JP4001785B2 - 印刷可能交互位相シフト・フィーチャを除去するためのフェムト秒レーザ融除によるテーパ付きイオン埋込み - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光リソグラフィに関し、詳細には、光リソグラフィ方法により様々な半導体デバイスをパターン化するのに使用できる交互位相シフト・マスクを製造する様々な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
位相シフト技術は光リソグラフィの性能を強化するために利用できるより有用な方法の1つである。位相シフト・マスクは通常、約5%ないし約20%の透過率を有する吸収位相シフト材料と石英のような透明基板とからなる。
【0003】
現在、典型的な交互位相シフト・マスクを作り出すプロセスは、意図的に、透明基板や半透明基板中に約300Åまでのステップ・フィーチャを作り出す。このような従来技術の方法を、たとえば、図1〜図4に示す。特に、図1は、典型的に、交互位相シフト・マスクを製造するのに従来技術において使用される初期構造を示す。図1に示す初期構造は透明基板や半透明基板10、基板10の一部上に形成された位相シフト材料12、および位相材料12の一部ならびに基板10の一部上に形成されたパターン化されたレジスト14を備える。図示の初期構造は当技術分野で周知の従来方法を利用して製造され、したがってこれに関する詳細な議論は本明細書では不要である。
【0004】
次に、図2に示すように、初期構造は次に基板10の露出部分を選択的に除去できる反応性イオン・エッチング(RIE)などの従来のドライ・エッチング方法にかけられる。図2に示した結果としての構造は次にたとえば図3に示す構造の形成をもたらす従来のエッチ・バック方法にかけられる。パターン化されたレジストは次に、図4に示すマスクを提供するため従来のストリップ方法を利用して除去される。上述の方法ステップのため、ステップ領域16は位相シフト材料12のものと反対の基板の一部に形成される。ステップ領域16はマスクに印刷可能欠陥領域をもたらすので望ましくない。
【0005】
位相シフトが不要であるこのステップ領域を作り出す従来技術のエッチング方法のアーティファクトがある。基板における「余分」なステップは光の位相シフトおよび半導体ウェハにおけるレジストの選択性の効果のため半導体ウェハに印刷可能線を作り出す。
【0006】
デバイス線に対する上の問題の1つの解決策は印刷可能線のこの領域の除去するため同じウェハで露出できる第2のマスクを作り出すことである。マスクのこのタイプは当技術分野で「トリム」マスクとして知られている。基板におけるステップで作り出される不要な印刷可能線を除去できるが、トリム・マスクの使用はあらゆるウェハに対しデバイス線において2段階方法を必要とする。
【0007】
従来技術の位相シフト・マスクの製造での上記問題に鑑み、望まない印刷可能線を除去するのにトリム・マスクを使用する必要性をなくす交互位相シフト・マスクを製造する新規で改善された方法の開発に対する継続した必要性がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の一目的は、不要な印刷可能線が光リソグラフィ方法によるパターン化中に半導体ウェハ上に印刷されない交互位相シフト・マスクを製造する方法を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、不要な印刷可能線を除去するためのトリム・マスクの使用をなくすことができる交互位相シフト・マスクを製造する方法を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、透明基板や半透明基板内のステップ領域の形成をなくす比較的簡単な方法ステップを使用する交互位相シフト・マスクを製造する方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
これらおよび他の目的ならびに利点は、不要な印刷可能線の印刷を引き起こすステップ領域の縁部をなくすため位相シフト・マスク生産方法に追加の方法ステップを追加することにより本発明で達成される。
【0012】
本発明の第1の方法において、ステップ領域の縁部の排除は、
(a1)基板の表面上に少なくとも1つの不透明イメージを形成する処理ステップと、
(b1)前記少なくとも1つの不透明イメージを含む前記基板の部分上に硬化されパターン化された第1のレジストを形成し、前記基板の他の部分を露出されたまま残す処理ステップと、
(c1)第2のレジストの少なくとも一縁が印刷可能ステップ欠陥を生じやすい区域に置かれるようにパターン化された第2のレジストを形成し、前記第2のレジストをリフローして前記少なくとも1つの縁部に傾斜面を得る処理ステップと、
(d1)前記パターン化された第2のレジストの前記傾斜面を前記基板に送り、前記少なくとも1つの不透明イメージの下の前記基板中にほぼ垂直な断面を維持する処理ステップと、
(e1)前記第1のレジストおよび前記第2のレジストを除去する処理ステップとを利用して本発明で得ることができる。
【0013】
いくつかの異なる実施形態をパターン化された第2のレジストの傾斜面を基板に送るのに本発明の第1の方法において使用することができる。本発明の一実施形態において、傾斜レジスト面はプラズマ・エッチングやレーザ融除などのドライ・エッチング方法を利用して基板に送られる。本発明の他の実施形態において、傾斜レジスト面はドライ・エッチングとドライ・アッシングの組合せを利用して基板に送られる。本発明のさらに他の実施形態において、ステップ(d1)は、基板に埋込み断面を作り出し、ウェット・エッチング方法やフェムト秒レーザ融除などのレーザ研磨融除プロセスを利用して前記埋込み断面を選択的に除去するため、基板への第2のレジストによるイオン埋込みを備える。
【0014】
ステップ(c1)に示される第2のレジストが利用されない場合でも本発明が動作することに留意されたい。このような実施形態において、Gaのような光吸収イオンを使用したローカル化された埋込みが基板に傾斜面を作り出すのに使用される。基板に作り出された傾斜面は次に、ウェット・エッチング方法やフェムト秒レーザ研磨融除プロセスなどのレーザ研磨融除プロセスを利用して除去される。
【0015】
本発明の第2の方法において、ステップ領域の縁部の排除は、
(a2)基板の表面上に少なくとも1個の不透明イメージを形成するステップと、
(b2)前記少なくとも1つの不透明イメージを含む前記基板の部分上に硬化されパターン化された第1のレジストを形成し、前記基板の他の部分を露出させたまま残すステップと、
(c2)前記第2のレジストの少なくとも1つの縁部が印刷可能ステップ欠陥を生じやすい区域に置かれ、前記基板に傾斜面が埋め込まれるようにパターン化された第2のレジストが形成されるステップと、
(d2)前記基板から前記傾斜面を除去し、前記少なくとも1個の不透明イメージの下の前記基板中にほぼ垂直な断面を維持するステップと、
(e2)前記第1のレジストおよび前記第2のレジストを除去するステップとを利用して本発明で得ることができる。
【0016】
本発明の第2の方法のステップ(d2)が化学除去方法やフェムト秒レーザ研磨融除プロセスなどのレーザ除去方法を含むことができることに留意されたい。本発明の第2の方法において、ステップ(c2)における第2のレジストの使用を省くこと、およびGaなどの吸収イオンが使用される制御されたイオン埋込み方法を利用して基板中に傾斜面を作り出すこともできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
基板中にステップ領域をほぼあるいは完全に無効にする改善された交互位相シフト・マスクを形成する様々な方法を提供する本発明をここで本発明に添付の絵図を参照して詳細に説明する。添付絵図の同様あるいは対応するまたはその両方の要素を同様な参照番号によって参照するということに留意されたい。
【0018】
先ず、本発明の第1の方法に使用される様々な処理ステップを示す図5〜図10参照する。特に、図5は発明において使用される初期構造を示す。図5に示す初期構造は、基板上に形成された少なくとも1つの不透明イメージ22を有する基板20を含む。図示の構造は当技術分野で周知の従来処理ステップを使用して作られ、また従来材料がこれを形成するのに使用される。
【0019】
たとえば、基板20は典型的に位相シフト・マスクに対する基板として使用される任意の従来の透明または半透明材料を含む。適当な透明または半透明基板の図示例は、石英、ガラス、フッ化カルシウム、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素などを含むが、これらに限定されるわけではない。基板20として本発明において使用される特に好ましい透明または半透明材料は石英である。
【0020】
基板はそのまま使用されるか、基板から可能な汚染を除去するのに有効な当技術分野で周知のクリーニング技法を利用して使用する前に清浄化できる。
【0021】
放射エネルギー、すなわち光をほぼ通さない不透明材料が次に基板20上に形成され、不透明材料は次に基板上に1つまたは複数の不透明領域22を形成するためパターン化される(絵図では1つだけの不透明領域が示されている)。不透明領域22を形成するのに本発明で使用できる適当な不透明材料の図示例は、MoSi、炭素、クロムおよびその多層を含むが、これらに限定されるわけではない。本発明において使用される特に好ましい不透明材料は、酸化クロム、フッ化クロムおよびフッ酸化クロムなどのクロムを備えた材料である。
【0022】
不透明材料は化学蒸気付着、プラズマ補助CVD、スパッタリング、蒸発およびメッキなどの従来の付着方法を利用して基板20の表面上に層として形成される。不透明材料の厚さは本発明では重要でないが、典型的には不透明材料は付着後に約40nmないし約400nmの厚さを有し、約200nmないし約320nmの厚さが特に好ましい。
【0023】
基板に不透明材料の層を適用した後、少なくとも1つの不透明領域22がリソグラフィおよびエッチングを含む従来方法によって形成される。特に、本発明のこの段階で使用されるリソグラフィ方法は不透明材料の層にフォトレジスト(絵図には示さない)を付着し、放射のパターンに対しフォトレジストを露出し、パターン化されたフォトレジストを従来の現像液を利用して現像することを含む。パターンは次いで、透明または半透明基板に比較して不透明材料の除去に対して高い選択性を有するエッチング方法を利用して不透明材料の層に送られる。不透明材料の層にパターンを送るのに使用される適当なエッチング方法は反応性イオン・エッチング(RIE)やプラズマ・エッチングなどのドライ・エッチング方法である。
【0024】
基板20の一部上に不透明領域22の形成後、パターン化された第1のレジストが基板20と不透明領域22の一部が保護されている構造を提供するために図5に示した基板上に形成され、基板20と不透明領域22の他の部分は露出したまま残される。パターン化された第1のレジストは次に硬化され図6に示す構造を提供する。参照番号24が硬化されパターン化された第1のレジストを示すことに留意されたい。
【0025】
特に、図6に示した構造はCVD、スパッタリング、またはスピン・オン・コーティングのような従来付着方法を利用して図5に示す構造の表面に第1のレジスト材料を先ず適用することによって作成される。第1のレジスト材料は当技術分野で周知の従来材料で構成される。第1のレジスト材料の付着に引続き、第1のレジスト材料は上で画定した従来リソグラフィ段階を受ける。
【0026】
次に、パターン化された第1のレジストは、ウェット・エッチング方法およびドライ・エッチング方法に抵抗力があるレジストにレジストをクロスリンクするのに役立つ硬化方法を受ける。UV露出および加熱または両方を含む任意従来の硬化方法を硬化されパターン化された第1のレジスト24を形成するのに本発明で使用できる。
【0027】
図7は、図6に示した構造にパターン化された第2のレジスト26を提供した後に形成される構造を示す。パターン化された第2のレジストは、第2のレジストの縁部28が印刷可能欠陥領域を生じやすい区域に置かれるように形成される。特に、パターン化された第2のレジスト(第1のレジストと同じまたは異なるレジスト材で構成される)は、第1のレジストについて上で画定された従来付着方法とリソグラフィを利用して形成される。
【0028】
基板の表面上にパターン化された第2のレジストが形成された後、パターン化された第2のレジストは、傾斜面30が縁部28に形成されるリフロー方法を受ける、第2のレジストのリフロー後形成される構造を、たとえば、図8に示す。典型的には、本発明において、第2のレジストは、第2のレジストの縁部に45°以下の角度を得るためリフローされる。この傾斜は、基板の縁部に最終エッチング・イメージを画定するために本発明において使用される。
【0029】
本発明のこの段階、すなわちパターン化された第2のレジスト26のリフローは、典型的には、約10分ないし約40分の時間の間約75℃ないし約140℃の温度でオーブンまたは炉において行われる。より好ましくは、本発明のリフロー段階は、約15分ないし約30分の時間で約90℃ないし約120℃の温度で行われる。リフローは、典型的には、形成ガス雰囲気、すなわち窒素およびヘリウム、またはH2などの還元ガス雰囲気で行われる。
【0030】
本発明の第1の方法の次段階によると、図8に示した第2のレジストの傾斜面30により基板に傾斜面を形成し、少なくとも1つの不透明イメージの下の基板中にほぼ垂直な断面を維持する。図9参照。いくつかの異なる実施形態をパターン化された第2のレジストの傾斜面により基板に傾斜面を形成するのに本発明で使用できる。本発明の一実施形態において、傾斜レジスト断面はドライ・エッチング方法を利用して基板に転写される。本発明の他の実施形態において、傾斜レジスト断面は、ドライ・エッチングとアッシングの組合せを利用して基板に転写される。本発明のさらに他の実施形態において、ステップ(d1)は、基板に埋込み断面を作り出し、ウェット・エッチング方法またはレーザ研磨融除プロセスを利用して前記埋込み断面を選択的に除去するため基板に第2のレジストを通る光吸収イオンを埋め込むイオンを備える。
【0031】
ドライ・エッチング方法が本発明において使用されたとき、反応性イオン・エッチング、イオン・ビーム・エッチング、プラズマ・エッチングおよびレーザ融除などの任意の従来のドライ・エッチング方法が使用できる。本発明のこの点で使用される特に好ましいドライ・エッチング方法は、プラズマ・エッチングである。本発明で使用できるプラズマ・エッチング方法は、不透明領域22または第2のレジスト26に比較して基板20の除去に高い能力を有する任意のプラズマ・ガスまたはその混合物の使用を含む。基板のエッチング速度がレジストのエッチング速度と等しいとき、第2のレジスト・マスクの断面は基板中に複製される。一方、多少の傾斜が必要な場合、プラズマ・エッチング方法は、第2のレジスト(浅い基板)をエッチ・バックするか、側壁(傾斜が強い断面)上にいくつかの第2のレジストを有するため調節できる。
【0032】
本発明が全てのレーザ融除技法の使用を意図しているが、本発明のこの点でフェムト秒レーザ研磨融除プロセスを使用することが特に好ましい。用語「フェムト秒レーザ融除」は、埋込み種によるエネルギーの吸収により埋込み領域を除去するレーザ・エッチング・プロセスを指すため本明細書で使用される。基板内の任意の非イオン埋込み領域は光を吸収せず、したがって光はこれを通って通過する。フェムト秒レーザ研磨融除プロセスを使用したとき、フェムト秒レーザ研磨融除プロセスは、典型的に、約200フェムト秒以下に対しパルス当たり約5μJないし約50μJのエネルギーを有するレーザを使用して行われる。より好ましくは、フェムト秒レーザ研磨融除プロセスは約100フェムト秒以下に対しパルス当たり約15μJないし約30μJのエネルギーを有するレーザを使用して行われる。
【0033】
上で述べたもの以外のフェムト秒レーザ融除条件を本発明において使用できることに留意されたい。
【0034】
本発明のさらに他の実施形態において、ドライ・エッチング段階、すなわちプラズマ・エッチングは、図11に示すような階段(stair step)断面を作り出すためにアッシング段階と組み合わせて使用できる。詳細には、図11において、階段断面は50で示される。組合せプラズマ・エッチングとアッシング段階がリソグラフィ方法中に使用される光ツールの除去能力より低い小さい階段を形成し、したがって小さい段階が印刷されないことに留意されたい。
【0035】
アッシングがドライ・エッチングと組み合されたとき、アッシング段階がエッチング段階と同じツールにおいて行われる。典型的には、アッシングは酸素、オゾン、NOおよび同様な酸素含有雰囲気などの酸化雰囲気で行われ、プラズマ・エッチング種はプラズマ・エッチング・ツールと同じ酸化種で変えられる。
【0036】
本発明の追加の実施形態において、傾斜レジスト断面は、Ga、As、BまたはSbなどの光吸収イオンが基板中に埋込み断面を作り出すために基板へ第2のレジストを通して埋め込まれるイオン埋込み方法を利用して基板に送ることができる。本発明において、イオン埋込み方法は、約1E7cm-2以上のイオン濃度を使用して行われ、約2E8cm-2ないし約4E8cm-2のイオン濃度がより高く好ましい。イオン埋込み方法に引き続いて、ウェット方法やレーザ融除(フェムト秒レーザ研磨融除プロセスなどの)などのエッチング方法を基板から埋込み領域を除去するのに使用できる。ウェット・エッチング方法を使用したとき、HFなどの化学エッチング剤を基板から埋込み領域を除去するのに使用できる。
【0037】
この第1の方法のいくつかの実施形態において、第2のレジストは使用されないことに留意されたい。このような場合、傾斜面は上記光吸収イオンの1つが使用される制御されたイオン埋込み方法を利用して基板内の所望の位置に作り出される。制御されたイオン埋込みにより作り出される傾斜面は次に、上記レーザ研磨融除プロセスを利用して除去される。
【0038】
傾斜レジスト断面を基板に転写するのに引き続き、第1のレジストおよび第2のレジストが次に当技術分野で周知の1つまたは複数の従来ストリップ方法を利用して図9に示す構造から除去される。レジストの除去後形成される構造を図10に示す。本発明のいくつかの実施形態において、硬化された第1のレジストが構造上に止まり、基板がさらに、従来エッチ・バック方法を使用してエッチングされることに留意されたい。エッチ・バック方法は典型的には、プラズマ・エッチング方法が前の段階において使用されたとき使用される。好ましい実施形態において、エッチ・バック段階は、エッチングされた基板を通る送信を正規化させるためHFで行われる。このような実施形態が使用されたとき、典型的には、第1のレジストのストリップ前に起きる。
【0039】
図5〜図10を参照して行われる上記説明は、本発明によって提供される第1の方法を示す。図12〜図17を参照して行う以下の説明は、本発明の第2の方法を示す。
【0040】
本発明の第2の方法は、図12に示す初期構造を形成することで始まる。図12に示す構造が図5に示すものと同一であり、したがってさらなる説明は不要であることに留意されたい。
【0041】
次に、図13に示すように、硬化され、パターン化された第1のレジスト24が基板20と不透明領域22の一部上に図6に示す構造を形成するのに使用されたのと同じ処理ステップを利用して形成される。
【0042】
図14は、パターン化された第2のレジスト26が図13に示す構造上に形成された後形成される構造を示す。図13においてパターン化された第2のレジスト26が印刷可能ステップ欠陥を生じやすい区域に置かれる少なくとも1つの縁部を含むことに留意されたい。図13及び14から明らかなように、パターン化された第2のレジストの縁部28は傾斜面を有する。しかしながら、縁部28に、調整可能な傾斜面を確保したい場合は第1の方法の段落28及び29の傾斜面の形成方法を当業者なら容易に適用できる。
【0043】
図15は傾斜面を前記基板に埋め込んだ後形成される構造を示す。埋込み傾斜面を絵図において52として示す。このイオン埋込み方法は、本明細書で上に記載するのと同じイオンおよび濃度の使用を含む。基板中に傾斜面を得るために、イオン・マスク埋込み方法が、典型的には、使用される。第2のレジストを使用せずGaなどの光吸収種の基板への直接埋込みを使用することも意図している。
【0044】
図16は、従来のウェット・エッチング方法またはレーザ融除を利用して傾斜面を基板から除去した後に得られる構造を示す。ウェット・エッチングを使用するときには、基板から埋込み区域を除去するために高い選択性を有するHFなどの化学エッチャントを使用し、少なくとも1つの不透明イメージの下の基板中にほぼ垂直な断面を維持する。レーザ研磨融除プロセスは、上述のフェムト秒レーザ研磨融除プロセスならびに基板から埋込み領域を選択的に除去できる他のレーザ・エッチング・プロセスを含む。
【0045】
図17は、当技術分野で周知の1つまたは複数の従来のストリップ方法を利用して第1のレジストおよび第2のレジストを基板から除去された後に得られる構造、すなわちマスクを示す。
【0046】
どの方法が本発明で使用されるかに関わりなく、結果として得られるマスク(たとえば図10および図17参照)は、不透明イメージ領域の反対側に形成される緩やかな傾斜を基板中に含む。この緩やかな傾斜は、ウェハ上に位相段階と印刷可能線を引き起こす従来技術の垂直基板段階に取って代わるものである。本発明の方法を利用することにより、印刷可能線を除去するための第2のトリム・マスクの使用をなくすことができる。これによりデバイス線ステッパ・ツールの特別の能力およびマスクの品質の制御が可能になる。全てのウェハに対し、また交互マスクの全てのレベルに対しステッパ時間の第2のパスをなくすことは、大幅なコスト利点である。
【0047】
以上、本発明をその好ましい実施形態に関して詳細に図示し説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱せずに形態および細部における上記および他の変更を行えることが当技術分野の技術者なら理解できよう。したがって本発明は、説明し例示した正確な形態および細部に限定されず、首記の特許請求の範囲に入るものである。
【0048】
まとめとして、本発明の構成に関して以下の事項を開示する。
【0049】
(1)(a1)基板の表面上に少なくとも1つの不透明イメージを形成するステップと、
(b1)前記少なくとも1つの不透明イメージを含む基板の一部上に硬化されパターン化された第1のレジストを形成し、前記基板の他の部分を露出したまま残すステップと、
(c1)第2のレジストの少なくとも1つの縁部が印刷可能ステップ欠陥を生じやすい区域に置かれるようにパターン化された第2のレジストを形成し、前記第2のレジストをリフローして前記少なくとも1つの縁部に傾斜面を得るステップと、
(d1)前記パターン化された第2のレジストの前記傾斜面を前記基板に送り、前記少なくとも1つの不透明イメージの下の前記基板におけるほぼ垂直な断面を維持するステップと、
(e1)前記第1のレジストおよび第2のレジストを除去するステップ
を含む、交互位相シフト・マスクを提供する方法。
(2)前記基板が透明または半透明である、上記(1)に記載の方法。
(3)前記基板が石英、ガラス、フッ化カルシウム、ダイヤモンド、またはダイヤモンド状炭素から構成される、上記(1)に記載の方法。
(4)前記少なくとも1つの不透明イメージがMoSi、炭素、クロム、酸化クロム、フッ化クロム、フッ酸化クロムから構成される、上記(1)に記載の方法。
(5)ステップ(b1)がリソグラフィ、エッチングおよびクロスリンクの前記ステップを含む、上記(1)に記載の方法。
(6)前記クロスリンクがUV露出、加熱またはUV露出と加熱の組合せを含む、上記(5)に記載の方法。
(7)前記リフローが約10分ないし約40分の時間で約70℃ないし約140℃の温度で行われる、上記(1)に記載の方法。
(8)前記リフローが形成ガス雰囲気または還元ガスで行われる、上記(1)に記載の方法。
(9)前記傾斜面が前記少なくとも1つの縁部と前記基板の表面の間の45°以下の角度を有する、上記(1)に記載の方法。
(10)前記(d1)が、反応性イオン・エッチング、プラズマ・エッチング、イオン・ビーム・エッチング、およびレーザ融除からなるグループから選択されたドライ・エッチング方法を含む、上記(1)に記載の方法。
(11)前記レーザ融除がフェムト秒レーザ研磨融除プロセスを含む、上記(10)に記載の方法。
(12)前記パターン化された第2のレジストが使用されず、前記傾斜面が、制御されたイオン埋込み方法を使用して前記基板中に形成され、光吸収イオンが使用される、上記(1)に記載の方法。
(13)前記レーザ研摩がフェムト秒レーザ研摩プロセスを含む、上記(11)に記載の方法。
(14)前記フェムト秒レーザ研摩プロセスが、約200フェムト秒以下に対しパルス当たり約5μJないし約50μJのエネルギーを有するレーザを使用して行われる、上記(13)に記載の方法。
(15)前記第2のレジストの除去後であるが、前記第1のレジストの除去前にエッチ・バック・ステップを行うステップをさらに含む、上記(1)に記載の方法。
(16)(a2)基板の表面上に少なくとも1つの不透明イメージを形成するステップと、
(b2)前記少なくとも1つの不透明イメージを含む前記基板の一部上に硬化されパターン化された第1のレジストを形成し、前記基板の他の部分を露出したまま残すステップと、
(c2)第2のレジストの少なくとも1つの縁部を印刷可能ステップ欠陥を生じやすい区域に置かれ、前記基板に傾斜面を埋め込むようにパターン化された第2のレジストを形成するステップと、
(d2)前記傾斜面を前記基板から除去し、前記少なくとも1つの不透明イメージの下の前記基板中にほぼ垂直な断面を維持するステップと、
(e2)前記第1のレジストおよび第2のレジストを除去するステップ
を含む交互位相シフト・マスクを形成する方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】当技術分野で周知の従来処理ステップを利用して基板中に形成されたステップ領域を含む従来技術位相シフト・マスクの(断面図による)絵図である。
【図2】当技術分野で周知の従来処理ステップを利用して基板中に形成されたステップ領域を含む従来技術位相シフト・マスクの(断面図による)絵図である。
【図3】当技術分野で周知の従来処理ステップを利用して基板中に形成されたステップ領域を含む従来技術位相シフト・マスクの(断面図による)絵図である。
【図4】当技術分野で周知の従来処理ステップを利用して基板中に形成されたステップ領域を含む従来技術位相シフト・マスクの(断面図による)絵図である。
【図5】プラズマ・エッチングやレーザ融除が傾斜レジスト断面を基板に送るのに使用される本発明の第1の方法の一実施形態を示す(断面図による)絵図である。
【図6】プラズマ・エッチングやレーザ融除が傾斜レジスト断面を基板に送るのに使用される本発明の第1の方法の一実施形態を示す(断面図による)絵図である。
【図7】プラズマ・エッチングやレーザ融除が傾斜レジスト断面を基板に送るのに使用される本発明の第1の方法の一実施形態を示す(断面図による)絵図である。
【図8】プラズマ・エッチングやレーザ融除が傾斜レジスト断面を基板に送るのに使用される本発明の第1の方法の一実施形態を示す(断面図による)絵図である。
【図9】プラズマ・エッチングやレーザ融除が傾斜レジスト断面を基板に送るのに使用される本発明の第1の方法の一実施形態を示す(断面図による)絵図である。
【図10】プラズマ・エッチングやレーザ融除が傾斜レジスト断面を基板に送るのに使用される本発明の第1の方法の一実施形態を示す(断面図による)絵図である。
【図11】組合せプラズマ・エッチングおよびアッシングが使用される本発明の第1の方法を利用して作成される位相シフト・マスクを示す(断面図による)絵図である。
【図12】本発明の第2の方法の様々な処理ステップ中の本発明位相シフト・マスクを示す(断面図による)絵図である。
【図13】本発明の第2の方法の様々な処理ステップ中の本発明位相シフト・マスクを示す(断面図による)絵図である。
【図14】本発明の第2の方法の様々な処理ステップ中の本発明位相シフト・マスクを示す(断面図による)絵図である。
【図15】本発明の第2の方法の様々な処理ステップ中の本発明位相シフト・マスクを示す(断面図による)絵図である。
【図16】本発明の第2の方法の様々な処理ステップ中の本発明位相シフト・マスクを示す(断面図による)絵図である。
【図17】本発明の第2の方法の様々な処理ステップ中の本発明位相シフト・マスクを示す(断面図による)絵図である。
【符号の説明】
10 基板
12 位相シフト材料
14 パターン化されたレジスト
16 ステップ領域
20 基板
22 不透明イメージ、不透明領域
24 硬化されパターン化された第1のレジスト
26 パターン化された第2のレジスト
28 縁部
30 傾斜面
50 階段断面
52 埋込み傾斜面
Claims (14)
- (a1)基板の表面上に少なくとも1つの不透明イメージを形成するステップと、
(b1)前記少なくとも1つの不透明イメージを含む基板の一部上に硬化されパターン化された第1のレジストを形成し、前記基板の他の部分を露出したまま残すステップと、
(c1)第2のレジストの少なくとも1つの縁部が印刷可能ステップ欠陥を生じやすい区域に置かれるようにパターン化された第2のレジストを形成し、前記第2のレジストをリフローして前記少なくとも1つの縁部に傾斜面を得るステップと、
(d1)前記パターン化された第2のレジストの前記傾斜面により基板に傾斜面を形成し、前記少なくとも1つの不透明イメージの下の前記基板におけるほぼ垂直な断面を維持するステップと、
(e1)前記第1のレジストおよび第2のレジストを除去するステップ
を含む、交互位相シフト・マスクを提供する方法。 - 前記基板が透明または半透明である、請求項1に記載の方法。
- 前記基板が石英、ガラス、フッ化カルシウム、ダイヤモンド、またはダイヤモンド状炭素から構成される、請求項1に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの不透明イメージがMoSi、炭素、クロム、酸化クロム、フッ化クロム、フッ酸化クロムから構成される、請求項1に記載の方法。
- ステップ(b1)がリソグラフィ、エッチングおよびクロスリンクの前記ステップを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記クロスリンクがUV露出、加熱またはUV露出と加熱の組合せを含む、請求項5に記載の方法。
- 前記リフローが約10分ないし約40分の時間で約70℃ないし約140℃の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
- 前記リフローが形成ガス雰囲気または還元ガスで行われる、請求項1に記載の方法。
- 前記傾斜面が前記少なくとも1つの縁部と前記基板の表面の間の45°以下の角度を有する、請求項1に記載の方法。
- 前記(d1)が、反応性イオン・エッチング、プラズマ・エッチング、イオン・ビーム・エッチング、およびレーザ融除からなるグループから選択されたドライ・エッチング方法を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記レーザ融除がフェムト秒レーザ研磨融除プロセスを含む、請求項10に記載の方法。
- 前記レーザ研摩がフェムト秒レーザ研摩プロセスを含む、請求項11に記載の方法。
- 前記フェムト秒レーザ研摩プロセスが、約200フェムト秒以下に対しパルス当たり約5μJないし約50μJのエネルギーを有するレーザを使用して行われる、請求項12に記載の方法。
- 前記第2のレジストの除去後であるが、前記第1のレジストの除去前にエッチ・バック・ステップを行うステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
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