機関(2)に吸熱されてしまうことを防止できるので、ヒータ(1)に流入する冷却液の温度を短時間で暖房を行うに十分な温度まで上昇させることができ、急速暖房能力を効果的に高めことができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、熱機関(2)から流出する冷却液の温度が、所定温度より高く、かつ、所定温度より高い第2の所定温度以下の場合には、制御バルブ(4)を作動させて加熱器(5)にて加熱された冷却液が熱機関(2)内を循環し得る状態として加熱器(5)を稼動させることを特徴とする。
【0011】
これにより、暖房能力を加熱器(5)にて補完しつつ、加熱器(5)で発生した熱を冷却液を介して熱機関(2)に与えることができるので、急速暖房を行いながら、熱機関(2)の暖機運転を促進することができる。延いては、暖機運転時間を短縮することができるので、冷間始動時(コールドスタート時)に排出ガスと共に排出される有害物質を低減することができる。
【0012】
また、本発明では、熱機関(2)で発生した熱を回収した冷却液を加熱器(5)で更に加熱することにより、熱機関(2)で発生した熱を有効利用して加熱器(5)の消費エネルギが増大することを抑制しながら暖房能力を補完することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、熱機関(2)から流出する冷却液の温度が第2の所定温度より高い場合には加熱器(5)を停止させることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4に記載の発明では、熱機関(2)内を循環する冷却液の温度が閉回路内を循環する冷却液の温度以上となったときに、制御バルブ(4)を作動させて熱機関(2)内を循環した冷却液がヒータ(1)に循環し得る状態とすることを特徴とする。
【0015】
これにより、ヒータ(1)に流れる込む冷却液の温度が急激に低下するように変化してしまうことを未然に防止できるので、空調感が大きく悪化してしまうことを防止でき得る。
【0016】
請求項5に記載の発明では、車両に搭載された熱機関(2)で発生した熱を回収した冷却液を熱源として室内に吹き出す空気を加熱するヒータ(1)と、ヒータ(1)を流出した冷却液を熱機関(2)を迂回させてヒータ(1)に導くバイパス通路(3)と、熱機関(2)から流出してヒータ(1)側に供給される冷却液通路を開閉する弁であって、バイパス通路(3)及びヒータ(1)からなる冷却液の閉回路を構成するための制御バルブ(4)と、閉回路のうちヒータ(1)の冷却液入口側に設けられ、冷却液を加熱する加熱器(5)と、閉回路のうちバイパス通路(3)に設けられ、冷却液を循環させるポンプ(6)と、閉回路のうちバイパス通路(3)に設けられ、制御バルブ(4)を開いて閉回路を開いたときに熱機関(2)から流出した冷却液がヒータ(1)を迂回して循環することを防止する逆止弁(7)と、熱機関(2)から流出した冷却液と室外空気とを熱交換して冷却液を冷却する放熱器(8)と、放熱器(8)に循環させる冷却液量と放熱器(8)を迂回させる冷却液量とを調節する流量制御弁(9)と、熱機関(2)から動力を得て冷却液を循環させるポンプ(10)とを備え、制御バルブ(4)は、熱機関(2)と閉回路との間に設けられており、熱機関(2)、放熱器(8)、流量制御弁(9)及びポンプ(10)からなる冷却液回路から閉回路を独立させるように構成されており、熱機関(2)が始動する前に室内の暖房を行うプレヒート時には、閉回路を構成した状態で加熱器(5)及びポンプ(6)を稼動させることを特徴とする。
【0017】
これにより、加熱器(5)で発生した熱が、熱容量が非常に大きい熱機関(2)に吸熱されてしまうことを防止できるので、ヒータ(1)に流入する冷却液の温度を短時間で暖房を行うに十分な温度まで上昇させることができ、プレヒート時における急速暖房能力を効果的に高めことができる。
【0018】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本実施形態に係る車両用暖房装置の温水回路(エンジン冷却水回路)を示す模式図であり、図2は燃焼式ヒータの構造を示す模式図である。
【0020】
図1中、ヒータ1は、走行用のエンジン2で発生した熱を回収するエンジン冷却水を熱源として室内に吹き出す空気を加熱する暖房用熱交換器であり、バイパス通路3は、ヒータ1を流出したエンジン冷却水をエンジン2を迂回させてヒータ1に導く冷却液通路である。
【0021】
開閉弁4はエンジン2から流出してヒータ1側に供給されるエンジン冷却水通路を開閉することにより、バイパス通路3とヒータ1との間で温水(エンジン冷却水)を循環させる閉回路を構成するための制御バルブである。
【0022】
そして、この閉回路のうちヒータ1のエンジン冷却水入口側には、エンジン冷却水を加熱する加熱器をなす燃焼式ヒータ5が設けられ、閉回路のうちバイパス通路3には、エンジン冷却水を循環させる電動式のポンプ6、及び開閉弁4を開いて閉回路を開いたときにエンジン2から流出したエンジン冷却水がヒータ1を迂回して循環することを防止する逆止弁7が設けられている。なお、燃焼式ヒータ5の構造は後述する。
【0023】
ラジエータ8はエンジン2から流出したエンジン冷却水と室外空気とを熱交換してエンジン冷却水を冷却する放熱器であり、サーモスタット9は、ラジエータ8に循環させるエンジン冷却水量とラジエータ8を迂回させるエンジン冷却水量とを調節することによりエンジン2の温度を所定温度に保つための流量制御弁である。
【0024】
ポンプ10はエンジン2から動力を得てエンジン冷却水を循環させる渦巻きポンプ等の遠心ポンプである。なお、ポンプ10はエンジン2から動力を得て稼動するので、エンジン回転数に比例してポンプ回転数が変化し、その稼動状態は制御することができない。一方、ポンプ6は電動式であるので、エンジン2の稼動状態に影響されることなく、その稼動状態を制御することができる。
【0025】
なお、図示しない電子制御装置には、エンジン2から流出するエンジン冷却水の温度、燃焼式ヒータ5から流出するエンジン冷却水の温度(後述する水温センサ5tの検出温度)、並びに室内空気温度や室外空気温度及び乗員が設定入力した希望温度等が入力されており、電子制御装置はこれらの検出値に基づいて予め設定されたプログラムに従って開閉弁4、燃焼式ヒータ5及びポンプ6等を制御する。
【0026】
次に、燃焼式ヒータ5について述べる。
【0027】
図2中、第1燃焼筒5aは燃料を着火燃焼させる第1燃焼室5bを構成するコップ状のものであり、この第1燃焼筒5aの開口側には、第1燃焼筒5aにて発生した火炎を拡大燃焼させる第1燃焼室5cを構成する円筒状の第2燃焼筒5dが溶接されている。
【0028】
因みに、本実施形態では、第1燃焼室5bと第2燃焼室5cとを連通させるオリフィス5eの直径を、第1燃焼室5bの直径、及び第2燃焼室5cの直径より小さくすることで、第1燃焼室5b内の火炎が吹き消えて失火してしまうことを防止している。
【0029】
また、第1燃焼筒5aの円筒部には、第1燃焼室5b内に燃焼用空気を導入する複数個の空気導入口5f、及び第1燃焼室5b内のうち燃料が濃い領域に空気を吹き出す複数個の吹出口5gが設けられている。
【0030】
ここで、空気導入口5fは、図3(a)に示すように、第1燃焼筒5aの軸方向と直交する方向、すなわち第1燃焼筒5aの中心軸側に向けて開口し、一方、吹出口5gは、図3(b)、(c)に示すように、空気導入口5fと同一方向に開口した空気穴5hと対向する位置に所定間隔を有して配置された衝突板5iにより、その空気吹出方向が第1燃焼筒5aの内周面に沿った周方向となるように開口している。
【0031】
したがって、空気導入口5fから第1燃焼室5b内に流入した空気は、図4に示すように、第1燃焼筒5aの径方向中心側、すなわち第1燃焼筒5aの中心軸側に向けて吹き出し、吹出口5gから吹き出す空気は、衝突板5iにより第1燃焼筒5aの内周面に沿った周方向両側(図4の右回り及び左回り)に吹き出す。
【0032】
また、吹出口5gは、2個1組、つまり衝突板1個につき両側に吹出口5gが形成されて第1燃焼筒5aの周方向に4組並んで設けられ、各衝突板5iには、第1燃焼筒5aの軸方向と直交する方向、つまり第1燃焼筒5aの中心軸側に向けて開口した空気穴5jが設けられている。
【0033】
また、第1燃焼筒5aの軸方向一端側には、図3(a)に示すように、燃料を保持する略円盤状のウィック5kが配設されており、このウィック5kは金属メッシュ製のもので、その空隙に燃料を一時的に保持することにより燃料の気化を促すものである。なお、ウィック押さえ5mはウィック5kを第1燃焼筒5aに固定するリング状に形成されたものである。
【0034】
また、グロープラグ5nは通電することによりウィック5kに保持された燃料を加熱着火させるものであり、このグロープラグ5nは、その長手方向が第1燃焼室5bの軸方向と直交する方向に延びて第1燃焼筒5a内外を貫通した状態で、グロープラグ5nの長手方向とウィック5kとが略平行となるように第1燃焼筒5aに固定されている。
【0035】
また、図2中、冷却水通路5pは第2燃焼筒5d周りに形成された円筒状の排気通路5qを覆うように形成された、一種のウォータジャケットであり、この冷却水通路5pを流通する冷却水と排気通路5qを流通する燃焼ガスとを熱交換することより燃焼により発生した熱をエンジン冷却水に取り込む熱交換器が構成されている。
【0036】
因みに、流入口5rは冷却水の流入部であり、流出口5sは冷却水の流出部であり、水温センサ5tは冷却水通路5p内(流出口5s近傍)の冷却水温度を検出する温度検出手段である。
【0037】
また、冷却水側伝熱フィン5uは冷却水との伝熱面積を増大させるものであり、燃焼ガス側伝熱フィン5vは燃焼ガスとの伝熱面積を増大させるものであり、これらのフィン5u、5vにより熱交換器3の熱交換効率の向上を図っている。
【0038】
また、第1排気口5wは熱交換を終えて流出する燃焼ガスを燃焼式ヒータ5外に排出する通路であり、この排気口5w近傍には、電気抵抗値の変化を利用して燃焼ガスの温度を検出することにより着火又は失火を検出するフレームセンサ5xが配設され、燃料ポンプから送られてくる燃料は、燃料パイプ5yを介してウィック5kに供給され、エアポンプ5oは吸入口5zから空気を吸入する。
【0039】
なお、図2ではエアポンプ5oは、軸流ポンプのごとく記載されているが、本実施形態では、エアポンプ5oとして、ウェスコ(渦流)式のエアポンプを採用している。
【0040】
次に、本実施形態に係る車両用暖房装置の特徴的作動及びその効果を述べる。
【0041】
1.エンジン冷却水の温度が第1所定温度以下のとき(図5参照)
エンジン冷却水の温度が第1所定温度以下のときには、開閉弁4を閉じて前記閉回路を構成した状態で燃焼式ヒータ5及びポンプ6を稼動させる。
【0042】
これにより、燃焼式ヒータ5にて加熱されたエンジン冷却水(温水)は、エンジン2内を循環することなく、燃焼式ヒータ5→ヒータ1→ポンプ6→逆止弁7→燃焼式ヒータ5の順で閉回路内を循環する。
【0043】
したがって、燃焼式ヒータ5で発生した熱が熱容量が非常に大きいエンジン2に吸熱されてしまうことを防止できるので、ヒータ1に流入するエンジン冷却水の温度を短時間で暖房を行うに十分な温度まで上昇させることができ、急速暖房能力を効果的に高めことができる。
【0044】
なお、第1所定温度は室内に吹き出す空気を十分に加熱することができる程度の温度に設定する必要があり、本実施形態では、第1所定温度を約60℃としている。
【0045】
2.エンジン冷却水の温度が第1所定温度より高く、かつ、第2所定温度以下のとき(図6参照)
開閉弁4を開いて燃焼式ヒータ5にて加熱されたエンジン冷却水がエンジン2内を循環し得るオープン状態として燃焼式ヒータ5を稼動し続ける。
【0046】
なお、ポンプ10にてエンジン冷却水をヒータ1にも循環させることができるので、ポンプ6は停止させることが望ましいが、燃焼式ヒータ5が停止するまで稼動させ続けてもよい。
【0047】
これにより、暖房能力を燃焼式ヒータ5にて補完しつつ、燃焼式ヒータ5で発生した熱をエンジン冷却水を介してエンジン2に与えることができるので、急速暖房を行いながら、エンジン2の暖機運転を促進することができる。延いては、暖機運転時間を短縮することができるので、冷間始動時(コールドスタート時)に排出ガスと共に排出される有害物質を低減することができる。
【0048】
なお、第2所定温度は、第1所定温度より高い温度であって、エンジン2側のエンジン冷却水がヒータ1側に流入しても暖房装置から室内に吹き出す空気の温度が大きく低下して乗員に対して違和感を与えない程度の温度に設定する必要があり、本実施形態では第2所定温度を約80℃としている。
【0049】
3.エンジン冷却水の温度が第2所定温度より高いとき
オープン状態としたまま燃焼式ヒータ5を停止させて、エンジン2から流出するエンジン冷却水を燃焼式ヒータ5にて加熱することなくヒータ1に循環させる。
【0050】
これにより、エンジン2の廃熱のみで暖房を行うこととなるので、暖房のために必要な燃料を低減することができる。
【0051】
なお、本実施形態では、第2所定温度より高い温度であって、エンジン2から流出するエンジン冷却水のみで十分に暖房ができる温度(例えば、85℃)となったときに燃焼式ヒータ5を停止させている。
【0052】
(第2実施形態)
第1実施形態では、エンジン冷却水の温度が第1所定温度より高くなったときに、一気に開閉弁4を開けたが、本実施形態では、エンジン冷却水の温度が第1所定温度より高くなったときに、所定の時間を費やして徐々に閉回路状態からオープン状態に移行するものである。
【0053】
これにより、エンジン冷却水の温度が第1所定温度より高くなったときに、ヒータ1に流れる込むエンジン冷却水の温度が急激に低下するように変化してしまうことを未然に防止できるので、乗員に対して大きな違和感を与えてしまうことを防止でき得る。
【0054】
(第3実施形態)
第1実施形態では、エンジン冷却水の温度が第1所定温度より高くなったときに開閉弁4を開けたが、本実施形態では、エンジン2内を循環するエンジン冷却水の温度が前記閉回路内を循環するエンジン冷却水の温度以上となったときに、開閉弁4を開いて閉回路をオープン状態とするものである。
【0055】
これにより、ヒータ1に流れる込むエンジン冷却水の温度が急激に低下するように変化してしまうことを未然に防止できるので、乗員に対して大きな違和感を与えてしまうことを防止でき得る。
【0056】
(第4実施形態)
本実施形態は、エンジン2を始動させる前に室内の暖房を行うプレーヒート運転に本発明を適用したものである。
【0057】
具体的には、プレーヒート運転時には、図7に示すように、開閉弁4を閉じて閉回路を構成した状態で燃焼式ヒータ5及びポンプ6を稼動させるものである。
【0058】
これにより、燃焼式ヒータ5で発生した熱が熱容量が非常に大きいエンジン2に吸熱されてしまうことを防止できるので、ヒータ1に流入するエンジン冷却水の温度を短時間で暖房を行うに十分な温度まで上昇させることができ、急速暖房能力を効果的に高めことができる。
【0059】
なお、エンジン2が停止しているときには、エンジン2内の通水抵抗が非常に大きいので、開閉弁4を開いてもエンジン2側に殆どエンジン冷却水が流れない。したがって、開閉弁4を開いた状態で燃焼式ヒータ5及びポンプ6を稼動させても本実施形態を実施することができる。
【0060】
(第5実施形態)
上述の実施形態では、開閉弁4を燃焼式ヒータ5のエンジン冷却水入口側に設けたが、本実施形態は、図8に示すように、バイパス通路3とヒータ1のエンジン冷却水出口側との合流部よりエンジン2側に開閉弁4を配置したものである。
【0061】
(第6実施形態)
上述の実施形態では、二方弁である開閉弁4にて閉回路状態とオープン状態とを切り替えたが、本実施形態は、図9に示すように、三方弁4aにて閉回路状態とオープン状態とを切り替える制御バルブを構成したものである。
【0062】
なお、本実施形態では、閉回路状態において、エンジン2から流出した冷却水は、三方弁4aにより切り替えられたバイパス通路3aを流れるので、閉回路状態におけるエンジン2側の通水抵抗が小さくなる。したがって、ポンプ10の負荷が小さくなるので、ポンプ10の消費動力が小さくなり、車両燃費が向上する。
【0063】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、ヒータ1内を循環するエンジン冷却水を加熱する加熱器として燃焼式ヒータを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば電気ヒータを用いてもよい。
【0064】
また、上述の実施形態では第1所定温度を60℃としたが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、第1所定温度を低く設定すれば、暖機運転時間をより短縮することができ得る。
【0065】
また、上述の熱機関として内燃機関であるエンジンを採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用暖房装置の温水回路(エンジン冷却水回路)を示す模式図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る燃焼式ヒータの構造を示す模式図である。
【図3】(a)は図2の一部拡大図であり、(b)は(a)のA−A断面図であり、(c)は(a)のB−B断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る燃焼器の第2燃焼筒の径方向断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る車両用暖房装置の温水回路の温水流れを示す模式図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る車両用暖房装置の温水回路の温水流れを示す模式図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る車両用暖房装置の温水回路の温水流れを示す模式図である。
【図8】本発明の第5実施形態に係る車両用暖房装置の温水回路(エンジン冷却水回路)を示す模式図である。
【図9】本発明の第6実施形態に係る車両用暖房装置の温水回路(エンジン冷却水回路)を示す模式図である。
【符号の説明】
1…ヒータ、2…エンジン、3…バイパス通路、4…開閉弁、
5…燃焼式ヒータ、6…電動ポンプ、7…逆止弁、8…ラジエータ、
9…サーモスタット、10…メカポンプ。

Claims (5)

  1. 車両に搭載された熱機関(2)で発生した熱を回収した冷却液を熱源として室内に吹き出す空気を加熱するヒータ(1)と、
    前記ヒータ(1)を流出した冷却液を前記熱機関(2)を迂回させて前記ヒータ(1)に導くバイパス通路(3)と、
    前記熱機関(2)から流出して前記ヒータ(1)側に供給される冷却液通路を開閉する弁であって、前記バイパス通路(3)及び前記ヒータ(1)からなる冷却液の閉回路を構成するための制御バルブ(4)と、
    前記閉回路のうち前記ヒータ(1)の冷却液入口側に設けられ、冷却液を加熱する加熱器(5)と、
    前記閉回路のうち前記バイパス通路(3)に設けられ、冷却液を循環させるポンプ(6)と
    前記閉回路のうち前記バイパス通路(3)に設けられ、前記制御バルブ(4)を開いて前記閉回路を開いたときに前記熱機関(2)から流出した冷却液が前記ヒータ(1)を迂回して循環することを防止する逆止弁(7)と、
    前記熱機関(2)から流出した冷却液と室外空気とを熱交換して冷却液を冷却する放熱器(8)と、
    前記放熱器(8)に循環させる冷却液量と前記放熱器(8)を迂回させる冷却液量とを調節する流量制御弁(9)と、
    前記熱機関(2)から動力を得て冷却液を循環させるポンプ(10)とを備え、
    前記制御バルブ(4)は、前記熱機関(2)と前記閉回路との間に設けられており、前記熱機関(2)、前記放熱器(8)、前記流量制御弁(9)及び前記ポンプ(10)からなる冷却液回路から前記閉回路を独立させるように構成されており、
    前記熱機関(2)から流出する冷却液の温度が所定温度以下の場合には、前記閉回路を構成した状態で前記加熱器(5)及び前記ポンプ(6)を稼動させることを特徴とする車両用暖房装置。
  2. 前記熱機関(2)から流出する冷却液の温度が、前記所定温度より高く、かつ、前記所定温度より高い第2の所定温度以下の場合には、前記制御バルブ(4)を作動させて前記加熱器(5)にて加熱された冷却液が前記熱機関(2)内を循環し得る状態として前記加熱器(5)を稼動させることを特徴とする請求項1に記載の車両用暖房装置。
  3. 前記熱機関(2)から流出する冷却液の温度が前記第2の所定温度より高い場合には前記加熱器(5)を停止させることを特徴とする請求項2に記載の車両用暖房装置。
  4. 前記熱機関(2)内を循環する冷却液の温度が前記閉回路内を循環する冷却液の温度以上となったときに、前記制御バルブ(4)を作動させて前記熱機関(2)内を循環した冷却液が前記ヒータ(1)に循環し得る状態とすることを特徴とする請求項1に記載の車両用暖房装置。
  5. 車両に搭載された熱機関(2)で発生した熱を回収した冷却液を熱源として室内に吹き出す空気を加熱するヒータ(1)と、
    前記ヒータ(1)を流出した冷却液を前記熱機関(2)を迂回させて前記ヒータ(1)に導くバイパス通路(3)と、
    前記熱機関(2)から流出して前記ヒータ(1)側に供給される冷却液通路を開閉する弁であって、前記バイパス通路(3)及び前記ヒータ(1)からなる冷却液の閉回路を構成するための制御バルブ(4)と、
    前記閉回路のうち前記ヒータ(1)の冷却液入口側に設けられ、冷却液を加熱する加熱器(5)と、
    前記閉回路のうち前記バイパス通路(3)に設けられ、冷却液を循環させるポンプ(6)と
    前記閉回路のうち前記バイパス通路(3)に設けられ、前記制御バルブ(4)を開いて前記閉回路を開いたときに前記熱機関(2)から流出した冷却液が前記ヒータ(1)を迂回して循環することを防止する逆止弁(7)と、
    前記熱機関(2)から流出した冷却液と室外空気とを熱交換して冷却液を冷却する放熱器(8)と、
    前記放熱器(8)に循環させる冷却液量と前記放熱器(8)を迂回させる冷却液量とを調節する流量制御弁(9)と、
    前記熱機関(2)から動力を得て冷却液を循環させるポンプ(10)とを備え、
    前記制御バルブ(4)は、前記熱機関(2)と前記閉回路との間に設けられており、前記熱機関(2)、前記放熱器(8)、前記流量制御弁(9)及び前記ポンプ(10)からなる冷却液回路から前記閉回路を独立させるように構成されており、
    前記熱機関(2)が始動する前に室内の暖房を行うプレヒート時には、前記閉回路を構成した状態で前記加熱器(5)及び前記ポンプ(6)を稼動させることを特徴とする車両用暖房装置。
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