JP3999101B2 - 記録媒体再生装置及び方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、記録媒体を再生する再生装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のカラオケ再生装置においては、記録媒体の演奏によって得られたカラオケ演奏音に対応して照明装置、背景映像装置等の外部機器をリアルタイム制御することが行なわれている。この場合、記録媒体には演奏音と共にリアルタイムデータが記録されている。演奏時には演奏音と共にリアルタイムデータが記録媒体から読み出され、読み出されたリアルタイムデータに応じて例えば、照明装置の場合、照明の色や照度が変化し、背景映像装置の場合、ディスプレイに表示される演奏曲の歌詞映像の背景映像が演奏曲の内容に応じたものとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の再生装置においては、記録媒体からの演奏音の再生に従って映像装置等の外部機器に対する適切なリアルタイム制御が望まれていた。
そこで、本発明の目的は、例えば、外部機器を適切にリアルタイム制御することができる記録媒体再生装置及び方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の再生装置は、非リアルタイムファイルエリアとリアルタイムファイルエリアとからなる情報エリアを有し、前記非リアルタイムファイルエリアには、前記記録媒体全体に関する情報と前記複数のリアルタイムファイルの各々の前記記録媒体内における位置を示すアクセス情報とが記録され、前記リアルタイムファイルエリアは複数のリアルタイムファイルを含み、前記複数のリアルタイムファイル各々は、その先頭部分に当該ファイルに対応する外部機器を設定する制御情報を記録する制御情報エリアと、音声データ及びリアルタイムデータの時分割多重記録エリアとからなる記録媒体を再生する再生装置であって、前記記録媒体から情報を読み取る読取手段と、前記読取手段による読取情報から前記非リアルタイムファイルエリア内の前記アクセス情報と、前記リアルタイムファイルの先頭部分内の制御情報とを抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記アクセス情報に基づき前記読取手段による読取情報から前記音声データ及び前記リアルタイムデータを再生し、前記抽出手段によって抽出された制御情報に基づき外部機器を制御する再生手段と、を備えたことを特徴としている。
【0005】
本発明の再生方法は、非リアルタイムファイルエリアとリアルタイムファイルエリアとからなる情報エリアを有し、前記非リアルタイムファイルエリアには、前記記録媒体全体に関する情報と前記複数のリアルタイムファイル各々の前記記録媒体内における位置を示すアクセス情報とが記録され、前記リアルタイムファイルエリアは複数のリアルタイムファイルを含み、前記複数のリアルタイムファイル各々は、その先頭部分に当該ファイルに対応する外部機器を設定する制御情報を記録する制御情報エリアと、音声データ及びリアルタイムデータの時分割多重記録エリアとからなる記録媒体を再生する再生方法であって、前記記録媒体から情報を読み取る読取行程と、前記読取行程の読取情報から前記非リアルタイムファイルエリア内の前記アクセス情報と、前記リアルタイムファイルの先頭部分内の制御情報とを抽出する抽出行程と、前記抽出行程にて抽出された前記アクセス情報に基づき前記読取行程の読取情報から前記音声データ及び前記リアルタイムデータを再生し、前記抽出行程にて抽出された制御情報に基づき外部機器を制御する再生行程と、を備えたことを特徴としている。
【0006】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に示したカラオケ再生装置においては、オートチェンジャー1にはディスク収納部2、ディスク搬送部3及びプレーヤ部4が設けられている。ディスク収納部2には複数のディスク5が収納され、ディスク演奏の際にはその複数のディスク5のうちの1つのディスクが搬送部3によってプレーヤ部4のターンテーブル(図示せず)上に搬送され、演奏が終了するとターンテーブル上のディスクが搬送部3によってディスク収納部2の所定の位置まで戻される。プレーヤ部4はターンテーブル上のディスクを演奏して読取データを出力する。ディスク搬送部3及びプレーヤ部4は後述するシステムコントローラ7からの指令に応じて動作する。
【0007】
プレーヤ部4のデータ出力にはデータ分離回路6が接続されている。データ分離回路6はプレーヤ部4から出力されたデータを圧縮画像データ、圧縮音声データ、リアルタイムデータ、制御データ、情報データ等の各種データに分離して個別の出力端から出力する。データ分離回路6には上記したシステムコントローラ7の他にオーディオデコーダ8及びビデオデコーダ9が接続されている。また、データ分離回路6には外部機器を接続するための端子が設けられている。本装置においては外部機器としては照明装置25、ビデオカメラと記録媒体演奏装置とを含む背景映像装置26及びDSP(Digital Signal Processor)からなる音声処理装置27が設けられ、これらはカラオケ演出用の装置である。照明装置25はいわゆるカラオケルーム内の照明を制御するものである。背景映像装置26はディスプレイ22に表示される歌詞等の文字情報の背景映像として例えば、ビデオカメラを用いた歌唱者等の撮影映像の他、記録媒体演奏装置の演奏動作により曲のイメージ、曲のシチュエーション、曲の場所又は曲の季節に応じた映像を映し出すためのものであり、背景映像を示す背景映像信号を発生する。音声処理装置27はカラオケ音又は歌唱音によるカラオケルーム内の音場を制御するための装置であり、後述するように音声再生系に配設されている。
【0008】
このデータ分離回路6と照明装置25、背景映像装置26及び音声処理装置27との間にはリアルタイムデータをデータ変換する機能を有する外部機器制御インターフェース30〜32が設けられている。インターフェース30〜32は例えば、マイクロコンピュータから構成され、更に変換テーブルが一部に予め書き込まれた内部メモリ(図示せず)を有している。この変換テーブルは接続される外部機器に応じて異なるものである。
【0009】
オーディオデコーダ8は分離された圧縮音声データをデコードしてPCMディジタルデータ等の非圧縮の音声データとして復元する。圧縮音声データには複数チャンネルの音声データが圧縮されているので、システムコントローラ7からの信号に応じて指定されたチャンネルの音声データが復元される。オーディオデコーダ8から出力された音声データはD/A変換器11に供給されてアナログ音声信号に変換され、そのアナログ音声信号は上記の音声処理装置27、そしてアンプ18を介してスピーカ19に供給されるようになっている。音声処理装置27には別に歌唱用のマイクロホン28の出力信号がアンプ29を介して供給される。
【0010】
ビデオデコーダ9は分離された圧縮画像データをデコードして非圧縮の画像データとして復元する。ビデオデコーダ9から出力された画像データはD/A変換器12に供給されてアナログ動画映像信号に変換されるようになっている。この動画映像信号はこのままスルー出力となる他、画像合成器21に供給される。システムコントローラ7はマイクロコンピュータからなり、分離された情報データを受け入れる。情報データはRAM(ランダムアクセスメモリ)13に記憶され、またRAM13から選択的に読み出される。読み出された情報データはシステムコントローラ7内で処理されたり、表示文字制御回路20に供給される。表示文字制御回路20はキャラクタジェネレータ及びV−RAMを有し、情報データに応じた表示文字データを生成しそれをV−RAMに書き込み、上記の動画映像信号の同期信号に同期してV−RAMから表示文字データを読み出しそれを文字映像信号に変換して画像合成器21に出力する。その文字映像信号は画像合成器21においてD/A変換器12からの動画映像信号又は背景映像装置26からの背景映像信号に合成される。
【0011】
システムコントローラ7には操作部15、録音装置16及びプリンタ17が接続されている。操作部15は演奏曲を指定するためのキーボードを有する他、リモコン送信器23からの演奏曲指定を受け入れる受信部(図示せず)を有している。録音装置16はカラオケの演奏音及び歌唱音をCD−R等の録音可能なコンパクトディスク(図示せず)に録音するためのものである。演奏音及び歌唱音を示す音声信号はアンプ18から録音装置16に供給される。プリンタ17はコンパクトディスクに貼付するようにされたラベルに曲名等の録音曲情報を印刷するためのものである。
【0012】
次に、プレーヤ部4で演奏されるディスク5の記録内容について説明する。ディスク5には全ての情報がディジタル信号で記録されており、図2に示すように、ディスク5各々の情報記録エリアは非リアルタイムファイルエリアとリアルタイムファイルエリアを有している。非リアルタイムファイルエリアにTOC等のアクセス情報ファイルと曲名等のカラオケ情報ファイルとが記録されている。リアルタイムファイルエリアにはN(Nは整数で曲数に相当する)個のリアルタイムファイルが例えば、MPEG(Moving Picture Expert Group )規格で記録されている。リアルタイムファイル各々はチャプターという単位で呼ばれ、1チャプターが1曲に相当する。1チャプターのリアルタイムファイルは1つの曲の圧縮画像データ及び圧縮音声データと、外部機器制御のためのリアルタイムデータとからなり、これらのデータがファイル内で時分割多重記録されている。リアルタイムデータは曲の盛り上がり程度を16段階で示し、かつその開始時間と長さを時間単位(例えば、フレーム単位)で示している。
【0013】
アクセス情報ファイルは、各チャプターのディスク内における位置や時間的長さを示す情報等からなり、この情報を参照することにより任意のチャプターにアクセス可能となる。カラオケ情報ファイルはディスク及び曲に関する種々の情報からなり、その構造を図3に示す。カラオケ情報ファイルはディスク関連情報と1つ以上のチャプター情報とからなる。1つのチャプター情報は1つのチャプターすなわち曲の関連情報を表し、チャプター情報数は曲数と一致する。ディスク関連情報はそのディスク全体に関する情報であり、例えば、ディスク内容、ディスク自身の識別、そのディスクに記録された曲数等の情報である。
【0014】
各チャプター情報はチャプター情報ヘッダ、チャプター内共通情報、テロップチャンネル別情報、言語別情報を含み、チャプター情報ヘッダはチャプター情報の識別情報や内容を示す情報等からなる。チャプター内共通情報は(1)曲の国籍、(2)曲の発表年月日、(3)曲の長さ、(4)著作権コード、(5)歌手分類、(6)曲のジャンル、(7)曲の主題イメージと曲テーマ、(8)曲のシチュエーション、(9)曲の特殊ジャンル、(10)曲のテンポ、(11)曲の場所イメージ、(12)曲の難易度、(13)マルチオーディオモード、(14)背景映像情報、(15)コントロール機器情報及び(16)DSPモード情報等からなる。
【0015】
テロップチャンネル別情報は、そのチャプターに対応した文字情報(テロップ)に関する情報である。1つのチャプターに複数の文字情報系列(テロップチャンネル)を割り当てることが可能であり、例えば、1つのチャプターに選択可能な複数の異なる言語のテロップを付加することができる。テロップチャンネル別情報は(1)テロップチャンネル数、(2)テロップチャンネル番号、(3)テロップ言語及び(4)テロップの文字形態の各情報を含み、テロップチャンネル番号、テロップ言語及びテロップの文字形態の各情報がテロップチャンネル数だけ繰り返し記録される。
【0016】
言語別情報は、そのチャプターに関する情報のうち言語に依存する情報であり、(1)言語別情報数、(2)言語コード、(3)記述コード体系、(4)言語別情報サイズ、(5)曲名、(6)曲名の読み、(7)歌手名、(8)歌手名の読み、(9)作詞者名、(10)作詞者名の読み、(11)作曲者名、(12)作曲者名の読み、(13)最初のフレーズ、(14)最初のフレーズの読み及び(15)ロケ地データ等の情報からなる。(2)言語コードから(15)ロケ地データまでの情報が言語別情報数だけ繰り返し記録される。
【0017】
次に、上記したカラオケ再生装置の動作について説明する。オートチェンジャー1のディスク収納部2にディスクが新たに収納される場合には先ず、インストール動作が行なわれる。このインストール動作において、システムコントローラ7は、図4に示すように新たなディスクがディスク収納部2に収納され、それを検出すると(ステップS1)、そのディスクをプレーヤ部4のターンテーブルに装着させるべくディスク搬送部3に対しディスクセット指令を発生する(ステップS2)。ディスク搬送部3がディスクをプレーヤ部4のターンテーブルに装着させ終わると、それがシステムコントローラ7に装着終了信号として供給される。よって、システムコントローラ7は装着終了信号を得ると(ステップS3)、プレーヤ部4に対してディスクの回転駆動を指令し(ステップS4)、データの読み取りを指令する(ステップS5)。プレーヤ部4はターンテーブルと共にディスクを回転させ、その回転が所定の回転速度に達した後、ディスクの非リアルタイムファイルエリアからデータを読み取って出力する。読み取られたデータはデータ分離回路6を介してシステムコントローラ7に供給され、システムコントローラ7内のバッファメモリ(図示せず)に一旦格納される。
【0018】
システムコントローラ7は供給されたデータを外部のRAM13に順次書き込み(ステップS6)、プレーヤ部4によるデータの読み取りが終了したか否かを判別する(ステップS7)。例えば、データ供給終了を示すビットが供給されてデータの読み取りが終了したことが分かるまではステップS6の実行により供給されたデータをRAM13に書き込むことが行なわれる。データの読み取りが終了したならば、プレーヤ部4に対し動作停止指令を発生し(ステップS8)、ディスク搬送部3に対しディスクリターン指令を発生する(ステップS9)。よって、プレーヤ部4はターンテーブルの回転駆動を停止させ、その後、ディスク搬送部3はターンテーブル上のディスクをディスク収納部2のそのディスクの定められた収納位置まで搬送して収納する。システムコントローラ7はステップS9の実行後、他に新たなディスクの収納があったか否かを判別する(ステップS10)。ディスク収納部2に他の新たなディスクの収納があるならば、ステップS2に移行し、他に新たなディスクの収納がないならば、インストール動作を終了する。
【0019】
RAM13に書き込むデータとしては上記したアクセス情報ファイルとカラオケ情報ファイルの各データ全てでも良いが、全てのデータを記憶するだけ容量を有することは難しいので、少なくともディスク固有のディスク番号、そのディスクのディスク収納部2の収納位置を示すアドレス、その曲のディスク内の位置、曲名、歌手名、作詞者名、作曲者名、曲の長さ、著作権コード等の曲データだけである。
【0020】
なお、新たなディスクの収納はユーザによる操作部15からの入力により得ることができる。また、ディスク収納部2の各収納位置にディスクの有無を検出するセンサを設け、その検出結果を記憶する領域をRAM13に備えておき、インストール動作毎に全てのセンサの検出出力とRAM13の記憶内容とを比較し、新たなディスクの収納を判別すると共にRAM13にその検出結果を書き込むようにしても良い。
【0021】
更に、上記の実施例においては、曲名等の曲データを画像データ及び音声データと共に記録されたディスクのインストール時に得ているが、曲名等の曲データだけが記録された専用のディスクからディスクのインストール時に曲データを得ても良い。或いは、画像データ及び音声データが記録された複数のディスクの曲データをこれら複数のディスクのうちの1枚に記録するようにして、この1枚のディスクのインストール時にこれらの曲データを得るようにしても良い。
【0022】
上記のようにインストール動作が行われた後においてはユーザが選択した曲についてのカラオケ再生が可能となる。先ず、選曲動作においては、ユーザが選曲番号を操作部15又はリモコン送信器23の数字キー又はアルファベットキーの操作により入力することになる。選曲番号は複数桁からなり、ディスクとそのディスク中に記録された曲を指定する番号であり、キー操作されると操作部15内のバッファ(図示せず)に保持される。図5に示すようにシステムコントローラ7は所定タイミングで又は割り込み動作で操作部15の選曲キー(図示せず)が操作されたか否かを判別し(ステップS11)、選曲キーが操作されたならば、上記のバッファから選曲番号を読み込みRAM13の選曲リストテーブルに書き込む(ステップS12)。選曲リストテーブルはRAM13に形成され図6に示すように演奏順に選曲番号及び後述の録音フラグが書き込まれ、演奏が終了すると順番が繰り上がるようになっている。その読み込んだ選曲番号に対応する曲名をRAM13から情報データとして読み出し(ステップS13)、その読み出しデータを表示文字制御回路20に供給する(ステップS14)。表示文字制御回路20においては曲名を示す表示文字データが生成されてV−RAMの所定の位置に書き込まれる。V−RAMから表示文字データが読み出されて文字映像信号に変換された後、画像合成器21に出力される。その文字映像信号は画像合成器21において所定の色を示す信号のときD/A変換器12からの動画映像信号に代わって出力されることにより動画映像信号に合成される。よって、ディスプレイ22には曲名が文字映像として表示されてキー操作された選曲の受付が行われたことが確認されるのである。
【0023】
システムコントローラ7はステップS14の実行後、読み込んだ選曲番号に対応する著作権コードをRAM13から読み出す(ステップS15)。RAM13にはインストール動作時にディスクから読み取って書き込まれたデータ中に著作権コードがあるので、それを読み出すのである。著作権コードは曲の著作権者を示すコードである。選択曲が読み出した著作権コードに基づいて録音可能な曲であるか否かを判別する(ステップS16)。システムコントローラ7の外部に設けられたROM(リードオンリメモリ)14には図7に示すように著作権コード、著作権者及び録音可否が録音可否データテーブルとして予め書き込まれている。録音可否については“1”が録音可能で、“0”が録音不可である。よって、録音可否データテーブルから選択曲が録音可能な曲であるか否かが判別される。録音可能ならば録音可能表示をし(ステップS17)、録音不可ならば録音不可表示をする(ステップS18)。これら表示はディスプレイ22にしても良いし、装置に設けられた録音可否のための表示器(図示せず)にしても良い。ディスプレイ22に表示する場合にはシステムコントローラ7からの指令に応じて表示文字制御回路20においては録音可能又は録音不可を示す表示文字データが生成されてV−RAMに書き込まれる。
【0024】
システムコントローラ7は録音可能のためステップS17を実行した後においては、録音予約があるか否かを判別する(ステップS19)。これは操作部15又はリモコン送信器23の録音予約キーの操作があったか否かによって判別される。録音予約があった場合には上記の選曲リストテーブルの録音フラグをセットする(ステップS20)。選曲リストテーブルには非録音を示す“0”が録音フラグの初期値として予め書き込まれているので、録音予約キーの操作があった場合には選曲番号に対応させて録音フラグを録音を示す“1”にするのである。
【0025】
次に、ディスク演奏動作について説明する。システムコントローラ7は図8〜図10に示すように、先ず操作部15のキー操作により演奏の開始が指令されると(ステップS21)、RAM13に形成された選曲リストテーブルの演奏順の1番目から選曲番号及び録音フラグを読み出す(ステップS22)。読み出した選曲番号に対応するディスクアドレス及び曲番をRAM13から読み出し(ステップS23)、読み出したディスクアドレスのディスクをプレーヤ部4のターンテーブルに装着させるべくディスク搬送部3に対しディスクセット指令を発生する(ステップS24)。ディスク搬送部3がディスクをプレーヤ部4のターンテーブルに装着させ終わると、それがシステムコントローラ7に装着終了信号として供給される。よって、システムコントローラ7は装着終了信号を得ると(ステップS25)、プレーヤ部4に対してディスクの回転駆動を指令し(ステップS26)、ディスク演奏を開始して良いか否かを判別する(ステップS27)。例えば、操作部15のキー操作により演奏が禁止されている場合にはディスク演奏は開始されない。ディスク演奏を開始して良い場合には、データの読み取りを指令する(ステップS28)。プレーヤ部4はディスクの非リアルタイムファイルエリアからデータを読み取って出力する。読み取られたデータはデータ分離回路6を介してシステムコントローラ7に供給され、システムコントローラ7内のバッファメモリ(図示せず)に一旦格納される。システムコントローラ7は供給されたデータからチャプター内共通情報のうちの読み出した曲番に関する上記の(14)背景映像情報、(15)コントロール機器情報及び(16)DSPモード情報を外部のRAM13に順次書き込み(ステップS29)、プレーヤ部4によるデータの読み取りが終了したか否かを判別する(ステップS30)。
【0026】
データの読み取りが終了したことが分かるまではステップS29の実行により供給されたデータをRAM13に書き込むことが行なわれる。データの読み取りが終了したならば、RAM13からコントロール機器情報を読み出し(ステップS31)、各外部機器に供給する(ステップS32)。コントロール機器情報は図11に示すように1ビットが1外部機器に対応し、ビットの値が“1”のときそのビットに対応する外部機器が制御可能であることを示す。本装置においては外部機器として照明装置25、背景映像装置26及び音声処理装置27が設けられているので、これら外部機器に対応する1ビットデータが供給される。よって、供給された1ビットデータが“1”のときにはその外部機器はリアルタイムデータに応じて制御可能なセット状態となる。
【0027】
システムコントローラ7はステップS32の実行後、RAM13から背景映像情報及びDSPモード情報を読み出し(ステップS33)、背景映像情報を背景映像装置26に、またDSPモード情報を音声処理装置27に供給する(ステップS34)。背景映像装置26においては、供給された背景映像情報に応じて動作状態が設定される。すなわち、歌唱者等の撮影映像、又は曲のイメージ、曲のシチュエーション、曲の場所、曲の季節等の映像のうちのいずれの背景映像を示す背景映像信号を出力すべきか設定される。音声処理装置27においては、DSPモード情報に応じてDSPの処理プログラム及び音場制御のための残響時間や乗算係数等のデータが設定される。このデータは例えば、選択曲に適した値にセットされる。
【0028】
かかる動作により、外部機器25〜27はリアルタイムデータに応じて動作可能な状態となるので、システムコントローラ7は次に、読み出した曲番のトラックからのディスク演奏を指令する(ステップS35)。よって、プレーヤ部4が選曲番号で指定された曲の演奏を開始する。また、録音予約されているか否かを読み出した録音フラグから判別する(ステップS36)。録音フラグが“1”にセットされている場合には録音開始指令を録音装置16に対し発生する(ステップS37)。録音装置16にはアンプ18から歌唱音を含む音声信号が供給されるので、録音開始指令に応じてコンパクトディスクへの録音が行なわれる。
【0029】
システムコントローラ7はステップS37の実行後、ステップS22で読み出した選曲番号に対応する録音曲情報をRAM13から読み出す(ステップS38)。録音曲情報とは少なくも曲名、作詞者名及び作曲者名であり、歌唱者、録音日時及び場所等の情報を加えても良い。これらの録音曲情報を読み出した後、プリンタ17に出力する(ステップS39)。プリンタ17はコンパクトディスクに貼付するようにされたラベルに録音曲情報を印刷する。これにより、録音されたコンパクトディスクのラベル面にそのラベルを貼付して置けば、録音された曲についての記録となる。
【0030】
なお、実際にはプレーヤ部4の動作遅れによりステップS39の実行後、指定された曲の演奏音は出力される。しかしながら、ステップS36〜S39の動作を先に行った後、読み出した曲番のトラックからのディスク演奏を指令しても良いことは勿論である。ディスク演奏においては、プレーヤ部4から出力されたデータがデータ分離回路6で分離され、圧縮画像データ及び圧縮音声データから再生された映像信号及び音声信号がディスプレイ22及びスピーカ19に出力される。また、データ分離回路6において分離されたリアルタイムデータは外部機器制御インターフェース30〜32に供給される。インターフェース30〜32各々は次のように同一の動作を繰り返し行なう。
【0031】
図12に示すように先ず、所定の単位のリアルタイムデータが受信されたか否かを判別する(ステップS51)。所定の単位のリアルタイムデータが受信されたならば、それを内部メモリに書き込み(ステップS52)、そのリアルタイムデータを上記した変換テーブルを用いてデータ変換する(ステップS53)。そして、変換したリアルタイムデータを外部機器に出力する(ステップS54)。すなわち、インターフェース30の場合には照明装置25に出力し、インターフェース31の場合には背景映像装置26に出力し、またインターフェース32の場合には音声処理装置27に出力する。インターフェース30〜32内の変換テーブルが互いに異なるので、外部機器25〜27に対し出力されるリアルタイムデータ各々は互いに異なった内容となる。
【0032】
照明装置25はステップS32の動作時にコントロール機器情報のうちの供給された1ビットデータが“1”の場合には既にリアルタイムデータに応じて制御可能なセット状態となっているので、インターフェース30から供給されたリアルタイムデータに応じて照明の照度や色彩が変化することになる。背景映像装置26はステップS32の動作時にコントロール機器情報のうちの供給された1ビットデータが“1”の場合にはステップS34の動作により背景映像情報に応じて動作状態が設定されているので、インターフェース31から供給されたリアルタイムデータに応じて背景映像の内容やその色彩が変化する。また、音声処理装置27もステップS32の動作時にコントロール機器情報のうちの供給された1ビットデータが“1”の場合にはステップS34の動作によりDSPモード情報に応じて音場制御状態が設定されているので、インターフェース32から供給されたリアルタイムデータに応じて更に例えば、歌唱音の音程や音量が変化する。
【0033】
なお、コントロール機器情報のうちの供給された1ビットデータが“0”の場合には照明装置25、背景映像装置26及び音声処理装置27はそれ独自のプログラムに従って動作する。この場合には照明装置25等は再生されたカラオケ演奏音に応じて動作しても良い。システムコントローラ7はステップS39の実行後、選択曲の演奏が終了したか否かを判別する(ステップS40)。これはディスク演奏によってデータ分離回路6から供給される制御データ中のタイム情報から判別される。選択曲の演奏が終了したならば、プレーヤ部4に対し演奏停止指令を発生し(ステップS41)、ディスク搬送部3に対しディスクリターン指令を発生する(ステップS42)。よって、プレーヤ部4はディスク演奏動作を停止し、ディスク搬送部3はターンテーブルの回転が停止した後、ターンテーブル上のディスクをディスク収納部2のそのディスクの定められた収納位置まで搬送して収納する。システムコントローラ7はディスクリターン指令の発生後、選曲リストテーブルの曲順を1曲分繰り上げ(ステップS43)、選曲リストテーブルの1番目に選曲番号が記録されているか否かを判別する(ステップS44)。選曲番号が記録されているならば、ステップS22に戻り上記動作を繰り返す。一方、選曲番号が記録されていないならば、演奏動作を終了する。
【0034】
なお、上記した実施例においては、ステップS28のデータの読み取り指令に応じてプレーヤ部4はディスクの非リアルタイムファイルエリアからデータを読み取って出力するが、これに限らない。例えば、図13に示すように各リアルタイムファイルエリアの各チャプター単位のファイルの先頭部分に制御情報エリアを設けているので、ここにそのチャプターの曲だけのチャプター内共通情報を記録して置いて、制御情報エリアから背景映像情報、コントロール機器情報及びDSPモード情報を読み出しても良い。
【0035】
また、上記した実施例においては、外部機器制御インターフェース30〜32はリアルタイムデータを変換テーブルに従って単にデータ変換するだけであるが、非リアルタイムファイルエリア又は上記のリアルタイムファイルエリアの制御情報エリアから読み取ったチャプター内共通情報のうちの曲のジャンル、テンポ、季節、曲のテーマ、シチュエーション、地域等の情報をシステムコントローラ7が外部機器制御インターフェース30〜32に供給し、外部機器制御インターフェース30〜32はリアルタイムデータを変換テーブルとシステムコントローラ7からの情報とによって変換しても良い。
【0036】
選択曲について、例えば、曲のジャンルが演歌、テンポがスロー、季節が冬、曲のテーマが恋愛、シチュエーションが居酒屋、地域が東北であるとすると、外部機器制御インターフェース30では先ず、照明装置25のミラーボール(図示せず)の回転をゆっくりにし、照明を全体的に暗くし、背景エフェクトマシンを雪に設定するように制御し、その後、曲が始まるとその設定に従って照明装置25が動作するが、曲の盛り上がる部分になるとリアルタイムデータに従って照明を明るくし、ミラーボールの回転を速くするように制御する。
【0037】
また、本発明においては、複数の曲のカラオケ演奏音が少なくとも記録された記録媒体はディスクに限らず、テープ等の他の記録媒体でも良いことは明らかである。更に、本発明はMPEG等によって画像圧縮された情報が記録された媒体を再生する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、外部機器を制御するための制御情報が付加し得る媒体であれば同様の効果を奏することができる。
【0038】
以上の如く、本発明によれば、例えば、演奏音の再生に従って変化する画像データ及びリアルタイムデータに応じて映像装置等の外部機器に対して適切なリアルタイム制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すブロック図である。
【図2】ディスクの情報エリアの構成を示す図である。
【図3】カラオケ情報ファイルの構成を示す図である。
【図4】インストール動作を示すフロー図である。
【図5】選曲動作を示すフロー図である。
【図6】選曲リストテーブルを示す図である。
【図7】録音可否データテーブルを示す図である。
【図8】ディスク演奏動作を示すフロー図である。
【図9】図8のディスク演奏動作の続き部分を示すフロー図である。
【図10】図9のディスク演奏動作の続き部分を示すフロー図である。
【図11】コントロール機器情報の一例を示す図である。
【図12】外部機器制御インターフェースの動作を示すフロー図である。
【図13】リアルタイムファイルエリアの各チャプター単位のファイル構成を示す図である。
【主要部分の符号の説明】
1 オートチェンジャー
2 ディスク収納部
3 ディスク搬送部
4 プレーヤ部
5 ディスク
7 システムコントローラ
16 録音装置
17 プリンタ
22 ディスプレイ
23 リモコン送信器
25 照明装置
26 背景映像装置
27 音声処理装置
30〜32 外部機器制御インターフェース
Claims (8)
- 非リアルタイムファイルエリアとリアルタイムファイルエリアとからなる情報エリアを有し、
前記非リアルタイムファイルエリアには、前記記録媒体全体に関する情報と前記複数のリアルタイムファイルの各々の前記記録媒体内における位置を示すアクセス情報とが記録され、
前記リアルタイムファイルエリアは複数のリアルタイムファイルを含み、前記複数のリアルタイムファイル各々は、その先頭部分に当該ファイルに対応する外部機器を設定する制御情報を記録する制御情報エリアと、音声データ及びリアルタイムデータの時分割多重記録エリアとからなる記録媒体を再生する再生装置であって、
前記記録媒体から情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段による読取情報から前記非リアルタイムファイルエリア内の前記アクセス情報と、前記リアルタイムファイルの先頭部分内の制御情報とを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記アクセス情報に基づき前記読取手段による読取情報から前記音声データ及び前記リアルタイムデータを再生し、前記抽出手段によって抽出された制御情報に基づき外部機器を制御する再生手段と、を備えたことを特徴とする再生装置。 - 前記複数のリアルタイムファイル各々は、1リアルタイムコンテンツに対応することを特徴とする請求項1記載の再生装置。
- 前記非リアルタイムファイルエリアには、更に、文字情報が記録されていることを特徴とする請求項1又は2記載の再生装置。
- 前記複数のリアルタイムファイル各々の時分割多重記録エリアには前記音声データ及び前記リアルタイムデータの他に画像データが備えられ、
前記再生手段は、前記抽出手段によって抽出された前記アクセス情報に基づいて、前記読取手段による読取情報から前記音声データと前記リアルタイムデータと共に前記画像データを各々再生することを特徴とする請求項1記載の再生装置。 - 非リアルタイムファイルエリアとリアルタイムファイルエリアとからなる情報エリアを有し、
前記非リアルタイムファイルエリアには、前記記録媒体全体に関する情報と前記複数のリアルタイムファイル各々の前記記録媒体内における位置を示すアクセス情報とが記録され、
前記リアルタイムファイルエリアは複数のリアルタイムファイルを含み、前記複数のリアルタイムファイル各々は、その先頭部分に当該ファイルに対応する外部機器を設定する制御情報を記録する制御情報エリアと、音声データ及びリアルタイムデータの時分割多重記録エリアとからなる記録媒体を再生する再生方法であって、
前記記録媒体から情報を読み取る読取行程と、
前記読取行程の読取情報から前記非リアルタイムファイルエリア内の前記アクセス情報と、前記リアルタイムファイルの先頭部分内の制御情報とを抽出する抽出行程と、
前記抽出行程にて抽出された前記アクセス情報に基づき前記読取行程の読取情報から前記音声データ及び前記リアルタイムデータを再生し、前記抽出行程にて抽出された制御情報に基づき外部機器を制御する再生行程と、を備えたことを特徴とする再生方法。 - 前記複数のリアルタイムファイル各々は、1リアルタイムコンテンツに対応することを特徴とする請求項5記載の再生方法。
- 前記非リアルタイムファイルエリアには、更に、文字情報が記録されていることを特徴とする請求項5又は6記載の再生方法。
- 前記複数のリアルタイムファイル各々の時分割多重記録エリアには前記音声データ及び前記リアルタイムデータの他に画像データが備えられ、
前記再生行程は、前記抽出行程にて抽出された前記アクセス情報に基づいて、前記読取手段による読取情報から前記音声データと前記リアルタイムデータと共に前記画像データを各々再生することを特徴とする請求項5記載の再生方法。
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