JP4001472B2 - 金属含有水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下水を原水とする用水、工業排水、ゴミ浸出排水などの、高濃度の溶解性金属および懸濁状金属を含む水の処理方法及び処理装置に関し、特に金属含有水から高い効率で金属分を除去することができる金属含有水の処理方法及び処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、石灰岩地帯で出る地下水や河川水などにはカルシウム濃度が高いものがあり、硬水は洗濯には向かないので軟化処理が行われるが、それを食品工業や化学工業の原料水として使用せざるを得ないような場合には水質基準に適合するように、さらに積極的にカルシウム分を除去する処理が行われる。そのような処理の一つとして、カルシウム含有水をカルシウム分(カルシウム塩等を含む、以下簡単のため「カルシウム」ともいう)を析出させることができる媒体、例えばろ過用珪砂層を通すなどの手段が取られるが、連続的処理方法としてろ過砂の流動層を形成して、そこを通す方法等が提案されている。
【0003】
従来の流動床によるカルシウム除去方法として、図2に示すものがある。
図2で示されるカルシウム除去方法は、ろ過砂を晶析用媒体とする支持床の無い(整流盤の無い)流動床2に、炭酸イオンも含有したカルシウム含有水又は炭酸イオンを添加したカルシウム含有水を上向流で通水することにより行われる。なお、この明細書においては、反応槽1全体を流動床反応槽1といい、反応槽1内のろ過砂を含む水が流動している領域全体を流動床2といい、晶析用媒体(ろ過砂)が流動界面を形成している流動している層を晶析用媒体(ろ過砂)流動層3という。
流動床反応槽1の底部流入口12近辺にアルカリ剤を注入し、流動床2内の処理水pHを8〜10に調節することにより、前記水中の溶解性カルシウムを晶析除去し、加えて、前記流動床反応槽1のろ過砂流動層3上部に懸濁物質流動層4を形成させることにより、その流動層3を通過した、前記水中の懸濁状カルシウムをも除去し、さらに、前記流動床2の懸濁物質流動層4にスラッジ排出管17を備え、前記流動床反応槽の底部流入口12近辺に晶析用媒体排出管(排出弁)7を備えるものである。なお、前記流動層3の上部に安定した懸濁物質流動層4を形成させるために、流動床反応槽1の上部を拡大部とすることが好ましい。
【0004】
なお、図2において、5は分散板、6は被処理水流入口、8は逆止弁、9は被処理水流入弁、10は被処理水供給ポンプ、13はアルカリ剤供給ポンプ、14はアルカリ剤槽、15はpH測定器、16は処理水流出管、17はスラッジ排出管、18はスラッジ排出弁である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
公知の流動層によるカルシウム除去方法について詳しく説明する。
カルシウムは、溶解しているものは、中性付近の水中において、2価態の場合はCa(HCO32やCaSO4の形態で存在する。
2価態のカルシウムは、炭酸イオンと(1)式のように反応し炭酸カルシウムとなる。
Ca2++HCO3 -+OH-→CaCO3↓+H2O・・・・(1)
被処理水中の炭酸カルシウムは、pHの上昇に従って溶解度が減少し、準安定状態を経て結晶化する。この時、準安定状態の炭酸カルシウムと晶析用媒体が接触すると、媒体表面に炭酸カルシウムが晶析する。このとき、被処理水のpHが低いと晶析が起こらず、pHが高すぎると媒体表面にではなく、水中に微細な炭酸カルシウム結晶が析出するため、pH制御が重要である。
この場合、水中の懸濁状カルシウムは上記反応に関与しないものの、流動層3上部に懸濁物質流動層4を形成することにより、懸濁状カルシウムも除去することができる。
【0006】
しかし、カルシウム晶析により粒径の増加した晶析用媒体は、その流動性が次第に低下するため、粒径の増加した晶析用媒体の引抜き、および新しい晶析用媒体の補充を頻繁に行う必要があった。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、晶析用媒体の引抜き頻度を少なくするカルシウム含有水の処理方法および処理装置を提供することを課題とする。
また、炭酸塩を形成する二価ないしそれ以上の金属イオンは、カルシウムと同様の反応により晶析用媒体表面に晶析するため、本発明はカルシウムに限定するものではなく、炭酸塩を形成する二価ないしそれ以上の金属イオン(簡単のために単に「金属」ということがある)を含有する水の処理にも適用することができる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記手段により上記課題を解決した。
(1)ろ過砂を晶析用媒体とする流動床に、炭酸イオンを含有するか又は炭酸イオンを添加した金属含有水を上向流で通水するとともに、流動床内の底部流入口近辺にアルカリ剤を注入し、流動床内の処理水pHを8〜10に調節することにより、前記水中の溶解性金属を晶析除去し、加えて、前記流動床のろ過砂流動層上部に、前記流動層を通過した前記水中の懸濁物質流動層を形成させることにより、前記水中の懸濁状金属化合物を除去し、さらに、前記流動床の懸濁物質流動層からスラッジ排出を行い、前記流動床内の底部流入口近辺から、晶析用媒体を排出する金属含有水の処理方法であって、前記流動床内の底部より空気を流入させ、晶析用媒体の粒径増加に伴い空気注入量を増加することにより、金属晶析により粒径が増加した流動媒体の流動性を維持することを特徴とする金属含有水の処理方法。
(2)前記流動床の晶析用媒体流動層上部に形成する懸濁物質流動層上部に、空気捕集板及び気液分離板を設け、空気注入による懸濁物質流動層からの懸濁物質の流出を防止することを特徴とする前記(1)記載の処理方法。
【0008】
(3)ろ過砂を晶析用媒体とする流動層とその上部に懸濁物質流動層を形成する流動床反応槽と、前記流動床反応槽は、前記懸濁物質流動層が形成される部分の水平方向断面積を、前記ろ過砂を晶析媒体とする流動層部の水平方向断面積よりも大きくし、該反応槽の底部に設けた炭酸イオンを含有するか又は炭酸イオンを添加した金属含有水の流入管と該反応槽上部に設けた処理水流出管、及び前記流動床内の処理水中に設置されたpH測定器と流動床内の処理水pHを調整するための前記反応槽底部付近に設けたアルカリ剤注入口とを有する金属含有水の処理装置であって、前記反応槽の底部に設けた粒径の増加した媒体を引き抜く晶析用媒体排出管、同底部付近に設けた空気流入管、晶析用媒体の粒径増加に伴い、空気量を増加させる機構、及び前記反応槽上部の懸濁物質流動層に設けたスラッジ排出管、及び前記晶析用媒体流動層の下部中に被処理水とアルカリ剤の混合を促進する分散板を備えたことを特徴とする金属含有水の処理装置。
(4)前記晶析用媒体流動層上部の懸濁物質流動層上部に、懸濁物質流動層を維持するための空気捕集板及び気液分離板を備えたことを特徴とする前記(3)記載の処理装置。
【0009】
すなわち、本発明は、流動床内の底部流入口近辺に空気流入管を設け、空気注入量を調節し、かつ、懸濁物質層上部に空気捕集板および気液分離板を設けることにより、カルシウム晶析により粒径が増加した流動媒体の流動性を維持し、懸濁状カルシウムをも除去することを重要ポイントとするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
(図の説明)
本発明の装置の一例を図1に示し、この図に基づいて本発明をより具体的に説明する。図1においてはカルシウム含有水の処理の場合について説明する。
なお、図2で示した構成要素と同一の機能を有する構成要素は同一符号を用いて示す。
図1に示す装置は、支持床の無い(整流盤のない)流動床反応槽1に晶析用媒体流動層3および懸濁物質流動層4を保持し、流動床内の底部流入口近辺にアルカリ剤注入口12と、流動床内の処理水中に設置されたpH測定器15を少なくとも配備し、該pH測定器15の出力信号により、アルカリ剤供給ポンプ13の吐出量を加減するものである。
【0011】
また、被処理水流入管11、原水を供給するための被処理水供給ポンプ10、被処理水流入弁9、停止時に晶析用媒体の逆流を防止する逆止弁8、粒径の増加した媒体を引抜く晶析用媒体排出弁7、スラッジ排出管17、スラッジ排出弁18、処理水流出管16を備え、さらに、被処理水と晶析用媒体とアルカリ剤の混合を促す分散板5、晶析用媒体の流動性を維持するための空気流入管21、懸濁物質流動層4を維持するための空気捕集板19と気液分離板20を備える。
【0012】
(流動床の形状)
流動床反応槽の下部構造は、その形状が円錐形、角錘形などが考えられるが、晶析用媒体の安息角以上の傾斜を有すれば特に規定するものではない。
流動床反応槽の懸濁物質流動層部分の直径は、晶析用媒体流動層部分の直径の1.5倍以上が好ましい。これは、懸濁物質(スラッジ)の粒径が小さいため、晶析用媒体流動層の上方の部分で上昇する処理水の速度を遅くしないと懸濁物質の流動層が形成されず、懸濁物質が反応槽の外に流出してしまうため、上昇する処理水の速度が十分遅くなるようにするためである。
【0013】
(流動床の直列接続)
本発明の流動床反応槽は、単独使用でも十分なカルシウム除去能力を有するが、被処理水中のカルシウム濃度が高い場合、流動床反応槽の槽高さを低く抑えたい場合などは、複数の反応槽を直列にして使用することができる。
【0014】
(炭酸カルシウム晶析用媒体)
本発明で用いる、炭酸カルシウムの晶析用媒体としては、ろ過砂そのもの以外に粒径0.1〜5.0mmの粒状物質を使用することができる。粒状物質としては、石灰石破砕物、アンスラサイト、活性炭、炭化物、樹脂等が使用できる。粒状物質の材質、粒径、形状、表面状態、充填密度等は、処理装置の形状、被処理水の性質に合わせて選定することができる。
【0015】
(晶析用媒体の充填層高)
流動床反応槽に充填する晶析用媒体の初期の充填層高は、反応槽の直径以上の高さまたは、晶析用媒体の平均粒径の800倍以上の高さであることが好ましいが、被処理水の水質、通水速度、目標の処理水質により任意の高さに設定することができ、特に規定するものではない。なお、ここでいう、「充填層高」は、カルシウム含有水の通水が始まる前の充填状態の晶析用媒体の層の高さであり、通水が始まって流動層が形成されてときの「流動層高」は通水条件により変わるが、その「流動層高」は通常「充填層高」の約1.3〜2.0倍となる。
【0016】
(通水速度)
通水速度は、LVで300〜3000m/日が好ましいが、当該媒体が流動し目標とする処理水質が得られる流速であれば、特に規定するものではない。
一般に、晶析用媒体にろ過砂を使用する場合、平均粒径0.5mmの砂では、通水速度0.5m/min(720m/d)以上、平均粒径1.0mmの砂では、流速1.0m/min(1440m/d)以上が目安となる。
【0017】
(通気量についての説明)
目的とする処理水質が得られるように、晶析用媒体の粒径および充填層高、通水速度を選定しても、カルシウム晶析により粒径が増加した流動媒体は、その流動性が次第に低下する。
一般に、流動床では底部ほどカルシウム晶析量が多く、流動層底部の媒体粒径が早期に増加し、流動性が悪化するものの、流動層内全体では、目標とする処理水質を得るのに十分な反応表面積を残している場合がある。
【0018】
このような場合、粒径の増加した流動層底部の媒体を頻繁に引抜くことは、流動条件の変動を頻繁に起こすので、維持管理上好ましくない。
そこで、本発明により流動床底部より空気を注入し、晶析用媒体の流動を維持する方法が有効になる。空気注入量は晶析用媒体層高さの関係で任意の量を注入できるが、空気量:被処理水量との比で0.05:1から1:1が好ましいが、晶析用媒体の粒径増加に伴い、注入量を増加するようにするのがよい。0.05以下では通気の効果が低く、1.0以上では流動床内の晶析用媒体の上部が混合し、良好な処理水質を得にくい。
【0019】
(炭酸イオンの含有量と添加)
被処理水は、通常カルシウムイオン1mgに対して1.5mg以上の炭酸イオンを含有するが、炭酸イオンを添加する必要がある。炭酸イオンの添加は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸ガス等を添加することにより行う。なお、被処理水がカルシウム含有水以外のものである場合には、その被処理水の種類によって炭酸イオンの含有量が異なってくることが多い。
炭酸ガスを添加する場合は、空気流入管を用い、そこから導入することができる。しかし、被処理水として用いる通常の用水・排水は、炭酸カルシウムの生成に十分な炭酸イオンを含むため、特に存在量を規定するものではない。
【0020】
(アルカリ剤とpH調節)
pH調節用のアルカリ剤として、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等が使用できる。アルカリ剤注入口は、流動床内の底部流入口近辺に設ける。
流動床内の処理水pHは、8.0〜10.0の範囲で調節する。pH8.0以下では晶析反応は起こらず、pH10.0以上では晶析反応は起こるものの、炭酸カルシウムが水中で微細結晶となり担体表面に晶析しないため、本発明の効果が十分に発揮されない。
また、被処理水中のカルシウム濃度が高い場合、アルカリ剤の注入量が多くなるため、アルカリ剤注入口近辺のpHが10以上になる。この場合の対策としては、アルカリ剤の濃度を低くして多量に注入する方法、アルカリ剤の注入点を被処理水流入口近辺以外に流動層内に数箇所設ける方法、流動床を多段にする方法等が挙げられる。
【0021】
(媒体引抜きと補充)
晶析用媒体は炭酸カルシウム晶析により肥大化し、次第に流動性が低下し、流動床下部からの通気により再び流動性が回復するが、媒体の粒径がさらに大きくなった場合、流動床内の媒体量が一定量以上になった場合には、流動床下部の排出管より引抜き、新しい晶析用媒体を流動床上部より補充する。
補充する晶析用媒体としては、新しい媒体に限らず、引抜いた媒体を破砕したものなどが使用できる。
本発明の流動床は、スラッジ層が形成される構造を保有するため、引抜いた媒体を破砕したものは篩い分け操作を行わずに、補充用の媒体として再使用することができる。
【0022】
(スラッジ引抜きについて)
流動床内のスラッジ層厚が増加した場合、スラッジ排出管よりスラッジを排出する。
スラッジ層を形成する物質が、主に被処理水中の懸濁物質からなる場合、スラッジ配出管の位置をスラッジ層の下部、言い換えれば晶析用媒体の流動界面より上方に設けることで、効率的なスラッジ排出を行うことができる。
また、スラッジ層を形成する物質が、懸濁物質からなるスラッジ層上部と、微細な晶析用媒体から成るスラッジ層下部に分けられる場合、スラッジ排出管を両層の中間位置に設けることで、効率的なスラッジ排出を行うことができる。
【0023】
(まとめ)
本発明によれば、流動床内の晶析用媒体流動層により溶解性カルシウムを晶析除去し、かつ前記流動層上部に被処理水に含まれる懸濁物質によるスラッジ層を形成させ、水中の懸濁物質の捕捉能力を付加させることにより、被処理水中の懸濁状カルシウムを除去することができる。加えて、流動床下部からの通気により、粒径が増加し流動性の低下した晶析用媒体の流動性を回復し、媒体の引抜き頻度を減らすことができる。
また、炭酸塩を形成する二価ないしそれ以上の金属イオンは、カルシウムと同様の反応により晶析用媒体表面に晶析するため、本発明はカルシウムに限定するものではなく、炭酸塩を形成する二価ないしそれ以上の金属イオンを含有する水の処理にも適用することができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、その効果を明らかにする。ただし、以下に示す本発明の実施例により本発明は制限されるものではない。
【0025】
実施例1及び比較例1
比較例(従来例)として図2、第1表に示す処理装置を使用し、本発明の実施例として図1、第1表に示す処理装置を用いて処理実験を行った。なお、流動床反応槽の全高は6000mmであり、前記反応槽の底部の傾斜面の角度は45度であり、またスラッジ層部の内径拡大部の傾斜面の角度は45度である。
【0026】
【表1】
Figure 0004001472
【0027】
カルシウム晶析用媒体には平均径0.6mmのろ過砂を使用した。短期間の実験ではスラッジ層が形成されないため、スラッジ層の代りとして、粒径0.05〜0.2mmの微細な砂を使用した。
流動床反応槽は、媒体流動層部が内径100mm、スラッジ流動層部が内径350mmのカラムを使用し、処理水pHを9.5〜9.6になるように調節した。
実験結果を第2表に示す。
【0028】
【表2】
Figure 0004001472
【0029】
被処理水は、T−Ca硬度:110〜118mg/リットル、SS−Ca硬度:5〜7mg/リットルであった。なお、「T−Ca硬度」は全カルシウム濃度をいい、「SS−Ca硬度」は可溶性カルシウム濃度をいう。
従来例および本発明の通水2日後までを除いた処理水質は、T−Ca硬度:44〜46mg/リットル、SS−Ca硬度:1〜2mg/リットルであり、Ca硬度除去及びSS−Ca硬度の除去を安定に行うことができた。
比較例での媒体流動層の圧力損失水頭と充填層高の比は、2〜15日後:0.84〜0.85に対して20〜30日後:0.97〜0.98と明らかに増加した。これは、媒体の粒径増加による流動性の悪化を示している。
一方、本失明の媒体流動層の圧力損失水頭と充填層高の比は、実験期間を通して0.84〜0.85と一定であり、媒体の流動性が維持されていることを示している。
【0030】
通水30日後、晶析用媒体の引抜き作業を行った。
比較例(従来例)では、晶析用媒体排出弁を開放しても流動床内の被処理水が流出するに留まり、晶析用媒体は排出されなかった。そこで、流動床底部のフランジを外し、晶析用媒体を取り出した結果、底部から500mmぐらいにかけて媒体同士が付着したものと考えられる、数十ミリの不定形な固まりが取り出された。
一方、本発明では晶析用媒体排出弁の開放により、流動床内の晶析用媒体およびスラッジの少量が排出された。
以上より、晶析用媒体の引抜き頻度は従来例で15日に1回、本発明例では30日に1回となる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、カルシウム含有水のような金属含有水を晶析用媒体流動層を通すことにより、金属を晶析用媒体上に析出させて除去するに際して、金属が晶析用媒体上に析出するに伴って流動層の流動性が悪化するのを防ぐことができ、晶析用媒体の引出し頻度を増やすなどの手段を不要とし、操作の簡便化を図ることができる。
かつ、懸濁物質層上部に空気捕集板および気液分離板を設けることにより、例えばカルシウム晶析により粒径が増加した流動媒体の流動性を維持し、晶析用媒体の引抜き頻度を減らすことができ、懸濁状カルシウムをも除去することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるカルシウム含有水の処理装置の一実施例を示す概略図である。
【図2】従来のカルシウム含有水の処理装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 流動床反応槽
2 流動床
3 晶析用媒体流動層
4 懸濁物質(スラッジ)層
5 分散板
6 被処理水流入口
7 晶析用媒体排出弁
8 逆止弁
9 被処理水流入弁
10 被処理水供給ポンプ
11 被処理水流入管
12 アルカリ剤注入口
13 アルカリ剤供給ポンプ
14 アルカリ剤槽
15 pH測定器
16 処理水流出管
17 スラッジ排出管
18 スラッジ排出弁
19 空気捕集板
20 気液分離板
21 空気流入管

Claims (4)

  1. ろ過砂を晶析用媒体とする流動床に、炭酸イオンを含有するか又は炭酸イオンを添加した金属含有水を上向流で通水するとともに、流動床内の底部流入口近辺にアルカリ剤を注入し、流動床内の処理水pHを8〜10に調節することにより、前記水中の溶解性金属を晶析除去し、加えて、前記流動床のろ過砂流動層上部に、前記流動層を通過した前記水中の懸濁物質流動層を形成させることにより、前記水中の懸濁状金属化合物を除去し、さらに、前記流動床の懸濁物質流動層からスラッジ排出を行い、前記流動床内の底部流入口近辺から、晶析用媒体を排出する金属含有水の処理方法であって、前記流動床内の底部より空気を流入させ、晶析用媒体の粒径増加に伴い空気注入量を増加することにより、金属晶析により粒径が増加した流動媒体の流動性を維持することを特徴とする金属含有水の処理方法。
  2. 前記流動床の晶析用媒体流動層上部に形成する懸濁物質流動層上部に、空気捕集板及び気液分離板を設け、空気注入による懸濁物質流動層からの懸濁物質の流出を防止することを特徴とする請求項1記載の処理方法。
  3. ろ過砂を晶析用媒体とする流動層とその上部に懸濁物質流動層を形成する流動床反応槽と、前記流動床反応槽は、前記懸濁物質流動層が形成される部分の水平方向断面積を、前記ろ過砂を晶析媒体とする流動層部の水平方向断面積よりも大きくし、該反応槽の底部に設けた炭酸イオンを含有するか又は炭酸イオンを添加した金属含有水の流入管と該反応槽上部に設けた処理水流出管、及び前記流動床内の処理水中に設置されたpH測定器と流動床内の処理水pHを調整するための前記反応槽底部付近に設けたアルカリ剤注入口とを有する金属含有水の処理装置であって、前記反応槽の底部に設けた粒径の増加した媒体を引き抜く晶析用媒体排出管、同底部付近に設けた空気流入管、晶析用媒体の粒径増加に伴い、空気量を増加させる機構、及び前記反応槽上部の懸濁物質流動層に設けたスラッジ排出管、及び前記晶析用媒体流動層の下部中に被処理水とアルカリ剤の混合を促進する分散板を備えたことを特徴とする金属含有水の処理装置。
  4. 前記晶析用媒体流動層上部の懸濁物質流動層上部に、懸濁物質流動層を維持するための空気捕集板及び気液分離板を備えたことを特徴とする請求項3記載の処理装置。
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