JP4001644B2 - 化粧紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内装用化粧紙、特に壁、天井等をカバーする壁紙、天井材としての化粧紙に関し、貼り替えが考えられる用途の化粧紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、壁や天井に貼付する化粧紙としては、難燃紙等の基材上にポリ塩化ビニル(以下、PVCとする)樹脂層を設け、適宜な絵柄層やエンボス加工を施したものが知られており、これらを施工の際にはでんぷん糊等の接着剤を基材裏面側に塗布して貼り付けしていた。
又は、難燃裏打紙などの基材表面にPVC樹脂層を設けた化粧紙において、基材裏面側に感熱型粘着剤層を設けたことを特徴とする化粧紙も知られている。
【0003】
しかし、最近の住宅事情により再施工、リフォームなどが多く行われるようになり、前記化粧紙はその際の貼り替えに問題があった。
すなわち前者の場合、貼り替えの際に基材である難燃紙等の紙間で剥がれ、その約半分は壁や天井構造物の表面に残るため、下地の処理が必要となり、しかも構造物本来の防火性能を低下する事があった。
また、後者の場合、PVC層に含まれるフタル酸系のフタル酸ジオクチル(以下、DOPとする)等の可塑剤が移動して感熱粘着剤層に進入し、これを可塑化し施工した場合、常温で粘着剤層から剥がれるという現象が起きている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、施工後、貼り替えを容易に行うことができ、可塑剤の影響もなく、常温において剥離しない化粧紙を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するため、基材表面に、可塑剤を使用しない水性エマルジョンからなる化粧層を設け、基材裏面に感熱型粘着剤層を設けてなること化粧紙であって、該感熱型粘着剤が、エチレン酢酸ビニル共重合体100重量部と、ロジンエステル10重量部と、フタル酸ジシクロヘキシル100重量部とからなることを特徴とする化粧紙を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
基材1としては、坪量80〜150g/m2 程度の化粧紙用原紙が使用可能であり、壁紙等に用いる場合は特に難燃性の裏打紙が好適に使用できる。
【0007】
基材1の表面に設ける可塑剤を使用しない水性エマルジョンからなる化粧層2としては、図示はしないが任意の絵柄層や凹凸模様を設けることができる。また、この凹凸模様はエンボス板による凹凸模様、または合成樹脂層中に炭化水素を内包したカプセル発泡剤を分散して、発泡盛り上げによる凹凸模様を形成することでもよい。
【0008】
本発明においては前記のごとく、化粧層に使用する樹脂として可塑剤を使用しない水性エマルジョンを選定した。
これは、従来の壁紙の主流であるPVCを用いた壁紙では、それに柔軟性を与えるためのフタル酸系のDOP等の可塑剤が感熱型粘着剤層に移動し、これを可塑化し常温で剥離するという現象を引き起こす為である。
前記可塑剤を使用しない水性エマルジョンとしては、例えば水性のアクリル系樹脂、アクリル/エチレン酢酸ビニル共重合体(以下、EVAとする)混合系樹脂、アクリル酸エステル−EVA系樹脂等からなる水性エマルジョンが使用可能である。
【0009】
さらに、前記化粧層となる水性エマルジョンを塗布する際、裏打紙が水分を吸収して伸び等の不具合、いわゆる波打ち現象を防ぐため、水性エマルジョン中に水酸化アルミニウムなどの無機質粉体を分散することも好適に行われる。
【0010】
基材1裏面に設けられる感熱型粘着剤層3は、主に接着力を与える高分子材料、粘着付与剤、固体可塑剤からなるものであり、常温では粘着性はないが加熱によって粘着性が生じて、再び室温に戻すと30分程で粘着力は消える。故に、通常においてこの粘着剤の乾燥塗膜には粘着性はなく、製造行程において問題はない。
【0011】
ここで接着力を与える高分子材料としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、コポリエチレン−酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル系、ポリ塩化ビニル系、天然ゴム、合成ゴム、ポリエステル系、ポリウレタン系などの高分子化合物類を適宜選択し使用することができる。
【0012】
粘着付与剤としては、加熱により活性化された際に粘着性を増強するための成分で、例えばロンジン誘導体、テルペン樹脂系、石油樹脂系、フェノール樹脂系、キシレン樹脂系などの樹脂類が使用可能である。
【0013】
本発明における固体可塑剤とは、常温では固体であって、その融点以上に加熱されると溶解し、前記高分子材料や粘着付与剤を膨潤・溶解して、粘着性を発現させ、溶解後、室温において30分ほどで粘着性は完全に消えるものである。例えば、フタル酸ジフェニル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジヒドロアビエチル、安息香酸スクロース、クエン酸トリシクロヘキシル、N−シクロヘキシル−P−トルエンスルホンアミドなどの常温で固体の有機化合物が使用可能である。
【0014】
前記感熱型接着剤の各材料の配合比は、接着力を与える高分子材料100部に対して、粘着付与剤0〜100部、固体可塑剤50〜100部で感熱型粘着剤を調製する。
この組成物を化粧紙の裏面側に塗布、乾燥させて感熱型粘着剤層3を形成する。感熱型粘着剤層3の厚さは5〜30μmが好ましい。また、この感熱型粘着剤の塗布方法は、グラビアコーティング、ナイフコーティング、リップコーティング、ロールコーティングなど、公知のコーティング装置で塗布することができる。
【0015】
この感熱型粘着剤層3を設けた壁紙等は、貼り替えの際に壁紙表面からアイロンやジェットドライヤー等の加熱器具を用いて壁紙全体を加熱することにより、感熱型粘着剤層の固体可塑剤を活性化させ、この粘着剤層が接着剤として作用する。すなわち、接着剤とは固形化した際には2つの物体を接着するが、完全に固形化する以前、すなわち、液体系では2つの物を剥がすことも可能である。よって裏打紙を破壊することなく壁面から壁紙を綺麗に粘着剤層から剥がすことが可能となる。
【0016】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
基材として坪量120g/m2 の難燃性壁紙(特種製紙(株)製:「TT−120TW」)を用い、これに下記の配合の水性エマルジョンをコンマコーターをもちいて塗布し、厚さ120g/m2 (dry)の層とした。
【0017】
<水性エマルジョンの配合>
ポリアクリル酸エステル 100重量部
水酸化アルミニウム粉体(日本軽金属(株)製「B−703 」)100重量部
カプセル発泡剤(大塚化学(株)製:「AZ−H」 10重量部
酸化チタン(顔料) 15重量部
分散剤(花王(株)製:「ポイズ520」) 適量
増粘剤(東亞合成(株)製:「アロンA−20L」) 適量
【0018】
この層上に、印刷による絵柄層を設け、ついで加熱発泡による凹凸模様を形成し化粧層とした。その後、基材の裏面側に下記配合の感熱型粘着剤を20μm塗布し乾燥させ、本発明の化粧紙を得た。
【0019】
<感熱型粘着剤の配合>
EVA樹脂(接着性を有する高分子材料) 100重量部
ロジンエステル(粘着付与剤) 10重量部
フタル酸ジシクロヘキシル(固体可塑剤) 100重量部
【0020】
その後、この化粧紙にアミノールと水を1:1に調節したでんぷん糊を、塗布量150g/m2 (wet)に塗布し石膏ボードに貼り付けた。それを常温および40℃90%RHの条件で2カ月間保存した後、工業用ドライヤーを用い、表面より加熱した。この加熱により感熱型粘着剤が活性化され、その層間で剥がれ、石膏ボード表面はきれいなままであった。またこれに従う粘着によるべとつきも30分以内になくなり、次の施工に支障はなかった。
【0021】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
一般的な壁紙は裏打紙の紙間で剥離する為、綺麗に剥離する為には基材自体にピーラブル性が要求された。しかし、本発明においては、剥離する層が粘着剤層のため、基材のピーラブル性を必要としない。これにより、基材に安価な紙を使用することも可能となり、印刷以外の他の機能、例えば消臭や電波シールドといった機能を有する原紙も使用することが可能となった。
【0022】
また、裏打紙の紙間で剥離せず、剥離後も粘着剤によるべとつきがないので、リフォーム等の貼り替えの際に石膏ボード等の下地処理が簡単であり、比較的大きな面積でも壁面から綺麗に剥離させることができることから、化粧紙の再利用も有効に行なうことが可能である。
【0023】
かつ、壁面構成基材の防火性能を低下させず、樹脂層からの可塑剤の移行を防ぐために、水性エマルジョンを使用して化粧紙を製造しているので、製造時に溶剤による大気汚染、爆発、火災、中毒等の心配がない。従って機械を防爆仕様にする必要がなく、また溶剤回収施設もいらない。また、施工、室内環境は、可塑剤、有機難燃剤等が揮発して室内を汚染するものがなく、施工者、居住者にたいして安全性が保証できる。さらに、廃材処理時には、樹脂層がC、H、Oから成り立っており、焼却処分をしても塩素ガス等は発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧紙の一例を示す断面で表した説明図である。
【符号の説明】
1…基材
2…化粧層
3…感熱型粘着剤層
Claims (1)
- 基材表面に、可塑剤を使用しない水性エマルジョンからなる化粧層を設け、基材裏面に感熱型粘着剤層を設けてなること化粧紙であって、該感熱型粘着剤が、エチレン酢酸ビニル共重合体100重量部と、ロジンエステル10重量部と、フタル酸ジシクロヘキシル100重量部とからなることを特徴とする化粧紙。
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