JP4016274B2 - ゴルフボール - Google Patents

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソリッドコア等を形成するゴム組成物の改良により、反発性に優れ、良好な飛び性能を与えるゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ゴルフボールに対しては、優れた反発性を付与するために、ゴム基材として使用されるポリブタジエンの配合を種々改良することが行われている。
【0003】
例えば、特開昭62−89750号公報(特許文献1)には、ゴム基材として、Ni,Co触媒を用いて合成したムーニー粘度が70〜100のポリブタジエンと、ランタン系触媒で合成したムーニー粘度が30〜90のポリブタジエン又はNi,Co触媒を用いて合成したムーニー粘度が20〜50のポリブタジエンとを配合してなるソリッドゴルフボール用ゴム組成物が提案されている。
しかしながら、上記提案に関しては、反発性の更なる改良が求められている。
【0004】
また、特開平2−268778号公報(特許文献2)には、VIII族触媒で合成したムーニー粘度が50未満のポリブタジエンと、ランタニド触媒で合成したムーニー粘度が50未満のポリブタジエンとを配合して形成したゴルフボールが提案されているが、得られるゴルフボールの反発性が劣るものである。
【0005】
更に、特開平11−70187号公報(特許文献3)には、低ムーニー粘度のポリブタジエンにて中間層が形成されたマルチピースソリッドゴルフボール、特開平11−319148号公報(特許文献4)には、Ni,Co触媒を用いて合成したムーニー粘度が50〜69のポリブタジエンとランタノイド系触媒を用いて合成したムーニー粘度が20〜90のポリブタジエンとを配合したゴム組成物にて形成されたソリッドゴルフボール、特開平11−164912号公報(特許文献5)には、1,2ビニル結合2.0%以下とし、重量平均分子量と数平均分子量との比Mw/Mnが3.5以下のゴム組成物にて形成されたソリッドゴルフボール、特開昭63−275356号公報(特許文献6)には、高ムーニー粘度のポリブタジエンが配合されたゴム組成物にて形成されたゴルフボール、特開平3−151985号公報(特許文献7)には、数平均分子量が高いポリブタジエンと低いポリブタジエンとを配合してなるゴム組成物にて形成されたゴルフボールが提案されているが、いずれの提案も反発性に満足するものとはいえない。
【0006】
なおまた、特開昭61−71070号公報(特許文献8)には、2種の有機過酸化物を用いることが、特開昭62−112574号公報(特許文献9)には、少量の有機過酸化物を用いることが記載されているが、反発性が十分でなく、しかも架橋時間が遅くなってしまい、生産性が大きく低下してしまうという問題を有する。
【0007】
【特許文献1】
特開昭62−89750号公報
【特許文献2】
特開平2−268778号公報
【特許文献3】
特開平11−70187号公報
【特許文献4】
特開平11−319148号公報
【特許文献5】
特開平11−164912号公報
【特許文献6】
特開昭63−275356号公報
【特許文献7】
特開平3−151985号公報
【特許文献8】
特開昭61−71070号公報
【特許文献9】
特開昭62−112574号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、加硫時間が短縮でき、生産性が向上し、しかも反発性に優れ、良好な飛び性能を与えるゴルフボールを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため、鋭意検討を行った結果、シス−1,4−結合を60重量%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が40以上である希土類元素系触媒を用いて合成されるポリブタジエンを主材としたゴム基材を用い、このゴム基材100重量部に対して、不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩を10〜60重量部、有機硫黄化合物を0.1〜5重量部、無機充填剤を5〜80重量部配合し、かつ2種以上の有機過酸化物を、そのうち155℃における半減期が一番短い有機過酸化物を(a)、一番長い有機過酸化物を(b)とし、(a)の半減期をat、(b)の半減期をbtとした場合、半減期の比bt/atが7以上20以下であり、これら有機過酸化物の総含有量が上記ゴム基材100重量部に対して0.1〜0.8重量部であるように配合したゴム組成物の加硫成形物を構成要素とすること、特に、ソリッドゴルフボールのソリッドコアとすることにより、製造性に優れ、しかも反発性の良好なゴルフボールが得られることを知見した。即ち、従来は、有機過酸化物を減量すると、加硫時間が延びてしまい、生産性が低下し、反発性も十分でないものであったが、反発性の高い希土類元素系触媒を用いて合成されたポリブタジエンを用い、半減期が大きく異なる2種以上の有機過酸化物を0.1〜0.8重量部含むことで、作業性を改善し、加硫時間も短縮し、生産性の向上も出来る上に、更なる反発性の向上も達成することが出来ることを見出し、本発明をなすに至った。
【0010】
従って、本発明は下記のゴルフボールを提供する。
請求項1:
シス−1,4−結合を60重量%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が50以上80以下である希土類元素系触媒を用いて合成されるポリブタジエンを60〜100重量%含むゴム基材100重量部に対して、不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩を10〜60重量部、有機硫黄化合物を0.1〜5重量部、無機充填剤を5〜80重量部、及び有機過酸化物を2種以上含み、そのうち155℃における半減期が1番短い有機過酸化物を(a)、1番長い有機過酸化物を(b)とし、(a)の半減期をat、(b)の半減期をbtとした場合、半減期の比bt/atが7以上20以下であり、これら有機過酸化物の総含有量が上記ゴム基材100重量部に対して0.1〜0.8重量部であるゴム組成物の加硫成形物を構成要素とすることを特徴とするゴルフボール、
請求項2:
ポリブタジエンの分子量分布Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が2.0〜8.0である〔1〕記載のゴルフボール、
請求項3:
ポリブタジエンが、Nd系触媒を用いて合成され、引き続き末端変性剤を反応させて得られる変性ポリブタジエンゴムである〔1〕又は〔2〕記載のゴルフボール、
請求項4:
上記ポリブタジエンに加えて、第2のポリブタジエンとしてVIII族の触媒を用いて合成されたポリブタジエンをゴム基材中40重量%以下の割合で含み、この第2のポリブタジエンのムーニー粘度(ML1+4(100℃))が50未満であり、25℃における5重量%トルエン溶液の粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下である〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載のゴルフボール、及び
請求項
上記(a)の155℃における半減期atが、5秒以上、90秒以下であり、上記(b)の155℃における半減期btが、300秒以上、800秒以下である〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
【0011】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のゴルフボールは、
(A)シス−1,4−結合を60重量%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が40以上である希土類元素系触媒を用いて合成されたポリブタジエンを主材とするゴム基材、
(B)不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩、
(C)有機硫黄化合物、
(D)無機充填剤、
(E)有機過酸化物
を含有するゴム組成物の加硫成形物を構成要素とするものである。
【0012】
ここで、まず、上記(A)成分のポリブタジエンは、シス−1,4−結合を60%(重量%、以下同じ)以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上有するものであることが必要である。シス−1,4−結合が少なすぎると反発性が低下する。
【0013】
上記ポリブタジエンは、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が、50以上、好ましくは52以上、最も好ましくは54以上、上限としては80以下である
【0014】
なお、本発明でいうムーニー粘度とは、いずれも回転可塑度計の1種であるムーニー粘度計で測定される工業的な粘度の指標(JIS−K6300)であり、単位記号としてML1+4(100℃)を用いる。また、Mはムーニー粘度、Lは大ロータ(L型)、1+4は予備加熱時間1分間、ロータの回転時間4分間を示し、100℃の条件下にて測定したことを示す。
【0015】
本発明で用いるポリブタジエンは、希土類元素系触媒で合成されたものであることが必要で、希土類元素系触媒としては、公知のものを使用することができる。
【0016】
例えば、ランタン系列希土類元素化合物、有機アルミニウム化合物、アルモキサン、ハロゲン含有化合物、更に、必要に応じルイス塩基の組み合わせよりなる触媒を挙げることができる。
【0017】
上記ランタン系列希土類元素化合物としては、原子番号57〜71の金属ハロゲン化物、カルボン酸塩、アルコラート、チオアルコラート、アミド等を挙げることができる。
【0018】
上記有機アルミニウム化合物としては、例えば、AlR123(ここで、R1、R2及びR3は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素又は炭素数1〜8の炭化水素残基を表す)で示されるものを用いることができる。
【0019】
上記アルモキサンは、下記式(I)又は下記式(II)で示される構造を有する化合物を好適に挙げることができる。この場合、ファインケミカル,23,(9),5(1994)、J.Am.Chem.Soc.,115,4971(1993)、J.Am.Chem.Soc.,117,6465(1995)で示されるアルモキサンの会合体でもよい。
【0020】
【化1】
Figure 0004016274
(式中、R4は、炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、nは2以上の整数である。)
【0021】
ハロゲン含有化合物としては、AlXn3-n(ここで、Xはハロゲンを示し、Rは、炭素数が1〜20の炭化水素残基であり、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基であり、nは、1、1.5、2又は3を示す)で示されるアルミニウムハライド、Me3SrCl、Me2SrCl2、MeSrHCl2、MeSrCl3などのストロンチウムハライド、その他、四塩化ケイ素、四塩化スズ、四塩化チタンなどの金属ハライド等が用いられる。
【0022】
ルイス塩基は、ランタン系列希土類元素化合物を錯化するのに用いることができ、例えば、アセチルアセトン、ケトンアルコールなどを挙げることができる。
【0023】
本発明においては、特に、ランタン系列希土類元素化合物としてネオジウム化合物を用いたネオジウム系触媒の使用が、1,4−シス結合が高含量、1,2−ビニル結合が低含量のポリブタジエンゴムを優れた重合活性で得られるので好ましく、これらの希土類元素系触媒の具体例は、特開平11−35633号公報、特開平11-164912号公報、特開2002−293996号公報に記載されているものを好適に挙げることができる。
【0024】
また、ランタン系列希土類元素化合物を用いた希土類元素系触媒の存在下でブタジエンを重合させる場合、シス含量及びMw/Mnを上記範囲とするために、ブタジエン/ランタン系列希土類元素化合物は、モル比で1,000〜200万、特には5,000〜100万とすることが好ましく、また、AlR123/ランタン系列希土類元素化合物は、モル比で1〜1,000、特には3〜500とすることが好ましい。更に、ハロゲン化合物/ランタン系列希土類元素化合物は、モル比で0.1〜30、特に0.2〜15であることが好ましい。ルイス塩基/ランタン系列希土類元素化合物は、モル比で0〜30、特に1〜10とすることが好ましい。
【0025】
希土類元素系触媒の存在下でブタジエンを重合させる場合、溶媒を使用しても、溶媒を使用せずにバルク重合あるいは気相重合してもよく、重合温度は通常−30〜150℃、好ましくは10〜100℃とすることができる。
【0026】
本発明の(A)成分のポリブタジエンは、上記の希土類元素系触媒による重合に引き続き、ポリマーの活性末端に末端変性剤を反応させることにより得られるものであってもよい。
【0027】
変性ポリブタジエンゴムは、上記の重合に引き続き、下記▲1▼〜▲7▼に記載した末端変性剤を使用することにより得ることができる。
▲1▼ポリマーの活性末端にアルコキシシリル基を持つ化合物を反応させることにより得られる。アルコキシシリル基を持つ化合物としては、エポキシ基又はイソシアナート基を分子内に少なくとも1個有するアルコキシシラン化合物が好適に使用される。具体例としては、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)メチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランの縮合物、(3−グリシジルオキシプロピル)メチルジメトキシシランの縮合物などのエポキシ基含有アルコキシシラン;3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、(3−イソシアナートプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−イソシアナートプロピル)メチルジエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシランの縮合物、(3−イソシアナートプロピル)メチルジメトキシシランの縮合物などのイソシアナート基含有アルコキシシラン化合物が挙げられる。
【0028】
また、上記アルコキシシリル基を持つ化合物を活性末端に反応させる際、反応を促進させるためにルイス酸を添加することもできる。ルイス酸が触媒としてカップリング反応を促進させ、変性ポリマーのコールドフローが改良され貯蔵安定性がよくなる。ルイス酸の具体例としては、ジアルキルスズジアルキルマレート、ジアルキルスズジカルボキシレート、アルミニウムトリアルコキシドなどが挙げられる。
【0029】
▲2▼R5 nM′X4-n、M′X4、M′X3、R5 nM′(−R6−COOR74-n又はR5 nM′(−R6−COR74-n(式中、R5及びR6は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、R7は炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基であり、側鎖にカルボニル基又はエステル基を含んでいてもよく、M′はスズ原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はリン原子、Xはハロゲン原子、nは0〜3の整数を示す)に対応するハロゲン化有機金属化合物、ハロゲン化金属化合物又は有機金属化合物、
▲3▼分子中に、Y=C=Z結合(式中、Yは炭素原子、酸素原子、チッ素原子又はイオウ原子、Zは酸素原子、チッ素原子又はイオウ原子を示す)を含有するヘテロクムレン化合物、
▲4▼分子中に下記結合を含有するヘテロ3員環化合物、
【化2】
Figure 0004016274
(式中、Yは、酸素原子、チッ素原子又はイオウ原子を示す。)
▲5▼ハロゲン化イソシアノ化合物、
▲6▼R8−(COOH)m 、R9(COX)m 、R10−(COO−R11m 、R12−OCOO−R13、R14−(COOCO−R15m 、又は下記式で示されるカルボン酸、酸ハロゲン化物、エステル化合物、炭酸エステル化合物又は酸無水物、
【化3】
Figure 0004016274
(式中、R8〜R16は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜50の炭素原子を含む炭化水素基、Xはハロゲン原子、mは1〜5の整数を示す。)
▲7▼R17 l M″(OCOR184-l 、R19 lM″(OCO−R20−COOR214-l、又は下記式で示されるカルボン酸の金属塩
【化4】
Figure 0004016274
(式中、R17〜R23は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、M″はスズ原子、ケイ素原子又はゲルマニウム原子、lは0〜3の整数を示す。)等を挙げることができる。
【0030】
以上に示される末端変性剤の具体例及び反応させる方法は、例えば、特開平11−35633号公報、特開平7−268132号公報、特開2002−293996号公報等に記載されているもの及び方法を挙げることができる。
【0031】
本発明において、上記ポリブタジエンとしては、分子量分布Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が、2.0以上、好ましくは2.2以上、更に好ましくは2.4以上、最も好ましくは2.6以上であり、上限としては8.0以下、好ましくは7.5以下、更に好ましくは4.0以下、最も好ましくは3.4以下であることが好ましく、Mw/Mnが小さすぎると作業性が低下し、大きすぎると反発性が低下する場合がある。
【0032】
本発明は、上記ポリブタジエンを主材としたゴム基材を用いるものであるが、この場合、この主材のポリブタジエンはゴム基材中、60%以上、好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上、最も好ましくは85%以上であることがよい。また、ゴム基材の100%が上記ポリブタジエンであってもよく、95%以下、場合によったら90%以下の含有量とし得る。
【0033】
なお、上記ポリブタジエン以外のゴム成分としては、上記ポリブタジエン以外のポリブタジエン、例えばVIII族金属化合物触媒を用いて得られたポリブタジエン、その他のジエンゴム、例えばスチレンブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等が挙げられる。
【0034】
この場合、上記ポリブタジエン以外のゴム成分のうちでは、VIII族の触媒を用いて合成され、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が50未満、その25℃における5重量%トルエン溶液の粘度ηが200mPa・s以上、400mPa・s以下である第2のポリブタジエンを使用することが、高い反発性、良好な作業性を得ることができる点から好ましい。
【0035】
上記VIII族触媒として、具体的には、下記のニッケル系触媒、コバルト系触媒を挙げることができる。
ここで、ニッケル系触媒としては、例えば、ニッケルケイソウ土のような1成分系、ラネーニッケル/四塩化チタンのような2成分系、ニッケル化合物/有機金属/三フッ化ホウ素エーテラートのような3成分系のもの等を挙げることができる。なお、ニッケル化合物としては、担体付還元ニッケル、ラネーニッケル、酸化ニッケル、カルボン酸ニッケル、有機ニッケル錯塩などが用いられる。また、有機金属としては、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、1,4−ジリチウムブタン等のアルキルリチウム、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛等のジアルキル亜鉛等を挙げることができる。
【0036】
また、コバルト系触媒としては、コバルト及びその化合物として、ラネーコバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルト、酸化コバルト、硫酸コバルト、炭酸コバルト、リン酸コバルト、フタル酸コバルト、コバルトカルボニル、コバルトアセチルアセトネート、コバルトジエチルジチオカルバメート、コバルトアニリニウムナイトライト、コバルトジニトロシルクロリド等を挙げることができ、特にこれらの化合物とジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド等のジアルキルアルミニウムモノクロリド、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド等のアルミニウムアルキルセスキクロリド、塩化アルミニウム等との組み合わせを好適に挙げることができる。
【0037】
上記VIII族系触媒、特にニッケル系触媒又はコバルト系触媒を用いて重合する場合は、通常、溶剤、ブタジエンモノマーと併せて連続的に反応機にチャージさせ、例えば、反応温度を5〜60℃、反応圧力を大気圧から70数気圧の範囲で適宜選択して、上記ムーニー粘度のものが得られるように操作する方法を挙げることができる。
【0038】
上記第2のポリブタジエンのムーニー粘度は、50未満であり、好ましくは48以下、更に好ましくは45以下である。この場合、ムーニー粘度の下限としては、10以上、より好ましくは20以上、更に好ましくは25以上、最も好ましくは30以上であることが好ましい。
また、第2のポリブタジエンの25℃における5重量%トルエン溶液の粘度ηが200mPa・s以上、より好ましくは210mPa・s以上、更に好ましくは230mPa・s以上、特に好ましくは250mPa・s以上で、400mPa・s以下、より好ましくは370mPa・s以下、更に好ましくは340mPa・s以下、特に好ましくは300mPa・s以下であることが好ましい。
【0039】
なお、本発明でいう25℃における5%トルエン溶液の粘度η(mPa・s)とは、測定対象のポリブタジエン2.28gをトルエン50mlに溶解した後、標準液として粘度計構成用標準液(JIS Z8809)を用いて、所定の粘度計により25℃の条件下で測定した値のことをいうものとする。
【0040】
上記第2のポリブタジエンの配合量は、ゴム基材中、0%以上、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上で、40%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下とすることが好ましい。
【0041】
次に、(B)成分の不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。不飽和カルボン酸の金属塩としては、亜鉛塩、マグネシウム塩等が挙げられ、中でもアクリル酸亜鉛が好適に用いられる。
【0042】
上記(B)成分の不飽和カルボン酸/塩の配合量は、上記(A)成分のゴム基材100部(重量部、以下同じ)に対し、10部以上、より好ましくは15部以上、更に好ましくは20部以上であり、60部以下、より好ましくは50部以下、更に好ましくは45部以下、最も好ましくは40部以下とすることが好ましい。
【0043】
(C)成分の有機硫黄化合物としては、例えば、チオフェノール、チオナフトール、ハロゲン化チオフェノール又はそれらの金属塩が挙げられる。より具体的には、ペンタクロロチオフェノール、ペンタフルオロチオフェノール、ペンタブロモチオフェノール、パラクロロチオフェノール又はそれらの亜鉛塩、硫黄数が2〜4のジフェニルポリスルフィド、ジベンジルポリスルフィド、ジベンゾイルポリスルフィド、ジベンゾチアゾイルポリスルフィド、ジチオベンゾイルポリスルフィド、アルキルフェニルジスルフィド類、フラン環を有する硫黄化合物類、チオフェン環を有する硫黄化合物類が挙げられるが、特に、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、ジフェニルジスルフィドを好適に用いることができる。
【0044】
その配合量は、(A)成分のゴム基材100部に対し、0.1部以上、より好ましくは0.2部以上、更に好ましくは0.4部以上、最も好ましくは0.7部以上で、5部以下、より好ましくは4部以下、更に好ましくは3部以下、最も好ましくは2部以下、特に好ましくは1.5部以下であることが必要である。その配合量が少なすぎると、反発性を向上させる効果がなく、多すぎると、硬度が軟らかくなりすぎ、十分な反発性が得られない。
【0045】
(D)成分の無機充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等が挙げられ、その配合量は(A)成分100部に対し、5部以上、より好ましくは7部以上、更に好ましくは10部以上、最も好ましくは13部以上で、80部以下、より好ましくは65部以下、更に好ましくは50部以下、最も好ましくは40部以下とする。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると、適正な重量及び好適な反発性を得ることができない。
【0046】
(E)有機過酸化物としては、2種以上を使用し、この場合、155℃における半減期が一番短い有機過酸化物を(a)、155℃における半減期が一番長い有機過酸化物を(b)とし、(a)の半減期をat、(b)の半減期をbtとした場合、半減期の比bt/atが7以上、好ましくは8以上、より好ましくは9以上、更に好ましくは10以上で、20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下である。2種以上の有機過酸化物を用いても、上記範囲を逸脱した場合、反発性、コンプレッション、耐久性に劣ってしまう。
【0047】
この場合、(a)の155℃における半減期atは、5秒以上、より好ましくは10秒以上、更に好ましくは15秒以上で、120秒以下、より好ましくは90秒以下、更に好ましくは60秒以下であることが好ましく、(b)の155℃における半減期btは、300秒以上、より好ましくは360秒以上、更に好ましくは420秒以上で、800秒以下、より好ましくは700秒以下、更に好ましくは600秒以下であることが好ましい。
【0048】
ここで、有機過酸化物として具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。これら有機過酸化物は市販品を用いることができ、例えば、パークミルD(日本油脂社製)、パーヘキサ3M(日本油脂社製)、Luperco 231XL(アトケム社製)等が挙げられる。この場合、上記(a)成分の有機過酸化物としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましく、(b)成分の有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイドが好ましい。
【0049】
また、上記(a),(b)成分を含む有機過酸化物の総配合量は、上記(A)成分100部に対して0.1部以上、好ましくは0.2部以上、より好ましくは0.3部以上、更に好ましくは0.4部以上であり、0.8部以下、好ましくは0.7部以下、より好ましくは0.6部以下、更に好ましくは0.5部以下である。配合量が少なすぎると、架橋に要する時間が長くなり、生産性の低下が大きく、コンプレッションも大きく低下してしまう。配合量が多すぎると、反発性、耐久性が低下してしまう。
【0050】
この場合、(a)成分の添加量は、(A)成分100部に対し、0.05部以上、より好ましくは0.08部以上、更に好ましくは0.1部以上で、0.5部以下、より好ましくは0.4部以下、更に好ましくは0.3部以下であることが好ましく、(b)成分の添加量は0.05部以上、より好ましくは0.15部以上、更に好ましくは0.2部以上で、0.7部以下、より好ましくは0.6部以下、更に好ましくは0.5部以下であることが好ましい。
【0051】
なおまた、必要に応じ、老化防止剤を(A)成分100部に対し、0.05部以上、より好ましくは0.1部以上、更に好ましくは0.2部以上で、3部以下、より好ましくは2部以下、更に好ましくは1部以下、最も好ましくは0.5部以下を配合することができる。なお、老化防止剤としては市販品を用いることができ、例えば、ノクラックNS−6、同NS−30(大内新興化学工業(株)製、ヨシノックス425(吉富製薬(株)製)等が挙げられる。
【0052】
本発明の加硫成形物は、上述したゴム組成物を、公知のゴルフボール用ゴム組成物と同様の方法で加硫・硬化させることによって得ることができる。加硫条件は、例えば、加硫温度100〜200℃、加硫時間10〜40分にて実施することができる。
【0053】
本発明において、上記加硫成形物の硬度は、後述する各種ゴルフボールの使用態様に応じて適宜調整することができ、特に制限されるものではなく、断面硬度は、中心から成形物表面までが平坦であっても中心と成形物表面までに硬度差があってもいずれの場合であってもよい。
【0054】
また、本発明のゴルフボールは、後述する種々のゴルフボール態様を採ることができるが、特にゴルフボールがワンピースゴルフボール又はソリッドコア若しくはソリッドセンターを具備してなるゴルフボールのいずれかである場合、上記ワンピースソリッドゴルフボール、ソリッドコア又はソリッドセンターの980N(100kg)荷重負荷時のたわみ量が、通常2.0mm以上、好ましくは2.5mm以上、更に好ましくは2.8mm以上、最も好ましくは3.2mm以上、上限としては通常6.0mm以下、好ましくは5.5mm以下、更に好ましくは5.0mm以下、最も好ましくは4.5mm以下であることが推奨され、変形量が少なすぎると、打感が悪くなると共に、特にドライバーなどのボールに大変形が生じるロングショット時にスピンが増えすぎて飛ばなくなり、軟らかすぎると、打感が鈍くなると共に、反発が十分でなくなり飛ばなくなる上、繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなる場合がある。
【0055】
本発明のゴルフボールは、上記加硫成形物を構成要素として具備するもので、ボールの態様は、特に制限されるものではなく、上記加硫成形物がゴルフボールに直接適用されるワンピースゴルフボール、加硫成形物をソリッドコアとしかつその表面にカバーが形成されたツーピースソリッドゴルフボール、加硫成形物をソリッドコアとしかつその外側に2層以上のカバーが形成された3ピース以上のマルチピースソリッドゴルフボール、上記加硫成形物がセンターコアとして適用された糸巻きゴルフボール等の種々の態様を採ることができる。特に、加硫成形物の特性を活かし、製造時の押出し性、製品ゴルフボールに対する反発性付与の観点から、本発明の加硫成形物をソリッドコアとして使用するツーピースソリッドゴルフボール、マルチピースソリッドゴルフボールであることが好適な使用態様として推奨される。
【0056】
本発明において、加硫成形物を上記ソリッドコアとする場合、ソリッドコアの直径は30.0mm以上、好ましくは32.0mm以上、更に好ましくは35.0mm以上、最も好ましくは37.0mm以上であり、上限として41.0mm以下、好ましくは40.5mm以下、更に好ましくは40.0mm以下、最も好ましくは39.5mm以下とすることが推奨され、特に、ツーピースソリッドゴルフボールのソリッドコアの直径は、37.0mm以上、好ましくは37.5mm以上、更に好ましくは38.0mm以上、最も好ましくは38.5mm以上であり、上限として41.0mm以下、好ましくは40.5mm以下、更に好ましくは40.0mm以下、スリーピースソリッドゴルフボールのソリッドコアの直径は、30.0mm以上、好ましくは32.0mm以上、更に好ましくは34.0mm以上、最も好ましくは35.0mm以上であり、上限として40.0mm以下、好ましくは39.5mm以下、更に好ましくは39.0mm以下とすることが推奨される。
【0057】
上記ソリッドコアの比重は、通常0.9以上、好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.1以上、上限として1.4以下、好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.2以下であることが推奨される。
【0058】
本発明のゴルフボールをツーピースソリッドゴルフボール、マルチピースソリッドゴルフボールとする場合には、上記加硫成形物をソリッドコアとして公知のカバー材、中間層材を射出成形又は加圧成形して形成することができる。
【0059】
これらカバー材、中間層材の主材として、具体的には、熱可塑性又は熱硬化性のポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、アイオノマー樹脂、ポリオレフィン系エラストマー又はこれらの混合物等を挙げることができる。これらは、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができ、特に、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー、アイオノマー樹脂を好適に挙げることができる。
【0060】
上記熱可塑性ポリウレタン系エラストマーとしては、市販品を用いることができ、例えばパンデックスT7298,同T7295,同T7890、同TR3080、同T8295、同T8290(DIC・バイエルポリマー社製)などのジイソシアネートが脂肪族又は芳香族であるもの等が挙げられる。また、アイオノマー樹脂の市販品としては、サーリン6320、同8120(米国デュポン社製)、ハイミラン1706、同1605、同1855、同1601、同1557(三井・デュポンポリケミカル社製)等を例示できる。
【0061】
更に、上記カバー材又は中間層材の主材に対しては、任意成分として、上記以外の熱可塑性エラストマー等のポリマーを配合することができる。任意成分のポリマーとして、具体的には、ポリアミド系エラストマー、スチレン系ブロックエラストマー、水添ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル(EVA)共重合体等を配合し得る。
【0062】
なお、本発明のツーピースソリッドゴルフボール、マルチピースソリッドゴルフボールは、公知の方法で製造することができ、特に制限されるものではないが、ツーピースやマルチピースソリッドゴルフボールとする場合には、上記加硫成形物をソリッドコアとして所定の射出成形用金型内に配備し、ツーピースソリッドゴルフボールの場合には上記カバー材を、マルチピースソリッドゴルフボールの場合には、順に上記中間層材、カバー材を所定の方法に従って射出する公知の方法を好適に採用できる。場合によっては、上記カバー材を加圧成形によって製造することもできる。
【0063】
マルチピースソリッドゴルフボールの中間層の厚さは、0.5mm以上、好ましくは1.0mm以上、上限として3.0mm以下、好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは2.0mm以下、最も好ましくは1.6mm以下であることが推奨される。
【0064】
また、カバーの厚さは、ツーピースソリッドゴルフボール、マルチピースソリッドゴルフボールのいずれであっても0.7mm以上、好ましくは1.0mm以上、上限として3.0mm以下、好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは2.0mm以下、最も好ましくは1.6mm以下であることが推奨される。
【0065】
本発明のゴルフボールは、競技用としてゴルフ規則に従うものとすることができ、直径42.67mm以上、重量45.93g以下に形成することができる。直径の上限として好ましくは44.0mm以下、更に好ましくは43.5mm以下、最も好ましくは43.0mm以下、重量の下限として好ましくは44.5g以上、特に好ましくは45.0g以上、更に好ましくは45.1g以上、最も好ましくは45.2g以上であることが推奨される。
【0066】
【発明の効果】
本発明のゴルフボールは、反発性に優れたものである。
【0067】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0068】
[実施例1〜10、比較例1〜7]
表1,2に示すゴム組成物を用いて、ツーピースゴルフボールのコアを作成した。この場合、コアの外径は38.9mm、コアの重量は36.0gであった。このコアにハイミラン1601とハイミラン1557との重量比1:1の混合物からなるカバー材を射出して、ディンプルを形成し、その表面をペイントで被覆し、外径42.7mm、重量45.3gのツーピースソリッドゴルフボールを得た。
上記コアの100kg(980N)荷重たわみ量、反発性及びゴルフボールの飛び性能を下記方法により評価した。結果を表1,2に示す。
【0069】
[実施例11〜13、比較例8〜10]
表3に示すゴム組成物を用いて、スリーピースゴルフボールのコアを作成した。この場合、コアの外径は35.3mm、重量は31.0gであった。このコアに、ハイミラン1706とハイミラン1605との重量比1:1の混合物を射出成形して中間層を形成した(コア+中間層の直径:38.7mm)。
更に、ハイミラン1650とサーリン8120との重量比1:1の混合物からなるカバー材を射出して、外径42.7mm、重量45.3gのスリーピースソリッドゴルフボールを得た。
上記コアの100kg(980N)荷重たわみ量、反発性及びゴルフボールの飛び性能を下記方法により評価した。結果を表3に示す。
100kg荷重たわみ量
得られたソリッドコアに対し、100kg(980N)荷重負荷時の変形量(mm)を計測した。
反発性
公認機関USGAと同タイプの初速度計で初速度を測定し、実施例1〜10、比較例1〜7については比較例1を基準にし、実施例11〜13、比較例8〜10については比較例8を基準にしたときの初速度の差を表した。
飛び性能
打撃マシンにてドライバー(W#1,Tour Stage X500,ロフト9°、シャフトX,ブリヂストンスポーツ社製)にて、ヘッドスピード45m/sで打撃したときの飛び性能を測定した。
【0070】
【表1】
Figure 0004016274
【0071】
【表2】
Figure 0004016274
【0072】
【表3】
Figure 0004016274
注:
ポリブタジエンBR01:JSR社製、Cis1,4量96%、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))44、分子量分布Mw/Mn4.2、触媒Ni、溶液の粘度150mPa・s
ポリブタジエンBR11:JSR社製、Cis1,4量96%、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))44、分子量分布Mw/Mn4.1、触媒Ni、溶液の粘度270mPa・s
ポリブタジエンCB22:バイエル社製、Cis1,4量98%、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))62、分子量分布Mw/Mn7.1、触媒Nd
Shell 1220 :Shell社製、Cis1,4量96%、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))44、分子量分布Mw/Mn3.1、触媒Nd
ポリブタジエンCB24:バイエル社製、Cis1,4量94%、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))48、分子量分布Mw/Mn2.4、触媒Nd
CNB700:JSR社製、Cis1,4量96%、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))43、分子量分布Mw/Mn2.8、触媒Nd
HCBN−13:JSR社製、Cis1,4量96%、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))53、分子量分布Mw/Mn3.2、触媒Nd
HCBN−2:JSR社製、Cis1,4量96%、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))40、分子量分布Mw/Mn3.3、触媒Nd
パーヘキサ3M−40:日本油脂社製
パーヘキサ3M−40は40%希釈品であり、添加量は1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの実質添加量で示した。
Vulcup R(α−α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピレンベンゼン):Hercules製
パークミルD:日本油脂社製、ジクミルパーオキサイド
Varox 231XL:Hercules製、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
ノクラックNS−6:大内新興化学社製、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)
SR−350:Elastochem製、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン
【0073】
表1,2の結果より、下記の点が認められる。
比較例1:有機過酸化物の添加量が多いため、反発性、飛距離が低下する。
比較例2:Ni系触媒を用いたポリブタジエンであり、ムーニー粘度も低いため、加硫時間も遅く、反発性、飛距離が低下する。
比較例3:Ni系触媒を用いたポリブタジエンが多く、有機過酸化物単独であり、添加量も多いため、反発性、飛距離が低下する。
比較例4:有機過酸化物単独であり、添加量も多いため、反発性、飛距離が低下する。
比較例5:半減期の比が大きすぎて、架橋反応が効率的でなく、反発性、飛距離が低下する。
比較例6:有機過酸化物単独であり、添加量も多いため、反発性、飛距離が低下する。
比較例7:有機過酸化物単独であり、添加量も多いため、反発性、飛距離が低下する。
【0074】
これに対し、実施例のゴルフボールは、有機過酸化物が少なくても反発性が良好で、飛び性能が優れていることが認められる。
【0075】
表3の結果より、下記の点が認められる。
比較例8:有機過酸化物の添加量が多いため、反発性、飛距離が低下する。
比較例9:Ni系触媒を用いたポリブタジエンであり、ムーニー粘度も低く、有機過酸化物の添加量が多いため、反発性、飛距離が低下する。
比較例10:有機過酸化物単独であり、添加量も多いため、反発性、飛距離が低下する。
【0076】
これに対し、実施例のゴルフボールは、反発性が良好で、飛び性能が優れているものであった。

Claims (5)

  1. シス−1,4−結合を60重量%以上含有し、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が50以上80以下である希土類元素系触媒を用いて合成されるポリブタジエンを60〜100重量%含むゴム基材100重量部に対して、不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩を10〜60重量部、有機硫黄化合物を0.1〜5重量部、無機充填剤を5〜80重量部、及び有機過酸化物を2種以上含み、そのうち155℃における半減期が1番短い有機過酸化物を(a)、1番長い有機過酸化物を(b)とし、(a)の半減期をat、(b)の半減期をbtとした場合、半減期の比bt/atが7以上20以下であり、これら有機過酸化物の総含有量が上記ゴム基材100重量部に対して0.1〜0.8重量部であるゴム組成物の加硫成形物を構成要素とすることを特徴とするゴルフボール。
  2. ポリブタジエンの分子量分布Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が2.0〜8.0である請求項1記載のゴルフボール。
  3. ポリブタジエンが、Nd系触媒を用いて合成され、引き続き末端変性剤を反応させて得られる変性ポリブタジエンゴムである請求項1又は2記載のゴルフボール。
  4. 上記ポリブタジエンに加えて、第2のポリブタジエンとしてVIII族の触媒を用いて合成されたポリブタジエンをゴム基材中40重量%以下の割合で含み、この第2のポリブタジエンのムーニー粘度(ML1+4(100℃))が50未満であり、25℃における5重量%トルエン溶液の粘度が200mPa・s以上400mPa・s以下である請求項1、2又は3記載のゴルフボール。
  5. 上記(a)の155℃における半減期atが、5秒以上、90秒以下であり、上記(b)の155℃における半減期btが、300秒以上、800秒以下である請求項1〜のいずれか1項記載のゴルフボール。
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