JP4011394B2 - 自動原稿搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ装置、スキャナー装置等の画像読取装置に設けられた自動原稿搬送装置に関し、詳しくは、読取位置に設けられたプラテンガラス等の読取部の表面のごみ等を除去することができる自動原稿搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ装置、スキャナー装置等の画像読取装置に設けられた自動原稿搬送装置には、走査光学系をプラテンガラスの下方で停止させて原稿を移動させながら原稿の読み取りを行なう、所謂、シートスルータイプがある。
【0003】
ところで、走査光学系を固定して原稿を搬送しながら原稿の読取りを行う場合には、プラテンガラスに異物が滞留または固着した場合や、プラテンガラスが傷付いた場合に、異常画像(スジ画像)が発生してしまうため、異物がプラテンガラスに固着した場合には清掃して除去し、また、プラテンガラスに傷が付いた場合には、プラテンガラスを交換するようにしている。
【0004】
しかしながら、異物が滞留する場合にあっては、滞留する異物として原稿の紙粉やトナーカス、ゴムローラのゴムカス等である場合が多いため、プラテンガラスを清掃、あるいは交換してもその直後に別の異物の滞留が起こる可能性もあり抜本的な解決が難しい。
【0005】
このような不具合を解消するために、例えば、特開平8−123157号公報に記載されたものがあり、このものは、プラテンガラスの上方の搬送経路に原稿をプラテンガラス上から浮かした状態で搬送するためのガイド部材を設け、原稿をプラテンガラスから浮かして搬送することにより、プラテンガラス上でのゴミの付着や滞留を防止するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の自動原稿搬送装置にあっては、原稿をプラテンガラスから浮かしているため、原稿の紙粉がプラテンガラスに付着することによる影響は防止することができるが、トナーカスやゴムカス等の異物が依然としてプラテンガラスに滞留してしまい、異常画像(スジ画像)が発生してしまうという問題があった。
【0007】
また、ガイド部材によって原稿の先端がプラテンガラスに案内されるとき、および原稿の後端がプラテンガラスを抜け出るときには、原稿の前後端がプラテンガラスに接触してしまうため、原稿の前後端とプラテンガラスから浮き上がる前後端を除いた原稿部分の露光深度の違いによって異常画像が形成されてしまうという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、読取部に原稿を常に密着させて搬送することにより、ゴミを読取部から除去して読取部に滞留するのを防止することができ、黒筋による異常画像が発生するのを防止することができる自動原稿搬送装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、原稿載置台に載置された原稿束から原稿を1枚ずつ分離して読取部に搬送する分離・搬送手段と、前記読取位置で読取りが終了した原稿を排紙台上に排紙する排紙手段とを備えた自動原稿搬送装置において、前記分離・搬送手段は、前記読取部近傍に設けられた搬送ローラ対を含んで構成され、前記排紙手段は、前記読取部を挟んで前記搬送ローラ対に対向し、前記搬送ローラ対と異なる駆動系で駆動される排紙ローラ対を含んで構成され、前記原稿の後端が搬送ローラ対の近傍に位置するまでは、前記搬送ローラ対の線速に対して前記排紙ローラ対の線速を遅くし、前記原稿の後端が搬送ローラ対の近傍に位置したときに、前記搬送ローラ対の線速に対して前記排紙ローラ対の線速が速くなるようにしたことを特徴としている。
【0010】
その場合、搬送ローラ対の線速に対して排紙ローラの線速を遅くしたため、読取部上を搬送される原稿を読取部側に湾曲させて原稿を読取部に常に密着させることができる。
【0011】
このため、読取部からゴミを除去して読取部に滞留するのを防止することができ、黒筋による異常画像が発生するのを防止することができる。
【0013】
また、排紙ローラ対から原稿が抜け出るときに、搬送ローラ対の線速に対して排紙ローラ対の線速を速くするので、湾曲している原稿の撓みを除去することができ、原稿の後端が搬送ローラ対を抜けた際に読取部で発生する原稿の撓みに起因する速度ムラを防止してジターが発生するのを防止することができる。
【0014】
また、本発明は、上記課題を解決するために、前記搬送ローラ対および排紙ローラ対を駆動する駆動系を制御する制御手段と、前記読取部に対して原稿の搬送方向上流側に原稿の後端を検知する原稿検知手段とを設け、前記制御手段は、前記検知手段の検知情報に基づいて前記搬送ローラ対の線速に対して前記排紙ローラ対の線速が速くなるようにしたことを特徴としている。
【0015】
その場合、検知手段によって原稿の後端を検知することにより、搬送ローラ対と排紙ローラ対の線速を切り換えることができるため、原稿サイズに関わらずに搬送ローラ対と排紙ローラ対の切換制御を行うことができる。
【0016】
また、前記原稿の搬送方向上流側の読取部の端部にガイド部材を設け、前記ガイド部材によって原稿を前記読取部側に向かわせるようにしても良い。
【0017】
その場合、読取部周辺の搬送経路がストレート経路等のように搬送ローラ対と排紙ローラ対の線速を変えても原稿が湾曲し難い場合に、ガイド部材によって原稿を読取部に確実に密着させることができ、読取部からゴミを確実に除去して読取部に滞留するのを確実に防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、図2は本発明に係る自動原稿搬送装置の第1実施形態を示す図であり、画像読取装置として複写機、ファクシミリ装置、スキャナー装置等に適用することができる。
【0019】
まず、構成を説明する。図1において、1は画像読取装置であり、この画像読取装置1の上面にはスリットガラス2とコンタクトガラス3が設けられている。
【0020】
このスリットガラス2とコンタクトガラス3の下方には走査光学系としての露光ランプ4a、ミラー4b、4c、4d、レンズ4eおよびCCD4fが設けられている。
【0021】
この露光ランプ4aおよびミラー4bは、コンタクトガラス3に載置された原稿を読み取る際には、コンタクトガラス3の下方で図1中、左右方向に移動し、また、スリットガラス2上で原稿を読み取る際には、スリットガラス2の下方で停止するようになっており、露光ランプ4aによって読み取られた画情報はミラー4b、4c、4dで反射された後、レンズ4eで集光されてCCD4に結像される。このCCD4によって読み込まれた画情報は光電変換された後、図示しない画像処理部によって画像処理が施された後、図示しないプリンタ部に出力される。
【0022】
また、画像読取装置1の上部には自動原稿搬送装置(以下、単にADFという)6が装着されており、このADF6の下面にはコンタクトガラス3に載置された原稿をコンタクトガラス3に押圧するとともに原稿の読取時の白基準となる反射板7が設けられている。また、このADF6は、図示しないヒンジを介して画像読取装置1に連結されており、画像読取装置1に対して開閉自在となっている。
【0023】
また、ADF6の上部には原稿載置台8が設けられており、この原稿載置台8には複数の原稿からなる原稿束Pが載置されるようになっている。この原稿載置台8に載置された原稿束Pはこの原稿束Pに当接・離隔可能な呼出しコロ9によって給紙された後、分離ベルト10および分離阻止ローラ11によって最上位に位置する原稿が分離されるようになっている。なお、分離ベルト11は分離阻止ローラ10に任意の角度θで加圧、接触している。
【0024】
また、呼出しコロ9の原稿搬送方向下流にはストッパー部材12が設けられており、原稿載置台8に載置された原稿束Pはストッパー部材12に衝止されて分離ベルト10側に進入することを禁止されている。
【0025】
呼出しコロ9の下方には加圧板13が設けられており、この加圧板13は図示しないソレノイドによって回動支点13aを中心に呼出しコロ9に対して当接離隔するようになっている。すなわち、この加圧板13はコピースタートスイッチが押下されると、ソレノイドによって実線で示す呼出しコロ9に対して離隔する位置から仮想線で示す呼出しコロ9に当接する位置に移動して、原稿を呼出しコロ9に加圧して呼出しコロ9によって原稿を給紙させるようになっている。
【0026】
また、分離ベルト10および分離阻止ローラ11によって分離された原稿は駆動側である搬送駆動ローラ14aおよび搬送従動ローラ14bによって反転経路15に沿って反転されてスリットガラス2に向かって搬送されるようになっている。
【0027】
また、スリットガラス2の上部には読み取り時の白基準を構成する反射ガイド板16が設けられており、原稿はスリットガラス2と反射ガイド板16の間を通紙されながら露光ランプ4a等を備えた走査光学系によって読み取られる。
【0028】
読み取りが終了した原稿は反転排紙ガイド17によって排紙経路18にすくい上げるようにして搬送されるようになっており、排紙経路18にすくい上げられた原稿は搬送駆動ローラ19aおよび搬送従動ローラ19bに挟持されて搬送された後、排紙駆動ローラ21aおよび排紙従動ローラ21bに挟持されて排紙経路18から外部に排紙され、除電ブラシ22によって除電された後、外装カバー(排紙台)23上に排紙される。
【0029】
また、コンタクトガラス3上を覆う反射板7は加圧板24の下面に設けられており、この加圧板24はコンタクトガラス3上に載置された原稿をこのコンタクトガラス3に加圧するようになっている。
【0030】
この加圧板24は回動支点25を介してメインフレーム26に回動自在に取付けられており、このメインフレーム26は排紙従動ローラ21bの軸に端部が取付けられ、ADF6本体に固定されている。
【0031】
また、メインフレーム26はコンタクトガラス3を覆う面積を有しており、上面に外装カバー23が取付けられている。また、加圧板24はリンク機構であるリンク27を介して補助フレーム28に連結されており、この補助フレーム28はメインフレーム26の外周部を挟持するように断面略コの字状に形成され、支点29を介してメインフレーム26に回動自在に連結されている。
また、メインフレーム26にはマグネット30が設けられており、このマグネット30は補助フレーム28を吸引している。
【0032】
一方、本実施形態では、搬送駆動ローラ14aおよび搬送従動ローラ14bは搬送ローラ対14を構成しており、呼出しコロ9、分離ベルト10、分離阻止ローラ11、搬送ローラ対14が分離・搬送手段を構成している。また、呼出しコロ9、分離ベルト10、分離阻止ローラ11、搬送駆動ローラ14aは歯車列からなる減速機構を介して図示しない給紙モータ(駆動系)に接続されている。
【0033】
また、本実施形態では、原稿載置台8から排紙台である外装カバーまでの搬送経路はU字状に形成されている。
【0034】
また、搬送駆動ローラ19a、搬送従動ローラ19bが排紙ローラ対19を構成しており、排紙ローラ対19、駆動ローラ21aおよび排紙従動ローラ21bは排紙手段を構成している。また、搬送駆動ローラ19aおよび排紙駆動ローラ21aは歯車列からなる減速機構を介して図示しない排紙モータ(駆動系)に接続されている。
【0035】
また、給紙モータおよび排紙モータはコントローラ(制御手段)によって駆動されるようになっており、メインコントローラは搬送ローラ対14の線速に対して排紙ローラ対19の線速が遅くなるように給紙モータおよび排紙モータを駆動するようになっている。
【0036】
また、搬送ローラ対14の近傍には原稿検知センサ(検知手段)100が設けられており、この原稿検知センサ100は原稿の前後端を検知してコントローラに信号を出力するようになっている。
【0037】
コントローラはこの信号に基づき、原稿の後端が検知されてから原稿の後端が搬送ローラ対14まで到達するまでの給紙モータのパルス数をカウントすることにより、原稿の後端が搬送ローラ対14の近傍に位置したことを把握し、搬送ローラ対14の線速に対して排紙ローラ対19の線速が速くなるように切換制御を行うようになっている。
【0038】
次に、図2のフローチャートに基づいて原稿の搬送方法を説明する。
原稿の先端がストッパー部材12の先端に到達したことを図示しない原稿セットセンサによって検知され(ステップS1のyes)、画像読取装置1側のコピースタートスイッチが押下されると、加圧板13を呼出コロ9に対して離隔する実線位置から呼出コロ9に近接する仮想線位置に移動させて原稿Pを呼出コロ9に押し付け、その呼出コロ9によって原稿Pを給紙ベルト10と分離阻止ローラ11の間に送り出す。
【0039】
そして、給紙ベルト10および分離阻止ローラ11によって分離された原稿Pは、給紙モータによって所定の回転数で駆動する搬送ローラ対14よって反転経路15に沿って反転されながら送られてスリットガラス2に向かって搬送され、スリットガラス2上を通過した後に、反転排紙ガイド17によってすくい上げられるように案内されて排紙経路18に通紙される(ステップS2)。
【0040】
次いで、原稿の先端が原稿検知センサ100によって検知されてから給紙モータのパルスをカウントすることにより、原稿がスリットガラス2上に到達したか否かを判別し(ステップS3)、到達した場合には、走査光学系を走査して原稿の読取りを開始する(ステップS4)。
【0041】
次いで、排紙モータによって排紙ローラ対19および排紙駆動ローラ21aを駆動して原稿をスリットガラス2から搬出する(ステップS5)。ここで、コントローラは原稿の後端が原稿検知センサ100に検知されるまでは排紙ローラ対19の線速を搬送ローラ対14の線速に対して所定の搬送線速(例えば1%)遅くなるように駆動する。なお、搬送ローラ対14および排紙ローラ対19の線速の差は搬送ローラ対14および排紙ローラ対19のローラ径や加圧力がばらついても排紙ローラ対19が遅くなるように設定している。
【0042】
この結果、原稿は外方向(スリットガラス2方向)に膨らみながら搬送され結果的に原稿面がスリットガラス2に密着されながら搬送される。
【0043】
次いで、原稿検知センサ100によって原稿の後端が検知されたか否かを判別し(ステップS6)、後端が検知された場合には、搬送ローラ対14の線速に対して排紙ローラ対19の線速を速くして(ステップS7)、原稿を外装カバー23上に排紙する(ステップS8)。
【0044】
なお、このときの搬送ローラ対14および排紙ローラ対19の線速の差は搬送ローラ対14と排紙ローラ対19の間の搬送経路上で外側に膨らんだ原稿が搬送ローラ対14から原稿の後端が抜けるまでに搬送経路の内側(スリットガラス2の上方側)に張るように設定している。このため、搬送ローラ対14から原稿の後端が抜けた際に、原稿がスリットガラス2側に膨らんでできたたるみを排紙ローラ対19だけで巻き取るように搬送する際のスリットガラス2上での原稿の速度ムラを防止できる。
【0045】
このように本実施形態では、搬送ローラ対14の線速に対して排紙ローラ19の線速を遅くしたため、スリットガラス2上を搬送される原稿をスリットガラス2側に湾曲させて原稿をスリットガラス2に常に密着させることができる。
【0046】
このため、スリットガラス2からゴミを除去してスリットガラス2に滞留するのを防止することができ、黒筋による異常画像が発生するのを防止することができる。
【0047】
また、本実施形態では、原稿の後端が搬送ローラ対14の近傍に位置したときに、搬送ローラ対14の線速に対して排紙ローラ対19の線速が速くなるようにしたため、排紙ローラ対19から原稿が抜け出るときに、湾曲している原稿の撓みを除去することができ、原稿の後端が搬送ローラ対14を抜けた際にスリットガラス2で発生する原稿の撓みに起因する速度ムラを防止してジターが発生するのを防止することができる。
【0048】
また、本実施形態では、搬送ローラ対14および排紙ローラ対19を駆動する給紙モータおよび排紙モータを制御するコントローラと、スリットガラス2に対して原稿の搬送方向上流側に原稿の後端を検知する原稿検知センサ100とを設け、コントローラが、原稿検知センサ100の検知情報に基づいて搬送ローラ対14の線速に対して排紙ローラ対19の線速が速くなるようにしたため、原稿サイズに関わらずに搬送ローラ対14と排紙ローラ対19の切換制御を行うことができる。
【0049】
図3〜図6は本発明に係る自動原稿搬送装置の第2実施形態を示す図であり、画像読取装置として複写機、ファクシミリ装置、スキャナー装置等に適用することができる。
【0050】
まず、構成を説明する。図3、図4において、複写機、ファクシミリ装置、スキャナ装置、複合機等の画像形成装置41の本体の上面にはコンタクトガラス42aおよびコンタクトガラス42aよりも小面積のスリットガラス42bが設けられている。
【0051】
また、画像形成装置41の本体の上部には自動原稿搬送装置としてのADF43が設けられており、このADF43は図示しないヒンジ機構を介してコンタクトガラス42aを開放および閉塞するように開閉自在になっている。
【0052】
また、ADF43は、複数の原稿からなる原稿束が原稿面を上向きにして載置される原稿テーブル44と、原稿テーブル44に載置された原稿束から原稿を一枚ずつ分離して給紙する分離給紙部(分離・搬送手段)45と、給紙された原稿を突き当て整合してスキューの矯正を行なうとともに、整合後の原稿を引き出して搬送するレジスト部(分離・搬送手段)46と、搬送される原稿を反転させて、原稿面をスリットガラス42b側に向けて搬送するターン部47と、原稿の表面画像をコンタクトガラス42aの下方に設けられた図示しない後述する読取部より読取りを行わせる第1読取り搬送部(分離・給紙手段)48と、読取り終了後の原稿の裏面画像を読みとる第2読取り搬送部49と、表裏の読取りが完了した原稿をADF43機外に排出する排紙部50と、読取り完了後の原稿を積載保持するスタック部(排紙台)51と、これら搬送動作の駆動を行なうピックアップモータ101、給紙モータ(駆動系)102、読取りモータ103、排紙モータ(駆動系)104および底板上昇モータ105と、ADF43の一連の動作を制御するコントローラ(制御手段)110とから構成されている。
【0053】
原稿テーブル44のテーブル面には原稿の長さを検知する原稿長さ検知センサ52、53が設けられており、この原稿長さ検知センサ52、53は反射型センサ、または、1枚の原稿でも検知可能なアクチェータータイプのセンサ等から構成され、原稿の搬送方向長さを検知して検知信号をコントローラ110に出力するようになっている。したがって、原稿長さセンサ52、53は少なくとも同一原稿サイズの縦か横かを判断可能なように原稿テーブル44のテーブル面に配置されている。
【0054】
また、原稿テーブル44の先端(原稿の搬送方向下流側)には可動テーブル(原稿載置台)54が設けられており、この可動テーブル54は底板上昇モータ105によって矢印a−bで示すように上下動されるようになっている。
【0055】
また、原稿テーブル44には図示しないサイドガイドが設けられており、このサイドガイドによって原稿束の幅方向(原稿の搬送方向と直行する方向)の位置決めが行なわれるようになっている。
【0056】
また、可動テーブル54の近傍にはセットフィラー55および原稿セットセンサ56が設けられており、セットフィラー55は原稿テーブル44に原稿束が載置されたときに破線で示す位置から実線で示す位置に移動し、原稿セットセンサ56がこのセットフィラー55を検知した状態から未検知状態に変化すると、コントローラ110に信号を出力する。コントローラ110はI/F107を介して画像形成装置41の本体に設けられた本体制御部111に信号を出力し、画像形成装置41の本体側では原稿の読取りを行なうための待機状態に移行する。
【0057】
また、コントローラ110は原稿セットセンサ56からの検知信号に基づいて原稿テーブル44に原稿束が載置されたことを判断したときに、底板上昇モータ105を上昇させ原稿束の最上面をピックアップローラ57に接触させる。
【0058】
ピックアップローラ57はピックアップモータ101からの駆動力が図示しないカム機構を介して伝達されるようになっており、ピックアップモータ101およびカム機構により矢印c−dで示すように原稿束の上面に接触する位置と待避する位置の間で上下移動する。
【0059】
また、可動テーブル54の上方にはテーブル上昇センサ58が設けられており、このテーブル上昇センサ58は可動テーブルが矢印c方向に上昇したときにピックアップローラ57が上昇すると、ピックアップローラ57の位置を検知することにより、上昇可能な上限を検知するようになっている。
【0060】
また、画像形成装置41の本体側に設けられた本体操作部108のプリントキーが押下され、本体制御部111からI/F107を介してコントローラ110に原稿給紙信号が送信されると、ピックアップローラ57は給紙モータ102の正転により回転駆動するようになっており、原稿テーブル44上の数枚(理想的には1枚)の原稿の給紙を開始する。
【0061】
この給紙された原稿はピックアップローラ57の下流側に設けられた給紙ベルト59およびリバースローラ60からなる分離・搬送手段に給紙される。
【0062】
給紙ベルト59は給紙モータ102が正転駆動されると給紙方向(時計方向)に回転駆動されるようになっており、リバースローラ60には図示しないトルクリミッタが内蔵され、給紙モータ102が正転駆動されると給紙方向と逆方向(時計方向)に回転駆動されるようになっている。このため、最上位の原稿とその下の原稿が分離されて、最上位の原稿のみが給紙される。
【0063】
具体的には、リバースローラ60は給紙ベルト59と所定圧で接しており、給紙ベルト59と直に接触しているとき、または、原稿1枚を介して接している状態では給紙ベルト59の回転につられて反時計方向に連れ回りし、原稿が2枚以上給紙ベルト59とリバースローラ60の間に進入した時は連れ回り力がトルクリミッタのトルクよりも低くなるように設定されている。このため、リバースローラ60は本来の駆動方向である時計方向に回転し、余分な原稿を押し戻す働きをして重送を防止することができ、給紙ベルト59とリバースローラ60の作用により1枚に分離された原稿は給紙ベルト59によって送られるようになっている。
【0064】
また、給紙ベルト59の下流側には突き当てローラ61が設けられており、この突き当てローラ61は駆動ローラ61aおよび従動ローラ61bから構成され、給紙モータ102により回転駆動されるようになっている。
【0065】
この突き当てローラ61は給紙ベルト59とリバースローラ60の作用により1枚に分離された原稿のスキューの矯正およびさらに下流側に搬送する機能を有している。
【0066】
すなわち、原稿の給紙時に給紙モータ102を停止することにより、突き当てローラ61は停止された状態に設定されており、分離された原稿が突き当てローラ61の上流側に設けられた突き当てセンサ62によって検知された後、突き当てローラ61に原稿の先端が突き当てられる。そして、突き当てセンサ62が原稿の先端を検知してコントローラ110に信号を出力すると、コントローラ110は突き当てセンサ62の検知から所定量定められた距離だけ給紙モータ102を駆動して給紙ベルト59を周回移動させることにより、突き当てローラ61に原稿が所定量の撓みを持って押し当てられた状態にする。
【0067】
また、給紙モータ102の停止前にピックアップモータ101を回転させてピックアップローラ57を原稿束の上面から退避させる。このときには、原稿が給紙ベルト59の搬送力のみで送られることにより、原稿先端が突き当てローラ61の駆動ローラ61aおよび従動ローラ61bのニップに進入して原稿の先端のスキューが矯正される。
【0068】
また、スキューの矯正後に給紙モータ102が逆転駆動されるようになっており、このとき、突き当てローラ61は給紙モータ102によって回転駆動され、分離された原稿を中間ローラ63に搬送するようになっている。この中間ローラ63は駆動ローラ63aおよび従動ローラ63bから構成されており、給紙モータ102によって駆動される。
【0069】
なお、給紙モータ102が逆転駆動されると、突き当てローラ61と中間ローラ63に給紙モータ102の駆動力が伝達され、ピックアップローラ57と給紙ベルト59には駆動力が駆動されない。
【0070】
また、突き当てローラ62の下流側には幅方向センサ64が設けられており、このセンサ64は図3中、図面の手前側から奥側に複数個設けられ、搬送された原稿を検知してコントローラ110に信号を出力するようになっている。コントローラ110は幅方向センサ64のON信号に基づいて原稿の搬送方向に直行する幅方向のサイズを検知するようになっている。
【0071】
また、原稿の搬送方向の長さに関しては、コントローラ110が原稿の突き当てセンサ62からの検知信号に基づいて検知するようになっている。すなわち、突き当てセンサ62が原稿の先端を検知してONになり、その後、突き当てセンサ62が原稿の後端を検知してOFFになったときの給紙モータ102のパルス信号を計数することにより、原稿の長さを検知する。
【0072】
また、中間ローラ63の下流側には入口ローラ65が設けられており、この入口ローラ65は駆動ローラ65aおよび従動ローラ65bから構成され、読取りモータ103によって駆動される。
【0073】
また、スリットガラス42bの上面には第1読取りローラ対67が設けられているとともに、この第1読取りローラ対67の下流側には第1読取りローラ対68が設けられており、第1読取ローラ対67は駆動ローラから構成され、第1読取ローラ対68は駆動ローラ68aおよび従動ローラ68bから構成されている。
【0074】
また、この第1読取りローラ対68の下流側には第2読取りローラ69が設けられており、第2読取りローラ69は駆動ローラから構成されている。そして、これら各ローラ65、67、68および69および読取りモータ103によって駆動される。
【0075】
また、第2読取りローラ69の上方にはイメージセンサ(読取部)71が設けられており、このイメージセンサ71は原稿の他方の面を読取るようになっている。
【0076】
また、中間ローラ63の下流側には入口センサ66が設けられており、この入口センサ66は原稿先端を検知するとコントローラ110に信号を出力するようになっている。
【0077】
コントローラ110は入口センサ66から信号が入力されると、入口ローラ65の駆動ローラ65aおよび従動ローラ65bのニップに原稿先端が進入する前に原稿線速を読取り線速と同速にするために給紙モータ102の減速を開始するのと同時に、読取りモータ103を正転駆動して中間ローラ63を読取りモータ103側の駆動系に接続するとともに、入口ローラ66、第1読取りローラ67、68、第2読取りローラ69を駆動するようになっている。
【0078】
また、入口ローラ65の下流側にはレジストセンサ91が設けられており、このレジストセンサ91は原稿の先端を検知してコントローラ110に信号を出力するようになっている。
【0079】
コントローラ110はレジストセンサ91から信号が入力すると、給紙モータ102を所定の搬送距離をかけて減速し、スリットガラス42bの手前で一時停止すると共に本体制御部111にI/F107を介してレジスト停止信号を送信する。コントローラ110は本体制御部111から読取り開始信号を受信すると、レジスト停止していた原稿の先端がスリットガラス42bに到達するまでに所定の線速に立ち上がるように読取りモータ103を増速して中間ローラ63および入口ローラ65により原稿を搬送する。
【0080】
また、第2読取ローラ69の下流側には読取出口ローラ対70が設けられており、この読取出口ローラ対70は駆動ローラ70aおよび従動ローラ70bから構成されている。
【0081】
また、読取出口ローラ対70の下流側には排紙ローラ対93が設けられており、この排紙ローラ対93は駆動ローラ93aおよび従動ローラ93bから構成され、読取出口ローラ対70および排紙ローラ対98は排紙モータ104によって駆動されるようになっている。なお、本実施形態では、読取出口ローラ対70および排紙ローラ対93が排紙手段を構成している。
【0082】
また、第1読取りローラ68の下流側には排紙センサ(検知手段)94が設けられており、この排紙センサ94は原稿の前後端を検知してコントローラ110に信号を出力する。コントローラ110は排紙センサ94から原稿の先端を検知した信号が入力されると、排紙モータ104を正転駆動して排紙ローラ93を反時計方向に回転させるようになっている。
【0083】
また、排紙センサ94による原稿の先端検知からの排紙モータ104のパルスを計数することにより、原稿後端が排紙ローラ93の駆動ローラ93aおよび従動ローラ93bのニップから抜ける直前に排紙モータ104を減速させて、スタック部51に排出される原稿が飛び出さないように制御する。
【0084】
なお、本実施形態において、第2読取りローラ69は白色から構成されており、このようにしたのは、イメージセンサ71におけるシェーディングデータを取得するための基準白部を兼ねるためであり、さらに、イメージセンサ71の下方に第2読取りローラ69を設けたのは、イメージセンサ71による読取り時に原稿の浮きを抑えるためである。
【0085】
一方、本実施形態では、第1読取りローラ対68が搬送ローラ対を構成するとともに読取出口ローラ対70が排紙ローラ対を構成し、第1読取りローラ対68の線速が読取出口ローラ対70の線速に対して遅く設定されている。また、排紙センサ94によって原稿の後端が検知されると、第1読取りローラ対68の線速は読取出口ローラ対70の線速に対して速くなるように設定されている。
【0086】
また、図5、図6に示すように、原稿の搬送方向上流側のイメージセンサ71の端部にはガイド部材としての上側ガイド120および下側ガイド121が設けられており、原稿の搬送経路はイメージセンサ71の手前で上側ガイド120が下がり、その後、下側ガイド121によってイメージセンサ71に向けて上がる経路(S字経路)となっている。したがって、上側ガイド120および下側ガイド121によって原稿がイメージセンサ71に向かうようになっている。
【0087】
本実施形態では、第1読取りローラ対68の線速は読取出口ローラ対70の線速に対して遅く設定しているため、原稿のたるみが発生する。そして、図5に示すように、原稿のたるみは上側ガイド120の端点Pと下側ガイド121の端点Qによって規制されてイメージセンサ71側に向かい、原稿をイメージセンサ71に常に密着させることができる。
【0088】
このため、イメージセンサ71周辺の搬送経路がストレート経路等のように第1読取りローラ対68および読取出口ローラ対70の線速を変えても原稿が湾曲し難い場合に、原稿をイメージセンサ71に常に密着させることができ、イメージセンサ71の読取面からゴミを除去してイメージセンサ71に滞留するのを防止して、黒筋による異常画像が発生するのを防止することができる。
【0089】
また、原稿の後端が第1読取りローラ対68近傍に位置したときに、第1読取りローラ対68の線速に対して読取出口ローラ対70の線速が速くなるようにしたため、第1読取りローラ対68から原稿が抜け出るときに、湾曲している原稿の撓みを除去することができ、原稿の後端が第1読取りローラ対68を抜けた際にイメージセンサ71で発生する原稿の撓みに起因する速度ムラを防止してジターが発生するのを防止することができる。
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、搬送ローラ対の線速に対して排紙ローラの線速を遅くしたので、読取部上を搬送される原稿を読取部側に湾曲させて原稿を読取部に常に密着させることができる。このため、読取部からゴミを除去して読取部に滞留するのを防止することができ、黒筋による異常画像が発生するのを防止することができる。
【0091】
また、本発明によれば、排紙ローラ対から原稿が抜け出るときに、搬送ローラ対の線速に対して排紙ローラ対の線速を速くするので、湾曲している原稿の撓みを除去することができ、原稿の後端が搬送ローラ対を抜けた際に読取部で発生する原稿の撓みに起因する速度ムラを防止してジターが発生するのを防止することができる。
【0092】
また、本発明によれば、検知手段によって原稿の後端を検知することにより、搬送ローラ対と排紙ローラ対の線速を切り換えることができるため、原稿サイズに関わらずに搬送ローラ対と排紙ローラ対の切換制御を行うことができる。
【0093】
また、本発明によれば、読取部周辺の搬送経路がストレート経路等のように搬送ローラ対と排紙ローラ対の線速を変えても原稿が湾曲し難い場合に、ガイド部材によって原稿を読取部に確実に密着させることができ、読取部からゴミを確実に除去して読取部に滞留するのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動原稿搬送装置の第1実施形態を示す図であり、その概略図である。
【図2】第1実施形態の原稿の搬送手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る自動原稿搬送装置の第2実施形態を示す図であり、その概略図である。
【図4】第2実施形態の制御系のブロック図である。
【図5】第2実施形態のガイド部材が取付けられたイメージセンサを示す図である。
【図6】第2実施形態のイメージセンサ周辺の構成図である。
【符号の説明】
2 スリットガラス(読取部)
6、53 自動原稿搬送装置
9 呼出しコロ(分離・搬送手段)
10 分離ベルト(分離・搬送手段)
11 分離阻止ローラ(分離・搬送手段)
14 搬送ローラ対(分離・搬送手段)
19 排紙ローラ対(排紙手段)
23 外装カバー(排紙台)
45 分離給紙部(分離・搬送手段)
47 レジスト部(分離・搬送手段)
48 第1読取り搬送部(分離・給紙手段)
51 スタック部(排紙台)
68 第1読取ローラ(搬送ローラ対)
70 読取出口ローラ(排紙ローラ対、排紙手段)
71 イメージセンサ(読取部)
93 排紙ローラ対(排紙手段)
94 排紙センサ(検知手段)
100 原稿検知センサ(検知手段)
102 給紙モータ(駆動系)
104 排紙モータ(駆動系)
110 コントローラ(制御手段)
120 上側ガイド(ガイド部材)
121 下側ガイド(ガイド部材)
Claims (2)
- 原稿載置台に載置された原稿束から原稿を1枚ずつ分離して読取部に搬送する分離・搬送手段と、
前記読取位置で読取りが終了した原稿を排紙台上に排紙する排紙手段とを備えた自動原稿搬送装置において、
前記分離・搬送手段は、前記読取部近傍に設けられた搬送ローラ対を含んで構成され、
前記排紙手段は、前記読取部を挟んで前記搬送ローラ対に対向し、前記搬送ローラ対と異なる駆動系で駆動される排紙ローラ対を含んで構成され、
前記原稿の後端が搬送ローラ対の近傍に位置するまでは、前記搬送ローラ対の線速に対して前記排紙ローラ対の線速を遅くし、前記原稿の後端が搬送ローラ対の近傍に位置したときに、前記搬送ローラ対の線速に対して前記排紙ローラ対の線速が速くなるようにしたことを特徴とする自動原稿搬送装置。 - 前記搬送ローラ対および排紙ローラ対を駆動する駆動系を制御する制御手段と、前記読取部に対して原稿の搬送方向上流側に原稿の後端を検知する原稿検知手段とを設け、
前記制御手段は、前記検知手段の検知情報に基づいて前記搬送ローラ対の線速に対して前記排紙ローラ対の線速が速くなるようにしたことを特徴する請求項1記載の自動原稿搬送装置。
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