JP4011422B2 - 中空容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面光沢が小さく、柔らかくてしなやかな感触を有する積層体に関する。とりわけ意匠性に優れた外観を有する多層容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリエチレンとして、密度、結晶化度、分子量などが異なる多種多用なものが市場に供給されており、安価で加工性に優れるところから、多方面で使用されている。例えば低密度ポリエチレンあるいは中・高密度ポリエチレンは、強度、防湿性、耐溶剤性、耐薬品性などに優れており、各種内容物を充填する中空容器分野で広く使用されている。これら汎用ポリエチレンの中空容器は、表面が平滑で反射光沢があり、曲げ剛性が大きいため硬い感触を有している。近年、商品価値を高め、消費者の購買意欲を惹くために、このような中空容器においても従来のものと異なり、表面反射光がなく、柔らかくてしなやかな触感を有するものが求められるようになってきた。
【0003】
柔らかい感触の中空容器を得るためには、汎用ポリエチレンの代りにポリエチレンとしてさらに密度及び結晶化度の低いものを使用したりあるいは不飽和エステル含量の高いエチレン・不飽和エステル共重合体を使用することが考えられるが、表面光沢を小さくすることが難しく、また滑り性に乏しい感触の容器となるため、高級感を付与することはできなかった。
【0004】
汎用ポリエチレンはまた帯電しやすいため、粉体材料の容器として使用する場合に容器内面に粉体が付着して見栄えが良くないという問題点も抱えている。この問題はポリエチレンに帯電防止剤を配合することによって回避することは可能であるが、内容物によっては帯電防止剤のブリードによる汚染が問題になることがあり、あるいは帯電防止効果の経時的な低下が問題になることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、ポリエチレンのようなオレフィン系重合体が有する優れた特性を生かしながら、曇り度が高く、柔らかくてしなやかな外観及び感触を有する意匠性に優れた積層体、とりわけ中空容器を提供することにある。本発明の他の目的は、上記優れた意匠性を保持しつつ、帯電防止剤のブリードによる問題を回避した帯電防止性に優れた積層体、とりわけ中空容器を提供することにある。
【0006】
すなわち本発明によれば、少なくとも2層の層構成からなる中空容器であって、外層が、不飽和エステル含量が15〜40重量%、メルトフローレート(MFR)が1〜50g/10分のエチレン・不飽和エステル共重合体(A1)35〜90重量部と、MFRが0.1〜5g/10分のポリエチレン(A2)65〜10重量部が、(A1)のMFRと(A2)のMFRの比が5〜120の範囲であって平均不飽和エステル含量が10〜25重量%となるように配合されたエチレン共重合体組成物からなり、曇り度が70%以上の層(A)である中空容器に関する。
【0007】
上記中空容器は、2層あるいは3層以上からなり、(A)層以外にオレフィン系重合体の層を少なくとも1層含んでいることが好ましく、とりわけオレフィン系重合体の層がポリエチレン層(C)であり、これが他の表層を形成していることが好ましい。また3層以上の構成において、ポリエチレン層(C)が他の表層を形成すると共に、中間層のオレフィン系重合体層として、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカリウムアイオノマーを含む層(B)、エチレン・不飽和エステル共重合体の層(D)あるいは(C)層とは異なるポリエチレン層(C’)などであることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の中空容器は、層に、不飽和エステル含量が15〜40重量%、MFRが1〜50g/10分のエチレン・不飽和エステル共重合体(A1)35〜90重量部と、MFRが0.1〜5g/10分のポリエチレン(A2)65〜10重量部が、(A1)のMFRと(A2)のMFRの比が5〜120の範囲であって平均不飽和エステル含量が10〜25重量%となるように配合されたエチレン共重合体組成物からなり、曇り度が70%以上、好ましくは75%以上の層(A)を使用するものである。このような層は表面光沢が小さくて曇り度が高く、絹布状の外観及び感触を有するもので意匠性に優れるものである。
【0009】
上記エチレン・不飽和エステル共重合体(A1)における不飽和エステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチルなどの不飽和カルボン酸エステルを挙げることができる。とくに好適な不飽和エステルは、酢酸ビニルである。
【0010】
共重合体(A1)においては、不飽和エステル含量が15〜40重量%、好ましくは20〜35重量%であり、また190℃、2160g荷重におけるMFRが1〜50g/10分、好ましくは5〜40g/10分のものが使用される。共重合体(A1)における不飽和エステル含量やMFRが上記範囲より低いものを使用すると、意匠性に優れた絹布状感触の層を形成することが難しい。また共重合体(A1)の不飽和エステル含量やMFRが上記範囲より高いものを使用すると、(A)層の成形性、耐ブロッキング性などを損なうので好ましくない。
【0011】
エチレン・不飽和エステル共重合体(A1)と混合して使用されるポリエチレン(A2)としては、エチレンの単独重合体あるいはエチレンと炭素数3以上のα―オレフィンの共重合体である。また少量であれば、極性モノマーが共重合されたものであってもよい。これらは高圧法や中・低圧法で製造される密度が860〜970kg/m、好ましくは880〜930kg/mの範囲のものであって、190℃、2160g荷重におけるMFRが0.1〜5g/10分、好ましくは0.15〜3g/10分のものである。ポリエチレンとしてMFRが上記範囲以外のものを使用する場合には、表面光沢が小さく、滑り性に優れた組成物層を形成することは難しい。ポリエチレンとしてMFRの異なる2種以上を併用することができるが、この場合ポリエチレン全体のMFRが上記範囲に入っていればよいが、少なくとも50重量%以上、好ましくは70重量%以上が、MFR0.15〜3g/10分の範囲のものを使用するのが好ましい。この範囲以外のものを使用する場合には、滑り性、意匠性に優れた組成物層を形成することは難しい。
【0012】
ポリエチレンが共重合体である場合の共重合成分である炭素数3以上のα―オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチルー1−ペンテンなどの炭素数4〜12程度のものを好適例として挙げることができる。これらポリエチレンとしては種々のものが使用でき、例えばラジカル重合触媒系、高活性チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物からなる触媒系、フイリップス触媒系、メタロセン触媒成分とアルミノオキサンからなる触媒系などの各触媒系で製造されたものが使用できるが、とくに好ましいのはラジカル重合触媒系で製造される高圧法ポリエチレンである。
【0013】
エチレン・不飽和エステル共重合体(A1)とポリエチレン(A2)はまた、前者35〜90重量部、好ましくは50〜80重量部に対し、後者65〜10重量部、好ましくは50〜20重量部の割合(両者合計で100重量部)であって、(A1)と(A2)のMFR比であるMFR(A1)/MFR(A2)が5〜120、好ましくは10〜100、平均不飽和エステル含量が10〜25重量%、好ましくは12〜22重量%となるように配合される。MFR比が上記範囲より小さい場合には曇り度が大きく、意匠性に優れた層を形成することが難しく、また逆にMFR比が上記範囲より大きくなると、混合不足により強度が低下し、またブロッキングを起こしやすくなるので好ましくない。また平均不飽和エステル含量が上記範囲より少ないと、しなやかさが損なわれ、またその含量が多くなりすぎると滑り性が悪くなるのでいずれも好ましくない。
【0014】
本発明の中空容器は2層又は3層以上の層構成からなり、層に上記エチレン共重合体組成物層(A)を使用するものであるが、中空容器を構成する他の層としては、任意の熱可塑性重合体層、金属蒸着フイルム、無機酸化物蒸着フイルム、紙、金属箔、不織布などであることができる。好ましい他の層は、(A)層以外のオレフィン系重合体の層であり、1層のみならず2以上の異なるオレフィン系重合体の層で構成させることができる。
【0015】
オレフィン系重合体の層は、オレフィンの単独重合体、オレフィン同士の共重合体、オレフィンを主成分とするオレフィンと極性モノマーの共重合体、あるいはこれら単独重合体又は共重合体を主成分とする組成物などからなる層である。上記オレフィンの単独重合体及びオレフィン同士の共重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどを挙げることができる。
【0016】
上記ポリエチレンとして具体的には、上記(A2)成分として例示した各種方法で製造されるポリエチレンであって、密度が890〜970kg/m、好ましくは900〜960kg/m、MFRが0.1〜100g/10分、好ましくは0.2〜50g/10分のものを好適例として挙げることができる。
【0017】
上記ポリプロピレンとしては、プロピレンの単独重合体、プロピレンと他のα−オレフィンとのランダム共重合体、プロピレンと他のα−オレフィンとのブロック共重合体などを例示することができる。プロピレンとα−オレフィンのランダム共重合体あるいはブロック共重合体を使用する場合は、α−オレフィンとしては炭素数2〜20程度のもの、例えばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンなどの1種又は2種以上を使用することができる。これらポリプロピレンとしては、230℃、2160g荷重におけるMFRが、0.1〜100g/10分、好ましくは0.2〜50g/10分のものが好適に使用できる。
【0018】
オレフィン系重合体層に使用することができるオレフィンと極性モノマーの共重合体の代表的なものは、エチレンを主成分とするエチレンと極性モノマーの共重合体である。このようなエチレン・極性モノマー共重合体は、極性モノマー含量が1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%のものである。エチレン・極性モノマー共重合体の極性モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸、これら不飽和カルボン酸の塩、一酸化炭素、二酸化硫黄などの一種又は二種以上などを例示することができる。
【0019】
上記不飽和カルボン酸の塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどの1価金属、マグネシウム、カルシウム、亜鉛などの多価金属の塩などを挙げることができる。
【0020】
エチレン・極性モノマー共重合体としてより具体的には、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体のようなエチレン・不飽和カルボン酸共重合体又はその金属塩(アイオノマー)、エチレン・酢酸ビニル共重合体のようなエチレン・ビニルエステル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン・アクリル酸nブチル共重合体のようなエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン・アクリル酸イソブチル・メタクリル酸共重合体のようなエチレン・不飽和カルボン酸エステル・不飽和カルボン酸共重合体又はその金属塩(アイオノマー)、エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体、エチレン・アクリル酸nブチル・一酸化炭素共重合体のようなエチレン・不飽和エステル・一酸化炭素共重合体などを代表例として例示することができる。これらエチレン・極性モノマー共重合体の多くは、高温、高圧下のラジカル共重合により得ることができる。
【0021】
このようなエチレン・極性モノマー共重合体としては、成形加工性、機械的強度などを考慮すると、MFRが0.1〜100g/10分、とくに0.2〜50g/10分のものを使用するのが好ましい。
【0022】
本発明の中空容器は、外観及び感触の点から外層が上記共重合体組成物の層(A)であることが好ましい。また耐湿性、耐薬品性などを考慮すると、内層としては、結晶性のオレフィン系重合体、例えばポリエチレン層(C)で構成することが好ましい。またこのような構成において3層以上で構成する場合には、層間接着性を考慮すると、中間層として表層を構成する重合体と親和性良好なオレフィン系重合体で構成させることができ、例えばエチレン・不飽和エステル共重合体層(D)や(C)層のポリエチレンと異なるポリエチレンの層(C’)で構成させてもよい。このような(D)層あるいは(C’)層は、一層の柔軟性を付与するために、発泡倍率が2〜5倍程度の発泡層となっていてもよい。
【0023】
上記3層以上の中空容器においてはまた、内層及び又は外層に非帯電性を付与するために、中間層としてエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカリウムアイオノマーを含有する層(B)を設けることができる。カリウムアイオノマーのベースポリマーとなるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸,さらに任意に他の極性モノマーを共重合して得られるものである。
【0024】
ここに不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどを例示することができるが、とくにアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。また共重合成分となりうる極性モノマーとしては、酢酸ビニル、ピロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのような不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素などであり,とくに不飽和カルボン酸エステルは好適な共重合成分である。
【0025】
このようなエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸、任意に他の極性モノマーを、高温,高圧下でラジカル共重合することによって得ることができる。
【0026】
カリウムアイオノマーとして、ベースポリマーとなるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の酸含量が少なすぎたり、あるいは中和度が小さすぎるものを使用すると、積層体表層に非帯電性を付与することが容易でない。このためベースポリマーのエチレン・不飽和カルボン酸共重合体における不飽和カルボン酸含量は、10〜30重量%、とくに13〜25重量%の範囲が好ましく、またカリウムイオンによる中和度が60%以上、とくに70%以上のものを使用するのが好ましい。しかしながら不飽和酸含量の異なる2種以上のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカリウムアイオノマーを用いる場合には、平均不飽和酸含量が10〜25重量%、好ましくは11〜17重量%である2種以上の共重合体であって、最高不飽和酸含量と最低不飽和酸含量のものの酸含量差が2〜20重量%、とくに4〜18重量%異なるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカリウムイオンによる中和度が60%以上、好ましくは70%以上の混合アイオノマーを使用することが望ましい。
【0027】
カリウムアイオノマーのベースポリマーとなる上記のようなエチレン・不飽和カルボン酸共重合体には、すでに述べたような極性モノマーが含まれていてもよく、例えば極性モノマー含量が40重量%以下、好ましくは20重量%以下の割合で共重合されたものを使用することができる。
【0028】
カリウムアイオノマーとしてはまた、加工性を考慮すると、190℃,2160g荷重におけるMFRが、0.1〜100g/10分、とくに0.2〜50g/10分のものを使用するのが好ましい。
【0029】
本発明の中空容器の上記カリウムアイオノマーを含有する中間層(B)は、カリウムアイオノマーのみで構成されていてもよいが、中空容器の帯電防止性能を大きく損なわない範囲において、他の熱可塑性樹脂を配合することができる。このような熱可塑性樹脂としては、オレフィン系重合体としてすでに例示したものを使用することができる。これらの中では、上記(A)層や(C)層との層間接着性を考慮すると、ポリエチレンやエチレン・不飽和エステル共重合体などから選択されるエチレン系重合体の使用が好ましい。このようなエチレン系重合体としてはまた、必ずしもバージン品を使用する必要はなく、成形時に発生するオフスペック品や耳などの成形屑をリサイクル使用してもよい。上記他の熱可塑性樹脂の適当な配合量は、全体の50重量%以下、とくに40重量%以下となるような割合とするのが好ましい。
【0030】
カリウムアイオノマー層にはまた、非帯電性を向上させるためにアルコール性水酸基を2個以上有するポリヒドロキシ化合物はを配合することもできる。具体的には各種分子量のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、グリセリン,ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトールのような多価アルコール及びこれらのエチレンオキシド付加物、多価アミンとアルキレンオキシドの付加物などを例示することができる。ポリヒドロキシ化合物の有効な配合割合は、カリウムアイオノマー層の機械的特性を損なわない範囲、例えば10重量%以下、好ましくは5重量%以下、とくに好ましくは3重量%以下程度とするのが好ましい。
【0031】
本発明の中空容器の任意の層には、本発明の目的を損なわない範囲において、任意の添加剤を配合することができる。このような添加剤として、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防黴剤、抗菌剤、離型剤、無機充填剤、繊維強化材などを挙げることができる。
【0032】
本発明の中空容器は、多層ダイレクトブロー成形や多層インジェクションブロー成形によって製造することができる。あるいは多層積層シートを製造しておき、これを真空成形あるいは圧空成形することにより、所望形状の中空容器とすることができる。このような中空容器の製造に先立ち、エチレン・不飽和エステル共重合体(A1)及びポリエチレン(A2)を、単軸押出機、2軸押出機、バンバリーミキサー、ロール、ニーダーなどを用いて溶融混練し、両者の組成物を調製しておくことにより、品質安定性よく、曇り度(ヘイズ)が70%以上、好ましくは75%以上、一層好ましくは80%以上であって、表面光沢(グロス)が好ましくは1%以下の層(A)を有する中空容器を製造することができる。
【0033】
本発明の中空容器の各層の厚みは、用途によっても異なるが、所望の曇り度及び感触を付与するために、(A)層の厚みは、50〜1500μm、とくに100〜1000μm程度とすることが好ましく、またその他の各層厚みが100〜1500μm、とくに200〜1000μm程度とすることが好ましい。さらに中空容器全体の厚みとしては200〜5000μm、とくに300〜3000μmとすることが好ましい。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。尚、実施例及び比較例で用いた原料及び得られた容器の評価方法は次のとおりである。
1.使用原料
(1)EVA組成物:酢酸ビニル含量28重量%、MFR15g/10分のエチレン・酢酸ビニル共重合体60重量部と密度922kg/m、MFR0.25g/10分の高圧法低密度ポリエチレン40重量部の溶融混合物。平均酢酸ビニル含量16.8重量%、MFR(EVA)/MFR(LDPE)=60
(2)EVA:酢酸ビニル含量17重量%、密度940kg/m、MFR0.8g/10分のエチレン・酢酸ビニル共重合体
(3)LDPE:密度923kg/m、MFR1.6g/10分の高圧法低密度ポリエチレン
(4)HDPE:密度958kg/m、MFR0.36g/10分の低圧法ポリエチレン
(5)K−IO組成物:メタクリル酸含量17.5重量%のエチレン・メタクリル酸共重合体とメタクリル酸含量5重量%、アクリル酸イソブチル含量10重量%のエチレン・メタクリル酸・アクリル酸イソブチル共重合体の等重量混合物の中和度80%、MFR0.3g/10分のカリウムアイオノマー
【0035】
2.物性評価方法
(1)表面光沢(グロス):JIS Z7841準拠
(2)曇り度(ヘイズ):JIS K6714準拠
(3)滑り性:感触評価
○:滑る △:滑り難い ×:滑らない
(4)電位:静電気測定機SV−511(日本スタテック(株)製)
(5)削り節付着:多層ボトル表面をサラシにて10回擦った後、かつお削り節にボトルを接近させ、その付着度合を観察
○:全く付着しない
△:多少付着する
×:直ちに付着する
【0036】
[実施例1〜3、比較例1〜2]
多層ブロー成形機を用い、表1に示すような層構成で、各層厚みが0.5mm、内容積が100mlの3層容器を製造した。この3層容器の評価結果を表1に併記する。
【0037】
【表1】
Figure 0004011422
【0038】
実施例1〜3で得られた3層容器は、表面光沢が無く、柔らかくしなやかな感触を有する絹布状外観の容器であった。また実施例4では、K−IO組成物を中間層としているので、非帯電性の容器となった。一方、比較例1の容器は表面光沢があり、すべすべした容器であったが、しなやかさが無く冷たい感触の容器であった。また比較例2の容器は、しなやかさはあるが、非常に滑り難い容器であった。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、表面光沢が小さく、柔らかでしなやかな感触を有する積層体、とりわけ中空容器を提供することができる。本発明によれば、前記特長を備え、さらに非帯電性に優れた積層体、とりわけ中空容器を提供することができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも2層の層構成からなる中空容器であって、外層が、不飽和エステル含量が15〜40重量%、メルトフローレート(MFR)が1〜50g/10分のエチレン・不飽和エステル共重合体(A1)35〜90重量部と、MFRが0.1〜5g/10分のポリエチレン(A2)65〜10重量部が、(A1)のMFRと(A2)のMFRの比が5〜120の範囲であって平均不飽和エステル含量が10〜25重量%となるように配合されたエチレン共重合体組成物からなり、曇り度が70%以上の層(A)である中空容器
  2. 層(A)が、曇り度が75%以上の層である請求項1に記載の中空容器
  3. 少なくとも1層のオレフィン系重合体層を含有する請求項1又は2に記載の中空容器
  4. 3層からなる中空容器であって、外層がエチレン共重合体組成物の層(A)であり、中間層がエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカリウムアイオノマーを含有する層(B)であり、内層がポリエチレン層(C)である請求項1〜3のいずれかに記載の中空容器
  5. 3層からなる中空容器であって、外層がエチレン共重合体組成物の層(A)であり、中間層がエチレン・不飽和エステル共重合体層(D)であり、内層がポリエチレン層(C)である請求項1〜3のいずれかに記載の中空容器
  6. ブロー成形で得られたものである請求項1〜5のいずれかに記載の中空容器
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