JP4016004B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は、容量素子、特に強誘電体又は高誘電体を容量絶縁膜に用いた容量素子を有する半導体装置の製造方法に関する。
強誘電体又は高誘電体は、ヒステリシス特性による残留分極又は高い比誘電率を有するため、不揮発性メモリ装置又はDRAM装置の分野において、酸化シリコン又は窒化シリコンを容量絶縁膜の用いた容量素子を有する半導体装置と置き換わる可能性がある。
以下、従来の強誘電体又は高誘電体を容量絶縁膜に用いた容量素子を有する半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
まず、図19(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板101上に選択的に形成された素子分離膜102により、トランジスタ形成領域103を区画する。その後、区画されたトランジスタ形成領域103に、MOSトランジスタ104を形成する。
次に、図19(b)に示すように、酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜105を堆積し、その上面を平坦化する。その後、平坦化した第1の層間絶縁膜105の上に、スパッタ法により、白金からなる下部電極形成膜を堆積し、続いて、下部電極形成膜の上に、スピンオン法により、ストロンチウム、ビスマス及びタンタル等を含む強誘電体膜を成膜する。強誘電体膜を結晶化した後、強誘電体膜の上に、再度スパッタ法により、白金からなる上部電極形成膜を堆積する。その後、上部電極形成膜、強誘電体膜及び下部電極形成膜に対して順次ドライエッチングを行なって、層間絶縁膜105上における素子分離膜102の上側の領域に、下部電極形成膜から下部電極106を、強誘電体膜から容量絶縁膜107を、上部電極形成膜から上部電極108をそれぞれパターニングして、下部電極106、容量絶縁膜107及び上部電極108からなる容量素子109を形成する。
次に、図19(c)に示すように、半導体基板101の全面に、酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜110を堆積し、堆積した第2の層間絶縁膜110に、上部電極108を露出する第1コンタクトホール110aと、MOSトランジスタ104の拡散領域を露出する第2コンタクトホール110bとを形成する。
次に、図19(d)に示すように、第2の層間絶縁膜110の上に各コンタクトホール110a、110bを含む全面に、アルミニウムを主成分とする金属膜を堆積し、堆積した金属膜に対してパターニングを行なって、金属膜から配線111を形成する。その後、他の配線層及び保護絶縁膜等を形成する。
しかしながら、前記従来の半導体装置の製造方法は、容量素子109をトランジスタ形成領域103と隣接する素子分離膜102の上に形成している。
その上、容量素子109は半導体基板101の主面方向に広がる、いわゆるプレーナ型であるため、所定の容量を確保するには容量素子109の基板面への投影面積が大きくなり、その結果、MOSトランジスタ104及び配線111の配線ルールを縮小する効果が極めて小さい。
このため、特に強誘電体又は高誘電体を容量絶縁膜107に用いた容量素子109を有する半導体装置においては、1容量素子当たり、特に半導体記憶装置においては単位セル当たりの面積を小さくすることができないという問題がある。
本発明は、前記従来の問題を解決し、容量素子を有する半導体装置の1容量素子当たりの面積を縮小できるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、導電性プラグの上に酸素バリア膜、下部電極及び容量絶縁膜を積層すると共に、容量絶縁膜に導電性プラグの貫通方向に屈曲する屈曲部を持たせる構成とする。
具体的に、本発明に係る第1の半導体装置は、絶縁膜を貫通する導電性プラグと、絶縁膜の上に、導電性プラグと電気的に接続され且つ導電性プラグを覆うように形成された導電性の酸素バリア膜と、酸素バリア膜の上に形成され、酸素バリア膜と接続された下部電極と、下部電極の上に該下部電極に沿って形成された容量絶縁膜と、容量絶縁膜の上に該容量絶縁膜に沿って形成された上部電極とを備え、容量絶縁膜は前記導電性プラグの貫通方向に屈曲する屈曲部を有している。
第1の半導体装置によると、例えば基板に形成されたトランジスタとのコンタクトを取る導電性プラグの上に酸素バリア膜を介して下部電極が形成され、該下部電極に沿ってそれぞれ容量絶縁膜及び上部電極が形成されている。すなわち、下部電極、容量絶縁膜及び上部電極からなる容量素子は導電性プラグを介在させてトランジスタの上方に形成されているため、容量素子とトランジスタとからなるセルの単位面積が小さくなる。その上、容量絶縁膜は導電性プラグの貫通方向に屈曲する屈曲部を有しているため、容量絶縁膜の一部は基板面とほぼ垂直な面を持つことになる。従って、容量絶縁膜の一部が基板面と垂直な面を持つため、容量絶縁膜の基板面への投影面積が縮小されるので、セル面積が一層縮小される。また、下部電極と導電性プラグとの間には、酸素バリア膜を介在させているため、容量絶縁膜を構成する酸素原子によって導電性プラグが酸化されることがない。
本発明に係る第2の半導体装置は、基板の上に形成された第1の層間絶縁膜を貫通する導電性プラグと、第1の層間絶縁膜の上に、導電性プラグと電気的に接続され且つ導電性プラグを覆うように形成された導電性の酸素バリア膜と、第1の層間絶縁膜の上に形成され、酸素バリア膜を露出する開口部を有する第2の層間絶縁膜と、第2の層間絶縁膜における開口部の底面上及び壁面上に沿って形成され、酸素バリア膜と接続された下部電極と、下部電極の上に該下部電極に沿って形成された容量絶縁膜と、容量絶縁膜の上に該容量絶縁膜に沿って形成された上部電極とを備え、容量絶縁膜は、開口部の壁面上に位置する部分と底面上に位置する部分とが接続してなり、導電性プラグの貫通方向に屈曲する屈曲部を有している。
第2の半導体装置によると、導電性プラグと酸素バリア膜と下部電極とが積層されており、酸素バリア膜と接続された下部電極は、第2の層間絶縁膜における開口部の底面上及び壁面上に沿って形成され、さらに、容量絶縁膜は下部電極に沿って形成されているため、開口部の壁面上に位置する部分と底面上に位置する部分との接続部分に、導電性プラグの貫通方向に屈曲する屈曲部が形成される。すなわち、容量絶縁膜の一部が基板面とほぼ垂直な面を持つことになるので、第1の半導体装置と同様の効果を得ることができる。
第2の半導体装置は、開口部の底面及び壁面と下部電極との間に、下部電極の第2の層間絶縁膜に対する密着性を高める密着層をさらに備えていることが好ましい。
又は、第2の半導体装置は、開口部の壁面と下部電極との間に、下部電極の第2の層間絶縁膜に対する密着性を高める密着層をさらに備えていることが好ましい。
この場合に、密着層が金属酸化物からなることが好ましい。
本発明に係る第3の半導体装置は、基板の上に形成された層間絶縁膜を貫通する導電性プラグと、層間絶縁膜の上に、導電性プラグと電気的に接続され且つ導電性プラグを覆うように形成された導電性の酸素バリア膜と、酸素バリア膜の上に、該酸素バリア膜と接続され且つ該酸素バリア膜を覆うように形成され、膜厚が比較的に大きい下部電極と、下部電極の上面及び側面上に形成された容量絶縁膜と、容量絶縁膜の上に該容量絶縁膜に沿って形成された上部電極とを備え、容量絶縁膜は、下部電極の上面に位置する部分と側面上に位置する部分とが接続してなり、導電性プラグの貫通方向に屈曲する屈曲部を有している。
第3の半導体装置によると、導電性プラグと酸素バリア膜と下部電極とが積層されており、容量絶縁膜は膜厚が比較的に大きい下部電極の上面及び側面上に形成されているため、下部電極の上面に位置する部分と側面上に位置する部分との接続部分に導電性プラグの貫通方向に屈曲する屈曲部が形成される。すなわち、容量絶縁膜の一部が基板面とほぼ垂直な面を持つことになるので、第1の半導体装置と同様の効果を得ることができる。
本発明に係る第4の半導体装置は、基板の上に形成された層間絶縁膜を貫通する導電性プラグと、層間絶縁膜の上に、導電性プラグと電気的に接続され且つ導電性プラグを覆うように形成された導電性の酸素バリア膜と、酸素バリア膜の上に形成され、膜厚が比較的に大きい下地膜と、下地膜の上面及び側面上に形成され、その端部が酸素バリア膜と接続された下部電極と、下部電極の上に該下部電極に沿って形成された容量絶縁膜と、容量絶縁膜の上に該容量絶縁膜に沿って形成された上部電極とを備え、容量絶縁膜は、下地膜の上面に位置する部分と側面上に位置する部分とが接続してなり、導電性プラグの貫通方向に屈曲する屈曲部を有している。
第4の半導体装置によると、導電性プラグと酸素バリア膜と下部電極とが積層されており、その端部が酸素バリア膜と接続された下部電極は、膜厚が比較的に大きい下地膜の上面及び側面上に形成されている。さらに、容量絶縁膜は、下部電極に沿って形成されているため、下地膜の上面に位置する部分と側面上に位置する部分との接続部分に、導電性プラグの貫通方向に屈曲する屈曲部が形成される。すなわち、容量絶縁膜の一部が基板面とほぼ垂直な面を持つことになるので、第1の半導体装置と同様の効果を得ることができる。
第4の半導体装置は、下地膜と下部電極との間に形成され、下部電極の下地膜に対する密着性を高める密着層をさらに備えていることが好ましい。
この場合に、密着層が金属酸化物からなることが好ましい。
本発明に係る第5の半導体装置は、基板の上に形成された層間絶縁膜を貫通する導電性プラグと、層間絶縁膜の上に、導電性プラグと電気的に接続され且つ導電性プラグを覆うように形成された導電性の酸素バリア膜と、酸素バリア膜の上に形成され、酸素バリア膜と接続された有底筒状の下部電極と、下部電極の上にその底面、内壁面及び外壁面に沿って形成された容量絶縁膜と、容量絶縁膜の上に該容量絶縁膜に沿って形成された上部電極とを備え、容量絶縁膜は、下部電極の少なくとも底面上に位置する部分と内壁面上に位置する部分とが接続してなり、導電性プラグの貫通方向に屈曲する屈曲部を有している。
第5の半導体装置によると、導電性プラグと酸素バリア膜と下部電極とが積層されており、容量絶縁膜は、酸素バリア膜と接続された有底筒状の下部電極の上にその底面、内壁面及び外壁面に沿って形成されている。従って、容量絶縁膜は、下部電極の少なくとも底面上に位置する部分と内壁面上に位置する部分との接続部分に、導電性プラグの貫通方向に屈曲する屈曲部が形成される。すなわち、容量絶縁膜の一部が基板面とほぼ垂直な面を持つことになるので、第1の半導体装置と同様の効果を得ることができる。その上、下部電極を有底筒状としているため、その外壁面により、下部電極と上部電極との対向面積が増大するので容量が格段に大きくなる。
本発明に係る第6の半導体装置は、基板の上に形成された層間絶縁膜を貫通する導電性プラグと、層間絶縁膜の上に、導電性プラグと電気的に接続され且つ導電性プラグを覆うように形成された導電性の酸素バリア膜と、酸素バリア膜の上に形成された有底筒状の形状維持膜と、形状維持膜の上にその底面、内壁面及び外壁面に沿って形成され、その端部が酸素バリア膜と接続された下部電極と、下部電極の上に該下部電極に沿って形成された容量絶縁膜と、容量絶縁膜の上に該容量絶縁膜に沿って形成された上部電極とを備え、容量絶縁膜は、形状維持膜の少なくとも底面上に位置する部分と内壁面上に位置する部分とが接続してなり、導電性プラグの貫通方向に屈曲する屈曲部を有している。
第6の半導体装置によると、導電性プラグと酸素バリア膜と下部電極とが積層されており、その端部が酸素バリア膜と接続された下部電極は、酸素バリア膜の上に形成された有底筒状の形状維持膜の上にその底面、内壁面及び外壁面に沿って形成されている。さらに、容量絶縁膜は、下部電極に沿って形成されているため、形状維持膜の少なくとも底面上に位置する部分と内壁面上に位置する部分との接続部分に、導電性プラグの貫通方向に屈曲する屈曲部が形成される。すなわち、容量絶縁膜の一部が基板面とほぼ垂直な面を持つことになるので、第1の半導体装置と同様の効果を得ることができる。その上、有底筒状の形状維持膜を用いるため、容量が大きくなると共に、下部電極の形状が安定する。
この場合に、形状維持膜が金属酸化物からなることが好ましい。
また、第1〜第6の半導体装置において、容量絶縁膜が強誘電体又は高誘電体からなることが好ましい。
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、半導体領域の上に第1の層間絶縁膜を形成する第1の工程と、第1の層間絶縁膜に半導体領域と接続される導電性プラグを形成する第2の工程と、第1の層間絶縁膜の上に、導電性の酸素バリア膜を導電性プラグを覆うように形成する第3の工程と、第1の層間絶縁膜の上に、酸素バリア膜を露出する開口部を有する第2の層間絶縁膜を形成する第4の工程と、第2の層間絶縁膜における開口部の底面上及び壁面上に、酸素バリア膜と接続するように下部電極を形成する第5の工程と、下部電極の上に該下部電極に沿うように容量絶縁膜を形成する第6の工程と、容量絶縁膜の上に該容量絶縁膜に沿うように上部電極を形成する第7の工程とを備えている。
第1の半導体装置の製造方法によると、導電性の酸素バリア膜を導電性プラグを覆うように形成した後、第2の層間絶縁膜に酸素バリア膜を露出する開口部を形成する。その後、第2の層間絶縁膜における開口部の底面上及び壁面上に、酸素バリア膜と接続するように下部電極を形成し、続いて、下部電極の上に該下部電極に沿うように容量絶縁膜を形成する。これにより、容量絶縁膜の一部は、第2の層間絶縁膜の開口部の壁面上部分が基板面とほぼ垂直な面を持つため、容量を確保しながら、容量素子の基板面への投影面積を縮小することができる。さらに、下部電極を第2の層間絶縁膜における開口部の底面上及び壁面上に形成するため、該下部電極の膜厚を小さくすることが容易となり、下部電極の表面積を確実に大きくすることができる。また、酸素バリア膜を下部電極と独立して形成するため、酸素バリア膜の膜厚を比較的に大きくすることができるので、容量絶縁膜に強誘電体又は高誘電体を用いた場合であって、強誘電体等を熱処理により結晶化する際に、導電性プラグを酸化するおそれがない。
第1の半導体装置の製造方法において、第5の工程が、下部電極における第2の層間絶縁膜上に位置する部分を、例えばCMP法又はレジストエッチバック法により除去する工程を含むことが好ましい。
第1の半導体装置の製造方法は、第4の工程と第5の工程との間に、第2の層間絶縁膜における開口部の底面上及び壁面上に、酸素バリア膜と接続し、下部電極の第2の層間絶縁膜に対する密着性を高める密着層を形成する工程をさらに備えていることが好ましい。
又は、第1の半導体装置の製造方法は、第4の工程と第5の工程との間に、第2の層間絶縁膜における開口部の壁面上に、下部電極の第2の層間絶縁膜に対する密着性を高める密着層を形成する工程をさらに備えていることが好ましい。
この場合に、密着層が金属酸化物からなることが好ましい。
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、半導体領域の上に第1の層間絶縁膜を形成する第1の工程と、第1の層間絶縁膜に半導体領域と接続される導電性プラグを形成する第2の工程と、第1の層間絶縁膜の上に、導電性プラグを露出する第1開口部を有する第2の絶縁膜を形成する第3の工程と、第1開口部に、導電性の酸素バリア膜を充填するように形成する第4の工程と、第2の層間絶縁膜の上に、酸素バリア膜を露出する第2開口部を有する第3の層間絶縁膜を形成する第5の工程と、第3の層間絶縁膜における第2開口部の底面上及び壁面上に、酸素バリア膜と接続するように下部電極を形成する第6の工程と、下部電極の上に該下部電極に沿うように容量絶縁膜を形成する第7の工程と、容量絶縁膜の上に該容量絶縁膜に沿うように上部電極を形成する第8の工程とを備えている。
第2の半導体装置の製造方法によると、第1の半導体装置と同様の効果を得られる上に、酸素バリア膜を第2の絶縁膜の第1開口部に充填するように形成するため、酸素バリア膜がエッチングされにくい材料からなる場合であっても、酸素バリア膜の形成が容易となる。その上、酸素バリア膜の厚膜化も容易であるため、バリア特性を確実に高めることができる。
第2の半導体装置の製造方法において、第6の工程が、下部電極における第3の層間絶縁膜上に位置する部分を除去する工程を含むことが好ましい。
第2の半導体装置の製造方法は、第5の工程と第6の工程との間に、第3の層間絶縁膜における第2開口部の底面上及び壁面上に、酸素バリア膜と接続し、下部電極の第3の層間絶縁膜に対する密着性を高める密着層を形成する工程をさらに備えていることが好ましい。
また、第2の半導体装置の製造方法は、第5の工程と第6の工程との間に、第3の層間絶縁膜における第2開口部の壁面上に、下部電極の第3の層間絶縁膜に対する密着性を高める密着層を形成する工程をさらに備えていることが好ましい。
この場合に、密着層が金属酸化物からなることが好ましい。
本発明に係る第3の半導体装置の製造方法は、半導体領域の上に第1の層間絶縁膜を形成する第1の工程と、第1の層間絶縁膜に半導体領域と接続される導電性プラグを形成する第2の工程と、第1の層間絶縁膜の上に、導電性の酸素バリア膜を導電性プラグを覆うように形成する第3の工程と、第1の層間絶縁膜の上に、第2の層間絶縁膜を該第2の層間絶縁膜から酸素バリア膜が露出するように形成する第4の工程と、露出した酸素バリア膜の上に、膜厚が比較的に大きい下部電極を形成する第5の工程と、下部電極の上面及び側面上に容量絶縁膜を形成する第6の工程と、容量絶縁膜の上に該容量絶縁膜に沿うように上部電極を形成する第7の工程とを備えている。
第3の半導体装置の製造方法によると、露出した酸素バリア膜の上に膜厚が比較的に大きい下部電極を形成する。その後、下部電極の上面及び側面上に容量絶縁膜を形成するため、容量絶縁膜の一部は、下部電極における壁面上部分が基板面とほぼ垂直な面を持つので、容量を確保しながら、容量素子の基板面への投影面積を縮小することができる。さらに、膜厚が比較的に大きい下部電極を酸素バリア膜の形成後に形成するため、酸素バリア膜と同時に形成する場合と比べ、加工が容易となる。また、第2の層間絶縁膜を該第2の層間絶縁膜から酸素バリア膜が露出するように形成するため、下部電極の周囲に第2の層間絶縁膜が存在する。その結果、酸素バリア膜よりも大きい面積であっても、下部電極を第2の層間絶縁膜上にもはみ出すように形成できるので、酸素バリア膜と下部電極との位置合わせが容易となる。
本発明に係る第4の半導体装置の製造方法は、半導体領域の上に第1の層間絶縁膜を形成する第1の工程と、第1の層間絶縁膜に半導体領域と接続される導電性プラグを形成する第2の工程と、第1の層間絶縁膜の上に、導電性の酸素バリア膜を導電性プラグを覆うように形成する第3の工程と、第1の層間絶縁膜の上に、第2の層間絶縁膜を該第2の層間絶縁膜から酸素バリア膜が露出するように形成する第4の工程と、露出した酸素バリア膜の上に、膜厚が比較的に大きい下地膜を形成する第5の工程と、下地膜の上面及び側面上に、その端部が酸素バリア膜と接続されるように下部電極を形成する第6の工程と、下部電極の上に該下部電極に沿うように容量絶縁膜を形成する第7の工程と、容量絶縁膜の上に該容量絶縁膜に沿うように上部電極を形成する第8の工程とを備えている。
第4の半導体装置の製造方法によると、第3の半導体装置の製造方法と同様の効果を得られる上に、下部電極自体を厚膜とする代わりに、下部電極の下地膜として他の膜厚部材を用いているため、下部電極よりも加工が容易な材料を選択することができるので、歩留まりが向上する。
第4の半導体装置の製造方法は、第5の工程と第6の工程との間に、下地膜の表面に、下部電極の下地膜に対する密着性を高める密着層を形成する工程をさらに備えていることが好ましい。
本発明に係る第5の半導体装置の製造方法は、半導体領域の上に第1の層間絶縁膜を形成する第1の工程と、第1の層間絶縁膜に半導体領域と接続される導電性プラグを形成する第2の工程と、第1の層間絶縁膜の上に、導電性の酸素バリア膜を導電性プラグを覆うように形成する第3の工程と、第1の層間絶縁膜の上に酸素バリア膜を含む全面にわたって第2の層間絶縁膜を形成した後、形成した第2の層間絶縁膜に酸素バリア膜を露出する開口部を形成する第4の工程と、第2の層間絶縁膜における開口部の底面上及び壁面上に導電性膜を堆積することにより、酸素バリア膜の上に該酸素バリア膜と接続する導電性膜からなる有底筒状の下部電極を形成する第5の工程と、第2の層間絶縁膜を除去して下部電極を露出した後、露出した下部電極の内壁面及び外壁面上に沿うように容量絶縁膜を形成する第6の工程と、容量絶縁膜の上に該容量絶縁膜に沿うように上部電極を形成する第7の工程とを備えている。
第5の半導体装置の製造方法によると、酸素バリア膜の上に該酸素バリア膜と接続する導電性膜からなる有底筒状の下部電極を形成した後、露出した下部電極の内壁面及び外壁面上に沿うように容量絶縁膜を形成するため、容量絶縁膜の一部は、下部電極における内壁面上及び外壁面上部分が基板面とほぼ垂直な面を持つので、容量を格段に増大しながら、容量素子の基板面への投影面積を縮小することができる。
本発明に係る第6の半導体装置の製造方法は、半導体領域の上に第1の層間絶縁膜を形成する第1の工程と、第1の層間絶縁膜に半導体領域と接続される導電性プラグを形成する第2の工程と、第1の層間絶縁膜の上に、導電性の酸素バリア膜を導電性プラグを覆うように形成する第3の工程と、第1の層間絶縁膜の上に酸素バリア膜を含む全面にわたって第2の層間絶縁膜を形成した後、形成した第2の層間絶縁膜に酸素バリア膜を露出する開口部を形成する第4の工程と、第2の層間絶縁膜における開口部の底面上及び壁面上に、有底筒状の形状維持膜を形成する第5の工程と、第2の層間絶縁膜を除去して形状維持膜の外壁面を露出した後、露出した形状維持膜の内壁面及び外壁面上に沿うと共に、その端部が酸素バリア膜と接続するように下部電極を形成する第6の工程と、下部電極の上に該下部電極に沿うように容量絶縁膜を形成する第7の工程と、容量絶縁膜の上に該容量絶縁膜に沿うように上部電極を形成する第8の工程とを備えている。
第6の半導体装置の製造方法によると、第5の半導体装置の製造方法と同様の効果を得られる上に、有底筒状体に下部電極を用いる代わりに、他の部材からなる形状維持膜を用いるため、有底筒状体の形状変化を防止することができる。
第6の半導体装置の製造方法において、形状維持膜が金属酸化物からなることが好ましい。
第1〜第6の半導体装置の製造方法において、容量絶縁膜が強誘電体又は高誘電体からなることが好ましい。
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、下部電極、容量絶縁膜及び上部電極からなる容量素子は導電性プラグを介してトランジスタの上方に形成されるため、容量素子とトランジスタとからなるセルの単位面積を小さくすることができる。その上、容量絶縁膜は、導電性プラグの貫通方向に屈曲する屈曲部を有しているため、容量絶縁膜の基板面への投影面積が縮小されるので、セル面積が一層縮小される。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の断面構成を示している。
図1に示すように、例えばシリコン(Si)からなる半導体基板10におけるシャロウトレンチ分離(STI)膜11により区画された素子形成領域には、MOSトランジスタ30が形成されている。なお、ここでは、1つ分の素子形成領域のみを示しているが、半導体基板10上に複数の素子形成領域を含んでいる。以下の各実施形態においても同様である。
MOSトランジスタ30を含む半導体基板10の上には、膜厚が約500nmの酸化シリコン(SiO2 )からなる第1の層間絶縁膜12が形成されている。
第1の層間絶縁膜12には、厚さが約10nmのチタンと厚さが約20nmの窒化チタン(TiN)とが積層されてなるバリア層(図示せず)を下部に設けたタングステン(W)からなる導電性プラグ13が、MOSトランジスタ30のソース拡散領域30aと接続されるように形成されている。
導電性プラグ13の上には、該導電性プラグ13と電気的に接続され、且つ導電性プラグ13を覆うように導電性の酸素バリア膜14が形成されている。酸素バリア膜14は、下側から順次積層された、厚さが約50nmの窒化チタンアルミニウム(TiAlN)と、厚さが約50nmのイリジウム(Ir)と、厚さが約50nmの酸化イリジウム(IrO2 )とにより構成されている。
第1の層間絶縁膜12の上には、膜厚が約500nmの酸化シリコンからなり、酸素バリア膜14を露出する開口部15aを有する第2の層間絶縁膜15が形成されている。
開口部15aの壁面上及び該開口部15aの底面から露出する酸素バリア膜14の上には、厚さが約50nmの白金(Pt)からなる下部電極16が形成されている。
下部電極16の上には、厚さが約50nmで、ストロンチウム(Sr)、ビスマス(Bi)、タンタル(Ta)及びニオブ(Nb)を含むビスマス層状ペロブスカイト型酸化物である強誘電体からなる容量絶縁膜17が、下部電極16に沿って形成されている。容量絶縁膜17の上には、厚さが約50nmの白金(Pt)からなる上部電極18が容量絶縁膜17に沿って形成されている。
このように、第1の実施形態に係る容量素子19は、下部電極16、容量絶縁膜17及び上部電極18からなり、MOSトランジスタ30のソース拡散領域30a上に設けられた導電性プラグ13のさらに上方に位置するように設けられている。これにより、容量素子とトランジスタとからなるセルの単位面積を小さくすることができる。
その上、容量絶縁膜17は、第2の層間絶縁膜15に設けられた酸素バリア膜14を露出する開口部15aの底面及び壁面上に沿って形成されているため、容量絶縁膜17には、導電性プラグ13の貫通方向に屈曲する屈曲部17aが形成される。この屈曲部17aにより、容量絶縁膜17の一部は、基板面とほぼ垂直な面を持つことになり、所定の容量を確保しながら、容量絶縁膜17の基板面への投影面積、すなわちセルの単位面積をさらに小さくすることができる。
なお、第1の層間絶縁膜12及び第2の層間絶縁膜15は、酸化シリコンに代えて、それよりも誘電率が小さいフッ素(F)が添加された酸化シリコン(FSG)等、絶縁性を有する材料であればよい。
また、導電性プラグ13は、タングステンに限られず、多結晶シリコン等の導電性を有する材料であればよい。
また、下部電極16及び上部電極18は、白金に限られず、高温の酸素雰囲気で導電性が維持される材料であればよい。
また、容量絶縁膜17は、強誘電体からなる金属酸化物又は高誘電体からなる金属酸化物が好ましい。
(第1の実施形態の第1製造方法)
以下、前記のように構成された半導体装置の第1製造方法について図面を参照しながら説明する。
図2(a)〜図2(d)は第1の実施形態に係る半導体装置の第1製造方法の工程順の断面構成を示している。
まず、図2(a)に示すように、半導体基板10の主面の上部に、STI膜11を選択的に形成して、主面を複数の素子形成領域に区画する。その後、各素子形成領域にMOSトランジスタ30を形成し、形成したMOSトランジスタ30を含む半導体基板10の上に全面にわたって、化学的気相堆積(CVD)法により、膜厚が約1000nmの酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜12を堆積する。続いて、化学機械的研磨(CMP)法により、堆積した第1の層間絶縁膜12の上面の平坦化を行なってその膜厚を500nm程度とする。その後、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、第1の層間絶縁膜12におけるMOSトランジスタ30のソース領域30aの上側に、コンタクトホールを選択的に開口する。続いて、スパッタ法又はCVD法により、コンタクトホールを含む第1の層間絶縁膜12の上に、厚さが約10nmのチタン及び厚さが約20nmの窒化チタンを堆積してバリア層(図示せず)を形成する。続いて、CVD法により、バリア層の上にコンタクトホールを充填するように、厚さが約500nmのタングステンからなる金属膜を堆積する。その後、CMP法により、バリア層及び金属膜における第1の層間絶縁膜12上に位置する部分を除去することにより、コンタクトホールにバリア層及び金属膜からなる導電性プラグ13を形成する。
次に、図2(b)に示すように、スパッタ法により、導電性プラグ13を含む第1の層間絶縁膜12の上に、厚さが約50nmの窒化チタンアルミニウム、厚さが約50nmのイリジウム及び厚さが約50nmの酸化イリジウムを順次堆積して、酸素バリア形成膜を形成する。続いて、酸素バリア形成膜に対して、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、導電性プラグ13を含む領域でパターニングして、酸素バリア形成膜から酸素バリア膜14を形成する。
次に、図2(c)に示すように、CVD法により、第1の層間絶縁膜12の上に酸素バリア膜14を含む全面にわたって、膜厚が約1000nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜15を堆積する。その後、CMP法により、堆積した第2の層間絶縁膜15の上面をその膜厚が500nm程度となるように平坦化する。続いて、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、第2の層間絶縁膜15に、酸素バリア膜14を露出する開口部15aを形成し、その後、スパッタ法又はCVD法により、開口部15aを含む第2の層間絶縁膜15の上に、膜厚が約50nmの白金からなる下部電極形成膜を堆積する。続いて、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、堆積した下部電極形成膜に対して、該下部電極形成膜が少なくとも開口部15aの底面及び壁面上に残るようにパターニングして、下部電極形成膜から下部電極16を形成する。
次に、図2(d)に示すように、CVD法により、下部電極16を含む第2の層間絶縁膜15の上に、膜厚が約50nmで、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブを含む強誘電体からなる容量絶縁膜形成膜を堆積する。続いて、スパッタ法又はCVD法により、容量絶縁膜形成膜の上に、膜厚が約50nmの白金からなる上部電極形成膜を堆積する。その後、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、容量絶縁膜形成膜び上部電極形成膜に対して、下部電極16を含むようにパターニングを行なって、容量絶縁膜形成膜から容量絶縁膜17を形成し、上部電極形成膜から上部電極18を形成する。続いて、約700℃の温度で約10分間のアニールを行なって、容量絶縁膜17を構成する強誘電体の結晶化を図る。
その後、図示はしていないが、半導体基板10上に所定の配線等を形成した後、保護絶縁膜を成膜する。
このように、第1の実施形態の第1製造方法によると、下部電極16と導電性プラグ13との間には、酸素バリア膜14を介在させているため、容量絶縁膜17を結晶化する際の熱処理によって、容量絶縁膜17を構成する酸素原子によって導電性プラグ13が酸化されることがない。
その上、酸素バリア膜14と下部電極16とはそれぞれ異なる工程で形成するため、酸素バリア膜14の膜厚を相対的に大きくすることによって、該酸素バリア膜14のバリア特性の向上を図ることができると共に、逆に、下部電極16の膜厚を相対的に小さくすることによって、容量絶縁膜17における基板面とほぼ垂直な部分を形成できるので、容量絶縁膜17の表面積を確実に増大することができる。
従って、例えば、下部電極16の膜厚を相対的に大きくすると、白金等の高融点金属は一般にはエッチングが困難となるという事態を避けることができる。さらには、容量絶縁膜17の屈曲部17aによる立体化を図るために設けた第2の絶縁膜15の開口部15aの開口径が小さくなってしまい、容量絶縁膜17の実効的な面積が減少するという事態を防止することができる。
(第1の実施形態の第2製造方法)
以下、第1の実施形態に係る半導体装置の第2製造方法について図面を参照しながら説明する。
図3(a)〜図3(d)は第1の実施形態に係る半導体装置の第2製造方法の工程順の断面構成を示している。図3において、図2に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
まず、図3(a)に示すように、第1製造方法と同様に、MOSトランジスタ30を含む半導体基板10の上の全面に、膜厚が約1000nmの酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜12を堆積する。続いて、CMP法により、堆積した第1の層間絶縁膜12の上面の平坦化を行なってその膜厚を500nm程度とする。その後、第1の層間絶縁膜12におけるMOSトランジスタ30のソース領域30aの上側に、コンタクトホールを選択的に開口する。続いて、開口したコンタクトホールに、バリア層及びタングステンからなる導電性プラグ13を形成する。その後、CVD法により、膜厚が約150nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜20を堆積し、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、堆積した第2の層間絶縁膜20に導電性プラグ13を露出するように第1開口部20aを形成する。
次に、図3(b)に示すように、スパッタ法により、第1の層間絶縁膜12の上に第1開口部20aを含む全面にわたって、厚さが約50nmの窒化チタンアルミニウム、厚さが約50nmのイリジウム及び厚さが約50nmの酸化イリジウムを順次堆積して、酸素バリア形成膜を形成する。続いて、CMP法により、酸素バリア形成膜における第2の層間絶縁膜20の上側部分を除去することにより、第2の層間絶縁膜20の第1開口部20aに酸素バリア膜14を形成する。
次に、図3(c)に示すように、CVD法により、第2の層間絶縁膜20の上に酸素バリア膜14を含む全面にわたって、膜厚が約500nmの酸化シリコンからなる第3の層間絶縁膜21を成膜する。続いて、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、第3の層間絶縁膜21に、酸素バリア膜14を露出する第2開口部21aを形成し、その後、スパッタ法又はCVD法により、第2開口部21aを含む第3の層間絶縁膜21の上に、膜厚が約50nmの白金からなる下部電極形成膜を堆積する。続いて、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、堆積した下部電極形成膜に対して、該下部電極形成膜が少なくとも第2開口部21aの底面及び壁面上に残るようにパターニングして、下部電極形成膜から下部電極16を形成する。
次に、図3(d)に示すように、CVD法により、下部電極16を含む第3の層間絶縁膜21の上に、膜厚が約50nmで、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブを含む強誘電体からなる容量絶縁膜17を形成し、続いて、スパッタ法又はCVD法により、容量絶縁膜17の上に、膜厚が約50nmの白金からなる上部電極18を形成する。ここでは、容量絶縁膜17及び上部電極18を同一のマスクによりパターニングしている。これにより、下部電極16、容量絶縁膜17及び上部電極18からなる容量素子19が形成される。ここでも、約700℃の温度で約10分間のアニールを行なって、容量絶縁膜17を構成する強誘電体の結晶化を図る。
その後、図示はしていないが、半導体基板10上に所定の配線等を形成した後、保護絶縁膜を成膜する。
このように、第1の実施形態の第2製造方法によると、酸素バリア膜14を、該酸素バリア膜14の膜厚を決定する第2の層間絶縁膜20の第1開口部20aに埋め込むことにより形成するため、酸素バリア膜14にエッチングが困難な材料を用いた場合であっても、酸素バリア膜14の微細加工が容易となる。また、酸素バリア膜14のバリア特性を高めるための厚膜化も比較的容易となる。
(第1製造方法の一変形例)
以下、第1の実施形態に係る半導体装置の第1製造方法の一変形例について図面を参照しながら説明する。
図4(a)〜図4(d)は第1の実施形態に係る半導体装置の第1製造方法の一変形例の工程順の断面構成を示している。図4において、図2に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
まず、図4(a)に示すように、第1製造方法と同様に、MOSトランジスタ30を含む半導体基板10の上の全面に、膜厚が約1000nmの酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜12を堆積する。続いて、CMP法により、堆積した第1の層間絶縁膜12の上面の平坦化を行なってその膜厚を500nm程度とする。その後、第1の層間絶縁膜12におけるMOSトランジスタ30のソース領域30aの上側に、コンタクトホールを選択的に開口する。続いて、開口したコンタクトホールに、バリア層及びタングステンからなる導電性プラグ13を形成する。
次に、図4(b)に示すように、スパッタ法により、導電性プラグ13を含む第1の層間絶縁膜12の上に、厚さが約50nmの窒化チタンアルミニウム、厚さが約50nmのイリジウム及び厚さが約50nmの酸化イリジウムを順次堆積して、酸素バリア形成膜を形成する。続いて、酸素バリア形成膜に対して、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、導電性プラグ13を含むようにパターニングして、酸素バリア形成膜から酸素バリア膜14を形成する。
次に、図4(c)に示すように、CVD法により、第1の層間絶縁膜12の上に酸素バリア膜14を含む全面にわたって、膜厚が約1000nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜15を堆積する。続いて、CMP法により、堆積した第2の層間絶縁膜15の上面をその膜厚が500nm程度となるように平坦化する。その後、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、第2の層間絶縁膜15に、酸素バリア膜14を露出する開口部15aを形成し、続いて、スパッタ法又はCVD法により、開口部15aの底面上及び壁面上に、酸素バリア膜14と接続するように、膜厚が約50nmの白金からなる下部電極形成膜を堆積する。続いて、CMP法又はレジストエッチバック法により、堆積した下部電極形成膜における第2の層間絶縁膜15の上側部分を除去して、該下部電極形成膜を開口部15aの底面及び壁面上に残すことにより、下部電極形成膜から下部電極16Aを形成する。
次に、図4(d)に示すように、CVD法により、下部電極16Aを含む第2の層間絶縁膜15の上に、膜厚が約50nmで、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブを含む強誘電体からなる容量絶縁膜17を形成し、続いて、スパッタ法又はCVD法により、容量絶縁膜17の上に、膜厚が約50nmの白金からなる上部電極18を形成する。これにより、下部電極16A、容量絶縁膜17及び上部電極18からなる容量素子19が形成される。ここでも、約700℃の温度で約10分間のアニールを行なって、容量絶縁膜17を構成する強誘電体の結晶化を図る。
その後、図示はしていないが、半導体基板10上に所定の配線等を形成した後、保護絶縁膜を成膜する。
このように、第1製造方法の一変形例によると、図4(c)に示す下部電極16Aの形成工程において、CMP法又はレジストエッチバック法により下部電極16Aを形成するため、第2の層間絶縁膜15の開口部15aと下部電極16Aとの位置合わせのマージンを確保する必要がなくなるので、セル面積をさらに小さくすることができる。
なお、本変形例においても、酸素バリア膜14の形成には、第2製造方法、すなわち酸素バリア膜14を層間絶縁膜の開口部に充填して形成する方法を用いてもよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図5は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の断面構成を示している。図5において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図5に示すように、第2の実施形態に係る半導体装置は、第2の層間絶縁膜15の開口部15aの底面上及び側面上に、厚さが約5nmの酸化イリジウムからなる導電性を有する密着層22が設けられている。
この密着層22により、酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜15と白金からなる下部電極16との間の密着性が向上するため、下部電極16が第2の層間絶縁膜15から剥がれ難くなる。
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図6(a)〜図6(d)は第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程順の断面構成を示している。図6において、図2に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
まず、図6(a)に示すように、第1の実施形態の第1製造方法と同様に、MOSトランジスタ30を含む半導体基板10の上の全面に、膜厚が約1000nmの酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜12を堆積する。続いて、CMP法により、堆積した第1の層間絶縁膜12の上面の平坦化を行なってその膜厚を500nm程度とする。その後、第1の層間絶縁膜12におけるMOSトランジスタ30のソース領域30aの上側に、コンタクトホールを選択的に開口する。続いて、開口したコンタクトホールに、バリア層及びタングステンからなる導電性プラグ13を形成する。
次に、図6(b)に示すように、スパッタ法により、導電性プラグ13を含む第1の層間絶縁膜12の上に、厚さが約50nmの窒化チタンアルミニウム、厚さが約50nmのイリジウム及び厚さが約50nmの酸化イリジウムを順次堆積して、酸素バリア形成膜を形成する。続いて、酸素バリア形成膜に対して、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、導電性プラグ13を含むようにパターニングして、酸素バリア形成膜から酸素バリア膜14を形成する。
次に、図6(c)に示すように、CVD法により、第1の層間絶縁膜12の上に酸素バリア膜14を含む全面にわたって、膜厚が約1000nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜15を堆積する。続いて、CMP法により、堆積した第2の層間絶縁膜15の上面をその膜厚が500nm程度となるように平坦化する。その後、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、第2の層間絶縁膜15に、酸素バリア膜14を露出する開口部15aを形成し、続いて、スパッタ法又はCVD法により、開口部15aを含む第2の層間絶縁膜15の上に、膜厚が約5nmの酸化イリジウムからなる密着層22及び膜厚が約50nmの白金からなる下部電極形成膜を順次堆積する。続いて、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、堆積した密着層22及び下部電極形成膜に対して、該密着層22及び下部電極形成膜が少なくとも開口部15aの底面及び壁面上に残るようにパターニングすることにより、第2の層間絶縁膜15との間に密着層22を介在させた下部電極16を形成する。
次に、図6(d)に示すように、CVD法により、下部電極16を含む第2の層間絶縁膜15の上に、膜厚が約50nmで、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブを含む強誘電体からなる容量絶縁膜17を形成し、続いて、スパッタ法又はCVD法により、容量絶縁膜17の上に、膜厚が約50nmの白金からなる上部電極18を形成する。ここでは、容量絶縁膜17及び上部電極18を同一のマスクによりパターニングしている。これにより、下部電極16、容量絶縁膜17及び上部電極18からなる容量素子19が形成される。ここでも、約700℃の温度で約10分間のアニールを行なって、容量絶縁膜17を構成する強誘電体の結晶化を図る。
その後、図示はしていないが、半導体基板10上に所定の配線等を形成した後、保護絶縁膜を成膜する。
このように、第2の実施形態によると、第2の層間絶縁膜15の開口部15aの底面上及び壁面上に、厚さが約5nmの酸化イリジウムからなる密着層22を設けているため、容量絶縁膜17を構成する強誘電体を結晶化するアニール処理時に、下部電極16が第2の層間絶縁膜15から剥離することを防止することができる。
なお、第2の実施形態においても、酸素バリア膜14の形成に、第1の実施形態の第2製造方法、すなわち酸素バリア膜14を層間絶縁膜の開口部に充填して形成する方法を用いてもよい。
また、図6(c)に示す工程において、密着層22と下部電極16とを形成する際に、リソグラフィ法及びエッチング法によるパターニングに代えて、図4(c)に示したように、CMP法等により形成してもよい。
(第2の実施形態の一変形例)
以下、本発明の第2の実施形態の一変形例について図面を参照しながら説明する。
図7は本発明の第2の実施形態の一変形例に係る半導体装置の断面構成を示している。図7において、図5に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
本変形例に係る半導体装置は、第2の層間絶縁膜15の開口部15aの側面上に、厚さが約10nmの酸化チタン(TiO2 )からなる絶縁性の密着層23が設けられていることを特徴とする。
この密着層23により、酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜15と白金からなる下部電極16との間の密着性が向上するため、下部電極16が第2の層間絶縁膜15から剥がれ難くなる。さらに、密着層23は開口部15aの側面上にのみ選択的に形成されているため、酸素バリア膜14は下部電極16と直接に接続されている。このため、本変形例は、第2の実施形態と異なり、密着層23に導電性を有さない材料をも用いることができる。その結果、密着層23の材料を選択するにあたり、密着性が高い材料や、安価な材料というように、材料の選択の幅が広がる。
なお、密着層23は、第2の層間絶縁膜15と下部電極16との密着性に優れた材料であればよい。
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図8(a)〜図8(d)は第2の実施形態の一変形例に係る半導体装置の製造方法の工程順の断面構成を示している。図8において、図6に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
まず、図8(a)に示すように、第1の実施形態の第1製造方法と同様に、MOSトランジスタ30を含む半導体基板10の上の全面に、膜厚が約1000nmの酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜12を堆積する。続いて、CMP法により、堆積した第1の層間絶縁膜12の上面の平坦化を行なってその膜厚を500nm程度とする。その後、第1の層間絶縁膜12におけるMOSトランジスタ30のソース領域30aの上側に、コンタクトホールを選択的に開口する。続いて、開口したコンタクトホールに、バリア層及びタングステンからなる導電性プラグ13を形成する。その後、スパッタ法により、導電性プラグ13を含む第1の層間絶縁膜12の上に、厚さが約50nmの窒化チタンアルミニウム、厚さが約50nmのイリジウム及び厚さが約50nmの酸化イリジウムを順次堆積して、酸素バリア形成膜を形成する。続いて、酸素バリア形成膜に対して、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、導電性プラグ13を含むようにパターニングして、酸素バリア形成膜から酸素バリア膜14を形成する。
次に、図8(b)に示すように、CVD法により、第1の層間絶縁膜12の上に酸素バリア膜14を含む全面にわたって、膜厚が約1000nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜15を堆積する。続いて、CMP法により、堆積した第2の層間絶縁膜15の上面をその膜厚が500nm程度となるように平坦化する。その後、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、第2の層間絶縁膜15に、酸素バリア膜14を露出する開口部15aを形成し、続いて、スパッタ法又はCVD法により、開口部15aの底面上及び壁面上に、膜厚が約5nmのチタン(Ti)からなる金属層を堆積する。さらに、堆積した金属層に対して、温度が約650℃の酸素雰囲気で約60分間の酸化処理を行なって金属層を酸化することにより、酸化チタンからなる密着層形成層を形成する。続いて、形成した密着層形成層に対して、例えば塩素(Cl2 )ガスを用いた異方性のドライエッチングによるエッチバックを行なって、第2の層間絶縁膜15の開口部15aの壁面上に密着層形成層から密着層23を形成する。
次に、図8(c)に示すように、スパッタ法又はCVD法により、開口部15aを含む第2の層間絶縁膜15の上に、膜厚が約50nmの白金からなる下部電極形成膜を堆積する。続いて、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、堆積した下部電極形成膜に対して、該下部電極形成膜が少なくとも開口部15aの底面及び壁面上に残るようにパターニングすることにより、第2の層間絶縁膜15との間に密着層23を介在させた下部電極16を形成する。
次に、図8(d)に示すように、CVD法により、下部電極16を含む第2の層間絶縁膜15の上に、膜厚が約50nmで、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブを含む強誘電体からなる容量絶縁膜17を形成し、続いて、スパッタ法又はCVD法により、容量絶縁膜17の上に、膜厚が約50nmの白金からなる上部電極18を形成する。これにより、下部電極16、容量絶縁膜17及び上部電極18からなる容量素子19が形成される。ここでも、約700℃の温度で約10分間のアニールを行なって、容量絶縁膜17を構成する強誘電体の結晶化を図る。
その後、図示はしていないが、半導体基板10上に所定の配線等を形成した後、保護絶縁膜を成膜する。
このように、本変形例によると、第2の層間絶縁膜15の開口部15aの壁面上に、厚さが約5nmの酸化チタンからなる密着層23を設けているため、容量絶縁膜17を構成する強誘電体を結晶化するアニール処理時に、下部電極16が第2の層間絶縁膜15から剥離することを防止することができる。
また、密着層23は金属酸化物からなるため、密着層23と下部電極16との反応によって、下部電極16と第2の層間絶縁膜15との密着性が向上する。その上、容量絶縁膜17のアニール処理時には密着層23から容量絶縁膜17への金属拡散が防止される。
さらに、図8(b)に示すように、密着層23を開口部15aの壁面上にのみ形成して、下部電極16は導電性の酸素バリア膜14と直接に接続されるため、密着層23として絶縁性材料を用いることができる。
なお、本変形例においても、酸素バリア膜14の形成に、第1の実施形態の第2製造方法、すなわち酸素バリア膜14を層間絶縁膜の開口部に充填して形成する方法を用いてもよい。
また、図8(c)に示す工程において、下部電極16と形成する際に、リソグラフィ法及びエッチング法によるパターニングに代えて、図4(c)に示したように、CMP法等により形成してもよい。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図9は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の断面構成を示している。図9において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図9に示すように、第3の実施形態に係る半導体装置は、第1及び第2の実施形態と同様に、導電性プラグ13、酸素バリア膜14及び容量素子19が基板面に対して垂直な方向に積層されてなるスタック型のセル構造を有している。
第3の実施形態の特徴として、容量素子19を構成する下部電極16Bは、厚さが約300nmと比較的に膜厚が大きい白金により構成されている。
膜厚が約50nmの強誘電体からなり、下部電極16Bの表面上に形成される容量絶縁膜17は、該下部電極16Bの上面と側面とがなす角部によって屈曲部17aが形成される。この屈曲部17aにより、容量絶縁膜17の一部は、基板面とほぼ垂直な面を持つことになり、所定の容量を確保しながら、容量絶縁膜17の基板面への投影面積を確実に小さくすることができる。
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図10(a)〜図10(d)は第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程順の断面構成を示している。図10において、図2に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
まず、図10(a)に示すように、第1の実施形態の第1製造方法と同様に、MOSトランジスタ30を含む半導体基板10の上の全面に、膜厚が約1000nmの酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜12を堆積する。続いて、CMP法により、堆積した第1の層間絶縁膜12の上面の平坦化を行なってその膜厚を500nm程度とする。その後、第1の層間絶縁膜12におけるMOSトランジスタ30のソース領域30aの上側に、コンタクトホールを選択的に開口する。続いて、開口したコンタクトホールに、バリア層及びタングステンからなる導電性プラグ13を形成する。その後、スパッタ法により、導電性プラグ13を含む第1の層間絶縁膜12の上に、厚さが約50nmの窒化チタンアルミニウム、厚さが約50nmのイリジウム及び厚さが約50nmの酸化イリジウムを順次堆積して、酸素バリア形成膜を形成する。続いて、酸素バリア形成膜に対して、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、導電性プラグ13を含むようにパターニングして、酸素バリア形成膜から酸素バリア膜14を形成する。
次に、図10(b)に示すように、CVD法により、第1の層間絶縁膜12の上に酸素バリア膜14を含む全面にわたって、膜厚が約300nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜15を堆積する。続いて、CMP法により、堆積した第2の層間絶縁膜15の上面を、酸素バリア膜14が露出するまで研磨し、第2の層間絶縁膜15及び酸素バリア膜14の上面を平坦化する。
次に、図10(c)に示すように、スパッタ法により、第2の層間絶縁膜15の上に酸素バリア膜14を含む全面にわたって、厚さが約300nmの白金からなる下部電極形成膜を堆積する。続いて、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、下部電極形成膜をその酸素バリア膜14の上側部分を含むようにパターニングして、該下部電極形成膜から厚膜の下部電極16Bを形成する。
次に、図10(d)に示すように、CVD法により、下部電極16Bを覆うように、膜厚が約50nmで、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブを含む強誘電体からなる容量絶縁膜17を形成し、続いて、スパッタ法又はCVD法により、容量絶縁膜17を覆うように、膜厚が約50nmの白金からなる上部電極18を形成する。ここでは、容量絶縁膜17及び上部電極18を同一のマスクによりパターニングしている。これにより、下部電極16B、容量絶縁膜17及び上部電極18からなる容量素子19が形成される。ここでも、約700℃の温度で約10分間のアニールを行なって、容量絶縁膜17を構成する強誘電体の結晶化を図る。
その後、図示はしていないが、半導体基板10上に所定の配線等を形成した後、保護絶縁膜を成膜する。
このように、第3の実施形態の製造方法によると、酸素バリア膜14を形成した後、比較的に厚膜の下部電極16Bを形成するため、該下部電極16Bを酸素バリア膜14と同時に形成する場合と比べて加工が容易である。
また、第3の実施形態に係る酸素バリア膜14は、その周辺部を第2の層間絶縁膜15により囲まれているため、下部電極16Bの底面積を酸素バリア膜14よりも大きくすることができる。このため、下部電極16Bと酸素バリア膜14との位置合わせを行なう際に、位置ずれが生じるおそれがない。
なお、第3の実施形態においても、酸素バリア膜14の形成には、第1の実施形態に係る第2製造方法、すなわち酸素バリア膜14を第2の層間絶縁膜15に開口部を形成し、その開口部に充填して形成する方法を用いてもよい。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図11は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の断面構成を示している。図11において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図11に示すように、第4の実施形態に係る半導体装置は、第1〜第3の実施形態と同様に、導電性プラグ13、酸素バリア膜14及び容量素子19が基板面に対して垂直な方向に積層されてなるスタック型のセル構造を有している。
第4の実施形態は、第3の実施形態のように容量素子19の下部電極16自体を厚膜とする代わりに、絶縁性材料からなり比較的に厚膜の例えば柱状の下地膜24の上に形成する構成とする。
この構成により、膜厚が約50nmの強誘電体からなり、下部電極16の表面上に形成される容量絶縁膜17は、下地膜24の上面と側面とがなす角部によって屈曲部17aが形成される。この屈曲部17aにより、容量絶縁膜17の一部は、基板面とほぼ垂直な面を持つことになり、所定の容量を確保しながら、容量絶縁膜17の基板面への投影面積を確実に小さくすることができる。
その上、下地膜24を設けたことにより、下部電極16の厚さを比較的に小さくできるため、下部電極16自体の加工が容易となるので、基板面に対して垂直な方向の寸法、すなわち高さ寸法を容易に且つ確実に大きくすることができる。
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図12(a)〜図12(d)は第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程順の断面構成を示している。図12において、図2に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
まず、図12(a)に示すように、第1の実施形態の第1製造方法と同様に、MOSトランジスタ30を含む半導体基板10の上の全面に、膜厚が約1000nmの酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜12を堆積する。続いて、CMP法により、堆積した第1の層間絶縁膜12の上面の平坦化を行なってその膜厚を500nm程度とする。その後、第1の層間絶縁膜12におけるMOSトランジスタ30のソース領域30aの上側に、コンタクトホールを選択的に開口する。続いて、開口したコンタクトホールに、バリア層及びタングステンからなる導電性プラグ13を形成する。その後、スパッタ法により、導電性プラグ13を含む第1の層間絶縁膜12の上に、厚さが約50nmの窒化チタンアルミニウム、厚さが約50nmのイリジウム及び厚さが約50nmの酸化イリジウムを順次堆積して、酸素バリア形成膜を形成する。続いて、酸素バリア形成膜に対して、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、導電性プラグ13を含むようにパターニングして、酸素バリア形成膜から酸素バリア膜14を形成する。その後、CVD法により、第1の層間絶縁膜12の上に酸素バリア膜14を含む全面にわたって、膜厚が約300nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜15を堆積する。続いて、CMP法により、堆積した第2の層間絶縁膜15の上面を、酸素バリア膜14が露出するまで研磨し、第2の層間絶縁膜15及び酸素バリア膜14の上面を平坦化する。
次に、図12(b)に示すように、CVD法により、第2の層間絶縁膜15の上に酸素バリア膜14を含む全面にわたって、膜厚が約500nmの酸化シリコンからなる下地膜形成膜を堆積し、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、堆積した下地膜形成膜における酸素バリア膜14の上側部分をその周縁部が露出するようにパターニングして、該下地膜形成膜から下地膜24を形成する。
次に、図12(c)に示すように、スパッタ法又はCVD法により、第2の層間絶縁膜15の上に下地膜24を覆うように膜厚が約50nmの白金からなる下部電極形成膜を堆積する。続いて、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、堆積した下部電極形成膜に対してパターニングすることにより、下部電極形成膜から、下地膜24の上面及び側面を覆う下部電極16を形成する。このとき、下部電極16の下端部は酸素バリア膜14の上面の周縁部において電気的に接続される。
次に、図12(d)に示すように、CVD法により、下部電極16を覆うように、膜厚が約50nmで、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブを含む強誘電体からなる容量絶縁膜17を形成し、続いて、スパッタ法又はCVD法により、容量絶縁膜17を覆うように、膜厚が約50nmの白金からなる上部電極18を形成する。ここでは、容量絶縁膜17及び上部電極18を同一のマスクによりパターニングしている。これにより、下部電極16、容量絶縁膜17及び上部電極18からなる容量素子19が形成される。ここでも、約700℃の温度で約10分間のアニールを行なって、容量絶縁膜17を構成する強誘電体の結晶化を図る。
その後、図示はしていないが、半導体基板10上に所定の配線等を形成した後、保護絶縁膜を成膜する。
このように、第4の実施形態は、下部電極16に基板面に対して垂直な部分を含むようにするための、すなわち立体化を図るための補助部材である柱状の下地膜24を酸素バリア膜14の上に設けている。このため、白金からなる下部電極16自体を柱状構造とするよりも、加工性に優れる。
その上、下地膜24は酸素バリア膜14の上面の周縁部を露出するように形成するため、酸素バリア膜14と下部電極16との電気的な接続が確保されるので、下地膜24は導電性を有さない材料を用いることができる。
なお、下地膜24は、酸化シリコンに限られず、加工が容易な材料であれば良く、導電性の有無は問われない。さらには、下地膜24として、導電性の酸化チタンアルミニウムを用いると、白金からなる下部電極16との密着性が良好となる。
また、第4の実施形態においても、酸素バリア膜14の形成には、第1の実施形態に係る第2製造方法、すなわち酸素バリア膜14を第2の層間絶縁膜15に開口部を形成し、その開口部に充填して形成する方法を用いてもよい。
(第4の実施形態の一変形例)
以下、本発明の第4の実施形態の一変形例について図面を参照しながら説明する。
図13は本発明の第4の実施形態の一変形例に係る半導体装置の断面構成を示している。図13において、図11に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
本変形例に係る半導体装置は、下地膜24の側面上に、厚さが約5nmの酸化チタンからなる密着層25が設けられていることを特徴とする。
この密着層25により、酸化シリコンからなる下地膜24と白金からなる下部電極16との間の密着性が向上するため、下部電極16が下地膜24から剥がれ難くなる。
なお、密着層25に絶縁性の酸化チタンを用いているため、密着層25は、バリア膜14を露出するように設ける必要があるが、酸化イリジウムのような導電性材料を用いた場合には、酸素バリア膜14を覆っていてもよい。
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図14(a)〜図14(d)は第4の実施形態の一変形例に係る半導体装置の製造方法の工程順の断面構成を示している。図14において、図12に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
まず、図14(a)に示すように、第1の実施形態の第1製造方法と同様に、MOSトランジスタ30を含む半導体基板10の上の全面に、膜厚が約1000nmの酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜12を堆積する。続いて、CMP法により、堆積した第1の層間絶縁膜12の上面の平坦化を行なってその膜厚を500nm程度とする。その後、第1の層間絶縁膜12におけるMOSトランジスタ30のソース領域30aの上側に、コンタクトホールを選択的に開口する。続いて、開口したコンタクトホールに、バリア層及びタングステンからなる導電性プラグ13を形成する。その後、スパッタ法により、導電性プラグ13を含む第1の層間絶縁膜12の上に、厚さが約50nmの窒化チタンアルミニウム、厚さが約50nmのイリジウム及び厚さが約50nmの酸化イリジウムを順次堆積して、酸素バリア形成膜を形成する。続いて、酸素バリア形成膜に対して、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、導電性プラグ13を含むようにパターニングして、酸素バリア形成膜から酸素バリア膜14を形成する。その後、CVD法により、第1の層間絶縁膜12の上に酸素バリア膜14を含む全面にわたって、膜厚が約300nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜15を堆積する。続いて、CMP法により、堆積した第2の層間絶縁膜15の上面を、酸素バリア膜14が露出するまで研磨し、第2の層間絶縁膜15及び酸素バリア膜14の上面を平坦化する。
次に、図14(b)に示すように、CVD法により、第2の層間絶縁膜15の上に酸素バリア膜14を含む全面にわたって、膜厚が約500nmの酸化シリコンからなる下地膜形成膜を堆積し、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、堆積した下地膜形成膜における酸素バリア膜14の上側部分をその周縁部が露出するようにパターニングして、該下地膜形成膜から下地膜24を形成する。続いて、スパッタ法又はCVD法により、第2の層間絶縁膜15の上に下地膜24を覆うように、膜厚が約5nmのチタンからなる金属層を堆積する。その後、堆積した金属層に対して、温度が約650℃の酸素雰囲気で約60分の酸化処理によって金属層を酸化することにより、酸化チタンからなる密着層25を形成する。
次に、図14(c)に示すように、例えば塩素(Cl2 )ガスを用いた異方性のドライエッチングにより、密着層25を下地膜24の側面上に残すようにエッチバックを行なう。ここでも、酸素バリア膜14の上面の周縁部を露出する必要がある。
次に、図14(d)に示すように、スパッタ法又はCVD法により、下地膜24及び密着層25を含む第2の層間絶縁膜15の上に、膜厚が約50nmの白金からなる下部電極形成膜を堆積する。続いて、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、堆積した下部電極形成膜に対してパターニングすることにより、下部電極形成膜から、下地膜24をその側面に密着層25を介在させて覆う下部電極16を形成する。このとき、下部電極16の下端部は酸素バリア膜14の上面の周縁部において電気的に接続される。続いて、CVD法により、下部電極16を覆うように、膜厚が約50nmで、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブを含む強誘電体からなる容量絶縁膜17を形成し、続いて、スパッタ法又はCVD法により、容量絶縁膜17を覆うように、膜厚が約50nmの白金からなる上部電極18を形成する。ここでは、容量絶縁膜17及び上部電極18を同一のマスクによりパターニングしている。これにより、下部電極16、容量絶縁膜17及び上部電極18からなる容量素子19が形成される。ここでも、約700℃の温度で約10分間のアニールを行なって、容量絶縁膜17を構成する強誘電体の結晶化を図る。
その後、図示はしていないが、半導体基板10上に所定の配線等を形成した後、保護絶縁膜を成膜する。
このように、本変形例によると、下地膜24の側面上に、厚さが約5nmの酸化チタンからなる密着層25を設けているため、容量絶縁膜17を構成する強誘電体を結晶化するアニール処理時に、下部電極16が下地膜24から剥離することを防止することができる。
また、密着層25は金属酸化物からなるため、密着層25と下部電極16との反応によって、下部電極16と下地膜24との密着性が向上する。その上、容量絶縁膜17のアニール処理時には密着層25から容量絶縁膜17への金属拡散が防止される。
さらに、図14(c)に示すように、密着層25を酸素バリア膜14を露出するように形成して、下部電極16は導電性の酸素バリア膜14と直接に接続されるため、密着層25の導電性の有無は問われない。
なお、本変形例においても、酸素バリア膜14の形成に、第1の実施形態の第2製造方法、すなわち酸素バリア膜14を層間絶縁膜の開口部に充填して形成する方法を用いてもよい。
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図15は本発明の第5の実施形態に係る半導体装置の断面構成を示している。図15において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図15に示すように、第5の実施形態に係る半導体装置は、第1〜第4の実施形態と同様に、導電性プラグ13、酸素バリア膜14及び容量素子19が基板面に対して垂直な方向に積層されてなるスタック型のセル構造を有している。
第5の実施形態の特徴として、容量素子19を構成する下部電極16Cは、厚さが約50nmで且つ高さが約500nmの有底筒状の白金により構成されている。さらに、容量素子19を構成する強誘電体からなる容量絶縁膜17及びその上の白金からなる上部電極18は、下部電極16Cの底面、内壁面及び外壁面の各面上に沿って形成されている。
この構成により、容量絶縁膜17は、有底筒状の下部電極16Cにおける底部と筒状体との接合部及び筒状体の上端部とによって屈曲部17aが形成される。この屈曲部17aにより、容量絶縁膜17の一部は、基板面とほぼ垂直な面を筒状の下部電極16Cの内壁面及び外壁面で持つことになり、容量絶縁膜17の基板面への投影面積を小さくしながら、容量は格段に増大する。
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図16(a)〜図16(d)は第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程順の断面構成を示している。図16において、図2に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
まず、図16(a)に示すように、第1の実施形態の第1製造方法と同様に、MOSトランジスタ30を含む半導体基板10の上の全面に、膜厚が約1000nmの酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜12を堆積する。続いて、CMP法により、堆積した第1の層間絶縁膜12の上面の平坦化を行なってその膜厚を500nm程度とする。その後、第1の層間絶縁膜12におけるMOSトランジスタ30のソース領域30aの上側に、コンタクトホールを選択的に開口する。続いて、開口したコンタクトホールに、バリア層及びタングステンからなる導電性プラグ13を形成する。続いて、スパッタ法により、導電性プラグ13を含む第1の層間絶縁膜12の上に、厚さが約50nmの窒化チタンアルミニウム、厚さが約50nmのイリジウム及び厚さが約50nmの酸化イリジウムを順次堆積して、酸素バリア形成膜を形成する。続いて、酸素バリア形成膜に対して、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、導電性プラグ13を含むようにパターニングして、酸素バリア形成膜から酸素バリア膜14を形成する。
次に、図16(b)に示すように、CVD法により、第1の層間絶縁膜12の上に酸素バリア膜14を含む全面にわたって、膜厚が約1000nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜15を堆積する。続いて、CMP法により、堆積した第2の層間絶縁膜15の上面をその膜厚が500nm程度となるように平坦化する。その後、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、第2の層間絶縁膜15に、酸素バリア膜14を露出する開口部15aを形成し、続いて、スパッタ法又はCVD法により、開口部15aを含む第2の層間絶縁膜15の上に、膜厚が約50nmの白金からなる下部電極形成膜を堆積する。その後、CMP法又はレジストエッチバック法により、堆積した下部電極形成膜における第2の層間絶縁膜15の上側部分を除去して、該下部電極形成膜を開口部15aの底面及び壁面上に残すことにより、下部電極形成膜から有底筒状の下部電極16Cを形成する。
次に、図16(c)に示すように、ベーパードフッ酸を用いたエッチングにより、酸素バリア膜14の上面の近傍にまで第2の層間絶縁膜15を除去することにより、下部電極16Cの外壁面を露出する。
次に、図16(d)に示すように、CVD法により、第2の層間絶縁膜15の上に、露出した下部電極16Cの底面、内壁面及び外壁面を覆うように、膜厚が約50nmで、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブを含む強誘電体からなる容量絶縁膜17を形成し、続いて、スパッタ法又はCVD法により、容量絶縁膜17の上にその露出面に沿うように、膜厚が約50nmの白金からなる上部電極18を形成する。ここでは、容量絶縁膜17及び上部電極18を同一のマスクによりパターニングしている。これにより、下部電極16C、容量絶縁膜17及び上部電極18からなる容量素子19が形成される。ここでも、約700℃の温度で約10分間のアニールを行なって、容量絶縁膜17を構成する強誘電体の結晶化を図る。
その後、図示はしていないが、半導体基板10上に所定の配線等を形成した後、保護絶縁膜を成膜する。
このように、第5の実施形態の製造方法によると、第2の層間絶縁膜15を酸素バリア膜14の上面の近傍にまでエッチングして除去するため、下部電極16Cの外壁面上にも容量絶縁膜17及び上部電極18を形成することができる。
(第6の実施形態)
以下、本発明の第6の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図17は本発明の第6の実施形態に係る半導体装置の断面構成を示している。図17において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図17に示すように、第6の実施形態に係る半導体装置は、第1〜第5の実施形態と同様に、導電性プラグ13、酸素バリア膜14及び容量素子19が基板面に対して垂直な方向に積層されてなるスタック型のセル構造を有している。
第6の実施形態の特徴として、容量素子19を構成する下部電極16は、厚さが約20nmで且つ高さが約500nmの有底筒状の酸化チタンからなる形状維持膜26の底面、内壁面及び外壁面の各面上に沿って形成されている。さらに、下部電極16の端部は酸素バリア膜14の上面の周縁部と電気的に接続されている。また、容量素子19を構成する強誘電体からなる容量絶縁膜17及びその上の白金からなる上部電極18は、下部電極16に沿って形成されている。
この構成により、容量絶縁膜17は、有底筒状の形状維持膜26における底部と筒状体との接合部及び筒状体の上端部とによって屈曲部17aが形成される。この屈曲部17aにより、容量絶縁膜17の一部は、基板面とほぼ垂直な面を筒状の形状維持膜26の内壁面及び外壁面で持つことになり、容量絶縁膜17の基板面への投影面積を小さくしながら、容量は格段に増大する。その上、有底筒状体を下部電極16により形成するよりも材料の選択の幅が大きくなるため、プロセス中に形状が安定な材料を選択することにより、有底筒状体の形状を安定させることができる。
なお、形状維持膜26は、酸素バリア膜14との密着性が良好で且つ硬度が大きければ良く、導電性の有無は問われない。
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図18(a)〜図18(d)は第6の実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程順の断面構成を示している。図18において、図2に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
まず、図18(a)に示すように、第1の実施形態の第1製造方法と同様に、MOSトランジスタ30を含む半導体基板10の上の全面に、膜厚が約1000nmの酸化シリコンからなる第1の層間絶縁膜12を堆積する。続いて、CMP法により、堆積した第1の層間絶縁膜12の上面の平坦化を行なってその膜厚を500nm程度とする。その後、第1の層間絶縁膜12におけるMOSトランジスタ30のソース領域30aの上側に、コンタクトホールを選択的に開口する。続いて、開口したコンタクトホールに、バリア層及びタングステンからなる導電性プラグ13を形成する。続いて、スパッタ法により、導電性プラグ13を含む第1の層間絶縁膜12の上に、厚さが約50nmの窒化チタンアルミニウム、厚さが約50nmのイリジウム及び厚さが約50nmの酸化イリジウムを順次堆積して、酸素バリア形成膜を形成する。続いて、酸素バリア形成膜に対して、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、導電性プラグ13を含むようにパターニングして、酸素バリア形成膜から酸素バリア膜14を形成する。
次に、図18(b)に示すように、CVD法により、第1の層間絶縁膜12の上に酸素バリア膜14を含む全面にわたって、膜厚が約1000nmの酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜15を堆積する。続いて、CMP法により、堆積した第2の層間絶縁膜15の上面をその膜厚が500nm程度となるように平坦化する。その後、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、第2の層間絶縁膜15に、酸素バリア膜14の上面の中央部を露出する開口部15aを形成し、続いて、スパッタ法又はCVD法により、開口部15aを含む第2の層間絶縁膜15の上に、膜厚が約10nmのチタンからなる金属膜を堆積する。さらに、堆積した金属膜に対して、温度が約650℃の酸素雰囲気で約60分間の酸化処理を行なって金属膜を酸化することにより、酸化チタンからなる形状維持膜形成膜を形成する。その後、CMP法又はレジストエッチバック法により、形状維持膜形成膜における第2の層間絶縁膜15の上側部分を除去して、該形状維持膜形成膜を開口部15aの底面及び壁面上に残すことにより、形状維持膜形成膜から有底筒状の形状維持膜26を形成する。
次に、図18(c)に示すように、ベーパードフッ酸を用いたエッチングにより、酸素バリア膜14の上面の周縁部を露出するように第2の層間絶縁膜15を除去することにより、形状維持膜26の外壁面を露出する。その後、スパッタ法又はCVD法により、第2の層間絶縁膜15の上に、露出した形状維持膜26の底面、内壁面及び外壁面を覆うように、膜厚が約50nmの白金からなる下部電極形成膜を堆積する。続いて、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、堆積した下部電極形成膜を形状維持膜26を含む領域でパターニングして、下部電極形成膜から、その端部が酸素バリア膜14の上面の周縁部と接続された下部電極16を形成する。
次に、図18(d)に示すように、CVD法により、第2の層間絶縁膜15の上に、下部電極16の露出面を覆うように、膜厚が約50nmで、ストロンチウム、ビスマス、タンタル及びニオブを含む強誘電体からなる容量絶縁膜17を形成し、続いて、スパッタ法又はCVD法により、容量絶縁膜17の上にその露出面に沿うように、膜厚が約50nmの白金からなる上部電極18を形成する。ここでは、容量絶縁膜17及び上部電極18を同一のマスクによりパターニングしている。これにより、下部電極16、容量絶縁膜17及び上部電極18からなる容量素子19が形成される。ここでも、約700℃の温度で約10分間のアニールを行なって、容量絶縁膜17を構成する強誘電体の結晶化を図る。
その後、図示はしていないが、半導体基板10上に所定の配線等を形成した後、保護絶縁膜を成膜する。
このように、第6の実施形態の製造方法によると、第2の層間絶縁膜15を酸素バリア膜14の上面を露出するまでエッチングして除去するため、形状維持膜26の外壁面上にも下部電極16、容量絶縁膜17及び上部電極18を形成することができると共に、下部電極16は酸素バリア膜14と電気的な導通を図ることができる。
また、形状維持膜26は金属酸化物からなるため、下部電極16との反応によって、下部電極16との密着性が向上する。その上、容量絶縁膜17のアニール処理時には形状維持膜26から容量絶縁膜17への金属拡散が防止される。
なお、第1〜第6の各実施形態においては、容量絶縁膜に強誘電体を用いたが、強誘電体に限られず、高誘電体又は常誘電体を用いてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示す構成断面図である。 (a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の第1製造方法を示す工程順の構成断面図である。 (a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の第2製造方法を示す工程順の構成断面図である。 (a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の第1製造方法の一変形例を示す工程順の構成断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示す構成断面図である。 (a)〜(d)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図である。 本発明の第2の実施形態の一変形例に係る半導体装置を示す構成断面図である。 (a)〜(d)は本発明の第2の実施形態の一変形例に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る半導体装置を示す構成断面図である。 (a)〜(d)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る半導体装置を示す構成断面図である。 (a)〜(d)は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図である。 本発明の第4の実施形態の一変形例に係る半導体装置を示す構成断面図である。 (a)〜(d)は本発明の第4の実施形態の一変形例に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る半導体装置を示す構成断面図である。 (a)〜(d)は本発明の第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図である。 本発明の第6の実施形態に係る半導体装置を示す構成断面図である。 (a)〜(d)は本発明の第6の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図である。 (a)〜(d)は従来の半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図である。
符号の説明
10 半導体基板
11 STI膜
12 第1の層間絶縁膜
13 導電性プラグ
14 酸素バリア膜
15 第2の層間絶縁膜
15a 開口部
16 下部電極
16A 下部電極
16B 下部電極
16C 下部電極
17 容量絶縁膜
17a 屈曲部
18 上部電極
19 容量素子
20 第2の層間絶縁膜
20a 第1開口部
21 第3の層間絶縁膜
21a 第2開口部
22 密着層
23 密着層
24 下地膜
25 密着層
26 形状維持膜
30 MOSトランジスタ
30a ソース拡散領域

Claims (3)

  1. 半導体領域の上に第1の層間絶縁膜を形成する第1の工程と、
    前記第1の層間絶縁膜に前記半導体領域と接続される導電性プラグを形成する第2の工程と、
    前記第1の層間絶縁膜の上に、導電性の酸素バリア膜を前記導電性プラグを覆うように形成する第3の工程と、
    前記第1の層間絶縁膜の上に、第2の層間絶縁膜を該第2の層間絶縁膜から前記酸素バリア膜が露出するように形成する第4の工程と、
    露出した酸素バリア膜の上に、前記酸素バリア膜の周縁部が露出するように、膜厚が比較的に大きい下地膜を形成する第5の工程と、
    露出した前記下地膜の上面及び側面上に、その端部が前記酸素バリア膜と接続されるように下部電極を形成する第6の工程と、
    前記下部電極の上に該下部電極に沿うように容量絶縁膜を形成する第7の工程と、
    前記容量絶縁膜の上に該容量絶縁膜に沿うように上部電極を形成する第8の工程とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記第5の工程と前記第6の工程との間に、
    前記下地膜の側面に、前記下部電極の前記下地膜に対する密着性を高める密着層を形成する工程をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記容量絶縁膜は、強誘電体又は高誘電体からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
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