JP4011064B2 - エラストマー安全弁を備えた圧力下で食品を調理するための家庭用器具 - Google Patents

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Description

本発明は、圧力下で食品を調理するための家庭用器具の一般的な技術分野に関し、例えば、ボウルと、ボウルへロックされるように設計された蓋とを有し、実質的に漏れ止めされた調理容器を形成する器具である。このような器具は、蒸気圧力下でボウルに収容される食品を調理するために使用される。
本発明は、より詳しくは、圧力下で食品を調理するための家庭用器具に関し、料理なべを構成するために利用されるボウルおよび蓋と、前記家庭用器具に取り付けられ、前記ボウル内の過剰圧力を制限するための安全弁とを有する。前記安全弁は、本体部を有し、シート、および前記本体部の内部で移動可能に取り付けられたバルブ部材が設けられており、圧力の影響下、漏れ位置および漏れ止め位置を取るために適している。前記バルブ部材は、接触領域でシートに対して当接することで、本体部を貫通してシートに設けられるオリフィスを閉じる。前記オリフィスは、容器の内部およびそれの外部の間に、流体連絡を確立することを可能とする。
圧力下で食品を調理するための家庭用器具は、一般に、調整バルブ式の圧力調整装置が設けられており、器具が作動している際に、器具内部において予め設定された圧力レベルを維持している。
また、このような周知の調理器具は、付加的な安全装置およびより正確には安全弁を含んでおり、特に、調整バルブが誤動作している場合において、器具内部の過剰な圧力を制限することによって、ユーザの安全を保証するように設計されている。
先行技術に係る器具において使用される安全弁は、シートおよびバルブ部材が設けられた本体部を有する。バルブ部材は、弾性手段としてのスプリングを介し、漏れ止め位置および漏れ位置との間を移動可能に取り付けられている。スプリングは、バルブ部材のシートに対する当接を保持するように調整されており、バルブの本体部に設けられるオリフィスを閉じることが可能である。
また、器具内部の圧力が閾値あるいは「トリガー値」を越える場合に、スプリングが圧縮されて、シートとバルブ部材との接触の解除を引き起こすようにスプリングが調整されており、過剰蒸気が外部に除去されるのを可能としている。
したがって、周知の安全弁において、バルブ部材は、剛性金属ボールの形態を一般的に有し、同様に剛性を有しかつ金属からなるシートに、載置されて利用される。
残念なことに、金属部品の間において漏れ止め性(leaktightness)を達成すことは特に困難である。そのため、一般に、金属ボールおよびシートの表面状態を改善することで、金属ボールおよびシートが完全に相補的とされることが必要であり、これによって、金属ボールはシートに対して当接し、漏れ止めすることが可能である。
加えて、バルブは、一定時間の使用後においては、十分な漏れ止め性を提供し得ないような設計となっており、通常の動作圧力レベルにおいてさえ、継続的な漏れが発生する虞がある。
上記欠点を軽減するために、フレキシブルな材料からなるシーリングガスケットを、2の金属部品、つまり、バルブ部材とシートとの間に、挿入することによって、バルブの漏れ止め性を、かなり長期にわたって改善することが可能であることが公知である。
しかしながら、このようなフレキシブルなガスケットを組み込む安全弁は、製造費用に関連する別の欠点を有する。
さらに、器具をある時間の間使用した後に、バルブ部材は、安全弁の複数の作動部品にスケールや食品が徐々に堆積するのに起因して、しばしば、バルブシートに結合ないし付着されてしまう。安全弁の複数の作動部品、すなわちバルブ部材やシートを製作するために一般的に使用される金属材料は、複数の作動部品の間に形成されるスケールの硬い架橋をもたらすことになる。
そのような現象が進んだ段階に達すると、バルブ部材は、圧力がトリガー閾値に達したときにシートから適切にあるいはまったく離れることができない状態になり得る。それによって、バルブの開口が遅延したり、バルブがまったく開口しなかったりしてしまう。
したがって、安全弁の複数の作動部品に目詰まりや垢の付着が徐々に進むことは、器具内の圧力が異常に高いレベルまで増大するので、利用者にとっては好ましいものではない。
さらに、先行技術の器具に使用される特定の安全弁は、一緒にアセンブリされる2つの別個の部品を必要としている。それら複数の部品は、一緒にアセンブリするために、器具の蓋の両側に取り付けられるように設計されている。
安全上の理由から明らかなように、それぞれの安全弁は、器具に取り付けられる前に、個々に検査されることが特に推奨される。
2つの部品を一緒にアセンブリすることを伴う設計のため、それゆえ、安全弁の予備的な個々の検査は十分なものではない。また、各部品が器具に取り付けられてその器具上で一緒にアセンブリされた後に、再び、安全弁を検査することがしばしば必要である。
そのような安全弁のダブルチェックは、製造業者にとってさらなる制約になるばかりでなく、器具の全体的な費用の増大をも招くことになる。
したがって、家庭用圧力料理器具においては、簡素な構造で、安価で、しかも容易に検査自在な設計であり、利用者の安全を保証し得る安全弁を使用ないし導入する利点を理解することができる。
そこで、本発明の目的は、上述した種々の不具合を改善し得る、安全弁を備えた、圧力下で食品を調理するための新規な家庭用器具を提案することにあり、当該安全弁は、時間を経ても優れた品質を維持するとともに長期にわたって使用する間の利用者の安全を確実なものとする漏れ止め性を提供するものである。
本発明の他の目的は、漏れ止め性の機能を得るために少ない部品点数しか必要としない安全弁を備えている、圧力下で食品を調理するための新規な家庭用器具を提案することにある。
本発明の他の目的は、複数の作動部品が目詰まりしたり付着し合ったりするという問題を回避させ得る設計の安全弁を備えた、圧力下で食品を調理するための新規な家庭用器具を提案することにある。
本発明の他の目的は、単体である間にチェックされ、前記バルブを器具に取り付ける前に行われる上流側での検査に適した安全弁を備えた、圧力下で食品を調理するための新規な家庭用器具を提案することにある。
本発明の他の目的は、支持部品、例えば蓋、に取り付けることをより容易にし得る設計の安全弁を備えた、圧力下で食品を調理するための新規な家庭用器具を提案することにある。
本発明の他の目的は、特にシンプルで調整が迅速な安全弁を備えた、圧力下で食品を調理するための新規な家庭用器具を提案することにある。
本発明の目的は、圧力下で食品を調理するための家庭用器具であって、
調理容器を構成するためのボウルおよび蓋(1)と、
前記ボウル内の過剰圧力を制限するために前記家庭用器具に取り付けられる安全弁(2)と、
前記安全弁(2)を調整するための調整プラグ(9)とを有し、
前記安全弁(2)は、
シート(4)が設けられた本体(3)と、
本体(3)内部で移動可能に取り付けられたバルブ部材(5)であって、圧力の影響下において漏れ位置および漏れ止め位置を取るために適合され、当該漏れ止め位置では、バルブ部材(5)が接触領域(4A)でシート(4)に当接することによって本体(3)を貫通してシート(4)に設けられ容器内部および容器外部間で流体の連絡を確立し得るオリフィス(7)を閉じてなるバルブ部材(5)とを含み、
前記調整プラグ(9)は、本体(3)に取り付けられるために適合され、
前記調整プラグ(9)および/または前記本体(3)は、エラストマー材料から作られ
前記調整プラグ(9)には、当該調整プラグ(9)に圧力を加えるだけで本体(3)内部に当該調整プラグ(9)を固定可能にする解除可能なアンカー手段(9B)が設けられてなる器具によって達成される。
本発明の他の特徴および有利な点は、以下の詳細な説明および図面の参照によって、より詳細に明らかになる。ただし、詳細な説明および図面は、本発明を限定しない単なる例示として与えられるものである。
本発明によれば、時間を経ても優れた品質を維持するとともに長期にわたって使用する間の利用者の安全を確実なものとする漏れ止め性を提供する安全弁を備えた、圧力下で食品を調理するための新規な家庭用器具を提供し得る。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の家庭用器具に蓋に取り付けられる安全弁の好適な実施形態を示す断面図、図2は、本発明の安全弁の他の実施形態を示す断面図、図3は、本発明の安全弁の変形した実施形態を示す断面図、図4は、本発明の安全弁の好適な実施形態を示す断面図である。
本発明は、実質的な漏れ止めを可能とする調理容器を形成するために、ボウル(bowl;不図示)とこのボウル上に取り付けられるように設計された蓋とを有し、圧力下で食品を調理するための家庭用器具に関する。
本発明の家庭用器具は、特に、「調整装置」と称される他の装置が器具内部の圧力を通常の動作圧力レベルに制限できないような作動不良状態である場合に、ボウル内の過剰圧力を制限するために、家庭用器具の上、好ましくは蓋の上に取り付けられる安全弁2をさらに有する。
本発明の安全弁は、圧力下で食品を調理するためのいかなる家庭用器具にも取り付け可能であり、たとえば、かみ合い、差し込み、はめ込み、またはマンホール型の密閉手段によって閉じられる器具に取り付けられる。
本発明によれば、安全弁2は、シート4を備えている本体3を有する。
本発明の安全弁は、好ましくは、例えばステンレス鋼でできている金属ボール(ball)によって形成されているバルブ部材5をも含む。
バルブ部材5は、動くために有利に本体3内に取り付けられており、より明確には、本体3に設けられた凹所6内に取り付けられている。
バルブ部材5は、器具内部に圧力が広がる影響下において、バルブ部材5が接触領域4Aにおいてシート4に対して当接する漏れ止め(leaktight)位置と、シート4およびバルブ部材5間で接触が失われる漏れ位置とを取ることができる。
したがって、その漏れ止め位置では、バルブ部材5は、シート4にて本体3を通じて設けられるオリフィス7を閉じる。オリフィス7は、圧力下の容器内部および外部間で流体の連絡の確立を可能とするために設けられている。
図1に示すように、バルブ部材5は、縦軸Z−Z’、すなわち、その器具の通常の操作位置における垂直方向に沿ってスライドするように取り付けられていて、そのバルブ部材5は、弾性手段8、好ましくは凹所6に取り付けられているスプリングにより移動する。
下記の説明において、「軸方向」なる用語は、縦軸Z−Z’であり、それは実質的に圧力容器がその通常の操作位置における垂直方向である。
スプリング8は、縦軸Z−Z’に沿って軸方向に圧縮されることができるように、好ましくは凹所6に取り付けられている。
本発明によれば、接触領域4Aにおいてシート4に対して当接してバルブ部材5がその漏れ止め位置に入っているときに、シート4および/またはバルブ部材5は、接触領域4Aを形成している部分の少なくとも一部が、不浸透性、可撓性、および形状記憶が十分な材料で作られていて、この材料は安全弁2が前記接触領域4Aにおいて漏れ止めできることを保証する。したがって、この材料は、バルブが漏れ止めを保証するため、十分に圧縮できるように可撓性および形状記憶の性質を有する。
語句「形状記憶」は、材料の弾性に属する。本発明において、「形状記憶」材料は、それが全てその最初の安定位置を取るために十分な弾性を有し、また実質的に再び外部応力にさらされることはない。それは、例えばシリコーンを主成分としたエラストマー材料であり得る。
その形状記憶性質によって、本発明の材料は、バルブ部材5がその漏れ位置に上昇する場合に、再び最初の非圧縮形状を取ることができる。
本発明の安全弁の設計は、バルブ部材5とシート4との間の直接的な接触によって、つまり、間に挿入される中間シーリングガスケットなしでも良好な漏れ止め性を保証することを可能にする。このため、本発明の安全弁は、とりわけ単純であり、製作コストを安くすることができる。
図2に示される本発明の実施形態において、バルブ部材5は、好ましくは金属コア、例えばステンレス鋼の少なくとも一部を弾性材の層5Aが覆った実質的に球状のボールにより形成されている。層5Aは、接触領域4Aにおいて、ボールを取り囲んでいる、帯状またはOリングであり得る。
当該実施形態にしたがえば、バルブ部材5がその漏れ止め位置にある場合に、エラストマー材料の層5Aが、シート4に対して実質的に平らになるように、安全弁2のシート4は、有利には、ステンレス鋼のような金属材料でできている。さらに好ましくは、バルブ部材5はエラストマー材料の層5Aによって完全に覆われている。つまり、金属ボールの全表面に球状の層5Aが形成されている。
図1に示される本発明の好ましい実施形態において、安全弁2のシート4は、シリコーンタイプのエラストマー材料でできている。この実施形態において、バルブ部材5は、好ましくは金属、例えばステンレス鋼でできている球状のボールによって形成されている。
したがって、バルブ部材5がその漏れ止め位置に入る場合に、シート4は、実質的にバルブ部材5の形状に適合するように変形する。
有利には、図1に示すように、本体3の全体内部部分3Iは、シート4を含んでいて、シリコーンタイプのエラストマー材料から作られ得る。
本発明の実施形態における安全弁2の設計によれば、バルブ部材5とシート4との間の接触領域4Aにおいて、目詰まりが徐々に発生することを防止することができる。このように、可撓性がある形状記憶材料、特に、エラストマー材料は、金属材料に比べて、使用環境(水、食品など)と物理化学的に反応しにくい傾向があるので、このような材料を使用して安全弁の機能部分を作ることによって、長期間にわたって安全弁の信頼性を高めることができる。
本発明の他の変形例(不図示)において、シート4がエラストマー材料から形成されてもよく、バルブ部材自体も、エラストマー材料の層5Aによって外郭が形成されていてもよい。この変形例においては、漏れ止め接触は、金属タイプの剛性材料とエラストマータイプの可撓性材料との間に生じるのでなく、2つの可撓性材料の間に生じるといえる。
上記のいくつかの特徴とは独立して、より具体的で有利な形態として、圧力下で食品を調理するための本発明の家庭用器具は、安全弁2を調整するための調整プラグ9を含み、この調整プラグ9は、さらに凹所6を少なくとも部分的に閉じるように、バルブの本体3に取り付けられることが望ましい。
この調整プラグ9は、スプリング8に対して当接しつつ挿入されてスプリング8を押し縮めるように配置されており、この結果、スプリング8は、第1に、容器内部に及ぶ圧力が所定の閾値よりも低い場合には、バルブ部材5を漏れ止め位置に保持し、第2に、容器内部の圧力が所定の閾値を越えた場合には、バルブ部材が漏れ位置まで上昇することを許可する。
ここで、調整プラグ9が、スプリング8に対する当接部を形成する肩部9Aを有していることが得策である(図3)。
このように、凹所6内における肩部9Aの位置、特に、調整プラグが凹所6内に挿入される深さによってスプリング8の有効長が決定されるように、調整プラグ9の寸法が構成されていることが望ましい。ここで、スプリング8の有効長とは、器具内の圧力が「正常」、すなわち、安全弁を制御するための前記所定のトリガ閾値よりも小さい状態である限り、バルブ部材5がシート4上に漏れ止め接触することを保証するように決定された抵抗力に対応する長さである。また、器具内の圧力が所定の閾値を超える場合に、オリフィス7からバルブ部材5の表面へ噴出される蒸気により加えられる圧力によって、バルブ部材5を上昇させ、スプリング8を圧縮させるように、スプリング8の作動長が決定される。
過剰な圧力は、軸線に沿って移動したバルブ部材5と、安全弁2のシート4との間に形成された輪形の隙間を介して、逃がされる。
特に、有利な形態として、調製プラグ9を凹所6内に挿入した上で、プラグに対して押し込むだけで凹所6内に着脱可能に固定することを容易にするアンカー手段(anchoring means)9B(すなわち、クリッピング手段)が調整プラグ9に設けられる(図3および図4)。
このアンカー手段9Bは、本体3内に調製プラグ9を留めることを可能にし、この調製プラグ9は着脱自在なプラグとして構成される。
このために、好ましくは、凹所6は、可撓性の材料、特に好ましくはエラストマー材料で形成された内側ケーシングによって横方向の形状が規定される。したがって、図3に示されるとおり、内側ケーシング3Aは、調整プラグ9を本体3に挿入して留めることを容易にする。
もちろん、もし、安全弁2の本体3が、エラストマー材料から形成されておらず、プラスティック材料や金属材料から形成されている場合であっても、調整プラグ9を、十分に可撓性を持った材料によって形成することによって、調整プラグ9を安全弁の本体に留めることが可能である。
たとえば、そのような材料は、シリコーンを主成分としたエラストマーであり、前記器具内の圧力が通常の動作圧力以上の場合、肩部9A上の前記スプリングによって作用される前記推進力に耐えることができるほど十分強くなければならない。前記容器の内側におけるこの種の圧力の存在が、調整プラグ9の放出を引き起こしてはならない。
好ましくは、アンカー手段9Bは、調整プラグ9上に配置される外周のリップ10により形成され、凹所6(図3を参照)の内側ケーシング3A内に備えられる対応するノッチ11と連動する。その結果、エッジ(外周のリップ)10は、ノッチ11の内部に受け入れられるようになり、それにより、安全弁2の本体3内部で調整プラグ9が固定された状態を保持する。
好ましくは、調整プラグ9は、バルブ部材5が高い位置にある場合、調理容器に収容される蒸気が漏れ出ることを許容する排出孔16を備える。
好ましくは、上記の特徴から独立して、安全弁2の本体3は、たとえば、シリコーンを主成分としたエラストマー材料といった可撓性の形状記憶材料でできている外側ケーシング3B(図3を参照)を含む。
また、好ましくは、安全弁2の本体3は、支持部材(たとえば蓋1)に備えられる孔13の内側に安全弁2を留めることを可能とする固定手段12を備える。
したがって、特に外側ケーシング3Bの可撓性によって、安全弁2、および、特に安全弁2の本体3は、図3の矢印Fによって示される方向に単に推進力を作用させることにより、孔13に挿入されることができる。
好ましくは、固定手段12は、本体3上に配置されて配列される周囲の溝14によって形成される。その結果、孔13を定義しているエッジ13Bは、溝14内部に突き当てられて実質的に漏れ止め性を有する接合部になることができる。本体3を孔13に挿入することを容易にするために、好ましくは、孔13は、実質的に円錐形状(frustoconical)の係合領域15を有する。
図4に示される本発明のより好ましい実施の形態において、安全弁2の本体3は、実質的に全体が(たとえばシリコーンを主成分とする)エラストマー材料でできている。
したがって、安全弁2のためのこの設計は、十分な可撓性のある構造を安全弁2に与えることを可能とする。その結果、安全弁2は、第1に、孔13内に漏れ止め性を有するように取り付けられることができ、第2に、取り囲むことで調整プラグ9を凹所6の内側に取り付けることができる。
また、安全弁2の本体3の可撓性および形状記憶特性は、バルブ部材5とシート4との間の接触領域4Aにおける漏れ止め性を保証することを可能とする。
したがって、本発明の安全弁2を備える家庭用調理器具は、安全弁2が、弾性材からなる外側ケーシング3Bを有する単一の部分組立品を形成する設計となっており、このことは、とりわけ前記器具の蓋1上に安全弁2を簡単に、素早く、そして漏れ止め性があるように取り付けられることを可能とする。
さらに、スプリング8を見積もることを可能とする調整プラグ9の幾何学的な形状および寸法を単に変更することによって、安全弁2を始動させるための前記トリガ圧力レベルを、器具の型式ごとに適合させることは可能である。したがって、調整プラグ9は、スプリング8の特定の長さに対応する複数の幾何学的な形状において実施されることができる。
より好ましくは、調製プラグ9の色を、特定の幾何学的な形状と関連させることができ、前記プラグを選択することを容易にする。
また、単一の部分組立品の形態である安全弁2の設計により、前記装置の信頼性を上流で点検することを容易にすることが可能となる。なぜなら、一旦安全弁がその支持部材(たとえば、蓋)に取り付けられても、上流で、すなわち安全弁が器具に取り付けられる前に測定される値は有効である。
使用される材料を選択すること、特に安全弁2の本体3を製造するためエラストマー材料を使用することを選択することは、老朽化を防止すること、特に動きが悪くなることを低減することから、安全装置が信頼性を維持する時間を長く保証し得る。
さらに、安全弁の設計は本来的に単純であり、わずかな構成要素から構成されて漏れ止め機能を発揮することから、このような安全弁の製造費はとても安価である。
図1〜4を参照して、本発明の家庭用器具が、所定の圧力下で食品を調理するための作用について以下に説明する。
本発明の調理器具を使用するにあたって、ユーザは、はじめに、例えば当業者に周知であるおよび図示しない封止手段を用いることによって、蓋1でボウルを封止しなければならない。器具が良好な漏れ止め機能を有するために、シーリングガスケットを用いることができる。当該シーリングガスケットは、好ましくは蓋1とボウルとの間に挿入される。
本発明の安全弁2は好ましくは蓋1に取り付けられる、しかし、それは、器具の他の部分、例えばボウルあるいは蓋1上に固定される独立した部品上にも取り付けられ得る。器具は、好ましくは調整弁と称される他の弁を有する。当該弁は、前記器具の通常の使用時において、器具内の圧力を調整する。反対に、調整弁が誤作動した場合、すなわち器具内の圧力値が通常の使用時における圧力値を超えた場合、本発明の安全弁2が機能する。
器具内の圧力が通常の使用時における圧力に維持される限り、安全弁2のバルブ部材5は、漏れ止め位置、すなわち、安全弁のシート4に対して漏れ止め当接として機能する位置に配置される。
バルブ部材5とシート4との間の接触領域4Aに、可撓性を有し、形状記憶性を有する材料、特にエラストマー材料が配置されることによって、十分な漏れ止め機能が安全弁に発揮されることが保証される。
調製弁が誤作動を生じると器具内の圧力を公称値下で維持することができなくなるが、器具の筐体内部の圧力が所定のしきい値を超えると安全弁2が機能する。
こうして、筐体内部の圧力値が上記のしきい値を超えたときに、バルブ部材をシート4から大きく持ち上げる合力がバルブ部材に作用する。これにより、容器内部に飽和している蒸気が漏出する。
例えば金属ボールであるバルブ部材5は、その表面の一部を介して合力により作用される力をスプリングに伝達して、スプリングが圧縮されることによって、バルブ部材5は、漏れ止め当接として機能しない。
圧力調理器の内部の圧力は、所定のトリガー圧力に制限され、減圧され得る。ここで、再度、バルブ部材5上に配置されたスプリング8から作用される力が、前記バルブ部材へ作用する圧力を上回った場合には、前記バルブ部材は、再び、漏れ止め位置に配置され、安全弁2のシート4に対して漏れ止め当接として機能する。
接触領域4Aにおいて形状記憶材料が用いられることによって、接触領域4A上の漏れ止め位置に配置されるバルブ部材5から作用される応力が、前記領域に配置される材料に永久歪みを生じさせることはない。そして、応力が当該材料の表面に作用されなくなると直ちに、当該材料は当初の形状に復帰する。
本発明は、上記した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
本発明の家庭用器具に蓋に取り付けられる安全弁の好適な実施形態を示す断面図である。 本発明の安全弁の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の安全弁の変形した実施形態を示す断面図である。 本発明の安全弁のより好適な実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1 蓋、
2 バルブ部材、
2 安全弁、
3 本体、
3A 内側ケーシング、
3B 外側ケーシング、
3I 全体内部部分、
4 シート、
4A 接触領域、
5 バルブ部材、
5A 層、
6 凹所、
7 オリフィス、
8 スプリング(弾性手段)、
9 調製プラグ、
9A 肩部、
9B アンカー手段、
10 リップ、
11 ノッチ、
12 固定手段、
13 孔、
13B エッジ、
14 溝、
15 係合領域、
16 排出孔。

Claims (8)

  1. 圧力下で食品を調理するための家庭用器具であって、
    調理容器を構成するためのボウルおよび蓋(1)と、
    前記ボウル内の過剰圧力を制限するために前記家庭用器具に取り付けられる安全弁(2)と、
    前記安全弁(2)を調整するための調整プラグ(9)とを有し、
    前記安全弁(2)は、
    シート(4)が設けられた本体(3)と、
    本体(3)内部で移動可能に取り付けられたバルブ部材(5)であって、圧力の影響下において漏れ位置および漏れ止め位置を取るために適合され、当該漏れ止め位置では、バルブ部材(5)が接触領域(4A)でシート(4)に当接することによって本体(3)を貫通してシート(4)に設けられ容器内部および容器外部間で流体の連絡を確立し得るオリフィス(7)を閉じてなるバルブ部材(5)とを含み、
    前記調整プラグ(9)は、本体(3)に取り付けられるために適合され、
    前記調整プラグ(9)および/または前記本体(3)は、エラストマー材料から作られ
    前記調整プラグ(9)には、当該調整プラグ(9)に圧力を加えるだけで本体(3)内部に当該調整プラグ(9)を固定可能にする解除可能なアンカー手段(9B)が設けられてなる器具。
  2. 前記バルブ部材(5)は、弾性手段(8)からの付勢力に抗して動くように適合され、前記調整プラグ(9)は、弾性手段(8)を圧縮するために、弾性手段(8)に当接するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の器具。
  3. 前記本体(3)には凹所(6)が設けられ、
    前記凹所(6)は、内側ケーシング(3A)によって定められており、
    前記アンカー手段(9B)は、調整プラグ(9)に配設されるとともに内側ケーシング(3A)に設けられる対応するノッチ(11)と協働するための外周のリップ(10)によって形成されて、前記リップ(10)は前記ノッチ(11)内部に受容されるようになることを特徴とする請求項に記載の器具。
  4. 前記安全弁(2)の本体(3)は、エラストマーで作られる外側ケーシング(3B)を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の器具。
  5. 前記安全弁(2)の本体(3)には、蓋の支持部に設けられた孔(13)に留められ得る固定手段(12)が設けられていることを特徴とする請求項に記載の器具。
  6. 前記固定手段(12)は、周囲の溝(14)によって形成され、溝(14)は、孔(13)を定めているエッジ(13B)が当該溝(14)内部で実質的に漏れ止めのために当接可能となるように構成されていることを特徴とする請求項に記載の器具。
  7. 前記安全弁(2)の本体(3)は、安全弁(2)を孔(13)に挿入するのを容易にするための実質的に円錐形状の係合領域(15)を有することを特徴とする請求項またはに記載の器具。
  8. 前記バルブ部材(5)は、エラストマー材料の層(5A)で少なくとも部分的に被覆されたボールにより形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の器具。
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