JP4000514B2 - コリオリ質量流量計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、安定性、精度、耐振性が向上されたコリオリ質量流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
は、従来より一般に使用されている従来例の構成説明図で、例えば、特開平6−109512号に示されている。
【0003】
図において、1はフランジ2に、両端が取り付けられた振動チューブである。
フランジ2は管路へ振動チューブ1を取り付けるためのものである。
3は振動チューブ1の中央部に設けられた励振器である。
【0004】
4,5は、振動チューブ1の両側にそれぞれ設けられた振動検出センサである。
6は、振動チューブ1の両端が固定されるハウジングである。
【0005】
以上の構成において、振動チューブ1に測定流体が流され、励振器3が駆動される。
励振器3の振動方向の角速度「ω」、測定流体の流速「V」 (以下「」で囲まれた記号はベクトル量を表す)とすると、
【0006】
Fc=−2m「ω」×「V」
のコリオリ力が働く。コリオリ力に比例した振動を測定すれば、質量流量が求められる。
【0007】
は、従来より一般に使用されている従来例の構成説明図で、例えば、特開平11−108723号に示されている。
【0008】
11は、上流側固定端12と下流側固定端13とを結ぶ直線を基準軸14として、この基準軸14の各点から、それぞれ所定距離の円周線上で単振動あるいは円運動をする振動チューブである。
【0009】
15は、振動チューブ11の中央部に設けられた励振器である。
16,17は、振動チューブ11の両側にそれぞれ設けられた振動検出センサである。
【0010】
以上の構成において、図は、図の振動チューブ11のb−b断面図、図は図の振動チューブ11のa−a,c−c断面図、図は振動チューブ11の振動の様子を示す斜視図である。
,図において、非励振状態の時、振動チューブ11はAの位置近傍にある。
【0011】
励振状態になると、振動チューブ11の中心は、基準軸14から半径R(x)離れた円周上を移動する。
断面b−bの位置では、基準軸14から半径R(b) 離れた円周上を、断面a−aやc−cの位置では、基準軸14から半径R(a) や R(c) 離れた円周上を、A→B→A→C→A→B→(以後繰り返し)のように振動する。
【0012】
において、A,B,Cは図,図の振動チューブ11の各位置に一致する。
なお、12,13は固定端、14は基準軸を示す。
【0013】
振動チューブ11は、基準軸14から等距離にある円周面内のみでの振動なので、振動チューブ11の位置がどこであっても、振動チューブ11の長さが変わることはない。
【0014】
10は、本出願人の先願に係わる出願の実施例の要部構成説明図で、特願平2001383340号に示されている。
11は図10の側面図、図12は図11のd−d断面図、図13は図11のe−e断面図、図14〜図17は図10の動作説明図である。
【0015】
図において、20は、内部を測定流体が流れる振動チューブ、2は外部配管と接続するためのフランジ、6は流量計を形作るハウジング、12、13は振動チューブの両端の固定端、14は両固定部を結ぶ基準軸である。
【0016】
21,22は振動チューブ20を励振させる励振器であり、振動チューブ20を図のY方向に力を加えられる構造になっている。
21と22とでは、大きさと方向が等しく、逆位相の力を加えるようになっている。
【0017】
この場合は、図12に示す如く、励振器21,22は、マグネット211,221とコイル212,222から構成されており、振動チューブ20にマグネット211,221が固定され、対向する位置にコイル212,222がハウジング6等の振動しない不動の場所に固定されている。
【0018】
なお、実際には円筒のコイル212,222の内側にマグネット211,221が配置されるが、マグネット211,221とコイル212,222を明確に示すため、分離して示す。
【0019】
23,24は、振動を検出する振動検出センサで、図のY方向の振動速度あるいは変形を測定する。
【0020】
この場合は、図13に示す如く、振動検出センサ23,24は、マグネット231,241とコイル232,242から構成されており、振動チューブ20にマグネット231,241が固定され、対向する位置にコイル232,242がハウジング6等の振動しない不動の場所に固定される。
【0021】
なお、実際には円筒のコイル232,242の内側にマグネット231,241が配置されるが、マグネット231,241とコイル232,242を明確に示すため、分離して示す。
【0022】
振動チューブ20は、図10に示す如く、上流側端部12と下流側端部13の中点25を中心に点対称で、変曲点を3箇所有するS字形の曲線形状であり、振動チューブ20は両端近傍では、基準軸14上に存在する。
【0023】
以上の構成において、図14は図10のf−f断面図、図15は図10のg−g断面図、図16は図10のh−h断面図である。
【0024】
分かり易くする為に、ハウジング6や励振器21,22は省略してあり、振動チューブ20のみを示した。
励振器21,22によってY方向で逆位相に力を加えられた振動チューブは、D→E→D→F→D→E→D→F(これを繰り返す)のように位置を変えていく。
【0025】
両端固定端から等距離にある中点25では、振動チューブはその位置を変わらずに、基準軸14周りの回転振動のみを行う。
17からわかるように、振動チューブ20は、常に基準軸14から所定距離の円周上あるいはその近傍に位置する。
【0026】
f−f断面では基準軸から距離R(f)離れた円周上、h−h断面では基準軸から距離R(h)離れた円周上で単振動を行う。
両固定端12,13の中心点である中点25では、R(g)=0となり、位置を変えずに回転振動のみを行うことになる。
【0027】
ここでは、わかりやすくするために、単振動の振幅を大きくして図示しているが、一般のコリオリ質量流量計では、振動振幅はごくわずかである。
振幅が小さい場合、円周上の振動は、図のY方向成分のみの振動に近似できる。
【0028】
励振器21,22も振動検出器23,24も、本来ならばY方向だけでなく、Z方向成分、あるいは、回転成分にも対応する必要があるが、上記の理由により、通常はY方向成分のみに対応する機器を使用して差し支えない。
【0029】
上記振動の様子を模式的に示したのが図17である。振動チューブはA→B→A→C→A→B→Aのように位置を変えて単振動を続ける。
振動振幅は、チューブ長Lの1/4L、3/4L付近で最も大きく、両固定端12,13近傍や、中点25付近の1/2Lでは、基準軸14周りの回転振動(RotX)はあっても、基準軸方向及び基準軸に直交する方向の成分の位置変化(UX, UY,UZ)は殆ど無い。
【0030】
要するに、振動チューブ20は、点対称の曲線形状を保持したまま、上流側固定端12と下流側固定端13とを結ぶ直線を基準軸14として、この基準軸14の各点からそれぞれ所定距離の円周線上で単振動をする。
【0031】
この結果、
(1)円周上の振動を採用することにより、振動チューブ20の両固定端12,13近傍では、基準軸14回りの回転振動成分が主になり、両固定端12,13では基準軸14方向及び基準軸14に直交する方向の力の発生は大幅に抑えることが出来、安定性、精度、耐振性が向上されたコリオリ質量流量計が得られる。
【0032】
(2)点対称な振動チューブ20の形状と振動モードを採用することで、振動チューブ20の重心が、常に両固定端12,13の中点25に位置し、重心が移動することが無くなる。
【0033】
振動系の重心の移動が無くなるので、両固定端12,13を通じて、振動が外に漏れ出すのを防ぎ、より一層、振動絶縁性を高めることが出来るコリオリ質量流量計が得られる。
【0034】
(3)振動絶縁性が高められることで、外部からの振動ノイズにも影響を受け難く、低消費電力が可能で、環境変化や外的要因によるゼロ点やスパン変動を減らし、高精度で高安定なコリオリ流量計を実現できる。
【0035】
(4)流体流路が、流量計の入り口から出口まで、分岐や隙間が無い1本の貫通構造であり、緩やかなカーブを有する直管に近い形状の振動チューブ20の採用で、コンパクトで圧損が少なく、流体等の温度変化による熱応力にも強い特徴を有するコリオリ質量流量計が得られる。
【0036】
【特許文献1】
特開平6−109512号(第2頁、第5図)
【特許文献2】
特開平11−108723号(第3−4頁、第1−5図)
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような装置においては、図12,図13に示すように、全てのマグネット211,221,231,241はY方向下側に配置されている。
従って、振動チューブ20とマグネット211,221,231,241からなる振動系の質量分布は、Y方向負側が重く、Y方向正側が軽い、アンバランス状態になっている。
【0038】
このようなマスアンバランスがあると、励振振動によって振動チューブ20の位置が変わると、振動系全体の重心位置も移動し、振動が振動系外部に多く漏れてしまい、振動絶縁がうまくいかない。
【0039】
振動絶縁性が悪いと、以下のような問題が生じる。
1)外部からの影響を受けやすいことである。
すなわち、流量計外部から、配管振動や、配管応力が加わった場合、流量計のハウジング(筐体)6ではその影響を受け止めきれず、内部の振動チューブ20に外部振動や、応力が加わり、振動チューブ20の振動状態が変化し、出力揺動や、ゼロ点変化等の誤差になって現れてしまう。
【0040】
2)内部の振動チューブ20の振動が、外部配管に漏れてしまうことである。
振動が外に漏れ、振動絶縁が不十分になると以下のような問題が発生する。
(1)Q値が低くなるので、内部の振動が不安定になり、励振振動以外の余計な振動ノイズの影響を受けやすくなる。
【0041】
(2)励振に大きなエネルギーが必要になり、消費電力が増加する。
(3)設置方法や、配管応力、温度等の環境変化や外的要因により、振動の漏れ程度も大きく変わり、振動チューブ20の振動状況も変化し、零点やスパンが変化しやすくなる。
【0042】
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、安定性、精度、耐振性が向上されたコリオリ質量流量計を提供することにある。
【0043】
即ち、本発明は、分岐がない1本管型のコリオリ質量流量計において、
緩やかなカーブを有する直管に近い形状の採用で、コンパクトで圧損が少なく、流体等の温度変化による熱応力にも強い特徴を有する。
【0044】
更に、流量計内部の振動チューブの振動を外に漏らさないようにすることと、外部からの振動ノイズや応力の影響を受けにくくすることによって、安定性、精度、耐振性、ゼロ点変動も小さい、高精度を高安定なコリオリ流量計を実現することにある。
【0045】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明では、請求項1のコリオリ質量流量計においては、
内部に測定流体が流れる振動チューブと、この振動チューブを励振する励振器と、前記測定流体の流れと前記振動チューブの角振動によって生じるコリオリ力による振動チューブの変形振動を検出する振動検出センサとを具備するコリオリ質量流量計において、上流側固定端と下流側固定端の中点を中心に点対称で3個の変曲点を有する曲線形状で前記点対称の曲線形状を保持したまま前記上流側固定端と下流側固定端とを結ぶ直線を基準軸としてこの基準軸の各点からそれぞれ所定距離の円周線上で単振動をする振動チューブと、上流側固定端と下流側固定端の中点を中心に点対称で3個の変曲点を有する曲線形状で前記点対称の曲線形状を保持したまま前記上流側固定端と下流側固定端とを結ぶ直線を基準軸としてこの基準軸の各点からそれぞれ所定距離の円周線上で単振動をする振動チューブと、前記振動チューブに取付けられたマグネットとこのマグネットに対向して設けられたコイルとをそれぞれ有する励振器と振動検出センサと、前記振動チューブに取付けられ前記マグネットの振動に基づき発生するアンバランスを防止するバランサーと、配置場所と質量とが前記中点を中心に点対称な関係になるように配置され且つ重心位置は前記中点上にあるようにされた前記マグネットと前記バランサーとを具備したことを特徴とするコリオリ質量流量計。
【0046】
本発明の請求項2のコリオリ質量流量計においては、
全長Lに対する、基準軸からの最大湾曲部の距離Wは、ほぼ ±0.01≦W/L≦±0.1なる関係を有する振動チューブを具備したことを特徴とする請求項1記載のコリオリ質量流量計。
【0047】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例の要部構成説明図、図は図の側面図、図は図のk−k断面図、図は図のl−l断面図である。
本実施例において、41,42は励振器、43,44は振動検出センサである。
【0048】
励振器41,42は、この場合は、図に示す如く、マグネット411,421とコイル412,422から構成されており、振動チューブ20にマグネット411,421が固定され、対向する位置にコイル412,422がハウジング6等の振動しない不動の場所に固定されている。
【0049】
振動検出センサ43,44は、この場合は、図に示す如く、マグネット431,441とコイル432,442から構成されており、振動チューブ20にマグネット431,441が固定され、対向する位置にコイル432,442がハウジング6等の振動しない不動の場所に固定されている。
【0050】
なお、実際には円筒のコイル412,422,432,442の内側にマグネット411,421,431,441が配置されるが、マグネット411,421,431,441とコイル412,422,432,442を明確に示すため、分離して示す。
【0051】
45,46,47,48は、振動チューブ20に設置されているマグネット411,421,431,441と同等質量、形状のバランサーである。
バランサー45,46,47,48は、XZ平面に対してマグネット411,421,431,441と対称な位置に設置されている。
【0052】
励振器41,42のマグネット411,421に対してはバランサー45,46を、振動検出センサ43,44のマグネット431,441に対してはバランサー47,48が設置されている。
【0053】
なお、実際には、円筒状のコイル412,422,432,442の内側にマグネット411,421,431,441を配置して用いられるが、図,図では、マグネット411,421,431,441とコイル412,422,432,442を明確に示すため、分離して示してある。
【0054】
本発明の構造により、振動チューブ20のみならず、励振器31,32や振動検出センサ33,34を含む振動系全体の質量分布をバランス良く配置することができる。
【0055】
振動系全体の重心位置を、上流側固定点と下流側固定点の中点25の位置に配置することができ、さらに、この中点25を中心に点対称な質量分布を実現することができる。
【0056】
このような構造を持つことにより、従来例よりも更に完璧に、振動系全体の重心位置を不動にし、対称な質量バランスを実現し、その結果、外界への振動絶縁性を増すことが可能になる。
【0057】
振動絶縁性を向上させることで、以下のメリットがある。
1)流量計外部から、配管振動や、配管応力が加わっても、流量計のハウジング6(筐体)でその影響を受け止め、内部の振動に影響を与えず、出力揺動や、ゼロ点変化等の誤差を低減できるコリオリ質量流量計が得られる。
【0058】
2)内部の振動チューブ20の振動が、外部に漏らさないことにより、
(1)Q値を高くでき、内部の振動が安定になり、余計な振動ノイズの影響を受けにくくなるコリオリ質量流量計が得られる。
(2)小さなエネルギーで励振可能になり、消費電力も削減できるコリオリ質量流量計が得られる。
【0059】
(3)Q値が高く、そもそも漏れ量が小さいので、設置方法や、配管応力、温度等の環境変化があっても、振動の漏れ量があまり変化しない。
よって、これら外的要因に対し、零点やスパンが安定なコリオリ質量流量計が得られる。
【0060】
加えるに、
3)マグネットを振動チューブ20に設置出来るので、コイルを振動チューブ20に設置した場合のように、リード線の設置場所の心配をする必要がないコリオリ質量流量計が得られる。
【0061】
4)リード線を振動する振動チューブ20に配置すると、リード線及び、リード線を固定する接着剤等の質量の問題、リード線の変形によるダンピング抵抗の増大、リード線の配置場所等、様々なデメリットが生じるが、その心配がなく、設計の自由度が増すコリオリ質量流量計が得られる。
【0062】
5)管軸14と同じXZ座標位置に励振器31,32や振動検出センサ33,34を設置できるので、小型省スペースが可能なコリオリ質量流量計が得られる。
【0063】
なお、具体的には、この場合は、振動チューブ20は、ステンレス製で、外形が14mm、厚さ1mm、全長L=500mm、基準軸14からの最大湾曲部の距離W=15mm、、励振器41,42の質量(バランサーを含む)M=21g、検出器43,44の質量(バランサーを含む)M=11gである。
【0064】
このときの、円周振動モード共振周波数は570Hz(実験値)、低次モードの共振周波数は220Hzであり、高次モードの共振周波数は1200Hzである。
【0065】
従って、本実施例では、全長Lに対する、基準軸14からの最大湾曲部の距離:W/L=15/500=0.03となる。
振動チューブ20の物性、曲がり形状や付属物の質量等により異なるが、±約0.01≦W/L≦±約0.1 がトータルバランスに優れている。
【0066】
振動チューブ20の全長Lに対する、基準軸14からの最大湾曲部の距離Wの比:W/Lは、小さすぎると、ねじれモードの共振周波数が高くなり、円周振動の共振モードが存在しなくなることもある。
【0067】
また、大きすぎると、振動チューブ20全体、流量計全体が大きくなりコストアップになる。
また、湾曲が大きいと、振動チューブ20の内部を流れる測定流体の圧力損失も大きくなる。
【0068】
本実施例での値 W/L=0.03 は、カーブが緩やかで、張り出し量が少ない直管近似な形状で、コンパクトで低圧損を実現している。
【0069】
次に、励振モードの共振周波数は、数十Hz程度だと、配管ノイズの影響を受けやすく、また、振動系全体の大きさも大きくなり、場所をとりコストアップ要因にもなり、好ましくない。
【0070】
逆に、1000Hz以上程度では、振動振幅が小さく、また信号処理の速度も間に合わなくなるので、問題がでてくる。
今回のように数百Hz程度が、耐振動ノイズ面からも、信号処理回路の都合からも、適当な値となる。
【0071】
次に、振動チューブ20は、励振振動周波数の近傍に他の不要な共振モードが存在しないことが望ましい。本具体例のように、他の共振振動モードと大きく離れていればなお望ましい。
【0072】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【0073】
【発明の効果】
本発明の請求項によれば、次のような効果がある。
本発明の構造により、振動チューブのみならず、励振器や振動検出センサを含む振動系全体の質量分布をバランス良く配置することができる。
【0074】
振動系全体の重心位置を、上流側固定点と下流側固定点の中点の位置に配置することができ、さらに、この中点を中心に点対称な質量分布を実現することができる。
【0075】
このような構造を持つことにより、従来例よりも更に完璧に、振動系全体の重心位置を不動にし、対称な質量バランスを実現し、その結果、外界への振動絶縁性を増すことが可能になる。
【0076】
振動絶縁性を向上させることで、以下のメリットがある。
1)流量計外部から、配管振動や、配管応力が加わっても、流量計のハウジング(筐体)でその影響を受け止め、内部の振動に影響を与えず、出力揺動や、ゼロ点変化等の誤差を低減できるコリオリ質量流量計が得られる。
【0077】
2)内部の振動チューブの振動が、外部に漏らさないことにより、
(1)Q値を高くでき、内部の振動が安定になり、余計な振動ノイズの影響を受けにくくなるコリオリ質量流量計が得られる。
(2)小さなエネルギーで励振可能になり、消費電力も削減できるコリオリ質量流量計が得られる。
【0078】
(3)Q値が高く、そもそも漏れ量が小さいので、設置方法や、配管応力、温度等の環境変化があっても、振動の漏れ量があまり変化しない。
よって、これら外的要因に対し、零点やスパンが安定なコリオリ質量流量計が得られる。
【0079】
加えるに、
3)マグネットを振動チューブに設置出来るので、コイルを振動チューブに設置した場合のように、リード線の設置場所の心配をする必要がないコリオリ質量流量計が得られる。
【0080】
4)リード線を振動する振動チューブに配置すると、リード線及び、リード線を固定する接着剤等の質量の問題、リード線の変形によるダンピング抵抗の増大、リード線の配置場所等、様々なデメリットが生じるが、その心配がなく、設計の自由度が増すコリオリ質量流量計が得られる。
【0081】
5)管軸と同じXZ座標位置に検出器や振動検出センサを設置できるので、小型省スペースが可能なコリオリ質量流量計が得られる。
【0082】
本発明の請求項によれば、次のような効果がある。
振動チューブの全長に対する、基準軸からの最大湾曲部の距離の比は、小さすぎると、ねじれモードの共振周波数が高くなり、円周振動の共振モードが存在しなくなることもある。
【0083】
また、大きすぎると、振動チューブ全体、流量計全体が大きくなりコストアップになる。
また、湾曲が大きいと、振動チューブの内部を流れる測定流体の圧力損失も大きくなる。
【0084】
すなわち、カーブが緩やかで、張り出し量が少ない直管近似な形状により、コンパクトで低圧損を実現出来るコリオリ質量流量計が得られる。
【0085】
従って、本発明によれば、安定性、精度、耐振性が向上されたコリオリ質量流量計を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の要部構成説明図である。
【図2】 図の側面図である。
【図3】 図のk−k断面図である。
【図4】 図のl−l断面図である。
【図5】 従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図である。
【図6】 従来より一般に使用されている他の従来例の要部構成説明図である。
【図7】 図のb−b断面図である。
【図8】 図のa−a,c−c断面図である。
【図9】 図の動作説明図である。
【図10】 先願に係わる出願の実施例の要部構成説明図である。
【図11】 図10の側面図である。
【図12】 図11のd−d断面図である。
【図13】 図11のe−e断面図である。
【図14】 図10の動作説明図である。
【図15】 図10の動作説明図である。
【図16】 図10の動作説明図である。
【図17】 図10の動作説明図である。
【符号の説明】
1 振動チューブ
2 フランジ
3 励振器
4 振動検出センサ
5 振動検出センサ
6 ハウジング
11 振動チューブ
12 上流側固定端
13 下流側固定端
14 基準軸
15 励振器
16 振動検出センサ
17 振動検出センサ
20 振動チューブ
21 励振器
211 マグネット
212 コイル
22 励振器
221 マグネット
222 コイル
23 振動検出センサ
231 マグネット
232 コイル
24 振動検出センサ
241 マグネット
242 コイル
25 中点
41 励振器
411 マグネット
412 コイル
42 励振器
421 マグネット
422 コイル
43 振動検出センサ
431 マグネット
432 コイル
44 振動検出センサ
441 マグネット
442 コイル
45 バランサー
46 バランサー
47 バランサー
48 バランサー

Claims (2)

  1. 内部に測定流体が流れる振動チューブと、
    この振動チューブを励振する励振器と、
    前記測定流体の流れと前記振動チューブの角振動によって生じるコリオリ力による振動チューブの変形振動を検出する振動検出センサと
    を具備するコリオリ質量流量計において、
    上流側固定端と下流側固定端の中点を中心に点対称で3個の変曲点を有する曲線形状で前記点対称の曲線形状を保持したまま前記上流側固定端と下流側固定端とを結ぶ直線を基準軸としてこの基準軸の各点からそれぞれ所定距離の円周線上で単振動をする振動チューブと、
    上流側固定端と下流側固定端の中点を中心に点対称で3個の変曲点を有する曲線形状で前記点対称の曲線形状を保持したまま前記上流側固定端と下流側固定端とを結ぶ直線を基準軸としてこの基準軸の各点からそれぞれ所定距離の円周線上で単振動をする振動チューブと、
    前記振動チューブに取付けられたマグネットとこのマグネットに対向して設けられたコイルとをそれぞれ有する励振器と振動検出センサと、
    前記振動チューブに取付けられ前記マグネットの振動に基づき発生するアンバランスを防止するバランサーと、
    配置場所と質量とが前記中点を中心に点対称な関係になるように配置され且つ重心位置は前記中点上にあるようにされた前記マグネットと前記バランサーと
    を具備したことを特徴とするコリオリ質量流量計。
  2. 全長Lに対する、基準軸からの最大湾曲部の距離Wは、ほぼ ±0.01≦W/L≦±0.1なる関係を有する振動チューブ
    を具備したことを特徴とする請求項1記載のコリオリ質量流量計。
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