JP4003951B2 - 静音面ファスナーと、同面ファスナーの装着製品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は面ファスナー及び同面ファスナーが取り付けられた面ファスナー装着製品に関し、特に剥離時の音が低減される静音面ファスナーと剥離時の音が低減できる面ファスナー装着製品に関する。
【0002】
【従来技術】
面ファスナーの剥離時の音を小さくする方法について、例えば2件の米国特許明細書が公開されている。その1つである、米国特許第4, 776, 068号明細書( Quiet Touch Fastener Material(1986))によれば、面ファスナーの基材であるテープをラティス構造とすることにより空気中へのエネルギーの伝播を減少させるとしている。また他の1つである、米国特許第4, 884, 323号明細書(Quiet Touch Fastner Attachment System (1989) )には、面ファスナー部材と取付対象である生地との間にマウンティング部材を有し、生地と面ファスナーとをマウンティング部材を介して隔離する方法が開示され、或いは吸音性の材料を面ファスナー部材の背面に取り付けて基材自体の容積を増し、剥離時の振動を抑える方法が開示されている。
【0003】
これらの方法によれば、面ファスナーは端縁部のみが縫着などにより取り付けられ、中央部には生地と面ファスナーを固定する要素がないため、広幅の面ファスナーの取り付けには適さないし、生地の背面に別の吸音性材料を取り付ける場合は、面ファスナーが取り付けられる部分の基材の容積が増加し、外観上も手触りも低下し、極めて違和感を感じる。また、縫製方法が複雑になり工程が増えるという問題点もある。
【0004】
また、特開平6−103号公報では、基材背面に振動吸収材を有する面ファスナーが開示されている。この方法で十分な効果を得るには振動吸収剤の重量が十分に無ければならず、面ファスナーが厚くなる欠点がある。また、これらの技術は剥離音の大きさを低く抑えることに注目している。しかし、人間の聴感上、不快な音と不快ではない音が存在する。音を単純に小さくしただけでは十分とは言えず、聴感上も不快を感じさせないことが重要である。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第4, 776, 068号明細書
【特許文献2】
米国特許第4, 884, 323号明細書
【特許文献3】
特開平6−103号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
面ファスナーを剥離する時に比較的大きな異音が発生する。この異音は基材が振動することにより発する音である。個々の係合素子が剥離する際には必ず音の発生を伴い、この音の発生を完全に消すことは困難である。
【0007】
前述の特許文献1〜3では、基材の振動が空気に伝達される割合を低下する方法によって、発生音を小さくしている。しかしながら、これらの面ファスナーを被着物に取り付けたときには、面ファスナー基材の振動が被着物に伝わり、被着物からの音の放射を伴うために、十分な静音効果が得られない。また、背面にマウンティング部材や振動吸収材を設けた場合、全体が厚くなり、衣料等に用いる場合には嵩高となり、衣料製品の質感を損なう。
【0008】
さらに、面ファスナーの縫製後、剥離時の振動が面ファスナーを取り付けた被着物に伝達され、被着からも音が発生するために、単に面ファスナー自体の発生音を小さくしても静音効果が現れないことが多い。
【0009】
本発明は、こうした課題を解決すべくなされたものであり、面ファスナー自体に剥離時の発生音を低減させる構造を開発するとともに、同面ファスナーを装着した面ファスナーの装着製品の剥離時における発生音の低減をも同時に実現でき、或いは通常の面ファスナーであっても、同面ファスナーが装着された製品自体に前記発生音の低減を可能にした面ファスナーの装着製品を開発することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
本発明は面ファスナーの取付構造を特定することにより、面ファスナーの剥離時の発生音を減少させるものであり、或いは面ファスナーの被着物の構造を選択することにより、従来のごとくマウンティング部材や振動吸収材を用いることなく、剥離時に発生する音が静かになる面ファスナーの装着製品に関わる。
【0011】
上記特許文献1にあっては、面ファスナーの基材をラティス構造として、振動が空気中に伝わる効率を低下させ、さらに、背面に質量のある材料を取り付けることにより静音化を図っている。また上記特許文献2によれば、面ファスナー基材の背面にマウンティングシステムを有し、面ファスナー被着物と面ファスナー基材とをマウンティングシステムを介して分離させ、基材から面ファスナー被着物への振動が伝わることを防いでいる。
【0012】
本発明者らの実験によれば、面ファスナーからの異音の発生は、係合した面ファスナーの基材が、フック及びループにより強く引っ張られ、次いで係合が外れたときに引き寄せられた基材が元の状態へと瞬時に復元するときに発生することが分かった。このとき、スピーカーコーンのように振動が空気中に伝達され、音として伝わると考えられる。上記特許文献1に開示するラティス状構造はスピーカーコーンに穴をあけることに相当し、空気中への振動の伝達効率を低く抑えている。
【0013】
本発明の静音面ファスナーは、平板状基材の表面に多数の係合素子を有する係合素子形成領域と係合素子を有さない非係合素子形成領域が形成された面ファスナーであって、前記平板状基材の背面にシート材が装着され、前記シート材は、その少なくとも前記係合素子形成領域に対応する領域に、音の伝達抑制手段を有していることを特徴としている。
【0014】
また、別の視点で考慮すると、平板状基材の背面にシート材が縫着され、前記面ファスナーは、縫着領域とその内方の非縫着領域とが形成され、前記シート材は、その少なくとも前記非縫着領域に対する領域に、音の伝達抑制手段を有してなることを特徴としている。
【0015】
ここで本発明の静音面ファスナーは、平板状基材として織編物、不織布、レースなどの繊維構造材料の他にも合成樹脂材料からなる場合も含まれる。平板状基材が織編物である場合には、同平板状基材から起立する多数の雄係合素子であるフック片はモノフィラメントを織編成と同時にループ状に織り込み又は編み込んだのちに、同ループの一部を切断してフック片を形成しており、また雌係合素子である多数のパイルであるときは、平板状基材の織編成と同時にマルチフィラメントをパイル状に織り込み又は編み込んだのちに、バフィングなどを行って多方向に向けた単繊維からなるパイルを形成する。
【0016】
平板状基材が不織布である場合には、不織布にモノフィラメントをループ状に植え込んだのちに、その一部を切断してフック片を形成し、或いは不織布の表面に形成される多数のパイルをそのままの形態を保持しつつ、バックコーティングや樹脂処理を行い、熱セットして雌係合素子であるパイル片を形成する。合成樹脂製の平板状基材であれば、同基材の成形と同時に、その一表面に多数のフック片を一体に成形して雄面ファスナー部材を製造する。
【0017】
本発明の最も特徴とする点は、面ファスナーの平板状基材の背面に装着されるシート材が、前記基材の係合素子形成領域又は非縫着領域に対応して設けられた音の伝達抑制手段を有しており、面ファスナーの係合素子同士の離脱時に発生する基材の音の伝達を、シート材の音の伝達抑制手段によって抑制することにより、シート材を含む面ファスナー自体が発生する音を低減させる。前記シート材としては、例えば織編物や不織布、レースなどの繊維製シート材は当然としてポリエステル、ポリエチレン、ナイロンなどの合成樹脂製シート材を採用することが可能である。
【0018】
そして、前記音の伝達抑制手段としてには、前記シート材の前記係合素子形成領域又は非縫着領域に少なくとも対応する領域の見掛け密度を0.5g/cm3 以下とすることが肝要である。この見掛け密度の制御は、織編構造にあっては、経横糸の密度や編目ゲージの調節、或いは各種のレース模様の設計によりなされる。また、繊維構造材の構成繊維又は糸条に捲縮糸や嵩高糸を使うことによっても、その見掛け密度を制御することができる。このように、シート材の密度を低くし、振動伝達を抑えることにより、シート材の振動する面積を小さくし、振動が空気へと伝わる効率を下げる。つまりスピーカーコーンを小さくすることにより、振動が空気中に伝達される効率を低く抑えるものである。
【0019】
更には、上記音の伝達抑制手段として、織編物の構成糸を直線的とせず、大きく屈曲させた組織を採用することも効果的である。また、前記音の伝達抑制手段が、前記シート材の前記係合素子形成領域又は非縫着領域と少なくとも対応する領域に形成された表裏を貫通する1以上の貫通孔である場合もある。この場合の貫通孔は、織編組織による貫通孔であっても、或いはケミカルレースのごとく所望の構成糸を溶剤により溶解除去して形成される貫通孔やパンチングにより積極的に形成される貫通孔であってもよい。
【0020】
こうして得られる静音面ファスナーの音の伝達抑制手段を有するシート材の裏面に面ファスナー被着物が装着されてなる面ファスナー装着製品は、前記シート材の音の伝達制御手段による面ファスナーの剥離時に発生する振動が面ファスナー被着物に伝達される効率を低く抑えることができるため、その剥離音を大幅に低減させることができる。前記シート材及び前記面ファスナー被着物は、前記平板状基材の非係合素子形成領域又は縫着領域に縫着一体化されることが、振動が縫糸を介してそれぞれ伝わるようになるため、更に減衰されて被着物に伝わるようになり、より静音化が実現される。
【0021】
しかし、これらの方法では面ファスナー自体の発生音を小さくすることはできるが、例えば生地に縫着したときに面ファスナーの被着物に相変わらず振動が伝達され、被着物からも音を発生させるため、十分な効果が得られない。本発明においては、面ファスナーが取り付けられる被着物の、係合素子の形成領域又は縫着領域の内方の非縫着領域に対応する部位に空隙部を設け、生地に伝わる振動を抑制することにより発生音を減少させる。ここで、面ファスナー被着物とは、通常の織編物や不織布、或いは各種レース類などの繊維製布帛の他にも、例えば天然又は人工の皮革製品や、合成樹脂シートなどを含んでいる。
【0022】
本発明にあっては、平板状基材の表面に多数の係合素子を有する係合素子形成領域と係合素子を有さない非係合素子形成領域とが形成された面ファスナーの基材背面に、少なくとも前記係合素子形成領域に対応する領域に音の伝達抑制手段を有する面ファスナー被着物を直接装着した面ファスナー装着製品とすることが望ましい。
【0023】
また、別の視点で考慮すると、平板状基材の表面に多数の係合素子を有する面ファスナーの基材裏面に面ファスナー被着物が直接縫着され、前記面ファスナーは、縫着領域とその内方の非縫着領域とが形成され、前記シート材は、その少なくとも前記非縫着領域に対する領域に、音の伝達抑制手段を有する面ファスナー装着製品とすることが望ましい。
【0024】
より好ましくは、前記面ファスナー被着物の背面に更に裏地を装着する。すなわち本発明にあっては、面ファスナー被着物の面ファスナーの取付部位に音の伝達手段を設け、そこに雄又は雌の面ファスナー部材の係合素子形成領域を配して、面ファスナー部材を直接面ファスナー被着物に取り付けるものである。従って、面ファスナー自体には必ずしも静音機能を与える必要がない。勿論、面ファスナー自体にも、上述のごとく静音機能を付与することも可能である。
【0025】
前記音の伝達抑制手段は、上記面ファスナーの背面に装着したシート材の音の伝達抑制手段と同様に、前記面ファスナー被着物の前記係合素子形成領域又は非縫着領域に少なくとも対応する領域の見掛け密度を0.5g/cm3 以下であることが肝要であり、前記面ファスナー被着物が織編組織からなる場合には、同織編組織の構成糸条を直線的とせず、90°以上屈曲して織編成するとよい。
【0026】
振動は横波と縦波に分けて考えることができる。横波は糸の長手方向に対して直角方向の振動である。この振動は周囲の糸、バックコーテイング材との摩擦により容易に減衰する。また、制振材等を設けた場合にはさらに効率良く減衰する。一方、縦波は糸の長手方向に振動する波である。この波の伝播速度は糸の貯蔵弾性によって決まり、減衰は糸の損失弾性率によってきまる。貯蔵弾性率と損失弾性率の比は室温では通常10:1程度であり、室温において減衰は大きくない。縦波減衰させるには糸を屈曲させる方法が有効である。屈曲により縦波のエネルギーの一部は横波へ変換され、縦波は屈曲のたびに急速に減衰する。減衰効果を高めるためには屈曲の角度が90°以上であることが望ましい。
【0027】
平織りのように糸の屈曲が小さい組織の場合、振動は減衰せずに広い範囲に拡散する。一方、編みの様に糸が多く屈曲する組織では糸の屈曲により振動は減衰し、狭い範囲の振動にとどまる。特に糸がかさ高い場合には効果が大きい。織編組織の見掛け密度が0.5g/cm3 以下の場合には効果が大きい。さらには嵩高さを調整し、密度を下げる方法として、捲縮糸を用いることもできる。捲縮糸は糸そのものが嵩高性をもっており、織編物が嵩高くなり、密度が低下する。
【0028】
糸としての貯蔵弾性率と損失弾性率の比は混紡により改善できる。特に、ウレタン繊維等の室温付近にタンデルタのピークをもつ材質の糸を混紡すると糸としての損失弾性率が著しく高くなる。また、LDPE(低密度ポリエチレン)のようにガラス転移点が低温であり、結晶化度の小さな材料も有効である。前述のように損失弾性率を高くすると振動が伝わる範囲が狭くなり、スピーカーコーンを小さくする効果がある。また、面ファスナーの基材をレース状組織とすると振動を伝える糸が多重に屈曲され、さらに振動を伝達する糸の本数そのものが減り、見掛けの密度が低下するために面ファスナー自体の静音化が実現され、さらに効果的である。
【0029】
【発明の実施形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面を参照しつつ、それぞれの実施例に基づいて具体的に説明する。図1及び図2は、本発明の代表的な実施例1を示している。
この第1実施例によれば、面ファスナー10として平板状基材11の一表面から起立する係合素子12が多数のパイルである雌の面ファスナー部材が例示されている。しかし、本発明は雌の面ファスナー部材に限らず、係合素子がフック片やきのこ状の雄係合素子からなる雄の面ファスナー部材であってもよく、或いは雄雌が混在する面ファスナー部材であってもよい。また、図面では面ファスナーの平板状基材の構造について具体的に示されていないが、例えば任意の組織をもつ織編物或いは不織布などの繊維構造材である。
【0030】
同実施例における面ファスナー10は、周縁に係合素子12が形成されていない係合素子12の非形成領域Aと、同非形成領域Aの内側にあって係合素子12が形成された係合素子12の形成領域Bとからなる矩形状単片からなる。本発明にあっては、前記面ファスナー10の係合素子12が形成されていない背面にシート材20が装着される。このシート材20は前記面ファスナー10の大きさよりも大きな寸法を有する中央に矩形状の貫通孔21が形成された矩形枠状を呈しており、その中央の貫通孔21は、前記面ファスナー10の係合素子形成領域Bに対応する大きさの矩形状に形成されている。前記貫通孔21は、本発明における音の伝達抑制手段となる。
【0031】
前記シート材20の面ファスナー10に対する装着は、通常、図2に示すように縫糸をもって縫着により装着される。その縫着線L1は、前記シート材20の前記貫通孔21の周辺部分と、面ファスナー10の係合素子12の非形成領域Aに対応する平板状基材11の部分とである。すなわち、面ファスナー10の係合素子形成領域Bの背面側にはシート材20が存在しない状態で、面ファスナー10とシート材20とが縫製により一体化されている。
なお、本発明において、上記縫着線L1が縫着領域Cに対応し、同縫着領域Cの内側に形成される領域が非縫着領域Dに対応する。また、この場合、前記非形成領域Aには、係合素子12が形成されていてもかまわない。
【0032】
こうして背面にシート材20が装着された面ファスナー10が、シート材20を介して面ファスナー被着物30に取り付けられる。本実施例にあっては、具体的な構造の説明は省略するが、前記面ファスナー被着物30もまた、織編物や不織布などの繊維構造材から構成されている。従って、面ファスナー被着物30に対するシート材20の取付けも、縫糸による縫着によりなされる。この縫着線L2は面ファスナー10とシート材20との縫着線L1の外側である。
なお、この場合、縫着領域Cは、縫着線L1とL2とが対応する。この場合も同様に縫着線L1,L2上には係合素子12が形成されていてもかまわない。
【0033】
このように、面ファスナー10、シート材20及び面ファスナー被着物30の取付けを縫糸を使って縫着する場合には、縫糸が大きく屈曲して縫着されることから、後述するように、係合素子12同士が係合状態にある面ファスナー10の接合を剥離するときに発生する耳障りで高音の音がより低減される。また、面ファスナー10と面ファスナー被着物30とが直接一体化されず、貫通孔21が形成されたシー材20を介して一体化され、しかも面ファスナー10の係合素子形成領域B又は非縫着領域Dに対応する領域にはシート材20が存在しないため、係合素子12同士が係合状態にある面ファスナー10の接合を剥離するときに、面ファスナー10の係合素子12自体が発生する音の伝達が、面ファスナー被着物30に直接伝達されないばかりか、シート材20に伝達される前記剥離音も面ファスナー10の係合素子非形成領域A又は非縫着領域Dを介して伝達されるようになり、その伝達効率が著しく低減され、空気中へ伝達される音量も減衰すると同時に低音となり、静音化が実現される。
【0034】
本実施例にあって、上記シート材20の材質や構造も面ファスナー自体の剥離時に発生する音の伝達に大きな影響を与える。例えば、図3に示す実施例2のように、上述のごとく音の伝達抑制手段としての貫通孔21を殊更に形成しなくても、シート材20の見掛け密度を小さくすることにより音の伝達が抑制される。この見掛け密度は0.5g/cm3 以下であることが必要である。0.5g/cm3 を越えると、音の伝達効率が低下せず、静かにならない。
【0035】
この見掛け密度の制御は、織編構造にあっては、経緯糸の密度や編目ゲージの調節、或いは各種のレース模様の設計によりなされる。また、繊維構造材の構成繊維又は糸条に捲縮糸や嵩高糸を使うことによっても、その見掛け密度を制御することができる。更には、織編物や不織布などの布帛にあっては、常法により布帛表面にパイルを形成すると同時にそのパイル密度や高さを制御することによっても見掛け密度を制御することができる。
【0036】
表1は、25mm幅の編物を平板状基材11とする同一材料、同一組織の面ファスナー10を、様々な見掛け密度を有する面ファスナー被着物30に縫着により取り付けたときの音の大きさを測定した結果を示している。ここで、面ファスナー被着物30としての生地は、表中に示した見掛け密度を有する一般の平織り組織の織物、合成皮革、ニット製品、パイル織物及びフリースの5種類を使っている。
【0037】
表1に示す音の大きさ(dB)は、マイクロホンを各試料から65mmの距離を置いて剥離時に測定したときの発生音の比較である。同表からも明らかなように、剥離時の音は面ファスナー被着物30の密度に強く依存しており、見掛けの密度が0.5g/cm3 以下の場合には発生音が小さくなる。
【0038】
この点は、面ファスナー10自体にも同じことが言える。すなわち、面ファスナー10の平板状基材11の見掛け密度を同じく0.5g/cm3 以下とすることが好ましく、面ファスナー10の平板状基材11と上記シート材20とのそれぞれの見掛け密度を0.5g/cm3 以下とすると、両者の機能が相まって更に音の伝達効率を減少させ、発生する剥離音が大幅に低くする。
【0039】
【表1】
【0040】
更に表1から、織編物や不織布などの繊維布帛であれば、見掛け密度とは別に、その構成糸条又は構成繊維が大きく屈曲しているほうが、音の伝達効率を有効に低減させることができることも理解できる。編糸は、織糸(経緯糸)と較べると、一般に屈曲が大きいため、通常の組織では編物の方が織物よりも音の伝達効率が低くなる。また、織物であっても、既述したとおり、パイルを形成することにより構成糸条が大きく屈曲することになり、見掛け密度を小さくできることと相まって、音の伝達効率を効果的に低減させることができる。このときの屈曲は90°以上であることが望ましい。
【0041】
以下に、面ファスナー10の見掛け密度を0.5g/cm3 以下とし、シート材20の見掛け密度を0.5g/cm3 より大きい比較例と、面ファスナー10の見掛け密度を0.5g/cm3 以下にするとともに、シート材20に貫通孔21を形成した実施例3と、面ファスナー10及びシート材20の双方の見掛け密度を0.5g/cm3 以下とした実施例4とを挙げて、本発明によるシート材付き面ファスナーの剥離時における実際の静音化について具体的に説明する。音の大きさの測定は上記測定方法に準じている。
【0042】
(比較例)
ニット構造のナイロン基材(密度0.45g/cm3)にナイロンのループを有する雌面ファスナー部材とレース状基材(密度0.50g/cm3)にループを有する雄面ファスナー部材のみの剥離音は75dBであった。これら基材密度の低い面ファスナーの各背面に、シート材として密度0.60g/cm3 のタフタ生地を縫製により取り付けた。面ファスナーの背面に前記タフタ生地を縫製した試料の剥離音は85dBであった。
【0043】
この比較例から理解できるように、平板状基材の見掛け密度が0.5g/cm3 以下の面ファスナーを使っても、その背面に取り付けるシート材の見掛け密度が0.5g/cm3 を越えると、面ファスナーの静音機能が喪失して、却って面ファスナーの剥離音がより拡大する。
【0044】
(実施例3)
上記比較例と同種の雌面ファスナー部材と雄面ファスナー部材の各背面に、シート材として密度0.60g/cm3 のタフタ生地に縫製により取り付けた。このとき、タフタ生地の面ファスナーの係合素子形成領域の裏面が接触する部分を切り取り貫通孔を形成した試料では剥離音は78dBであった。
【0045】
この実施例から理解できるように、同じ種類の面ファスナーを使っても、面ファスナーの背面の面ファスナーの係合素子形成領域と対応する領域にわたって貫通孔を形成したシート材を取り付けると、静音機能を有する面ファスナー同士の剥離音の大きさが75dBであるのに対して、その剥離音は78dBと僅かに大きくなるだけであって、耳障りとまでは言えない静かな音であった。
【0046】
(実施例4)
上記比較例と同種の雌面ファスナー部材及び雄面ファスナー部材の各背面に、シート材として見掛け密度が0.28g/cm3 であるニット生地を縫製により取り付けた試料では剥離音は76dBであった。この実施例にあっては、前記実施例3よりも、更に剥離音が小さくなり、面ファスナー単独のときよりも僅かに1dBだけ音が大きくなったに過ぎない。
【0047】
以上の結果から、面ファスナーに装着するシート材の見掛け密度を0.5g/cm3 以下とするか、或いは面ファスナーの係合素子形成領域又は非縫着領域と対応する領域に貫通孔を形成することが、面ファスナーの静音化機能を阻害しないことが理解できる。
【0048】
図4及び図5は、本発明のシート材付き面ファスナーを面ファスナー被着物に取り付けるときの取付け構造例を示している。図4はシート材20に上記貫通孔21が形成されている場合の面ファスナー被着物30に対する面ファスナーの取付け構造を示し、図5はシート材20の見掛け密度が0.5g/cm3 以下である場合の面ファスナー被着物30に対する面ファスナーの取付け構造を示している。これらの図に示すように、面ファスナー10、シート材20及び面ファスナー被着物30の3者を同一の縫糸をもって、同時に縫製するよりは、面ファスナー10とシート材20とを予め縫製により一体化したのち、その縫着線の外側で3者を一緒に縫製する方が、より剥離音を低減させることができる。
【0049】
なお、図示は省略するが、先ず面ファスナー10とシート材20とを縫製一体化したのち、シート材と面ファスナー被着物とを別途に縫製一体化する場合もあり、この場合には更に剥離音の低減ができる。
【0050】
図6は、面ファスナー10が大型である場合のシート材20と面ファスナー被着物30との取付け構造の一例を示している。また、この例では係合素子として雄係合素子12aと雌係合素子12bとが同一基材11の一表面に混在して形成されている面ファスナー10が使われている。こうした混在型の面ファスナー10は、例えば平板状基材11の織編成時に、マルチフィラメントとモノフィラメントとを混在状態でそれぞれループ状に織り込み又は編み込み、モノフィラメントのループの一部を切断することにより、雄雌の係合素子12a,12bが形成される。
【0051】
更に図示例では、大型の面ファスナー10の平板状基材11を係合素子非形成領域Aをもって複数の係合素子形成領域Bに画成し、シート材20の前記各係合素子形成領域Bに対応する領域に係合素子形成領域Bと同一形状又はそれより僅かに大きな貫通孔21をそれぞれ形成している。この実施例では、図面の左右に一対の係合素子形成領域Bを形成しており、面ファスナー10の背面に予め前記シート材20が縫製により装着される。このときの縫着は、面ファスナー10の中央の係合素子非形成領域Aを除く全ての係合素子形成領域Bを囲む非形成領域Aにおいて縫着線L1に沿って縫製することによりなされる。この縫製がなされたのち、前記縫着線L1の外側と前記中央の係合素子非形成領域A上の縫着線L3に沿って、面ファスナー10、シート材20及び面ファスナー被着物30の3者が同時に縫製により一体化される。
【0052】
なお、この場合は、縫着領域Cは、縫着線L1,L2及びL3が対応し、同縫着領域Cの内側に形成される領域が非縫着領域Dに対応する。また、この場合は、縫着領域C(前記非形成領域A)には、係合素子12が形成されていてもかまわない。
【0053】
このように、大型の面ファスナー10をシート材20を介して面ファスナー被着物30に取り付ける場合、単に面ファスナー10の周縁部の係合素子被形成領域Aだけで縫着すると、面ファスナー10と面ファスナー被着物30との間に大きな空間が形成され、面ファスナー10が面ファスナー被着物30から浮き上がった状態となることから、特に面ファスナー被着物30が柔軟な場合には、面ファスナー取付け領域において面ファスナー被着物30の変形がひどく、その形態を保持することが難しくなる。更には、面ファスナー接合面積を折角大きくして接合強度を大きな面で確保しようとするにも関わらず、その強度は全て縫着線に沿って縫製された縫糸により受けられることになり、大きな剥離力が作用するときには、縫着線に沿って面ファスナー被着物30が損傷を受けかねない。
【0054】
そこで、本実施例にあっては、上述のように、面ファスナー10の平板状基材11を係合素子非形成領域Aをもって複数の係合素子形成領域Bに画成し、シート材20の前記各係合素子形成領域Bに対応する領域に係合素子形成領域Bと同一形状又はそれより僅かに大きな貫通孔21をそれぞれ形成して、係合素子非形成領域Aを平板状基材11の表面に分散させて形成し、その中央部にても面ファスナー10、シート材20及び面ファスナー被着物30とを縫着線L3に沿って縫製し、3者を一体化できるようにしている。
【0055】
本発明における面ファスナー10の雄の係合素子12aは、上述のように、その(繊維製)基材11にモノフィラメントをループ状に織り込み又は編み込み、そのループの一部を切断して形成する場合に限らず、合成樹脂材料を使って、平板状基材を成形すると同時に、同基材表面に雄の係合素子を一体に成形した面ファスナーを使うことも可能である。図7は、そうした合成樹脂製の面ファスナー10を使う場合の静音構造を示している。同図に示すように、面ファスナー10の面ファスナー被着物30に対する取付け構造は、図5に示した取付け構造と実質的に同じであり、このとき前記面ファスナー10の平板状基材11自体に凹陥部を形成したり、或いは貫通孔を形成すると、静音化を更に向上させる。
【0056】
なお、以上の説明において、雄の係合素子12aとして平板状基材11の織編成と同時にループ状に織り込まれ又は編み込まれるモノフィラメントのループの一部を切断してフック片を形成するとしているが、同モノフィラメントのループの頂点部を切断するとともに熱溶融させて、起立するモノフィラメントの先端に球状の係合頭部を形成し、きのこ状の雄係合素子を成形することもある。また、上記合成樹脂製の面ファスナーにあっても、雄の係合素子形態はフック状に限らず、例えばEP0811331A2公報に開示されているような特殊な形態をもつ係合素子であってもよい。
【0057】
図8は本発明の第5実施例である面ファスナー被着物に対する静音面ファスナーの装着状態を示す要部断面図である。本実施例に使われる面ファスナー10は、従来の通常一般的な構造を有する面ファスナーであっても、或いは既述したように面ファスナーの基材の見掛け密度を小さくしたり、貫通孔を形成するなどして自体が静音性を備えた面ファスナーであってもよい。
【0058】
この実施例の特徴点は、面ファスナー10が取り付けられる面ファスナー被着物自体が、その面ファスナーの少なくとも取付け領域の見掛け密度を0.5g/cm3 以下とし、或いは本発明の上述のごとき静音構造を備えた面ファスナーであれば、その係合素子形成領域B又は非縫着領域Dと少なくとも対応する領域に同係合素子形成領域B又は非縫着領域Dと同様の形状をもつ貫通孔を形成して、静音構造としている点にある。更に図示実施例では、雌の係合素子12bを有する面ファスナー10を面ファスナー被着物30に装着するにあたって、同面ファスナー被着物30の裏面に更に裏地40を同時に装着している。
【0059】
このように、少なくとも面ファスナー被着物30の面ファスナー装着領域に、上述のような音の伝達抑制手段を設けることにより、例えば通常の面ファスナーであっても、その剥離時に発生する音の伝達が抑制され、通常よりも低音とすることができる。また、前記音の伝達抑制手段により面ファスナー被着物30の面ファスナー装着領域の強度が小さくなる場合又は、外観体裁を良くする場合には、上述のごとく、面ファスナー被着物30の裏面に裏地40を一緒に装着することが望ましい。
【0060】
図9〜図12は、上述のごとき面ファスナー10の装着製品の代表的な例を示している。
図9は紙おむつ31の構造例を示しており、同紙おむつ31の背胴部31aの左右に延びる一対の翼片31bの前面と、腹胴部31cの上端部中央領域の前面とのそれぞれに本発明の上記静音面ファスナー10がシート材20を介しておむつ31に取り付けられている。このように、紙おむつ31に本発明の静音面ファスナー10を取り付けると、乳幼児などの睡眠を妨げることなく静かにおむつ31の取り替えができる。
【0061】
図10は蓋付きの鞄32の一例を示しており、本発明の静音面ファスナー10を既述した取付け構造をもって開閉部に取り付けると、例えば図書館やコンサート会場などのように静寂さを要求される場所においても、周囲に迷惑をかけることなく静かに開閉操作を行うことができる。図11はゴルフ手袋33を例示している。ゴルフ手袋33は、手に一旦嵌めればプレーの終了時まで取り外すないというわけにはいかず、特にパットに入る前には手から取る場合が多い。このとき、従来の手袋では、面ファスナーの剥離音が響き、一緒にプレーをしている相手に動揺を与えかねない。その点、本発明の静音面ファスナー10を上述の取付け構造をもって取り付ければ、そのような心配がなく安易に手袋33の脱着が可能となる。図12は一般の背広などの外衣34のポケット34aの開閉部に本発明の静音面ファスナー10を取り付けた状態を示している。この例にあっても、ポケット34aの開閉操作を静かに行うことができるため、周囲の注目を浴びたり、迷惑をかけたりすることがなくなる。
【0062】
以上述べたとおり、本発明のシート材付きの静音面ファスナーと同面ファスナーの装着製品は、いずれもその剥離時に発生させる高音で耳障りな音を著しく低くすることができるため、異常な音の発生を嫌う場所においても、気兼ねなく脱着操作が可能となる。なお以上の説明は、本発明の典型的な例を挙げたに過ぎず、本発明の精神の範囲内において多様な変形が可能であることは上述の説明からも明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す静音面ファスナーの取付け分解図である。
【図2】同静音面ファスナーの取付け状態を示す要部斜視図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す静音面ファスナーの取付け分解図である。
【図4】同静音面ファスナーの取付け構造例を示す図2のIV-IV 線断面図である。
【図5】上記第2実施例を示す静音面ファスナーの取付け構造例を示す図4と同様の断面図である。
【図6】本発明の静音面ファスナーの他の取付け構造例を示す図4と同様の断面図である。
【図7】静音面ファスナーに合成樹脂製の成形面ファスナーを使ったときの面ファスナーの取付け構造例を示す図4と同様の断面図である。
【図8】本発明に係る第5実施例による雄及び雌の静音面ファスナー部材の各装着製品の取付け構造を示す断面図である。
【図9】本発明の静音面ファスナーが装着された紙おむつの一例を示す全体の斜視図である。
【図10】本発明の静音面ファスナーが装着された蓋付き鞄の一例を示す全体の斜視図である。
【図11】本発明の静音面ファスナーが装着されたゴルフ手袋の一例を示す全体の斜視図である。
【図12】本発明の静音面ファスナーが装着された外衣の一例を示す全体の斜視図である。
【符号の説明】
10 面ファスナー
11 平板状基材
12 係合素子
12a 雄の係合素子
12b 雌の係合素子
20 シート材
21 貫通孔
30 静音面ファスナー被着物
30a 貫通孔
31 紙おむつ
31a 背胴部
31b 左右翼片
31c 腹胴部
32 鞄
33 ゴルフ手袋
34 外衣
34a ポケット
40 裏地
Claims (8)
- 平板状基材(11)の表面に多数の係合素子(12)を有する係合素子形成領域(B) と係合素子を有さない係合素子非形成領域(A) が形成された面ファスナー(10)であって、
前記平板状基材(11)の背面にシート材(20)が装着され、
前記シート材(20)は、その少なくとも前記係合素子形成領域に対応する領域の見掛け密度を0.5g/cm 3 以下としてなる、
ことを特徴とする静音面ファスナー。 - 平板状基材(11)の表面に多数の係合素子(12)を有する面ファスナー(10)であって、
前記面ファスナーは、縫着領域(C) とその内方の非縫着領域(D) とが形成されるとともに、前記平板状基材(11)の背面にシート材(20)が縫着されてなり、
前記シート材(20)は、その少なくとも前記非縫着領域(D) に対する領域の見掛け密度を0.5g/cm 3 以下としてなる、
ことを特徴とする静音面ファスナー。 - 前記面ファスナー(10)の平板状基材(11)の見掛け密度が0.5g/cm3 以下である請求項1又は2記載の静音面ファスナー。
- 前記シート材(20)が繊維製シート材又は合成樹脂製シート材からなる請求項1〜3のいずれかに記載の静音面ファスナー。
- 前記シート材(20)が織編組織からなり、同織編組織の糸条が90°以上屈曲して織成又は編成されてなる請求項4記載の静音面ファスナー。
- 平板状基材(11)の表面に多数の係合素子(12)を有する係合素子形成領域(B) と係合素子(12)を有さない係合素子非形成領域(A) が形成させた面ファスナー(10)の基材裏面に、少なくとも前記係合素子形成領域(B) の見掛け密度を0.5g/cm 3 以下としたシート材(20)が装着され、さらに同シート材(20)の裏面に面ファスナー被着物(30)が装着されてなることを特徴とする面ファスナー装着製品。
- 前記シート材(20)と前記面ファスナー被着物(30)とが、前記平板状基材(11)の係合素子非形成領域(A) に縫着一体化されてなる請求項6記載の面ファスナー装着製品。
- 平板状基材(11)の表面に多数の係合素子(12)を有する面ファスナー(10)の基材裏面にシート材(20)が縫着され、前記面ファスナーには、縫着領域(C) とその内方の非縫着領域(D) とが形成され、前記シート材(20)は、その少なくとも前記非縫着領域(D) に対する領域に、音の伝達抑制手段を有してなり、さらに同シート材(20)の裏面に面ファスナー被着物(30)が装着されてなることを特徴とする面ファスナー装着製品。
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