JP4005353B2

JP4005353B2 - 液体洗浄剤組成物

Info

Publication number: JP4005353B2
Application number: JP2001387966A
Authority: JP
Inventors: 進司橋本; 幸雄長峯
Original assignee: 株式会社コープクリーン
Priority date: 2001-12-20
Filing date: 2001-12-20
Publication date: 2007-11-07
Anticipated expiration: 2021-12-20
Also published as: JP2003183700A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体洗浄剤組成物に関する。更に詳しくは、洗浄力、安定性に優れた液体洗浄剤組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】
水質汚染防止のために、合成洗剤に代えて石鹸の使用推進が叫ばれている。水に溶けにくく、飛散し易い粉石鹸よりは、液体石鹸が注目されている。
粉石鹸には界面活性剤の洗浄作用を補う助剤として炭酸ソーダ又は炭酸カリウム等のアルカリ緩衝剤が使用されている。洗濯用粉石鹸の場合、通常、炭酸ソーダを２０〜３０％程度添加し洗浄力を向上させている。
しかし、液体石鹸では、アルカリ緩衝剤を添加すると、固まるかゼリー状となる。そのため炭酸ソーダ、炭酸カリウム等を１％前後の少量含ませた例があるが、洗濯水のｐＨが低すぎて洗浄力が最大限に発揮することが出来ないという問題点がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、高い洗浄力を有し、且つ低温においても粘度が低いため使い勝手が良好で、経時的にも安定性に優れた液体洗浄剤組成物を提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は、（Ａ）石鹸中に占めるラウリン酸カリウムの比率が２０重量％以上８０重量％以下であるカリウム石鹸１０〜４５重量％、（Ｂ）炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムからなり、炭酸ナトリウム／炭酸カリウムの重量比が９／１〜０．１／９．９である炭酸塩５〜１５重量％、及び（Ｃ）ジプロピレングリコール、メチルグリコール、メチルジグリコール、メチルトリグリコール、エチルグリコール及びエチルジグリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種のグリコール系溶剤１〜１０重量％、を含有することを特徴とする液体洗浄剤組成物である。以下、本発明を詳細に説明する。
【０００５】
（Ａ）石鹸
本発明の洗浄剤組成物において（Ａ）成分の石鹸としては種々の脂肪酸石鹸を使用することができるが、脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸の炭素数が８〜２２のものであることが好ましい。また、脂肪酸は、直鎖、分岐、あるいは飽和、不飽和を問わず使用することができ、単独で使用してもよく、複数種を併せて使用してもよい。例えば、牛脂、羊油等の動物油脂、ヤシ油、パーム核油、大豆油、オリーブ抽、綿実油等の植物油脂などを常法により高圧分解して得た脂肪酸混合物や、これらを分離精製して得られるラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、イソミリスチン酸イソパルミチン及びイソステアリン酸等の単独又は複数種を使用することができる。
【０００６】
また、脂肪酸の対イオンはカリウムである。脂肪酸石鹸の配合量は、当該脂肪酸石鹸の種類や本発明の洗浄剤組成物の他の成分の種類、配合量に応じて適宜定めることができる。通常、１０〜４５重量％、特に２０〜４０重量％とすることが好ましい。（Ａ）成分の石鹸はカリウム石鹸で、（Ａ）石鹸中に占めるラウリン酸カリウムの比率が２０重量％以上８０重量％以下であることが好ましい。
【０００７】
（Ｂ）炭酸塩
（Ｂ）炭酸塩は、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムからなり、炭酸ナトリウム／炭酸カリウムの重量比が９／１〜０．１／９．９、特に８／２〜２／８であることが好ましい。
本発明の洗浄剤組成物において（Ｂ）炭酸塩の含有量は、５〜１５重量％、好ましくは８〜１２重量％である。
【０００８】
（Ｃ）グリコール系溶剤
本発明の洗浄剤組成物は、ジプロピレングリコール、メチルグリコール、メチルジグリコール、メチルトリグリコール、エチルグリコール及びエチルジグリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種の（Ｃ）グリコール系溶剤を含有する。
（Ｃ）グリコール系溶剤の含有量は、１〜１０重量％、好ましくは３〜８重量％である。かかる（Ｃ）グリコール系溶剤により、低温においても粘度が低く、安定性に優れた液体洗浄剤組成物が提供される。
【０００９】
（Ｄ）ビルダー
本発明の液体洗浄剤は、更に下記一般式（１）で表される化合物若しくはその塩を１〜１０重量％含有することが好ましい。
【化３】

［式中、Ｒ¹は、Ｈ又はＣＨ₂ＣＯＯＭであり；Ｒ²は、Ｈ又はＣＨ₂ＣＯＯＭであり；Ｒ³は、ＣＯＯＭ、ＣＨ₂ＣＯＯＭ又は次式（２）、（３）で表される置換基であり；
【化４】

Ｒ⁴は、Ｈ、ＣＨ₃、ＣＨ₂ＣＯＯＭ、ＣＨ₂ＣＨ₂ＣＯＯＭ、ＣＨ（ＯＨ）ＣＯＯＭであり、但し、Ｒ⁴が水素原子の時は、Ｒ¹、Ｒ²は水素原子ではない。Ｍは、水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウムである。アルカリ金属原子として、ナトリウム、カリウム、リチウムが挙げられる。］
【００１０】
一般式（１）で表される化合物若しくはその塩の具体例として、次の一般式（５）で表わされるアスパラギン酸二酢酸（塩）（ＡＳＤＡ）、一般式（６）で表わされるグルタミン酸二酢酸（塩）（ＧＬＤＡ）、一般式（７）で表わされるヒドロキシイミノ二コハク酸（塩）（ＨＩＤＳ）、一般式（８）で表わされるイミノ二コハク酸（塩）（ＩＤＳ）、一般式（９）で表わされるカルボキシエチルイミノコハク酸（塩）（ＣＥＩＳ）、一般式（１０）で表わされるメチルグリシン二酢酸（塩）（ＭＧＤＡ）、一般式（１１）で表わされるエチレンジアミン二コハク酸（塩）（ＥＤＤＳ）、一般式（１２）で表わされるエチレンジアミン四酢酸酸（塩）（ＥＤＴＡ）がある。
【００１１】
【化５】

【００１２】
【化６】

【００１３】
【化７】

【００１４】
（Ｅ）添加剤
その他の成分として、蛍光染料、ポリエチレングリコール（ＰＥＧ）、ポリビニルピロリドン（ＰＶＰ）及びポリビニルアルコール（ＰＶＡ）等の分散剤もしくは色移り防止剤、シリコーン／シリカ系等の消泡剤、酸化防止剤、青味付剤並びに香料等の従来から公知の成分を公知の配合量で配合することができる。
蛍光染料としては、４，４’−ビス−（２−スルホスチリル）−ビフェニル塩、４，４’−ビス−（４−クロロ−３−スルホスチリル）−ビフェニル塩、２−（スチリルフェニル）ナフトチアゾール誘導体、４，４’−ビス（トリアゾール−２−イル）スチルベン誘導体、ビス（トリアジニルアミノ）スチルベンジスルホン酸誘導体の１種又は２種以上を、組成物中に０〜２重量％含有することができ、例えばホワイテックスＳＡ（住友化学社製）やチノパールＣＢＳ（チバガイギ−社製）等の商品名で市販されているものが使用できる。
【００１５】
製造方法
また、液体洗浄剤組成物は、牛脂、羊油等の動物油脂、ヤシ油、パーム核油、大豆油、オリープ油、綿実油等の植物由脂などを分解して得られる脂肪酸の単独又は複数種を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン等の水溶液で中和し、（Ｂ）炭酸塩、（Ｃ）グリコール系溶剤、必要に応じてさらにその他の香料、染料等の成分を添加し、混合すればよい。
【００１６】
【実施例】
（実施例１〜１７、比較例１〜４）
表１〜３に示す(Ａ）脂肪酸石鹸、（Ｂ）炭酸塩、（Ｃ）グリコール系溶剤、さらに必要に応じて（Ｄ）ビルダー等を添加し液体洗浄剤組成物を製造した。
得られた洗浄剤の洗浄力、粘度及び安定性を以下の方法で評価した。結果を表１〜３に示す。
【００１７】
（１）洗浄力試験
温度２０℃のイオン交換水に塩化カルシウムで硬度５０ｐｐｍ、１００ｐｐｍ（炭酸カルシウム換算）に調製した人工硬水を用い、この人工硬水１リットルに対して、１．５ｇを添加し、試験液用の洗浄液を調製した。これらの各洗浄液について、それぞれ汚染布（洗濯科学協会汚染布）を１０枚加え、浴比を１：３０に調整してターゴットメーターにて１２０ｒｐｍで１０分間洗浄した後、３分間の濯ぎを２回行った。洗浄液の汚染布を乾燥後、その反射率を測定した。予め、汚染布にする前の原布及び洗浄前の汚染布の反射率を測定しておき、原布および洗浄前後の汚染布の反射率から、次式（Ｋｕｂｅｌｋａ−Ｍｕｎｋの式）によって洗浄率を算出した。
【００１８】
【数１】

【数２】

【００１９】
（２）粘度測定
（株）トキメック社製のＢＭ形粘度計を用い、温度５℃、２５℃にて測定した。
【００２０】
（３）経時安定性試験
ポリプロピレン製の容器に表に示す配合品を入れ、−５℃、０℃、４０℃の恒温器で、１ケ月保存後の状態を下記の評価基準に基づいてランク付けした。
○：外観は透明で全く異常なく、流動性も非常に良好。
△：外観は透明であるが、粘性が非常に高い（あめ状）。
×：固化、白濁又は沈殿物。
【００２１】
【表１】

【００２２】
【表２】

【００２３】
【表３】

【００２４】
脂肪酸石鹸：オレイン酸カリウム／ラウリン酸カリウム＝６０／４０
ＤＰＧ：ジプロピレングリコールCH₃CH(OH)CH₂OCH₂CH(OH)CH₃、
ＭＧ：メチルグリコールＣＨ₃ＯＣＨ₂ＣＨ₂ＯＨ、
ＭＤＧ：メチルジグリコールＣＨ₃Ｏ(ＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ)₂Ｈ、
ＭＴＧ：メチルトリグリコールＣＨ₃Ｏ(ＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ)₃Ｈ、
ＥＧ：エチルグリコールＣＨ₃ＣＨ₂ＯＣＨ₂ＣＨ₂ＯＨ、
ＥＤＧ：エチルジグリコールＣＨ₃ＣＨ₂Ｏ(ＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ)₂Ｈ、
ＰＧ：プロピレングリコールＣＨ₃ＣＨ(ＯＨ)ＣＨ₂ＯＨ、
ＭＰＧ：メチルプロピレングリコールＣＨ₃ＯＣＨ₂ＣＨ(ＯＨ) ＣＨ₃、
珪酸カリウム：Ａ珪酸カリ（日本化学工業製）
ＡＳＤＡ：アスパラギン酸二酢酸ナトリウム
ＧＬＤＡ：グルタミン酸二酢酸ナトリウム
ＭＧＤＡ：メチルグリシン二酢酸ナトリウム
ＨＩＤＳ：ヒドロキシイミノ二コハク酸ナトリウム
ＩＤＳ：イミノ二コハク酸ナトリウム
ＣＥＩＳ：カルボキシエチルイミノコハク酸ナトリウム
ＥＤＤＳ：エチレンジアミン二コハク酸ナトリウム
ＥＤＴＡ：エチレンジアミン四酢酸ナトリウム
クエン酸：クエン酸一水和物
エタノール：ゲラニオール変性
【００２５】
【発明の効果】
本発明によれば、高い洗浄力を有し、且つ低温においても粘度が低く、経時的にも非常に安定性に優れた液体洗浄剤組成物が提供される。

Claims

（Ａ）石鹸中に占めるラウリン酸カリウムの比率が２０重量％以上８０重量％以下であるカリウム石鹸１０〜４５重量％、（Ｂ）炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムからなり、炭酸ナトリウム／炭酸カリウムの重量比が９／１〜０．１／９．９である炭酸塩５〜１５重量％、及び（Ｃ）ジプロピレングリコール、メチルグリコール、メチルジグリコール、メチルトリグリコール、エチルグリコール及びエチルジグリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種のグリコール系溶剤１〜１０重量％、を含有することを特徴とする液体洗浄剤組成物。
更に下記一般式（１）で表される化合物若しくはその塩を１〜１０重量％含有する請求項１に記載の組成物。

［式中、Ｒ^１は、Ｈ又はＣＨ_２ＣＯＯＭであり；Ｒ^２は、Ｈ又はＣＨ_２ＣＯＯＭであり；Ｒ^３は、ＣＯＯＭ、ＣＨ_２ＣＯＯＭ又は次式（２）、（３）で表される置換基であり；

Ｒ^４は、Ｈ、ＣＨ_３、ＣＨ_２ＣＯＯＭ、ＣＨ_２ＣＨ_２ＣＯＯＭ、ＣＨ（ＯＨ）ＣＯＯＭであり、但し、Ｒ^４が水素原子の時は、Ｒ^１、Ｒ^２は水素原子ではない。Ｍは、水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウムである。］