JP4001920B2 - フッ素化炭素化合物の合成およびその反応混合物からタールを分離する方法 - Google Patents
フッ素化炭素化合物の合成およびその反応混合物からタールを分離する方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4001920B2 JP4001920B2 JP53718697A JP53718697A JP4001920B2 JP 4001920 B2 JP4001920 B2 JP 4001920B2 JP 53718697 A JP53718697 A JP 53718697A JP 53718697 A JP53718697 A JP 53718697A JP 4001920 B2 JP4001920 B2 JP 4001920B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hcfc
- tar
- halogenated hydrocarbon
- composition
- hfc
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C17/00—Preparation of halogenated hydrocarbons
- C07C17/093—Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens
- C07C17/20—Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of halogen atoms by other halogen atoms
- C07C17/202—Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of halogen atoms by other halogen atoms two or more compounds being involved in the reaction
- C07C17/206—Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of halogen atoms by other halogen atoms two or more compounds being involved in the reaction the other compound being HX
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C17/00—Preparation of halogenated hydrocarbons
- C07C17/07—Preparation of halogenated hydrocarbons by addition of hydrogen halides
- C07C17/087—Preparation of halogenated hydrocarbons by addition of hydrogen halides to unsaturated halogenated hydrocarbons
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C17/00—Preparation of halogenated hydrocarbons
- C07C17/093—Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens
- C07C17/20—Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of halogen atoms by other halogen atoms
- C07C17/21—Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of halogen atoms by other halogen atoms with simultaneous increase of the number of halogen atoms
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C17/00—Preparation of halogenated hydrocarbons
- C07C17/38—Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
本発明は、液相でハロゲン化炭素化合物と無水フッ化水素(HF)からフッ素化炭素化合物を合成する際に、他の反応成分からタールおよび不揮発性試薬を分離する方法に関する。
発明の背景および従来の技術
一般にフッ素化炭素化合物の合成は、液相で、通例触媒の存在下、ハロゲン化炭素化合物をHFと反応させて行う。この方法を実施すると、望ましくない不揮発性副生物が生成される。このような不揮発性副生物を反応混合物から分離する技術については、従来の技術でも言及されてきた。しかし、今までのところ、これらの技術のうちどれ一つとして成功したものはない。
Komatsu他(米国特許第4,766,258号、1988年8月23日発行)は、推定上高沸点副生物の生成を最小限に抑えるような、ヒドロフルオロカーボン(HFC)およびヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)の製造方法を開示している。この方法は、ハロゲン化スズ触媒と、酸素または窒素含有化合物から選択される添加物の両者の存在下で、ヒドロクロロカーボンをHFと反応させるものである。この「液体取出し法」(上記引用文献、第7欄41行目)は、抽出段階においてHFを用い、その後高沸点副生物から有機相を蒸留して分離することで、反応成分の残部から高沸点副生物を分離する方法を開示している。また、この「蒸気取出し法」(上記引用文献、第8欄21行目)は、このような副生物が反応器に蓄積すること、したがって、連続またはバッチ式方法で反応アリコートを取出した後それを処理することによってそれら副生物を除去する必要があることを開示している。このような処理の具体的な性質については、Komatsu他は一切言及していない。
Komatsu他(特開昭62(1987)−246528、1987年10月27日公開)は、HF中で塩基として作用する化合物、スズ触媒およびHFからの反応生成物の存在下、液相で、「水素含有ハロゲン化炭化水素」をHFと反応させることを特徴とする、HFCおよびHCFCの製造方法を開示している。この方法は、米国特許第4,766,258号に記載の添加物が除外されて、代りに「HF中で塩基として作用する化合物」という一般的分類が用いられている点を除けば、米国特許第4,766,258号に記載の方法と本質的に同じである。この公開公報記載の方法もKomatsu他の米国特許第4,766,258号に関して先に論じたと同様の欠点を有している。
Pennetreau他(欧州特許出願公開第637,579号A1、1995年2月8日公開)は、金属触媒と、少なくとも1つの飽和ハロゲン化炭化水素から成る有機溶媒の両者の存在下で、クロロエテンをHFと反応させることによって、HCFC−151aまたはHFC−152aのいずれかを選択的にかつ高収率で生成する方法を開示している。推定上、この方法によって生成するタールの量を減らすことが可能となるはずであるが、これは商業上幾つかの欠点を有している。必要とする溶媒の割合が大きく、したがって溶媒を収容するために大容量の反応器が必要となり、そのため反応器の効果が減少することになる。また、このような条件下では、所望のHFC−152aが所望しないHCFC−151aの量を実質的に上回って生成されるような方法が十分でないと、その成功にはほぼ致命的となる。また、この方法においてタールが高濃度になることを防止するために、Pennetreau他は、ユーザが定期的に反応器から一定量の反応混合物を抜き取ることを要求している。この引用文献もまた、抜き取ったアリコート中の反応成分からタールを分離する技術に関しては、一切言及していない。
Pittard(欧州特許第98,341号B)は、液相で1,1,1−トリクロロエタンを無水フッ化水素と反応させる際に得られる反応混合物の有機成分から、HFを分離する方法を開示している。この方法では、蒸気および液体それぞれのアリコートを反応器から取出し、液相のアリコートを加熱してHFとその他の揮発性有機物質を蒸発させ、この蒸発物質をオリジナルの反応器蒸気相のアリコートと化合させて得られる化合物を約−26℃ないし約−9℃にまで冷却、その後HFが濃厚な相とハロゲン化炭化水素が濃厚な相とを分離する。液相の反応器アリコートから揮発性物質を蒸発させた後、親(parent)の液相の約2重量%の残存不揮発性タールを取り除き、水の入った処理容器中に移す。
発明の目的
本発明の一つの目的は、液相で、随意に金属ハロゲン化物触媒および他の添加物の存在下、ハロゲン化炭素化合物をHFと反応させる際に生成する反応混合物中の、タールおよび不揮発試薬をその他の反応成分から分離する方法を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1−クロロ−1−フルオロエタン(HCFC−151a)またはそれらの混合物の合成の際に得られる反応混合物を処理する際、タールと不揮発性物質を分離することにある。ただしこの場合、出発物質のハロゲン化炭素化合物は、クロロエテン、フルオロエテン、1,1−ジクロロエタン、または1−クロロ−1−フルオロエタン(HCFC−151a)のうちの少なくとも1つの化合物である。
本発明のまた別の目的は、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142b)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)またはそれらの混合物の合成の際に得られるこのような反応混合物を同様に処理することにある。ただしこの場合、適切な出発物質であるハロゲン化炭素化合物は、1,1−ジクロロエテンである。
その他の目的については、以下の説明によって明らかとなろう。
発明の概要
本発明の目的は、反応混合物から一部分を取出し、その部分から揮発性物質の一部を蒸留し、蒸留で残存した不揮発性物質と少なくとも1種の飽和ハロゲン化炭化水素溶媒の有効量とを化合させ、さらに反応混合物の残部からの揮発性物質と飽和ハロゲン化炭化水素溶媒とを共に蒸留して、本質的にHFを含有せず本質的に飽和ハロゲン化炭化水素溶媒とタールと不揮発性試薬とから成る合成組成物を得るような方法によって達成される。
このように、本発明は、このような反応混合物におけるタール濃度を選択された濃度に保ち、タールを他の反応成分から分離し、それによって反応成分の再循環を可能にし、本質的にHFを含有せず、安全、容易かつ経済的な移送および処分が可能であるようなタールを得る方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明を実施するために使用される装置の略構成図である。
図2は、実施例4に記述される本発明の1つの実施例について、反応器の濃度(%)、反応器の総圧力(psig)、液相温度(℃)および蒸気相温度(℃)の経時(時間)的変化を曲線で表した図である。
詳細な説明
フッ素化炭素化合物は単独でまたは他の物質と混合した形で、例えば冷媒、熱可塑性もしくは熱硬化性プラスチックフォーム用発泡剤、エーロゾル推進剤、伝熱媒体、洗浄剤、置換型乾燥剤、消火剤として、またはその他の化合物を生成する際の中間体として使用すると非常に有用である。HFC−152aおよびHFC−143aなどのHFCsは、地球成層圏のオゾンへの影響が認められないため環境の点からも容認し得る、クロロフルオロカーボン(CFCs)の代替物である。
フッ素化炭素化合物は、ハロゲン化炭素化合物、通例塩素化炭素化合物中のハロゲン(塩素、臭素およびヨウ素)を金属を媒介としてフッ素と交換することによって生成することができよう。本明細書に記載の方法は、その処理中にHFC−152aまたはHFC−143aのいずれかが生成されるような、ハロゲン交換反応混合物の処理に特に有用である。HFC−152aは、1,1−ジクロロ−エタンおよびHCFC−151aなどの塩素化炭素化合物からこの方法によって生成することができよう。有用かつ好ましいHFC−152aの前駆物質はクロロエテンであり、クロロエテンは交換条件下でHFと反応してHCFC−151aを生成する。HFC−143aは、1,1−ジクロロエテン、HCFC−141bおよびHCFC−142bなどの塩素化炭素化合物からこの方法によって生成することができよう。
液相で、随意に金属ハロゲン化物触媒およびその他の添加物の存在下、ハロゲン化炭素化合物をHFと反応させるフッ素化炭素化合物の生成は、一般に「タール」とよばれる望ましくない不揮発性副生物が生じることによってめんどうになっていることが、従来の技術で明らかにされている。このように、かなり多数の従来技術の方法では、例えば、金属ハロゲン化物触媒およびその他添加物の存在下、ハロゲン化炭素化合物をHFと反応させる方法では、タールを含有する反応混合物が得られることになろう。
ある意味で、「タール」とは、ハロゲン化炭素化合物およびそれらのフッ素付加物を二量体化または三量体化した結果生成される分子量のかなり小さい化合物のことをいう。タールは、比較的分子量の大きい炭化水素、すなわちおもに分子量約50,000の炭化水素のこともいい、その標準重量分画分布は数平均分子量2,000ないし75,000である。これらの化合物は、枝分かれした高分子ハロゲン化炭化水素であることもあり、存在する触媒およびその他の添加物から得た金属種を含有していることもある。これら比較的高分子量の物質は、低分子量の二量体、三量体およびオリゴマーをそれらの間で重合するか、またはハロゲン化炭素化合物およびそれらのフッ素付加物と重合して生成される。
本発明の方法によって処理される通常のタール含有反応混合物は、液相で、ハロゲン化スズ(IV)触媒およびその他の添加物の存在下、クロロエテンをHFと反応させることによって生成される。このような方法については、代理人整理番号CH−2512、CH−2529、FL−1010、FL−1011、FL−1012およびFL−1013に基づく最近出願した同時係属出願に記載されているが、それらすべての開示を参照により本明細書に組み込むものとする。これらの方法によって、種々の組成物を有するタール含有反応混合物が生じるが、そのいずれも本発明の方法によって処理可能である。
本発明の処理によって、すなわち「タール」を減ずることによって、触媒作用は増強し、反応選択性が増進し、反応器の容積は縮小され、さらに所望のフッ素化炭素化合物の収率が増大する。タールを他の反応成分から取り除くとなると、室温でのタールは淡褐色ないし黒の粘性かつ粘着性の物質で、取り扱いが容易でない。
「不揮発性試薬」および「金属ハロゲン化物触媒」とは、反応混合物中の少なくとも1つの試薬またはそのプロセス誘導体であって、不揮発性であるもの、すなわち少なくとも100℃の温度および1大気圧に曝されても、蒸留できるだけの蒸気圧を示さないものをいう。このような例としては、Sn(IV)、Sb(III)、Sb(V)、Ti(IV)、Ta(V)、Li(I)、Na(I)、およびK(I)の純ハロゲン化物または混合ハロゲン化物が挙げられるが、この場合ハロゲン化物はフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物から成る群より選択される少なくとも1つの化合物である。
「その他の添加物」とは、生成物の収量および選択性の増進のために、また、副生物の生成を減らすために、金属を媒介とするハロゲン交換反応で使用される少なくとも1つの試薬またはそのプロセス誘導体のことをいう。これらの属性を備えた添加物については本発明の開示の従来の技術の項に記述したが、これらは本明細書の上文に明記した同時係属出願の課題でもある。このような添加物の例としては、アンモニア(NH3)や有機アミン類などの窒素含有化合物、H2O、H2O2、アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステルおよびエポキシ化合物などの酸素含有化合物、ホスフィンやホスフェートなどのリン含有化合物、ホウ酸トリアルキル、ケイ酸テトラアルキルおよび亜リン酸トリアルキルなどの金属アルコキシドおよび非金属アルコキシド、ならびにアルカリ金属ハロゲン化物が挙げられる。この定義があてはまる場合には、「その他の添加物」と見なされる物質を「不揮発性試薬」と見なすことができる。
本発明の方法での使用にかぎらず、ハロゲン化Sn(IV)触媒を用いた液相交換反応に、ジクロロメタンやHCFC−123などの飽和ハロゲン化炭化水素溶媒を少量使用すると、反応選択性および収率において実質的に有利となることが証明されている。これらの方法は同時係属出願(整理番号FL−1013)の課題であるが、この方法と本発明の方法とを同時に使用すれば、さらに改良された方法を得ることが可能となる。このように、本発明の方法を使用すれば、循環HFから飽和ハロゲン化炭化水素溶媒を分離するという、現在商業的に利用されている方法で要求されるような非常に厳しい操作は回避される。
本発明を簡単に述べれば、第一に反応混合物から諸成分を蒸留して所望の組成物とし、第二にこの組成物に一定量の飽和ハロゲン化炭化水素溶媒を加え、第三にこの合成組成物から諸成分を蒸留して飽和ハロゲン化炭化水素溶媒、タールおよび不揮発性試薬を含む最終組成物とすることになる。このように本発明は、液相で、随意に金属ハロゲン化物触媒およびその他の添加物の存在下、少なくとも1つのハロゲン化炭素化合物をHFと反応させるような少なくとも1つのフッ素化炭素化合物の合成において、他の反応成分からタールと不揮発性試薬を分離する方法であって、その方法とは、
(a)反応マスの一部分を取出し別の容器に入れること、
(b)その部分に含有される成分の一部を蒸留すること、
(c)飽和ハロゲン化炭化水素溶媒を蒸留されなかった残部に添加すること、および
(d)その残部に含有される成分の一部を蒸留して、飽和ハロゲン化炭化水素溶媒、タールおよび不揮発性試薬を含む組成物とすること、
であると記述することもできる。
段階(a)の反応マスの取出しはバッチ式で実施することもできよう。連続操作も可能であるが、タールの生成量が少ないため、多くの場合連続操作の必要はない。不揮発性というタールの性質上、反応器から反応マスの液体部分を定期的に取出し、タール濃度の上昇によって反応効率が阻害されないようにする必要がある。
反応マスとは液体HF中の反応成分の混合物であり、これは、このような腐食性液体に適用可能な当技術分野では周知の技術を用いて、移送することができよう。HFC−152aの合成に係わる本発明の好ましい態様においては、段階(a)の反応マスは、HCl、HFC−152a、クロロエテン、HCFC−151a、HF、1,1−ジクロロエタン、ハロゲン化Sn(IV)、アルカリ金属ハロゲン化物、タール、および、例えばフルオロエテンといったこの方法に固有の種々の微量種を含む液体混合物である。HFC−143aの合成に係わる本発明の別の好ましい態様においては、段階(a)の反応マスは、HCl、HFC−143a、HCFC−142b、HF、HCFC−141b、1,1−ジクロロエテン、ハロゲン化Sn(IV)、アルカリ金属ハロゲン化物、タール、およびこの方法に固有の種々の微量種を含む液体混合物である。
一般に本発明の方法は、加熱性能、撹拌機および抜取り口を備える耐酸性容器の基本的な構成部品がありさえすれば、どのような規模であれ所望の規模で実施できよう。装置ならびに関連する供給ライン、流出ライン、および関連ユニットなどは、HFおよびHClに耐性の材料で組み立てられる。典型的な組み立て材料には、ステンレススチールならびにMonel(登録商標)ニッケル銅合金、Hastelloy(登録商標)ニッケル基合金およびInconel(登録商標)ニッケルクロム合金などの高ニッケル合金が含まれる。
段階(b)は、段階(a)で取出した反応マスから揮発性物質を取出す標準的な蒸留技術の使用に係わるものである。このような揮発性物質は、典型的な場合、残部に含有されるHFが約20ないし約70重量%になるまで取出される。残部が約25ないし約35重量%のHFを含有し、また、その粘性が機械的撹拌を可能としかつ室温で相応な時間内に飽和ハロゲン化炭化水素溶媒との混合を可能とするようなものであれば好ましい。このような蒸留後の残部は、HF、タール、不揮発性試薬を含む。残部を濃縮するためにさらにHFを蒸留するのは望ましくない。このような方法をとると、非常に厳しい条件、すなわち高温および高価な装置が必要となり、その結果は、よくても少なくとも20重量%のHFを含有する組成物が得られるにとどまる。この組成物はHFをかなりの量含有するため危険であり、また、粘性かつ粘着性で移送が困難である。
段階(c)および段階(d)は、段階(b)の残部に飽和ハロゲン化炭化水素溶媒を添加し、その後蒸留することに係わる。段階(b)の残部に飽和ハロゲン化炭化水素溶媒を添加し、その後蒸留することによって、残存するHFは緩やかな条件下で前記溶媒と共に蒸留され取出される。飽和ハロゲン化炭化水素が、HF、タールおよび不揮発性試薬の少なくとも一部を溶媒和し、その溶媒和時に、HFとこのような成分間の結合相互作用を***させ、残存HFをタールおよび不揮発性試薬から溶媒とともに蒸留させるという学説が立てられている。
例えば本発明で使用する飽和ハロゲン化炭化水素溶媒は、これらに限定するものではないが、一般的な意味で下記の特性によって定義されよう。
第一に、このような溶媒は、段階(b)の残部にあるタールと混和性であることが好ましく、また、HFとは別の相を形成するかまたはHFと低沸共沸組成物および低沸共沸様組成物を形成することが好ましい。低沸共沸組成物および低沸共沸様組成物は、HFと飽和ハロゲン化炭化水素溶媒をそれぞれ純粋な組成物として蒸留する際必要となる温度より低い温度で蒸留できるため、本発明での使用に好ましい。同時係属出願(整理番号CH−2511)に開示のHF/HFC−152a共沸混合物、および1992年3月10日発行米国特許第5,094,773号に開示のHF/HCFC−123共沸混合物などの、本発明に有用な共沸混合物は当技術分野では周知である。
第二に、本発明の飽和ハロゲン化炭化水素溶媒は、タールおよび不揮発性試薬を溶解し、それらを扱い易い低粘性の組成物に保ちながら、その濃度を溶媒の70重量%未満にしなければならない。このような特性によって、溶媒、タールおよび不揮発性試薬の組成物は、単純な技術によって比較的容易に移送させることが可能となり、また、処分が必要な物質の量も最小限に抑えられる。
第三に、本発明で使用する飽和ハロゲン化炭化水素溶媒は、HFと、HFC−152aまたはHCFC−123などのその他の成分との相混和性を増大するようであってはならない。この特性によって、HFは、1990年3月27日発行の米国特許第4,911,792号に記載されているような、冷却およびデカンテーションプロセスを経て、プロセス混合物から下流分離することができるようになる。
本発明で使用するのに好ましい飽和ハロゲン化炭化水素溶媒は、先述した特性を示す飽和ハロゲン化炭化水素溶媒である。このような溶媒の例には、ジクロロメタン、トリクロロメタン、1,1−ジクロロエタン、2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン(HCFC−123)および1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン(HCFC−123a)が含まれる。これらの飽和ハロゲン化炭化水素溶媒の中で最も好ましい溶媒は、HCFC−123である。
溶媒としてジクロロメタンおよび/またはトリクロロメタンを使用すると、蒸留流れの下流精製がさらに必要となる。これは恐らく、ジクロロメタンと交換反応混合物の成分との反応の程度が小さいこと、また、クロロフルオロメタン(HCFC−31)とジフルオロメタン(HFC−32)が生成されるためであろう。このような物質は、HFC−152aやHFC−143aなどのフッ素化炭素化合物からの分離が困難であることが判明しているため、蒸留流れにおいて望ましくない。トリクロロメタンを使用すると、通常、ジクロロフルオロメタン(HCFC−21)とクロロジフルオロメタン(HCFC−22)の収量は少なくなる。
図面の説明
図1は、本発明の方法を表す略線図である。反応器11には、随意に金属ハロゲン化物触媒およびその他の添加物の存在下、ハロゲン化炭素化合物をHFと反応させて生成した液相混合物が収容されている。反応器11からの液相パージは、ライン12によってストリッパー13に移送される。液相で、ハロゲン化スズ(IV)の存在下、クロロエテンをHFと反応させてHFC−152aを生成する場合、このパージは典型的な例では、HF(72.5重量%)、HCl(0.5%)、HFC−152a(8%)、タール(10%)およびハロゲン化スズ(IV)(9%)を含有する。撹拌機14を作動させ、ストリッパーの総圧力を10psigないし140psigにセットして、ストリッパー13の内容物を加熱する。
容器18にてさらに処理するために、揮発性物質(HFC−152a合成法の場合HCl、HFおよびHFC−152a)をライン16によってストリッパー13から取出し、残部のHF含有量を約20ないし70重量%とする。先述した具体的なHFC−152a合成法の場合、本方法のこの段階を経た後の残部は、HF(47重量%)、タール(28%)およびハロゲン化スズ(IV)(25%)を含有する。随意に回収装置から再循環されるHFを幾らか含有する、飽和ハロゲン化炭化水素溶媒と、新鮮な飽和ハロゲン化炭化水素とを、ライン15によってストリッパー13に添加する。循環溶媒と共に添加されるHFの量は0が望ましく、多くても残部の質量の20%であって、10%未満であれば好ましい。また、添加する新鮮な飽和ハロゲン化炭化水素の量は、典型的な場合で残部の質量の100%ないし1000%であって、HCFC−123の場合は約500%であれば好ましく、使用する個別の飽和ハロゲン化炭化水素溶媒に応じて100%ないし1000%の範囲内の割合となる。次いで、ストリッパー13の内容物を10psigないし140psigの圧力下で20℃ないし100℃まで加熱し、その後、容器18にてさらに処理するために、主としてHFと飽和ハロゲン化炭化水素溶媒である揮発性物質(HFC−152a処理の場合、微量のHFC−152aを含有する)をライン16によって取出す。HFC−152a合成法の場合このような揮発性物質を取出した後では、典型的な場合、残部にはタール(18重量%)、ハロゲン化スズ(IV)(16%)および飽和ハロゲン化炭化水素溶媒(66%)が含まれる。この物質を10psigないし140psigの圧力下で40℃ないし110℃まで加熱し、過剰の飽和ハロゲン化炭化水素溶媒を気化し、容器18にてさらに処理するために、ライン16によってストリッパー13から取出す。飽和ハロゲン化炭化水素溶媒をこのように取出して、ストリッパー13に残存する[飽和ハロゲン化炭化水素]:[タール+不揮発性試薬]の質量比が0.5:1ないし5:1、好ましくは約2:1とする。次いで、ストリッパー13に残存する飽和ハロゲン化炭化水素、タールおよび不揮発性試薬をライン20によって貯蔵容器21に移送する。所望であれば、この残部を適切に処分するために、ライン22によって移送することもできよう。次いで、本発明の方法による処理を行うために、ストリッパー13は、別の反応器パージを受け入れる準備を整える。
ストリッパー13から蒸留した揮発性物質をさらに処理する手段については、当技術分野で開示されているが、その手段は一般に、処理の際に使用する個別の飽和ハロゲン化炭化水素溶媒によって決まる。1992年3月10日発行、HCFC−123/HF共沸混合物の分離に関するManzer他の米国特許第5,094,773号、1990年7月31日発行、HCFC−123/HF混合物の分離に関するManzer他の米国特許第4,944,846号、1990年3月27日発行、HFC−123/HF混合物に関するMahler他の米国特許第4,911,792号、およびHFとジハロエタンの共沸または共沸様組成物の分離に関するManzer他の同時係属出願(整理番号CH−2511)に開示されている方法などを使用することによって、飽和ハロゲン化炭化水素溶媒をHF、HFC−152aおよびその他の反応成分から分離することができよう。前述の方法のいずれかによって精製した飽和ハロゲン化炭化水素溶媒は、本発明の方法で繰り返し使用するために、ライン17によってストリッパー13に循環させることもできよう。いかなる方法であれ同様の方法によって精製したHFは、随意に当技術分野で周知の方法によってさらに精製することもできようし、また、ライン19によって反応器11に再循環させることもできよう。
実施例
以下に記述の実施例によって、本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1−飽和ハロゲン化炭化水素溶媒としてHCFC−123を使用する例
SnCl4の存在下でクロロエテンをHFと反応させるHFC−152a合成工程から、反応マスのサンプルを取った。150ccステンレススチールシリンダに入れた温度19℃、圧力約30psigのサンプル163gについて、その揮発性物質を排気し大気圧にした。残存する反応マス129gを、テフロン(登録商標)コーティングした磁気かき混ぜ棒を含むテフロン(登録商標)瓶に移した。HCFC−123を約366g添加した後、その瓶を24℃ないし28℃の浴中に置いて撹拌を開始した。揮発性種をさらに排気した。
前記量のHCFC−123を添加すると、瓶の内容物は2相を構成し、その底部はHCFC−123となり上部はHFC−152a反応器物質となった。10分間隔で瓶の重さを測り、目視によって変化を調べた。40分後には、瓶の質量は450g以上であったのが230gまで減少し、1相となった。この時点でのサンプルは黒色で、その粘性は低かった(標準に対して目視では<100cp)。サンプルの排気を続けると、瓶に54gの物質が残存する時点で、最初粘性が実質上増大するのが見られた。サンプルの排気をさらに続けると、残存する粘性かつ粘着性の物質がわずかに27gとなった。この時点で、瓶に100gのHCFC−123を添加すると、サンプルの粘性は直ちに低下した。次いで、サンプルの排気をさらに続け、質量が約27gまでになると、サンプルは再び粘性かつ粘着性となった。
イオン特異性電極(塩化物イオンとフッ化物イオン)、X線蛍光分光分析(スズ)、および質量差(タールとHCFC−123)によって測定すると、サンプルの最終組成は、フッ化物2.5g、塩化物0.04g、スズ0.9g、タール15.6gおよびHCFC−123が8gであった。
比較例1−溶媒を使用しない例
SnCl4およびNaClの存在下でクロロエテンをHFと反応させるHFC−152a合成工程から、反応マスのサンプルを取った。このサンプルは有機タール7重量%、スズ(IV)塩12重量%およびナトリウム塩2重量%を含んでおり、残りはHF、HClおよびHFC−152aであった。300ccステンレススチールシリンダに入れた319gのサンプルを、21℃で圧力が30psigから大気圧となるまでゆっくりと排気し、44gの揮発性物質を取出した。残存する275gの反応マスを、テフロン(登録商標)コーティングした磁気かき混ぜ棒を含むテフロン(登録商標)瓶に移した。
その瓶を26℃ないし29℃の浴中に置いて撹拌を開始し、揮発性物質をサンプルから取出した。10分間隔で秤量し、目視によって変化を調べた。大気圧まで排気した後の初期のサンプルは、不揮発性試薬に対するHFの質量比が3.1であって、黒色、不粘性の1相であった。60分後には、不揮発性試薬に対するHFの質量比が1.6である反応マス172.5gが残存した。目視によれば、この時点でサンプルの物理的特性は変化していなかった。90分後に、目視によってサンプルの物理的特性の変化が明らかになった。サンプルは134gまで減少し、不揮発性試薬に対するHFの質量比は1.0となり、その粘性は増大して室温での平均的なラテックスペイントと同様な状態であった。140分加熱後、溶液から少量の固体が形成されているのが見られた。その時点でサンプルの質量は99g、不揮発性試薬に対するHFの質量比は0.5、また目視による粘性は同様のペイント様軟度であって、いくらか固形物が存在した状態であった。温度26℃ないし29℃で約5時間排気した後には、サンプルは瓶の形そのままの黒色の固体となっていた。
その時点のサンプルの質量は88.3グラムで不揮発性試薬に対するHFの質量比は0.3であった。
実施例2−飽和ハロゲン化炭化水素溶媒としてジクロロメタンを使用する例
SnCl4の存在下でクロロエテンをHFと反応させるHFC−152a合成工程から、反応マスのサンプルを取った。150ccステンレススチールシリンダに入れた温度21℃、圧力約30psigのサンプル163gについて、その揮発性物質を排気し大気圧にした。残存する反応マス127gを、テフロン(登録商標)コーティングした磁気かき混ぜ棒を含むテフロン(登録商標)瓶に移した。次いでジクロロメタンを約254g添加し、その瓶を30℃ないし43℃の浴中に置いて撹拌を開始した。揮発性種をさらに排気した。瓶の重さを10分間隔で測り、変化を目視した。
目視によって、ジクロロメタンを添加した反応マスが2つの液相を含んでいること、すなわち低部にはジクロロメタンが上部にはHFC−152a反応マスが認められた。両相とも不粘性で固体は認められなかった。この揮発性サンプルを排気させていくと、瓶に127gのサンプルが残存する時点で、粘性に初めて実質的な変化が見られた。サンプルを濃縮し続けると、46gの物質が残存する時点で、非常に粘性の、固体を含有する混合物となった。この時点で、ジクロロメタン100gを追加して固体を溶解した。次いで、サンプルの排気を続けると、質量が46gとなったところで再びサンプルは粘性かつ粘着性となった。次いで、固体が生じ、サンプル22gが残存する状態までサンプルを加熱した。
イオン特異性電極(フッ化物イオン)、X線蛍光分光分析(スズ)、および質量差(タールとジクロロメタン)によって測定すると、サンプルの最終組成は、フッ化物4g、スズ2g、タール13gおよびジクロロメタン3gであった。
実施例3−飽和ハロゲン化炭化水素溶媒としてトリクロロメタンを使用する例
SnCl4の存在下でクロロエテンをHFと反応させるHFC−152合成工程から、反応マスのサンプルを取った。150ccステンレススチールシリンダに入れた温度21℃、圧力約30psigのサンプル151gについて、その揮発性物質を排気し大気圧にした。残留した反応マス129gを、テフロン(登録商標)コーティングした磁気かき混ぜ棒を含むテフロン(登録商標)瓶に移した。トリクロロメタンを約389g添加し、その瓶を24℃ないし31℃の浴中に置いて撹拌を開始した。揮発性物質をさらに排気した。瓶の重さを10分間隔で測り、変化を目視した。
目視によって、トリクロロメタンを添加した反応マスが2つの液相を含んでいること、すなわち低部にはトリクロロメタンが上部にはHFC−152a反応マスが認められた。両相とも不粘性で固体は認められなかった。70分後には、499gあった瓶中のサンプルは374gまで減少し、不粘性の相が1つだけ存在した。残存サンプルが321gとなるまでさらにサンプルの排気をしたが、物理的特性の本質的な変化は目視では見られなかった。
イオン特異性電極(フッ化物イオン)、X線蛍光分光分析(スズ)、および質量差(タールとジクロロメタン)によって測定すると、サンプルの最終組成は、フッ化物2g、スズ1g未満、タール26gおよびトリクロロメタン292gであった。
実施例4(および添付の図面2)−
飽和ハロゲン化炭化水素溶媒としてHCFC−123を使用する例
A2L、Hastelloy(登録商標)C−276撹拌済み反応器に、HCFC−123を1395gとHFC−152a反応マスを279g詰めた。HFC−152a反応マスが、SnCl4の存在下、液相でクロロエテンをHFと反応させるHFC−152a合成工程から生じた。背圧調節装置を用いて反応器の総圧力を40psigに保ち、反応器本体を囲む電気加熱マントルを用いて熱入力を0.375Kwに保った。揮発性成分を蒸留しながら、液体および蒸気の温度、濃度および圧力をモニタした。図2は、これら変数の経時的変化を示す図である。揮発性物質の組成物が反応器から取出されていることは、蒸気の温度が最も正確に表している。反応器濃度が90%から70%まで下がっている一方で蒸気温度が一定であることは、HF/HCFC−123共沸混合物が取出されていることを表すものである。40℃という蒸気温度(図2の還流温度)は、圧力40psig下でのHF/HCFC−123共沸混合物に対して予測される温度と一致する。反応器の濃度が70%から45%になるにつれて蒸気温度が上昇していることは、蒸気中のHCFC−123組成物が増加していることを表している。この工程の終りには、蒸気温度は70℃で横ばいになり始めたが、この温度は圧力40psig下での純HCFC−123の沸点である。蒸留の後、過剰HCFC−123を取出す前には、534gのサンプルが残存していた。
イオン特異性電極(フッ化物イオン)、X線蛍光分光分析(スズ)、および質量差(タールとHCFC−123)によって測定すると、サンプルの最終組成は、フッ化物8g、スズ5g、タール30gおよびHCFC−123が491gであった。
Claims (9)
- 液相で、随意に金属ハロゲン化物触媒およびその他の添加物の存在下、フッ化水素と、クロロエテン、フルオロエテン、1,1−ジクロロエタンおよび1−クロロ−1−フルオロエタン(HCFC−151a)からなる群より選ばれる少なくとも1種のハロゲン化炭化水素を反応させることによる1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)の製造において形成される反応混合物からタールと非揮発性試薬を含む組成物を分離する方法であって、
(a)前記反応混合物から液相部分を取り出す段階、
(b)前記液相部分を蒸留して第一の留分を除去して残部を残す段階、
(c)前記残部に少なくとも1種の飽和ハロゲン化炭化水素溶媒を添加して組成物を得る段階、および
(d)前記工程(c)の組成物を蒸留してフッ化水素と飽和ハロゲン化炭化水素溶媒を含有する第2の留分を除去して、フッ化水素が減少されたタールと非揮発性試薬とを含む組成物を得る段階
を含み、
前記飽和ハロゲン化炭化水素溶媒は、段階(b)の残部にあるタールと混和性であり、HFとは別の相を形成するかまたはHFと低沸共沸組成物及び低沸共沸組成物様組成物を形成し、
前記飽和ハロゲン化炭化水素溶媒は、タールおよび不揮発性試薬を溶解し、それらを扱い易い低粘性の組成物に保ちながら、その濃度を溶媒の70重量%未満にし、かつ
前記飽和ハロゲン化炭化水素溶媒は、HFと、他の成分との相混和性を増大することとはならない方法。 - 前記反応混合物が、さらに、ジクロロメタンおよび2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン(HCFC−123)からなる群より選択されるすくなくとも1つの化合物を0〜5重量%含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記飽和ハロゲン化炭化水素溶媒がジクロロメタン、トリクロロメタン、1,1−ジクロロエタン、1−クロロ−1−フルオロエタン(HCFC−151a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン(HCFC−123)および1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン(HCFC−123a)から成る群より選択される少なくとも1つの化合物であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 段階(b)の前記最初の一部の蒸留により、20ないし70重量%のHFを含有する残部が生じることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 段階(c)で添加される飽和ハロゲン化炭化水素の量が前記残部の質量の1倍ないし10倍であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 段階(b)および段階(d)の前記蒸留による留出物がHF、HCl、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1−クロロ−1−フルオロエタン(HCFC−151a)、1,1−ジクロロエタン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン(HCFC−123)および1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン(HCFC−123a)のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 段階(b)または段階(d)の前記蒸留による留出物が共沸組成物であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記共沸組成物がHF/2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン(HCFC−123)、HF/1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン(HCFC−123a)およびHF/1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)のうちの少なくとも1つの組成物であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 段階(d)の前記合成組成物が、飽和ハロゲン化炭化水素溶媒とタールプラス不揮発性試薬とを、0.5:1ないし5:1の質量比で含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US08/631,394 US5853550A (en) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | Process for separating tar from a reaction mixture |
US08/631,394 | 1996-04-12 | ||
PCT/US1997/005857 WO1997038959A1 (en) | 1996-04-12 | 1997-04-10 | Synthesis of fluorinated carbon compounds and process for the separation of tar from the reaction mixture |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000508658A JP2000508658A (ja) | 2000-07-11 |
JP2000508658A5 JP2000508658A5 (ja) | 2004-12-09 |
JP4001920B2 true JP4001920B2 (ja) | 2007-10-31 |
Family
ID=24531010
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP53718697A Expired - Fee Related JP4001920B2 (ja) | 1996-04-12 | 1997-04-10 | フッ素化炭素化合物の合成およびその反応混合物からタールを分離する方法 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5853550A (ja) |
EP (1) | EP0892770B1 (ja) |
JP (1) | JP4001920B2 (ja) |
DE (1) | DE69706411T2 (ja) |
ES (1) | ES2162283T3 (ja) |
WO (1) | WO1997038959A1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB9407257D0 (en) * | 1993-04-22 | 1994-06-08 | Ici Plc | Vaporisation of liquids |
US6080899A (en) * | 1999-01-25 | 2000-06-27 | Alliedsignal Inc. | Method of producing fluorinated organic compounds |
FR2826362B1 (fr) * | 2001-06-22 | 2005-02-11 | Solvay | Procede pour le traitement des sous-produits d'une reaction de production de composes organiques |
Family Cites Families (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US952833A (en) * | 1909-07-09 | 1910-03-22 | Clement Francis Moore | Automatic-shut-off water-glass. |
DE1814340A1 (de) * | 1967-12-14 | 1969-08-28 | Kureha Chemical Ind Co Ltd | Verfahren zur Herstellung von AEthylidenfluorid |
SU952833A1 (ru) * | 1976-04-15 | 1982-08-23 | Предприятие П/Я Г-4684 | Способ очистки жидких хлоруглеводородов |
FR2414475A1 (fr) * | 1978-01-13 | 1979-08-10 | Solvay | Procede pour la separation du fluorure d'hydrogene de ses melanges avec le 1-chloro-1, 1-difluorethane |
DE3362972D1 (en) * | 1982-06-08 | 1986-05-22 | Pennwalt Corp | Anhydrous phase separation for recovering hydrogen fluoride from a fluorination reaction |
JPH0723328B2 (ja) * | 1985-01-09 | 1995-03-15 | 旭化成工業株式会社 | 弗素化炭化水素の製造方法 |
JPH085816B2 (ja) * | 1986-04-18 | 1996-01-24 | 旭化成工業株式会社 | 弗素化炭化水素の製造法 |
US4944846A (en) * | 1988-08-01 | 1990-07-31 | E. I. Dupont De Nemours And Company | Process for the separation of HF via Azeotropic distillation |
US5094773A (en) * | 1988-08-01 | 1992-03-10 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Azeotropes of HF and process for the separation of HF via azeotropic distillation |
US4911792A (en) * | 1988-08-01 | 1990-03-27 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Process for the separation of HF via phase separation and distillation |
FR2636941B1 (fr) * | 1988-09-26 | 1991-02-01 | Solvay | Procede pour la fabrication d'hydrocarbure fluore |
US5105033A (en) * | 1989-05-25 | 1992-04-14 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Process for preparing 1,1-dichloro-1-fluoroethane |
WO1991018852A1 (fr) * | 1990-06-08 | 1991-12-12 | Solvay & Cie | Procede de preparation de 1,1-dichloro-1-fluoroethane |
JP2661441B2 (ja) * | 1991-11-27 | 1997-10-08 | ダイキン工業株式会社 | 1,1,1−トリフルオロ−2−クロロエタンおよび/または1,1,1,2−テトラフルオロエタンの製法 |
BE1007393A3 (fr) * | 1993-08-04 | 1995-06-06 | Solvay | Procede pour la preparation de 1-chloro-1-fluoroethane et/ou de 1,1-difluoroethane. |
-
1996
- 1996-04-12 US US08/631,394 patent/US5853550A/en not_active Expired - Fee Related
-
1997
- 1997-04-10 JP JP53718697A patent/JP4001920B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1997-04-10 WO PCT/US1997/005857 patent/WO1997038959A1/en active IP Right Grant
- 1997-04-10 EP EP97920248A patent/EP0892770B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1997-04-10 DE DE69706411T patent/DE69706411T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1997-04-10 ES ES97920248T patent/ES2162283T3/es not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000508658A (ja) | 2000-07-11 |
US5853550A (en) | 1998-12-29 |
EP0892770B1 (en) | 2001-08-29 |
ES2162283T3 (es) | 2001-12-16 |
DE69706411D1 (de) | 2001-10-04 |
EP0892770A1 (en) | 1999-01-27 |
DE69706411T2 (de) | 2002-05-29 |
WO1997038959A1 (en) | 1997-10-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3130657B2 (ja) | 1−クロロ−1,1,3,3,3− ペンタフルオロプロパン及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンの製造法 | |
JP5144592B2 (ja) | 共沸組成物及びハイドロフルオロアルカンの製造方法 | |
KR100458671B1 (ko) | 플루오르화수소회수방법 | |
US5157171A (en) | Process for chlorofluoropropanes | |
JP2001503771A (ja) | ハイドロクロロカーボン及びハイドロクロロフルオロカーボンの液相接触フッ素化 | |
US5045634A (en) | Fluorination of haloolefins | |
JP4387671B2 (ja) | フルオロカーボンの製造方法 | |
JP3496708B2 (ja) | 1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタンの製造方法 | |
JPH11158089A (ja) | 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの合成 | |
JP2001524460A (ja) | 弗素含有有機化合物の製造 | |
JP4001920B2 (ja) | フッ素化炭素化合物の合成およびその反応混合物からタールを分離する方法 | |
KR100504672B1 (ko) | 플루오르화수소 회수 방법 | |
US6080899A (en) | Method of producing fluorinated organic compounds | |
JP2694146B2 (ja) | 触媒作用によるフッ化水素化プロセス | |
JP2000503299A (ja) | 1,1―ジフルオロエタンの製造法 | |
JPH04330022A (ja) | ジクロロペンタフルオロプロパンの処理方法 | |
JP4554925B2 (ja) | 有機化合物の製造反応からの副生成物の処理方法 | |
MXPA98002850A (en) | Process to recover acid fluorhidr | |
JPH06157367A (ja) | 1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン中に含まれる塩化ビニリデンの除去方法 | |
MXPA01006206A (en) | Method for separating a mixture comprising at least an hydrofluoroalkane and hydrogen fluoride, methods for preparing a hydrofluoroalkane and azeotropic compositions | |
CN1222135A (zh) | 合成氟化碳化合物和自反应混合物中分离出焦油的方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040402 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040402 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061114 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20070214 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20070214 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20070402 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070514 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070731 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070816 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100824 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |