JP4014041B2 - 歯車式変速機の制御装置および歯車式変速機の制御方法 - Google Patents

歯車式変速機の制御装置および歯車式変速機の制御方法 Download PDF

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Description

【0001 】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯車式変速機の制御装置、制御方法、及び自動車に関し、特に車両の駐車時に車両をロックするパーキングロックに係るもの及び方法に関する。
【0002 】
【従来の技術】
従来の歯車式変速機のパーキングロック装置としては、例えば下記特許文献1に開示されている。その特許文献1の記載によれば、エンジンの停止時にはパーキングギアに噛合うとともにエンジンの稼動時にはパーキングギアから噛合いが外れるように動作するロックレバーと、このロックレバーを動作させるアクチュエータとが備えられたロック機構を設け、このロック機構を作動する制御手段とを設けたことにより、エンジンのオフ時にはロック機構が作動して自動的にパーキングギアの回転を阻止させ、サイドブレーキのパーキング位置への操作が不確実である場合でも、意図に反する車両の動き出しを防止するものである。
【0003 】
【特許文献1】
特開平9−295561号公報
【0004 】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、歯車式変速機においては、上述のようなパーキング時に車両をロックするためのパーキングロック装置を別途の構成部品で新たに設ける必要があるので、変速機の構成が複雑化し、また重量も増加するという課題がある。
【0005 】
本発明の目的は、パーキングロック装置を別途の構成部品で設けることなく、既存の部品を利用して車両をロックすることが可能な歯車式変速機の制御装置、制御方法、及び自動車を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、原動機から第1の摩擦クラッチを介して動力が伝達され、入力軸と出力軸との間に複数の歯車列を有し、少なくとも1つの歯車列に第2の摩擦クラッチを設け、その他の歯車列に噛み合いクラッチを設けた歯車式変速機であって、変速中に第2の摩擦クラッチを介して原動機からの動力を駆動軸へと伝達させる歯車式変速機の制御装置において,歯車式変速機の噛み合いクラッチの係合によって形成される所定変速段を判定する変速段判定手段と,乗員のブレーキ操作の有無を検出する停止要求検出手段と,歯車式変速機の出力軸回転数を検出する出力軸回転数検出手段を備え,変速段判定手段が所定変速段が形成されたことを判定し、出力軸回転数検出手段の出力が、出力軸回転数が所定回転数以下であることを示し、かつ停止要求検出手段から停止要求を受け取ったとき,第2の摩擦クラッチの係合動作を開始するにあたり、第2の摩擦クラッチの締結力を徐々に増加するようにしたものである。
【0007】
(2)上記目的を達成するために、本発明は、原動機から第1の摩擦クラッチを介して動力が伝達され、入力軸と出力軸との間に複数の歯車列を有し、少なくとも1つの歯車列に第2の摩擦クラッチを設け、その他の歯車列に噛み合いクラッチを設けた歯車式変速機であって、変速中に第2の摩擦クラッチを介して原動機からの動力を駆動軸へと伝達させる歯車式変速機の制御方法において,歯車式変速機の噛み合いクラッチの係合によって形成される所定変速段を判定し,乗員のブレーキ操作の有無を検出し,歯車式変速機の出力軸回転数を検出し,歯車式変速機が所定変速段を形成し、歯車式変速機の出力軸回転数が所定回転数以下で、かつ乗員のブレーキ操作による停止要求があったとき,第2の摩擦クラッチの係合動作を開始するにあたり、第2の摩擦クラッチの締結力を徐々に増加するようにしたものである。
【0008 】
上記(1)、(2)において、既存の部品を利用して歯車式変速機内で2重噛み合い状態にさせることにより、パーキングロック装置を別途の構成部品で設けることなく、既存の部品を利用して車輪をロックすることが可能となる。
【0009 】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図10を用いて、本発明の一実施形態による自動変速機の制御装置および制御方法について説明する。図1(a)は歯車式変速機の制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【0010 】
原動機1にて発生したトルクは第1の摩擦クラッチ2(発進クラッチという)を介して変速機6へ入力される。変速機6は、複数の歯車列および軸からなる歯車式変速機構5と、この歯車列の動力伝達経路を切り替える噛み合いクラッチ3および変速中のトルク伝達を可能にする第2の摩擦クラッチ4(アシストクラッチという)からなる。歯車式変速機構5は、入力軸(例えば図2の103),カウンタ軸(120)および出力軸(104)と、各軸に装着され所定の常時噛合状態にされた歯車列とからなり、出力軸(104)上の歯車列(113,114,115,116,141,142)はそれぞれ出力軸(104)に対して遊転可能に装着されている。上記歯車式変速機構5は、噛み合いクラッチ3によって複数の歯車列(113,114,115,116,141,142)のうち所定歯車が出力軸(104)と同期して回転される操作を受ける。これにより、所定の変速比が歯車式変速機構5に設定されることになる。噛み合いクラッチ3による歯車の切換えについては、図4を用いて後述する。
【0011 】
ここで、従来の自動MTでは変速の際に前記第1の摩擦クラッチ2を解放し、原動機1からの動力伝達を一時的に遮断する。この間に前記噛み合いクラッチ3を油圧あるいは電気式に駆動するシフト/セレクトアクチュエータ8により動作させて所定の変速段となるよう前記歯車列を選択し、その後第1の摩擦クラッチ2を再び係合することで変速が完了する。このような変速動作においては、変速中におけるトルク中断が発生し乗員に違和感を与えてしまう。しかし、図1に示す変速機では第1の摩擦クラッチ2を係合させた状態で油圧あるいは電気的に駆動するアシストアクチュエータ7によりその押付け力を制御して、第2の摩擦クラッチ4を係合させていく。よって、前記第2の摩擦クラッチ4により出力軸へトルク伝達が行われるので、変速中のトルク中断が抑制され良好な変速特性が実現するものである(図1(b)参照)。ここで、上記第2の摩擦クラッチ4には、所定歯車が連結しており第2の摩擦クラッチ4を係合することで、所定の変速比が歯車式変速機構5に設定される。
【0012 】
駐車要求検出手段9は、運転者が車両を駐車させる意図を検出する。また、運転者が前記原動機1を停止状態から始動する意図を検出してもよい。一例として、運転席に設けられたシフトレバーと連動して出力されるインヒビタスイッチの信号などが挙げられる。これについては、図7(a)、(b)を用いて後述する。制御装置10は、歯車式変速機構5を構成する各軸の回転数,入力軸Ni,出力軸回転数Noおよび原動機1の回転数Ne、また前記原動機1から出力されるトルクを制御するスロットル開度TVOなどの信号が入力され、これらの信号に基づいて変速動作を行う基本プログラムと、パーキングロックを実現するプログラムが組み込まれたマイクロコンピュータである。前記制御装置10は、前記駐車要求検出手段9において運転者の駐車要求を検出した際には、前記第2の摩擦クラッチ4および噛み合いクラッチ3を同時に係合させるべく、アシストアクチュエータ7およびシフト/セレクトアクチュエータ8を動作させる。これにより、歯車式変速機構5において異なる2つの歯車列が同時に噛合った状態、つまり2重噛み合いが生じて車輪をロックすることができる。
【0013 】
以上述べたような構成とすることで、新たな部品を追加することなく既存の部品を利用して車両のパーキングロックを実現することが可能となり、変速機の構成を簡単にすることができるとともに、軽量化を図ることができる。
【0014 】
次に図2を用いて、本実施形態による自動変速機の歯車式変速機構について説明する。図2は、歯車式変速機構の構成を示す概略図であり、駆動輪が後輪となる、いわゆるFR方式の変速機構の概略図である。原動機101,第1の摩擦クラッチ102,前記第1の摩擦クラッチ102の出力軸を兼ねる歯車式変速機構5の入力軸103,入力軸103と同軸上に配された出力軸104,出力軸104と平行して並列に配されたカウンタ軸120を有し、歯車式変速機構5は、出力軸104に第1速,第2速,第3速,第4速,第5速および後進段のドリブンギア113,114,115,116,141および142が回転可能に設けられ、出力軸104に対しカウンタ軸120が平行配置されて、そこに前記各ドリブンギア113,114,115,116,141および142と常時噛み合う第1速,第2速,第3速,第4速,第5速および後進段のドライブギア121,122,123,124,143および144が一体的に設けられた構成とされている。同様に、平行配置されたアイドルシャフト147には、アイドルギア145および146が一体的に設けられた構成とされており、アイドルギア145は前記後進段のドライブギア144と、アイドルギア146は前記後進段のドリブンギア142と常時噛み合っている。
【0015 】
そして、隣接する2個のドリブンギア113,114をスリーブ125a,シンクロナイザリング125b,ギアスプライン125cおよびクラッチハブ125dを備える構成の第1速−第2速噛み合いクラッチ125で出力軸104を選択的に係合する。また、ドリブンギア115,116を同様にスリーブ117a,シンクロナイザリング117b,ギアスプライン117cおよびクラッチハブ117dを備える構成の第3速−第4速噛み合いクラッチ117で出力軸104に選択的に係合するようになっており、更にドリブンギア141,142を同様にスリーブ140a,シンクロナイザリング140b,ギアスプライン140cおよびクラッチハブ140dを備える構成の第5速−後進段噛み合いクラッチ140で出力軸104に選択的に係合するようになっている。
【0016 】
これにより、変速操作機構で第1速−第2速噛み合いクラッチ125をドリブンギア113側に作動して、それを出力軸104に結合することで、入力軸103の回転がギア113,121により最も減速して出力軸104に伝達されて第1速が得られる。以下同様にして、第1速−第2速噛み合いクラッチ125をドリブンギア114に結合して第2速が、第3速−第4速噛み合いクラッチ117をドリブンギア115または116の側に結合して、第3速または第4速が得られ、第5速−後進段噛み合いクラッチ140をドリブンギア141または142の側に結合して、第5速または後進段が得られる。
【0017 】
さらに変速中のトルク中断を抑制するために、出力軸104には第2の摩擦クラッチ4が設けられている。第2の摩擦クラッチ4には湿式多板クラッチが用いられており、クラッチの押付け力を増加させていくと、カウンタ軸120に設けられたアシストドライブギア119から、出力軸104に設けられたアシストドリブンギア118を介して出力軸104へ動力が伝達される。また、上記アシストドライブギア119およびドリブンギア118のギア比は3.5速相当に設定されており、上記トルク中断による変速ショックが大きい1−2変速,2−3変速,3−2変速,2−1変速において、前記第2の摩擦クラッチ4を動作させ、変速ショックを小さくしている。
【0018 】
ここで、上記噛み合いクラッチ125,117または140のいずれかを係合させて所定変速段を構成するとともに、上記第2の摩擦クラッチ4を係合することで、歯車式変速機内で2重噛み合いを生じさせて車輪をロックすることが可能となる。これにより、新たな部品を追加することなく車両のパーキングロックを実現することが可能となる。また、変速機の構成を簡単にすることができ、軽量化を図ることもできる。
【0019 】
図3は、歯車式変速機構の構成を示す概略図であり、駆動輪が前輪となる、いわゆるFF方式の変速機構の概略図である。FF方式の場合には、原動機101および歯車式変速機構5は、車両の進行方向に対してエンジンルーム内に横置きにレイアウトされる。したがって、FR方式よりも搭載スペースに制約があるため、3速ギアの歯車列に第2の摩擦クラッチを取り付け、第2の摩擦クラッチを完全係合させることにより、3速状態を形成する。これにより、3.5速相当の歯車列および3速のシンクロナイザリングを省くことが可能となり、変速機構成の省スペース化を図る。具体的には、原動機501,第1の摩擦クラッチ502,前記第1の摩擦クラッチ502の出力軸を兼ねる歯車式変速機構5の入力軸503,入力軸503に第1速,第2速,第4速および第5速のドライブギア506,507,508および509が回転可能に設けられ、入力軸503に対し出力軸504が平行配置されて、そこに前記各ドライブギア506,507,508および509と常時噛み合う第1速,第2速,第4速および第5速のドリブンギア511,512,513および514が一体的に設けられた構成とされている。
【0020 】
そして、隣接する2個のドライブギア506,507をスリーブ516a,シンクロナイザリング516b,ギアスプライン516cおよびクラッチハブ516dを備える公知の構成の第1速−第2速噛み合いクラッチ516で入力軸503を選択的に係合する。また、ドライブギア508,509を同様にスリーブ517a,シンクロナイザリング517b,ギアスプライン517cおよびクラッチハブ517dを備える構成の第4速−第5速噛み合いクラッチ517で入力軸503に選択的に係合するようになっており、更に図示していない後進段のドライブギアを同様に後進段噛み合いクラッチで入力軸503に選択的に係合するようになっている。これにより、変速操作機構で第1速−第2速噛み合いクラッチ516をドライブギア506側に作動して、それを入力軸503に結合することで、入力軸503の回転がギア506,511により最も減速して出力軸504に伝達されて第1速が得られる。以下同様にして、第1速−第2速噛み合いクラッチ516をドライブギア507に結合して第2速が、第4速−第5速噛み合いクラッチ517をドライブギア508または509の側に結合して、第4速または第5速が得られ、図示していない後進段噛み合いクラッチを後進段ドライブギアに結合して、後進段が得られる。
【0021 】
入力軸503にはドライブギア510が回転可能に設けられている。このドライブギア510には、第2の摩擦クラッチ505が接合されており、押し付け力を増加させていくと、ドリブンギア515を介して出力軸504へ動力が伝達され、前記図2で述べたように、変速中のトルク中断を抑制することが可能になる。また、第2の摩擦クラッチ505を完全係合させることで、第3速が得られることが可能となり、トルクアシストの機能と3速定常走行の2つの機能を実現することができる。そして、出力軸504は、ディファレンシャル装置522のリングギア521と常時噛み合うドライブギア520を有し、このディファレンシャル装置522を通じて左右のアクスルシャフト523へと動力を伝達し、車両の前輪が駆動される。ここで、上記噛み合いクラッチ516,517または図示していない後進段の噛み合いクラッチのいずれかを係合させて所定変速段を構成するとともに、上記第2の摩擦クラッチ505を係合することで、歯車式変速機内で2重噛み合いを生じさせて車輪をロックすることが可能となる。これにより、省スペース化が必要なFF方式においてもパーキングギアなどの新たな部品を追加することなく車両のパーキングロックを実現することが可能となる。
【0022 】
次に、図4および図5を用いて、本実施形態による歯車式変速機構の噛み合いクラッチの動作により歯車列を選択する変速操作機構について説明する。図4は、歯車式変速機に用いる変速操作機構の斜視図である。図4に示す如く、セレクト時に軸方向移動されるとともにシフト時には回動されるシフトアンドセレクト軸30が設けられている。また、このシフトアンドセレクト軸30には、各速シフトヨークとして、1速・2速シフトヨーク32と3速・4速シフトヨーク34と5速・リバースシフトヨーク36とに選択的に係合されるシフトアンドセレクトレバー38が設けられている。1速・2速シフトヨーク32には、1速係合片32aと2速係合片32bとによってシフトアンドセレクトレバー38を係合させる1速・2速係合溝32cが形成されている。3速・4速シフトヨーク34には、3速係合片34aと4速係合片34bとによってシフトアンドセレクトレバー38を係合させる3速・4速係合溝34cが形成されている。5速・リバースシフトヨーク36には、5速係合片36aとリバース係合片36bとによってシフトアンドセレクトレバー38を係合させる5速・リバース係合溝36cが形成されている。
【0023 】
また、1速・2速シフトヨーク32,3速・4速シフトヨーク34,5速・リバースシフトヨーク36は、トランスミッションケースに保持された低速側シフト軸40,高速側シフト軸42,最高速側シフト軸44に固定されている。低速側シフト軸40には、スリーブ125aに係合する低速側フォーク131が固設されている。高速側シフト軸42には、スリーブ117aに係合する高速側フォーク132が固設されている。最高速シフト軸44にも同様の最高速フォーク(図示せず)が固設されている。シフトアンドセレクト軸30は、図5において後述する軸方向移動させるセレクト用アクチュエータ19と、回動させるシフト用アクチュエータ20とにより駆動される。このようにスリーブおよびスリーブに隣接するハブを移動させることで、所定の噛み合いクラッチを係合解放することができる。
【0024 】
図5は本発明の第一実施形態による歯車式変速機に用いるシフト/セレクトアクチュエータの構成を示す構成図である。油圧源15は、主に電動ポンプ11,リザーバタンク12およびアキュムレータ13により構成される。電動ポンプ11にて発生した油圧は、アキュムレータ13にて蓄圧され、この油圧がベース圧となる。ここで、ベース圧の配管には油圧センサ14が設けられており、電動ポンプ11の始動/停止は、上記油圧センサの信号を用いて前記制御手段10により制御される。シフトアンドセレクト軸30を軸方向移動させるセレクト用アクチュエータ19は、上記油圧源30に接続されたセレクト用ソレノイド18によって動作する。セレクト用ソレノイド18には比例電磁式流量制御弁を用いており、上記セレクト用アクチュエータ19に連結したストロークセンサ(図示せず)の検出値を入力として上記マイクコンピュータのPWM制御によって、上記シフトアンドセレクト軸30を軸方向移動させることができる。
【0025 】
一方、シフトアンドセレクト軸30を回動させるシフト用アクチュエータ20は、上記油圧源30に接続されたシフト用ソレノイド16および17によって動作する。上記ソレノイドには比例電磁式圧力制御弁が用いられており、シフトアクチュエータ20に連結したストロークセンサ(図示せず)の検出値を入力として上記マイクコンピュータのPWM制御によって、上記シフトアンドセレクト軸30を軸方向移動させることができる。以上述べたような構成により、噛み合いクラッチを選択的に係合させ所定変速段を構成することができる。
【0026 】
次に、図6(a)を用いて、本実施形態による歯車式変速機の第2の摩擦クラッチの動作について説明する。図6(a)は、歯車式変速機に用いる第2の摩擦クラッチの構成を示す部分断面図である。図示するように、第2の摩擦クラッチには湿式多板クラッチが用いられている。アシスト用ソレノイド29は前記制御装置10からの指令信号に基づいて油圧を発生する。上記ソレノイド29には比例電磁式圧力制御弁が用いられており、コイルに流れる電流に比例した油圧を発生することができる。この油圧の発生により、クラッチピストン25はスプリング24に抗して移動し、ドライブ側プレート23(図では外側のドラムと同期して回転する)はドリブン側プレート27(図では出力軸104と同期して回転する)に接触して動力を伝達する。ドリブン側プレート27と部材28と出力軸104とは一体として回転する。尚、上記ソレノイド29が図1で述べたアシストアクチュエータ7に相当するものである。
【0027 】
アシストドリブンギア118はドライブ側ドラム22と固着され、かつ出力軸104とは空転しており、第2の摩擦クラッチ4の係合によってアシストドリブンギア118から出力軸104へトルクが伝達される。ここで、クラッチを完全に係合させると、アシストドリブンギア118と出力軸104とが同回転となり、第2の摩擦クラッチを用いて歯車式変速機構を所定変速比(図4では3速状態)とすることができる。
【0028 】
次に図7(a)、(b)を用いて、本実施形態による歯車式変速機の制御装置に用いる駐車要求検出手段9の一実施例について説明する。図7(a)は駐車要求手段9として用いるセレクトレバーの外観図である。また、図7(b)は駐車要求検出手段9として用いるインヒビタスイッチの概略図である。図7(a)に示すセレクトレバーにはRレンジ,NレンジおよびDレンジのほかにPレンジが設けられている。運転者がエンジンを停止し、車両を駐車する際にはPレンジにセレクトレバーを操作する。また、エンジンが停止状態から始動する際にも同様にセレクトレバーをPレンジに操作する。このセレクトレバー操作と連動して、図9に示すインヒビタスイッチ50の信号が発生するようになっている。図7(b)に示すインヒビタスイッチ50はそれぞれのレンジに対応した出力が、前記制御装置10に入力されており、セレクトレバーが選択されていない場合にはHiレベルの信号が、セレクトレバーが選択された場合にはLoレベルの信号が入力される構成となっている。
【0029 】
このような構成とすることで、運転者の駐車要求あるいはエンジン始動時であることを検出し、車両をロックすべく制御装置10が処理を実行する。尚、上記駐車要求検出手段9は上述のような機械的なハードウェアを用いなくとも、車室内に設けられたパーキング専用のスイッチ、あるいはナビゲーションシステムのモニタのタッチパネル操作により代替することも可能である。即ち、図7の構成に代えて、パーキングスイッチのようなものを設けても良い。
【0030 】
次に、図8及び図9を用いて、本実施形態による歯車式変速機の制御方法について説明する。図8(a)は歯車式変速機の制御装置による制御方法を示すフローチャートであり、原動機が駆動している状態におけるフローチャートである。また、図8(a)のフローチャートに示した処理内容は、図1に示した制御装置10のマイクロコンピュータに組み込まれるプログラムである。
【0031 】
図8(a)のステップS1では図7(b)で示したインヒビタスイッチ50の信号を読み込む。次にステップS2において、上記インヒビタスイッチ50の信号が運転者の駐車要求を示すPレンジか否かの判定を行う。Pレンジの場合にはステップS3へ進み、それ以外の場合にはパーキングロック制御処理を終了する。次にステップS3では、車速センサの信号を読み込む。次にステップS4では、前記読み込んだ車速がゼロか否か、つまり車両が停止している状態か否かの判定を行う。ステップS4において、停止状態と判定された場合にはステップS5へ進み、そうでない場合にはパーキングロック制御処理を終了する。次に、ステップS5において第2の摩擦クラッチ4を係合すべく、図6(a)に示したアシスト用ソレノイド29への指令信号を出力する。これにより、アシストドリブンギアおよびアシストドライブギアを介してカウンタ軸と出力軸が所定変速比に設定される。次に、ステップS6において噛み合いクラッチを係合すべく、図5に示したシフト用ソレノイド16,17およびセレクト用ソレノイド18への指令信号を出力し、パーキングロック制御処理を終了する。このように、運転者の駐車要求を検出した場合には第2の摩擦クラッチと噛み合いクラッチの双方を係合することにより、2重噛み合い状態となり車両を確実にロックすることができる。
【0032 】
図9(a)は、上述の図8(a)で示した前記パーキングロック制御処理を実行した際のタイムチャートである。時刻toにおいて、運転者によりセレクトレバーが操作され、インヒビタスイッチの信号がPレンジであることを検出すると、第2の摩擦クラッチへの押し付け力を増加させて完全係合状態とする。このとき、噛み合い式クラッチは1速状態を形成しており、前記第2の摩擦クラッチの係合により、2重噛合状態となり車両をロックする。その後、時刻t1において、運転者によりキースイッチがOFFされて原動機が停止すると、オルタネータによる充電が不可能になるため、所定時間ts経過後、時刻t2において前記電動ポンプ11の電源をOFFにすることで電動ポンプ吐出圧が低下する。そして、油圧源の低下により前記第2の摩擦クラッチへの押し付け力が低下しクラッチが解放状態となる。一方、第1の摩擦クラッチは皿バネによりクラッチへの押し付け力を生じており、これを油圧により解除することによりクラッチが解放されるため、第2の摩擦クラッチとは特性が逆になっている。したがって、油圧源の低下により第1の摩擦クラッチは係合状態となる。ここで、第2の摩擦クラッチへの押付け力は、第1の摩擦クラッチが完全に係合した時刻t3において低下させなければならない。これは、双方の摩擦クラッチが解放状態になる時間が存在すると、車両のロックが不完全になるからである。上記、第1の摩擦クラッチの完全係合状態を検出する方法の一例として、クラッチを押付ける機構部分に隣接して取り付けた位置センサ信号を用いる方法がある。これらの第1、第2の摩擦クラッチの動作に対し、噛み合いクラッチは機械的にギアが噛み合っているため、油圧源の低下によってクラッチが解放されることなく、1速係合状態を保持することができる。したがって、油圧源が低下しても、原動機と歯車式変速機の直結状態を作り、原動機のクランク軸に対する摩擦拘束力を用いて車両をロックさせる(ギア入り駐車)ことが可能である。
【0033 】
また、ギア入り駐車をするためには、前記図8(a)に示したステップS6において、例えば駐車する道路が上り勾配の場合には前記係合すべく噛み合いクラッチを前進ギアとする。それ以外の場合には、後進ギアとする。ここで、道路勾配を検出する方法としては、ナビゲーションシステムに用いられる情報や、車速の変化などから勾配を推定演算した値を用いる、または直接センサを取付けて道路勾配を検出するなどが考えられる。このように、車両を駐車する際の道路勾配に応じて係合する噛み合いクラッチのギアを切換えることにより、原動機の駆動/停止状態に係わらず車両を確実にロックすることが可能となる。
【0034 】
図8(b)は歯車式変速機の制御装置による制御方法を示すフローチャートであり、原動機が停止した状態から始動する際のフローチャートである。また、図8(b)のフローチャートに示した処理内容は、図1に示した制御装置10のマイクロコンピュータに組み込まれるプログラムである。
【0035 】
図8(b)のステップS11では運転席に設けられたキースイッチの信号を読み込む。このキースイッチの信号が上述の運転者による原動機1の始動要求を検出する手段である。次にステップS12において、上記キースイッチの信号が「ON」か否かの判定を行う。「ON」の場合にはステップS13へ進み、そうでない場合には始動時制御処理を終了する。次にステップS13では、図5に示した電動ポンプ11を駆動する。次に、ステップS14では油圧センサ14の信号PLを読み込む。そして、ステップS15ではアキュムレータ13において蓄圧された上記油圧PLが予め定められた値Poより大きいか否かの判定を行う。大きい場合にはステップS16へ進み、そうでない場合にはステップS15を繰り返す。次にステップS16において第2の摩擦クラッチ4を係合すべく、上述のアシスト用ソレノイド29への指令信号を出力し、押付け力を増加させる。これにより、アシストドリブンギアおよびアシストドライブギアを介してカウンタ軸と出力軸が所定変速比に設定される。ここで、噛み合いクラッチは図8(a)に示すフローチャートにより、原動機1を停止する際に予め所定変速段に係合されているため、ステップS16の処理により2重噛み合い状態となる。
【0036 】
次にステップS17において、第1の摩擦クラッチ2を解放し、原動機と歯車式変速機とのトルク伝達が遮断される。次にステップS18において、上記キースイッチの信号が「START」か否かの判定を行う。「START」の場合にはステップS18へ進み、そうでない場合にはステップS18を繰り返す。そして、最後にステップS19においてスタータを始動させて原動機が運転を開始し、始動時制御を終了する。ここで、スタータが起動する際にスパイク状の大電流が発生し、バッテリの出力電圧が一時的に低下することが知られている。この一時的な電圧降下によって、上記第一の摩擦クラッチを解放するための電流が低下し、クラッチが係合する可能性がある。そこで、スタータが動作している上記ステップS18では、上記第一の摩擦クラッチに流れる電流を最大値、または通常の解放動作時における電流の設定値よりも大きくする必要がある。
【0037 】
このようなフローチャートにより、原動機の始動時においても車両を確実にロックさせることが可能となる。また、アキュムレータに蓄圧されるまでの時間的なロスを少なくするため、車両のドアの開閉状態を検出する、キーレスエントリーの車両にあってはドアロックが解除されたことを検出又はドアロック解除の指令を検出する、あるいはキーが差し込み口に挿入されたことを検出し、事前にステップS13の処理(準備動作)を実行するような制御方法としてもよい。また、エンジン始動を遠隔操作するリモートスターターの搭載車にあっては、エンジン始動指令が発せられた後、所定時間制御開始を遅らせ、その間に準備動作を行うことによって、同様の効果を達成できる。
【0038 】
図9(b)は、上述の図8(b)で示した始動時制御処理を実行した際のタイムチャートである。時刻toにおいて、インヒビタスイッチの信号はPレンジであり、運転者によりキースイッチが操作されキースイッチの信号がONであることを検出すると、電動ポンプ11をONとする。電動ポンプ11の駆動により吐出圧が上昇し、圧力が予め設定されたPoに達する時刻t1において、第2の摩擦クラッチへの押し付け力を増加させて完全係合状態とする。そして、時刻t2において第2の摩擦クラッチの完全係合状態を検出すると、第1の摩擦クラッチへの押し付け力も同時に上昇させて、第1の摩擦クラッチを解放状態とする。ここで、上記第2の摩擦クラッチの完全係合状態を検出する方法の一例として、第2の摩擦クラッチに作用する油圧を油圧センサにより検出する方法がある。このように、いずれかの摩擦クラッチを係合させておかなかれば、車両のロックが不完全となる。一方、噛み合いクラッチは原動機1が停止する際の変速段を形成しており、前記第2の摩擦クラッチの係合により、2重噛合状態となり車両をロックする。その後、時刻t1において、運転者によりキースイッチがSTARTへ動作されて原動機が始動する。このような制御方法とすることで、原動機が停止状態から始動する際においても、車両を確実にロックすることが可能である。
【0039 】
次に図6(b)を用いて、歯車式変速機の制御装置に用いるアシストアクチュエータの一実施例について説明する。図6(b)はアシストアクチュエータの一実施例の概要を示す構成図である。図に示すDCモータ51は、歯車によりボールネジ54と連結されている。前記DCモータ51の回転方向の力は、ボールネジ54により直線方向の力として変換されるとともに、増幅される。さらに、ボールネジの先端はマスタシリンダ52のピストン53と連結されており、前記DCモータ51の回転によってバネに抗して移動する。前記マスタシリンダ52は、図6(a)に示した第2の摩擦クラッチのクラッチピストン25と配管を介して連結されている。配管内には、作動油が充満しており、前記ピストン53の移動により前記クラッチピストン25が移動し、前記第2の摩擦クラッチ4への押付け力が発生する。このような構成により、図5に示したような油圧源を用いることなく、電気的にクラッチを係合することが可能となる。また、このような電気式アクチュエータを用いることにより、図8(b)に示したステップS13〜S15までの処理のような、始動時におけるアキュムレータへ蓄圧するまでの待機時間が不要となる。よって、始動時のもたつきを無くすことが可能となる。
【0040 】
図10(a)は歯車式変速機の制御装置による制御方法を実行した際の動作を示すタイムチャートであり、車両が走行状態から運転者のブレーキ操作によって停止する際のタイムチャートである。時刻t0において、運転者のブレーキON操作が開始されると、車両の速度つまり変速機の出力軸回転数が低下する。次に、時刻t1において、出力回転数が予め設定した所定回転数cNOSCOF を下回ると、第1の摩擦クラッチへのクラッチトルク指令値(発進クラッチトルク指令値)をゼロとし、第1の摩擦クラッチを解放する。これにより、原動機回転数はアイドル回転数を保持し、変速機の入力軸回転数は出力軸回転数と共に低下する。次に、時刻t2において出力軸回転数が所定回転数cNOSTPまで低下すると、噛み合いクラッチを2速から1速状態へと切換え、次の発進動作のための準備動作を行う。そして、上記時刻t2からの所定時間cTMSTPを経過した時刻t3において、運転者の車両停止要求と判断し、第2の摩擦クラッチを半係合させるべく第2の摩擦クラッチへのクラッチトルク指令値(アシストクラッチトルク指令値)を所定値TTHLHLD に設定する。このように、第2の摩擦クラッチを半係合状態とすることで、変速機内で2重噛み合い状態を形成することができるため、登坂路においても車両の停止位置を保持することが可能となる。以下、このような機能をヒルホールド機能と称す。
ここで、上記ヒルホールド機能に必要なアシストクラッチトルク指令値TTHLHLD の算出方法について述べる。変速機の入力軸まわりにおける運動方程式は下記(1)式で算出される。
J・dω/dt=Ta−Td/G1−Ta・Td/G1 (1)
J:慣性モーメント ω:入力軸回転数
Ta:アシストクラッチトルク指令値
Td:出力軸まわりの走行抵抗
Gs:現在ギア比 Ga:アシストギア比
上記走行抵抗Tdは停止した車両に掛かる負荷である転がり抵抗や勾配抵抗など車両に掛かる負荷を変速機の出力軸周りに換算した値を示すものである。また、上記アシストギア比Gaは前記第2の摩擦クラッチを取り付けた歯車列で構成されるギア比を示すものである。ここで、アシストクラッチトルク指令値Taを発生することにより、入力軸には上記(1)式で示すTa・Td/G1に相当する循環トルクが発生する。そして、前記循環トルクはタイヤ側から走行抵抗によって入力軸を回転させようとするトルクに対する負荷として作用する。したがって、ヒルホールド機能として必要なアシストクラッチトルク指令値TTHLHLD は上記(1)式をまとめると、下記(2)式で算出される。
TTHLHLD>Td/(Gs−Ga) (2)
以上述べたように、ヒルホールド機能に必要なアシストクラッチトルク指令値を算出し、第2の摩擦クラッチを半係合状態とすることにより、ヒルホールド機能を実現することができる。これにより、停車する際に車両位置を保持するための運転者のブレーキ操作力を軽減することが可能となり、ドライバビリティを向上させることができる。
【0041 】
図10(b)は歯車式変速機の制御装置による制御方法を実行した際の動作を示すタイムチャートであり、図10(a)にて述べたヒルホールド状態から下記クリープ機能によって発進する際のタイムチャートである。トルクコンバータ付き自動変速機や無段変速機などの変速機構では、停車状態から運転者がブレーキペダルをOFFすると車両が緩やかに前進または後進し、所定の駆動軸トルクを発生するいわゆるクリープ機能を有している。上記クリープ機能は、渋滞路での走行や車庫入れの際にブレーキ操作のみで車両の発進・停止動作が可能であるため、イージードライブ機能としてユーザーに認知されている機能である。本発明の歯車式変速機においても同様のクリープ機能を実現することができる。具体的には、第1の摩擦クラッチを半係合状態とし、原動機の回転数が所定回転数を維持するようにフィードバック制御することにより実現する。図10(b)に示す時刻t0において、停車状態から運転者のブレーキ操作が解除されると、第1の摩擦クラッチを半係合状態とし、クリープ動作を開始する。ここで、上記半係合状態とすべく発進クラッチトルク指令値をステップ的に設定しても、実際のクラッチトルクが発生するまでの応答遅れがあるため、車輪が回転を開始するまでに遅れ時間が存在する。したがって、登坂路における停車からの発進動作では、図10(b)点線で示すように前記クラッチトルクが発生するまでの応答遅れの間に走行抵抗によって、一時的に前後加速度が負となり車両の逆行が発生してしまう。
【0042 】
このように、登坂路において車両を停止させた状態からクリープ状態へと切り替わる際に、車両が逆行する現象が発生する。これは、運転者に違和感を与えるだけでなく後続車との接触事故に繋がる可能性がある。しかし、本発明では上述のように停車状態において第2の摩擦クラッチを半係合状態とし、車両位置を保持するために必要なクラッチトルクを発生している。したがって、図10(a)実線で示すようにブレーキ操作が解除された時刻t0において車両位置を保持するトルクが作用しているため、車両は速やかに前進を開始することができるため、上述のような車両の逆行を防止することが可能となる。
ここで、上記出力軸まわりの走行抵抗Tdは、検出あるいは推定により求めた道路勾配および車両の総重量により算出した値を用いると、より正確なヒルホールド機能を有することができる。しかし、走行抵抗を算出するために新たなセンサを追加するとコストアップに繋がるため、予め設定した走行抵抗Tdを学習制御により補正するような安価な構成としても良い。
【0043 】
以上述べたように、車両が停止している状態を保持する場合、第2の摩擦クラッチを半係合状態とし、噛み合いクラッチとの2重噛み合い状態にすることにより、運転者のブレーキ操作力を軽減することが可能となる。また、登坂路における停車からの発進時に車両の一時的な逆行を防止することが可能となる。
【0044 】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、自動MTにおいても車輪を確実にロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態による歯車式変速機の制御装置の全体構成を示すブロック図、(b)は歯車式変速機の変速性能の概要を示すタイムチャートである。
【図2】歯車式変速機構の構成を示す概略図である。
【図3】歯車式変速機構の構成を示す概略図である。
【図4】歯車式変速機に用いる変速操作機構の斜視図である。
【図5】歯車式変速機に用いるシフト/セレクトアクチュエータの構成を示す構成図である。
【図6】(a)は歯車式変速機に用いる第2の摩擦クラッチの構成を示す部分断面図、(b)は歯車式変速機の制御装置に用いるアシストアクチュエータの一実施例の概要を示す構成図である。
【図7】(a)は駐車要求手段として用いるセレクトレバーの外観図、(b)は駐車要求手段として用いるインヒビタスイッチの概略図である。
【図8】(a)は歯車式変速機の制御装置による制御方法を示すフローチャート、(b)は歯車式変速機の制御装置による制御方法を示すフローチャートである。
【図9】(a)は歯車式変速機の制御方法を実行した際の動作を示すタイムチャート、(b)は歯車式変速機の制御方法を実行した際の動作を示すタイムチャートである。
【図10】(a)は歯車式変速機の制御方法を実行した際の動作を示すタイムチャート、(b)は歯車式変速機の制御方法を実行した際の動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1…原動機
2…第1の摩擦クラッチ
3…噛み合いクラッチ
4…第2の摩擦クラッチ
5…歯車式変速機構
6…変速機
7…アシストアクチュエータ
8…シフト/セレクトアクチュエータ
9…駐車要求検出手段
10…制御装置

Claims (4)

  1. 原動機から第1の摩擦クラッチを介して動力が伝達され、入力軸と出力軸との間に複数の歯車列を有し、少なくとも1つの前記歯車列に第2の摩擦クラッチを設け、その他の前記歯車列に噛み合いクラッチを設けた歯車式変速機であって、変速中に前記第2の摩擦クラッチを介して前記原動機からの動力を駆動軸へと伝達させる歯車式変速機の制御装置において,
    前記歯車式変速機の噛み合いクラッチの係合によって形成される所定変速段を判定する変速段判定手段と,
    乗員のブレーキ操作の有無を検出する停止要求検出手段と,
    前記歯車式変速機の出力軸回転数を検出する出力軸回転数検出手段を備え,
    前記変速段判定手段が所定変速段が形成されたことを判定し、前記出力軸回転数検出手段の出力が、出力軸回転数が所定回転数以下であることを示し、かつ前記停止要求検出手段から停止要求を受け取ったとき,
    前記第2の摩擦クラッチの係合動作を開始するにあたり、該第2の摩擦クラッチの締結力を徐々に増加することを特徴とする歯車式変速機の制御装置。
  2. 原動機から第1の摩擦クラッチを介して動力が伝達され、入力軸と出力軸との間に複数の歯車列を有し、少なくとも1つの前記歯車列に第2の摩擦クラッチを設け、その他の前記歯車列に噛み合いクラッチを設けた歯車式変速機であって、変速中に前記第2の摩擦クラッチを介して前記原動機からの動力を駆動軸へと伝達させる歯車式変速機の制御装置において,
    前記歯車式変速機の噛み合いクラッチの係合によって形成される所定変速段を判定する変速段判定手段と,
    乗員のブレーキ操作の有無を検出する停止要求検出手段と,
    前記歯車式変速機の出力軸回転数を検出する出力軸回転数検出手段を備え,
    前記変速段判定手段が所定変速段が形成されたことを判定し、前記出力軸回転数検出手段の出力が、出力軸回転数が所定回転数以下であることを示し、かつ前記停止要求検出手段から停止要求を受け取ったとき,
    前記第2の摩擦クラッチの係合動作を開始し、前記歯車式変速機の噛み合いクラッチを駐車する道路が上り勾配の場合には前進ギアとし、それ以外の場合には、後進ギアとすることを特徴とする歯車式変速機の制御装置。
  3. 原動機から第1の摩擦クラッチを介して動力が伝達され、入力軸と出力軸との間に複数の歯車列を有し、少なくとも1つの前記歯車列に第2の摩擦クラッチを設け、その他の前記歯車列に噛み合いクラッチを設けた歯車式変速機であって、変速中に前記第2の摩擦クラッチを介して前記原動機からの動力を駆動軸へと伝達させる歯車式変速機の制御方法において,
    前記歯車式変速機の噛み合いクラッチの係合によって形成される所定変速段を判定し,
    乗員のブレーキ操作の有無を検出し,
    前記歯車式変速機の出力軸回転数を検出し,
    前記歯車式変速機が所定変速段を形成し、前記歯車式変速機の出力軸回転数が所定回転数以下で、かつ前記乗員のブレーキ操作による停止要求があったとき,
    前記第2の摩擦クラッチの係合動作を開始するにあたり、該第2の摩擦クラッチの締結力を徐々に増加することを特徴とする歯車式変速機の制御方法
  4. 原動機から第1の摩擦クラッチを介して動力が伝達され、入力軸と出力軸との間に複数の歯車列を有し、少なくとも1つの前記歯車列に第2の摩擦クラッチを設け、その他の前記歯車列に噛み合いクラッチを設けた歯車式変速機であって、変速中に前記第2の摩擦クラッチを介して前記原動機からの動力を駆動軸へと伝達させる歯車式変速機の制御方法において,
    前記歯車式変速機の噛み合いクラッチの係合によって形成される所定変速段を判定し,
    乗員のブレーキ操作の有無を検出し,
    前記歯車式変速機の出力軸回転数を検出し,
    前記歯車式変速機が所定変速段を形成し、前記歯車式変速機の出力軸回転数が所定回転数以下で、かつ前記乗員のブレーキ操作による停止要求があったとき,
    記第2の摩擦クラッチの係合動作を開始し、前記歯車式変速機の噛み合いクラッチを駐車する道路が上り勾配の場合には前進ギアとし、それ以外の場合には、後進ギアとすることを特徴とする歯車式変速機の制御方法。
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