JP3998321B2 - 画像処理方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理方法および装置、とくに詳細には、カラー画像を読み取ることにより得られたカラー画像信号に対して所定の画像処理を施す画像処理方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
写真フィルム等のカラー画像をCCD等のセンサにより光電的に読み取って色の三原色である赤(R)、緑(G)および青(B)毎の画像信号を得、この画像信号に対して種々の画像処理を施して、画像処理後の画像信号を記録材料に可視像として再生することが行われている。この方法において、RGB3色の画像信号を得る前にまずカラー画像を粗めの走査間隔で光電的に読み取ってカラー画像の概略を読み取るプレスキャンを行い、このプレスキャンにより得られたデータに基づいて画像処理を行う際の様々なパラメータを設定し、その後細かい走査間隔で読み取るファインスキャンを行って画像信号を得るように構成されたシステムが知られている。
【0003】
このようなシステムで行われる画像処理として、例えば、与えられた画像を表す画像信号に対して画像処理を施して画像の鮮鋭度を強調させる方法が種々提案されている。例えば、画像信号に対してボケマスク処理を施して画像の鮮鋭度を強調するようにした手法が知られている(画像解析ハンドブック、P.549、東京大学出版会、高木幹雄、下田陽久 監修)。
しかしながら、上記ボケマスク処理は鮮鋭度を強調することはできるものの、鮮鋭度の強調と同時にフィルムの粒状に起因するざらつきをも強調してしまうため、結果としてノイズが低減された良好な再生画像を得ることができない。
【0004】
このため、画像の平坦部で目立つ粒状などの画像のノイズを抑制して、画像の鮮鋭度を強調する、例えば画像のエッジ部やテクスチャ部等のみのシャープネスを強調する画像処理方法が種々提案されている。
例えば、米国特許第4812903号公報には、RGB3色の画像信号を輝度信号と色彩信号とに分解し、輝度信号の低周波数成分に対して非線形処理を施すとともに、高周波数成分を強調する処理を施し、処理後の輝度信号と色彩信号とを合成して、再生画像の粒状を抑制して鮮鋭度を強調するようにした処理方法が提案されている。
【0005】
また、特開昭63−26783号公報には、カラー画像を表す画像信号から輝度信号と他の色彩信号(色相、彩度等)とを抽出し、輝度信号に空間フィルタ処理を施すことにより空間的大局情報と空間的詳細情報を算出するとともに、空間的大局情報と空間的詳細情報に対して所定の強調処理を施し、処理後の大局情報と詳細情報とを合成して新たな輝度信号を求め、この新たな輝度信号と色彩信号とを合成して所定のカラー画像信号に変換するようにし、色調の変化等の少ない自然な鮮鋭度強調処理が施されかつ、粒状が抑制された処理画像を得ることができる画像処理方法が提案されている。
しかしながら、これらの公報に開示された画像処理方法においては、色の高周波数成分を強調しないため、ボケマスク処理と比較すればフィルム粒状のざらつき感は抑えることができるが、フィルム粒状に起因する輝度成分のざらつきは依然として残るという問題がある。
【0006】
さらに、特表平3−502975号公報には、ボケマスク処理を行う際の下記式(1)において、鮮鋭度強調係数Kを画像の特徴部分に応じて変化させることにより、より画像の鮮鋭度を強調させる方法が提案されている。
S´=Sorg +K´(Sorg −Sus) ……(1)
ここで、Sorg は原画像信号、Susはボケマスク信号である。
この方法は、画像のフィルム粒状に起因する雑音が多い平坦部、テクスチャおよびエッジ部分についての出現数に対してプロットした局所分散値を求め、係数Kをこの局所分散値の関数として設定する方法である。すなわち、通常の画像においては、平坦部の局所分散値は小さく、テクスチャおよびエッジ部分の局所分散値は順次大きいものとなるため、平坦部の画像信号の係数Kはその局所分散値に基づいて求め、テクスチャおよびエッジ部分の画像信号の係数Kはそれらの局所分散値に基づいて求めるようにする方法である。従って、平坦部については係数Kを小さくし、テクスチャおよびエッジ部分については係数Kを大きくして雑音を抑制し、鮮鋭度を強調した画像を得るようにしたものである。
【0007】
しかしながら、この方法においては、フィルム粒状を抑制して鮮鋭度を強調することができるものの、画像信号の振幅が小さいテクスチャやエッジ等は、局所分散を求めると平坦部の局所分散と分離しにくく、本来鮮鋭度よく観察されなければならないテクスチャやエッジが平坦部の雑音と同様に抑制されてしまうことがあるという問題がある。
【0008】
このため、本出願人の出願に係る特開平9−22460号公報には、カラー原画像信号を低周波数成分、中間周波数成分および高周波数成分に分解し、高周波数成分を強調し、中間周波数成分を抑制する強調抑制処理を行った後に、処理後の高周波数成分および中間周波数成分、ならびに低周波数成分を合成する、好ましくは、分解後、さらに中間周波数成分および高周波成分から輝度成分を抽出して、輝度成分のみに基づいて強調抑制処理および合成処理を行う画像処理方法および装置が開示されている。この粒状抑制シャープネス強調処理は、フィルム粒状に起因するざらつきを含む中間周波数成分を抑制し、エッジ、テクスチャ等を含む高周波数成分を強調するものであるので、ざらつきが抑制され、かつ鮮鋭度が強調された画質が良好な再生画像を得ることができるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、画像のノイズには、フィルムの粒状に基づくノイズ成分を始めとして、様々な周波数成分を含んでおり、特開平9−22460号公報に開示された粒状抑制シャープネス強調処理においても、ノイズを十分に抑制しきれない場合もあるし、高周波数成分の強調と中間周波数成分の抑制とのバランスによっては、鮮鋭度を十分に強調しきれない場合もあるし、また、鮮鋭度を強調しすぎると、エッジ部の偽輪郭が生じたりするという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、カラー画像の鮮鋭度を強調するとともに、フィルム粒状に基づくノイズ成分を除去し、さらに平坦部分の粒状性を抑えたり、エッジ部の偽輪郭を防止したり、特定濃度領域の粒状性を抑えたり、画像のエッジを検出し、エッジのみの鮮鋭度を強調したりして、良好な画質の再生画像を得ることができる画像処理方法および装置を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、一般的なカラー画像を表す原画像信号においては、再生画像の鮮鋭度に影響を及ぼす成分は原画像信号の高周波数成分であり、再生画像にざらつきとなって現れるフィルム粒状は、主に中間周波数成分に多く含まれているものであるが、画像のノイズには様々な周波数成分が含まれているため、ノイズを十分に抑制しきれない場合があるため、エッジやテクスチャなどの鮮鋭度を落とさずに、フィルム粒状に基づくノイズ成分を十分に除去することができる粒状抑制シャープネス強調処理について鋭意研究を行った結果、高周波数成分の強調と中間周波数成分の抑制とをおこなう強調抑制処理を画像特性、例えば、コントラスト、コントラストのハイライトやシャドー、画像特定濃度や輝度、エッジに依存させて行うことにより、上記目的を達成することができることを知見し、本発明に至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明は、所定のカラー画像を表す原画像信号に対して所定の画像処理を施す画像処理方法であって、前記原画像信号の輝度信号を算出し、前記原画像信号を低周波数成分、中間周波数成分、および高周波数成分に分解し、前記原画像信号の前記高周波数成分を強調するための高周波数ゲインを前記原画像信号の前記輝度信号に応じて設定するとともに、前記原画像信号の前記中間周波数成分を抑制するための中間周波数ゲインを、前記原画像信号の前記輝度信号に応じて設定し、前記高周波数成分を前記高周波数ゲインに応じて強調するとともに、前記中間周波数成分を前記中間周波数ゲインに応じて抑制する、画像特性依存強調抑制処理を行い、この処理後の高周波数成分および中間周波数成分、ならびに前記低周波数成分を合成して処理済画像信号を得ることを特徴とする画像処理方法であって、前記原画像信号の分解では、分解後の各周波数成分のうち少なくとも前記低周波成分をRGBデータとし、前記高周波数ゲインおよび前記中間周波数ゲインを設定するステップでは、前記画像処理を行う対象の各画素毎に、主走査方向に隣接する各画素間の前記輝度信号の差分と、副走査方向に隣接する各画素間の前記輝度信号の差分との和で表される検出エッジ指数を求め、各画素毎に、前記検出エッジ指数に応じた大きさの前記高周波数ゲインおよび前記中間周波数ゲインを設定するものであることを特徴とする画像処理方法を提供するものである。
【0013】
ここで、原画像信号の低周波数成分、中間周波数成分、高周波数成分とは、図3に示すように分布される周波数成分のことをいうものであり、中間周波数成分とは、処理後のデータを可視像として再生する際の出力のナイキスト周波数の1/3付近にピークを持って分布する周波数成分をいうものであり、低周波数成分とは、出力のナイキスト周波数が0となる周波数をピークとして分布する成分をいい、高周波数成分とは出力のナイキスト周波数をピークとして分布する成分をいうものであり、さらに、低・中間・高周波数成分の和が各周波数において1となっている成分をいうものである。
【0014】
なお、前記原画像信号の前記輝度信号は、前記中間・高周波数成分のRGBカラーデータを、YIQ規定変換した際のY成分を表す信号であることが好ましい。
【0015】
また、前記原画像信号を分解するに先がけて、前記原画像信号のRGBカラーデータに基づいて、前記原画像信号の前記高周波数成分を強調するための基本高周波数ゲイン、および、前記原画像信号の前記中間周波数成分を抑制するための基本中間周波数ゲインを設定するステップを有し、前記高周波数ゲインおよび前記中間周波数ゲインを設定するステップでは、前記基本高周波数ゲインおよび前記基本中間周波数ゲインを調整するための強度係数を、前記輝度信号に応じて設定し、前記基本高周波数ゲインに、前記輝度信号に応じた前記強度係数を乗じて前記高周波数ゲインを算出して設定するとともに、前記基本中間周波数ゲインに、前記輝度信号に応じた前記強度係数を乗じて前記中間周波数ゲインを算出して設定することが好ましい。
【0016】
また、前記高周波数ゲインおよび前記中間周波数ゲインを設定するステップでは、
前記輝度信号に応じて算出された検出エッジ指数に応じて、前記強度係数を定めるものであり、前記強度係数を、前記検出エッジ指数が所定値よりも大きい場合は1.0とし、前記検出エッジ指数が前記所定値よりも小さい場合は、前記検出エッジ指数の大きさに応じて0.0より1.0まで所定割合で単調増加するように設定することが好ましい。
【0017】
また、本発明は、所定のカラー画像を表す原画像信号に対して所定の画像処理を施す画像処理装置であって、前記原画像信号の輝度信号を算出する手段と、前記原画像信号を低周波数成分、中間周波数成分、および高周波数成分に分解する手段と、前記原画像信号の前記高周波数成分を強調するための高周波数ゲインを、前記原画像信号の前記輝度信号に応じて設定するとともに、前記原画像信号の前記中間周波数成分を抑制するための中間周波数ゲインを、前記原画像信号の前記輝度信号に応じて設定する手段と、前記高周波数成分を前記高周波数ゲインに応じて強調するとともに、前記中間周波数成分を前記中間周波数ゲインに応じて抑制する、画像特性依存強調抑制処理を行う手段と、この処理後の高周波数成分および中間周波数成分、ならびに前記低周波数成分を合成して処理済画像信号を得る手段と、を有することを特徴とする画像処理装置であって、前記分解する手段は、分解後の各周波数成分のうち少なくとも前記低周波成分をRGBデータとする分解を実施し、前記高周波数ゲインおよび前記中間周波数ゲインを設定する手段は、前記画像処理を行う対象の各画素毎に、主走査方向に隣接する各画素間の前記輝度信号の差分と、副走査方向に隣接する各画素間の前記輝度信号の差分との和で表される検出エッジ指数を求め、各画素毎に、前記検出エッジ指数に応じた大きさの前記高周波数ゲインおよび前記中間周波数ゲインを設定することを特徴とする画像処理装置を提供するものである。
【0018】
また、前記原画像信号の前記輝度信号は、前記中間・高周波数成分のRGBカラーデータを、YIQ規定変換した際のY成分を表す信号であることが好ましい。
【0019】
また、前記原画像信号を分解するに先がけて、前記原画像信号のRGBカラーデータに基づいて、前記原画像信号の前記高周波数成分を強調するための基本高周波数ゲイン、および、前記原画像信号の前記中間周波数成分を抑制するための基本中間周波数ゲインを設定する手段を有し、前記高周波数ゲインおよび前記中間周波数ゲインを設定する手段では、前記基本高周波数ゲインおよび前記基本中間周波数ゲインを調整するための強度係数を、前記輝度信号に応じて設定し、前記基本高周波数ゲインに、前記輝度信号に応じた前記強度係数を乗じて前記高周波数ゲインを算出して設定するとともに、前記基本中間周波数ゲインに、前記輝度信号に応じた前記強度係数を乗じて前記中間周波数ゲインを算出して設定することが好ましい。
【0020】
また、前記高周波数ゲインおよび前記中間周波数ゲインを設定する手段では、
前記輝度信号に応じて算出された検出エッジ指数に応じて、前記強度係数を定めるものであり、前記強度係数を、前記検出エッジ指数が所定値よりも大きい場合は1.0とし、前記検出エッジ指数が前記所定値よりも小さい場合は、前記検出エッジ指数の大きさに応じて0.0より1.0まで所定割合で単調増加するように設定することが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に係る画像処理方法および装置を添付の図面に示す好適実施形態を参照して以下に詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る画像処理方法を実施する画像処理装置を適用したカラー写真から画像を読み取って記録材料に画像を再生するデジタルカラー画像再生システムの一実施形態のブロック図である。
同図に示すように、デジタルカラー画像再生システム(以下、単に再生システムという)10は、カラー写真フィルムから画像を読み取る読取手段12と、読取手段12により得られたカラー写真フィルム画像CIを表す画像信号に対して、本発明の画像処理方法に基づく画像処理を含む画像処理を施す画像処理手段14と、画像処理手段14により画像処理が施された画像信号を可視像Pとして記録材料Zに記録する再生手段16とを有する。
【0023】
読取手段12は、ネガフィルムあるいはリバーサルフィルム等のカラー画像CIからカラー原画像信号R,G,Bを光電的に読み取るためのCCDアレイ18を有し、このCCDアレイ18にカラー画像CIからの光を結像させるための結像レンズ20を有するものである。本実施形態においてCCDアレイ18は2760×1840画素からなり、赤(R)、緑(G)および(B)青の3色の色分解フィルタが装置されたフィルタタレット22を回転させながら、画像データのスキャンを行うことにより、フルカラー画像が面順次で得られるものとなっている。さらにCCDアレイ18はこのCCDアレイ18により検出されたカラー画像を表す画像信号をデジタル変換するA/D変換手段24と、CCDアレイ18の補正を行うCCD補正手段26と、CCD補正手段26により補正されたカラー画像を表す画像信号を対数変換するルックアップテーブルを内蔵した対数変換手段28とを有するものである。この読取手段12は、RGB3つの画像信号を得る前にまずカラー画像CIを粗めの走査間隔で光電的に読み取ってカラー画像CIの概略を読み取るプレスキャンを行ってプレスキャンデータSP を得、その後細かい走査間隔で読み取るファインスキャンを行ってファインスキャンデータSF を得るように構成されているものである。
【0024】
画像処理手段14は、プレスキャンデータSP に基づいてファインスキャンの際の階調処理等のパラメータを設定するオートセットアップ演算部(以下、演算部という)30と、この演算部30により設定されたパラメータに基づいて、ファインスキャンデータSF の色・階調処理を行う色・階調処理手段32と、プレスキャンデータSP を可視像として再生するCRT34および演算部30を接続するためのモニタ表示アンドユーザインターフェイス36と、本発明の特徴であるカラー画像信号に対して粒状抑制処理および鮮鋭度強調処理を行う粒状抑制シャープネス強調処理手段(以下、強調処理手段という)38とからなるものである。
さらに、再生手段16はカラー画像信号を可視再生像Pとして記録材料Zに記録するプリンタ40を有するものである。
【0025】
以下に、再生システム10の各手段およびその構成要素の作用について説明する。
まず、再生システム10においては、読取手段12によりネガフィルムあるいはリバーサルフィルム等のカラー画像CIから粗めの走査間隔によりカラー画像CIの概略を読み取るプレスキャンを行う。このプレスキャンにより得られた3色のプレスキャンデータSP は、A/D変換手段24によりデジタルデータに変換され、CCD補正手段26により補正がなされて対数変換手段28により対数増幅されて画像処理手段14の演算部30およびモニタ表示アンドユーザインターフェイス(以下インターフェイスとする)36に入力される。
【0026】
次に、画像処理手段14においては、インターフェイス36に入力されたプレスキャンデータSP はCRT34に可視像として表示され、CRT34上に可視像とは別に表示された鮮鋭度処理メニュー34Aをユーザが選択することによりこの選択した結果を表す信号S1 がインターフェイス36に入力され、さらにこの信号S1 は演算部30に入力される。演算部30においては、プレスキャンデータおよび信号S1 に基づいて、後に色・階調処理手段32により行われる色・階調処理のためのパラメータが設定される。また、このパラメータの一部は、後述する、本発明の画像処理方法を実施する強調処理手段38に入力される。
【0027】
ここで、パラメータ設定の詳細について説明する。まず、演算部30においては入力されたプレスキャンデータSP に基づいてカラー画像CIの温度域およびプリントサイズが求められる。また、ここではCRT34からインターフェイス36を経由して入力された信号S1 に基づいて強調処理手段38において行われる強調抑制処理において中間周波数成分に乗じられるゲインM0 および高周波数成分に乗じられるゲインH0 などが求められ、さらに必要に応じて、これらのゲインM0 およびH0 を調整する際に依存させる画像特性の種類や強度(画像特性依存強度テーブル(LUT))なども設定される。さらに、演算部30では、色・階調処理手段32において行われる色・階調処理のためのパラメータも求められ、強調処理手段38および色・階調処理手段32に入力される。
【0028】
次いで、読取手段12においては、カラー画像CIを細かい走査間隔で読み取るファインスキャンが行われ、3色のファインスキャンデータSF がカラー画像信号として得られる。ファインスキャンデータSF はA/D変換手段24によりデジタルデータに変換され、CCD補正手段26により補正がなされて対数変換手段28により対数増幅されて、色・階調処理手段32に入力される。色・階調処理手段32においてはファインスキャンデータSF に色・階調処理が施され、強調処理手段38に入力される。
【0029】
以下、この粒状抑制シャープネス強調処理手段38において行われる本発明の特徴とする強調抑制処理について説明する。
図2は、強調処理手段38で行われる強調抑制処理の詳細を説明するためのブロック図である。
同図に示すように、強調処理手段38は、本発明の画像処理装置を構成するもので、9×9の第1ロースフィルタ(以下、LPFという)42と、第1減算手段44と、輝度算出手段46と、5×5の第2LPF48と、第2減算手段50と、画像特性取得手段(以下、取得手段という)52と、画像特性依存ゲイン算出手段(以下、ゲイン算出手段という)54と、第1アンプ56と、第2アンプ58と、第1加算手段60と、第2加算手段62とを有する。
ここで、第1LPF42、第1減算手段44、輝度算出手段46、第2LPF48および第2減算手段50は、本発明の分解手段を構成する。また、ゲイン算出手段54、第1アンプ56および第2アンプ58は、本発明の強調抑制処理手段を構成し、第1加算手段60および第2加算手段62は、本発明の合成手段を構成する。
【0030】
図2に示す強調処理手段38において、入力されたファインスキャンデータ(以下、原信号という)SF (RGB)に対して以下に示す第1LPF42によりフィルタリング処理が施され、原信号SF (RGB)の低周波数成分RL ,GL ,BL が抽出される。
【0031】
【数1】
Figure 0003998321
【0032】
そして、第1減算手段44においては、原信号SF から低周波数成分(低周波信号)RL ,GL ,BL を減算して、中間・高周波数成分RMH,GMH,BMHを抽出する。このように抽出された後の低周波数成分RL ,GL ,BL はカラー画像中のエッジや細かいテクスチャやフィルムの粒状によるざらつきを含まないものである。一方、中間周波数成分RM ,GM ,BM にはフィルムの粒状によるざらつきを含み、高周波数成分RH ,GH ,BH はカラー画像中のエッジや細かいテクスチャを含むものである。
【0033】
ここで、原信号の低周波数成分、中間周波数成分および高周波数成分とは、図3に示すように分布される後述する中間・高周波数成分に乗じるゲインM,Hを1.0とした場合の周波数成分のことをいうものであり、中間周波数成分RM ,GM ,BM は、処理後のデータを可視像Pとして再生する際の出力のナイキスト周波数fS /2の1/3付近にピークを持って分布HM となる周波数成分をいうものであり、低周波数成分RL ,GL ,BL とは、0周波数にピークを持って分布HL となる成分をいい、高周波数成分RH ,GH ,BH とは出力のナイキスト周波数fS /2にピークを持って分布HH となる成分をいうものである。なお、本実施形態においてナイキスト周波数は、記録媒体Zへの記録が300dpiで行われる場合のナイキスト周波数をいうものである。ここで、図3においては、各周波数において周波数成分の和は1となっている。
【0034】
次いで、輝度算出手段46において、第1減算手段44によって分解された中間・高周波数成分RMH,GMH,BMHから輝度成分が抽出される。この輝度成分の抽出は原信号SF の中間・高周波数成分RMH,GMH,BMHをYIQ規定に変換した際の成分YMHがデータの輝度成分を表すものである。ここで、YIQ規定への変換は下記式(2)により行う。
【0035】
【数2】
Figure 0003998321
【0036】
ここで、YIQ規定に変換後の色成分である成分IMHおよび成分QMHはフィルム粒状に起因する色のざらつきを含むものであるため、成分IMHおよび成分QMHはここでは0とおいてフィルム粒状に起因する色のざらつきを抑制する。ここで、色成分である成分IMHおよび成分QMHは一般の被写体を写した画像の場合は殆ど成分を持たないことが経験的に分かっている。したがって、成分IMHおよび成分QMHはフィルム粒状に起因する色のざらつきとみなして0とおくことにより、ざらつきを抑制した良好な再生画像を得ることができる。
【0037】
次いで、成分YMHに対して以下に示すような5×5の第2LPF48によってフィルタリング処理を施して、成分YMHの中間周波数成分YM を得る。
【0038】
【数3】
Figure 0003998321
【0039】
さらに、第2減算手段50において、成分YMHから中間周波数成分YM を減算することにより成分YMHの高周波数成分YH を得る。
【0040】
一方、画像特性取得手段52では、前述した演算部30において求められたゲインM0 およびゲインH0 を調整する際に依存させる画像特性、例えば、コントラスト、コントラストのハイライト部およびシャドー部、特定画像濃度ならびにエッジなどが、原信号SF (RGB)に基づいて求められる。ここで、ゲインM0 およびゲインH0 を調整する際に依存させるのに用いる画像特性の種類は、1種であっても、2種以上であってもよい。また、ここで用いる画像特性の種類は、オペレータによってCRT34などに入力され、CRT34からインターフェイス36を経由して演算部30に入力され、演算部30から強調処理手段38の画像特性取得手段に入力されたものであってもよいし、演算部30において、CRT34からの入力信号に基づいて設定されるものであってもよいし、画像自体から自動的に設定されるものであってもよい。
取得手段52において行われる、画像特性に応じた信号処理については、具体的な個々の画像特性に応じて後述する。
【0041】
こうして、取得手段52において、画像特性が取得されると、画像特性依存ゲイン算出手段54では、前述した演算部30において求められたゲインM0 およびゲインH0 を取得された画像特性に依存させて調整するための画像特性依存強度Wを設定する。ここで設定する画像特性依存強度Wは、画像や画像特性に応じてゲイン算出手段54で設定するようにしてもよいが、ゲイン算出手段54に設けられたメモリ(図示せず)などに予め強度関数や画像特性依存強度テーブル(LUT)などに、好ましくは複数用意しておき、これらから画像や画像特性に応じて選択するようにしても良い。なお、予め強度関数や画像特性依存強度LUTなどは、演算部30に用意しておき、必要な強度関数や画像特性依存強度LUTなどを受け取るようにしてもよい。
【0042】
こうして、ゲイン算出手段54において画像特性に応じて設定された画像特性依存強度Wが、それぞれ、演算部30において求められたゲインM0 およびゲインH0 に下記式(3)に示すように乗じられて、中間周波数成分YM を画像特性に依存させて抑制するための画像特性依存ゲインMおよび高周波数成分YH を画像特性に依存させて強調するための画像特性依存ゲインHが算出される。
ゲインM=ゲインM0 ×W
ゲインH=ゲインH0 ×W ……(3)
ここで、演算部30において、元々、フィルム粒状に基づく輝度成分のざらつきが比較的多く含まれている中間周波数成分YM のゲインを比較的低く設定することにより、ざらつき感を抑え、画像の鮮鋭度が依存する輝度成分の高周波数成分YH のゲインHを比較的大きくすることにより、処理済画像の鮮鋭度を強調することができるように、ゲインM0 とゲインH0 とはゲインM0 <ゲインH0 となるように設定されている。従って、ゲイン算出手段54で算出される画像特性依存ゲインMとゲインHとはゲインM<ゲインHとなるように設定される。
【0043】
ところで、演算部30においては、例えば、カラー画像CIがアンダーネガの場合には、フィルム粒状に起因するざらつきが目立つうえに、階調特性を改善するために階調を立てた場合に粒状がかなり悪い画像となってしまうため、ゲインM0 がかなり低く設定される。このため、ゲイン算出手段54で画像特性に依存させてゲインMもかなり低く設定される。そしてこれにより、画像特性に依存させて、粒状を強く抑制することができる。また、プリントサイズに依存しても演算部30で最適なゲインM0 およびゲインH0 が設定される。さらに、前述したようにユーザがいくつかの鮮鋭度強調処理メニューから所望とするメニューを選択する場合には、このメニューに応じたゲインM0 およびゲインH0 をテーブルとして記憶しておき、メニュー選択に応じて最適なゲインM0 およびゲインH0 を選択できるようにしておくことが好ましい。これにより、画像ごとにあるいはユーザの好みに応じた処理を行うことができるようになる。
このように、演算部30においてプリントサイズやユーザの好みに応じて最適なゲインM0 およびゲインH0 が設定されているので、ゲイン算出手段54で画像特性に依存させて設定されるゲインMおよびHも最適なものとなるのはいうまでもない。
【0044】
ところで、画像特性依存強度Wは、中間周波数成分抑制のためのゲインMと高周波数成分強調のためのゲインHとで、同一の画像特性依存強度を用いているけれども、本発明はこれに限定されず、ゲインMとゲインHとでそれぞれ異なる画像特性依存強度を用いてもよい。
なお、上述した実施形態おいては、基本となるゲインM0およびゲインH0は、演算部30において算出または設定し、ゲイン算出手段54において、まず画像特性依存強度Wを算出し、上記式(3)によって画像特性依存ゲインMおよびゲインHを算出しているが、本発明はこれに限定されず、基本となるゲインM0およびゲインH0を、演算部30では求めず、ゲイン算出手段54で直接求めるようにしてもよいし、さらに、基本となるゲインM0およびゲインH0および画像特性依存強度Wを求めることなく、直接、画像特性依存ゲインMおよびゲインHを算出するように構成してもよい。
【0045】
次いで、下記式(4)に示すように、こうしてゲイン算出手段54によって算出された画像特性依存ゲインMおよびゲインHが、それぞれ第1および第2アンプ56および58において、第2LPF48によって得られた成分YMHの中間周波数成分YM および第2減算手段50によって得られた成分YMHの高周波数成分YH にそれぞれ乗じられて処理済成分YM ´,YH ´が得られる。
M ´=ゲインM×YM
H ´=ゲインH×YH ……(4)
続いて、第1加算手段60において、下記式(5)に示すように、それぞれ第1および第2アンプ56および58で得られた処理済成分YM ´およびYH ´が合成されて、成分YMH´が得られる。
MH´=YM ´+YH ´ ……(5)
(=ゲインM×YM +ゲインH×YH
【0046】
ここで、上述したように、ゲイン算出手段54においてゲインMとゲインHとはゲインM<ゲインHとなるように設定されている。すなわち、フィルム粒状に基づく輝度成分のざらつきは、中間周波数成分に比較的多く含まれているため、成分YM のゲインMを画像特性に依存させて比較的低く設定することにより、画像特性に依存させて適切にざらつき感を抑えることができるものである。また、画像の鮮鋭度(シャープネス)は、輝度成分の高周波数成分に依存するため、輝度成分の高周波数成分YH のゲインHを画像特性に依存させて比較的大きくすることにより、処理済画像の鮮鋭度を画像特性に依存させて適切に強調することができるものである。
【0047】
そして、第2加算手段62において、このようにして得られた成分YMH´を前述した原信号SF の低周波数成分RL ,GL ,BL と合成して処理済信号R´,G´,B´を得る。この際、前述した成分IMHおよび成分QMHの値は0とされているため、処理された輝度成分YMH´を逆変換してRGBのデータに対応させると、RGB3つのデータは全て成分YMH´と同一の値となる。したがって、処理された輝度成分YMH´を逆変換しなくても合成した結果は、逆変換した場合と同一となる。よって、処理を簡便なものとするために処理された輝度成分YMH´を逆変換しないで合成するようにしているのである。
その後、処理済信号R´,G´,B´は再生手段16に入力され、プリンタ40により記録材料Zに可視像Pとして再生される。
【0048】
このようにして再生された再生可視像Pは、フィルム粒状に起因するざらつきを含むデータの中間・高周波数成分の色成分が0とされており、さらに、中間・高周波数成分の輝度成分のうち中間周波数成分YM のゲインMが画像特性に依存して抑制され、高周波数成分YH のゲインHが画像特性に依存して強調されているため、どのような画像であっても適切に鮮鋭度が強調されるとともにフィルム粒状に起因するざらつきが十分に抑制された画像となる。
【0049】
次いで、本発明の画像処理方法を実施する本発明の画像処理装置の具体的な実施例について説明する。
図4〜7に示す粒状抑制シャープネス強調処理手段38の実施例は、それぞれ画像特性が、コントラスト、コントラストのハイライト部およびシャドー部、特定画像濃度ならびにエッジである場合の画像特性取得手段52および画像特性依存ゲイン算出手段54の具体例を示すもので、これらを除いて、図2に示す粒状抑制シャープネス強調処理手段38と同一であるので、同一の構成要素には同一の番号を付し、その説明は省略する。
【0050】
まず、本発明の具体的第1実施例による画像処理装置の強調処理手段について説明する。図4(a)は、本発明の具体的第1実施例による画像処理装置の強調処理手段38aにおいて行われるコントラスト依存強調抑制処理の詳細を説明するためのブロック図である。
図4(a)に示すように、本発明の第1実施例による画像処理装置14の強調処理手段38aは、画像特性としてコントラストを用いるもので、コントラストとして第1減算手段44によって算出された原信号SF と低周波数信号RL ,GL ,BL との差信号である中間・高周波数成分RMH,GMH,BMHを用い、この差信号RMH,GMH,BMHから輝度算出手段46によって算出された輝度成分(輝度信号)YMHに依存して強調抑制処理をおこなうものである。従って、図4(a)に示す強調処理手段38aにおいては、分解手段を構成する第1減算手段44および輝度算出手段46は、図2に示す強調処理手段38における画像特性取得手段52に相当するコントラスト(信号)取得手段52aをも構成し、コントラスト依存ゲイン算出手段54aは、図2に示す画像特性依存ゲイン算出手段54にとして機能するものである。
【0051】
すなわち、コントラスト信号取得手段52aは、原信号SFと低周波信号RL,GL,BL との差信号である中間・高周波数成分RMH,GMH,BMHを算出する第1減算手段44と、この差信号RMH,GMH,BMHから上記式(2)に従って輝度信号YMHを算出する輝度算出手段46とから構成される。
また、ゲイン算出手段54aは、画像特性取得手段52として機能する輝度算出手段46によって取得された差信号(中間・高周波数成分)RMH,GMH,BMHの輝度信号YMHに依存する強度関数Wを、例えば図4(b)に示すコントラスト依存テーブルのようにコントラストに依存させて、すなわち低コントラストで小さく、高コントラストで大きく設定することにより、この強度関数Wと基本となるゲインM0およびゲインH0とから上記式(3)によってゲインMおよびHを算出するものである。
なお、本実施例においては、コントラスト信号取得手段52aを第1減算手段44および輝度算出手段46によって構成し、ゲインMおよびHを、差信号(中間・高周波数成分)RMH,GMH,BMHの輝度信号YMHに依存して強度抑制処理を行っているが、本発明は、これに限定されず、コントラスト信号取得手段52aを第1減算手段44のみによって構成し、ゲインMおよびHを、差信号(中間・高周波数成分)RMH,GMH,BMH、例えばこれらの3色の平均値に依存して強度抑制処理を行ってもよい。
【0052】
このように、本実施例においては、例えば、図4(b)に示すようなコントラスト依存テーブルを用いるので、コントラストが高い場合、すなわち差信号の輝度信号YMHの絶対値が大きい場合には、強度関数Wの値を1,0として、中間周波数成分YM のゲインMを基本となるゲインM0 および高周波数成分YH のゲインHを基本となるゲインH0 とする。これに対し、コントラストが低い場合、すなわち差信号の輝度信号YMHの絶対値が小さい所定範囲の値の場合には、強度関数Wの値を1.0より小さくして、中間周波数成分YM のゲインMを基本となるゲインM0 より、高周波数成分YH のゲインHを基本となるゲインH0 より小さくする。
こうすることにより、本実施例においては、処理済成分YM ´,YH ´を低コントラスト部でさらに小さくして、最終的に得られる処理済信号R´,G´,B´から再生されるカラー画像の鮮鋭度を強調し、フィルムの粒状に基づくノイズ成分を除去するとともに、コントラストの低い平坦部分における粒状性をさらに抑制し、良好な画質の再生画像を得ることができる。
【0053】
次いで、本発明の具体的第2実施例による画像処理装置の強調処理手段について説明する。図5(a)は、本発明の具体的第2実施例による画像処理装置の強調処理手段38bにおいて行われるコントラスト依存方式によるハイライト部およびシャドー部依存強調抑制処理の詳細を説明するためのブロック図である。
図5(a)に示すように、本発明の第2実施例による画像処理装置14の強調処理手段38bは、画像特性としてコントラストを用い、コントラストのハイライト部およびシャドー部の各々を独立に操作するもので、コントラストとして第1減算手段44によって算出された原信号SF と低周波数信号RL ,GL ,BL との差信号である中間・高周波数成分RMH,GMH,BMHを用い、この差信号RMH,GMH,BMHの正負によってコントラストのハイライト部およびシャドー部を判定または検出し、この差信号RMH,GMH,BMHから輝度算出手段46によって算出された輝度成分(輝度信号)YMHの正負に依存して強調抑制処理をおこなうものである。
【0054】
従って、図5(a)に示す強調処理手段38bは、図4(a)に示す強調処理手段38aと、図2に示す強調処理手段38における画像特性依存ゲイン算出手段54に相当するハイライト/シャドー判定・ゲイン算出手段54bが、コントラスト信号取得手段52aによって取得されたコントラストに相当する差信号またはその輝度信号のみならずコントラストのハイライト部およびシャドー部、すなわち差信号の正負またはその輝度信号の正負を判定し、判定されたハイライト部およびシャドー部(差信号やその輝度信号の正負)に依存して、コントラスト依存ゲイン算出手段54aにおけるゲインMおよびゲインHの値を調整する点を除いて全く同一に機能する。
すなわち、図5(a)に示す強調処理手段38bにおいては、分解手段を構成する第1減算手段44および輝度算出手段46は、図4(a)に示す強調処理手段38aと同様に、図2に示す強調処理手段38における画像特性取得手段52に相当するコントラスト(信号)取得手段52aをも構成し、ハイライト/シャドー判定・ゲイン算出手段54bは、図2に示す画像特性依存ゲイン算出手段54として機能する。
【0055】
ここで、ハイライト/シャドー判定・ゲイン算出手段54bは、画像特性取得手段52として機能する輝度算出手段46によって取得された差信号(中間・高周波数成分)RMH,GMH,BMHの輝度信号YMHの正負を判定し、判定された輝度信号YMHの正負に依存する強度関数Wを、例えば図5(b)に示すコントラスト依存テーブルのようにコントラストならびにハイライト側およびシャドー側に依存させて、すなわち低コントラストで小さく、高コントラストのハイライト側で大きく、高コントラストのシャドー側でさらに大きく設定することにより、この強度関数Wと基本となるゲインM0 およびゲインH0 とから上記式(3)によってゲインMおよびHを算出するものである。
なお、本実施例においても、コントラスト信号取得手段52aを第1減算手段44および輝度算出手段46によって構成し、ゲインMおよびHを、差信号(中間・高周波数成分)RMH,GMH,BMHの輝度信号YMHの正負に依存して強度抑制処理を行っているが、本発明は、これに限定されず、コントラスト信号取得手段52aを第1減算手段44のみによって構成し、ゲインMおよびHを、差信号(中間・高周波数成分)RMH,GMH,BMHの正負、例えば、これらの3色の平均値の正負に依存して強度抑制処理を行ってもよい。
【0056】
このように、本実施例においては、例えば、図5(b)に示すようなコントラスト依存テーブルを用いるので、ハイライト側でコントラストが高い場合、すなわち差信号の輝度信号YMHが正でその絶対値が大きい場合には、強度関数Wの値を1,0として、中間周波数成分YM のゲインMを基本となるゲインM0 および高周波数成分YH のゲインHを基本となるゲインH0 とし、シャドー側でコントラストが高い場合、すなわち差信号の輝度信号YMHが負でその絶対値が大きい場合には、強度関数Wの値を1,0よりさらに大きくして、中間周波数成分YM のゲインMを基本となるゲインM0 より、高周波数成分YH のゲインHを基本となるゲインH0 よりさらに大きくする。これに対し、コントラストが低い場合、すなわち差信号の輝度信号YMHの絶対値が小さい所定範囲の値の場合には、強度関数Wの値を1.0より小さくして、中間周波数成分YM のゲインMを基本となるゲインM0 より、高周波数成分YH のゲインHを基本となるゲインH0 より小さくする。
こうすることにより、本実施例においては、処理済成分YM ´,YH ´を低コントラスト部でさらに小さくするとともに、高コントラスト部のシャドー側では、高コントラスト部のハイライト側よりもさらに大きくして、最終的に得られる処理済信号R´,G´,B´から再生されるカラー画像の鮮鋭度を強調し、フィルムの粒状に基づくノイズ成分を除去するとともに、エッジ部の偽輪郭を防止し、良好な画質の再生画像を得ることができる。
【0057】
続いて、本発明の具体的第3実施例による画像処理装置の強調処理手段について説明する。図6(a)は、本発明の具体的第3実施例による画像処理装置の強調処理手段38cにおいて行われる特定濃度依存強調抑制処理の詳細を説明するためのブロック図である。
図6(a)に示すように、本発明の第3実施例による画像処理装置14の強調処理手段38cは、画像特性として特定濃度を用いるもので、特定濃度として原信号SF の濃度信号(RGB信号)を用い、この原信号SF の濃度信号(RGB)から算出された輝度成分(輝度信号)YF に依存して強調抑制処理をおこなうものである。従って、図6(a)に示す強調処理手段38cにおいては、原信号輝度算出手段52cが図2に示す強調処理手段38における画像特性取得手段52として機能し、輝度信号依存ゲイン算出手段54cは、図2に示す画像特性依存ゲイン算出手段54にとして機能するものである。
【0058】
すなわち、原信号輝度算出手段52cは、原信号SF の濃度信号(RGB)から、前述したYIQ規定への変換式(2)に従って輝度信号YF を算出するものである。
また、ゲイン算出手段54cは、画像特性取得手段52として機能する原信号輝度算出手段52cによって算出された輝度信号YF に依存する強度関数Wを、例えば図6(b)に示す輝度信号依存テーブルのように輝度信号に依存させて、すなわち輝度信号が所定値以下では大きく、輝度信号が所定値より大きくなるにつれて所定割合で単調に減少するように、すなわち特定濃度領域(特定輝度領域)では徐々に小さくなるように設定することにより、この強度関数Wと基本となるゲインM0 およびゲインH0 とから上記式(3)によってゲインMおよびHを算出するものである。
【0059】
このように、本実施例においては、例えば、図6(b)に示すような輝度信号依存テーブルを用いるので、輝度信号が所定値以下の場合には、強度関数Wの値を1.0として、中間周波数成分YM のゲインMを基本となるゲインM0 および高周波数成分YH のゲインHを基本となるゲインH0 とする。これに対し、輝度信号が所定値より大きい場合には、輝度信号が大きくなるにつれて、強度関数Wの値を1.0より0.0まで所定割合で単調に減少するように設定して、中間周波数成分YM のゲインMを基本となるゲインM0 から、高周波数成分YH のゲインHを基本となるゲインH0 から0.0まで所定割合で単調に小さくする。
こうすることにより、本実施例においては、処理済成分YM ´,YH ´を輝度信号が所定値より大きい特定濃度(輝度)領域ではさらに徐々に小さくして、最終的に得られる処理済信号R´,G´,B´から再生されるカラー画像の鮮鋭度を強調し、フィルムの粒状に基づくノイズ成分を除去するとともに、特定濃度領域における粒状性をさらに抑制し、良好な画質の再生画像を得ることができる。
【0060】
なお、本実施例においては、原信号輝度算出手段52cによって原信号SF の濃度信号(RGB)から輝度信号YFHを算出し、この輝度信号YFHに依存して強度抑制処理を行っているが、本発明は、これに限定されず、原信号輝度算出手段52cを用いず、原信号SF の濃度信号(RGB)をそのまま用い、原信号SF の濃度信号(RGB)、例えばRGB濃度信号の平均値に依存して強度抑制処理を行ってもよい。この場合には、画像特性取得手段52としては、強調処理手段38cに入力された原信号SF をそのまま濃度信号(RGB)として用いて3色の平均値を求め、この3色の平均値を出力するものであればよい。
また、図示例においては、例えば、特定濃度領域として所定輝度値より大きい領域を設定し、図6(b)に示すような輝度依存テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されず、特定濃度領域としてどのような濃度(輝度)領域を設定しても良いし、また、どのような輝度依存テーブルを用いてもよい。
【0061】
さらに、本発明の具体的第4実施例による画像処理装置の強調処理手段について説明する。図7(a)は、本発明の具体的第4実施例による画像処理装置の強調処理手段38dにおいて行われるエッジ依存強調抑制処理の詳細を説明するためのブロック図である。
図7(a)に示すように、本発明の第3実施例による画像処理装置14の強調処理手段38dは、画像特性としてエッジを用いるもので、エッジとして低周波数成分抽出の対象としたマスク内信号Rij,Gij,Bij(i:主走査方向の画素位置、j:副走査方向の画素位置)の輝度信号Yijの主副走査方向の差信号に依存して強調抑制処理をおこなうものである。従って、図7(a)に示す強調処理手段38dにおいては、マスク内信号を構成するマスクメモリ51およびエッジ検出手段53は、図2に示す強調処理手段38における画像特性取得手段52に相当するエッジ信号取得手段52dを構成し、エッジ依存ゲイン算出手段54dは、図2に示す画像特性依存ゲイン算出手段54にとして機能するものである。
【0062】
すなわち、エッジ信号取得手段52dは、原信号SF からマスク内信号Rij,Gij,Bijを抽出するマスクメモリ51と、マスク内信号Rij,Gij,Bijから輝度信号Yijを抽出する輝度信号抽出手段と、この輝度信号の主副走査方向の差信号を算出する差信号算出手段とを有するエッジ検出手段53とから構成される。ここで、エッジ検出手段53の輝度信号抽出手段は、まず、マスク内信号Rij,Gij,Bijの輝度信号Yijを前述したYIQ規定への変換式(2)によって算出する。次に、エッジ検出手段53の差信号算出手段は、輝度信号Yijの主副走査方向の差を検出エッジ(指数)Eとして、下記式(6)によって算出する。ここで、下記式(6)において、A,B,C,Dは、図7(b)に示すように、輝度信号Yijに関する左右上下の画素値の和である。
E=|A−B|+|C−D| ……(6)
【0063】
また、エッジ依存ゲイン算出手段54dは、エッジ信号取得手段52dのエッジ検出手段53によって検出されたエッジEに依存する強度関数Wを、例えば図7(c)に示すように検出エッジEに依存させて、すなわち検出エッジEが小さい平坦部では小さく、検出エッジEが大きいエッジ部では大きく設定することにより、この強度関数Wと基本となるゲインM0 およびゲインH0 とから上記式(3)によってゲインMおよびHを算出するものである。
なお、本実施例においては、エッジ信号取得手段52dをマスクメモリ51およびエッジ検出手段53によって構成し、マスクメモリ51によって原信号SF から抽出対象マスク内信号Rij,Gij,Bijを抽出し、このマスク内信号Rij,Gij,Bijからエッジ検出手段53によって前記式(2)に基づいて輝度信号Yijを求め、得られた輝度信号Yijに基づいて上記式(6)によってエッジEを検出し、ゲインMおよびHを、輝度信号Yijに基づく検出エッジEに依存して強度抑制処理を行っているが、本発明は、これに限定されず、エッジ検出手段53において前記式(2)による輝度信号Yijを算出することなく、低周波数成分抽出の対象としたマスク内信号Rij,Gij,Bijそのものの主副走査方向の差信号をエッジEとして上記式(6)によって検出し、ゲインMおよびHを、この差信号に基づく検出エッジEに依存して強度抑制処理を行ってもよい。この時、上記式(6)におけるA,B,C,Dは、図7(b)に示すように、マスク内信号Rij,Gij,Bijの平均値などに関する左右上下の画素値の和を用いればよい。
【0064】
このように、本実施例においては、例えば、図7(c)に示すようなエッジ依存テーブルを用いるので、エッジである場合、すなわち検出エッジEの値が大きい場合には、強度関数Wの値を1,0として、中間周波数成分YM のゲインMを基本となるゲインM0 および高周波数成分YH のゲインHを基本となるゲインH0 とする。これに対し、エッジでない平坦部の場合、すなわち検出エッジEの値が所定値以下(小さい所定範囲の値)の場合には、強度関数Wの値を1.0よりから0.0まで単調に減少させ、徐々に小さくして、中間周波数成分YM のゲインMを基本となるゲインM0 より、高周波数成分YH のゲインHを基本となるゲインH0 より小さくする。
こうすることにより、本実施例においては、処理済成分YM ´,YH ´を平坦部でさらに小さくして、最終的に得られる処理済信号R´,G´,B´から再生されるカラー画像の鮮鋭度を強調し、フィルムの粒状に基づくノイズ成分を除去するとともに、画像のエッジを検出し、エッジのみを強調し、鮮鋭度強調による平坦部におけるノイズをさらに抑制し、良好な画質の再生画像を得ることができる。
また、図示例においては、例えば、エッジとしてマスク内の左右上下の画素値の和により検出エッジEの値を設定し、図7(c)に示すようなエッジ依存テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されず、エッジとしてどのような検出エッジEの値を設定しても良いし、また、どのようなエッジ依存テーブルを用いてもよい。
【0065】
以上、本発明の画像処理方法を実施する本発明の画像処理装置を構成する粒状抑制シャープネス強調処理手段について、画像特性が、それぞれコントラスト、コントラストのハイライト部およびシャドー部、特定画像濃度ならびにエッジである場合の具体的実施例について説明したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像特性を用いてもよいことは勿論であり、画像特性に応じて画像特性取得手段および画像特性依存ゲイン算出手段を設定すればよい。
なお、上述した実施例においては、中間・高周波数成分RMH,GMH,BMHをYIQ規定に変換してゲイン処理を行うようにしているが、YIQ規定に変換する必要はなく、中間・高周波数成分RMH,GMH,BMHを中間周波数成分RM ,GM ,BM および高周波数成分RH ,GH ,BH に分解し、各成分をYIQ規定に変換することなくゲイン処理を施すようにしてもよいものである。但し、YIQ規定に変換後に、輝度成分にのみ基づいてゲイン処理を施した方が、フィルム粒状に起因するざらつきを大きく抑制することができる。
【0066】
以上、本発明の画像処理方法および装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0067】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明による画像処理方法および装置は、画像信号を低・中間・高周波数成分に分解し、フィルム粒状に起因するざらつきを含む中間周波数成分を抑制し、エッジ、テクスチャ等を含む高周波数成分を強調する際に、中間周波数成分の抑制強度および高周波数成分の強調強度を画像特性、例えば、コントラスト、コントラストのハイライト部およびシャドー部、特定濃度、ならびにエッジに依存して調整するようにしたため、処理後の画像信号のカラー再生画像は、鮮鋭度が強調され、かつフィルム粒状に基づくノイズ成分を除去され、さらに平坦部分の粒状性が抑えられ、エッジ部の偽輪郭が防止され、特定濃度領域の粒状性が抑えられ、画像のエッジを検出し、エッジのみの鮮鋭度が強調された、良好な画質の再生画像を得ることができる。
【0068】
また、本発明によれば、中間・高周波数成分の輝度成分についてのみ処理を行うことにより、フィルム粒状に基づく輝度成分のざらつきを抑制することができるため、さらに画質の良好な再生画像を得ることができる。
また、本発明によれば、カラー画像信号の中間・高周波数成分のRGB3色をYIQ規定に変換した場合、色成分であるI成分およびQ成分は通常の被写体では殆ど成分を持たないものであるため、I成分およびQ成分はフィルム粒状に起因する色のざらつきとみなすことができる。したがって、画像信号から分解された高周波数成分および中間周波数成分の輝度成分であるY成分にのみ基づいて強調抑制処理および合成を行うことにより、さらに、フィルム粒状に起因する色のざらつきを抑制し、良好な再生画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像処理方法を実施する画像処理装置を適用したデジタルカラー画像再生システムの一実施形態のブロック図である。
【図2】 図1に示すデジタルカラー画像再生システムに適用される本発明の画像処理装置の一実施形態のブロック部である。
【図3】 カラー原画像信号の低・中間・高周波数成分の分布を表すグラフである。
【図4】 (a)は、図2に示す画像処理装置の具体的第1実施例のブロック図であり、(b)は、(a)に示す画像処理装置に用いられるコントラスト依存テーブルの一例のグラフである。
【図5】 (a)は、図2に示す画像処理装置の具体的第2実施例のブロック図であり、(b)は、(a)に示す画像処理装置に用いられるコントラストのハイライト/シャドー依存テーブルの一例のグラフである。
【図6】 (a)は、図2に示す画像処理装置の具体的第3実施例のブロック図であり、(b)は、(a)に示す画像処理装置に用いられる特定濃度依存テーブルの一例のグラフである。
【図7】 (a)は、図2に示す画像処理装置の具体的第4実施例のブロック図であり、(b)は、(a)に示す画像処理装置において実施されるエッジ検出の方法を説明する説明図であり、(c)は、(a)に示す画像処理装置に用いられるエッジ依存テーブルの一例のグラフである。
【符号の説明】
10 デジタルカラー画像プリントシステム
12 読取手段
14 画像処理装置
16 再生手段
18 CCDアレイ
20 集光レンズ
22 フィルタタレット
24 A/D変換手段
26 CCD補正手段
28 対数変換手段
30 オートセットアップ演算部
32 色・階調処理手段
34 CRT
36 モニタ表示アンドユーザインターフェイス
38 処理手段
40 プリンタ
42,48 ローバスフィルタ
44,50 減算手段
51 マスクメモリ
52 画像特性取得手段
52a コントラスト信号取得手段
52c 原信号輝度算出手段
52d エッジ信号取得手段
53 エッジ検出手段
54 画像特性依存ゲイン算出手段
54a コントラスト依存ゲイン算出手段
54b ハイライト/シャドー判定・ゲイン算出手段
54c 輝度信号依存ゲイン算出手段
54d エッジ依存ゲイン算出手段
56,58 アンプ
60,62 加算手段
CI カラー画像
P 可視(再生)像
Z 記録材料(媒体)

Claims (8)

  1. 所定のカラー画像を表す原画像信号に対して所定の画像処理を施す画像処理方法であって、
    前記原画像信号の輝度信号を算出し、
    前記原画像信号を低周波数成分、中間周波数成分、および高周波数成分に分解し、
    前記原画像信号の前記高周波数成分を強調するための高周波数ゲインを前記原画像信号の前記輝度信号に応じて設定するとともに、前記原画像信号の前記中間周波数成分を抑制するための中間周波数ゲインを、前記原画像信号の前記輝度信号に応じて設定し、
    前記高周波数成分を前記高周波数ゲインに応じて強調するとともに、前記中間周波数成分を前記中間周波数ゲインに応じて抑制する、画像特性依存強調抑制処理を行い、
    この処理後の高周波数成分および中間周波数成分、ならびに前記低周波数成分を合成して処理済画像信号を得ることを特徴とする画像処理方法であって、
    前記原画像信号の分解では、分解後の各周波数成分のうち少なくとも前記低周波成分をRGBデータとし、
    前記高周波数ゲインおよび前記中間周波数ゲインを設定するステップでは、
    前記画像処理を行う対象の各画素毎に、主走査方向に隣接する各画素間の前記輝度信号の差分と、副走査方向に隣接する各画素間の前記輝度信号の差分との和で表される検出エッジ指数を求め、各画素毎に、前記検出エッジ指数に応じた大きさの前記高周波数ゲインおよび前記中間周波数ゲインを設定するものであることを特徴とする画像処理方法。
  2. 前記原画像信号の前記輝度信号は、前記中間・高周波数成分のRGBカラーデータを、YIQ規定変換した際のY成分を表す信号であることを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
  3. 前記原画像信号を分解するに先がけて、前記原画像信号のRGBカラーデータに基づいて、前記原画像信号の前記高周波数成分を強調するための基本高周波数ゲイン、および、前記原画像信号の前記中間周波数成分を抑制するための基本中間周波数ゲインを設定するステップを有し、
    前記高周波数ゲインおよび前記中間周波数ゲインを設定するステップでは、
    前記基本高周波数ゲインおよび前記基本中間周波数ゲインを調整するための強度係数を、前記輝度信号に応じて設定し、
    前記基本高周波数ゲインに、前記輝度信号に応じた前記強度係数を乗じて前記高周波数ゲインを算出して設定するとともに、前記基本中間周波数ゲインに、前記輝度信号に応じた前記強度係数を乗じて前記中間周波数ゲインを算出して設定することを特徴とする請求項1または2記載の画像処理方法。
  4. 前記高周波数ゲインおよび前記中間周波数ゲインを設定するステップでは、
    前記輝度信号に応じて算出された検出エッジ指数に応じて、前記強度係数を定めるものであり、前記強度係数を、前記検出エッジ指数が所定値よりも大きい場合は1.0とし、前記検出エッジ指数が前記所定値よりも小さい場合は、前記検出エッジ指数の大きさに応じて0.0より1.0まで所定割合で単調増加するように設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理方法。
  5. 所定のカラー画像を表す原画像信号に対して所定の画像処理を施す画像処理装置であって、
    前記原画像信号の輝度信号を算出する手段と、
    前記原画像信号を低周波数成分、中間周波数成分、および高周波数成分に分解する手段と、
    前記原画像信号の前記高周波数成分を強調するための高周波数ゲインを、前記原画像信 号の前記輝度信号に応じて設定するとともに、前記原画像信号の前記中間周波数成分を抑制するための中間周波数ゲインを、前記原画像信号の前記輝度信号に応じて設定する手段と、
    前記高周波数成分を前記高周波数ゲインに応じて強調するとともに、前記中間周波数成分を前記中間周波数ゲインに応じて抑制する、画像特性依存強調抑制処理を行う手段と、
    この処理後の高周波数成分および中間周波数成分、ならびに前記低周波数成分を合成して処理済画像信号を得る手段と、を有することを特徴とする画像処理装置であって、
    前記分解する手段は、分解後の各周波数成分のうち少なくとも前記低周波成分をRGBデータとし、
    前記高周波数ゲインおよび前記中間周波数ゲインを設定する手段は、
    前記画像処理を行う対象の各画素毎に、主走査方向に隣接する各画素間の前記輝度信号の差分と、副走査方向に隣接する各画素間の前記輝度信号の差分との和で表される検出エッジ指数を求め、各画素毎に、前記検出エッジ指数に応じた大きさの前記高周波数ゲインおよび前記中間周波数ゲインを設定することを特徴とする画像処理装置。
  6. 前記原画像信号の前記輝度信号は、前記中間・高周波数成分のRGBカラーデータを、YIQ規定変換した際のY成分を表す信号であることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
  7. 前記原画像信号を分解するに先がけて、前記原画像信号のRGBカラーデータに基づいて、前記原画像信号の前記高周波数成分を強調するための基本高周波数ゲイン、および、前記原画像信号の前記中間周波数成分を抑制するための基本中間周波数ゲインを設定する手段を有し、
    前記高周波数ゲインおよび前記中間周波数ゲインを設定する手段では、
    前記基本高周波数ゲインおよび前記基本中間周波数ゲインを調整するための強度係数を、前記輝度信号に応じて設定し、
    前記基本高周波数ゲインに、前記輝度信号に応じた前記強度係数を乗じて前記高周波数ゲインを算出して設定するとともに、前記基本中間周波数ゲインに、前記輝度信号に応じた前記強度係数を乗じて前記中間周波数ゲインを算出して設定することを特徴とする請求項5または6記載の画像処理装置。
  8. 前記高周波数ゲインおよび前記中間周波数ゲインを設定する手段では、
    前記輝度信号に応じて算出された検出エッジ指数に応じて、前記強度係数を定めるものであり、前記強度係数を、前記検出エッジ指数が所定値よりも大きい場合は1.0とし、前記検出エッジ指数が前記所定値よりも小さい場合は、前記検出エッジ指数の大きさに応じて0.0より1.0まで所定割合で単調増加するように設定することを特徴とする請求項5〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
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