JP4004529B1 - 加熱調理器用ガラストッププレート - Google Patents

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Abstract

【課題】表面に付着した汚れを容易に除去することが可能であり、かつ、耐摩耗性及び耐熱性に優れ、透明で外観を損なわないコーティング層を有する加熱調理器用ガラストッププレートを提供すること。
【解決手段】低膨張結晶化ガラス板よりなる基板ガラス2の調理面21にコーティング層3を積層してなる調理器用のガラストッププレート1である。コーティング層3は、Zrと、Bi、Sn、Inのうち1種以上とを主成分とする。コーティング層3は、Zrの金属レジネートと、Bi、Sn、Inのうち一種以上の金属レジネートと、有機樹脂とからなるペーストを上記基板ガラス2に塗布し、500〜900℃で焼成することにより形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱調理器用のガラストッププレートに関する。
従来より、電磁調理器やガス調理器などの調理器の上部には、ガラス板よりなる調理器用ガラストッププレートが設置されている。この調理器用ガラストッププレートには、鍋などの被加熱物が設置され、該被加熱物は調理器内部の加熱装置により加熱調理できる。特に、電磁調理器は、安全性が高いため、近年ますますその需要が増加する傾向にあり、それに伴い調理器用ガラストッププレートの需要も増大している。
このような調理器用ガラストッププレートとしては、防汚性を高めるために、防汚膜に関する技術(特許文献1〜4)が報告されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、シロキサン結合からなる膜であるため、鍋やフライパン等の調理器具との摩擦により比較的短時間で膜が剥離するおそれがあった。また、水の影響を受け易いため、無水雰囲気下での成膜が必要であり、作業環境が限定される等の問題があった。
また、上記特許文献2に記載の技術は、コーティング後の焼成温度が100〜700℃と低いため、軟化点が900℃以上のガラス基板上に膜を形成した場合、融剤成分を含んでいないため、膜と基板との反応が不十分になる可能性があり、膜そのもののガラス基板との密着強度が弱く、鉄鍋やステンレス鍋等の摩耗で容易に剥離してしまうおそれがあった。また、水溶性ジルコニウム化合物および酸化ジルコニウムゾルを用いてスクリーン印刷法で印刷を実施した場合、溶液の粘度が低すぎるために、均一な印刷膜が形成し難く、乾燥工程中に印刷したコーティング液が流動して不均一な膜になる可能性があるばかりでなく、連続印刷性に劣るという問題点があった。
また、上記特許文献3に記載の技術は、フッ素化合物を主成分とするため、耐熱性が乏しく500℃を超えた場合、変色する可能性があった。また、研磨剤入り洗剤や金属たわしで擦ったり、磨いたりした場合に、傷がつきやすいという問題があった。
また、上記特許文献4に記載の技術は、ゾルゲル法、スプレー法、CVD法で膜を作製する技術であるが、透明なガラス板に膜を形成する場合は問題ないが、例えば、意匠性を有する電磁調理器用のガラス板に応用した場合、連続作業性に欠け、コスト高になる欠点があった。
特開2006−8420号公報 特開2005−321108号公報 特開2003−51374号公報 特開2000−86297号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、表面に付着した汚れを容易に除去することが可能であり、かつ、耐摩耗性及び耐熱性に優れ、透明で外観を損なわないコーティング層を有する加熱調理器用ガラストッププレートを提供しようとするものである。
本発明は低膨張結晶化ガラス板よりなる基板ガラスの調理面にコーティング層を積層してなる調理器用のガラストッププレートであって、
上記コーティング層は、Zrの金属レジネートと、Bi、Sn、Inのうち一種以上の金属レジネートと、有機樹脂とからなるペーストを上記基板ガラスに塗布し、500〜900℃で焼成することにより形成され、
上記ペーストにおけるZr含有量と、Bi、Sn、Inのうち一種以上の合計含有量との総和は、1〜10重量%であり、かつ、Zr含有量とBi、Sn、Inのうちいずれか一種以上の合計含有量との比率(Zr:Bi+Sn+In)は99.9:0.1〜40:60であることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレートにある(請求項1)。
本発明の加熱調理器用ガラストッププレートのコーティング層は、Zrを必須成分として含有している。Zrは、汚れ除去性を向上する性質を有しているため、コーティング層に用いられることにより、上記加熱調理器用ガラストッププレートは、表面に付着した汚れを容易に除去することが可能であるという優れた効果を得ることができる。
また、上記コーティング層は、Bi、Sn、Inのうち1種以上を必須成分として含有している。上記Bi、Sn、及びInは、上記Zr成分を基板ガラスに密着させた場合の密着強度を向上する効果を有している。そのため、これらのうち1種以上がコーティング層に含有されることにより、コーティング層の接着力が向上し、上記加熱調理器用ガラストッププレートは、優れた摩耗強度と耐熱性を有することができる。また、コーティング層は透明となり、外観を損なうことがないため、加熱調理器用ガラストッププレートは意匠性に優れたものとなる。
これにより、基板ガラスの調理面上に、Zrと、Bi、Sn、Inのうち1種以上とを主成分とするコーティング層を積層することによって、表面に付着した汚れを容易に除去することが可能であり、かつ、耐摩耗性及び耐熱性に優れ、透明で外観を損なわないコーティング層を有する加熱調理器用ガラストッププレートを得ることができる。なお、上記調理面とは、加熱調理器を使用する際に、鍋などを置く面である。
本発明の加熱調理器用ガラストッププレートは、上述したように、基板ガラスの調理面に、Zrと、Bi、Sn、Inのうち1種以上とを主成分とするコーティング層を積層してなる。
上記コーティング層においては、Zrを含有していることによって、加熱調理器用ガラストッププレート表面に付着した汚れを容易に除去することができる。
一方、上記コーティング層が、上記Bi、Sn、Inのいずれも含有しておらず、Zrレジネートのみからなる場合には、形成されたコーティング層は融剤を含有していないため、非常に弱い接着力で基板ガラスと密着することとなる。したがって、汚れ除去性は十分に発揮できるものの、金属たわしや研磨剤入り不織布スポンジ等で容易に擦り取られるという問題や、傷つくという問題がある。
このように、Zrと、Bi、Sn、Inのうちいずれかとを必須成分とするコーティング層は、次のようにして形成することができる。
すなわち、本発明の加熱調理器用ガラストッププレートの上記コーティング層は、Zrの金属レジネートと、Bi、Sn、Inのうち一種以上の金属レジネートと、有機樹脂とからなるペーストを上記基板ガラスに塗布し、500〜900℃で焼成することにより形成される
この場合には、ペースト状にするため、例えば、スクリーン印刷法等の成膜性に優れた塗布方法を行うことができる。そのため、連続生産性に欠け、コスト高になるおそれのあるゾルゲル法、スプレー法、CVD法等を行う必要がなく、簡便な手法で加熱調理器用ガラストッププレートを作成することができる。
また、上記金属レジネートは、有機金属化合物の希釈液であり、分散性が良好な液体であるため、上記コーティング層を形成する際に均一な膜を形成することができる。
また、上記有機樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、アミド系樹脂、アルキッド系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。
また、上記焼成温度が500℃未満の場合には、密着力が十分な均一な膜が形成できないというおそれがある。一方、上記焼成温度が900℃を超える場合には、後述するβ−石英を主結晶とする上記基板ガラスを用いる場合に、これが白濁するおそれがある。
また、上記ペーストにおけるZr含有量と、Bi、Sn、Inのうち一種以上の合計含有量との総和は、1〜10重量%であり、かつ、Zr含有量とBi、Sn、Inのうちいずれか一種以上の合計含有量との比率(Zr:Bi+Sn+In)は99.9:0.1〜40:60である
上記ペーストにおける上記Zr含有量と、Bi、Sn、Inのうち一種以上の合計含有量との総和が1重量%未満の場合には、濃度が低くなるため、印刷直後にはじきを発生する等の現象が生じ易くなり、焼成後にクレーター(コーティング層が存在しない部分)が多数発生するおそれがある。一方、上記総和が10重量%を超える場合には、コーティング層の膜厚(塗膜量)が厚くなり、コーティング層の特性は維持するものの、部分的に、透明性を失う、もしくは虹彩色を呈する等、意匠性が低下するおそれがある。
これにより、上記ペーストにおける上記Zr含有量と、Bi、Sn、Inのうち一種以上の合計含有量との総和はより好ましくは、2〜5重量%である。
また、Zr含有量とBi、Sn、Inのうちいずれか一種以上の合計含有量(Bi+Sn+In)との総和を100wt%としたとき、Bi+Sn+Inが60wt%を超える場合には、汚れ除去性が劣化するおそれがある。一方、Bi+Sn+Inが0.1wt%未満の場合には、摩耗強度が低下するおそれがある。
これにより、(Zr:Bi+Sn+In)は99.9:0.1〜60:40であることがより好ましい。
また、上記ペーストは、さらに、Au、Pt、Pd、Rh、Mn、Ni、Fe、Cr、Ca、Si、Ba、Sr、Mg、Ag、Tiのうち、1種または2種以上を合計5wt%以下含有してもよい(請求項)。
これらを合計5wt%を超えて含有する場合には、上記コーティング層の汚れ除去性が劣化するおそれがある。
また、上記コーティング層は調理面全面又は一部に形成されていることが好ましい(請求項)。
この場合には、スクリーン印刷方等により塗布する場合に、容易に対応することが可能である。
また、上記基板ガラスは、線熱膨張係数が−10〜80×10-7/℃(30〜500℃)であることが好ましい(請求項)。
上記基板ガラスの線熱膨張係数が−10〜80×10-7/℃(30〜500℃)の範囲から外れる場合には、加熱調理用ガラストッププレートに用いる基板ガラスとして適していないという問題がある。
また、上記基板ガラスは、β−石英固溶体及びβ−スポジューメンを主結晶とすることが好ましい(請求項)。
上記β−石英固溶体又はβ−スポジューメンを主結晶とする透明低膨張結晶化ガラス板は、特に加熱調理器用ガラストッププレートの基板ガラスとして適している。
また、上記コーティング層の上面あるいはコーティング層と基板ガラスとの間に、ガラス組成物と無機顔料とからなる装飾層が形成されていることが好ましい(請求項)。
この場合には、上記基板ガラス本来の強度を低下させることなく意匠性を向上することができる。
また、上記ガラス組成物としては、リサイクル性等を考慮し、無鉛ガラス組成物であることがより好ましい。
また、上記コーティング層の上面に、装飾層が形成される場合には、コーティング層の摩耗を抑制する効果を得ることができるため、加熱調理器用ガラストッププレートの耐摩耗性をさらに向上することができる。
上記ガラス組成物としては、軟化点が650℃以下であることが好ましい。また、SiO2、Al23、B23、及びLi2Oを必須成分として含有し、700〜900℃で熱処理することにより結晶化する無鉛ガラス組成物を用いることがより好ましい。
また、上記無機顔料をとしては、例えば、白色無機顔料、黒色無機顔料、灰色無機顔料、黄色無機顔料、茶色無機顔料、緑色無機顔料、青色無機顔料、桃色無機顔料等がある。
具体的には、上記白色無機顔料としては、例えば、TiO2、ZrO2、ZrSiO4、Al23、3Al23−2SiO2、Li2O・Al23・8SiO2、Al2TiO5等が挙げられる。
また、上記黒色無機顔料としては、例えば、Cr−Fe系酸化物、Co−Mn−Cr−Fe系酸化物、Co−Ni−Cr−Fe系酸化物、Co−Ni−Cr−Fe−Mn系酸化物等が挙げられる。
また、上記灰色無機顔料としては、例えば、Sn−Sb系酸化物、Sn−Sb−V系酸化物等が挙げられる。
また、上記黄色無機顔料としては、例えば、Sn−V系酸化物、Zr−V系酸化物、Zr−Si−Pr系酸化物、Ti−Cr−Sb系酸化物等が挙げられる。
また、上記茶色無機顔料としては、例えば、Zn−Al−Cr−Fe系酸化物、Zn−Mn−Al−Cr−Fe系酸化物等が挙げられる。
また、緑色無機顔料としては、例えば、Ca−Cr−Si系酸化物、Cr−Al系酸化物、Co−Zn−Al−Cr系酸化物、Zr−Si−Pr−V系酸化物等が挙げられる。
また、上記青色粉末としては、例えば、Co−Al−Zn系酸化物、Co−Al系酸化物、Zr−Si系酸化物等が挙げられる。
また、上記桃色無機顔料としては、例えば、Mn−Al系酸化物、Ca−Sn−Si−
Cr系酸化物、Sn−Cr系酸化物、Zr−Si−Fe系酸化物等が挙げられる。
また、上記装飾層は任意のパターンとなるよう形成されていることが好ましい(請求項9)。
上記任意のパターンとしては、例えば、ドット状、ライン状、ある面積をもったベタ等がある。
上記コーティング層の上面に上記装飾層を形成する場合には、上記コーティング層の汚れ除去性の効果を十分に発揮できるように、上記装飾層は面積の小さいパターンとすることが好ましい。
一方、上記コーティング層と基板ガラスとの間に、上記装飾層が形成されている場合には、コーティング層の汚れ除去性の効果が低減しないため、上記装飾層の形状は問わない。
また、調理面と反対側の面にも、公知の手法でガラス組成物と無機顔料とからなる装飾層が形成されていても良い。この場合には、調理面と反対側に形成された装飾層によって、汚れ除去性効果を有するコーティング層を配した調理器用トッププレートの意匠性を向上することができる。
(実施例1)
本例は、本発明の加熱調理器用ガラストッププレートにかかる実施例について図1を用いて説明する。
本例の加熱調理器用ガラストッププレート1は、低膨張結晶化ガラス板よりなる基板ガラス2の調理面21にコーティング層3を積層してなる。上記コーティング層3は、Zrと、Bi、Sn、Inのうち1種以上とを主成分とする。
上記基板ガラス2としては、β石英を主結晶とする透明低膨張結晶化ガラス(ネオセラムN−0)及びβ−スポジューメンを主結晶とする白色不透明結晶化ガラス(ネオセラムN−11)の2種類を用いた。
上記コーティング層3は、金属レジネートと有機樹脂とからなるペーストを、上記基板ガラス2の調理面21へステンレス350メッシュのスクリーンを使用して、上記ペーストを印刷(塗布)し、800℃で焼成することにより形成した。
上記ペーストとしては、ZrとBiの金属レジネートを用い、上記ペーストにおけるZrの含有濃度が4.95wt%、Biの含有濃度が0.05wt%となるように調整したZr−Biペーストを用いた。
上記Zrの金属レジネートとしては、市販のZrレジネート(濃度10%)を用いた。
また、上記Biの金属レジネートとしては、市販のBiレジネート(濃度25%)を用いた。
有機樹脂としては、有機溶剤(ブチルセルソルブ)に3%の濃度となるようにエチルセルロースを溶解させたものを用いた。
基板ガラス2としてネオセラムN−0を用いた加熱調理器用ガラストッププレート1を試料E1、基板ガラス2としてネオセラムN−11を用いた加熱調理器用ガラストッププレート1を試料E2とする。
(実施例2)
本例は、実施例1のZr−Biペーストにおける、Zr含有量とBi含有量を変更した例である。
具体的には、実施例1と同様の金属レジネート及び有機樹脂を用いて、Zr:2.5wt%、Bi:2.5wt%のZr−Biペーストを調整した。その他は、実施例1と同様である。
基板ガラスとしてネオセラムN−0を用いた加熱調理器用ガラストッププレートを試料E3、基板ガラスとしてネオセラムN−11を用いた加熱調理器用ガラストッププレートを試料E4とする。
(実施例3)
本例は、実施例1のZr−Biペーストにおける、Zr含有量とBi含有量を変更した例である。
具体的には、実施例1と同様の金属レジネート及び有機樹脂を用いて、Zr:3wt%、Bi:2wt%のZr−Biペーストを調整した。その他は、実施例1と同様である。
基板ガラスとしてネオセラムN−0を用いた加熱調理器用ガラストッププレートを試料E5、基板ガラスとしてネオセラムN−11を用いた加熱調理器用ガラストッププレートを試料E6とする。
(実施例4)
本例は、図2に示すごとく、実施例3の基板ガラス2とコーティング層3との間に、装飾層4を形成した例である。
具体的には、無鉛ガラス組成物、無機顔料、及び有機樹脂とからなるペーストを用いて、基板ガラス2の調理面21に、直径0.65mm、ピッチ1mmのドットを、ステンレス#350メッシュを用いて、スクリーン印刷法により塗布し、800℃で焼成することによって、装飾層4を形成した。
上記無鉛ガラス組成物としては、SiO2:63wt%、Al23:12wt%、B23:20wt%、及びLi2O:5wt%を含有する軟化点650℃以下の無鉛ガラス組成物を用い、上記無機顔料としては、Co−Ni−Cr−Fe系の黒色顔料を用い、上記有機樹脂としては、市販のアクリル系樹脂を用いた。
その後、実施例3と同様にしてコーティング層3を形成した。
基板ガラス2としてネオセラムN−0を用いた加熱調理器用ガラストッププレートを試料E7、基板ガラス2としてネオセラムN−11を用いた加熱調理器用ガラストッププレートを試料E8とする。
(比較例1)
本例は、実施例1におけるZr−BiペーストをBiペーストに変更した例である。
実施例1と同様の金属レジネート及び有機樹脂を用いて、Bi:5wt%のBiペーストを調整した。その他は、実施例1と同様である。
基板ガラスとしてネオセラムN−0を用いたものを試料C1、基板ガラスとしてネオセラムN−11を用いたものを試料C2とする。
(比較例2)
本例は、実施例1におけるZr−BiペーストをZrペーストに変更した例である。
実施例1と同様の金属レジネート及び有機樹脂を用いて、Zr:5wt%のZrペーストを調整した。その他は、実施例1と同様である。
基板ガラスとしてネオセラムN−0を用いたものを試料C3、基板ガラスとしてネオセラムN−11を用いたものを試料C4とする。
<評価>
次に、実施例1〜4、比較例1、2において作製した加熱調理器用ガラストッププレート(試料E1〜試料E8、試料C1〜試料C4)、ネオセラムN−0、及びネオセラムN−11について、汚れ除去性、剥離性、及び耐熱性を評価した。
上記汚れ除去性は、焦げ拭取り試験及び、持続性試験を行うことで評価した。
上記焦げ拭取り試験は、加熱調理器用ガラストッププレートの調理面上に、砂糖:醤油=1:1に調整した溶液を10滴滴下し、その後、溶液が完全に被覆されるように、ステンレス製の鍋を設置し、電磁調理器を使用して、200℃で30分間蒸焼き状態にして、焦げを作製した。
作製した焦げを十分に冷却した後、ぬれ布巾で最大30回擦り、ZrあるいはZr−Bi膜上の焦げを抜き取り可能かどうかを試験した。
結果を表1に示す。評価結果が○のものを合格、×のものを不合格とする。
(焦げ拭取り試験評価基準)
○:30回以下で焦げが除去できたもの
×:30回で焦げを除去できなかったもの
上記持続性試験は、上記焦げ拭取り試験において合格だったものついて、焦げ拭取り試験を最大30回繰り返し実施し、持続性を評価した。
結果を表1に示す。汚れ除去性は、持続性試験の評価が○のものを合格、×のものを不合格とする。
(持続性試験評価基準)
○:30回繰り返し実施した後も、焦げ拭取り試験が合格だったもの
×:繰り返しが30回以下で、焦げ拭取り試験が不合格となったもの
次に、上記剥離性は、加熱調理器用ガラストッププレートの調理面上に、研磨剤入り洗剤5gを滴下し、金属たわしを用いて、1000回擦ったのちの、コーティング膜を目視にて観察し、剥離性を評価した。
結果を表1に示す。評価結果が○のものを合格、×のものを不合格とする。
(剥離性評価基準)
○:コーティング膜の剥離が確認されないもの
×:コーティング膜の剥離が確認されるもの
その後、上記焦げ拭取り性、持続性、剥離性で合格であった試料E1〜試料E8について、耐熱性を評価した。加熱した後の、表面状態、焦げ拭取り性、及び持続性から耐熱性を評価した。
まず、600℃で20時間加熱した後の、表面状態を目視で確認し、耐熱性を評価した。結果を表1に示す。評価結果が○のものを合格、×のものを不合格とする。
(表面状態評価基準)
○:白濁、くすみ等の発生がなく、初期状態と差がない場合
×:白濁、くすみ等の発生が確認されたもの
その後、この加熱後の試料について、上述の焦げ拭取り試験及び持続性試験を同様に行った。
結果を表1に示す。耐熱性は、表面状態、焦げ拭取り性、持続性の評価結果が全て○の場合に合格とする。
Figure 0004004529
表1より知られるごとく、本発明の実施例である試料E1〜試料E8は、焦げ拭取り性、持続性、剥離性、耐熱性のいずれの評価も良好であった。このため、表面に付着した汚れを容易に除去することが可能であり、かつ、耐摩耗性及び耐熱性に優れ、透明で外観を損なわないコーティング層を有する加熱調理器用ガラストッププレートを、簡便な手法で作製することができた。
また、表1より知られるごとく、本発明の比較例である試料C1及び試料C2は、Zrを含有していないため、汚れ除去性を有さず、焦げ拭取り性が不合格であった。
また、本発明の比較例である試料C3及び試料C4は、Biを含有していないため、コーティング層が接着力を持たず、摩耗強度が低くなり、剥離性が不合格であった。
また、実施例1〜実施例4において、ZrとBiとを主成分とするコーティング層を有する加熱調理器用ガラストッププレートを作製したが、上記Biの変わりにSn、Inを用いても同様の結果を得ることができる。
実施例1における、加熱調理器用ガラストッププレートを示す説明図。 実施例4における、加熱調理器用ガラストッププレートを示す説明図。
符号の説明
1 加熱調理器用ガラストッププレート
2 基板ガラス
21 調理面
3 コーティング層

Claims (7)

  1. 低膨張結晶化ガラス板よりなる基板ガラスの調理面にコーティング層を積層してなる調理器用のガラストッププレートであって、
    上記コーティング層は、Zrの金属レジネートと、Bi、Sn、Inのうち一種以上の金属レジネートと、有機樹脂とからなるペーストを上記基板ガラスに塗布し、500〜900℃で焼成することにより形成され、
    上記ペーストにおけるZr含有量と、Bi、Sn、Inのうち一種以上の合計含有量との総和は、1〜10重量%であり、かつ、Zr含有量とBi、Sn、Inのうちいずれか一種以上の合計含有量との比率(Zr:Bi+Sn+In)は99.9:0.1〜40:60であることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。
  2. 請求項1において、上記ペーストは、さらに、Au、Pt、Pd、Rh、Mn、Ni、Fe、Cr、Ca、Si、Ba、Sr、Mg、Ag、Tiのうち、1種または2種以上を合計5wt%以下含有することを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。
  3. 請求項1又は請求項2において、上記コーティング層は調理面全面又は一部に形成されていることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記基板ガラスは、線熱膨張係数が−10〜80×10 -7 /℃(30〜500℃)であることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記基板ガラスは、β−石英固溶体及びβ−スポジューメンを主結晶とすることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記コーティング層の上面あるいはコーティング層と基板ガラスとの間に、ガラス組成物と無機顔料とからなる装飾層が形成されていることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。
  7. 請求項6において、上記装飾層は任意のパターンとなるよう形成されていることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。
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