JP4015132B2 - 燃焼室を備えたシリンダを有するクロスヘッドディーゼルエンジン及びこのようなエンジンへ燃料を噴射する方法 - Google Patents

燃焼室を備えたシリンダを有するクロスヘッドディーゼルエンジン及びこのようなエンジンへ燃料を噴射する方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃焼室を備えたシリンダを有するクロスヘッドディーゼルエンジンであって、各シリンダが、同シリンダの下方端部に設けられた掃気孔と、排気弁と、同シリンダの上方端部に設けられた少なくとも2つの燃料噴射器とを有し、シリンダ内のピストンがシリンダの下方端部にあり且つ掃気孔がピストンの上方の燃焼室と連通しているときは、掃気孔が渦運動によって吸気をシリンダ内へ導き、360°当たり1回の噴射シーケンスをシリンダ内に有する2−ストロークエンジンであり、前記少なくとも2つの燃料噴射器を介する制御された燃料の噴射のための燃料噴射装置を更に含んでいる、エンジンに関する。
このようなエンジンは、ヨーロッパ特許第713003号によって知られている。ヨーロッパ特許第713003号には、燃料噴射器が、シリンダ内の渦の方向と渦に対抗する方向との両方に燃料を噴射し、渦に対抗して噴射された燃料からの燃焼生成物が渦の方向に同噴射器から噴射される燃料の燃焼状態に影響を及ぼすような燃料噴射器の設計が記載されている。
燃焼中のNOの生成は、クロスヘッドディーゼルエンジンにとっての共通の問題であり、環境上の理由から、このNOの生成は減じられなければならない。長い間、燃焼ガスの再循環は、燃焼過程におけるNOの生成を減らす手段として知られていた。再循環は、再循環された燃焼ガスが燃焼に対して劣化作用を有し、従って、燃焼領域内の温度を低下させ、NOの生成が主として過剰な温度における燃焼によって惹き起こされるという仮定に基づいている。
本発明の目的は、一方では、NOの生成を抑制することにより、他方では、エンジンの燃料油の消費を最少化することによって、環境条件を改良することである。
この点に関して、本発明のエンジンは、燃料噴射装置が、エンジンの負荷に依存して二重の噴射を行い、75%のエンジン負荷においては燃料の第1の部分が同燃料の第2の部分の噴射に対して10°乃至35°の前進角によって噴射され、一方、より高い負荷においては燃料の第1の部分の前進角がより小さくされ、エンジン負荷が100%であるときは前記前進角は0°乃至27°であるようにされていることを特徴としている。すなわち、75%のエンジン負荷においては、燃料の第1の部分の噴射が、燃料の第2の部分の噴射が開始されるクランクの角度位置より10°乃至35°前であるクランク角度位置で開始されて、75%のエンジン負荷において前記燃料の第1の部分の燃焼による燃焼生成物が前記燃料の第2の部分の燃焼中のNOxの生成を減少させるようになされており、一方、100%のエンジン負荷においては、前記燃料の第1の部分の噴射が、前記燃料の第2の部分の噴射が開始されるクランク角度位置より0°乃至27°前であるクランク角度位置で開始されて、100%のエンジン負荷における燃焼が高効率で起こるように、エンジンの負荷に依存した二段噴射を行うようになされている。
燃料の第2の部分の噴射の少なくとも10°前に燃料の第1の部分を噴射させることによって、第2の部分が噴射されるときに、燃料の第1の部分は燃失しており、燃焼室内には燃焼生成物が存在せしめられる。焼失した燃料の第1の部分からのガスは、燃料の第2の部分の燃焼中におけるNOの生成を減少させる。NOの生成を減じる作用は、エンジンが部分的な負荷で作動しているときに最も高い。なぜならば、部分的な負荷における射出される燃料に対する燃焼室の容積は、エンジンが100%の負荷で作動している場合によりも遙かに大きいからである。燃料の量に対してより大きな容積を有することによって、燃焼過程に対してより多くの酸素が利用できるようになり、特に、燃焼の最終過程においてより速い速度で焼失するからである。エンジンが部分的な負荷で作動しているときには、より速い焼失速度は、より高い燃焼温度従って比較的高いNOの生成度合いを含んでいる。
100%のエンジン負荷においては、75%負荷時と同じようにNOの生成を減少させる必要性が存在しない。なぜならば、燃料の最後の部分は比較的ゆっくりと且つ比較的遅い熱の解放を伴って燃焼するという結果により、燃焼室内で焼失されるべき燃料の量が容易に入手できる酸素を消費するほど十分に多いからである。本発明に従って、燃料の第1の部分の前進角は、より高いエンジン負荷においては、おそらくは、燃料の2つの部分が同時に噴射される程度まで小さくすることができる。このことは、100%のエンジン負荷における燃料の噴射及び燃焼が、最も高い効率で且つ有利である低レベルの比燃料油消費量によって起こるという実質的な利点をもたらす。このようにして、100%負荷での燃料の噴射が、所望する部分的な負荷状態での低レベルのNOの生成と言う利点を損なうことなく理想的な状態で生じ得る。100%のエンジン負荷におけるより低い燃料消費は、環境的背景から重要である。本発明は、少ない燃料消費によるNOの少ない発生量とNO以外の発生物質の一般的な減少とが組み合わせられた利点を有するエンジンを提供する。
好ましい実施形態においては、個々のシリンダは3つの燃料噴射器を有し、燃料の第1の部分の前進角は、75%のエンジン負荷においては10°乃至30°の範囲内であり、100%のエンジン負荷においては0°乃至20°の範囲内である。3つの噴射器を使用することによって、燃料の第1の部分と燃料の第2の部分との両方が、噴射において3つの副部分に分割され、これらの副部分は個々に燃料室内へ噴射され、このようにして、燃料は、焼失される直前に、2つの噴射器のみが使用される場合よりもより均一に分配される。燃料の均一な分配によって、燃焼過程の制御が促進され、このようにして、75%のエンジン負荷における最大の前進角を最大で30°に保つことができる。
もう一つ別の実施形態においては、個々のシリンダは2つの燃料噴射器を有し、燃料の第1の部分の前進角は、75%のエンジン負荷においては15°乃至35°の範囲内であり、100%のエンジン負荷においては0°乃至30°の範囲内である。2つの噴射器のみが使用される場合には、75%のエンジン負荷における前進角はより大きい。なぜならば、燃料の第1及び第2の部分は、噴射において2つの副部分に分割されるだけであり、従って、より多量の燃料が個々の噴射器から噴射されるからである。
75%のエンジン負荷において、燃料の第2の部分の噴射の前に燃焼室内に有効な量の燃焼生成物を発生するためには、噴射シーケンスにおける燃料の量が、燃料の第1の部分に対しては少なくとも10%が分配され、燃料の第2の部分に対して残りの部分が分配されるのが好ましい。燃料の第1の部分を10%よりも少なくすることはもちろん可能であり、これは、例えば、シリンダ内の最大圧力についての問題が存在する場合に必要とされ得るが、第1の部分が10%よりも著しく少なくなった場合には、NOの減少が損なわれるであろう。
一つの実施形態においては、前記前進角は、100%のエンジン負荷において0°であって、燃料の第2の部分が燃料の第1の部分と一緒に噴射されるようになされている。燃料の2つの部分を、1つの共通部分(もちろん、これはシリンダに対して多数の噴射器に従って副部分に分割される)として噴射することによって、燃焼過程は、連続的でとぎれず、これは、燃焼効率を促進し、このようにして、エンジン軸において1kWを得るために、比燃料消費量すなわち燃焼されるg燃料が少なくされる。
純粋に機械的な制御装置によって燃料の供給及び燃料部分のタイミングを制御することは可能である。このような装置は、燃料装置が共通のレールシステムである場合には、燃料ポンプ又は燃料制御ポンプのための制御カムを備えた公知のカムシャフトを含んでいる。しかしながら、燃料噴射装置は、高圧の燃料供給源に対して開いたり閉じたりする液圧によって作動せしめられる燃料ポンプ又は燃料制御ポンプのような電子的に制御された燃料供給装置を含んでいるのが好ましい。電子的に制御された燃料供給装置は、エンジンの機械的構造を簡素化し、本発明と結合されて、それらの装置は、第1の燃料部分の前進角の大きさ及び現在のエンジンの作動状態に対する第2の燃料部分のタイミングを調整する際に大きな融通性を提供する。作動状態が変化すると、次いで、前進角は、電子制御装置によって新しい状態へと調整することができる。これはまた、燃料の品質及び燃焼特性のような、エンジンの負荷が変化しないままであるが他の作動状態が変化する場合にも適用される。このような融通性は、純粋に機械的な制御装置内では可能ではない。
更に別の展開においては、75%よりも低いエンジン負荷において、燃料の第1の部分の前進角が75%のエンジン負荷における前進角よりも小さいという特徴によって、低エンジン負荷における燃料の節約が促進されて来た。この実施形態においては、前進角は、75%のエンジン負荷において又はこのエンジン負荷に近い状態で最も大きくすることができる。80%のエンジン負荷のような別の部分的な負荷において前進角を最も大きくすることもまた可能である。
もう一つ別の観点においては、本発明は、燃焼室を備えたシリンダを有するクロスヘッドディーゼルエンジン内で燃料を噴射する方法であって、空気又はガスが、渦運動内に受け入れられ、エンジンが、シリンダの上方端部に配置された少なくとも2つの噴射器に対する燃料の制御された供給によって、360°当たり1回の噴射シーケンスを個々のシリンダに設ける燃料噴射装置を有する2−ストロークエンジンであるような方法に関する。
一方では、適切なエンジン負荷におけるNOの生成を抑制し、他方では、エンジンの燃料油の消費を最少化することによって環境条件を改良するために、本発明の方法は、
・ 75%のエンジン負荷においては、燃料噴射装置が、少なくとも2つの噴射器によって燃料の第1の部分を噴射したり噴射を中断したりし、一方、噴射された燃料は、各噴射器の前方の燃焼帯内で燃焼し、これらの燃焼帯は、渦巻いているガスによって1つの噴射器から渦方向下流の噴射器へと運ばれ且つ前記燃焼帯が下流の噴射器に到達したときに燃料の第2の部分を噴射し、
・ 一方、100%のエンジン負荷においては、燃料噴射装置が、燃料の第1の部分からの燃焼帯が、渦巻いているガスによって渦方向上流の噴射器から燃料の第2の部分を噴射する噴射器まで運ばれる前に、少なくとも2つの噴射器によって、燃料の第1部分と燃料の第2の部分の少なくとも実質的な部分とを噴射する、ことを特徴としている。
この方法は、75%のエンジン負荷におけるNOの有効な減少を提供する。なぜならば、燃料の第1の部分の噴射が起こったときに、燃料の第1の部分からの燃焼帯が、燃料の第2の部分が燃焼されるべきである領域に配置されるからである。燃料の第2の部分は、不十分な酸素供給状態で燃焼して、燃焼過程がより引き延ばされるようにする。この方法はまた、100%のエンジン負荷において燃料の全ての効率の良い燃焼を提供して、低い比燃料消費量をもたらす。
100%のエンジン負荷においては、燃料噴射装置は、燃料の第1の部分からの燃焼帯が、渦巻いているガスによって渦方向上流の噴射器から燃料の第2の部分を噴射する噴射器へと運ばれる前に、燃料の第2の部分の噴射を完了することが好ましい。このようにして、あらゆる個々の噴射器から噴射される燃料の燃焼が、他の噴射器によって噴射される燃料の燃焼によって生じる燃焼生成物による影響が最少の状態で起こる。
NOの発生が減じられるべきときに、燃料噴射装置は、燃料の第1の部分及び第2の部分によって噴射される燃料の全量から燃料の第1の部分内に噴射される燃料の量を増大させることによって、75%のエンジン負荷においてNOの生成が抑制される程度を調整することができる。
本願発明の実施形態の例を、以下において、極めて概略的な図面を参照してより詳細に説明する。
最良の実施形態
クロスヘッド型の内燃機関の全体的な概要が図1に示されている。クランクシャフト2を備えた台板1が、単一の列内に取り付けられた複数のシリンダ4を備えたエンジンフレーム3を支持している。エンジンは、例えば、MAN B&Wディーゼル型及びMC若しくはME型又はSulzer RT−flex又はSulzer RTA型のWartsila型とすることができる。シリンダは、例えば、30cm乃至120cm又は例えば50cm乃至110cmの範囲内の穴を有することができる。エンジンは、例えば、シリンダ当たり650kW乃至9000kWの範囲内の出力と、例えば、50rpm乃至250rpmの範囲内の速度とを有することができる。このエンジンは、圧縮行程の終わりに、噴射されたときに燃料が自己発火するディーゼルサイクルによって作動することを意味している。ディーゼルエンジンは、ディーゼル油以外の燃料によって続走することができ、典型的には重質燃料油によって作動するが、例えば、ガスによって又は部分的にオイルによって又は部分的にガスによって続走することもできる。
エンジンは、クランクシャフトの全回転毎に、すなわち、クランクシャフトの360°の回転毎に1回の噴射シーケンスを有する2−ストロークエンジンである。クランク位置又はクランク角度は、伝統的には、ピストンが上死点(TDC)にあるときには0°であり、ピストンが下死点(BDC)にあるときには180°であるべきであると言われている。クランクシャフトの全回転毎に、ピストンは、TDCからBDCまでの動力行程を実行し且つBDCからTDCへの圧縮行程を実行する。
シリンダ内への燃料の噴射は、伝統的には、ピストンがそのTDC位置近くにあるときに開始される。クランク位置に関する燃料噴射の実際のタイミングは、公知の方法で、エンジンの現在の運転状態に依存して何度か変化することができるが、典型的には、ピストンがTDC位置となる数度前に開始される。このことは、図1において点Aによって表されている。
本発明に従って、燃料の第1の部分は、エンジンが75%の負荷のような部分的な負荷で運転されているときには、燃料の第2の部分より前に噴射される。燃料の第1の部分は、75%のエンジン負荷においてはより早く噴射されるので、点Aによって示された角度位置に対して前進角5で噴射される。この前進角は、既に幾分述べられており、クランクシャフトの回転角に関するものである。これは、例によって示すことができる。357°のクランク角に対応して、TDCより3°前に噴射が開始されるように設定され、前進角が10°となるように設定されている場合には、燃料の第1の部分の噴射は347°のクランク角において開始される。図1の点Bは、燃料の第1の部分の噴射の開始を示している。
ピストン6は、シリンダ4内で往復運動し、各動力行程の終わりに、図2に示されたBDC位置にあり、この位置では、シリンダの下方端部内の掃気孔7は、ピストンの上面の上方に配置された燃焼室8と流体連通している。排気弁9がシリンダの上方端部に取り付けられている。排気弁が開くと、加圧された空気、すなわち必要とされる掃気が、矢印Cによって示されている渦運動によって掃気孔7の中を流れて燃焼室内へ入る。掃気孔は、シリンダの径方向に対して角度が付けられていて、空気は接線方向においてシリンダ内に受け入れられるようになされている。
排気弁9は、掃気孔7を通り過ぎるピストンの上方への動きに対して所定の且つ好ましくは調整可能な位置で閉じる。空気は、ピストンが掃気孔を閉じるまでシリンダ内へ流れ続ける。この空気は、シリンダに次の燃焼行程に必要とされる空気を供給するので、吸気と称される。ピストンが、その上方への動きの際に掃気孔を閉塞し圧縮が始まるとき、シリンダ内の空気は、力強い渦運動によって回転し、この渦運動は、次の燃焼過程を通して維持される。噴射器における空気の渦の速度は、例えば、12乃至20m/s、典型的には、14乃至18m/sの範囲内とすることができる。
排気弁が開くと、排気は、排気通路10内を通り、排気溜め11内へと流れ出し、同排気溜めから、ターボチャージャー12内を前方へ流れ、煙突(図示せず)を通って流れ出す。ターボチャージャーは、吸気を圧縮し、同吸気を空気冷却器13へと供給し、同吸気は、同空気冷却器から、ミストセパレータ14内を流れて、掃気溜め15内へと流れ、同掃気溜め15は、掃気孔7に掃気及び吸気を供給する。
燃料は、各シリンダの上方端部に取り付けられた燃料噴射器16によって噴射される。噴射器は、典型的には、シリンダカバー17内に取り付けられるが、シリンダ内筒18の頂端部に取り付けることもできる。
後者の場合には、噴射器は、主として、内筒の壁を通って水平方向に内部へと延びている。噴射器がシリンダカバー17内へ延びていて、各噴射器の端部に設けられた噴射器ノズルは、燃焼室内に配置されている。噴射器ノズルは、噴射器が開いているときに燃料が噴射されるいくつかのノズル孔(図示せず)を有している。ノズル孔の配置及び燃料噴射器の寸法は、当業者によく知られている。
図3及び4は、シリンダ当たり2つの噴射器(図3)を有しているシリンダのための燃料噴射装置と、シリンダ当たり3つの噴射器(図4)とを有しているシリンダのための燃料噴射装置とを示している。シリンダ当たりより多くの噴射器、例えば、4個又は5個の噴射器を使用することももちろん可能であるが、3個又は2個であるのが好ましい。噴射器のノズルは、シリンダの長手方向中心線19から等しい径方向距離の位置に配置されることもまた好ましい。しかしながら、噴射器はまた、シリンダ内の種々の半径方向位置に配置することもできる。
シリンダの周方向における噴射器の配置に関して、噴射器は、周方向において均一に分配されるのが好ましい。2つの噴射器は、180°離れているのが好ましく、3つの噴射器は、周方向において120°隔てられているのが好ましい。周方向における非対称的な噴射器の配置もまた可能であるが、好ましくはない。なぜならば、それには、各噴射器上において噴射の個々の制御が必要とされるからである。噴射器が均一に配置されると、シリンダ上の全ての噴射器が同時に開いたり閉じたりし、燃料が噴射器上に均一に分配されることができる。このことは、噴射シーケンスの制御を簡単にする。
各シリンダは、関連する燃料供給装置20と、同供給装置を作動させるための制御ユニット21とを有している。制御ユニットは、機械的なカムシャフト又は電子シリンダ制御ユニット若しくは電子エンジン制御ユニットのような電子ユニットとすることができる。燃料供給装置は、高圧において共通のレール燃料供給装置からの燃料を受け入れるために開いたり閉じたりするタイマーとして作用する簡単な制御弁とすることができ、又は、噴射が起こるべきときに必要とされる燃料をシリンダへ加圧する燃料ポンプとすることができる。いずれの場合にも、燃料は、燃料供給ライン22から供給装置へと供給され、あり得る余分の燃料は、逆止弁24を介して燃料戻しライン23へと流される。
燃料噴射装置は、最新のエンジン負荷に依存して噴射時が設定される燃料の二重噴射を行わせる。燃料噴射は、図5を参照して以下に記載されている。副図5a乃至5dは、75%のエンジン負荷において行われる噴射シーケンスを示しており、副図5e乃至5gは、100%のエンジン負荷において行われる噴射シーケンスを示している。100%のエンジン負荷は、連続最大出力(MCR)におけるエンジンの運転に対応しており、75%のエンジン負荷は、エンジンの出力がMCRで生じる出力の75%であるエンジンの運転状態である。
75%のエンジン負荷においては、噴射シーケンスは、燃料の第1の部分の噴射によって始まる。この燃料部分は、燃料供給装置20から噴射器へ、これらの噴射器が供給される燃料の量を分けるように供給される。燃料の第1の部分が噴射されると、燃料の噴射は中断される。噴射された燃料は、各噴射器16の前方の燃焼帯25内で燃焼し、燃焼帯25は、図5bに示されているように、渦巻いているガスによって、1つの噴射器から渦方向下流の噴射器に向かって運ばれる。
図5cは、上流の噴射器からの燃焼帯が次の噴射器へと下流に流れる状況を示している。燃料の第2の部分の噴射は、燃料の第1の部分の焼失及び図5cに示されている位置への渦巻いているガスによる同方向への燃焼帯25の搬送を待っている。
燃料の第2の部分の噴射は、通常の方法で燃料の完全な量の開始のために通常使用されるタイミングによって行うことができるが、図5dに示されているように、燃焼は、下流の噴射器からの燃焼帯25内で起こる。なぜならば、これらの噴射器は、前進角によって燃料の第1の部分を噴射したからである。燃料の第2の部分のタイミングはまた、燃料の第1の部分の噴射を補償するために、伝統的に使用されるタイミングに対して幾分調整することもできる。燃料の第2の部分は、例えば、エンジンサイクルにおいて、1°又は2°遅く開始することができる。
エンジンの負荷が100%であるとき、第1の部分の前進角は、75%の負荷の場合よりも小さく、100%での前進角は、2つの燃料部分が一緒に噴射されるようにゼロであるのが好ましい。図5eは、100%のエンジン負荷において遙かに多くの燃料が噴射されること及び燃料噴射が燃料の第2の部分の最後の部分が噴射される図5fの状態を中断することなく続くことを示している。図5gにおいて、燃料は燃料帯26において燃焼する。
図6において上方の曲線27は、100%エンジン負荷において低いNO レベルを得るために最適化された従来の燃料噴射器を使用しているエンジンにおける、エンジンの負荷と、100%のエンジン負荷に対して生成されたkWh当たりのNOの生成量との間の相対関係を示している。全く驚くべきことに、75%エンジン負荷においては、生成されたkWh当たりのNOの生成量が幾分増すことがわかる。曲線28は、本発明によるエンジンに関する値の例を示している。NOの生成量は100%のエンジン負荷においては幾分高いけれども、75%のエンジン負荷にいてはkWh当たり3g以上のNOのかなりの減少がなされる。更に、本発明によるエンジンの比燃料油消費量は、100%のエンジン負荷における低いNOレベルに対して理想化された従来の噴射器の場合よりも100%のエンジン負荷においてより低い。図6に示された特定の値は、例として考えられるべきものにすぎない。他の特定の値が、本発明の範囲内で可能である。これらの値は、例えば、エンジンの大きさ、シリンダ当たり使用される噴射器の数、エンジンの速度、問題となっているエンジンの最大の許容可能なシリンダの圧力に依存することができる。
エンジンが75%と100%との間のエンジン負荷において作動しているときには、前進角は、エンジン負荷が変化すると前進角が次第に変化せしめられるように、75%のエンジン負荷における場合よりも小さいが、100%のエンジン負荷におけるよりも大きくすることができる。前進角は、図5cにおける状態が燃料の第2の部分が噴射される前に得られる程大きい必要はない。噴射が開始されたときに、燃焼帯がまだ下流の噴射器へ到達しないように前進角が幾分小さくされている場合でさえ、低いNO生成作用が得られるであろう。なぜならば、渦は、作用し続け、燃焼帯25は、燃料の第2の部分に属する燃焼帯内に混合されるであろうからである。
図1は、本発明による大きな2−ストローククロスヘッドディーゼルエンジンの端面図である。 図2は、図1のエンジン内のシリンダの拡大垂直断面図である。 図3は、シリンダ当たり2つの噴射器を備えたエンジンの1つの実施形態の燃料噴射装置の構成図である。 図4は、シリンダ当たり3つの噴射器を備えたエンジンの1つの実施形態の構成図である。 図5は、図1におけるエンジンのシリンダ内の噴射及び燃焼を示している副図5a乃至5gを含んでいる状態図である。 図6は、エンジン負荷の関数としてのNOの生成量曲線のグラフである。

Claims (2)

  1. クロスヘッドディーゼルエンジン内に燃料を噴射する方法であって、
    前記クロスヘッドディーゼルエンジンは、燃焼室を備えたシリンダを有し、空気又はガスが渦運動内に受け入れられ、シリンダの上方端部に配置された少なくとも2つの燃料噴射器への制御された燃料の供給によって、360°当たり1回の噴射シーケンスを個々のシリンダに提供する燃料噴射装置を有する2−ストロークエンジンであり、
    75%のエンジン負荷においては、前記燃料噴射装置は、前記少なくとも2つの噴射器を介して燃料の第1の部分を噴射したり噴射を中断したりし、一方、噴射された燃料は、各噴射器の前方の燃焼帯において燃焼し、同燃焼帯は、渦巻いているガスによって1つの噴射器から前記渦方向下流の噴射器に向かって運ばれ、前記燃焼帯が下流の噴射器に到達したときに、燃料の第2の部分を噴射するようにして、75%のエンジン負荷において前記燃料の第1の部分の燃焼による燃焼生成物が前記燃料の第2の部分の燃料中のNOxの生成を減少させるようになされており、
    一方、100%のエンジン負荷においては、前記燃料噴射装置は、前記燃料の第1の部分及び前記燃料の第2の部分の少なくとも実質的な部分を、前記燃料の第1の部分からの燃焼帯が、渦巻いているガスによって渦方向上流の噴射器から前記燃料の第2の部分を噴射する噴射器へと運ばれる前に、前記少なくとも2つの噴射器によって噴射するようになされたこと、を特徴する方法。
  2. 請求項に記載の燃料を噴射する方法であって、
    100%のエンジン負荷においては、前記燃料噴射装置は、前記燃料の第1の部分からの燃焼帯が渦巻いているガスによって渦方向上流の噴射器からの燃焼帯が前記燃料の第2の部分を噴射する噴射器へ運ばれる前に、前記燃料の第2の部分の噴射を完了する、ことを特徴とする方法。
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