JP4004357B2 - ダイオード - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電力用ダイオードに関するものであり、特に高速スイッチング特性が要求されるインバータ回路においてIGBTなどのスイッチング素子に並列に接続されるフライホイールダイオードとして使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、IGBTに代表される低損失かつ、高い周波数で動作するスイッチング素子の普及に伴い、これと並列に接続されるダイオード、即ちフライホイールダイオードに低損失かつ高い周波数で動作することが求められている。併せて、ダイオードのターンオフ時に発生するサージ電圧を抑制するために、ソフトリカバリー特性も要求されるようになってきた。
【0003】
図7は従来のダイオード10の構造を説明する断面図である。この図において、低濃度の不純物濃度を有するN型半導体層1の第1の主面に接するように、高濃度の不純物濃度を有するN型半導体層2が、N型半導体層1の第2の主面に接するように高濃度の不純物濃度を有するP型半導体層8がそれぞれ設けられている。さらに、N型半導体層2に接する第1の電極層5と、P型半導体層8に接する第2の電極層6とがそれぞれ設けられている。所謂PNN型のダイオードの構造である。
【0004】
図3(a)は従来のダイオード10の逆回復時の電流波形を説明する図である。図3(b)は従来のダイオード10の逆回復時の電圧波形を説明する図である。ダイオード10に電圧を印加する回路において時刻0でダイオード10に与える電圧の極性を順方向から逆方向から切り換えようとしても、しばらくは初期の順電流IFが流れ、その後減少して、ある時刻で電流はゼロとなる。
順方向とは、アノード電極である第2の電極層6に正電圧を、カソード電極である第1の電極層5に負電圧をかける場合をいう。
【0005】
ダイオードを流れる電流が正から負に変わる時刻以降の電流が逆回復電流である。ダイオード10をインバータ等の回路装置に使用すると、逆回復電流のピーク値IRPを超えた後の、逆回復電流の時間変化率di/dtと回路のインダクタンス成分Lによりサージ電圧ΔVRPが次式により発生する。
ΔVRP=−L(di/dt)
【0006】
この式から逆回復電流の時間変化率di/dtの絶対値が大きい場合(所謂ハードリカバリー特性)、サージ電圧ΔVRPが大きくなり回路動作に支障をきたす場合がある。さらに、サージ電圧ΔVRPの発生により、電圧波形が振動するため、ノイズが放出されてしまう。
【0007】
このため、ダイオード10をインバータ等の回路装置に使用する場合、逆回復電流の時間変化率di/dtの絶対値が小さいこと(いわゆるソフトリカバリー特性)が求められる。
【0008】
さらに、定常損失を低減するためには順電圧や逆電流が小さいことが求められる。また、スイッチング損失を低減するためには、逆回復電流を時間積分した値である逆回復電荷量(Qrr)が小さいことが求められる。
【0009】
金や白金などの重金属をN型半導体層1、N型半導体層2およびP型半導体層8で構成される半導体基板に拡散し、ライフタイムを小さくすることで、逆回復電荷(Qrr)を小さくすることが可能である。
ライフタイムを小さくしても順電圧があがらないようにN型半導体層1をできるだけ薄くするとハードリカバリー特性になりやすい。
【0010】
ダイオード10において、ソフトリカバリー化を図るためには、N型半導体層1の厚みを厚くするといった手法がある。
【0011】
逆方向電流のピーク値IRPを超えた後、N型半導体層1内のP型半導体層8に近接した部分のみに形成されていた空乏層が、N型半導体層2の方へ向かって急激に伸び、N型半導体層1の厚みがそれほど厚くない場合は、すぐにN型半導体層2に接してしまう。このとき逆回復電流を流すのに必要な注入キャリアがすでにN型半導体層1内に残っていないため、逆回復電流は急激にゼロとなり、ハードリカバリー特性となる。
【0012】
N型半導体層1の厚みが十分に厚い場合、空乏層はN型半導体層2まで広がらず、N型半導体層1のN型半導体層2に近い領域に注入キャリアが残り、このキャリアによる電流が少しづつ掃き出されるため、電流波形はソフトリカバリー特性となる。
【0013】
しかしながら、N型半導体層1は順電流の通り道でもあるため、その厚みを厚くすることは抵抗成分の増大につながり、順電圧が増大してしまう。
【0014】
さらに、順方向動作時に蓄積される注入キャリアの総量も増大するため、逆回復電荷(Qrr)も増大してしまう。
【0015】
この問題を解決するために、内藤らにより、PN接合から注入されるキャリアの濃度を低減するという手法、即ち低濃度アノード拡散層によるPNN構造が提案されている(文献:M.Naito, H.Matsuzaki and T.Ogawa, IEEE Trans. Electron Devices, ED-23, pp.945(1976))。
【0016】
図8はこのような従来のダイオード20の構造を説明する断面図である。この図において、低濃度の不純物濃度を有するN型半導体層1の第1の主面に接するように高濃度の不純物濃度を有するN型半導体層2が、N型半導体層1の第2の主面に接するように、十分に低い不純物濃度を有するP型半導体層9がそれぞれ設けられている。さらに、N型半導体層2に接する第1電極層5と、P型半導体層9に接する第2電極層6とがそれぞれ設けられている。
【0017】
図5は従来のダイオード10および20の順方向定常時の注入キャリアの濃度分布を示す図である。ダイオード20はP型半導体層9の不純物濃度が十分に低いため、ダイオード10に比べて接合から注入される少数キャリアが少ない。
【0018】
このためダイオード20が逆回復する際、逆回復電流のピーク値IRPに至るまでの時間が短縮されるとともにピーク値IRPの値が小さくなる。その結果、逆回復電流波形は図4に示すようなソフトリカバリー波形になる。
【0019】
しかしながら、このような効果を得るにはP型半導体層9の不純物濃度を、少なくとも5×1017atom/cm程度あるいはそれ以下にする必要があり、このような低い濃度では第2の電極層6とのオーミック接触を十分にとることができない。その結果、順電圧が増大してしまう。
【0020】
一方、米国特許第4,641,174号にはマージドPiN/ショットキーダイオード(以下「MPS」という)と呼ばれる構造が開示されている。MPSダイオードもダイオード20と同様、接合から注入されるキャリアを低減する効果を狙ったものである。
【0021】
図9はこのような従来のMPS構造を用いたダイオード30の構造を説明する断面図である。この図において、低濃度の不純物濃度を有するN型半導体層1の第1の主面の主面に接するように高濃度の不純物濃度を有するN型半導体層2が、N型半導体層1の第2の主面に選択的に形成された高濃度の不純物濃度を有するP型半導体領域4がそれぞれ設けられている。さらに、N型半導体層2に接する第1の電極層5と、P型半導体領域4とオーミック接触をなすとともに、N型半導体層1とショットキー接触をなす第2の電極層6がそれぞれ設けられている。
【0022】
ダイオード30の順方向定常時の注入キャリアの濃度分布は、少数キャリアの注入がおこるPN接合と少数キャリアの注入がほとんど起こらないショットキー接合とが交互に設けられているため、図5に示したようにダイオード20の場合と同様、ダイオード10の場合と比べて接合からの少数キャリアの注入量は低減される。
【0023】
その結果、逆回復電流、電圧波形は図4(a)、(b)に示すようにソフトリカバリー特性になり、逆回復時間も短くなる。
【0024】
また、ダイオード20とは異なり、P型半導体領域4の不純物濃度を十分に高くすることが出来るため、第2の電極層6のオーミック接触は問題なく確保することが出来る。順電流が小さい時はショットキー障壁を超えて電流が流れる。順電流が大きい時はショットキー接合よりむしろPN接合を流れようとするため、大電流領域でも順電圧を小さくできる。
【0025】
しかしながら、ダイオード30には部分的にショットキー接合が存在するため、逆方向動作時の逆電流が大きく、ダイオード30をインバータ等の回路装置に使用した場合、定常損失の増大を招いてしまう。
【0026】
逆電流に対する何の対策もしない場合、逆電圧がかかるとショットキー障壁で決まる非常に大きい逆電流が流れてしまう。各P型半導体領域4の間を狭くして、P型半導体領域4から隣り合うP型半導体領域4に横方向に向かう空乏層を利用してショットキー接合を静電的にシールドして、逆電流を押さえるように設計されるが静電シールドの効果は弱く逆電流に対する削減効果は弱い。
【0027】
また、耐圧はN型半導体層の厚さにより決まる。この図9の例では、N型半導体層1から、PN接合の深さを差し引いた厚さで耐圧が決まる。従って、P型半導体領域4が無い場合に比べ、P型半導体領域4の深さ分だけ耐圧を損していることになる。あるいは、P型半導体領域4の深さ分だけ抵抗分が増加するとも考えられる。
【0028】
上記のMPS構造のショットキー接合部を低濃度のP型半導体領域で置き換えた構造が清水らにより公開されている(文献:Y.SHIMIZYU, M.NAITO, S.MURAKAMI and Y.TERASAWA, IEEE Trans. Electron Devices, ED-31, pp.1314(1984))。
この構造は、スタティックシールドダイオード(以下「SSD」という)と呼ばれる。構造が開示されている。
【0029】
図10はこのようなSSD構造を用いた従来のダイオード40の構造を説明する断面図である。この図において、低濃度の不純物濃度を有するN型半導体層1の第1の主面に接するように、高濃度の不純物濃度を有するN型半導体層2が、N型半導体層1の第2の主面に選択的に形成された高濃度の不純物濃度を有するP型半導体領域4がそれぞれ設けられている。
選択的に形成されたP型半導体領域4が設けられたN型半導体層1の残りの表面には低濃度の不純物濃度を有するp型半導体領域3が形成されている。
【0030】
少数キャリアの注入がおこるPN接合と少数キャリアの注入がほとんど起こらないPN接合とが交互に設けられているため、ダイオード40の順方向定常時の注入キャリア濃度分布は、ダイオード20の場合と同様、ダイオード10の場合と比べて、接合からの少数キャリアの注入量は低減される。
【0031】
その結果、逆回復電流電圧波形は図4に示すようなソフトリカバリー特性になり、逆回復時間も短くなる。
【0032】
また、ダイオード20とは異なり、P型半導体領域4の不純物濃度を十分に高くすることができるため、第2の電極層6のオーミック接触は問題なく確保することが出来る。順電流が小さい時はPN接合部分を電流が流れる。順電流が大きい時はPN接合よりむしろPN接合を流れようとするため、大電流領域でも順電圧を小さくできる。
【0033】
ダイオード40には部分的にPN接合が存在する。P型半導体領域3の濃度が低くなると逆方向動作時の逆電流が大きくなる。また作製条件によっては耐圧が低下してしまう場合がある。このようなダイオード40をインバータ等の回路装置に使用した場合、定常損失の増大を招いてしまう。
【0034】
耐圧低下と逆電流の増加の原因は、順電圧と逆回復特性をよくするために、低濃度P型半導体領域3の不純物総量(ドーズ量)を少なくせざるを得ないことにある。低濃度P型半導体領域3の不純物総量は、低濃度P型半導体領域3の深さ×同半導体領域の不純物濃度の式により計算できる。
【0035】
逆電流増加の原因はP型半導体領域3の不純物総量が、所謂リサーフ条件である1×1012atom/cmより少なくなると、逆電圧が印加されたとき、本来P型半導体領域3がP型半導体領域4であれば十分耐圧を持つ電圧であっても、低濃度P型半導体領域3内に空乏層が広がりきって、この空乏層が第2の電極に到達したとたんに降伏してしまい、耐圧が低くなるからである。
【0036】
このように、逆電流に対する何の対策もしない場合に逆電圧がかかると、P型半導体領域3内に空乏層が広がりきって耐圧が下がり、逆電流も大きくなってしまう。この電流を各P型半導体領域4の間を狭くして、各P型半導体領域4より、P型半導体領域4から隣り合うP型半導体領域4に横方向に向かう空乏層により、静電的にシールドして逆電流を押さえるよう設計しても静電シールドの効果は弱く逆電流は十分小さくはできない。
【0037】
また、耐圧はN型半導体層の厚さにより決まり、この例では、N型半導体層1から、P型半導体領域4の深さを差し引いた厚さで耐圧が決まる。従って、P型半導体領域4が無い場合に比べ、P型半導体領域4の深さ分だけ耐圧を損していることになる。あるいはこの構造の場合、P型半導体領域4の深さ分だけ抵抗分が増加するとも考えられる。耐圧を確保するために、P型半導体領域4を浅くすることはできない。
【0038】
上記のPNN型、MPS、SSD各ダイオードの場合、そのままでも、PN接合からの注入が少ないため高速動作が可能であるが、さらに、高速性を上げるために、金や白金の重金属を拡散することもある。
【0039】
以上で述べたように、従来のダイオードにおいては、ソフトリカバリー化を図ろうとすると、順電圧や逆電流が増大してしまうという問題があった。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した問題点に鑑み、順電圧の増大や逆電流の増大を招くことなく、高い周波数でも動作し、かつソフトリカバリー特性をもつダイオードを提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決しようとする手段】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、第1の主面と前記第1の主面と対向する第2の主面を有する第1導電型の第1の半導体層と、前記第1の半導体層の第1の主面に接し、前記第1の半導体層よりも高い不純物濃度を有する第1導電型の第2の半導体層と、前記第1の半導体層内にあって前記第2の主面に接する第2導電型の第1の半導体領域と、前記第1の半導体層内にあって前記第2の主面に接しかつ前記第1の半導体領域の間隙を埋めるように形成された第2導電型の第2の半導体領域と、前記第2の半導体層に接する第1の電極層と、前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域の双方に接する第2の電極層と、を備えており、前記第1の半導体領域の深さは前記第2半導体領域の深さよりも深くかつ前記第2の半導体領域よりも低い不純物濃度を有するダイオードであって、
前記第1の半導体層の前記第2の主面から見て、前記第1の半導体領域の深さより浅く前記第2の半導体領域の深さより深い領域に、低ライフタイム領域を設けたことを特徴とするダイオードである。
また、本発明のダイオードにおいて、前記低ライフタイム領域がヘリウムイオン照射とその後の熱処理によって形成されたことを特徴とする。
また、本発明のダイオードにおいて、前記低ライフタイム領域を除く少なくとも前記第1の半導体層は、前記低ライフタイム領域よりライフタイムが下回らないようにライフタイムが制御されて成ることを特徴とする。
また、本発明のダイオードにおいて、前記低ライフタイム領域を除く少なくとも前記第1の半導体層は、前記低ライフタイム領域よりライフタイムが下回らないようにライフタイムが制御されて成り、前記ライフタイム制御が電子線照射とその後の熱処理によってなされたことを特徴とする。
また、本発明のダイオードにおいて、前記ライフタイム制御が金または白金を拡散することによってなされたことを特徴とする。
また、本発明のダイオードにおいて、前記低ライフタイム領域を、少なくとも前記第1の半導体層と前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域に重金属を拡散した後に、前記低ライフタイム領域に相当する部分に荷電粒子を照射し、さらに600℃以上の熱処理を加えることにより形成したことを特徴とする。
【0042】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施例について述べる。図1は本発明の第1の実施例にかかるダイオード50の構造を説明する断面図である。以下、第1導電型の第1の半導体層がN型半導体層の場合について述べる。
【0043】
図1において、低い不純物濃度を有するN型半導体層1の第1の主面には高い不純物濃度を有するN型半導体層2が、第2の主面には部分的に形成された低不純物濃度を有するP型半導体領域3と、このP型半導体領域3の間隙を埋めるように形成されるとともにこのP型半導体領域3よりも拡散深さが浅くかつ高い不純物濃度を有するP型半導体領域4が形成されている。さらに、N型半導体層2に接する第1の電極層5と、P型半導体領域3とP型半導体領域4の双方に接する第2の電極層6が形成されている。
【0044】
厚さ253μm、比抵抗34Ω−cmのN型の半導体基板の下面から燐を表面濃度1×1018atom/cm以上で望ましくは1×1019atom/cmから1×1020atom/cmになるように、また、拡散深さが150μmになるように拡散する。
【0045】
P型半導体領域3の不純物濃度は、P型半導体領域3からN型半導体層1への少数キャリア(ここでは正孔)の注入を低減するために、ボロンのイオン注入を利用して5×1016atom/cm以下の低濃度とし、15μmの拡散深さに拡散する。
【0046】
型半導体領域4の不純物濃度は、ボロンのイオン注入を利用し、第2の電極層6とのオーミック接触が十分に確保できるよう、1×1018atom/cm程度以上望ましくは1×1019atom/cmから1×1020atom/cmとし、3μmの拡散深さに拡散する。
【0047】
第1の電極層5と第2の電極層6は、半田を用いた組立てができるようにTi(チタニウム)−Ni(ニッケル)−Ag(銀)の電極システムを用いる。
作製には電子ビーム蒸着法を用いる。チタニウムは半導体と電極のオーミック性をとるために用いられ、ニッケルは半田耐蝕性のために用いられ、また銀はニッケルの酸化防止のために用いられる。
【0048】
図6は本発明の第1の実施例および第2の実施例の順方向定常時の注入キャリアの濃度分布を説明する図である。正孔濃度はP型半導体領域3の直下とP型半導体領域4とでは多少異なるため、層方向に平均化した値を示している。
【0049】
アノード電極である第2の電極層6に正電圧を、カソード電極である第1の電極5に負電圧を印加し、順電流を流した場合、正孔注入の大きいPN接合と正孔注入の少ないPN接合とが交互に設けられているため、注入された正孔の濃度分布は図6に示すように、PN接合並びにPN接合付近で注入キャリア濃度が低い分布になる。
【0050】
このためダイオード50が逆回復する際、逆回復電流のピーク値(IRP)に至るまでの時間が短縮されるとともにこのピーク値(IRP)の値が小さくなる。その結果、逆回復電流波形は図4に示すようにソフトリカバリーになる。
【0051】
また、P半導体領域4の不純物濃度が十分に高いため、第2の電極層6とのオーミック接触が十分に確保できるため、順電圧の増大がない。
【0052】
次に第2の実施例について述べる。図2は本発明の第2の実施例にかかるダイオード60の構造を説明する断面図である。
【0053】
図1と図2を比較して解るように、P型、N型拡散層あるいは拡散領域と電極構造については第1の実施例と第2の実施例は同じであるので、拡散構造と電極構造については説明を省略する。
【0054】
第2の実施例ではP型半導体領域3の拡散深さより浅く、P型半導体領域4の拡散深さよりも深い領域に低ライフタイム層7を設ける。
【0055】
また、ヘリウムイオン照射によって低ライフタイム領域7を形成するために、ヘリウムイオンを照射する。ヘリウムイオンの照射は、ヘリウムイオン源とN型半導体層1との間に275μmのアルミニウム板を置き、24MeVの加速電圧で行う。ドーズ量1×1013atom/cmである。熱的に安定化するため、照射後に300〜400℃の範囲で熱処理を行う。
このヘリウム照射と熱処理により、N型半導体層1の表面より、約10μmの深さに、半値幅約10μmの低ライフタイム領域7が形成される。
【0056】
ダイオード60においては、低ライフタイム領域7を設けることにより、接合から注入される正孔の濃度分布は図6に示すとおり、ダイオード50の場合に比べて、接合付近の正孔濃度がさらに低い分布となる。
【0057】
これにより、ダイオード60の逆回復電流電圧波形は、ダイオード50の場合に比べて、さらにソフトリカバリー特性となる。
【0058】
また、第1の実施例または第2の実施例のダイオードにおいて、少なくともN型半導体層を含む半導体層や半導体領域のライフタイムを、低ライフライム層7のライフタイムを下回らない程度に制御することで、逆回復電荷量(Qrr)をさらに低減することができる。
【0059】
このようなライフタイム制御は、ヘリウムイオン照射の前あるいは後に、半導体層に電子線照射を行い、両方の照射が行われた後、300〜400℃の範囲で熱処理を行うことにより実現できる。
【0060】
また、P型、N型拡散工程後、第1の電極層、第2の電極層形成前でしかもヘリウムイオン照射工程の前に金や白金などの重金属を各半導体層と各半導体領域に拡散しても、同様なライフタイム制御が実現できる。
【0061】
前記ライフタイム領域7形成する方法として、少なくともN型半導体層1とP半導体領域3とP半導体領域4に金または白金の重金属を700〜1000℃望ましくは800℃で1時間拡散拡散した後に、所望のライフタイム領域7に相当する部分にヘリウムなどの荷電粒子を照射し、さらに600℃から1000℃、望ましくは700℃1時間の熱処理を加える方法でもよい。
【0062】
このヘリウムイオンの照射は、前述の条件であるヘリウムイオン源とN型半導体層1との間に275μmのアルミニウム板を置き、加速電圧を24MeVで行う条件でよい。ドーズ量1×1013atom/cmである。
上記重金属拡散、ヘリウム照射および熱処理により、N型半導体層1の表面より、約10μmの深さに、半値幅約10μmの低ライフタイム領域7が形成される。他の半導体層と半導体領域は、金あるいは白金拡散により低ライフタイムに制御がされた状態のままになっている。
【0063】
アノード電極である第2の電極層6に正電圧を、カソード電極である第1の電極5に負電圧を印加し、順電流を流した場合、正孔注入の大きいPN接合と正孔注入の少ないPN接合とが交互に設けられているため、注入された正孔の濃度分布は図6に示すように、PN接合並びにPN接合付近で注入キャリア濃度が低い分布になる。
【0064】
第2の実施例ではP型半導体領域3の拡散深さより浅く、P型半導体領域4の拡散深さよりも深い領域に低ライフタイム層7が設けられている。このため、P型半導体領域3とN型半導体層1のPN接合によるダイオード部の注入キャリアの分布にほとんど影響を与えず、P型半導体領域4とN型半導体層1によるPN接合によるダイオード部の注入キャリアを少なくできている。
従来の構造においては、P型半導体領域3の拡散深さは、P型半導体領域4の拡散深さより浅かったため、低ライフタイム層を設けてもこのような注入キャリア量の制御はできなかった。
【0065】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、(1)低濃度P型半導体層によるPN接合により注入キャリアを押さえる、(2)高濃度P型半導体層によるPN接合とPN接合を混在させその面積を制御することで注入キャリア量を制御する、(3)P型半導体領域3を深くP半導体領域4を浅くしたため、耐圧が確保しやすいため実効的なN型半導体層の厚さを薄くできる、(4)浅い高濃度P型半導体領域と深いP型拡散領域の深さの間に低ライフタイム領域を作ることにより、順電圧を低く、逆回復時間を小さくしかもソフトリカバリー特性とすることができた。
【0066】
従って、本発明のダイオードは、順電圧の増大や逆電流の増大を招くことなく、逆回復電流電圧波形をソフトリカバリーにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例にかかるダイオード50の構造を説明する断面図である。
【図2】 本発明の第2の実施例にかかるダイオード60の構造を説明する断面図である。
【図3】(a):従来のダイオード10の逆回復時の電流波形を説明する図である。
(b):従来のダイオード10の逆回復時の電圧波形を説明する図である。
【図4】(a):従来のダイオード20、30、40または本発明のダイオード50、60逆回復時の電流波形を説明する図である。
(b):従来のダイオード20、30、40または本発明のダイオード50、60逆回復時の電圧波形を説明する図である。
【図5】 従来のダイオード10および20の順方向定常時の注入キャリアの濃度分布を説明する図である。
【図6】 本発明の第1の実施例および第2の実施例の順方向定常時の注入キャリアの濃度分布を説明する図である。
【図7】 従来のダイオード10の構造を説明する断面図である。
【図8】 従来のダイオード20の構造を説明する断面図である。
【図9】 従来のダイオード30の構造を説明する断面図である。
【図10】 従来のダイオード40の構造を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 N型半導体層
2 N型半導体層
3 P型半導体領域
4 P型半導体領域
5 第1の電極層
6 第2の電極層
7 低ライフタイム領域
8 P型半導体層
9 P型半導体層

Claims (6)

  1. 第1の主面と前記第1の主面と対向する第2の主面を有する第1導電型の第1の半導体層と、前記第1の半導体層の第1の主面に接し、前記第1の半導体層よりも高い不純物濃度を有する第1導電型の第2の半導体層と、前記第1の半導体層内にあって前記第2の主面に接する第2導電型の第1の半導体領域と、前記第1の半導体層内にあって前記第2の主面に接しかつ前記第1の半導体領域の間隙を埋めるように形成された第2導電型の第2の半導体領域と、前記第2の半導体層に接する第1の電極層と、前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域の双方に接する第2の電極層と、を備えており、前記第1の半導体領域の深さは前記第2半導体領域の深さよりも深くかつ前記第2の半導体領域よりも低い不純物濃度を有するダイオードであって、
    前記第1の半導体層の前記第2の主面から見て、前記第1の半導体領域の深さより浅く前記第2の半導体領域の深さより深い領域に、低ライフタイム領域を設けたことを特徴とするダイオード。
  2. 前記低ライフタイム領域がヘリウムイオン照射とその後の熱処理によって形成されたことを特徴とする請求項1に記載のダイオード。
  3. 前記低ライフタイム領域を除く少なくとも前記第1の半導体層は、前記低ライフタイム領域よりライフタイムが下回らないようにライフタイムが制御されて成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のダイオード。
  4. 前記低ライフタイム領域を除く少なくとも前記第1の半導体層は、前記低ライフタイム領域よりライフタイムが下回らないようにライフタイムが制御されて成り、
    前記ライフタイム制御が電子線照射とその後の熱処理によってなされたことを特徴とする請求項2に記載のダイオード。
  5. 前記ライフタイム制御が金または白金を拡散することによってなされたことを特徴とする請求項3に記載のダイオード。
  6. 前記低ライフタイム領域を、少なくとも前記第1の半導体層と前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域に重金属を拡散した後に、前記低ライフタイム領域に相当する部分に荷電粒子を照射し、さらに600℃以上の熱処理を加えることにより形成したことを特徴とする請求項1に記載のダイオード。
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