JP4004557B2 - ボビンの残糸除去装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ボビンの残糸を除去する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上糸と下糸とを使用して縫製を行うミシン、特に高速の縫製作業を行う工業用のミシンにあっては、下糸を巻回したボビンを頻繁に交換する必要がある。一般には、下糸が消費された時または残り少なくなった時にミシンの運転を一旦停止し、ボビンケースを釜から抜き取った後に、ボビン残糸を除去してボビンに下糸を巻回し、この下糸が新たに巻回されたボビンをボビンケースに収容して該ボビンケースを釜内に装着する一連の操作を手作業で行っている。
【0003】
しかしながら、このような人手による残糸除去作業、ボビンへの下糸の巻回作業及びボビンケースの交換作業は極めて非能率的であり、生産性の低下の原因となっている。そこで、本出願人は、先に出願した特開平7−68071号公報記載の下糸自動供給装置において上記問題点の解決を図っている。
【0004】
この特開平7−68071号公報記載の下糸自動供給装置の概要構成は、下糸が巻回されたボビンを内部に収容しミシンの釜内に装着されるボビンケースと、このボビンケースを把持または開放可能なボビンケース把持手段及びこのボビンケース把持手段を一軸を支点として回動させると共に該軸方向に移動可能な回動アームよりなるボビン交換装置と、上記釜より軸方向に離間して配置され、上記ボビンへ下糸を巻回する下糸巻回装置及びボビンの残糸を除去する残糸除去装置と、を具備している。
【0005】
当該公報記載の残糸除去装置は、糸除去軸及びこの糸除去軸に一端が固定され該糸除去軸周囲に配列されて軸方向に突出する複数の弾性線状体からなる巻取手段と、この巻取手段に対向し前進する巻取手段を受けて該弾性線状体を固定端を支点として外方に広げると共に該巻取手段と一緒に回転する受け軸と、これら受け軸及び巻取手段よりさらに反ボビンケース側に配設され、ボビンを内部に収容したボビンケースより垂れる下糸端部を作業位置に吹き寄せるエアーノズルと、この作業位置に吹き寄せられた下糸端部を上記受け軸と巻取手段との間に挟持し得るようにガイドするガイド部材と、巻取手段の周囲に配置され後退する巻取手段との間で、該巻取手段に巻き取られた残糸を扱き落とすことが可能な扱き板と、からなる残糸除去装置を備えており、ボビンケースから導出し下方に垂れる所定長(約35〜40mm)の下糸端部を、エアーノズルにより作業位置に吹き寄せて、この作業位置に吹き寄せられた下糸端部を上記ガイド部材によりガイドして上記受け軸と糸除去軸との間に挟持し、所定の間、巻取手段を回転させることにより、ボビンに巻かれた残糸を弾性線状体の周囲に巻き取り、その後、該巻取手段を後退させ、弾性線状体を受け軸から外すことにより、広げられていた該弾性線状体を元の位置に戻し、該弾性線状体と巻き取った残糸との間に緩みを生じさせると共に扱き板により該巻き取った残糸を扱くことにより、残糸を下方に落下させて取り除く構成となっている。
【0006】
そして、上記下糸自動供給装置にあっては、上記回動アームの一軸を支点とした回動動作及び一軸に平行な移動動作によって、上記ボビンケース把持手段を、上記釜、残糸除去装置における残糸除去位置、下糸巻回装置における下糸巻回位置に移動可能な構成を採っており、ボビンへの下糸の巻回作業及び残糸除去作業並びにボビンケースの交換作業が自動的に行われるようになっていて、作業能率及び生産性の向上が図られるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平7−68071号公報記載の装置にあっても、以下の問題点があった。すなわち、上記残糸除去装置にあっては、ボビンケース(詳しくは下糸張力ばね下)から導出する所定長(約35〜40mm)の下糸端部を、受け軸と糸除去軸との間に挟持する構成を採っていることから、そのクランプの確率を高めるために、巻取手段をボビンケースの糸端導出口に近付けることが望ましいが、このように、巻取手段をボビンケースの糸端導出口に近付けると、巻取手段の周囲に残糸を巻き取る構成を採っているので、この巻き取られ膨らんだ残糸がボビンケースに接触することになり、巻取量に制限が生じるといった問題がある。
【0008】
すなわち、糸端クランプ率を向上すべく巻取手段をボビンケースの糸端導出口に近付けると、残糸巻取量に制限が生じ、残糸を全て除去できず、一方残糸を全て除去すべく巻取手段をボビンケースの糸端導出口から遠ざけると、糸端クランプ率が低下し、確実に残糸除去がなされないといった相反する問題があった。
【0009】
また、ボビンケースから導出する所定長の下糸端部を、受け軸と巻取手段との間に挟持し得るようにガイドするガイド部材が、上述のように、ボビンケースの糸端導出口から遠くに配設されているために、糸端の案内が不安定であり、該糸端を受け軸と巻取手段との間に挟持できない畏れがあった。
【0010】
また、上記残糸除去装置にあっては、該弾性線状体等の構造の複雑な部品を用い、しかも部品点数が多いことから高コスト化するといった問題もあった。
【0011】
そこで本発明は、簡易な構成で、確実にボビン残糸を自動的に全て除去でき、しかも残糸除去動作に必要なアクチュエータ(駆動手段)の個数を最小限とすることにより、低コスト化を図ると共に空きスペースを生ぜしめて設計の自由度の向上を図ることが可能なボビンの残糸除去装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1のボビンの残糸除去装置は、回転可能に支持されたボビンと、該ボビンより下方に配置されると共に、当接する位置と離間する位置とに移動可能で、その当接した位置から離間した位置への移動によって上記ボビンより垂れる下糸端部が進入する下糸導入用のスペースを確保する一方、前記離間した位置から当接した位置への移動によって前記下糸端部を挟持し、該挟持した下糸を端部から巻き込み排出する一対の回転可能なローラと、この一対のローラの一方または両方を下糸排出回転方向または下糸排出回転方向とは逆方向に回転させる一つの駆動手段と、前記ローラの回転方向が下糸排出回転方向であるときには当該一対のローラを当接させる位置に移動させ、上記ローラの回転方向が下糸排出回転方向とは逆方向であるときには当該一対のローラを離間させる位置に移動させるように、前記駆動手段の駆動力を前記一対のローラに伝達する駆動力伝達手段と、を具備した。
上記目的を達成するために、請求項2のボビンの残糸除去装置は、回転可能に支持されたボビンと、該ボビンより下方に配置されると共に、当接する位置と離間する位置とに移動可能で、その当接した位置から離間した位置への移動によって上記ボビンより垂れる下糸端部が進入する下糸導入用のスペースを確保する一方、前記離間した位置から当接した位置への移動によって前記下糸端部を挟持し、該挟持した下糸を端部から巻き込み排出する一対の回転可能なローラと、この一対のローラのうちの一方のローラまたは両方のローラを下糸排出回転方向または下糸排出回転方向とは逆方向に回転させる一つの駆動手段と、該一対のローラのうちの一方のローラを支承すると共に一軸を中心として回動可能に支持された回動腕と、この回動腕を前記一軸を中心として前記他方のローラが前記一方のローラに向かうように付勢する付勢手段と、前記ローラの下糸排出回転方向とは逆方向への回転時に、前記駆動手段によって前記一対のローラが離間する方向に前記回動腕を回動する一方で、前記ローラの下糸排出回転方向への回転時に、前記付勢手段による付勢力によって前記一対のローラが当接する方向に前記回動腕を回動して前記一対のローラが当接して押圧状態となるよう前記駆動手段による駆動力を前記回動腕に対して遮断する駆動力伝達・遮断手段と、を具備した。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項のボビンの残糸除去装置は、請求項に加えて、駆動力伝達・遮断手段による回動腕に対しての駆動力の伝達を、カムを介して行うようにした。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項4のボビンの残糸除去装置は、回転可能に支持されたボビンと、該ボビンより下方に配置されると共に、当接する位置と離間する位置とに移動可能で、その当接した位置から離間した位置への移動によって上記ボビンより垂れる下糸端部が進入する下糸導入用のスペースを確保する一方、前記離間した位置から当接した位置への移動によって前記下糸端部を挟持し、該挟持した下糸を端部から巻き込み排出する一対の回転可能なローラと、この一対のローラのうちの一方のローラまたは両方のローラを下糸排出回転方向または下糸排出回転方向とは逆方向に回転させる一つの駆動手段と、該一対のローラのうちの一方のローラを支承すると共に一軸を中心として回動可能に支持された回動腕と、前記ローラの下糸排出回転方向とは逆方向への回転時に、前記駆動手段によって前記一対のローラが離間する方向に前記回動腕を回動する一方で、前記ローラ下糸排出回転方向への回転時に、前記一対のローラが当接する方向に前記回動腕を回動させ且つそれら一対のローラが当接して押圧状態となるとその回動腕による押圧力を保持するように前記駆動手段による駆動力を前記回動腕に対して伝達する駆動力伝達手段と、を具備した。
【0015】
【作用】
このような請求項1におけるボビンの残糸除去装置によれば、一対のローラを駆動手段により下糸排出回転方向とは逆方向へ回転すると、駆動力伝達手段により駆動手段から一対のローラを支承する回動腕に対して駆動力が伝達され、該回動腕は、一軸を支点として上記一対のローラが離間する方向に回動し、両ローラの間に下糸導入用のスペースが確保され、このスペース間にボビンより垂れる下糸端部が進入し、これとは逆に、上記一対のローラを駆動手段により下糸排出回転方向へ回転すると、駆動力伝達手段により駆動手段から回動腕に対して駆動力が遮断されるが、この時、回動腕は一軸を中心として上記一対のローラが向かうよう回動して、これら一対のローラが押圧する状態となって両ローラ間に下糸端部が挟持され、ボビン残糸は両ローラの共働によって巻き込み排出される。従って、ローラにより巻き込み排出される残糸排出量には制限がない。
また、ローラが糸端を巻き込み排出することから、該ローラは糸端案内の機能も兼ね備えている。
また、糸端案内の機能も兼ね備えたローラは、ローラ周囲に残糸を巻き取る構成ではないことから、ボビンケースの糸端導出口に接近配置できる。
また、当該装置は弾性線状体等の複雑な部品がなく、しかも部品点数が少ない。
また、一方のローラ用の駆動手段と回動腕用の駆動手段とを別々に設けずに一つの駆動手段で両方を駆動するよう構成していることから、駆動手段を別々に設けるものに比して部品点数が少なくなると共に空きスペースが生じるようになる。
また、このような請求項2におけるボビンの残糸除去装置によれば、ローラを駆動手段により下糸排出回転方向とは逆方向へ回転すると、駆動力伝達・遮断手段により駆動手段から一対のローラを支承する回動腕に対して駆動力が伝達され、該回動腕は、一軸を支点として上記一対のローラが離間する方向に回動し、両ローラの間に下糸導入用のスペースが確保され、このスペース間にボビンより垂れる下糸端部が進入し、これとは逆に、ローラを駆動手段により下糸排出回転方向へ回転すると、駆動力伝達・遮断手段により駆動手段から回動腕に対して駆動力が遮断されるが、この時、付勢手段による付勢力によって、回動腕は一軸を中心として上記一対のローラが向かうよう回動して、これら一対のローラが押圧する状態となって両ローラ間に下糸端部が挟持され、ボビン残糸は両ローラの共働によって巻き込み排出される。従って、ローラにより巻き込み排出される残糸排出量には制限がない。
また、回転体が糸端を巻き込み排出することから、該回転体は糸端案内の機能も兼ね備えている。
また、糸端案内の機能も兼ね備えたローラは、回転体周囲に残糸を巻き取る構成ではないことから、ボビンケースの糸端導出口に接近配置できる。
また、当該装置は弾性線状体等の複雑な部品がなく、しかも部品点数が少ない。
また、一方のローラ用の駆動手段と回動腕用の駆動手段とを別々に設けずに一つの駆動手段で両方を駆動するよう構成していることから、駆動手段を別々に設けるものに比して部品点数が少なくなると共に空きスペースが生じるようになる。
【0016】
また、請求項3におけるボビンの残糸除去装置によれば、駆動力伝達・遮断手段による回動腕に対しての駆動力の伝達が、カムを介してなされると、一方のローラに対して他方のローラが離間する際の回動腕の開き角度が、カム形状に従って設定されるようになる。
【0017】
また、請求項4におけるボビンの残糸除去装置によれば、ローラを駆動手段により下糸排出回転方向とは逆方向へ回転すると、駆動力伝達手段により駆動手段から一対のローラを支承する回動腕に対して駆動力が伝達され、該回動腕は、一軸を支点として上記一対のローラが離間する方向に回動し、両ローラの間に下糸導入用のスペースが確保され、このスペース間にボビンより垂れる下糸端部が進入し、これとは逆に、回転体を駆動手段により下糸排出回転方向へ回転すると、駆動力伝達手段により駆動手段から回動腕に対して駆動力が伝達され、該回動腕は、一軸を支点として上記一対のローラが向かう方向に回動し、両回転体間に下糸端部が挟持されてこれら一対のローラが押圧状態となると、その押圧力が保持されるように、駆動力伝達手段により駆動手段から回動腕に対して駆動力が滑りながら伝達され、一方のローラは支承なく下糸排出回転方向への回転を続け、ボビン残糸は両回転体の共働によって巻き込み排出される。従って、ローラにより巻き込み排出される残糸排出量には制限がない。
また、ローラが糸端を巻き込み排出することから、該ローラは糸端案内の機能も兼ね備えている。
また、糸端案内の機能も兼ね備えたローラは、回転体周囲に残糸を巻き取る構成ではないことから、ボビンケースの糸端導出口に接近配置できる。
また、当該装置は弾性線状体等の複雑な部品がなく、しかも部品点数が少ない。
また、一方のローラ用の駆動手段と回動腕用の駆動手段とを別々に設けずに一つの駆動手段で両方を駆動するよう構成していることから、駆動手段を別々に設けるものに比して部品点数が少なくなると共に空きスペースが生じるようになる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。本実施例の下糸自動供給装置は、図1及び図10に示されるように、下糸巻回装置162と、残糸除去装置161と、これら下糸巻回装置162の下糸巻回位置C、残糸除去装置161の残糸除去位置B、釜位置(ボビンケース着脱位置)A、ダミー軸(ボビンケース保持手段)6のボビンケース着脱位置Dにボビンケース2を移動可能なボビン交換装置160と、から概略が構成されており、該下糸自動供給装置はミシンベッド101の下部に設けられている。先ず、図11乃至図15を参照しながら、ボビン交換装置160について以下説明する。
【0019】
図11乃至図15において、符号1はボビンケース2が装着される釜を、1aは釜軸を、3はミシン本体に取り付けられたメインベースに立設すると共に釜1の直下に配設された支持体としてのベース板をそれぞれ示しており、該ベース板3には、釜軸1aに平行な軸心を有する搬送軸4の基端4aが固定され、該搬送軸4はベース板3に片持ち支持された状態となっている。
【0020】
この搬送軸4の先端4b側(反ベース板側)には、中空円筒の外周面を軸線方向に沿って2箇所切断し該切断面が同士が対向するよう形成された搬送ブロック12(図11参照)が、当該搬送軸4に対して回転可能且つ摺動可能に支持されている。
【0021】
搬送ブロック12の各切断面には、L字状に折曲された搬送板10,10のL字を構成する一方の板状部分がそれぞれ固定されており、L字を構成する他方の板状部分は、図11に示されるように、軸線を挟んで互いに対向した状態となっている。
【0022】
各搬送板10,10には、軸線方向に沿って釜側に折曲された保持部11,11の一方の端部がそれぞれ固定されており、これら保持部11,11の他方の端部(釜側を向く端部)には、ボビンケースを把持または開放可能なボビンケース把持手段(不図示)がそれぞれ固定されている。このボビンケース把持手段としては、例えば特開平5−192476号公報の下糸自動供給装置や本出願人が先に出願した特願平5−121960号明細書のミシンの下糸自動供給装置に記載されている一対の電磁石吸着ヘッドを始めとして、例えば本出願人が先に出願した特願平5−116363号明細書のミシンの下糸自動供給装置に記載されているレバー爪によるもの等、適宜のものを採用することができ、要は、ボビンケース2を必要に応じて対向部材(例えば、釜1)に対して着脱できるものであれば良い。
【0023】
上記搬送ブロック12の外周には回動歯車13が固定されており、該回動歯車13には、図12に示されるように、釜軸1a方向に沿って長尺なる形状の駆動歯車19が噛合している。この駆動歯車19は、その一端が、ベース板3に取り付けられたモータ固定板21の搬送軸他端側に突出した部分に回転可能に支持されており、他端は、モータ固定板21に固定された回動モータ20の出力軸に直結された状態となっている。
【0024】
従って、回動モータ20が回転すると、駆動歯車19、回動歯車13を介して、搬送ブロック12及び搬送板10,10並びに保持部11,11から構成される回動アーム70が回転するようになっている。なお、この回動アーム70の回転動作は、本実施例にあっては、該回動アーム70が退避位置にある時(図12乃至図14参照)に、行われるようになっている。また、搬送軸4は片持ち支持であるが、上記駆動歯車19によりガイドされていることから、その支持強度は充分となっている。
【0025】
上記搬送ブロック12の外周における上記回動歯車13より搬送軸4の固定端側には、図示されない例えばストップリングが固定されており、該搬送ブロック12の外周における回動歯車13とストップリングとの間には、直動カラー14が回転可能に支持されている。
【0026】
該直動カラー14には、図11乃至図13に示されるように、釜軸1aに平行に移動可能に支持されたラック16の一端が固定されており、このラック16の他端にはピニオン17が噛合している。このピニオン17は、ベース板3に取り付けられた移動モータ18の出力軸に固定されている。
【0027】
従って、移動モータ18が駆動すると、ピニオン17を介してラック16と共に直動カラー14、回動アーム70が搬送軸4の軸線方向に沿って移動するようになっている。すなわち、回動アーム70は、搬送軸4に対して回転できると共に、搬送軸4に沿って摺動できるようになっている。
【0028】
上記搬送軸4の開放端側には、センサ固定板33が取付けられており、このセンサ固定板33上には、発光素子31aと受光素子31bとからなる回動センサ31が取り付けられている。また、上記回動アーム70には、図11及び図12に示されるように、センサ板32が固定されており、該回動アーム70の回転時に、センサ板32が発光素子31aと受光素子31bとの間を通過し得るように、回動センサ31及びセンサ固定板33並びにセンサ板32の位置調整がなされている。
【0029】
ベース板3には、図11及び図13に示されるように、上記回動センサ31と同構造の直動センサ41が取り付けられている。また、上記ラック16には、センサ板15が固定されており、該回動アーム70の直動時に、センサ板15が直動センサ41の発光素子41aと受光素子41bとの間を通過し得るように、直動センサ41及びセンサ板15の位置調整がなされている。
【0030】
また、ベース板3における上記ボビンケース把持手段の回転軌跡の対向位置であって、図10に示されるように、釜1直下の位置Dには、ボビンケース保持手段としてのダミー軸6が固定されている。このダミー軸6は、図15に示されるように、中釜軸5と同構造となっており、ボビンが収容されたボビンケース2を押し込めば、該ボビンケース2を保持できるようになっている。そして、押し込められたボビンケース2の既設のボビン係止爪2dが、図10及び図15に示されるように、ダミー軸6の近傍に突設された回り止め部材5aaの係止溝に係合するよう構成されている。すなわち、ボビンケース2は所定の位置に位置決めされて保持されるようになっている。
【0031】
ところで、上記下糸巻回位置C、残糸除去位置Bは、図10に示されるように、搬送軸4の下方の範囲V且つ同軸線に沿った直立平面よりミシンベッド101を起こす際の回動支点103側の範囲Wであって、ボビンケース把持手段の回転軌跡の対向位置に配置されている。また、残糸除去位置Bは下糸巻回位置Cより下方に配置されている。また、残糸除去位置Bの搬送軸線方向(図10における紙面に垂直な方向)の位置はボビンケース把持手段の退避位置にあり、下糸巻回位置Cの搬送軸線方向の位置はボビンケース把持手段を退避位置から多少前進させた位置(図10における紙面に向かって進めた位置)にある(これら残糸除去位置B及び下糸巻回位置Cの軸線方向の位置に関しては図1参照)。なお、図10中における符号102はミシンテーブルを、106はオイルパンを、104,105は下軸を、Xはミシン頭部を引き起こす際の外周側の回動軌跡を、それぞれ示している。
【0032】
上記下糸巻回位置Cには下糸巻回装置162が配設されている。この下糸巻回装置162としては、図1に示されるように、図示されない巻取モータを駆動することにより、この回転駆動力を、モータ軸プーリ200、タイミングベルト201、巻取プーリ202を介して巻取クラッチ板203に伝達し、この巻取クラッチ板203のクラッチ爪を、上記ボビン交換装置160により下糸巻回位置Cに搬送されてきたボビンケース2のその内部に収容されたボビン7の既設の孔7b(図5参照)にクラッチしてボビン7を回転させることによって、自動的にボビン7に下糸を巻回できる構成のものが採用されている。また、図示されない糸捌きモータを駆動することにより、この回転駆動力を、動メス回動ギヤ206を介して、下糸巻回位置Cにセットされたボビンケース2のその周囲に回動可能に配置された動メス糸捌き204に伝達し、この動メス糸捌き204をボビンケース2の周囲に回動させることによって、ボビン7に巻回されボビンケース開口部より導出する下糸を、ボビンケース2の下糸張力ばね下の下糸導出孔より導出するように糸掛けができる構成となっている。さらにまた、この下糸張力ばね下の下糸導出孔より導出する下糸を、上記動メス糸捌き204の回動動作により捌き、固定メス205との間で、下糸張力ばね下の下糸導出孔より導出する下糸を下糸供給源(不図示)に対して切断できる構成となっている。因に、下糸巻回装置(糸掛け、糸切り機構を含む)162は、上記の構成のものに限定されるものではなく、自動的にボビン7に下糸が巻回でき、且つ糸掛け、糸切りができるものであればどのようなものであっても良く、例えば特開平5−192476号公報の下糸自動供給装置や本出願人が先に出願した特願平5−121960号明細書のミシンのボビン交換装置や特願平5−116363号明細書のミシンのボビン交換装置に記載されている下糸巻回装置を始めとして、適宜のものを採用することができる。
【0033】
残糸除去位置Bには残糸除去装置161が配設されている。この残糸除去装置161について、図1及び図2を参照しながら、以下説明する。
【0034】
図において、符号79は回転軸を示している。この回転軸79は上記ベース板3を貫くと共に、該ベース板3を挟むように配設されたコの字状の残糸ブラケット80の両側板80a,80bに回転可能に掛け渡されており、両端は各側板80a,80bより外方にそれぞれ突出している。残糸ブラケット80の手前側(図1における左側)側板80aより突出する軸部分には回転体としての駆動ローラ760が固定され、奥側(図1における右側)側板80bより突出する軸部分には残糸ローラ駆動プーリ83が固定されている。また、上記ベース板3の奥側にはモータブラケット3aが配設されており、このモータブラケット3aには残糸巻取モータ86が固定されている。この残糸巻取モータ86の出力軸には図示されない残糸巻取プーリが固定されており、この残糸巻取プーリと上記残糸ローラ駆動プーリ83との間には図示されない残糸ベルトが掛け渡されている。
【0035】
従って、残糸巻取モータ86が駆動すると、その回転は残糸巻取プーリ、残糸ベルト、残糸ローラ駆動プーリ83を介して回転軸79に伝達され、駆動ローラ760が回転するようになっている。
【0036】
また、上記残糸ブラケット80の側板80aとベース板3との間には、図1に示されるように、コの字状の回動腕としての回転アーム85が配置されている。この回転アーム85のコの字を構成する両側板85a,85bには回転軸80cが回転可能に掛け渡されており、手前側側板85aからさらに手前側に突出する軸部分には回転体としての従動ローラ761が固定されている。該回転アーム85の下部には釜軸1aに平行に配設された軸87が固定されている。この軸87は、上記ベース板3を貫くと共に、上記残糸ブラケット80の両側板80a,80bに回転可能に掛け渡されており、この軸87の途中部分には、当該軸87を常時図2における反時計方向(CCW方向)に付勢する付勢手段としての捩じりコイルバネ210が設けられている。
【0037】
この軸87における奥側の側板80bからさらに奥側に突出する軸部分外周には、駆動力伝達・遮断手段としてのワンウェイクラッチ211が設けられており、このワンウェイクラッチ211の外周には回転アーム駆動ギヤ88が固定されている。このワンウェイクラッチ211は、回転アーム駆動ギヤ88から図2における時計方向(CW方向)の回転駆動力が加わるとロック状態となって当該回転方向の駆動力を軸87に伝達する一方で、回転アーム駆動ギヤ88から図2における反時計方向(CCW方向)の回転駆動力が加わるとロック状態が解除されて同方向に対してフリーとなり当該回転方向の駆動力を軸87に対して遮断するように構成されている。そして、回転アーム駆動ギヤ88には回転アーム伝達ギヤ91が噛み合っており、この回転アーム伝達ギヤ91は、上記回転軸79の途中部分に固定されている。
【0038】
従って、上記残糸巻取モータ86が図2におけるCCW方向に駆動すると、その回転は残糸巻取プーリ、残糸ベルト、残糸ローラ駆動プーリ83を介して回転アーム伝達ギヤ91に伝達され、回転アーム駆動ギヤ88を介することによってその回転方向が図2におけるCW方向にされ、この回転駆動力はワンウェイクラッチ211により軸87に伝達されて、当該軸87を支点として、回転アーム85が図2におけるCW方向に回動するようになっている。
【0039】
また、残糸巻取モータ86が図2におけるCW方向に駆動すると、その回転は残糸巻取プーリ、残糸ベルト、残糸ローラ駆動プーリ83を介して回転アーム伝達ギヤ91に伝達され、回転アーム駆動ギヤ88を介することによってその回転方向が図2におけるCCW方向にされ、この回転駆動力はワンウェイクラッチ211により軸87に対して遮断されて、回転アーム85は図2におけるCCW方向に対してフリーとなるようになっている。
【0040】
なお、回転アーム85及び従動ローラ761が軸87を支点として回動した時に、従動ローラ761を固定する回転軸80cが残糸ブラケット80の手前側側板80aに当たらないように、当該側板80aには適宜切欠等が形成されている。
【0041】
また、この残糸除去装置161には、回動アーム70により残糸除去位置Bにセットされたボビンケース2のその下糸導出部(下糸張力ばねの下糸導出部分)に向かってエアーを吹き付けることができる糸垂らし用のエアーノズル100が設けられている(図2参照)。この糸垂らし用のエアーノズル100は、ボビンケース2の下糸導出部から導出しボビンケース2に付着している下糸を、そのエアー力によって、確実に下方に垂らすためのものである。該糸垂らし用のエアーノズル100には図示されない電磁弁が接続されており、該糸垂らし用のエアーノズル100は、この電磁弁によりそのエアー吹き出しが制御されるようになっている。
【0042】
また、上述したボビン交換装置160の回動アーム70には、図2に示されるように、ボビン7を内部に収容したボビンケース2(詳しくは下糸張力ばね下)より垂れる下糸端部Mを、作業位置に吹き寄せるエアーノズル151が固定されている。ここで言う作業位置とは、駆動ローラ760の外周面(正確には図示下側の外周面)に対して下糸端部Mが接触しつつ下流になびくような位置(図2(b)参照)であり、この下糸端部Mの作業位置への吹き寄せは、エアーノズル151からのエアーをボビンケース2の外周面に向かって吹き出し、当該外周面に沿って駆動ローラ760の外周面に向かう流れを作り出すことにより、達成される。該エアーノズル151には、図示されない電磁弁が接続されており、該エアーノズル151は、この電磁弁によりそのエアー吹き出しが制御されるようになっている。
【0043】
また、上記残糸除去装置161におけるブラケット80の手前側側板80aには、図1に示されるように、回転検出手段としての例えば反射型光センサ500が付設されている。この反射型光センサ500は、回動アーム70に従ってボビンケース2が残糸除去位置Bにセットされて対向した時(残糸除去ができる状態の時)に、図5に示されるようなボビン7の側面に1箇所穿設された反射孔7aに対向するように配設されている。
【0044】
従って、残糸除去装置161による残糸除去動作でボビン7が回転すると、該反射型光センサ500からは、図6に示されるように、連続したパルス波が出力される。ここで、下糸がボビン7から除去されてしまうとボビン7の回転が停止することから、反射型光センサ500からの出力により、残糸除去の完了が判るようになっている。
【0045】
斯くの如く残糸除去装置161は構成されており、基本的にボビン7に巻かれボビンケース2より垂れる下糸を引き出す構成となっていることから、その主要部は残糸除去位置Bより下方に配置されている(図1参照)。
【0046】
次に、このように構成された下糸自動供給装置の動作について、以下説明する。先ず、例えば一方のボビンケース把持手段に、下糸巻回済みのボビンを収容したボビンケースを把持させるために、回動アーム側(手前側;図1における左側)から手を差し込んで、該下糸巻回済みのボビンを収容したボビンケースを、中釜軸5に装着するのと同様に、手の平を返すことなくダミー軸6に押し込んで、ボビンケースをダミー軸6に装着する。ここで、説明の都合上、このボビンケースの符号2Xとし、以降に説明のあるボビンケースの符号2Yとする。
【0047】
次いで、電源スイッチがオンされたら、回動アーム70を原点位置に復帰させ、スタートスイッチのオンにより、回動アーム70を回動させて一方のボビンケース把持手段をダミー位置Dに対向させる。そして、該回動アーム70を前進させて、該ダミー軸6に保持されている下糸巻回済みのボビンを収容したボビンケース2Xを一方のボビンケース把持手段に把持させる。この時、他方のボビンケース把持手段は何ら障害物に干渉することなく釜に向かう。
【0048】
ここで、ダミー軸6を、残糸除去位置B、下糸巻回位置Cの搬送軸4を中心とした反対側の位置に設けた場合には、該残糸除去位置Bは、上述のように、その搬送軸線方向の位置がボビンケース把持手段の退避位置にあり、下糸巻回位置Cの搬送軸線方向の位置はボビンケース把持手段を退避位置から多少前進させた位置にあることから、一方のボビンケース把持手段をダミー軸6に向かわせると、他方のボビンケース把持手段は残糸除去装置161、下糸巻回装置162に衝突してしまうことになる。しかしながら本実施例にあっては、ダミー軸6を、上述のように、ボビンケース把持手段の回転軌跡の対向位置であって、釜1直下の位置に配置しているので、問題はない。
【0049】
そうしたら、回動アーム70を後退させると共に回動させて、ボビンケース2Xを把持した一方のボビンケース把持手段を釜1に対向させると共に前進させ、下糸巻回済みのボビンを収容したボビンケース2Xを釜内に装着する。この時、他方のボビンケース把持手段は何ら障害物に干渉することなくダミー軸6に向かう。そして、回動アーム70を後退させる。この時、作業者は上記と同様にして再度回動アーム側から手を差し込んで、下糸巻回済みのボビンを収容したボビンケース2Yをダミー軸6に装着する。
【0050】
次いで、縫製が開始されたら、その縫製中に、上記と同様な動作によって、何れか一方のボビンケース把持手段に、ダミー軸6に保持されている下糸巻回済みのボビンを収容したボビンケース2Yを把持させると共に、回動アーム70を後退させる。
【0051】
そして、この状態で所定の縫製が終了すると(ステップ1)、ステップ2において、ボビンケース2の交換を行う。
【0052】
すなわち、ボビンケースを把持していないボビンケース把持手段を前進させ、残糸の少なくなったボビンを収容するボビンケース2Xを釜内から取り出して、該回動アーム70を後退させる。次いで、回動アーム70を回動させ、下糸巻回済みのボビンを収容したボビンケース2Yを釜1に対向させると共に前進させ、下糸巻回済みのボビンを収容したボビンケース2Yを釜内に装着し、該回動アーム70を後退させる。
【0053】
そして、ステップ3に進み、ステップ3において、縫製が開始されたら、その縫製中に、回動アーム70を回動させ、残糸の少なくなったボビンを収容したボビンケース2Xを残糸除去位置Bに回動する。
【0054】
この時、回転アーム85は、図2(c)に示される位置、すなわち駆動ローラ760と従動ローラ761とが当接する位置にある。そして、ステップ4に進み、ステップ4において、残糸巻取モータ86を図2におけるCCW方向に駆動して駆動ローラ760を同方向に回転すると共に、回転アーム駆動ギヤ88により回転方向が反転された回転駆動力をワンウェイクラッチ211により軸87に伝達して、回転アーム85を軸87を支点として図2におけるCW方向に回動し、図2(a)に示されるように、駆動ローラ760に対して従動ローラ761を離間して両ローラ760,761間にスペースを設ける。
【0055】
次いで、ステップ5に進み、ステップ5において、糸垂らし用のエアーノズル100より糸垂らしエアーを、図2(a)、図4(a)に示されるように、所定の間、間欠に吹き付けて、ボビンケース2Xのその下糸導出部(下糸張力ばねの下糸導出部分)から確実に下糸を下方に垂らしてステップ6に進み、ステップ6において、今度はエアーノズル151より糸案内エアーを吹き付けて(図2(b)、図4(b)参照)、ボビンケース2Xより垂れる下糸端部Mを作業位置に吹き寄せる。
【0056】
次いで、ステップ7に進み、ステップ7において、残糸巻取モータ86を図2におけるCW方向に駆動して駆動ローラ760を同方向(下糸排出回転方向P;図2(b)参照)に回転する。すると、回転アーム駆動ギヤ88により回転方向が反転された回転駆動力はワンウェイクラッチ211により軸87に対して遮断され、回転アーム85は図2におけるCCW方向に対してフリーとなる。この時、回転アーム85は、捩じりコイルバネ210の付勢力により軸87を支点として図2におけるCCW方向に回動する(図2(b)参照)。
【0057】
次いで、ステップ8に進み、ステップ8において、従動ローラ761が駆動ローラ760に対向するが、下糸端部Mをローラ760,761間に挟持する前に、エアーノズル151によるエアーの吹き付けを停止する(図4(b)参照)。
【0058】
ここで、ローラ760,761間に下糸端部Mが挟持される時に、エアーノズル151によりエアーを吹き付けていると、ローラ760,761間を通過して下流に抜けるエアーが該ローラ760,761により遮断され、下糸端部Mがローラ760,761間から逃げてローラ760,761による巻き込み排出が行われないが、本実施例のように、エアーノズル151により作業位置に吹き寄せた下糸端部Mを、ローラ761の移動によってローラ760,761間に挟む前に、図4に示されるように、該エアーノズル151のエアーを遮断すると、吹き上げられていた下糸端部Mは回動してくる従動ローラ761の外周面に垂れて乗った状態となり、さらに従動ローラ761が捩じりコイルバネ210の付勢力により回動してローラ760に対して対向し押圧状態となると、これらローラ760,761間に下糸端部Mが挟持された状態となる(ステップ9)。
【0059】
そして、ステップ9において、駆動ローラ760がCW方向に回転していることから、ローラ760,761間に挟持された下糸は両ローラ760,761の共働回転により、ローラ760,761に巻き込まれながら下流に排出される(図2(c)参照)。
【0060】
そして、ステップ10に進み、ステップ10において、ボビン7の残糸除去が行われているか否かを判定する。これは、ローラ760,761の共働回転により残糸がローラ760,761に巻き込まれながら下流に排出されている(残糸除去が行われている)と、ボビン7が回転し、排出されていない(残糸除去が行われていない)と、ボビン7が回転しないということから、判定される。この回転の有無は、上述した反射型光センサ500からの出力信号により判断される。
【0061】
そして、ボビン7が回転していない、すなわち残糸除去が行われていないと判定した場合には、リトライすべくステップ4にリターンし、上記動作を繰り返す。このリトライ動作を3回続けて行った場合には、本実施例においては、残糸除去ができない何らかの故障が発生したとして、アラームを発生し作業者に異常を知らしめるようになっている。
【0062】
ステップ10において、ボビン7が回転している、すなわち残糸除去が行われていると判定した場合には、ステップ11に進み、ステップ11において、今度はボビン7が停止したか否かを判定し、ボビン7が停止せずに未だ残糸除去を続行していると判定した場合には、ボビン7が停止するまで同様な判定を繰り返し、一方ボビン7が停止し残糸除去が終了したと判定した場合には、ステップ12に進み、ステップ12において、残糸巻取モータ86を停止して駆動ローラ760を停止してこのフローを終了とする。
【0063】
そして、このようにして残糸の除去がなされたら、回動アーム70を回動して空ボビンを収容したボビンケース2Xを下糸巻回位置Cに対向させた後に前進させて下糸巻回位置Cに移動し、そこの下糸巻回装置162によって空ボビンに下糸を巻回すると共に、糸掛け、糸切りを行い、その後回動アーム70を後退させると共に回動してボビンケースを把持していないボビンケース把持手段を釜1に対向させて、ボビン交換指令があるまで待機させる。そして、以降は、これら動作を繰り返す。
【0064】
このように、本実施例においては、ボビン7を内部に収容したボビンケース2より垂れる下糸端部Mを、ローラ760,761により巻き込み排出し、この残糸排出量に制限がないよう構成しているので、ボビン残糸を自動的に全て除去することが可能となっている。また、ローラ760,761が糸端を巻き込み排出することにより、該ローラ760,761に糸端案内の機能を併せ持たせ、しかもこの糸端案内の機能を併せ持つローラ760,761を、ボビンケース2の糸端導出口に接近配置できるよう構成しているので、残糸を確実に捕らえて除去することが可能となっている。また、特開平7−68071号公報記載の装置のような弾性線状体等の複雑な部品がなく、しかも部品点数が少なくなるよう構成しているので、低コスト化が可能となっている。
【0065】
また、エアーノズル151により作業位置に吹き寄せた下糸端部Mを、従動ローラ761の移動によってローラ760,761間に挟む前に、該エアーノズル151のエアーを遮断し、下糸端部Mを良好にローラ760,761によって巻き込み排出するよう構成しているので、確実に残糸を捕らえて除去することが可能となっている。
【0066】
また、ボビンケース2の下糸導出部から導出した下糸が該ボビンケース2に付着していたとしても、糸垂らし用のエアーノズル100によりボビンケース2の下糸導出部に向かってエアーを吹き付け、このエアーによって糸の付着を解除して糸を確実に下方に垂らすよう構成しているので、その後の残糸除去動作により残糸を確実に除去できるようになっている。
【0067】
また、特に本実施例においては、駆動ローラ760を残糸巻取モータ86により下糸排出回転方向Pとは逆方向へ回転し、ワンウェイクラッチ211により残糸巻取モータ86から従動ローラ761を支承する回転アーム85に対して駆動力を伝達し、該回転アーム85を、軸87を支点として従動ローラ761が駆動ローラ760から離間する方向に回動し、両ローラ760,761の間に下糸導入用のスペースを確保して、このスペース間にボビン7より垂れる下糸を進入させ、これとは逆に、駆動ローラ760を残糸巻取モータ86により下糸排出回転方向Pへ回転し、ワンウェイクラッチ211により残糸巻取モータ86から回転アーム85に対して駆動力を遮断し、この時、捩じりコイルバネ210による付勢力によって、回転アーム85を、軸87を中心として従動ローラ761が駆動ローラ760に向かうよう回動して、駆動ローラ760に対して従動ローラ761が押圧する状態として両ローラ760,761間に下糸を挟持して、ボビン残糸を両ローラ760,761の共働によって巻き込み排出し、駆動ローラ用の駆動手段と回転アーム85用の駆動手段とを別々に設けずに一つの駆動手段としての残糸巻取モータ86で両方を駆動するようにし、駆動手段を別々に設けるものに比して部品点数(モータ、ブラケット、軸、ギヤ等)が少なくなると共に空きスペースが生じるように構成しているので、低コスト化を図ると共に設計の自由度の向上を図ることが可能となっている。
【0068】
また、駆動ローラ用の駆動手段と回転アーム85用の駆動手段とを別々に設けると、ローラ760,761の圧接時に回転アーム85用の駆動手段を励磁し続けなければならないが、本実施例にあっては、このようなことがないことから、駆動手段を別々に設けたものに比して耐久性に係わる信頼性を向上することも可能となっている。
【0069】
図7は本発明の第2実施例における残糸除去装置の要部を表したものであり、(a)は残糸巻取モータの初期状態及びCW回転時の状態を表した正面図、(b)は残糸巻取モータのCCW回転時の状態を表した正面図であり、第1実施例と同一なものに対しては同一符号が付してある。
【0070】
この第2実施例の残糸除去装置にあっては、第1実施例における回転アーム伝達ギヤ91、回転アーム駆動ギヤ88、ワンウェイクラッチ211がなくされている。すなわち、回転アーム85が固定された軸87は、ブラケット80の両側板80a,80bに回転可能に掛け渡された状態で、捩じりコイルバネ210により図7におけるCCW方向に付勢された状態となっている。
【0071】
また、回転軸79におけるブラケット80の両側板80a,80b間の軸部分外周には、ワンウェイクラッチ211aが設けられており、このワンウェイクラッチ211aの外周には略断面扇形のカム220が固定されている。このワンウェイクラッチ211aは、回転軸79から図7における反時計方向(CCW方向)の回転駆動力が加わるとロック状態となって当該回転方向の駆動力をカム220に伝達する一方で、回転軸79から図7における時計方向(CW方向)の回転駆動力が加わるとロック状態が解除されて同方向に対してフリーとなり当該回転方向の駆動力をカム220に対して遮断するように構成されている。なお、符号221はストッパーを示しており、他の構成に関しては第1実施例と同様であることから、重複を避けるために、ここでの説明は省略する。
【0072】
従って、初期状態にあっては、回転アーム85は、図7(a)に示される位置、すなわち駆動ローラ760と従動ローラ761とが当接する位置にあり、且つ回転アーム85の側板85a端部とカム220の突部220aとが当接する位置にある。
【0073】
そして、残糸巻取モータ86を図7におけるCCW方向に駆動して駆動ローラ760を同方向に回転すると、この回転駆動力はワンウェイクラッチ211aによりカム220に伝達され、カム220が軸79を支点としてCCW方向に回動し、当該カム220の先端部分220aによりこの駆動力(押圧力)が回転アーム85に伝達されることにより、当該回転アーム85が軸87を支点として図7におけるCW方向に回動し、図7(b)に示されるように、駆動ローラ760に対して従動ローラ761が離間されて両ローラ760,761間にスペースが生じるようになっている。
【0074】
また、残糸巻取モータ86を図7におけるCW方向に駆動して駆動ローラ760を同方向(下糸排出回転方向P;図2(b)参照)に回転すると、この回転駆動力はワンウェイクラッチ211aによりカム220に対して遮断され、カム220は図7におけるCCW方向に対してフリーとなり、この時、回転アーム85は、捩じりコイルバネ210の付勢力により軸87を支点として図7におけるCCW方向に回動し、この付勢力により従動ローラ761は駆動ローラ760に対して押圧状態となる(図7(a)参照)。
【0075】
すなわち、先の第1実施例と同様な動作を行うことができるよう構成されており、従って第1実施例と同様な効果を得ることができるというのはいうまでもない。
【0076】
しかも、この第2実施例においては、ワンウェイクラッチ211aによる回転アーム85に対する駆動力の伝達を、カム220を介して行い、駆動ローラ760に対して従動ローラ761が離間する際の回転アーム85の開き角度を、カム220の形状に従って設定し得るよう構成しているので、設計の自由度をさらに高めて上述した効果を一層高めることが可能となっている。
【0077】
また、第1実施例に比して、回転アーム伝達ギヤ91、回転アーム駆動ギヤ88をなくせるようになっており、低コスト化をさらに高めて上述した効果を一層高めることが可能となっている。
【0078】
図8は本発明の第3実施例における残糸除去装置の要部を表したものであり、(a)は残糸巻取モータの初期状態及びCW回転時の状態を表した正面図、(b)は残糸巻取モータのCCW回転時の状態を表した正面図であり、第2実施例と同一なものに対しては同一符号が付してあり、重複を避けるために、ここでの説明は省略する。
【0079】
この第3実施例の残糸除去装置が先の第2実施例のそれと違う点は、カム220に代えてカム225を用い、このカム225の形状に従って、駆動ローラ760に対して従動ローラ761が離間する際の回転アーム85の開き角度を、上記カム220の場合に比してさらに大きくし得るようにした点である。
【0080】
このように構成しても、先の第2実施例と同様な効果を得ることができるというのはいうまでもない。
【0081】
図9は本発明の第4実施例における残糸除去装置を適用した下糸自動供給装置の右側面図である。この第4実施例の残糸除去装置にあっては、回転アーム85が固定されベース板3を貫くと共に残糸ブラケット80の両側板80a,80bに回転可能に掛け渡された軸87のその同軸上であって、回転アーム85の奥側の側板85bより図示左側から右側に向かって、開放端が奥側に向かうカップ状の摩擦クラッチ板250b、クラッチ圧接バネ250c、開放端が手前側に向かうカップ状の収納部250a、この収納部250aが端部に固定された回転アーム駆動ギヤ88が順に配置されており、これら摩擦クラッチ板250b、クラッチ圧接バネ250c、収納部250a、回転アーム駆動ギヤ88はその軸心を軸87に貫かれて当該軸87に回転可能に支承された状態となっている。上記クラッチ圧接バネ250cは、摩擦クラッチ板250b、収納部250a間に収納されており、該クラッチ圧接バネ250c内に配置され摩擦クラッチ板250b、収納部250a間に固定された図示されない複数のピンにより摩擦クラッチ板250b、収納部250a内での回転が規制された状態となっている。
【0082】
すなわち、クラッチ圧接バネ250cの圧接力により回転アーム85の奥側の側板85bと摩擦クラッチ板250bとは圧接状態にあり、回転アーム駆動ギヤ88の回転駆動力が、収納部250a、クラッチ圧接バネ250c、摩擦クラッチ板250bを介して回転アーム85に摩擦伝達され、該回転アーム85は軸87を支点として回動できるようになっている。ここで、摩擦クラッチ板250b、クラッチ圧接バネ250c、収納部250aにより駆動力伝達手段250が構成されている。なお、他の構成に関しては第1実施例と同様であることから、重複を避けるために、ここでの説明は省略する。
【0083】
従って、初期状態にあっては、回転アーム85は、第1実施例と同様な位置、すなわち駆動ローラ760と従動ローラ761とが当接する位置にある。
【0084】
そして、残糸巻取モータ86を第1実施例と同様にCCW方向に駆動して駆動ローラ760を同方向に回転すると、この回転駆動力は回転アーム駆動ギヤ88により回転方向が反転されてこの反転された回転駆動力は、収納部250a、クラッチ圧接バネ250c、摩擦クラッチ板250bを介して回転アーム85に摩擦伝達され、回転アーム85は軸87を支点としてCW方向に回動し、駆動ローラ760に対して従動ローラ761が離間されて両ローラ760,761間にスペースが生じるようになっている。
【0085】
また、残糸巻取モータ86をCW方向に駆動して駆動ローラ760を同方向(下糸排出回転方向P;図2(b)参照)に回転すると、この回転駆動力は回転アーム駆動ギヤ88により回転方向が反転されてこの反転された回転駆動力は、収納部250a、クラッチ圧接バネ250c、摩擦クラッチ板250bを介して回転アーム85に摩擦伝達され、回転アーム85は軸87を支点としてCCW方向に回動し、従動ローラ761は駆動ローラ760に対して押圧状態となる。
【0086】
そして、このように、従動ローラ761が駆動ローラ760に対して押圧されると、回転アーム85の軸87を支点としたCCW方向への回動が不可能となって摩擦クラッチ板250bと回転アーム85の奥側の側板85bとの間に滑りが発生し、これ以上の押圧力がかからない状態(当該押圧力を維持した状態)となると共に、駆動ローラ760はそのままCW方向に回転を続ける。従って、ローラ760,761間に挟持された下糸は両ローラ760,761の共働回転により、ローラ760,761に巻き込まれながら下流に排出される。
【0087】
すなわち、先の第1実施例と同様な動作を行うことができるよう構成されており、従って第1実施例と同様な効果を得ることができるというのはいうまでもない。
【0088】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例えば、上記実施例においては、一方のローラを駆動ローラとし、他方のローラを従動ローラとしているが、両方駆動ローラとしても良い。
【0089】
また、ローラ760,761を、ゴムローラ、歯付きローラとしても良い。
【0090】
また、上記実施例においては、糸垂らし用のエアーノズル100によりエアーを間欠吹き付けしているが、連続吹き付けとしても勿論良い。また、糸垂らし用のエアーノズル100を、ボビンケース2の糸導出部に向かって吹き付け可能に設けているが、これに代えて、ボビンケース中心部に向けて均等に複数の糸垂らし用のエアーノズルを設け、ボビンケース2に向けて所定の空気流を発生させても同様な効果を奏する。
【0091】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1のボビンの残糸除去装置によれば、一対のローラを駆動手段により下糸排出回転方向とは逆方向へ回転し、駆動力伝達手段により駆動手段から一対のローラを支承する回動腕に対して駆動力を伝達し、該回動腕を、一軸を支点として上記一対のローラが離間する方向に回動し、両ローラの間に下糸導入用のスペースを確保して、このスペース間にボビンより垂れる下糸端部を進入させ、これとは逆に、上記一対のローラを駆動手段により下糸排出回転方向へ回転し、駆動力伝達手段により駆動手段から回動腕に対して駆動力を遮断し、この時、回動腕を、一軸を中心として上記一対のローラが向かうよう回動して、これら一対のローラが押圧する状態として両回転体間に下糸端部を挟持して、ボビン残糸を両回転体の共働によって巻き込み排出し、この残糸排出量に制限がないよう構成したものであるから、ボビン残糸を自動的に全て除去することが可能となる。
また、ローラが糸端を巻き込み排出することにより、該ローラに糸端案内の機能を併せ持たせ、しかもこの糸端案内の機能を併せ持つローラを、ボビンケースの糸端導出口に接近配置できるよう構成したものであるから、残糸を確実に除去することが可能となる。
また、弾性線状体等の複雑な部品がなく、しかも部品点数が少なくなるよう構成したものであるから、低コスト化が可能となる。
さらにまた、一方のローラ用の駆動手段と回動腕用の駆動手段とを別々に設けずに一つの駆動手段で両方を駆動するようにし、駆動手段を別々に設けるものに比して部品点数が少なくなると共に空きスペースが生じるように構成したものであるから、低コスト化を図ると共に設計の自由度の向上を図ることが可能となる。
また、請求項2のボビンの残糸除去装置によれば、ローラを駆動手段により下糸排出回転方向とは逆方向へ回転し、駆動力伝達・遮断手段により駆動手段から一対のローラを支承する回動腕に対して駆動力を伝達し、該回動腕を、一軸を支点として上記一対のローラが離間する方向に回動し、両ローラの間に下糸導入用のスペースを確保して、このスペース間にボビンより垂れる下糸端部を進入させ、これとは逆に、ローラを駆動手段により下糸排出回転方向へ回転し、駆動力伝達・遮断手段により駆動手段から回動腕に対して駆動力を遮断し、この時、付勢手段による付勢力によって、回動腕を、一軸を中心として上記一対のローラが向かうよう回動して、これら一対のローラが押圧する状態として両ローラ間に下糸端部を挟持して、ボビン残糸を両ローラの共働によって巻き込み排出し、この残糸排出量に制限がないよう構成したものであるから、ボビン残糸を自動的に全て除去することが可能となる。
また、ローラが糸端を巻き込み排出することにより、該ローラに糸端案内の機能を併せ持たせ、しかもこの糸端案内の機能を併せ持つローラを、ボビンケースの糸端導出口に接近配置できるよう構成したものであるから、残糸を確実に除去することが可能となる。
また、弾性線状体等の複雑な部品がなく、しかも部品点数が少なくなるよう構成したものであるから、低コスト化が可能となる。
さらにまた、一方のローラ用の駆動手段と回動腕用の駆動手段とを別々に設けずに一つの駆動手段で両方を駆動するようにし、駆動手段を別々に設けるものに比して部品点数が少なくなると共に空きスペースが生じるように構成したものであるから、低コスト化を図ると共に設計の自由度の向上を図ることが可能となる。
【0092】
また、請求項3のボビンの残糸除去装置によれば、請求項2に加えて、駆動力伝達・遮断手段による回動腕に対する駆動力の伝達を、カムを介して行い、一対のローラに対して他方のローラが離間する際の回動腕の開き角度を、カム形状に従って設定し得るよう構成したものであるから、設計の自由度を高めて上述した効果を一層高めることが可能となる。
【0093】
また、請求項4のボビンの残糸除去装置によれば、ローラを駆動手段により下糸排出回転方向とは逆方向へ回転し、駆動力伝達手段により駆動手段から一対のローラを支承する回動腕に対して駆動力を伝達し、該回動腕を、一軸を支点として上記一対のローラが離間する方向に回動し、両ローラの間に下糸導入用のスペースを確保して、このスペース間にボビンより垂れる下糸端部を進入させ、これとは逆に、ローラを駆動手段により下糸排出回転方向へ回転し、駆動力伝達手段により駆動手段から回動腕に対して駆動力を伝達し、該回動腕を、一軸を支点として上記一対のローラが向かう方向に回動し、両ローラ間に下糸端部を挟持してこれら一対のローラが押圧状態となると、その押圧力を保持するように、駆動力伝達手段により駆動手段から回動腕に対して駆動力を伝達し、ローラが支承なく下糸排出回転方向への回転を続けることにより、ボビン残糸を両ローラの共働によって巻き込み排出し、この残糸排出量に制限がないよう構成したものであるから、ボビン残糸を自動的に全て除去することが可能となる。
また、ローラが糸端を巻き込み排出することにより、該ローラに糸端案内の機能を併せ持たせ、しかもこの糸端案内の機能を併せ持つローラを、ボビンケースの糸端導出口に接近配置できるよう構成したものであるから、残糸を確実に除去することが可能となる。
また、弾性線状体等の複雑な部品がなく、しかも部品点数が少なくなるよう構成したものであるから、低コスト化が可能となる。
さらにまた、一方のローラ用の駆動手段と回動腕用の駆動手段とを別々に設けずに一つの駆動手段で両方を駆動するようにし、駆動手段を別々に設けるものに比して部品点数が少なくなると共に空きスペースが生じるように構成したものであるから、低コスト化を図ると共に設計の自由度の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における残糸除去装置を適用した下糸自動供給装置の右側面図である。
【図2】同上残糸除去装置の動作を説明するために図1の残糸除去装置の要部のみを表した各正面説明図である。
【図3】同上残糸除去装置の動作手順を表したフローチャートである。
【図4】同上残糸除去装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】本実施例に用いられるボビンの回転検出手段側の正面図である。
【図6】同上ボビンの回転時に検出される波形図である。
【図7】本発明の第2実施例における残糸除去装置の要部を表したものであり、(a)は残糸巻取モータの初期状態及びCW回転時の状態を表した正面図、(b)は残糸巻取モータのCCW回転時の状態を表した正面図である。
【図8】本発明の第3実施例における残糸除去装置の要部を表したものであり、(a)は残糸巻取モータの初期状態及びCW回転時の状態を表した正面図、(b)は残糸巻取モータのCCW回転時の状態を表した正面図である。
【図9】本発明の第4実施例における残糸除去装置を適用した下糸自動供給装置の右側面図である。
【図10】同上下糸自動供給装置に用いられている各装置の配置関係を表した下糸自動供給装置の正面図である。
【図11】同上下糸自動供給装置に用いられているボビン交換装置の正面図である。
【図12】同上ボビン交換装置の平面図である。
【図13】同上ボビン交換装置における直動機構部分を表した右側面図である。
【図14】同上ボビン交換装置における回動機構部分を表した右側面図である。
【図15】同上ボビン交換装置のダミーポジション及びダミー軸を説明するための概略側面図である。
【符号の説明】
7 ボビン
85 回動腕
86 駆動手段
87 一軸
210 付勢手段
211,211a 駆動力伝達・遮断手段
220,225 カム
250 駆動力伝達手段
760 一方の回転体
761 他方の回転体
M 下糸
P 下糸排出回転方向

Claims (4)

  1. 回転可能に支持されたボビンと、
    該ボビンより下方に配置されると共に、当接する位置と離間する位置とに移動可能で、その当接した位置から離間した位置への移動によって上記ボビンより垂れる下糸端部が進入する下糸導入用のスペースを確保する一方、前記離間した位置から当接した位置への移動によって前記下糸端部を挟持し、該挟持した下糸を端部から巻き込み排出する一対の回転可能なローラと、
    この一対のローラの一方または両方を下糸排出回転方向または下糸排出回転方向とは逆方向に回転させる一つの駆動手段と、
    前記ローラの回転方向が下糸排出回転方向であるときには当該一対のローラを当接させる位置に移動させ、上記ローラの回転方向が下糸排出回転方向とは逆方向であるときには当該一対のローラを離間させる位置に移動させるように、前記駆動手段の駆動力を前記一対のローラに伝達する駆動力伝達手段と、
    を具備したことを特徴とするボビンの残糸除去装置。
  2. 回転可能に支持されたボビンと、
    該ボビンより下方に配置されると共に、当接する位置と離間する位置とに移動可能で、その当接した位置から離間した位置への移動によって上記ボビンより垂れる下糸端部が進入する下糸導入用のスペースを確保する一方、前記離間した位置から当接した位置への移動によって前記下糸端部を挟持し、該挟持した下糸を端部から巻き込み排出する一対の回転可能なローラと、
    この一対のローラのうちの一方のローラまたは両方のローラを下糸排出回転方向または下糸排出回転方向とは逆方向に回転させる一つの駆動手段と、
    該一対のローラのうちの一方のローラを支承すると共に一軸を中心として回動可能に支持された回動腕と、
    この回動腕を前記一軸を中心として前記他方のローラが前記一方のローラに向かうように付勢する付勢手段と、
    前記ローラの下糸排出回転方向とは逆方向への回転時に、前記駆動手段によって前記一対のローラが離間する方向に前記回動腕を回動する一方で、前記ローラの下糸排出回転方向への回転時に、前記付勢手段による付勢力によって前記一対のローラが当接する方向に前記回動腕を回動して前記一対のローラが当接して押圧状態となるよう前記駆動手段による駆動力を前記回動腕に対して遮断する駆動力伝達・遮断手段と、
    を具備したことを特徴とするボビンの残糸除去装置。
  3. 請求項2記載のボビンの残糸除去装置において、
    駆動力伝達・遮断手段による回動腕に対しての駆動力の伝達は、カムを介して行われることを特徴とするボビンの残糸除去装置。
  4. 回転可能に支持されたボビンと、
    該ボビンより下方に配置されると共に、当接する位置と離間する位置とに移動可能で、その当接した位置から離間した位置への移動によって上記ボビンより垂れる下糸端部が進入する下糸導入用のスペースを確保する一方、前記離間した位置から当接した位置への移動によって前記下糸端部を挟持し、該挟持した下糸を端部から巻き込み排出する一対の回転可能なローラと、
    この一対のローラのうちの一方のローラまたは両方のローラを下糸排出回転方向または下糸排出回転方向とは逆方向に回転させる一つの駆動手段と、
    該一対のローラのうちの一方のローラを支承すると共に一軸を中心として回動可能に支持された回動腕と、
    前記ローラの下糸排出回転方向とは逆方向への回転時に、前記駆動手段によって前記一対のローラが離間する方向に前記回動腕を回動する一方で、前記ローラ下糸排出回転方向への回転時に、前記一対のローラが当接する方向に前記回動腕を回動させ且つそれら一対のローラが当接して押圧状態となるとその回動腕による押圧力を保持するように前記駆動手段による駆動力を前記回動腕に対して伝達する駆動力伝達手段と、
    を具備したことを特徴とするボビンの残糸除去装置。
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