JP4012272B2 - 電池用電極シート供給装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工装置に電池用電極シートを１枚ずつ供給する電池用電極シート供給装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、高性能で高容量の電池の需要が増大し、ニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池などの種々の二次電池が開発され、実用化されてきている。例えば、ニッケル水素二次電池は正極シート／セパレータ／負極シートからなる渦巻型積層電極群を電解液とともに外装容器内に液密に封入してなる。渦巻型積層電極群には金属繊維を含むフェルト状シートが用いられている。
【０００３】
フェルト状シートは裁断機で所望サイズに裁断され、マガジンに一時集積される。そして、上部開口からマガジン内に真空パッドを挿入し、最上位置にある電極シートを吸着し、これを取り出す。真空パッドで１枚ずつ吸着して取り出したシートは巻回装置に搬送され、巻回装置によりシートを渦巻き状に巻き締め、渦巻型積層電極群とする。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の装置においては、マガジン内に一時集積された電極シートのバリが互いに絡まり合い、最上部のシートを真空パッドで吸着して持ち上げるとこれに伴って直下のシートも持ち上げられ、一度に複数枚のシートがマガジンから取り出されてしまう。このようにして複数枚のシートが一度に次工程に供給されると、１枚ずつ処理するように設計された製造ラインでは種々のトラブルを生じてしまい、最悪の場合は製造ラインを停止させることもある。
【０００５】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、生産性を損なうことなく電極シートを１枚ずつ確実かつ安定に供給することができる電池用電極シート供給装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電池用電極シート供給装置は、金属繊維を集電材として含む電極シートを１枚ずつ供給する電池用電極シート供給装置であって、積層収容された電極シートを取り出すためのシート取出口を下部にもつマガジンと、前記シート取出口との間に少なくとも電極シートの１枚分の厚みより大きい間隙を形成するように前記マガジンの直下に実質的に水平に設けられたスライドベースと、前記スライドベースに埋め込まれ、前記マガジンから前記スライドベース上に載った最下部の電極シートを前記スライドベースのほうに引き付けてシートの反りを修正する永久磁石と、前記スライドベースに沿って摺動し、前記シート取出口とスライドベースとの間に形成された間隙を介して最下部の電極シートのみを押し出す押出手段と、を具備することを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
電極シート２は金属ニッケル繊維を含む厚さが０．４〜１．０mmのフェルトからなり、それぞれが幅３５〜６５mmで、長さ６０〜１４０mmの矩形状に裁断されている。このような電極シート２は、電池用電極シート供給装置３から巻回装置に向けて１枚ずつ供給され、渦巻き状に巻回され、最終的にニッケル水素二次電池用の電極となる。
【０００９】
図１に示すように、電池用電極シート供給装置３のマガジン４のなかには多数枚の電極シート２が積載収容されている。電極シート２はマガジン４からプッシャー７で押し出され、供給装置３に隣接して設けられた巻回装置（図示せず）に１枚ずつ供給されるようになっている。
【００１０】
マガジン４の内部は電極シート２が引っ掛からない程度に滑らかで電極シート２のサイズよりも少し大きくつくってある。マガジン４の下部は開口しており、ここにシート取出口４ａが形成されている。さらに、マガジン４の直下にはスライドベース１１が設けられている。このスライドベース１１はその上面が実質的に水平になるように支持部材１０によって支持されている。
【００１１】
プッシャー７はスライダ６に取り付けられ、スライダ６はクランク機構５に支持されるとともに固定部材８のＸ軸溝に沿って摺動しうるように設けられている。すなわち、クランク機構５のアームを揺動させると、スライダ６とともにプッシャー７がＸ軸方向に摺動し、プッシャー７の先端部がスライドベース１１の上面に沿って移動して最下部の電極シート２を外方へ押し出すようになっている。
【００１２】
図２に示すように、シート取出口４ａとスライドベース１１との間には間隙１８が形成されている。この間隙１８は電極シート２の１枚分の厚みより大きく、かつ、電極シート２の２枚分の厚みより小さいので、プッシャー７の先端部で最下部の電極シート２を押すと、最下部の電極シート２のみが間隙１８を介して外方へ押し出される。なお、プッシャー７の先端部は電極シート２の１枚分の厚みと同じか又はこれより小さく形成されている。また、プッシャー７は耐摩耗性のステンレス鋼や硬質プラスチックでつくられている。
【００１３】
図３に示すように、スライドベース１１の全面にわたって多数の反り修正部材（永久磁石）１２が埋め込まれている。これらの永久磁石１２によって電極シート２がスライドベース１１のほうに引き付けられ、シート２の全面がこれに密着するので、例えば図４に示すように、電極シート２の幅方向端部２ａが中央部２ｂより上方に反っていたとしてもマガジン４に引っ掛かることなく間隙１８を容易に通過する。なお、永久磁石１２は図示の配置のみに限られず、スライドベース１１の少なくとも周縁部に配置すればよい。
【００１４】
さらに、間隙１８の外方近傍には１対の挟持部材３１が設けられている。挟持部材３１はスイング機構（図示せず）によって揺動可能に吊り下げ支持され、押し出された電極シート２を挟持部材３１によって挟持し、これを次工程のシート加工装置（図示せず）に搬送するようになっている。
【００１５】
次に、上記装置の動作について説明する。
多数枚の電極シート２をマガジン４に積載すると、最下部の電極シート２は上方シートの重みにより押されてシート取出口４ａからスライドベース１１上に載る。永久磁石１２によって電極シート２がスライドベース１１のほうに引き付けられ、シート２の全面がこれに密着する。
【００１６】
クランク機構５によりスライダ６を摺動させ、プッシャー７で最下部の電極シート２を押すと、最下部の電極シート２は直上の電極シート２から分離され、これのみが間隙１８を通過して外方へ押し出される。
【００１７】
次いで、押し出された電極シート２を挟持部材３１によって挟持し、これを次工程の巻回装置（図示せず）に搬送する。搬送完了後、プッシャー７で最下部の電極シート２を押し出す。上記動作を繰り返すことにより電極シート２は次工程に１枚ずつ確実に供給される。
【００１８】
【発明の効果】
本発明の装置によれば、電極シートを１枚ずつ確実かつ安定に次工程に供給することができるので、製造ラインの稼働率が向上し、高生産性を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態に係る電池用電極シート供給装置の一部を透視して示す正面図。
【図２】電池用電極シート供給装置の一部を示す拡大図。
【図３】スライドベースおよび挟持部材を示す平面図。
【図４】シート取出口を示す部分拡大図である。
【符号の説明】
２…電極シート、 ２ａ…端部、 ２ｂ…中央部、
３…電池用電極シート供給装置、
４…マガジン、４ａ…シート取出口、
５…クランク機構、 ６…スライダ、
７…プッシャー、 ８…固定部材、
１０…支持部材、 １１…スライドベース、
１２…反り修正部材（永久磁石）、
１８…間隙、
３１…挟持部材。
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工装置に電池用電極シートを１枚ずつ供給する電池用電極シート供給装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、高性能で高容量の電池の需要が増大し、ニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池などの種々の二次電池が開発され、実用化されてきている。例えば、ニッケル水素二次電池は正極シート／セパレータ／負極シートからなる渦巻型積層電極群を電解液とともに外装容器内に液密に封入してなる。渦巻型積層電極群には金属繊維を含むフェルト状シートが用いられている。
【０００３】
フェルト状シートは裁断機で所望サイズに裁断され、マガジンに一時集積される。そして、上部開口からマガジン内に真空パッドを挿入し、最上位置にある電極シートを吸着し、これを取り出す。真空パッドで１枚ずつ吸着して取り出したシートは巻回装置に搬送され、巻回装置によりシートを渦巻き状に巻き締め、渦巻型積層電極群とする。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の装置においては、マガジン内に一時集積された電極シートのバリが互いに絡まり合い、最上部のシートを真空パッドで吸着して持ち上げるとこれに伴って直下のシートも持ち上げられ、一度に複数枚のシートがマガジンから取り出されてしまう。このようにして複数枚のシートが一度に次工程に供給されると、１枚ずつ処理するように設計された製造ラインでは種々のトラブルを生じてしまい、最悪の場合は製造ラインを停止させることもある。
【０００５】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、生産性を損なうことなく電極シートを１枚ずつ確実かつ安定に供給することができる電池用電極シート供給装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電池用電極シート供給装置は、金属繊維を集電材として含む電極シートを１枚ずつ供給する電池用電極シート供給装置であって、積層収容された電極シートを取り出すためのシート取出口を下部にもつマガジンと、前記シート取出口との間に少なくとも電極シートの１枚分の厚みより大きい間隙を形成するように前記マガジンの直下に実質的に水平に設けられたスライドベースと、前記スライドベースに埋め込まれ、前記マガジンから前記スライドベース上に載った最下部の電極シートを前記スライドベースのほうに引き付けてシートの反りを修正する永久磁石と、前記スライドベースに沿って摺動し、前記シート取出口とスライドベースとの間に形成された間隙を介して最下部の電極シートのみを押し出す押出手段と、を具備することを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
電極シート２は金属ニッケル繊維を含む厚さが０．４〜１．０mmのフェルトからなり、それぞれが幅３５〜６５mmで、長さ６０〜１４０mmの矩形状に裁断されている。このような電極シート２は、電池用電極シート供給装置３から巻回装置に向けて１枚ずつ供給され、渦巻き状に巻回され、最終的にニッケル水素二次電池用の電極となる。
【０００９】
図１に示すように、電池用電極シート供給装置３のマガジン４のなかには多数枚の電極シート２が積載収容されている。電極シート２はマガジン４からプッシャー７で押し出され、供給装置３に隣接して設けられた巻回装置（図示せず）に１枚ずつ供給されるようになっている。
【００１０】
マガジン４の内部は電極シート２が引っ掛からない程度に滑らかで電極シート２のサイズよりも少し大きくつくってある。マガジン４の下部は開口しており、ここにシート取出口４ａが形成されている。さらに、マガジン４の直下にはスライドベース１１が設けられている。このスライドベース１１はその上面が実質的に水平になるように支持部材１０によって支持されている。
【００１１】
プッシャー７はスライダ６に取り付けられ、スライダ６はクランク機構５に支持されるとともに固定部材８のＸ軸溝に沿って摺動しうるように設けられている。すなわち、クランク機構５のアームを揺動させると、スライダ６とともにプッシャー７がＸ軸方向に摺動し、プッシャー７の先端部がスライドベース１１の上面に沿って移動して最下部の電極シート２を外方へ押し出すようになっている。
【００１２】
図２に示すように、シート取出口４ａとスライドベース１１との間には間隙１８が形成されている。この間隙１８は電極シート２の１枚分の厚みより大きく、かつ、電極シート２の２枚分の厚みより小さいので、プッシャー７の先端部で最下部の電極シート２を押すと、最下部の電極シート２のみが間隙１８を介して外方へ押し出される。なお、プッシャー７の先端部は電極シート２の１枚分の厚みと同じか又はこれより小さく形成されている。また、プッシャー７は耐摩耗性のステンレス鋼や硬質プラスチックでつくられている。
【００１３】
図３に示すように、スライドベース１１の全面にわたって多数の反り修正部材（永久磁石）１２が埋め込まれている。これらの永久磁石１２によって電極シート２がスライドベース１１のほうに引き付けられ、シート２の全面がこれに密着するので、例えば図４に示すように、電極シート２の幅方向端部２ａが中央部２ｂより上方に反っていたとしてもマガジン４に引っ掛かることなく間隙１８を容易に通過する。なお、永久磁石１２は図示の配置のみに限られず、スライドベース１１の少なくとも周縁部に配置すればよい。
【００１４】
さらに、間隙１８の外方近傍には１対の挟持部材３１が設けられている。挟持部材３１はスイング機構（図示せず）によって揺動可能に吊り下げ支持され、押し出された電極シート２を挟持部材３１によって挟持し、これを次工程のシート加工装置（図示せず）に搬送するようになっている。
【００１５】
次に、上記装置の動作について説明する。
多数枚の電極シート２をマガジン４に積載すると、最下部の電極シート２は上方シートの重みにより押されてシート取出口４ａからスライドベース１１上に載る。永久磁石１２によって電極シート２がスライドベース１１のほうに引き付けられ、シート２の全面がこれに密着する。
【００１６】
クランク機構５によりスライダ６を摺動させ、プッシャー７で最下部の電極シート２を押すと、最下部の電極シート２は直上の電極シート２から分離され、これのみが間隙１８を通過して外方へ押し出される。
【００１７】
次いで、押し出された電極シート２を挟持部材３１によって挟持し、これを次工程の巻回装置（図示せず）に搬送する。搬送完了後、プッシャー７で最下部の電極シート２を押し出す。上記動作を繰り返すことにより電極シート２は次工程に１枚ずつ確実に供給される。
【００１８】
【発明の効果】
本発明の装置によれば、電極シートを１枚ずつ確実かつ安定に次工程に供給することができるので、製造ラインの稼働率が向上し、高生産性を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態に係る電池用電極シート供給装置の一部を透視して示す正面図。
【図２】電池用電極シート供給装置の一部を示す拡大図。
【図３】スライドベースおよび挟持部材を示す平面図。
【図４】シート取出口を示す部分拡大図である。
【符号の説明】
２…電極シート、 ２ａ…端部、 ２ｂ…中央部、
３…電池用電極シート供給装置、
４…マガジン、４ａ…シート取出口、
５…クランク機構、 ６…スライダ、
７…プッシャー、 ８…固定部材、
１０…支持部材、 １１…スライドベース、
１２…反り修正部材（永久磁石）、
１８…間隙、
３１…挟持部材。
Claims (1)
- 金属繊維を集電材として含む電極シートを１枚ずつ供給する電池用電極シート供給装置であって、
積層収容された電極シートを取り出すためのシート取出口を下部にもつマガジンと、
前記シート取出口との間に少なくとも電極シートの１枚分の厚みより大きい間隙を形成するように前記マガジンの直下に実質的に水平に設けられたスライドベースと、
前記スライドベースに埋め込まれ、前記マガジンから前記スライドベース上に載った最下部の電極シートを前記スライドベースのほうに引き付けてシートの反りを修正する永久磁石と、
前記スライドベースに沿って摺動し、前記シート取出口とスライドベースとの間に形成された間隙を介して最下部の電極シートのみを押し出す押出手段と、を具備することを特徴とする電池用電極シート供給装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24057696A JP4012272B2 (ja) | 1996-09-11 | 1996-09-11 | 電池用電極シート供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24057696A JP4012272B2 (ja) | 1996-09-11 | 1996-09-11 | 電池用電極シート供給装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1092442A JPH1092442A (ja) | 1998-04-10 |
| JP4012272B2 true JP4012272B2 (ja) | 2007-11-21 |
Family
ID=17061581
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24057696A Expired - Fee Related JP4012272B2 (ja) | 1996-09-11 | 1996-09-11 | 電池用電極シート供給装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4012272B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100419379B1 (ko) * | 2002-03-02 | 2004-02-21 | 주식회사 에스에프에이 | 추출 및 건조용 바이셀 적재용기 |
| US10722666B2 (en) | 2014-05-07 | 2020-07-28 | Boehringer Ingelheim International Gmbh | Nebulizer with axially movable and lockable container and indicator |
| JP6344159B2 (ja) * | 2014-09-01 | 2018-06-20 | 株式会社豊田自動織機 | 電極組立体の製造方法 |
-
1996
- 1996-09-11 JP JP24057696A patent/JP4012272B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1092442A (ja) | 1998-04-10 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20061226 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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| A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20070612 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070810 |
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