JP4003676B2 - 曲り継手の取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根先回りの外曲り又は内曲りで使用する曲り継手の取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
曲り継手の取付構造としては、例えば、特開平11−200568号公報に開示されている。このものは、図6に示すように、曲り継手101と、取着部102と、両端部に軒樋嵌合部103とを備え、取着部102は入隅部(図示せず)の方向から突設されたリブ104と入隅部とほぼ平行に取り付けられた固定板105とからなり、固定板105の下端部に取付孔106が設けられ、取付孔106が曲り継手101の底面より下になされ、曲り継手101の両端部に軒樋の屋外側耳部を押える屋外側押え片107と屋内側耳部を押える屋内側押え片108を有しているものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−200568号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の曲り継手の取付構造に記載しているものでは、入隅部と曲り継手101の屋内側押え片108と固定部材の屋内側に固定板の隙間にリブ104を設けているので、曲り継手101の自重や雨水等による曲り継手101の前倒れを防ぐことができる。また、曲り継手101の両端部の軒樋嵌合部103に軒樋を嵌合させて接続するので、軒樋の寸法取りは多少正確でなくても問題はなかった。しかし、この曲り継手の取付構造では、取着部102に曲り継手101を取り付けてから入隅部に固定するので、取着部102と曲り継手101が入隅部に固定された状態で、曲り継手101の両端部の軒樋嵌合部103で軒樋を接続するので、軒樋の施工が難しかった。
【0005】
本発明は、かかる事由に鑑みてなしたものであり、その目的とするところは、曲り継手の軒樋の寸法取りが正確にできるとともに、施工が容易にできる曲り継手の取付構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1記載の発明は、屋根先回りの外曲り又は内曲りの部位に軒樋吊具を介して曲り継手を取り付けてなり、この曲り継手の両端部には軒樋の端部が各々接続される曲り継手の取付構造であって、曲り継手と屋根先との間に下方から挿入されるスペーサを備え、このスペーサを軒樋吊具に脱着自在に取り付けて、同スペーサで曲り継手の後壁部を当接保持してなる曲り継手の取付構造であって、軒樋吊具が屋根先に取着固定される取着板部を有するものであり、この取着板部の前面に係止受け凸起を突設し、スペーサに上方へ開口した二股状の係止部を設け、この係止部を同係止受け凸起にその両側から係止させることで、同スペーサを軒樋吊具に脱着自在に取り付けたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1の構成において、二股状の係止部を弾性に抗して拡開されるものである。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2の構成において、二股状の係止部を対の狭持片で形成して、両狭持片の下方に操作片を各々延設し、両操作片を掴み操作することで両狭持片が開閉動作されるようになしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図1乃至図5に基づいて説明する。
【0011】
この実施形態の曲り継手の取付構造は、屋根先回りの外曲り又は内曲りの部位5に軒樋吊具1を介して曲り継手2を取り付けてなり、この曲り継手2の両端部には軒樋4の端部が各々接続される曲り継手の取付構造であって、曲り継手2と屋根先との間に下方から挿入されるスペーサ3を備え、このスペーサ3を軒樋吊具1に脱着自在に取り付けて、スペーサ3で曲り継手の後壁部24を当接保持してなるものである。
【0012】
さらに、軒樋吊具1が屋根先に取着固定される取着板部14を有するものであり、取着板部14の前面に係止受け凸起16を突設し、このスペーサに上方へ開口した二股状の係止部32を設け、この係止部32を係止受け凸起16にその両側から係止させることで、スペーサ3を軒樋吊具1に脱着自在に取り付けたものである。
【0013】
さらに、二股状の係止部32を弾性に抗して拡開されるものである。
【0014】
さらに、二股状の係止部32を対の狭持片31で形成して、両狭持片31の下方に操作片34を各々延設し、両操作片34を掴み操作することで両狭持片31が開閉動作されるようになしたものである。
【0015】
以下に、この曲り継手の取付構造についてより詳細に説明する。
【0016】
軒樋吊り具1は、例えば、鉄板又はステンレス鋼板の金属板を成型したものであり、図1又は図2に示すように、吊具本体11と、取着板部14と、係止受け凸起16と、を備えている。
【0017】
吊具本体11は、図1又は図2に示すように、後述する曲り継手2を係止するための前耳係止部12aと後耳係止部12bと、両者を接続する連結部13と、連結部13の下方より延設する前側係止部12cと、を有し、後述する取着板部14の上部より略水平に突設されている。
【0018】
取着板部14は、図2に示すように、四方形の板状の上部に略水平に吊具本体11が突設され、また、下部には後述するスペーサ3を取り付けるための係止受け凸起16が突設されている。係止受け凸起16は、その下部の両側面に凹凸形状を有する凹凸部17が設けられている。また、凹凸部17の上側には、スペーサ3が入り過ぎないためのストッパー18が設けられている。そして、取着板部14には、屋根先回りの外曲り又は内曲りの部位5に取り付けるためのビス孔15が設けられている。
【0019】
曲り継手2は、例えば、硬質塩化ビニールのような合成樹脂製のものからなっている。この曲り継手2は、図1又は図5に示すように、軒樋4の端部と接続するために両端部に設けられた軒樋接続部21と、底部22と、底部22の部位5側から立設された後壁部23と、後壁部23の対向側に前側係止部12cに対応するように延設された前側押さえ部と、前側押さえ部から延設された前壁部24と、を有している。そして、後壁部23の上端部には軒樋吊具1に取り付けるための後耳係止部12bに対応した後耳が設けてある。また、前壁部24の上端部には、軒樋吊具1に取り付けるための前耳係止部12aに対応した前耳が設けてあるスペーサ3は、図3に示すように、2個の狭持片31と、接続部36を有する2個の操作片34と、を有し、狭持片31の下側から延設された操作片34とが接続部36から弾性体35により接続されたものである。
【0020】
狭持片31は、接触部33と、係止部32と、を有している。
【0021】
係止部32は、正面視において、狭持片31の上端部の側面から、三角形状に延設され、凹凸部17の凹部分に係止部32に三角形状に延設された底辺を引掛けて取り付けるものである。
【0022】
接触部33は、スペーサ3を取着板部14に取付る場合に接触部33を取着板部14に接触させるものである。
【0023】
操作片34は、狭持片31の下側に延設し、スペーサ3を係止受け凸起16に取り付けた場合、下方にゆくにしたがって取着板部14と曲り継手2の方向の幅が太くなっている。すなわち、操作片34の部位5側は、係止受け凸起16に取り付けた場合、接触部33が係止受け凸起16に接触した状態で操作片34が部位5に接触するようになっている。また、操作片34の曲り継手3側は、取着板部14と曲り継手3側の間隔より大きくなっている。
【0024】
狭持片31をこのような構造にすることにより、スペーサ3の上方へ開口したした二股状の係止部32を設け、この係止部32を係止受け凸起16にその両側から係止させることで、スペーサ3を軒樋吊具1に脱着自在にすることができる。
【0025】
また、操作片34をこのような構造にすることにより、スペーサ3を軒樋吊具1に取り付けた場合の安定性が良くなる。また、係止部32を凹凸部17の上部に取り付けた場合は、曲り継手3と取着板部14の間隔は広くなり、また、係止部32を凹凸部17の下部に取り付けた場合は、曲り継手3と取着板部14の間隔は狭くなるようになっている。
【0026】
弾性体35は、例えば、金属製のバネや鋼などの弾性体からなっている。
【0027】
接続部36は、左右対称の狭持片31を係止部32が向かい合うように弾性体35で接続する部分である。
スペーサ3をこのような形状にする事により、両操作片34を掴み操作することで両狭持片31が開閉動作されるようになしたものである。そして、スペーサ3を凹凸部17に取り付ける場合は、操作片34、34の内側を近づけ係止部32を開け、接触部33を取着板部14に接触するようにして、そして、係止部32と係止受け凸起16の凹凸形状とが係合することにより、スペーサ3が取着板部14に脱着自在に取り付けることができる。
次に、曲り継手2を軒樋吊具に取り付ける手順を図4又は図5に基づいて説明する。
【0028】
まず、軒樋吊具1を取着板部14のビス孔15よりビス等の使い軒樋吊具1を入隅部51、又は、出隅部52の所定の位置に取り付ける。そして、スペーサ3を軒樋吊具1の取着板部14に取り付ける。そして、曲り継手2の前耳を、軒樋吊具1の前耳係止部12aにかけ曲り継手2のコーナーが入隅部51、又は、出隅部52のセンターに合うように位置決めする。そして、曲り継手2の後耳を軒樋吊具1の後耳係止部12bに取り付ける。このとき、係止部32を凹凸部17の上部に取り付ける場合は、曲り継手3と取着板部14の間隔は広くなり、また、係止部32を凹凸部17の下部に取り付ける場合は、曲り継手3と取着板部14の間隔は狭くなるので、曲り継手3が取り付け易い位置にスペーサ3を取り付けるとよい。そして、軒樋4の寸法取りが完了した後、スペーサ3を取り外す。最後に寸法取りした軒樋4の端部と曲り継手2の軒樋接続部21を隙間なく突き合わせて接続する。
【0029】
なお、係止受け凸起16は、その下部の両側面に凹凸部17を有しているが、スペーサ3の係止部32が係止できれば、特に必要はない。また、上部にスットパー18が設けてあるが、スペーサ3が奥に入り過ぎても問題なければ、特に必要ない。また、弾性体35を使用せずに係止部32が係止受け凸起16の係止できれば、特に弾性体35は必要ない。
【0030】
なお、係止部32は、三角形状になっているが、係止受け凸起に係止できればよく、形状は適宜決めればよい。
【0031】
なお、両操作片34を掴み操作することで両狭持片31が開閉動作するようになっているが、係止部32が係止受け凸起16の係止できればよく、特に両狭持片31が開閉動作する必要はない。
【0032】
この曲り継手の取付構造によれば、曲り継手2を軒樋吊具1に取り付ける場合に、スペーサ3を軒樋吊具1の係止受け凸起16に取り付けることにより、曲り継手2の前倒れがなくなり安定に固定することができる。
【0033】
従って、屋根先回りの外曲り又は内曲の曲り継手に取り付ける軒樋4の寸法取り及び施工が容易にできる。特に、曲り継手2の両端部に軒樋4の端部を突き合わせで接続される場合は、曲り継手2の軒樋4の寸法取り及び施工が容易にできる。特に、曲り継手2の両端部に軒樋4の端部を突き合わせで接続される場合は、曲り継手2の軒樋4の寸法取り及び施工が容易にできる。
【0034】
【発明の効果】
請求項1記載の発明にあっては、曲り継手を軒樋吊具に取り付ける場合、スペーサを軒樋吊具に取り付けることにより、曲り継手の前倒れがなくなり安定に固定することができ、屋根先回りの外曲り又は内曲の曲り継手に取り付ける軒樋の寸法取り及び施工が容易にできる。
【0035】
請求項1記載の発明にあっては、スペーサを軒樋吊具の係止受け凸起に取り付けることにより、より安定にスペーサを軒樋吊具に固定することができる。
【0036】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の効果に加え、スペーサを弾性体の弾性力に抗して軒樋吊具の係止受け凸起に取り付けることにより、より安定にスペーサを軒樋吊具に固定することができる。
【0037】
請求項3記載の発明にあっては、請求項2記載の効果に加え、操作片を設けることにより狭持片が容易に開閉することができるので、容易にスペーサを軒樋吊具の係止受け凸起に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の側面断面図。
【図2】同上の軒樋吊り具の斜視図。
【図3】同上のスペーサの斜視図。
【図4】同上の出隅部と入隅部の説明図。
【図5】同上の曲り継手の取付構造の斜視図。
【図6】従来の曲り継手の取付構造。
【符号の説明】
A 曲り継手の取付構造
1 軒樋吊具
2 曲り継手
3 スペーサ
4 軒樋5 部位
11 吊具本体
14 取着板部
16 係止受け凸起
24 前壁部
31 狭持片
32 係止部
34 操作片
Claims (3)
- 屋根先回りの外曲り又は内曲りの部位に軒樋吊具を介して曲り継手を取り付けてなり、この曲り継手の両端部には軒樋の端部が各々接続される曲り継手の取付構造であって、曲り継手と屋根先との間に下方から挿入されるスペーサを備え、このスペーサを軒樋吊具に脱着自在に取り付けて、同スペーサで曲り継手の後壁部を当接保持してなる曲り継手の取付構造であって、軒樋吊具が屋根先に取着固定される取着板部を有するものであり、この取着板部の前面に係止受け凸起を突設し、スペーサに上方へ開口した二股状の係止部を設け、この係止部を同係止受け凸起にその両側から係止させることで、同スペーサを軒樋吊具に脱着自在に取り付けたことを特徴とする曲り継手の取付構造。
- 二股状の係止部を弾性に抗して拡開されるものとしたことを特徴とする請求項1記載の曲り継手の取付構造。
- 二股状の係止部を対の狭持片で形成して、両狭持片の下方に操作片を各々延設し、両操作片を掴み操作することで両狭持片が開閉動作されるようになしたことを特徴とする請求項2記載の曲り継手の取付構造。
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