JP3568266B2 - 下糸巻回装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ボビンに下糸を巻回する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上糸と下糸とを使用して縫製を行うミシン、特に高速の縫製作業を行う工業用のミシンにあっては、下糸を巻回したボビンを頻繁に交換する必要がある。一般には、下糸が消費された時にミシンの運転を一旦停止し、ボビンケースを釜から抜き取った後に、ボビンに下糸を巻回し、この下糸が新たに巻回されたボビンをボビンケースに収容して該ボビンケースを釜内に装着する一連の操作を手作業で行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような人手によるボビンへの下糸の巻回作業及びボビンケースの交換作業は極めて非能率的であり、生産性の低下の原因となっている。そこで、本出願人は、先に出願した特願平5−239194号明細書において、上記問題点の解決を図っている。
【0004】
この特願平5−239194号明細書記載の下糸自動供給装置は、下糸供給源から供給された下糸を、下糸張り渡し部材により、ボビンケースの開口部の外方で且つボビン軸の軸心方向に沿って張り渡して保持し、この張り渡された下糸を、腕部材により、ボビンケースの開口部に介挿してボビン軸の外周近傍まで挿入し、記ボビン軸の外周近傍まで挿入され張り渡されている下糸を、巻き取りモータの低速回転に従って、ボビン軸の外周に突出形成した鍵状の糸掛け部材の鍵状部分に引っ掛けて、ボビン軸の糸掛け部材後方の外周に形成され糸端側の溝深さが下糸供給側のそれより深く形成された環状溝内に侵入させ、糸端側の糸を供給側の糸より下側にして重ね合わせていき、その結果下糸をボビン軸に絡み付かせ、その後の巻き取りモータの高速回転に従って、ボビン軸に下糸を巻回するといったものである。
【0005】
また、上記下糸自動供給装置は、縫製条件に従ってボビンに必要な下糸巻回量を予め演算し、この演算された設定下糸巻回量に略一致するまで、上記巻き取りモータを作動させる下糸巻量制御手段を備えており、縫製に必要な下糸量だけをボビンに自動的に巻回できるようにもなっている。
【0006】
しかしながら、この特願平5−239194号明細書記載の装置にあっても以下の問題点があった。すなわち、巻き取りモータによりボビンに巻回中の下糸が、予め設定された設定下糸巻回量に略一致したら、該巻き取りモータをいきなり停止するようにしていることから、巻き取りモータの回転が停止位置よりオーバーランし、設定した下糸巻回量とならないといった問題がある。
【0007】
また、このように巻き取りモータをいきなり停止するようにしていることから、供給している糸が暴れ、下糸供給経路中の例えば糸案内に絡み付いて糸絡みが発生するといった問題もある。
【0008】
また、上記明細書にあっては、巻き取りモータを低速で2回転することにより環状溝内で下糸をボビン軸に絡み付かせ、その後高速回転してボビン軸へ下糸を巻回するようにしているが、当該巻き取りモータの低速2回転では下糸がボビン軸に未だ絡まっていない場合があり、このように下糸が未だボビン軸に絡まっていない状態でボビン軸を高速回転しても、ボビン軸に下糸を巻回することはできない。
【0009】
また、巻き取りモータを低速で2回転させた後にいきなり高速にする場合には、上述の巻き取りモータをいきなり停止する場合と同様に、供給している糸が暴れ、下糸供給経路中の例えば糸案内に絡み付いて糸絡みが発生するといった問題がある。
【0011】
そこで本発明は、下糸巻回時に供給糸が暴れることがなく、下糸供給経路中での糸絡みが防止される下糸巻回装置を提供することを第2の目的とする。
【0012】
また、本発明は、ボビン軸への下糸の絡み付きが検出されるまではボビン駆動手段が高速回転されず、ボビン軸への下糸巻回の信頼性が向上される下糸巻回装置を提供することを第の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記第の目的を達成するために、請求項の下糸巻回装置は、ボビンケース内に収容されたボビンを回転させるボビン駆動手段と、このボビン駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段と、下糸供給源からの下糸を前記ボビンケース内に挿入する挿入手段と、前記駆動制御手段により低速回転するボビンとの共働によって、前記挿入手段によりボビンケース内に挿入された下糸の上記ボビン軸への絡み付きを検出する下糸絡み付き検出手段と、を具備した下糸巻回装置において、上記下糸絡み付き検出手段により下糸のボビン軸への絡み付きを検出したら、前記駆動制御手段によりボビン駆動手段を高速駆動しボビン軸を高速回転させて該ボビン軸への下糸巻回を行うようにした。
【0016】
上記第2の目的を達成するために、請求項の下糸巻回装置は、請求項に加えて、駆動制御手段は、下糸絡み付き検出手段により下糸のボビン軸への絡み付きを検出したら、ボビン駆動手段の駆動速度を低速から加速して高速にするよう制御することを特徴としている。
【0017】
上記第の目的を達成するために、請求項の下糸巻回装置は、請求項に加えて、下糸絡み付き検出手段により下糸のボビン軸への絡み付きが検出されない場合には、下糸のボビン軸への絡み付きに必要なリトライ動作を行わせることを特徴としている。上記第3の目的を達成するために、請求項6の下糸巻回装置では、ボビンケース内に収容されたボビンを回転させるボビン駆動手段と、このボビン駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段と、下糸供給源からの下糸を前記ボビンケース内に挿入する挿入手段と、該挿入手段により前記ボビンケース内に挿入された下糸のボビン軸への絡み付きを検出する下糸絡み付き検出手段と、を具備した下糸巻回装置において、上記下糸絡み付き検出手段により下糸のボビン軸への絡み付きが検出されない場合には、下糸のボビン軸への絡み付きに必要なリトライ動作を行わせる。
【0020】
【作用】
このような請求項の下糸巻回装置によれば、駆動制御手段によりボビン駆動手段が低速駆動されこの低速駆動により低速回転するボビン軸と下糸絡み付け手段との共働によって、挿入手段によりボビンケースの開口部よりボビンケース内に挿入された下糸がボビン軸に絡み付き、この下糸のボビン軸への絡み付きが下糸絡み付き検出手段により検出されたら、駆動制御手段によりボビン駆動手段が高速駆動されボビン軸が高速回転して該ボビン軸への下糸巻回が行われる。従って、ボビン軸への下糸の絡み付きが検出されるまではボビン軸が高速回転されることはない。
【0021】
また、請求項の下糸巻回装置によれば、下糸絡み付き検出手段により下糸のボビン軸への絡み付きが検出されたら、駆動制御手段によりボビン駆動手段の駆動が制御され高速駆動されてボビンに下糸が巻回されるが、低速から高速への移行は加速してなされる。従って、ボビン軸への供給糸が暴れることはない。
【0022】
また、請求項の下糸巻回装置によれば、下糸絡み付き検出手段により下糸のボビン軸への絡み付きが検出されないと、下糸のボビン軸への絡み付きに必要なリトライ動作が行われる。従って、このリトライ動作により下糸のボビン軸への絡み付きの可能性が高められる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。本実施例の下糸自動供給装置は、下糸巻回装置140と、残糸除去装置141と、これら下糸巻回装置140の下糸巻回位置F、残糸除去位置141の残糸除去位置C、釜位置(ボビンケース着脱位置)A、ダミー軸6,6(図21参照)にボビンケース2を移動可能なボビン交換装置142と、から概略が構成されている。先ず、図17乃至図22を参照しながら、ボビン交換装置142について以下説明する。
【0024】
符号1はボビンケース2が装着される釜を、1aは釜軸を、3はミシン本体に取り付けられたメインベースに立設すると共に釜1の直下に配設された支持体としてのベース板をそれぞれ示しており、該ベース板3には、釜軸1aに平行な軸心を有す搬送軸4の基端4aが固定され、該搬送軸4はベース板3に片持ち支持された状態となっている。
【0025】
この搬送軸4の先端4b側(反ベース板側)には、中空円筒の外周面を軸線方向に沿って2箇所切断し該切断面が同士が対向するよう形成された搬送ブロック12(図17参照)が、当該搬送軸4に対して回転可能且つ摺動可能に支持されている。
【0026】
搬送ブロック12の各切断面には、L字状に折曲された搬送板10,10のL字を構成する一方の板状部分がそれぞれ固定されており、L字を構成する他方の板状部分は、図17に示されるように、軸線を挟んで互いに対向した状態となっている。
【0027】
各搬送板10,10には、軸線方向に沿って釜側に折曲された保持部11,11の一方の端部がそれぞれ固定されており、これら保持部11,11の他方の端部(釜側を向く端部)には、ボビンケースを把持または開放可能なボビンケース把持手段(不図示)がそれぞれ固定されている。このボビンケース把持手段としては、例えば特開平5−192476号公報の下糸自動供給装置や本出願人が先に出願した特願平5−121960号明細書のミシンのボビン交換装置に記載されている一対の電磁石吸着ヘッドを始めとして、例えば本出願人が先に出願した特願平5−116363号明細書のミシンのボビン交換装置に記載されているレバー爪によるもの等、適宜のものを採用することができ、要は、ボビンケース2を必要に応じて対向部材(例えば、釜1)に対して着脱できるものであれば良い。
【0028】
上記搬送ブロック12の外周には回動歯車13が固定されており、該回動歯車13には、図18に示されるように、釜軸1a方向に沿って長尺なる形状の駆動歯車19が噛合している。この駆動歯車19は、その一端が、ベース板3に取り付けられたモータ固定板21の搬送軸他端側に突出した部分に回転可能に支持されており、他端は、モータ固定板21に固定された回動モータ20の出力軸に直結された状態となっている。この回動モータ20には、図1及び図2に示されるように、ドライバ149が接続されており、該回動モータ20はこのドライバ149により駆動されるようになっている。
【0029】
すなわち、ドライバ149に従って回動モータ20が回転すると、駆動歯車19、回動歯車13を介して、搬送ブロック12及び搬送板10,10並びに保持部11,11から構成される回転手段としての回動アーム70が回転するようになっている。なお、この回動アーム70の回転動作は、本実施例にあっては、該回動アーム70が退避位置にある時(図18乃至図20参照)に、行われるようになっている。
【0030】
上記搬送ブロック12の外周における上記回動歯車13より搬送軸4の固定端側には、図示されない例えばストップリングが固定されており、該搬送ブロック12の外周における回動歯車13とストップリングとの間には、直動カラー14が回転可能に支持されている。
【0031】
この直動カラー14には、図19に示されるように、直動リンク15の一端が枢着されている。この直動リンク15の他端は、くの字状の駆動リンク16の一端に枢着されており、該駆動リンク16のくの字を形成する折曲部は、ベース板3に固定されたブラケットに枢着されている。そして、該駆動リンク16の他端は、ベース板3に固定されたエアーシリンダ18のナックル17に枢着されている。このエアーシリンダ18には、図1及び図2に示されるように、電磁弁250が接続されており、該エアーシリンダ18はこの電磁弁250により駆動されるようになっている。
【0032】
すなわち、電磁弁250に従ってエアーシリンダ18が駆動すると、ナックル17、駆動リンク16、直動リンク15を介して、直動カラー14と共に回動アーム70が搬送軸4の軸線方向に沿って移動するようになっている。従って、回動アーム70は、搬送軸4に対して回転できると共に、搬送軸4に沿って摺動できるようになっている。
【0033】
上記搬送軸4の開放端側には、センサ固定板33が回動可能に取付けられており、このセンサ固定板33上には、発光素子31aと受光素子31bとからなる回動センサ31が取り付けられている。また、上記回動アーム70には、図17及び図18に示されるように、センサ板32が固定されており、該回動アーム70の回転時に、センサ板32が発光素子31aと受光素子31bとの間を通過し得るように、回動センサ31及びセンサ固定板33並びにセンサ板32の位置調整がなされている。
【0034】
また、ベース板3における上記ボビンケース把持手段の回転軌跡の対向位置であって、図21に示されるように、例えば位置D、Eには、ボビンケース保持手段としてのダミー軸6がそれぞれ固定されている。このダミー軸6は、図22に示されるように、釜軸1a先端と同構造となっており、ボビン7が収容されたボビンケース2を押し込めば、該ボビンケース2を保持できるようになっている。そして、押し込められたボビンケース2の既設のボビン係止爪2dが、図21に示されるように、ダミー軸6の近傍に突設された回り止め部材5aaの係止溝に係合するよう構成されている。すなわち、ボビンケース2は所定の位置に位置決めされて保持されるようになっている。
【0035】
また、上記ボビンケース把持手段の回転軌跡の対向位置であって、図21に示されるように、例えば位置Cには、図1に示されるような残糸除去装置141が配設されている。この実施例の残糸除去位置141は、例えばボビン7に巻かれた糸の先端を挟持または開放可能とした挟持部材を有し、一軸線を中心に例えば残糸除去モータM2の駆動等によって回転することにより挟持部材により挟持したボビン糸を自動的に巻取可能とするものである。この残糸除去モータM2にはドライバ148が接続されており、該残糸除去モータM2はドライバ148により駆動されるようになっている。
【0036】
なお、上記残糸除去装置を他の構成の残糸除去位置に代えてることも可能であり、要は、該ボビンケース7をボビンケース把持手段によって把持した状態(図1の状態)若しくは上記ダミー軸6と同様な構成の保持軸に該ボビンケースが受け渡されて当該ボビンケース2を保持した状態で、ボビン7に巻かれた糸を引き出す引き出し手段の糸引き出し動作によって、ボビン7が回転されて、ボビン7に巻回された糸が引き出されるようなものであればどのようなものであっても良く、例えば本出願人が先に出願した特願平5−203610号明細書や特願平6−40351号明細書のボビンの残糸除去装置を始めとして、適宜のものを採用することができる。
【0037】
上記残糸除去装置141には、図1に示されるように、回転検出手段としての例えば反射型光センサ144が付設されている。この反射型光センサ144は、ボビンケース2の開放端側にそれぞれ配設されており、図15に示されるようなボビン7の側面に1箇所穿設された反射孔7aに対向するように配設されている。なお、符号7bは、後述の下糸巻回装置140のクラッチ機構150aにボビン7を連結させるためのクラッチ孔を示している。そして、この反射型光センサ144には、カウンタ146が接続されている。
【0038】
従って、ボビン7が回転すると、該反射型光センサ144からは、図16に示されるように、連続したパルス波が出力され、これらパルス波はカウンタ146により計数される。ここで、下糸がボビン7から除去されてしまうとボビン7の回転が停止することから、反射型光センサ144に接続されるカウンタ146の出力により、ボビン7の残糸除去時の回転数(残糸除去量)が判るようになっている。
【0039】
また、上記ボビンケース把持手段の回転軌跡の対向位置であって、図21に示されるように、例えば位置Fには、図1乃至図3、図10乃至図12に示されるような、下糸巻回装置140が配設されている。この下糸巻回装置140は、下糸巻回機構140Aと下糸繰り出し機構140Bとに大別される。
【0040】
下糸巻回機構140Aは、ボビン7を回転させるボビン駆動機構140Eを備える。このボビン駆動機構140Eについて以下説明する。図10において、符号150は巻取り軸を示しており、この巻取り軸150は図示されないベースに回転自在に支承されている。巻取り軸150の一端にはボビン7に形成されたクラッチ孔7bに連結可能なクラッチ機構150aが、他端にはプーリ150bがそれぞれ固定されている。上記ベースにはボビン駆動手段としてのボビン駆動モータM1も固定されている。このボビン駆動モータM1の出力軸にはプーリ152が固定されており、このプーリ152とプーリ150bとの間にはベルト151が掛け渡されている。上記ボビン駆動モータM1にはドライバ147が接続されており、該ボビン駆動モータM1はドライバ147により駆動されるようになっている。
【0041】
すなわち、回動アーム70の回転により下糸巻回位置Fに至ったボビンケース2が該回動アーム70の前進動作により前進すると共にドライバ147に従ってボビン駆動モータM1が駆動すると、巻取り軸150が回転すると共、該クラッチ機構150aとボビン7とが連結されるようになっている。なお、クラッチ機構は、上述のような孔に係合する構成のものに限定されるものではなく、他の構成のものであっても構わない。
【0042】
また、下糸繰り出し機構140Bは、図10に示されるように、下糸供給源としての糸巻き200(図13参照)からの下糸99を繰り出す繰り出し機構140Fを備える。この繰り出し機構140Fについて以下説明する。図10乃至図12において、符号153はコの字状のベースを示している。このベース153の一方の側板153aには、繰り出しモータM3が固定されており、その出力軸156は該側板153aを貫いている。この繰り出しモータM3にはドライバ180が接続されており、該繰り出しモータM3はドライバ180により駆動されるようになっている。また、繰り出しモータM3の回転速度は、上記ボビン駆動モータM1の回転速度より小となるように設定されている。
【0043】
一方、ベース153の他方の側板153bには、繰り出しモータM3の出力軸156に軸心を一致させた繰り出しローラ軸155が回転自在に支承されており、この繰り出しローラ軸155の反繰り出しモータM3側端部には、糸巻き200からの下糸99が巻回された(1巻きされた)繰り出しローラ154が固定されている。繰り出しモータM3の出力軸156と繰り出しローラ軸155との間には、当該軸155,156同士の回転を連結・遮断するワンウェイクラッチ157が介在している。該ワンウェイクラッチ157はスリーブ159に内蔵されており、このスリーブ159にはセンサスリット158が固定されている。
【0044】
上記ワンウェイクラッチ157は、繰り出しローラ軸155の回転速度が繰り出しモータM3の出力軸156の回転速度を上回ると、該繰り出しモータM3の出力軸156の回転を繰り出しローラ軸155に対して遮断する構成となっている。
【0045】
上記センサスリット158は円盤状をなし、外周の一部に溝が設けられている。このセンサスリット158の対向位置にはフォトセンサ160が配設されており、センサスリット158の溝を検出可能となっている。すなわち、フォトセンサ160により繰り出しローラ154の回転を検出できるようになっている。
【0046】
以上のように繰り出し機構140Fは構成されており、この繰り出し機構140Fのフォトセンサ160にはカウンタ145が接続されている。従って、繰り出しローラ154が回転すると、該フォトセンサ160からは、図16で示したのと同様な連続したパルス波が出力され、これらパルス波はカウンタ145により計数されて、ボビン7への下糸巻回時の回転数(下糸巻回量)が判るようになっている(詳しくは後述)。すなわち、これらフォトセンサ160及びカウンタ145によりボビンに巻回される下糸量を検出する下糸量検出手段が構成されている。
【0047】
上記繰り出し機構140Fには、下糸99の緩みを取る緩み取り機構が付設されている。この緩み取り機構は、繰り出しローラ軸155に対して図示されない軸受を介して回転自在に支承され孔に下糸99が通された緩み取りレバー162と、この緩み取りレバー162を下糸99の緩みを取る方向に付勢するバネ164と、このバネ164の付勢力による緩み取りレバー162の回動を規制するストッパ163と、から構成されている。
【0048】
また、下糸繰り出し機構140Bは、繰り出し機構140Fにより繰り出された下糸99をボビンケース2の開口部2Aに案内するエアー案内手段140Gを備えている。このエアー案内手段140Gについて以下説明する。図10において、符号165は略中空円筒状の糸吸引器を示しており、この糸吸引器165には、図10及び図14に示されるように、内部空間と外部とを連通し上流側から下流側に向う吸引孔165aが形成されている。この糸吸引器165の上流側には、該糸吸引器165の内部空間に連通するエアーチューブ166の一端が接続されている。このエアーチューブ166の他端には電磁弁168が接続されており、この電磁弁168には図示されないエアー源が接続されている。
【0049】
糸吸引器165の下流側には、該糸吸引器165の内部空間に連通しこの糸吸引器165に対して回転可能なエアーチューブ167の一端が接続されている。このエアーチューブ167の他端側はコの字状に折曲されており、上述のクラッチ機構150aとボビン7とが連結された状態で、その先端のエアーノズル167aがボビンケース2の開口部2Aに対向するように位置調整がなされている。すなわち、電磁弁168がオンすると、エアー源からエアーが供給されて当該エアーはエアーチューブ166、糸吸引器165、エアーチューブ167を介して、エアーノズル167aから吹き出すようになっている。
【0050】
上記エアーチューブ167の途中部分は下糸巻回装置140のベース100に回転自在に支承されている。このエアーチューブ167は、バネ170により図10における反時計方向に付勢されている一方で、ノズル退避ソレノイド169の駆動により該バネ170の付勢力に抗する方向に回動される。このノズル退避ソレノイド169にはドライバ181が接続されており、該ノズル退避ソレノイド169はドライバ181により駆動されるようになっている。すなわち、ドライバ181に従ってノズル退避ソレノイド169がオフすると、バネ170の付勢力によりエアーノズル167aがボビンケース2の開口部2Aから退避し、ドライバ181に従ってノズル退避ソレノイド169がオンすると、バネ170の付勢力に抗してエアーノズル167aがボビンケース2の開口部2Aに向うようになっている。
【0051】
繰り出し機構140Fと糸巻き200との間には、図13に示されるように、下糸99の張力を可変とする糸張力可変手段204が設けられている。この糸張力可変手段204は、通過する下糸99を押圧する張力ばね205と、この張力ばね205の押圧力をマニュアル操作により調整する螺子206と、ミシンベッド100内に配され上記張力ばね205の押圧力に抗するソレノイド推力を生ぜしめるソレノイドSOLと、から構成されている。
【0052】
この糸張力可変手段204を駆動する電気回路は、ソレノイドSOLに電源Vを直列に接続し、その間にスイッチSWを介した構成となっている。
【0053】
従って、スイッチSWをオフした場合には、上記ソレノイド推力が発生せず、下糸99には張力ばね205の押圧力が最大限にかかり、下糸張力は最大となる。また、スイッチSWをオンした場合には、上記ソレノイド推力が最大限に発生し、下糸99には張力ばね205の押圧力からソレノイド推力を減じたものがかかり、下糸張力は最小となる。
【0054】
なお、上記残糸除去装置141、下糸巻回装置140が、図17乃至図22のベース板3に接触する場合には、該ベース板3は適宜切欠かれる。また、図21にあっては、残糸除去位置Cと下糸巻回位置Fとダミー軸6,6が近接しており、保持部11が誇張されて記載されている。このため、保持部11が釜1、ダミー軸6に移動する時、残糸除去装置141や下糸巻回装置140に接触することも心配されるが、実際には、このような接触が生じないように充分なスペースが確保されている。
【0055】
ところで、本実施例にあっては、ボビンケース把持手段は、エアーシリンダ18により、ボビンケース着脱位置(釜位置)Aと反釜側に移動した退避位置とに移動可能である。そして、該退避位置(図18乃至図20参照)で、原点位置を検索する。従って、一方のボビンケース把持手段を釜1に対向する退避位置に移動した後回動させ、発光素子31aと受光素子31bとの間をセンサ板32が遮蔽するように、搬送軸4に対してセンサ固定板33を固定すれば、回動モータ20として例えばパルスモータを用いた場合には、該パルスモータのパルス数をカウントすることによって、該ボビンケース把持手段を、上記釜位置A、下糸巻回位置F、残糸除去位置C、ダミー位置D,Eに、回動制御することができる。
【0056】
また、上記下糸自動供給装置には操作パネル252が付設されており(図1参照)、この操作パネル252には、電源スイッチ252a、操作スイッチ252b、下糸量設定手段としての設定スイッチ252cが付設されている。電源スイッチ252aはメイン電源をオンオフするものである。操作スイッチ252bは、メイン電源をオン後に下糸自動供給装置を自動スタートしたり、この自動スタートをしない時に手動で下糸自動供給装置のスタートを行ったり、下糸自動供給装置の動作時に手動で下糸自動供給装置の停止を行うものであり、さらに後述の切換手段263に切換え信号を入力する機能も備えている。設定スイッチ252cはディップスイッチ、コードスイッチ等よりなり、これらによって糸番手、糸巻取り長さを入力できるようになっている。このうち、糸巻取り長さの設定に関しては、大まかで大きめの値の設定が可能となっている(詳しくは後述)。
【0057】
上記ドライバ147,148,149,180,181、電磁弁250,168、カウンタ145,146、フォトセンサ160、電源スイッチ252a、操作スイッチ252b、設定スイッチ252c及びミシン本体251には、図1及び図2に示されるように、下糸自動供給装置制御手段(CPU)255が接続されている。
【0058】
この下糸自動供給装置制御手段255は、図2に示されるように、カウンタ145からの下糸巻回時のボビン回転数(下糸巻回長さに対応)及びフォトセンサ160から出力されるパルスを監視しながら下糸巻回装置140の駆動・停止を制御する(勿論速度制御も含む)信号をドライバ147,180,181、電磁弁168に送出する下糸巻回装置制御手段260(詳しくは後述)と、カウンタ146からの残糸除去時のボビン回転数(残糸長さに対応)を監視しながら残糸除去装置141の駆動・停止を制御する信号をドライバ148に送出する残糸除去装置制御手段262と、カウンタ145からの下糸巻回時のボビン回転数(下糸巻回長さに対応)及びカウンタ146からの残糸除去時のボビン回転数(残糸長さに対応)に基づいて、(下糸巻回時のボビン回転数)−(残糸除去時のボビン回転数)という演算を行うことにより次回の縫製に必要な下糸量(今回の実際の下糸消費量;次回の下糸巻回時のボビン回転数)を算出すると共に、この次回の縫製に必要な下糸量(次回の下糸巻回時のボビン回転数;設定下糸巻回量)を、ボビンに巻回するよう下糸巻回装置制御手段260に信号として送出する演算手段264と、を備えている。
【0059】
下糸自動供給装置制御手段255は、さらに設定スイッチ252cからの入力に従って、設定された糸巻取り長さをボビンの回転数に換算する回転数換算手段265を備えており、この下糸設定回転数と上記次回の下糸巻回時のボビン回転数とを切換えて下糸巻回装置制御手段260に送出する切換手段263を備えている。この切換手段263による切換えは、例えば電源スイッチ252a、操作スイッチ252bからの入力に従って行われる。すなわち、電源スイッチ252aのオン時には実際の縫製を未だしておらず次回の下糸巻回時のボビン回転数が算出されていないので、下糸設定回転数が下糸巻回装置制御手段260に送出されるよう切換えがなされる。但し、下糸巻回装置制御手段260からの信号により2番目または3番目のボビンに対しては次回の下糸巻回時のボビン回転数が下糸巻回装置制御手段260に送出されるよう切換えがなされる(詳しくは後述)。また、操作スイッチ252bによる縫製パターン変更時も同様に、下糸設定回転数が下糸巻回装置制御手段260に送出されるよう切換えがなされる。
【0060】
さらにまた、下糸自動供給装置制御手段255は、ボビン交換装置の駆動・停止を制御する信号をドライバ149及び電磁弁250に送出するボビン交換装置制御手段261と、電源スイッチ252a、操作スイッチ252bからの入力信号に従って、ミシン本体251を制御する(例えば動作禁止・許可信号を送出し、縫製終了信号を受信する)ミシン制御手段266と、を備えている。
【0061】
ところで、上記下糸巻回装置制御手段260は、図3に示されるように、上記繰り出しモータM3の駆動を制御する信号(オン・オフ信号)をドライバ180に送出する繰り出しモータ制御手段260dと、上記ノズル退避ソレノイド169の駆動を制御する信号(オン・オフ信号)をドライバ181に送出する退避ソレノイド制御手段260cと、上記電磁弁168に制御信号(オン・オフ信号)を送出する電磁弁制御手段260eと、を備えている。また、下糸巻回装置制御手段260は、フォトセンサ160からの信号に基づいてボビン軸への下糸の絡み付きを判定する絡み付き判定手段260bを備えている(絡み付きの判定については後述)。ここで、フォトセンサ160及び絡み付き判定手段260bにより下糸巻回装置のボビン軸への絡み付きを検出する下糸絡み付き検出手段が構成されている。さらにまた、下糸巻回装置制御手段260は、この絡み付き判定手段260b及びカウンタ145並びに上記切換手段263からの信号に基づいてボビン駆動モータM1の駆動を制御する信号をドライバ147に送出する駆動制御手段260aを備えている。
【0062】
該駆動制御手段260aは、下糸巻回すべきボビンケースが下糸巻回装置140にセットされたという信号(詳しくはクラッチ機構150aにボビン7のクラッチ孔7aが連結されたという信号)をボビン交換装置制御手段261から受けると、上記ドライバ147に低速駆動信号を送出するようになっている。また、所定時間経過後に、上記退避ソレノイド制御手段260cに駆動を開始させる信号を、電磁弁制御手段260eに駆動を開始させる信号をそれぞれ送出し、さらに所定時間経過後に、上記繰り出しモータ制御手段260dに駆動を開始させる信号を送出するようになっている。また、上記絡み付き判定手段260aから下糸がボビン軸に絡み付いたという信号を受けると、上記ドライバ147に低速駆動から加速して高速駆動にする信号を送出するようになっていると共にボビンに巻回されている下糸巻回量のカウントを開始するようになっている。この時、上記退避ソレノイド制御手段260cに駆動を停止させる信号を、電磁弁制御手段260eに駆動を停止させる信号をそれぞれ送出するようになっている。なお、繰り出しモータ制御手段260dは規定ステップ後に停止信号を送出するようになっている(図4(a)参照)。
【0063】
ここで、絡み付き判定手段260aから下糸がボビン軸に絡み付いたという信号を受信しない場合には、駆動制御手段260aは、規定ステップ後に停止された繰り出しモータM3を再駆動すべく繰り出しモータ制御手段260dに再駆動信号を送出するようになっている。また、退避ソレノイド制御手段260c及び電磁弁制御手段260e並びにドライバ147に対してはそのまま動作を続行させる信号を送出するようになっている。
【0064】
また、駆動制御手段260aは、切換手段263からの信号(設定下糸巻回量)に基づいて、カウンタ145からの信号を監視しながら、すなわち実際に巻回されている下糸量を監視しながら、設定下糸巻回量の所定量手前となったらドライバ147に高速駆動から減速して低速駆動にする信号を送出するようになっている。また、設定下糸巻回量となったらドライバ147に停止信号を送出するようになっている。なお、本実施例にあっては、ボビン駆動モータM1として例えばステッピングモータを用いているので、上記加減速はパルスレイトを変えることによりなされるようになっている。勿論、ステッピングモータをDCモータに代えても同様な加減速制御を行うことができる。
【0065】
上記下糸自動供給装置制御手段255には、処理手順をプログラム及び固定データの形で格納するROM253、演算に使用するデータや演算結果等を一時的に記憶するRAM254が接続されている。ROM253に書き込まれたプログラムをフローチャートで示すと図5乃至図9のようになる。
【0066】
以下、プログラムに従い本装置の動作を説明する。プログラムがスタートし、先ず、電源スイッチ252aが投入されると、ステップ1において、ミシン本体251に動作禁止指令を出す。これは、釜1からボビンケース2を取り出す際に、誤ってペダルを踏んだりしてミシンが作動するのを防止するためである。次いで、ステップ2へ進み、ステップ2において、下糸自動供給装置の初期化を行う。
【0067】
ここでは、現在の状態(前回の電源スイッチ252aオフ時の状態)を検出し、若し釜1にボビンケース2が入っている状態であれば、該ボビンケース2を釜1から取り出し、その後残糸除去し、また下糸巻回途中の状態であれば、下糸を切断し、その後残糸除去する。すなわち、ボビンケース2を下糸が巻回されていない状態とする。これらボビンケース2の釜1に対する着脱動作、下糸巻回動作、残糸除去動作に関しては後述する。また、切換手段263により、下糸自動供給装置制御手段255の接続を設定スイッチ252c側に切換える。
【0068】
そして、ステップ3へ進み、ステップ3において、ボビン交換装置142の回動アーム70を回動して、把持されたボビンケースを待機位置で待機させる。この待機位置は何処であっても構わない。なお、説明の都合上、待機しているボビンをボビンX、他方のボビンをボビンYとする。そして、この時、下糸自動供給装置全体も待機状態となる。次いで、ステップ4に進み、ステップ4において、下糸自動供給装置を電源オン後に自動でスタートさせる自動スタートモードが選択されているか否かを判定する。この自動スタートモードは、操作スイッチ252bの自動スタートスイッチのオンにより選択されるモードであり、電源が投入される度にそのまま選択されるようになっている。また、この自動スタートモードの解除は、自動スタートスイッチをオフした場合になされるようになっている。そして、自動スタートモードが選択されていない場合にはステップ5に進み、ステップ5において、下糸自動供給装置をマニュアル(手動)でスタートさせるマニュアルスタートスイッチをオンしたか否かを判定し、オンしていない場合にはステップ5aに進み、ステップ5aにおいて、ミシン本体251にミシン動作を許可する信号を送出してステップ5にリターンし、マニュアルスタートスイッチがオンされるまで同様な動作を繰り返す。従って、この待機状態にあっては、オペレーターは手作業でボビンを交換し、縫製を行うことになる。一方、ステップ5において、マニュアルスタートスイッチをオンしたと判定した場合には、ステップ5bに進み、ステップ5bにおいて、ミシン本体251にミシン動作を禁止する信号を送出してステップ6へ進む。
【0069】
また、ステップ4において、自動スタートモードが選択されたと判定した場合にもステップ6へ進み、ステップ6において、設定スイッチ252cから入力される糸番手、糸巻取り長さLmを読み込んでステップ7に進み、ステップ7において、設定された糸巻取り長さLmを繰り出しローラ154の回転数に換算する。すなわち、糸巻取り長さLmをボビンに巻回するには繰り出しローラ154を何回転させれば良いかという、その回転数Rmを算出する。
【0070】
そして、ステップ8へ進み、ステップ8において、一方のボビンXを下糸巻回位置Fへ搬送してステップ9へ進み、ステップ9において、ボビンXに下糸を巻回する。
【0071】
この巻回動作の手順を詳細に表したのが図8である。先ず、ステップ1に進む前に、繰り出しローラ154に、糸巻き200、糸張力可変手段204からの下糸99を1巻きすると共に、この1巻きした下糸を緩み取りレバー162の孔に通しておく。この時点で、糸張力可変手段204のスイッチSWをオンにし、上記ソレノイド推力を最大限に発生させて下糸張力を最小とする。次いで、この下糸99の糸端を糸吸引器165の吸引孔165aに挿入し、少々押し込む。次いで、回動アーム70の回転により下糸巻回位置Fに至ったボビンケース2を該回動アーム70の前進動作により前進させると共にボビン駆動モータM1を一時駆動して、クラッチ機構50aとボビンXとを連結する。
【0072】
そして、ステップ1において、ボビン駆動モータM1を低速駆動しボビンXを低速回転させる(図4参照)。次いで、ステップ2に進み、ステップ2において、電磁弁168をオンし、エアーチューブ166,167にエアー源からのエアーを流し、吸引孔165aに挿入し押し込まれていた下糸99を、エアーの流れによってエアーノズル167aに導いてその糸端を該エアーノズル167aより露出させる。次いで、ステップ3へ進み、ステップ3において、ノズル退避ソレノイド169をオンし、エアーノズル167aをボビンケース2の開口部2Aに向わせる。次いで、ステップ4に進み、ステップ4において、繰り出しモータM3をオンし、下糸99を繰り出す。すると、ボビンケース2内に導かれた下糸99はボビン軸に絡み付く。
【0073】
次いで、ステップ5に進み、ステップ5において、繰り出しモータM3が規定ステップに達したか否かを判定し、達していない場合には達するまで同様な判定を繰り返し、達した場合にはステップ6に進み、ステップ6において、繰り出しモータM3をオフしてステップ7へ進み、ステップ7において、フォトセンサ160からの回転検出信号に従って、下糸99がボビン軸に絡み付いたか否かを判定する。
【0074】
すなわち、ステップ6において、繰り出しモータM3をオフしていることから、下糸がボビン軸に絡み付いていない場合には、フォトセンサ160からはパルスが出力されないが、下糸がボビン軸に絡み付いた場合には、繰り出しローラ154が回転しフォトセンサ160からはパルスが出力される。従って、繰り出しモータM3をオフ後にフォトセンサ160からパルスが出力されたら、下糸99がボビン軸に絡み付いたと判定できる。また、繰り出しモータM3をオフしていることから、ワンウェイクラッチ157により、該繰り出しモータM3の出力軸156の回転は繰り出しローラ軸155に対して遮断され、繰り出しローラ154は以降ボビン駆動モータM1の回転速度で駆動される。
【0075】
そして、ステップ7において、下糸99がボビン軸に絡み付いていない場合には、ステップ4にリターンし、繰り出しモータM3を再駆動すると共に、ノズル退避ソレノイド169のオン及び電磁弁168のオンを、そのまま続行させる(図4(a)〜(c)の点線部参照)。すなわち、リトライ動作を行わせる。
【0076】
そして、ステップ7において、下糸99がボビン軸に絡み付いたと判定された場合には、ステップ8に進み、ステップ8において、ノズル退避ソレノイド169をオフしエアーノズル167aをボビンケース2の開口部2Aから退避させると共に、電磁弁168をオフしてステップ9へ進み、ステップ9において、図4(d)に示されるように、ボビン駆動モータM1を低速から加速して高速(上記リトライ動作をした場合には図4(d)の点線部参照)にして下糸をボビン軸に巻回していく。
【0077】
そして、ステップ10に進み、ステップ10において、繰り出しローラ154の回転計数(実際にボビンに巻回されている下糸巻回量)RM≧設定回転計数(設定した下糸巻回量)Rm−10回転か否かを判定する。ここで、繰り出しローラ154の回転は、上述のように、フォトセンサ160により検出され、該フォトセンサ160のパルス出力をカウンタ145により計数していることから、実際にボビンXに巻回されている下糸巻回量(回転計数RM)が判るようになっている。また、ボビンXに巻回されている下糸巻回量に対応する回転計数RMは、下糸のボビン軸への絡み付きを検出してからカウントがなされるようになっている。
【0078】
そして、ステップ10において、RM<Rm−10と判定された場合には、RM≧Rm−10となるまで同様な判定を繰り返し、RM≧Rm−10と判定された場合にはステップ11に進み、ステップ11において、図4(d)に示されるように、ボビン駆動モータM1を高速から減速して低速にし、この低速駆動を続行する。
【0079】
そして、ステップ12に進み、ステップ12において、実際の回転計数RM=設定回転計数Rmか否かを判定し、RM<Rmの場合にはRM=Rmとなるまで同様な判定を繰り返し、RM=Rmと判定された場合にはステップ13に進み、ステップ13において、ボビン駆動モータM1を停止する。すなわち、設定スイッチ152cから入力された糸巻取り長さLmがボビンXに巻回されることになる。
【0080】
このようにボビン7への下糸99の巻回動作が自動的になされたら、糸張力可変手段204のスイッチSWをオフにし、上記ソレノイド推力をなくして下糸張力を最大にした状態で、該ボビンケース2の開口部2Aより導出する下糸99をボビンケースに自動的に糸掛し、この糸掛け動作が終わったら、糸張力可変手段204のスイッチSWをオンし、上記ソレノイド推力を最大限に発生させて下糸張力を最小とした状態で、下糸張力ばね下から導出する下糸を所定量残した切断を自動的に行う。
【0081】
このボビンケース2への糸掛け機構及び糸掛けのなされた下糸の切断機構に関しては、例えば特開平5−192476号公報や特願平4−18868号明細書等に記載の機構を適宜採用できるが、本願発明要旨とは直接関係ないので、ここでの説明は省略する。
【0082】
そして、この下糸切断動作が自動になされたら、図5に示されるステップ10に進み、ステップ10において、回動アーム70を回転すると共に釜側に前進させ、ボビンケース把持手段によりボビンXを釜内に装着してステップ11へ進み、ステップ11において、ミシン本体251の動作を許可する。すなわち、縫製が可能な状態となって縫製が開始される。
【0083】
次いで、ステップ12へ進み、ステップ12において、釜内のボビンXを用いた縫製中に、回動アーム70を後退させると共に回転し、他方のボビンYを下糸巻回位置Fへ搬送してステップ13へ進み、ステップ13において、ボビンYに下糸を巻回する。このボビンYへの下糸巻回動作は、上記ボビンXと同様に、図8に示されるフローに従って行われる。この時の糸巻取り長さはボビンXと同様にLmである。
【0084】
このようにして、ボビンYに下糸が巻回されたらステップ14へ進み、ステップ14において、ボビンXに対する縫製が終了したか否かを、例えばミシン251の糸切り信号等により判定し、ボビンXに対する縫製が終了していない場合には終了するまで同様な判定を繰り返し、ボビンXに対する縫製が終了した場合にはステップ15へ進み、ステップ15において、ミシン動作を禁止してステップ16へ進み、ステップ16において、回動アーム70を回転すると共に釜側に前進させ、ボビンケース把持手段により、釜内の残糸のあるボビンXを回動アーム70の一端に保持し、回動アーム70を後退させる。
【0085】
次いで、ステップ17へ進み、ステップ17において、下糸自動供給装置をマニュアル(手動)でストップさせるマニュアルストップスイッチをオンしたか否かを判定し、マニュアルストップスイッチがオンされた場合には、ステップ18に進み、ステップ18において、ミシン本体251にミシン動作を許可する信号を送出してステップ17にリターンし、マニュアルストップスイッチがクリアされるまで同様な動作を繰り返す。従って、この待機状態にあっては、オペレーターは手作業で下糸を巻回したボビンを釜に装着し、縫製を行うことになる。一方、ステップ17において、マニュアルストップスイッチがオンされていないと判定した場合には、ステップ17aに進み、ステップ17aにおいて、ミシン本体251にミシン動作を禁止する信号を再度送出してステップ19へ進み、ステップ19において、回動アーム70を回転すると共に釜側に前進させ、ボビンケース把持手段により、ボビンYを釜内に装着してステップ20へ進み、ステップ20において、ミシン本体251の動作を許可し、縫製を開始する。
【0086】
そして、ステップ21へ進み、ステップ21において、回動アーム70をガイド軸4の後退位置に後退すると共に回転し、回動アーム70の一端に保持している残糸付きボビンXを残糸除去位置Cへ進ませて、ステップ22へ進み、ステップ22において、ボビンXの残糸を除去する。
【0087】
この残糸除去動作の手順を詳細に表したのが図9であり、先ず、ステップ1において、残糸除去モータM2を駆動しボビンXに残っている残糸の巻取を開始してステップ2へ進み、ステップ2において、ボビンXの残糸が除去されているか否かを判定する。この判定は、ボビンXの残糸が除去されてしまうとボビンXの回転が停止し、反射型光センサ144からパルス波が出力されなくなることによりなされる。
【0088】
そして、ステップ2において、パルス波が出力されている場合には残糸除去中としてパルス波が出力されなくなるまで同様な判定を繰り返し、一方パルス波が出力されなくなった場合には残糸除去が完了したとしてステップ3へ進み、ステップ3において、残糸除去モータM2の駆動を停止してステップ4へ進み、ステップ4において、反射型光センサ144及びカウンタ146によって検出されるボビンXの残糸除去時の回転数(残糸除去量)Rzを記憶して、図9に示される残糸除去処理のフローを終了する。
【0089】
そして、図6に示されるメインフローのステップ23へ進み、ステップ23において、ボビンXの残糸除去時の回転数(残糸除去量)Rzを残糸長さLzに換算してステップ24へ進み、ステップ24において、ボビンXを用いての実際の縫製による下糸消費長さ(下糸消費量)Lsを、Ls=Lm−Lzから算出してステップ25へ進み、ステップ25において、次回の縫製に必要な下糸量(ボビン回転数に対応)Lm=Ls+Lz(min)から算出する。ここで、Lsはステップ24において算出された値であり、Lz(min)は、残糸除去装置141の挟持部材による挟持に必要とされるボビンケース2から導出する下糸長さであり、このように、Lz(min)を、次回の縫製に必要な下糸量Lmに加味すると、さらにその下糸巻回量Lmの精度を向上することができる。
【0090】
そして、ステップ26へ進み、ステップ26において、次回の縫製に必要な下糸量Lmを、上記繰り出しモータM3の回転数Rmに換算してステップ27へ進み、ステップ27において、回動アーム70を回転し、残糸の除去された空ボビンXを下糸巻回位置Fへ進ませる。そうしたら、ステップ28へ進み、ステップ28において、下糸巻回装置140によって空ボビンXに下糸を巻回する。このボビンXへの下糸巻回動作は、上記と同様に、図8に示されるフローに従って行われる。この時の糸巻取り長さはステップ25にて算出された値Lmである。
【0091】
そして、ステップ29〜ステップ43の処理を行うが、このステップ29〜ステップ43の処理は、ステップ14〜ステップ28において行った処理をボビンX,Yを入れ換えて行うようにしたものなので、ここでの説明は省略する。そして、ステップ43の処理が終わったら、ステップ14へリターンする。
【0092】
ところで、上記装置にあっても、先ず最初にボビンケース把持手段にボビンケース2を装着するには手作業が必要となる。このような場合にあっては、先ず、回動アーム側から手を差し込んで、下糸巻回済みのボビンを収容したボビンケースを、釜軸1aに装着するのと同様に、手の平を返すことなくダミー軸6,6に押し込んで、各々のボビンケースをそれぞれダミー軸6,6に装着する。
【0093】
次いで、電源スイッチがオンされたら、回動アーム70を原点位置に復帰させ、スタートスイッチのオンにより、回動アーム70を回動させて一方のボビンケース把持手段をダミー位置DまたはEに対向させる。そして、該回動アーム70を前進させて、該ダミー軸6に保持されている下糸巻回済みのボビンを収容したボビンケースを一方のボビンケース把持手段に把持させることにより、ボビンケース把持手段にボビンケースを装着できるようになっている。
【0094】
また、ボビンケース把持手段に把持されているボビンケースを取り出す場合若しくは色違いの下糸を使用するためにボビンケースを一時的にダミー軸6に保持させておく場合にあっては、ボビンケースを把持したボビンケース把持手段をダミー軸6に対向させると共に、前進させれば、該ボビンケース把持手段に把持されていたボビンケースをダミー軸6に受け渡すことができる。また、ボビンケースを取り出す場合には、釜軸1aからボビンケースを取り出すのと同様に、回動アーム側から手を差し込めば、手の平を返すことなくダミー軸6に保持されているボビンケースを取り出すことができる。
【0095】
すなわち、本実施例にあっては、ダミー軸6を設けることにより、ボビンケース把持手段に対するボビンケース2の脱着をする際に、ダミー軸6に対してボビンケース2を手の平を返すことなく脱着でき、ボビンケース把持手段に対するボビンケース2の着脱を容易に行い得るようになっている。
【0096】
このように、本実施例においては、駆動制御手段260aによりボビン駆動モータM1の駆動を制御し高速で駆動してボビンに下糸を巻回し、このボビンに巻回される下糸量を下糸量検出手段(フォトセンサ160及びカウンタ145)により検出し設定下糸巻回量(Rm)の所定量手前(−10回転)を検出すると、駆動制御手段260aによりボビン駆動モータM1の駆動を制御し駆動速度を低速に落として、設定下糸巻回量(Rm)となったら停止し、下糸巻回量(RM)が設定した下糸巻回量(Rm)をオーバーしないよう構成しているので、設定した下糸巻回量(Rm)を確実にボビンに巻回することが可能となっている。なお、ボビン駆動モータM1の駆動速度を低速に落とす際に減速しなくとも本効果を得ることができる。
【0097】
また、駆動制御手段260aによりボビン駆動モータM1の駆動を制御し高速で駆動してボビンに下糸を巻回し、高速から低速への移行を減速して行い、ボビン軸への供給糸が暴れないよう構成しているので、下糸供給経路中での糸絡みを防止することが可能となっている。
【0098】
また、駆動制御手段260aによりボビン駆動モータM1を低速駆動しこの低速駆動により低速回転するボビン軸と下糸絡み付け手段との共働によって、挿入手段によりボビンケース2の開口部2Aよりボビンケース内に挿入した下糸をボビン軸に絡み付かせ、この下糸のボビン軸への絡み付きを下糸絡み付き検出手段(フォトセンサ160及び絡み付き判定手段260b)が検出したら、駆動制御手段260aによりボビン駆動モータM1を高速駆動しボビン軸を高速回転して該ボビン軸への下糸巻回を行い、ボビン軸への下糸の絡み付きを検出するまではボビン軸を高速回転しないよう構成しているので、ボビン軸への下糸巻回の信頼性を向上することが可能となっている。なお、ボビン駆動モータM1の駆動速度を高速に上げる際に加速しなくとも本効果を得ることができる。
【0099】
また、駆動制御手段260aによるボビン駆動モータM1の低速駆動から高速駆動への移行を加速して行い、ボビン軸への供給糸が暴れないよう構成しているので、下糸供給経路中での糸絡みを防止することが可能となっている。
【0100】
また、下糸絡み付き検出手段(フォトセンサ160及び絡み付き判定手段260b)により下糸のボビン軸への絡み付きを検出しないと、下糸のボビン軸への絡み付きに必要な動作を再度またはそのまま行い、この動作により下糸のボビン軸への絡み付きの可能性を高めるよう構成しているので、信頼性をさらに向上することが可能となっている。
【0101】
さらにまた、本実施例の装置によれば以下の効果もある。すなわち、繰り出し機構140Fにより糸巻き200から繰り出された下糸99を、エアー案内手段140Gによりボビンケース開口部2Aに案内し、このボビンケース開口部2Aに案内した下糸99を、繰り出し機構140Fによりさらに糸巻き200から繰り出すと共に、エアー案内手段140Gのエアーによりボビンケース2内に送り込み、ボビン駆動手段140Eによるボビン低速回転に伴って、ボビン軸に確実に絡み付かせるよう構成しているので、ボビンケース2外に下糸が出ることがなく、良好な縫い目が形成できると共に上糸切れの発生の畏れがなくなり、しかも糸端外れやボビン軸以外のものへの巻回がなくなって、手動復帰の畏れがなくなり、信頼性を向上することが可能となっている。
【0102】
また、実際に巻回されている下糸巻回量を、ボビン軸への絡み付き以降のものとすると共にボビン回転によるものではなく繰り出しローラ154の回転に基づくものとするよう構成しているので、糸番手に拘らずボビン7の下糸巻回量を正確に把握することが可能となっている。また、ワンウェイクラッチ157により下糸巻回時に繰り出しモータ手段M3の負荷をボビン駆動モータM1にかからないよう構成しているので、縫い品質に影響を与えることがなく、信頼性を向上することが可能となっている。
【0103】
また、残糸除去装置141によりボビン7の残糸を除去し、この残糸量を反射型光センサ144及びカウンタ146により検出し、この残糸量及びボビンに巻回された下糸量に基づいて、演算手段264により次回の縫製に必要な下糸量を演算し、この次回の縫製に必要な下糸量を下糸巻回装置制御手段260に送出し、この下糸巻回装置制御手段260により下糸巻回装置140を駆動し、ボビン7に巻回される下糸量を反射型光センサ160及びカウンタ145により検出して、ボビン7に巻回される下糸量が次回の縫製に必要な下糸量に一致したら、下糸巻回装置制御手段260により下糸巻回装置140の駆動を停止し、実際の下糸消費量を次回の縫製に必要な下糸量としてボビンに巻回するよう構成しているので、通常のミシンのみならず1縫製中の縫製ピッチが一定とはならずに変化するようなミシンに対しても、ボビンの下糸の使い残しを最小限に抑えることが可能となっている。また、このように、実際の下糸消費量を次回の縫製に必要な下糸量としてボビンに巻回するようにしているので、縫製回数を予め設定する必要がなくなっている。
【0104】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例えば、上記実施例においては、Rm−10回転で高速から低速に落とすようにしているが、10回転に限定されるものではない。また、ボビン駆動モータM1を高速から低速に落とし低速で定速回転後に停止するようにしているが、図4()に仮想線で示されるように、高速から低速の定速回転域を設けずに減速していって設定回転下糸巻回量で速度が0になるように制御しても良い。
【0105】
また、上記実施例にあっては、繰り出し機構140F及びエアー案内手段140Gにより、糸巻き200からの下糸の先端をボビンケース2の開口部2Aよりボビンケース内に挿入し、これら繰り出し機構140F及びエアー案内手段140Gとボビン駆動機構140Eとの共働によって、挿入された下糸をボビン軸に絡み付かせるように構成しているが、このような下糸のボビンケース内への挿入及びこの挿入された下糸のボビン軸への絡み付きを、例えば先行技術で説明した構成に代えることも可能である。すなわち、下糸供給源から供給された下糸を、下糸張り渡し部材により、ボビンケースの開口部の外方で且つボビン軸の軸心方向に沿って張り渡して保持し、この張り渡された下糸を、腕部材により、ボビンケースの開口部に介挿してボビン軸の外周近傍まで挿入し、記ボビン軸の外周近傍まで挿入され張り渡されている下糸を、巻き取りモータの低速回転に従って、ボビン軸の外周に突出形成した鍵状の糸掛け部材の鍵状部分に引っ掛けて、ボビン軸の糸掛け部材後方の外周に形成され糸端側の溝深さが下糸供給側のそれより深く形成された環状溝内に侵入させ、糸端側の糸を供給側の糸より下側にして重ね合わせていき、その結果下糸をボビン軸に絡み付かせる構成に代えることも可能である。
【0106】
また、上記実施例においては、下糸巻回量の精度を向上すべく、実際の下糸巻回量を繰り出しローラ154の回転により検出しているが、精度は落ちるが、例えばボビン駆動モータM1にエンコーダ等の回転検出装置を設けボビン回転による下糸巻回量を検出するようにしても良い。また、このボビン回転により検出された下糸巻回量に対して例えば演算手段等により補正(例えば巻回径が大きくなると回転数は同じでも巻回長さが長くなるというような補正)を施すことにより、精度を上げることも可能である。
【0107】
さらにまた、上記実施例においては、2番目以降のボビンに対して、演算手段264にて演算された下糸量を設定下糸巻回量として巻回するようにしているが、外部入力により設定された下糸量を常時巻回するようにしても良い。
【0110】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項の下糸巻回装置によれば、駆動制御手段によりボビン駆動手段を低速駆動しこの低速駆動により低速回転するボビン軸と下糸絡み付け手段との共働によって、挿入手段によりボビンケースの開口部よりボビンケース内に挿入した下糸をボビン軸に絡み付かせ、この下糸のボビン軸への絡み付きを下糸絡み付き検出手段が検出したら、駆動制御手段によりボビン駆動手段を高速駆動しボビン軸を高速回転して該ボビン軸への下糸巻回を行い、ボビン軸への下糸の絡み付きを検出するまではボビン軸を高速回転しないよう構成したものであるから、ボビン軸への下糸巻回の信頼性を向上することが可能となる。
【0111】
また、請求項の下糸巻回装置によれば、請求項に加えて、駆動制御手段によるボビン駆動手段の低速駆動から高速駆動への移行を加速して行い、ボビン軸への供給糸が暴れないよう構成したものであるから、下糸供給経路中での糸絡みを防止することが可能となる。
【0112】
また、請求項の下糸巻回装置によれば、下糸絡み付き検出手段により下糸のボビン軸への絡み付きを検出しないと、下糸のボビン軸への絡み付きに必要なリトライ動作を行い、このリトライ動作により下糸のボビン軸への絡み付きの可能性を高めるよう構成したものであるから、請求項に比して信頼性をさらに向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるボビンの下糸巻回装置を適用した下糸自動供給装置の全体構成図である。
【図2】図1のCPU内の構成を具体的に表した制御ブロック図である。
【図3】図2の下糸巻回装置制御手段の構成を具体的に表した制御ブロック図である。
【図4】同上下糸巻回装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】同上下糸自動供給装置の動作手順を表したフローチャートである。
【図6】図5に続くフローチャートである。
【図7】図6に続くフローチャートである。
【図8】同上下糸自動供給装置の動作手順内の下糸巻回処理を具体的に表したフローチャートである。
【図9】同上下糸自動供給装置の動作手順内の残糸除去処理を具体的に表したフローチャートである。
【図10】同上下糸巻回装置の斜視図である。
【図11】図10の繰り出し機構の正面図である。
【図12】図10の繰り出し機構の側面図である。
【図13】同上下糸巻回装置に適用された糸張力可変手段の正面図である。
【図14】図10の下糸吸引器の横断面図である。
【図15】本実施例に用いられるボビンの回転検出手段側の正面図である。
【図16】同上回転検出手段からボビン回転時に出力される波形図である。
【図17】同上下糸自動供給装置に用いられているボビン交換装置の正面図である。
【図18】同上ボビン交換装置の平面図である。
【図19】同上ボビン交換装置の左側面図である。
【図20】同上ボビン交換装置の右側面図である。
【図21】同上ボビン交換装置のダミーポジション及びダミー軸を説明するための概略正面図である。
【図22】同上ボビン交換装置のダミーポジション及びダミー軸を説明するための概略側面図である。
【符号の説明】
2 ボビンケース
2A ボビンケースの開口部
7 ボビン
99 下糸
140E,140F,140G 下糸絡み付け手段
140F,140G 挿入手段
145,160 下糸量検出手段
160,260b 下糸絡み付き検出手段
200 下糸供給源
260a 駆動制御手段
M1 ボビン駆動手段

Claims (3)

  1. ボビンケース内に収容されたボビンを回転させるボビン駆動手段と、
    このボビン駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段と、
    下糸供給源からの下糸を前記ボビンケース内に挿入する挿入手段と、
    前記駆動制御手段により低速回転するボビンとの共働によって、前記挿入手段によりボビンケース内に挿入された下糸の上記ボビン軸への絡み付きを検出する下糸絡み付き検出手段と、を具備した下糸巻回装置において、
    上記下糸絡み付き検出手段により下糸のボビン軸への絡み付きを検出したら、前記駆動制御手段によりボビン駆動手段を高速駆動しボビン軸を高速回転させて該ボビン軸への下糸巻回を行うようにしたことを特徴とする下糸巻回装置。
  2. 請求項記載の下糸巻回装置において、
    駆動制御手段は、下糸絡み付き検出手段により下糸のボビン軸への絡み付きを検出したら、ボビン駆動手段の駆動速度を低速から加速して高速にするよう制御することを特徴とする下糸巻回装置。
  3. 請求項記載の下糸巻回装置において、
    前記下糸絡み付き検出手段により下糸のボビン軸への絡み付きが検出されない場合には、下糸のボビン軸への絡み付きに必要なリトライ動作を行わせることを特徴とする下糸巻回装置。
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