JP3997036B2 - 流路切換弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流路切換弁に係り、特に、圧縮機から吐出された流体と圧縮機に吸入される流体との経路を逆転させる際に利用することのできる流路切換弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、冷暖房兼用の空調機においては、空調機の冷房運転時に、冷媒が圧縮機から室外熱交換器、絞り弁、及び、室内熱交換器を経由して圧縮機に環流し、 空調機の暖房運転時に、冷媒が圧縮機から室内熱交換器、絞り弁、及び、室外熱交換器を経由して圧縮機に環流するように、冷媒の環流方向を四方弁により逆転 させている。
【0003】
このような、冷凍サイクルにおける冷媒の環流経路を逆転させるのに用いる四方弁として、所謂スライド式の四方弁がある。
【0004】
この四方弁は、弁本体の内部で弁体を移動させ、この弁体の内側に形成される空間を介して導入口と連通させる通口を、2つの通口の一方から他方に切り換え ると共に、弁体の外側に形成される空間を介して導出口と連通させる通口を、2つの通口の他方から一方に切り換えるように構成されたものである。
【0005】
そして、従来の四方弁では、例えば、特公昭35−12689号公報や実公昭55−53825号公報によって開示されているように、弁本体の外部に設けた 電磁コイルの通電によって、弁本体内部の3つの弁室のうち、中央の弁室の両側に配置された2つの弁室のどちらか一方を選択的に減圧し、減圧された弁室と中 央の弁室との間に発生する差圧によって、中央の弁室に配置された弁体をスライドさせるようにしていた。
【0006】
尚、四方弁ではないが、特公平7−99296号公報においても、弁本体の外部に配置された電磁コイルへの通電により、弁本体の内部に挿入された電磁コイルのプランジャを介して、弁本体内の弁体をスライドさせる五方弁が開示されている。
【0007】
また、これらの四方弁や五方弁に類する従来技術の一つとして、実開昭58−42465号公報に、弁本体の両側に各々設けた作動室内のヒータの通電によ り、作動室内から弁本体内に各々挿入された2本の作動棒を交互にスライドさせることで、弁本体内の弁体をスライドさせる四方弁が開示されている。
【0008】
以上に説明した従来の四方弁や五方弁はいずれも、弁の切換動作に際して電磁コイルへの通電を必要とするため、発電所の操業による環境汚染の防止やエネルギー節約等の観点からして問題があった。
【0009】
さらに、これらの四方弁や五方弁の他にも、例えば、実開平3−119689号公報では、電磁コイルに代えて弁本体の両側にワックスサーモエレメントを配 置し、このワックスサーモエレメントのヒータに対する通電により、弁本体の外部から弁本体内に挿入されたシャフトを介して、弁本体内
弁体をスライドさせる四方弁が開示されている。
【0010】
また、特許2757997号公報では、弁本体内の弁室の両側に隔壁板で仕切られた差圧室を各々設けて、各隔壁板に設けた副弁の開閉により各差圧室を選択 的に弁室に連通可能とし、弁本体の両側に各々配置した緩動作素子の定温度発熱体に対する通電により、弁本体の両側から各差圧室内に挿入された作動軸を各々 スライドさせる四方弁が開示されている。
【0011】
この四方弁では、各緩動作素子の定温度発熱体に対する通電によって各作動軸をスライドさせることでどちらか片方の副弁を開くことで、その開いた副弁に近づくように、弁本体内で両隔壁板が弁体と共にスライドする。
【0012】
以上に説明した各四方弁はいずれも、電磁コイルは用いていないものの、弁の切換動作を行うのにヒータへの通電を必要とするため、先に説明した従来の四方弁や五方弁と同様に問題があった。
【0013】
一方、特公平7−43188号公報に開示された四方弁では、弁体のスライドを電磁コイルへの通電により行うものの、通電後の弁体の位置は、スライド後の 弁体を永久磁石が吸引することで保持されるようにして、電磁コイルへの通電を継続する必要をなくし、あとは、スライド後の位置からスライド前の位置に弁体 を戻す際に、消磁用の別の電磁コイルに一時的に通電するだけで済むようにしている。
【0014】
また、特開平9−72633号公報に開示された四方弁では、特公昭35−12689号公報の四方弁と同様の四方弁において、弁体のスライド後の位置を電磁コイルへの間欠的な通電によって保持するようにしている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特公平7−43188号公報や特開平9−72633号公報に開示された四方弁は、電磁コイルへの常時通電を必要としないことから、環境汚染の防止やエネルギー節約等の観点からすると、一定の効果を上げているといえる。
【0016】
しかしながら、これら特公平7−43188号公報や特開平9−72633号公報に開示された四方弁においても、電磁コイルへの通電を抑制はできても不要 にするまでには至っておらず、環境汚染の防止やエネルギー節約等を強力に推進するという点からすると、さらなる改良の余地を残していた。
【0017】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、冷凍サイクルに設けられた四方弁を始めとする流体流路切換用の弁における切換動作に際して、環 境汚染の防止やエネルギー節約等を有効に図ることができる流路切換弁を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する請求項1乃至請求項に記載した本発明は流路切換弁に関するものである。
【0019】
請求項1に記載した本発明の流路切換弁は、圧縮機、熱交換器、絞り、及び、流路切換弁を備えた冷凍サイクルで用いられ、流体が吸入される吸入ポート及び流体が排出される排出ポートを備えると共に、2つの切換ポートを備える前記流路切換弁のハウジングの内部で第1箇所と第2箇所との間を移動部材が移動することで、前記移動部材の前記第1箇所にあっては、前記吸入ポートと前記2つの切換ポートのうちいずれか一方の切換ポートとが前記ハウジングの内部で連通されると共に、前記排出ポートと前記2つの切換ポートのうちいずれか他方の切換ポートとが前記ハウジングの内部で連通され、前記移動部材の前記第2箇所にあっては、前記吸入ポートと前記2つの切換ポートのうちいずれか他方の切換ポートとが前記ハウジングの内部で連通されると共に、前記排出ポートと前記2つの切換ポートのうちいずれか一方の切換ポートとが前記ハウジングの内部で連通される流路切換弁であって、前記移動部材を、圧縮機の運転及び停止により前記流路切換弁内での流体の圧力、差圧、及び、流量のうち少なくとも1つの変化で発生する動力を用いて前記第1箇所と前記第2箇所との間で移動させる移動手段を備え、前記ハウジングは円筒状に形成されていて、少なくとも前記2つの切換ポートは、前記ハウジングのうち該ハウジングの中心軸方向における 一端側の弁座に形成されており、前記移動部材は、前記ハウジング内に収容されて前記中心軸の周りに回転可能な主弁体により構成されていると共に、該主弁体 には、前記2つの切換ポートのうち片方の切換ポートを選択的に吸入ポートに連通させる連通手段が形成されており、前記主弁体は、前記中心軸の周りに回転変位することで前記第1箇所と前記第2箇所との間を移動し、前記主弁体の前記第1箇所にあっては、前記連通手段により前記2つの切換ポートのうちいずれか一 方の切換ポートが前記吸入ポートに連通され、前記主弁体の前記第2箇所にあっては、前記連通手段により前記2つの切換ポートのうちいずれか他方の切換ポー トが前記吸入ポートに連通されることを特徴とす。
【0020】
さらに、請求項2に記載した本発明の流路切換弁は、請求項1に記載した本発明の流路切換弁において、前記排出ポートは前記弁座に形成されていると共に、前記中心軸方向における前記主弁体の一方の端面は前記弁座に着座し、該一方の端面に は、前記排出ポートに前記2つの切換ポートのうち片方の切換ポートを選択的に連通させる第2連通手段が形成されており、前記主弁体の前記第1箇所にあっては、前記第2連通手段により前記他方の切換ポートが前記排出ポートに連通され、前記主弁体の前記第2箇所にあっては、前記第2連通手段により前記一方の切 換ポートが前記排出ポートに連通されることを特徴とする。
【0021】
さらに、請求項3に記載した本発明の流路切換弁は、請求項1又は2に記載した本発明の流路切換弁において、前記主弁体は前記ハウジング内において前記中心軸方向に移動可能に構成されており、前記主弁体の前記ハウジングに対する前記中心軸方向への移動を該中心軸の周りの回転方向への移動に変換する移動方向変換手段をさらに備えており、前記移動手段は前記主弁体を前記ハウジングに対して前記中心軸方向に往復移動させることを特徴とする
【0022】
また、請求項4に記載した本発明の流路切換弁は、請求項3に記載の流路切換弁において、前記吸入ポートが、前記中心軸方向における前記ハウジングの他端側部分に形成されており、前記連通手段は、前記ハウジングの内部において前記主弁体の一方の端面側と他方の端面側とを連通させる連通通路と、該連通通路を開閉する副弁と、該副弁を閉弁方向に付勢する副弁付勢手段と、前記主弁体の一方の端面が前記弁座に着座した状態で前記副弁付勢手段による付勢力に抗して前記副弁を開弁させる開弁手段とを有している。
【0026】
請求項1に記載した本発明の流路切換弁によれば、圧縮機、熱交換器、絞り、及び、流路切換弁を備えた冷凍サイクルで用いられ、流体が吸入される吸入ポート及び流体が排出される排出ポートを備えると共に、2つの切換ポートを備える前記流路切換弁のハウジングの内部で第1箇所と第2箇所との間を移動部材が移動することで、前記移動部材の前記第1箇所にあっては、前記吸入ポートと前記2つの切換ポートのうちいずれか一方の切換ポートとが前記ハウジングの内部で連通されると共に、前記排出ポートと前記2つの切換ポートのうちいずれか他方の切換ポートとが前記ハウジングの内部で連通され、前記移動部材の前記第2箇所にあっては、前記吸入ポートと前記2つの切換ポートのうちいずれか他方の切換ポートとが前記ハウジングの内部で連通されると共に、前記排出ポートと前記2つの切換ポートのうちいずれか一方の切換ポートとが前記ハウジングの内部で連通される流路切換弁であって、前記移動部材を、圧縮機の運転及び停止により前記流路切換弁内での流体の圧力、差圧、及び、流量のうち少なくとも1つの変化で発生する動力を用いて前記第1箇所と前記第2箇所との間で移動させる移動手段を備え、前記ハウジングは円筒状に形成されていて、少なくとも前記2つの切換ポートは、前記ハウジングのうち該ハウジングの中心軸方向における 一端側の弁座に形成されており、前記移動部材は、前記ハウジング内に収容されて前記中心軸の周りに回転可能な主弁体により構成されていると共に、該主弁体 には、前記2つの切換ポートのうち片方の切換ポートを選択的に吸入ポートに連通させる連通手段が形成されており、前記主弁体は、前記中心軸の周りに回転変位することで前記第1箇所と前記第2箇所との間を移動し、前記主弁体の前記第1箇所にあっては、前記連通手段により前記2つの切換ポートのうちいずれか一 方の切換ポートが前記吸入ポートに連通され、前記主弁体の前記第2箇所にあっては、前記連通手段により前記2つの切換ポートのうちいずれか他方の切換ポー トが前記吸入ポートに連通されるので、四方弁が非電力の動力で駆動されることとなる。
【0027】
さらに、請求項2に記載した本発明の流路切換弁によれば、請求項1に記載した本発明の流路切換弁において、前記排出ポートは前記弁座に形成されていると共に、前記中心軸方向における前記主弁体の一方の 端面は前記弁座に着座し、該一方の端面には、前記排出ポートに前記2つの切換ポートのうち片方の切換ポートを選択的に連通させる第2連通手段が形成されて おり、前記主弁体の前記第1箇所にあっては、前記第2連通手段により前記他方の切換ポートが前記排出ポートに連通され、前記主弁体の前記第2箇所にあって は、前記第2連通手段により前記一方の切換ポートが前記排出ポートに連通されるので、排出ポートに連通されるのが、ハウジングの一端側に設けられた弁座の 2つの切換ポートのうち一方の切換ポートと他方の切換ポートとの間で切り換わるという、ロータリ(回転)式弁が、流路切換弁において構成されることにな る。
【0028】
さらに、請求項3に記載した本発明の流路切換弁によれば、請求項1又は2に記載した本発明の流路切換弁において、移動手段により主弁体をハウジングの中 心軸方向に移動させると、この移動が移動方向変換手段によりハウジングの中心軸の周りの回転に変換されて、主弁体が第1箇所と第2箇所との間で回転するこ とになる
【0029】
また、請求項4に記載した本発明の流路切換弁によれば、請求項3に記載した本発明の流路切換弁において、主弁体の一方の端面が弁座に着座する主弁体の第1箇所や第2箇所にあっては、開弁手段により開弁された副弁により連通通路が開放されて、主弁体の一方の端面側と他方の端面側とが連通し、この連通通路により、ハウジングの他端側部分に形成されてメインポートを構成する他方のポートが、主弁体の第1箇所にあっては、ハウジングの弁座に形成された他方の切換ポートと連通し、主弁体の第2箇所にあっては、弁座に形成された一方の切換ポートと連通することになる。
【0033】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による流路切換弁の切換駆動方法を流路切換弁と共に、図面を参照して説明する。
【0034】
図1は本発明の第1実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図であり、この第1実施形態に係る流路切換弁は、圧縮機4、室内 熱交換器9A、室外熱交換器9B、及び、電動膨張弁やキャピラリチューブ等の絞り10と共に、冷凍サイクルAを構成しており、この絞り10は、室内熱交換 器9Aと室外熱交換器9Bとの間に介設されている。
【0035】
そして、図1において、暖房モード時における動作状態を断面にて示す第1実施形態の流路切換弁は、シリンダ状の逆転弁本体1を有しており、この逆転弁本体1の両端部には、栓体2,3が固着されている。
【0036】
逆転弁本体1の周面の一側には、圧縮機4の吐出口(図示せず)に連通する吐出管5が連結され、また周面の他側には、圧縮機4の吸入口(図示せず)に連通 する吸入管6と、逆転弁本体1の軸方向において吸入管6を挾んで両側に配置された2本の導管7,8とが連結され、導管7,8は、流路切換弁や圧縮機4等と 共に冷凍サイクルAを構成し、凝縮器又は蒸発器として逆転的に使用される室内と室外の2個の熱交換器9A,9Bに連結される。
【0037】
吸入管6と導管7,8の内端は逆転弁本体1内に固着される切換用の弁シート11の3個の通孔11a,11b,11cに接続され、弁シート11の内側には一連の平滑面11dが形成される。
【0038】
逆転弁本体1内において、弁シート11と栓体3間にはピストン筒12(移動部材に相当)が設けられ、逆転弁本体1内を高圧室R1 (第1圧力室に相当)と圧力変換室R2 (第2圧力室に相当)に区画する。ピストン筒12と栓体3間には圧縮ばね13(付勢手段に相当)が設けられ、ピストン筒12は高圧室R1 方向に常時付勢されている。
【0039】
弁シート11上には連通用内腔27aを有するスライドバルブ27が設けられ、該スライドバルブ27は連結杆28によりピストン筒12に連結されていて、 スライドバルブ27は、逆転弁本体1内でのピストン筒12の移動に伴い平滑面11d上を摺動し、これにより、その内腔27aを介して、吸入管6に対応する 通孔11aを、その両側の熱交換器用導管(以下、「導管」と略記する。)7,8に対応する通孔11b,11cに対して択一的に連通させる。
【0040】
即ち、ピストン筒12は、図2に冷房モード時における流路切換弁を断面で示す冷凍サイクルの説明図で示すように、ピストン筒12が栓体3に当接してそれ 以上の栓体3側への移動を規制される第2箇所と、図1に示すように、連結杆28の先端が栓体2に当接してそれ以上の栓体2側への移動を規制される第1箇所 との間で移動可能とされている。
【0041】
そして、ピストン筒12の第1箇所においてスライドバルブ27は、図1に示すように、その内腔27aと弁シート11の平滑面11dとにより高圧室R1 内に画成する低圧側閉塞空間(以下、「閉塞空間」と称する。)S1(第2空間に相当)を介して、吸入管6に対応する通孔11aを導管8に対応する通孔11cに連通させ、この状態で、導管7に対応する通孔11bは、スライドバルブ27により高圧室R1 内に画成されて閉塞空間S1から遮断される高圧側閉塞空間(以下、「高圧空間」と称する。)S2(第1空間に相当)を介して、吐出管5に連通する。
【0042】
また、ピストン筒12の第2箇所においてスライドバルブ27は、図2に示すように、閉塞空間S1を介して、吸入管6に対応する通孔11aを導管7に対応する通孔11bに連通させ、この状態で、導管8に対応する通孔11cは、高圧空間S2を介して吐出管5に連通する。
【0043】
さらに、栓体3には管路14(連通管に相当)の一端が接続され、この管路14の他端は逆転弁本体1の外部を通って前記導管7に接続されていて、この管路14を介して圧力変換室R2 と導管7とが常時連通している。
【0044】
尚、第1実施形態においては、逆転弁本体1と栓体2,3とにより請求項中のハウジングが構成されていて、圧縮機4の吐出口に連なる吐出管5が接続される 逆転弁本体1部分が、請求項中の吸入ポートに相当していると共に、圧縮機4の吸入口に連なる吸入管6の接続対象である弁シート11の通孔11aが、請求項 中の排出ポートに相当している。
【0045】
さらに、第1実施形態の流路切換弁においては、室内熱交換器9Aに連結される導管7や室外熱交換器9Bに連結される導管8の接続対象である弁シート11の通孔11b,11cが、請求項中の2つの切換ポートに各々相当している。
【0046】
次に、上述した構成による第1実施形態の流路切換弁の動作(作用)について説明する。
【0047】
まず、圧縮機4が停止している状態では、図1に示すように、圧縮ばね13により付勢されたピストン筒12が第1箇所に位置し、閉塞空間S1を介して吸入管6と導管8とが連通すると共に、高圧空間S2を介して吐出管5と導管7とが連通している。
【0048】
一方、圧縮機4が運転を開始すると、圧縮機4から吐出された冷媒が吐出管5を経て高圧空間S2に流入するが、この冷媒の圧力によって高圧室R1 側からピストン筒12に加わる力(以下、「順方向移動力」と略記する。)F1が、圧力変換室R2 内の冷媒の圧力によって圧力変換室R2 側 からピストン筒12に加わる力(以下、「逆方向移動力」と略記する。)F2と、圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に、弁シート11の平滑面11d及びス ライドバルブ27間の静止摩擦力(以下、単に「静止摩擦力」と略記する。)Ffを加えた合力以下であれば、ピストン筒12は第1箇所に位置したまま移動し ない。
【0049】
一方、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加えた合力を上回ると、ピストン筒12が第1箇所から移動し、図2に示すように、第2箇所に位置するようになる。
【0050】
そして、ピストン筒12が第1箇所に位置したまま移動しなければ、図1に示すように、吐出管5が高圧空間S2を介して導管7に連通し、かつ、吸入管6が閉塞空間S1を介して導管8に連通したままの状態となる。
【0051】
すると、高圧空間S2に連通する導管7と圧力変換室R2 とが管路14を介して常時連通していることから、高圧室R1 の冷媒圧力と圧力変換室R2 の冷媒圧力とが同じ値となる。
【0052】
したがって、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加えた合力以下となるように、圧縮機4から 吐出される冷媒の圧力が抑えられている限り、ピストン筒12は第1箇所に位置し続け、その結果、吐出管5が高圧空間S2を介して導管7に連通し、かつ、吸 入管6が閉塞空間S1を介して導管8に連通した状態に維持される。
【0053】
これに対して、ピストン筒12が第1箇所から第2箇所に移動すると、図2に示すように、吐出管5が高圧空間S2を介して導管8に連通すると共に、吸入管6が閉塞空間S1を介して導管7に連通する。
【0054】
すると、導管7と管路14とを介して圧力変換室R2 が吸入管6に常時連通し、この結果、圧縮機4の吐出口における冷媒の圧力と同じ値になる高圧室R1 の冷媒圧力が、圧縮機4の吸入口と連通してこの吸入口における冷媒の圧力と同じ値になる圧力変換室R2 の冷媒圧力よりも、圧縮機4による冷媒の吐出圧と吸入圧との差の分だけ上回るようになる。
【0055】
したがって、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力から静止摩擦力Ffを減じた力以下とならないように、圧縮機4 から吐出される冷媒の圧力がその後も高く維持されている限り、ピストン筒12は第2箇所に位置し続け、その結果、吐出管5が高圧空間S2を介して導管8に 連通し、かつ、吸入管6が閉塞空間S1を介して導管7に連通した状態に維持される。
【0056】
以上のとおりであるから、圧縮機4の運転開始時に、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加え た合力以下となるような圧力の冷媒を、吐出管5を介して高圧空間S2に流入させれば、図1に示すように、ピストン筒12が第1箇所に位置することになる。
【0057】
これに対し、圧縮機4の運転開始時に、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加えた合力を上回 る力となるような圧力の冷媒を、吐出管5を介して高圧空間S2に流入させれば、図2に示すように、ピストン筒12が第2箇所に位置することになる。
【0058】
また、その後、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力から静止摩擦力Ffを減じた力以下となるように、圧縮機4の 運転を一度停止させる等して、圧縮機4から吐出されて吐出管5を介して高圧空間S2に流入される冷媒の圧力を降下させると、図1に示すように、ピストン筒 12が第2箇所から第1箇所に移動することになる。
【0059】
よって、冷凍サイクルAを暖房モードで運転する場合は、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを 加えた合力以下となるように、運転開始時の圧縮機4の回転数を抑えて圧縮機4から吐出される冷媒の圧力を低くすることで、圧縮機4の運転後にもピストン筒 12を第1箇所に位置させ続ければよい。
【0060】
一方、冷凍サイクルAを冷房モードで運転する場合は、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加 えた合力を上回るように、運転開始時の圧縮機4の回転数を上げて圧縮機4から吐出される冷媒の圧力を高くすることで、圧縮機4の運転開始と共にピストン筒 12を第1箇所から第2箇所に移動させればよい。
【0061】
そして、ピストン筒12が第2箇所に一旦移動し終えてしまったならば、それ以後は、圧縮機4の回転数を下げても、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2 と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力から静止摩擦力Ffを減じた力を上回る限り、ピストン筒12が第2箇所に位置したままの状態に維持され、冷凍サイク ルAは冷房モードで運転され続ける。
【0062】
このように第1実施形態によれば、逆転弁本体1の内部を高圧室R1 と圧力変換室R2 に 区画するピストン筒12を第1箇所と第2箇所との間で移動させて、ピストン筒12に連結されたスライドバルブ27を弁シート11の平滑面11d上で摺動さ せることで、スライドバルブ27の内腔27aと平滑面11dとで画成される閉塞空間S1が吸入管6に対応する通孔11aに連通させる連通先を、導管7に対 応する通孔11bと導管8に対応する通孔11cとの間で切り換える流路切換弁に、次のような構成を採用した。
【0063】
即ち、管路14により導管7と圧力変換室R2 とを逆転弁本体1の外部において常時連通させ、ピストン筒12の第1箇所においては、圧力変換室R2 の冷媒圧力を、導管7及び管路14を介して連通する高圧室R1 の高圧空間S2の冷媒圧力と同じ値にさせて、ピストン筒12の位置を第1箇所に維持させる構成とした。
【0064】
また、ピストン筒12の第2箇所においては、圧力変換室R2 の冷媒の圧力を、導管7及び管路14を介して連通する吸入管6における冷媒の圧力、即ち、圧縮機4の吸入口における冷媒の圧力と等しくさせて、高圧室R1 の冷媒圧力よりも圧力変換室R2 の冷媒圧力を低くして、高圧室R1 の冷媒圧力と圧力変換室R2 の冷媒圧力との差により、ピストン筒12の位置を第2箇所に維持させる構成とした。
【0065】
このため、圧縮機4からの吐出冷媒が導管7を経て室内熱交換器9Aに供給される暖房モードと、導管8を経て室外熱交換器9Bに供給される冷房モードと を、電磁ソレノイド等の専用の動力源を用いずに、圧縮機4の運転開始時における吐出冷媒の圧力を変化させることで切り換え、その切換状態を維持させること ができる。
【0066】
そして、この第1実施形態のように、導管7に室内熱交換器9Aを接続すると共に導管8に室外熱交換器9Bを接続して、ピストン筒12が圧縮ばね13に付 勢されて第1箇所に位置する場合に、吐出管5が高圧空間S2と導管8とを介して室外熱交換器9Bに連通すると共に、吸入管6が閉塞空間S1と導管7とを介 して室内熱交換器9Aに連通する構成とすれば、特に、冷凍サイクルAを暖房主体で使用する場合に、次のような利点があるので、有利である。
【0067】
即ち、冷房モードによる冷凍サイクルAの運転開始時には、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ff を加えた合力を上回るように、圧縮機4の運転開始時における吐出冷媒の圧力を高くして、ピストン筒12を第1箇所から第2箇所に移動させることになる。
【0068】
しかし、冷房モードよりも頻度の多い暖房モードによる冷凍サイクルAの運転開始時には、圧縮機4の運転開始時における吐出冷媒の圧力を、冷房モードによ る冷凍サイクルAの運転開始時のように高くしなくても、ピストン筒12を第1箇所に位置させて、冷凍サイクルAの暖房モードによる運転を開始させ、その後 もピストン筒12を第1箇所に位置させ続けて、冷凍サイクルAを暖房モードの運転状態に維持することができるので、有利である。
【0069】
一方、この第1実施形態とは逆に、図3に本発明の第2実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成の説明図で示すように、導管7に室外熱交 換器9Bを接続すると共に導管8に室内熱交換器9Aを接続して、ピストン筒12が圧縮ばね13に付勢されて第1箇所に位置する場合に、吐出管5が高圧空間 S2と導管8とを介して室内熱交換器9Aに連通すると共に、吸入管6が閉塞空間S1と導管7とを介して室外熱交換器9Bに連通する構成とすれば、特に、冷 凍サイクルAを冷房主体で使用する場合に、次のような利点があるので、有利である。
【0070】
即ち、暖房モードによる冷凍サイクルAの運転開始時には、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ff を加えた合力を上回るように、圧縮機4の運転開始時における吐出冷媒の圧力を高くして、ピストン筒12を第1箇所から第2箇所に移動させることになる。
【0071】
しかし、暖房モードよりも頻度の多い冷房モードによる冷凍サイクルAの運転開始時は、圧縮機4の運転開始時における吐出冷媒の圧力を、暖房モードによる 冷凍サイクルAの運転開始時のように高くしなくても、ピストン筒12を第1箇所に位置させて、冷凍サイクルAの冷房モードによる運転を開始させ、その後も ピストン筒12を第1箇所に位置させ続けて、冷凍サイクルAを冷房モードの運転状態に維持することができるので、有利である。
【0072】
尚、上述した第1及び第2実施形態に係る流路切換弁において、管路14の途中に、図4に正面図で示し、かつ、図5に側面図で示すように、管路14の内径 よりも大きい内径の遅延室14´を介設し、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加えた合力を上 回るように、圧縮機4の吐出冷媒の圧力を高くした場合に、圧力変換室R2 内の冷媒の圧力が、導管7及び管路14を介して連通する高圧空間S2の圧力に等しくなるのに要する時間を、遅延室14´内に流入冷媒が充満するのに時間を要する分だけ遅延させるように構成してもよい。
【0073】
そして、そのように構成すれば、高圧空間S2の冷媒圧力を上昇させても圧力変換室R2 内の冷媒圧力がすぐには上昇しないので、高圧室R1 内の冷媒と圧力変換室R2 内の冷媒との間に差圧が生じ易くなり、ピストン筒12が第1箇所から第2箇所に移動し易くなるので、有利である。
【0074】
この場合、遅延室14´の構造は、図4及び図5に示すような、逆転弁本体1にベルト1´で取り付けるようなものに限らず任意である。
【0075】
次に、本発明の第3実施形態に係る流路切換弁を、図6及び図7を参照して説明する。
【0076】
図6は本発明の第3実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図であり、図6中において図1の第1実施形態に係る流路切換弁と同一の部材、部分には、図1で付したものと同一の引用符号を付して説明する。
【0077】
そして、図6において、暖房モード時における動作状態を断面にて示す第3実施形態の流路切換弁は、逆転弁本体1の外部を通って圧力変換室R2 と導管7とを常時連通させる管路14が省略されている点において、図1に示す第1実施形態の流路切換弁とは構成が異なっている。
【0078】
また、第3実施形態の流路切換弁では、図6に示すように、ピストン筒12に通孔121 (均圧通路に相当)が、導管7,8における冷媒の流量よりも遙かに少ない流量での冷媒の通過を可能とする内径で形成されていて、この通孔121 によって、高圧室R1 と圧力変換室R2 とが逆転弁本体1の内部で常時連通している点において、図1に示す第1実施形態の流路切換弁とは構成が異なっている。
【0079】
尚、逆転弁本体1と栓体2,3とにより請求項中のハウジングが構成されていて、圧縮機4の吐出口に連なる吐出管5が接続される逆転弁本体1部分が、請求 項中の吸入ポートに相当し、圧縮機4の吸入口に連なる吸入管6の接続対象である弁シート11の通孔11aが、請求項中の排出ポートに相当していると共に、 室内熱交換器9Aに連結される導管7や室外熱交換器9Bに連結される導管8の接続対象である弁シート11の通孔11b,11cが、請求項中の2つの切換 ポートに各々相当している点は、第1実施形態と同様である。
【0080】
次に、上述した構成による第3実施形態の流路切換弁の動作(作用)について説明する。
【0081】
まず、圧縮機4が停止している状態では、図6に示すように、圧縮ばね13の付勢力Fsによりピストン筒12が第1箇所に位置し、閉塞空間S1を介して吸入管6と導管8とが連通すると共に、高圧空間S2を介して吐出管5と導管7とが連通している。
【0082】
一方、圧縮機4が運転を開始した場合、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加えた合力以下で あれば、ピストン筒12は第1箇所に位置したまま移動せず、吐出管5が高圧空間S2を介して導管7に連通し、かつ、吸入管6が閉塞空間S1を介して導管8 に連通したままの状態となる。
【0083】
この場合には、圧縮機4から吐出管5を経て高圧空間S2に流入した冷媒により高圧室R1 の冷媒の圧力が上昇し、圧力変換室R2 の冷媒の圧力を上回るようになるが、ピストン筒12の通孔121 を介して高圧空間S2から圧力変換室R2 に冷媒が徐々に流入し、この結果、時間が経つと、高圧空間S2の冷媒の圧力と圧力変換室R2 の冷媒の圧力とが等しくなる。
【0084】
よって、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加えた合力以下となるように、圧縮機4から吐出 される冷媒の圧力が抑えられている限り、ピストン筒12は第1箇所に位置し続け、その結果、吐出管5が高圧空間S2を介して導管7に連通し、かつ、吸入管 6が閉塞空間S1を介して導管8に連通した状態に維持される。
【0085】
これに対して、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加えた合力を上回ると、ピストン筒12が 第1箇所から移動して、図7に冷房モード時における流路切換弁を断面で示す冷凍サイクルの説明図で示すように、ピストン筒12が栓体3に当接し、それ以上 の栓体3側への移動を規制されて、ピストン筒12が第2箇所に位置するようになり、吐出管5が高圧空間S2を介して導管8に連通すると共に、吸入管6が閉 塞空間S1を介して導管7に連通する。
【0086】
その後、静止摩擦力Ffが圧縮ばね13の付勢力Fsを上回るように高低圧力差を維持させて圧縮機4の運転を続ければ、ピストン筒12は第2箇所に位置し続ける。
【0087】
このような第3実施形態の流路切換弁によっても、第1実施形態の流路切換弁と同様に、圧縮機4からの吐出冷媒が導管7を経て室内熱交換器9Aに供給され る暖房モードと、導管8を経て室外熱交換器9Bに供給される冷房モードとを、電磁ソレノイド等の専用の動力源を用いずに、圧縮機4の運転開始時における吐 出冷媒の圧力を変化させることで切り換え、その切換状態を維持させることができる。
【0088】
そして、この第3実施形態のように、導管7に室内熱交換器9Aを接続すると共に導管8に室外熱交換器9Bを接続して、ピストン筒12が圧縮ばね13に付 勢されて第1箇所に位置する場合に、吐出管5が高圧空間S2と導管8とを介して室外熱交換器9Bに連通すると共に、吸入管6が閉塞空間S1と導管7とを介 して室内熱交換器9Aに連通する構成とすれば、特に、冷凍サイクルAを暖房主体で使用する場合に、第1実施形態の流路切換弁と同様の利点があるので、有利 である。
【0089】
一方、この第3実施形態とは逆に、図8に本発明の第4実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成の説明図で示すように、導管7に室外熱交 換器9Bを接続すると共に導管8に室内熱交換器9Aを接続して、ピストン筒12が圧縮ばね13に付勢されて第1箇所に位置する場合に、吐出管5が高圧空間 S2と導管8とを介して室内熱交換器9Aに連通すると共に、吸入管6が閉塞空間S1と導管7とを介して室外熱交換器9Bに連通する構成とすれば、特に、冷 凍サイクルAを冷房主体で使用する場合に、第2実施形態の流路切換弁と同様の利点があるので、有利である。
【0090】
尚、第1乃至第4の各実施形態の流路切換弁において、圧縮機4が運転している状態では、ピストン筒12が第1箇所に位置しているか第2箇所に位置してい るかを問わず、吐出管5を経て高圧空間S2に流入する圧縮機4からの吐出冷媒の圧力が、吸入管6を経て圧縮機4の吸入口に連通している閉塞空間S1内の冷 媒の圧力に対して高いため、両者の差に応じた力でスライドバルブ27が弁シート11に押し付けられる。
【0091】
したがって、圧縮機4の運転中は、スライドバルブ27を弁シート11に押し付ける力の基である、高圧空間S2の冷媒と閉塞空間S1内の冷媒との差圧分だけ、弁シート11の平滑面11dとスライドバルブ27との間の静止摩擦力が高くなることになる。
【0092】
よって、冷凍サイクルAの運転モードを冷房モードと暖房モードとの相互間で切り換えるために、ピストン筒12を第1箇所と第2箇所との相互間で移動させ る場合は、圧縮機4の運転を一旦停止させる等して、高圧空間S2の冷媒と閉塞空間S1内の冷媒との差圧を減らすかなくし、弁シート11の平滑面11dとス ライドバルブ27との間の静止摩擦力を下げるかなくすことが好ましい。
【0093】
また、上述した第3及び第4の各実施形態では、ピストン筒12の通孔121 により均圧通路を構成したが、移動部材に形成する均圧通路は、通孔に限らず他の部材との間に画成される通路であったり、通路と通孔との組み合わせによって構成してもよいのは、勿論のことである。
【0094】
次に、本発明の第5実施形態に係る流路切換弁を、図9乃至図14を参照して説明する。
【0095】
図9は本発明の第5実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図であり、図9において図1の第1実施形態に係る流路切換弁と同一の部材、部分には、図1で付したものと同一の引用符号を付して説明する。
【0096】
そして、図9において、暖房モード時における動作状態を断面にて示す第5実施形態の流路切換弁は、圧縮機4、室内熱交換器9A、室外熱交換器9B、キャ ピラリチューブ10Bと共に、冷凍サイクルAを構成しており、このキャピラリチューブ10Bは、室内熱交換器9Aと室外熱交換器9Bとの間に介設されてい る。
【0097】
また、第5実施形態の流路切換弁は、逆転弁本体1の一方の端部が栓体3に代えて封止ハウジング32aにより封止されていて、この封止ハウジング32aを 含んで、逆転弁本体1の一端部にラッチ機構32(請求項25乃至請求項28に記載のラッチ機構に相当)が設けられている点が、図1に示す第1実施形態の流 路切換弁とは構成が異なっている。
【0098】
この第5実施形態の流路切換弁においては、図10に冷房モード時における流路切換弁を断面で示す冷凍サイクルの説明図で示すように、ピストン筒12が封 止ハウジング32aに当接してそれ以上の封止ハウジング32a側への移動を規制される第2箇所と、図9に示すように、連結杆28の先端が栓体2に当接して それ以上の栓体2側への移動を規制される第1箇所との間で移動可能とされている。
【0099】
さらに、前記ラッチ機構32は、前記封止ハウジング32aと、この封止ハウジング32a内に収容されて一部が逆転弁本体1の圧力変換室R2 の内部に突出するガイド筒32c、ラッチコマ32k、及び、コイルスプリング32pとを有している。
【0100】
前記封止ハウジング32aは、一端が開放され他端が閉塞された中空の筒状を呈しており、図11に要部拡大断面図で示すように、封止ハウジング32aの閉 塞された他端寄りの周面箇所には、封止ハウジング32aの内部と外部とを連通させるポート32bが貫設されていて、このポート32bには、吸入管6に連な る管路14Bが接続されている。
【0101】
前記ガイド筒32cは、外筒32d及び内筒32eの2層で構成されており、このうち内筒32eには、ラッチ動作用のカム溝32fが形成されている。
【0102】
前記カム溝32fは、図12に内筒32eの要部拡大展開図で示すように、内筒32eの周方向に90゜ずつ間隔をおいて浅溝部32gと深溝部32hとを交 互に配置し、隣り合う浅溝部32gと深溝部32hとの間を連絡溝部32jにより接続することで、鋸刃を変形させたような形状に構成されている。
【0103】
前記ラッチコマ32kは、扁平の円筒状を呈していて、図11に示すように、ガイド筒32cの内筒32e内をその軸方向に移動可能な外径で形成されてお り、ラッチコマ32kの周方向に90゜ずつ間隔をおいた各周面箇所には、内筒32eのカム溝32fに挿入可能なカムフォロワピン32mが各々突設されてい て、ラッチコマ32kの内部には、その両端面間に亘って貫通孔32nが形成されている。
【0104】
前記コイルスプリング32pは、ラッチコマ32kと封止ハウジング32aの閉塞された他端との間に介設されており、その弾発力によりラッチコマ32kを封止ハウジング32aの開放された一端側に付勢している。
【0105】
そして、上述したラッチ機構32は、コイルスプリング32pの弾発力により付勢されたラッチコマ32kのカムフォロワピン32mが、カム溝32fの連絡溝部32jの第1傾斜面32j1 に案内されてストッパ面32j2 に当接することで、図11に示すように、ラッチコマ32kが、内筒32eの規制解除箇所、つまり、内筒32eの高圧室R1 側の端部付近に位置するように構成されている。
【0106】
また、上述した規制解除箇所に位置するラッチコマ32kのカムフォロワピン32mが、図12中に仮想線で示すカムフォロワピン32mの軌跡におけるaの箇所のように、深溝部32hに対向する連絡溝部32jの第1傾斜面j1 を経てストッパ面32j2 に当接している場合、この状態からコイルスプリング32pの弾発力に抗してラッチコマ32kを、封止ハウジング32aの他端側に移動させることで、ラッチ機構32は、次のような動作を行うように構成されている。
【0107】
即ち、カムフォロワピン32mがストッパ面32j2 に案内されて、図12中のaの箇所からbの箇所へと移動し、さらに、ストッパ面32j2 に対向する連絡溝部32jの第2傾斜面32j3 に案内されてbの箇所からcの箇所へと移動して、浅溝部32gのストッパ面32g1 に当接する。
【0108】
そして、この状態で、ラッチコマ32kを封止ハウジング32aの他端側に移動させる力がラッチコマ32kに作用し続けている限り、図13に要部拡大断面 図で示すように、図13中仮想線で示す上述の規制解除箇所から第1ストロークL1だけ封止ハウジング32aの他端側に移動した第1規制箇所において、ラッ チコマ32kの移動が規制されるように構成されている。
【0109】
同様に、上述した規制解除箇所のラッチコマ32kのカムフォロワピン32mが、図12中に仮想線で示すカムフォロワピン32mの軌跡におけるeの箇所のように、浅溝部32gに対向する連絡溝部32jの第1傾斜面j1 を経てストッパ面32j2 に当接している場合、この状態からコイルスプリング32pの弾発力に抗してラッチコマ32kを、内筒32eの内部において封止ハウジング32aの他端側に移動させることで、ラッチ機構32は、次のような動作を行うように構成されている。
【0110】
即ち、カムフォロワピン32mが、ストッパ面32j2 に案内されて、図12中のeの箇所からfの箇所へと移動し、さらに、ストッパ面32j2 に対向する連絡溝部32jの第2傾斜面32j3 に案内されてfの箇所からgの箇所へと移動して、深溝部32hの終端部に到達する。
【0111】
そして、ラッチコマ32kを封止ハウジング32aの他端側に移動させる力がラッチコマ32kに作用し続けている限り、図14に要部拡大断面図で示すよう に、図14中仮想線で示す上述の規制解除箇所から、第1ストロークL1よりも大きい第2ストロークL2だけ封止ハウジング32aの他端側に移動した第2規 制箇所において、ラッチコマ32kの移動が規制されるように構成されている。
【0112】
尚、上述した第2ストロークL2は、ピストン筒12の第1箇所と第2箇所との間隔よりも若干大きい寸法に設定されており、第1ストロークL1は、ピストン筒12の第1箇所と第2箇所との間隔よりも十分小さい寸法に設定されている。
【0113】
また、ラッチ機構32は、上述した第1規制箇所において移動が規制されているラッチコマ32kに対して、封止ハウジング32aの他端側に移動させる力が 作用しなくなると、コイルスプリング32pの弾発力により付勢されたラッチコマ32kのカムフォロワピン32mが、カム溝32fの連絡溝部32jの第1傾 斜面32j1 に案内されて、図12中のdの箇所からeの箇所へと移動し、ストッパ面32j2 に当接して、ラッチコマ32kが図11に示す上述の規制解除箇所に復帰するように構成されている。
【0114】
同様に、ラッチ機構32は、上述した第2規制箇所において移動が規制されているラッチコマ32kに対して、封止ハウジング32aの他端側に移動させる力 が作用しなくなると、コイルスプリング32pの弾発力により付勢されたラッチコマ32kのカムフォロワピン32mが、カム溝32fの連絡溝部32jの第1 傾斜面32j1 に案内されて、図12中のhの箇所からiの箇所へと移動し、ストッパ面32j2 に当接して、ラッチコマ32kが図11に示す上述の規制解除箇所に復帰するように構成されている。
【0115】
さらに、ラッチ機構32は、ラッチコマ32kが規制解除箇所、第2規制箇所、及び、第1規制箇所のいずれに位置しているかに拘わらず、ポート32bと、封止ハウジング32aの内部と、ラッチコマ32kの貫通孔32nとを介して、圧力変換室R2 を管路14Bに連通させるように構成されている。
【0116】
尚、第5実施形態の流路切換弁においては、図11等に示すように、ピストン筒12の圧力変換室R2 側の端面に操作ピン12eが突設されており、この操作ピン12eは、ピストン筒12の第1箇所において、図11に示すように、規制解除箇所のラッチコマ32kの端面から先端が僅かに離間する程度の突出寸法で形成されている。
【0117】
そして、第5実施形態の流路切換弁においては、逆転弁本体1と栓体2とラッチ機構32の封止ハウジング32aとにより請求項中のハウジングが構成されて いて、圧縮機4の吐出口に連なる吐出管5が接続される逆転弁本体1部分が、請求項中の吸入ポートに相当していると共に、圧縮機4の吸入口に連なる吸入管6 の接続対象である弁シート11の通孔11aが、請求項中の排出ポートに相当している。
【0118】
また、第5実施形態の流路切換弁においては、室内熱交換器9Aに連結される導管7や室外熱交換器9Bに連結される導管8の接続対象である弁シート11の通孔11b,11cが、請求項中の2つの切換ポートに各々相当している。
【0119】
次に、上述した構成による第5実施形態の流路切換弁の動作(作用)について説明する。
【0120】
まず、圧縮機4が停止している状態では、図9に示すように、圧縮ばね13により付勢されたピストン筒12が第1箇所に位置し、閉塞空間S1を介して吸入管6と導管8とが連通すると共に、高圧空間S2を介して吐出管5と導管7とが連通している。
【0121】
尚、この状態においては、ピストン筒12の操作ピン12eがラッチコマ32kに当接しているものの、ラッチコマ32kはコイルスプリング32pにより付勢されて、図11に示す規制解除箇所に位置している。
【0122】
一方、圧縮機4が運転を開始すると、圧縮機4から吐出された冷媒が吐出管5を経て高圧空間S2に流入すると共に、ラッチ機構32のポート32bと、封止ハウジング32aの内部と、ラッチコマ32kの貫通孔32nとを介して管路14Bに連通している圧力変換室R2 の冷媒圧力が、管路14Bの接続先である吸入管6における冷媒の圧力となる。
【0123】
したがって、高圧空間S2に流入した冷媒の圧力が圧力変換室R2 の冷媒の圧力よりも、圧縮機4による冷媒の吐出圧と吸入圧との差の分だけ上回って、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加えた合力を上回るようになる。
【0124】
そのため、ピストン筒12が逆転弁本体1内を第1箇所から第2箇所に向けて移動しようとし、この移動に伴いピストン筒12の操作ピン12eに押されて ラッチコマ32kが、コイルスプリング32pの付勢力に抗して封止ハウジング32aの閉塞された他端側に移動しようとする。
【0125】
ここで、連絡溝部32jの第1傾斜面32j1 に 案内されたカムフォロワピン32mの図12中のdの箇所からeの箇所への移動により、ラッチコマ32kが後述する第1規制箇所から規制解除箇所に復帰した 状態にあれば、その後に封止ハウジング32aの他端側にラッチコマ32kが移動することで、カムフォロワピン32mが、第2傾斜面32j3 に案内されて図12中のeの箇所からfの箇所を経て、深溝部32hの終端部であるgの箇所に到達し、これにより、図14に示すように、ラッチコマ32kが第2規制箇所に到達する。
【0126】
したがって、封止ハウジング32aの他端側へのラッチコマ32kの移動ストロークが第2ストロークL2となり、その結果、第1箇所から移動するピストン筒12が、図10に示すように、第2箇所に到達することになる。
【0127】
これに対し、連絡溝部32jの第1傾斜面32j1 に 案内されたカムフォロワピン32mの図12中のhの箇所からiの箇所への移動により、ラッチコマ32kが第2規制箇所から規制解除箇所に復帰した状態にあ れば、その後に封止ハウジング32aの他端側にラッチコマ32kが移動することで、カムフォロワピン32mが、第2傾斜面32j3 に案内されて図12中のbの箇所から、浅溝部32gのストッパ面32g1 に当接するcの箇所へと移動し、これにより、図13に示すように、ラッチコマ32kの移動が第1規制箇所において規制される。
【0128】
したがって、封止ハウジング32aの他端側へのラッチコマ32kの移動ストロークが第1ストロークL1となり、その結果、ピストン筒12が第1箇所から 移動しようとしても、第1規制箇所において移動を規制されたラッチコマ32kにより移動が規制されて、図9に示すように、ピストン筒12が第1箇所に位置 したまま殆ど移動しない。
【0129】
以上のとおりであるから、封止ハウジング32aの他端側への移動を第1規制箇所において規制されたラッチコマ32kに邪魔されて、ラッチコマ32kを操 作ピン12eによって押すピストン筒12が第2箇所に向けて殆ど移動できず第1箇所に位置したままであれば、吐出管5が高圧空間S2を介して導管7に連通 し、かつ、吸入管6が閉塞空間S1を介して導管8に連通したままの状態となる。
【0130】
これに対し、操作ピン12eによりラッチコマ32kを第2規制箇所に到達するまで押したピストン筒12が第2箇所に到達すると、図10に示すように、吐出管5が高圧空間S2を介して導管8に連通すると共に、吸入管6が閉塞空間S1を介して導管7に連通する。
【0131】
即ち、圧縮機4の運転開始に伴い第1箇所から第2箇所に向けて移動しようとするピストン筒12が、第2規制箇所から規制解除箇所に復帰したラッチコマ 32kを、操作ピン12eによって封止ハウジング32aの他端側に向けて押すと、図13に示すように、ラッチコマ32kの移動がラッチ機構32により第1 規制箇所において規制されるので、図9に示すように、ピストン筒12が第2箇所に向けて殆ど移動できずに第1箇所に位置することになる。
【0132】
また、その後、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力から静止摩擦力Ffを減じた力以下となるように、圧縮機4の 運転を一度停止させる等して、圧縮機4から吐出されて吐出管5を介して高圧空間S2に流入される冷媒の圧力を降下させると、第1規制箇所のラッチコマ 32kがコイルスプリング32pの付勢力により高圧室R1 側に移動して、図11に示すように、規制解除箇所に復帰することになる。
【0133】
一方、圧縮機4の運転開始に伴い第1箇所から第2箇所に向けて移動しようとするピストン筒12が、第1規制箇所から規制解除箇所に復帰したラッチコマ 32kを操作ピン12eによって封止ハウジング32aの他端側に向けて押すと、図14に示すように、ラッチコマ32kが第2規制箇所に到達して、図10に 示すように、ピストン筒12が第2箇所に到達することになる。
【0134】
また、その後、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力から静止摩擦力Ffを減じた力以下となるように、圧縮機4の 運転を一度停止させる等して、圧縮機4から吐出されて吐出管5を介して高圧空間S2に流入される冷媒の圧力を降下させると、第2規制箇所のラッチコマ 32kがコイルスプリング32pの付勢力により高圧室R1 側に移動して、図11に示すように、規制解除箇所に復帰することになる。
【0135】
よって、冷凍サイクルAを暖房モードで運転する場合は、ラッチコマ32kを第2規制箇所から規制解除箇所に復帰した状態としておいて、圧縮機4の運転を開始することで、圧縮機4の運転後にもピストン筒12を第1箇所に位置させ続ければよい。
【0136】
一方、冷凍サイクルAを冷房モードで運転する場合は、ラッチコマ32kを第1規制箇所から規制解除箇所に復帰した状態としておいて、圧縮機4の運転を開始することで、圧縮機4の運転直後にピストン筒12を第1箇所から第2箇所に移動させればよい。
【0137】
そして、ピストン筒12が第2箇所に一旦移動し終えてしまったならば、それ以後は、圧縮機4の回転数を下げても、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2 と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力から静止摩擦力Ffを減じた力を上回る限り、ピストン筒12が第2箇所に位置したままの状態に維持され、冷凍サイク ルAは冷房モードで運転され続ける。
【0138】
このように第5実施形態によれば、逆転弁本体1の圧力変換室R2 を 吸入管6に常時連通させると共に、第1箇所から第2箇所に移動するピストン筒12の操作ピン12eによって押されるラッチコマ32kの移動ストロークを、 ピストン筒12の第2箇所への到達を可能とする第2規制箇所までの第2ストロークL2と、ピストン筒12の第2箇所への到達を不能とする第1規制箇所まで の第1ストロークL1とに、ラッチ機構32によって交互に規制する構成とした。
【0139】
そして、ラッチコマ32kを第2規制箇所から規制解除箇所に復帰した状態としておいて、圧縮機4の運転を開始することで、ピストン筒12が第1箇所から 移動しないようにすると共に、ラッチコマ32kを第1規制箇所から規制解除箇所に復帰した状態としておいて、圧縮機4の運転を開始することで、ピストン筒 12を第1箇所から第2箇所に移動させるようにし、その後は、圧縮機4の運転を停止しない限り、ピストン筒12の位置が第2箇所に維持されるようにした。
【0140】
このため、吐出管5からの吐出冷媒が導管7を経て室内熱交換器9Aに供給される暖房モードと、導管8を経て室外熱交換器9Bに供給される冷房モードと を、電磁ソレノイド等の専用の動力源を用いずに、圧縮機4の運転開始の回数を調整することによって切り換え、その切換状態を維持させることができる。
【0141】
尚、この第5実施形態とは逆に、図15に本発明の第6実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成の説明図で示すように、導管7に室外熱交 換器9Bを接続すると共に導管8に室内熱交換器9Aを接続して、ピストン筒12がラッチ機構32に規制されて第1箇所に位置する場合に、吐出管5が閉塞空 間Sの外側の高圧室R1 部分と導管7とを介して室外熱交換器9Bに連通すると共に、吸入管6が閉塞空間Sと導管8とを介して室内熱交換器9Aに連通する構成としてもよい。
【0142】
また、ラッチ機構32は、ラッチコマ32kが規制解除箇所を介して第2規制箇所と第1規制箇所との間で交互に移動するものに限らず、トルクドライバを応用して構成した、第2規制箇所と第1規制箇所とを交互でなくランダムに選択するようなものであってもよい。
【0143】
さらに、図16に説明図で示すように、ピストン筒12の操作ピン12eの先端部12aをラッチコマ32kの軸受32rに嵌挿してラッチコマ32kと操作 ピン12eとを回転可能に連結し、図17に展開図で示すように、ラッチコマ32kのカムフォロワピン32mが移動するカム溝32fを、内筒32eの軸方向 に対して傾斜した1本の有限通路として、この有限通路の中途部に浅溝部32gを形成すると共に、有限通路の終端部に深溝部32hを形成する構成としてもよ い。
【0144】
このように構成すると、圧縮機4から吐出管5を経て高圧空間S2に流入する冷媒の圧力を高くして、ピストン筒12が第1箇所から第2箇所に向けて移動す る速度を速め、これにより、ラッチコマ32kに大きな回転モーメントが生じるようにすれば、浅溝部32gを通過してカムフォロワピン32mがカム溝32f の終端部の深溝部32hまで到達して、ピストン筒12が第2箇所に位置することになる。
【0145】
これに対し、圧縮機4から吐出管5を経て高圧空間S2に流入する冷媒の圧力を低くして、ピストン筒12が第1箇所から第2箇所に向けて移動する速度を遅 くし、これにより、ラッチコマ32kに小さな回転モーメントしか生じないようにすれば、カムフォロワピン32mが浅溝部32gを通過できずにこの浅溝部 32gに入り、その結果、ピストン筒12の第2箇所に向けた移動が規制されて第1箇所に止まることになる。
【0146】
そして、カムフォロワピン32mが浅溝部32g及び深溝部32hのどちらにあっても、圧縮機4の運転が停止されると、コイルスプリング32pの付勢力に よりラッチコマ32kが、図17中左端の初期位置に復帰し、その後の圧縮機4の運転開始により、その吐出冷媒の圧力に応じて、浅溝部32g及び深溝部 32hのどちらにもカムフォロワピン32mが移動できる状態となる。
【0147】
したがって、上述した構成とすれば、圧縮機4の吐出冷媒の圧力を高低させるだけでピストン筒12を第1箇所及び第2箇所のうち所望の箇所に位置させるこ とができ、しかも、浅溝部32gに位置するカムフォロワピン32mを深溝部32hに移動させることができるように、或は、深溝部32hに位置するカムフォ ロワピン32mを浅溝部32gに移動させることができるように、ラッチコマ32kを現位置のリセットのために回転させるべく、圧縮機4をわざわざ運転、停 止させる必要がないので、動作制御上有利である。
【0148】
次に、本発明の第7実施形態に係る流路切換弁を、図18乃至図22を参照して説明する。
【0149】
図18は本発明の第7実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図であり、図18中において図9の第5実施形態に係る冷凍サイクルと同一の部材、部分には、図9で付したものと同一の引用符号を付して説明する。
【0150】
そして、図18において、暖房モード時における動作状態を断面にて示す第7実施形態の流路切換弁は、ラッチ機構32に代えて、このラッチ機構32に構成 が類似したラッチ機構34(請求項29及び請求項30に記載の第2ラッチ機構に相当)を有するパイロット弁機構33が設けられており、ラッチ機構32の封 止ハウジング32に代えて栓体3により、逆転弁本体1の一端部を封止している点において、図9に示す第5実施形態の流路切換弁とは構成が大きく異なってい る。
【0151】
前記パイロット弁機構33は、図19に要部拡大断面図で示すように、圧力変換室R2 の内部を、ピストン筒12の第1箇所と第2箇所との間における移動を許容する高圧室R1 寄りの主室R3 と栓体3寄りの副室R4 とに区画する隔壁33aと、この隔壁33aに一体に形成された弁ブロック33bと、この弁ブロック33bに収容されたパイロット弁体33e(請求項29に記載のパイロット弁に相当)と、副室R4 の内部に配設されたベローズ33gと、バイロット弁体33eを開閉動作させる操作ピン33hとを有している。
【0152】
前記弁ブロック33bの内部には、副室R4 内に一端が開放されたパイロット通路33cと、このパイロット通路33cの他端から弁ブロック33bの周面に亘って延在して主室R3 に開放された開放通路33dとを有しており、パイロット弁体33eは、パイロット通路33cと開放通路33dとの交差箇所に配置されて、コイルスプリング33fによりパイロット通路33cの他端から一端側に付勢され、パイロット通路33cを閉塞するように構成されている。
【0153】
前記ベローズ33gは、その一端が栓体3の内面に固着されていて、拡縮することによりベローズ33gの他端が隔壁33aや弁ブロック33bに対して接近離間するように構成されており、このベローズ33gの内部空間によって、副室R4 の内部に第1空間R41が画成され、このベローズ33gの外側に位置する副室R4 部分によって、副室R4 の内部に第2空間R42が画成されている。
【0154】
そして、第1空間R41は、栓体3及びベローズ33gの一端を介して逆転弁本体1の外部から接続された管路14Dによって、吐出管5に常時連通しており、第2空間R42は、栓体3を介して逆転弁本体1の外部から接続された前記管路14Bによって、吸入管6に常時連通している。
【0155】
前記操作ピン33hは、ベローズ33gの他端に固着された操作プレート33jから立設されてパイロット通路33cの一端からその内部に挿入されている。
【0156】
前記ラッチ機構34は、図18及び図19中での詳細な図示は省略するものの、第5及び第6実施形態の流路切換弁におけるラッチ機構32におけるガイド筒 32c、ラッチコマ32k、及び、コイルスプリング32pを抽出して構成されていて、詳しくは、ラッチ機構32におけるガイド筒32cが弁ブロック33b の一端寄り部分により構成されており、ラッチ機構32におけるコイルスプリング32pの相当部品は、図18及び図19中での図示が省略されている。
【0157】
そして、ラッチ機構32におけるラッチコマ32kに相当する第7実施形態のラッチ機構34におけるラッチコマ34aは、ラッチ機構32におけるガイド筒 32cを構成する弁ブロック33bの一端に対して出没可能に構成されており、ラッチコマ34aの規制解除箇所は、図19に示すとおり、弁ブロック33bの 一端から副室R4 側 に突出した位置であり、ラッチコマ34aの第2規制箇所は、図20に要部拡大断面図で示すように、ラッチコマ34aが、図20中に仮想線で示す上述の規制 解除箇所から第2ストロークL2だけ弁ブロック33bの一端側に移動し、ラッチコマ34aの先端面が弁ブロック33bの一端と同一平面上となる位置であ る。
【0158】
また、ラッチコマ34aの第1規制箇所は、図21に要部拡大断面図で示すように、ラッチコマ34aが規制解除箇所から第2ストロークL2よりも短い第1 ストロークL1だけ弁ブロック33bの一端側に移動して、ラッチコマ34aの先端面が規制解除箇所よりも僅かに弁ブロック33bの一端寄り箇所にずれた位 置である。
【0159】
このように形成されたラッチ機構34付きのパイロット弁機構33は、ベローズ33gが縮小している際には、規制解除箇所のラッチコマ34aの先端面が操 作プレート33jに当接し、操作ピン33hがバイロット弁体33eから離間して、パイロット通路33cがバイロット弁体33eにより閉じられるように構成 されている。
【0160】
また、パイロット弁機構33は、ベローズ33gが拡張して規制解除箇所のラッチコマ34aを操作プレート33jが押圧した場合、ラッチコマ34aが第2 規制箇所から規制解除箇所に復帰した後であれば、操作プレート33jにより押されたラッチコマ34aが、規制解除箇所から第1ストロークL1だけ弁ブロッ ク33bの一端側に移動した第1規制箇所においてそれ以上の移動を規制され、第1規制箇所のラッチコマ34aにより移動を規制された操作プレート33jの 操作ピン33hが、バイロット弁体33eから離間したままとなり、パイロット通路33cがバイロット弁体33eにより閉じられたままとなるように構成され ている。
【0161】
さらに、パイロット弁機構33は、ベローズ33gが拡張して規制解除箇所のラッチコマ34aを操作プレート33jが押圧した場合、ラッチコマ34aが第 1規制箇所から規制解除箇所に復帰した後であれば、操作プレート33jにより押されたラッチコマ34aが、規制解除箇所から第2ストロークL2だけ弁ブ ロック33bの一端側に移動した第2規制箇所に到達して、操作プレート33jの操作ピン33hがバイロット弁体33eに接触し、このバイロット弁体33e をコイルスプリング33fの付勢力に抗してパイロット通路33cの他端から離間し、パイロット通路33cがバイロット弁体33eにより開かれるように構成 されている。
【0162】
尚、第7実施形態の流路切換弁においては、図18に示すように、パイロット弁機構33の隔壁33aが封止ハウジング32の代わりに圧縮ばね13の一端を受けている。
【0163】
また、第7実施形態の流路切換弁においては、請求項29中のパイロット通路が、パイロット通路33cと開放通路33dとにより構成されており、また、請求項29中の開弁部材が、操作ピン33hと操作プレート33jとにより構成されている。
【0164】
さらに、第7実施形態の流路切換弁は、上述した点を除くその他の点については、図9に示す第5実施形態の流路切換弁と同様に構成されており、また、第7 実施形態においては、逆転弁本体1と栓体2,3とにより請求項中のハウジングが構成されている点において、第5実施形態の流路切換弁とは構成が異なってい る。
【0165】
また、圧縮機4の吐出口に連なる吐出管5が接続される逆転弁本体1部分が、請求項中の吸入ポートに相当し、圧縮機4の吸入口に連なる吸入管6の接続対象 である弁シート11の通孔11aが、請求項中の排出ポートに相当していると共に、室内熱交換器9Aに連結される導管7や室外熱交換器9Bに連結される導管 8の接続対象である弁シート11の通孔11b,11cが、請求項中の2つの切換ポートに各々相当している点については、第5実施形態と同様である。
【0166】
次に、上述した構成による第7実施形態の流路切換弁の動作(作用)について説明する。
【0167】
まず、圧縮機4が停止している状態では、図18に示すように、圧縮ばね13により付勢されたピストン筒12が第1箇所に位置し、閉塞空間S1を介して吸入管6と導管8とが連通すると共に、高圧空間S2を介して吐出管5と導管7とが連通している。
【0168】
尚、この状態においては、コイルスプリング33fにより付勢されたパイロット弁体33eがパイロット通路33cを閉じているので、圧力変換室R2 の主室R3 は副室R4 から遮断されている。
【0169】
一方、圧縮機4が運転を開始すると、圧縮機4から吐出された冷媒が吐出管5を経て高圧空間S2に流入し、吐出管5に管路14Dを介して連通するベローズ33gの内部空間の内圧、即ち、副室R4 の第1空間R41の内圧が、吐出管5における冷媒の圧力となると共に、ベローズ33gの外側に位置する副室R4 部分の内圧、即ち、第2空間R42の内圧が、管路14Bを介して連通する吸入管6における冷媒の圧力となる。
【0170】
すると、副室R4 の第1空間R41の内圧が第2空間R42の内圧を上回って、第1空間R41を画成するベローズ33gが拡張し、これにより、第2空間R42が縮小するように、操作プレート33jが副室R4 内において隔壁33a側に移動し、この移動により操作プレート33jが、図19に示すように、隔壁33aから副室R4 の内部に突出している規制解除箇所のラッチコマ34aを、副室R4 の内部から退避する退避方向に移動させる。
【0171】
この際、操作プレート33jによるラッチコマ34aの退避方向への移動が、ラッチコマ34aが第1規制箇所から規制解除箇所に復帰した後であれば、ラッ チコマ34aの退避方向への移動がラッチ機構34により第2規制箇所において規制されるので、ラッチコマ34aの退避方向への移動ストロークが第2スト ロークL2となる。
【0172】
その結果、図20に示すように、操作プレート33jに連結されてパイロット通路33cに挿入された操作ピン33hがパイロット弁体33eに接触して、こ の操作ピン33hによりパイロット弁体33eが、コイルスプリング33fの付勢力に抗してパイロット通路33cの他端から離間するように移動させられるの で、パイロット通路33cが開く。
【0173】
これにより、主室R3 がパイロット通路33c及び開放通路33dを介して副室R4 の第2空間R42に連通し、この第2空間R42に常時連通している吸入管6と主室R3 との間が連通して、主室R3 の内部の圧力が、高圧空間S2に流入した冷媒の圧力に比べてかなり低い、吸入管6における冷媒の圧力となる。
【0174】
したがって、圧力変換室R2 の主室R3 の冷媒圧力が高圧室R1 の冷媒圧力を下回るようになり、そのため、主室R3 内 でピストン筒12が第1箇所から第2箇所に向けて移動し、図22に冷房モード時における流路切換弁を断面で示す冷凍サイクルの説明図で示すように、第2箇 所に位置するようになり、吐出管5が高圧空間S2を介して導管8に連通すると共に、吸入管6が閉塞空間S1を介して導管7に連通する。
【0175】
これに対し、操作プレート33jによるラッチコマ34aの退避方向への移動が、ラッチコマ34aが第2規制箇所から規制解除箇所に復帰した後であれば、 ラッチコマ34aの退避方向への移動が第1規制箇所において規制されるので、ラッチコマ34aの退避方向への移動ストロークが第1ストロークL1となる。
【0176】
その結果、図21に示すように、操作ピン33hはパイロット弁体33eに接触できず離間したままとなるので、パイロット弁体33eがコイルスプリング33fの付勢力でパイロット通路33cを閉じたままとなり、これにより、主室R3 が副室R4 の第2空間R42から遮断されたままとなり、図18に示すように、ピストン筒12は第1箇所に位置したまま移動せず、吐出管5が高圧空間S2を介して導管7に連通し、かつ、吸入管6が閉塞空間S1を介して導管8に連通したままの状態となる。
【0177】
即ち、第2規制箇所から規制解除箇所に復帰した後のラッチコマ34aを、圧縮機4の運転開始に伴う操作プレート33jの移動によって退避方向に移動させ ると、図21に示すように、ラッチコマ34aの移動がラッチ機構34により第1規制箇所において規制されて、コイルスプリング33fにより付勢されたパイ ロット弁体33eがパイロット通路33cを閉じるので、図18に示すように、ピストン筒12が第1箇所に位置したままとなる。
【0178】
また、その後、圧縮機4の運転を一度停止させる等して、副室R4 の第2空間R42の内圧を上回っている第1空間R41の内圧を第2空間R42の内圧に近づくように降下させ、これにより、第1空間R41、即ち、ベローズ33gの内部空間を縮小させ、かつ、第2空間R42を拡張させると、操作プレート33jにより第1規制箇所に移動させられていたラッチコマ34aが、図19に示すように、隔壁33aから副室R4 の内部に進出して規制解除箇所に復帰すると共に、このラッチコマ34aにより操作プレート33jが、隔壁33aから離間する方向に移動させられることになる。
【0179】
一方、第1規制箇所から規制解除箇所に復帰した後のラッチコマ34aを、圧縮機4の運転開始に伴う操作プレート33jの移動によって退避方向に移動させ ると、ラッチコマ34aの移動が第2規制箇所でしか規制されないことから、操作プレート33jに連結された操作ピン33hによりパイロット弁体33eが、 コイルスプリング33fの付勢力に抗してパイロット通路33cの他端から離間する方向に移動させられて、パイロット通路33cが開かれ、図22に示すよう に、ピストン筒12が第2箇所に位置することになる。
【0180】
また、その後、圧縮機4の運転を一度停止させる等して、副室R4 の第2空間R42の内圧を上回っている第1空間R41の内圧を第2空間R42の内圧に近づくように降下させ、これにより、第1空間R41、即ち、ベローズ33gの内部空間を縮小させ、かつ、第2空間R42を拡張させると、操作プレート33jにより第2規制箇所に移動させられていたラッチコマ34aが、図19に示すように、隔壁33aから副室R4 の内部に進出して規制解除箇所に復帰すると共に、このラッチコマ34aにより操作プレート33jが、隔壁33aから離間する方向に移動させられることになる。
【0181】
すると、操作プレート33jに連結された操作ピン33hがパイロット弁体33eから離間して、この操作ピン33hによりパイロット通路33cの他端から 離間する方向に移動されていたパイロット弁体33eがコイルスプリング33fの付勢力によりパイロット通路33cを閉じるので、図18に示すように、ピス トン筒12が第2箇所から第1箇所に移動することになる。
【0182】
このような構成による第7実施形態の流路切換弁によっても、第5実施形態の流路切換弁と同様の効果を得ることができる。
【0183】
尚、この第7実施形態とは逆に、図23に本発明の第8実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成の説明図で示すように、導管7に室外熱交 換器9Bを接続すると共に導管8に室内熱交換器9Aを接続して、ピストン筒12がラッチ機構32に規制されて第1箇所に位置する場合に、吐出管5が高圧空 間S2と導管7とを介して室外熱交換器9Bに連通すると共に、吸入管6が閉塞空間S1と導管8とを介して室内熱交換器9Aに連通する構成としてもよい。
【0184】
次に、本発明の第9実施形態に係る、電動膨脹弁の開度変化で流路の切換動作を行わせる流路切換弁を、図24乃至図27を参照して説明する。
【0185】
図24は本発明の第9実施形態に係る流路切換弁を適用した冷凍サイクルの概略構成を示す説明図であり、図24中において図1の第1実施形態に係る流路切換弁と同一の部材、部分には、図1で付したものと同一の引用符号を付して説明する。
【0186】
そして、図24において、暖房モード時における動作状態を断面にて示す第9実施形態の流路切換弁は、流路切換弁、圧縮機4、室内熱交換器9A、室外熱交 換器9B、電動膨張弁10A、及び、キャピラリチューブ10Bと共に、冷凍サイクルAを構成しており、これら電動膨張弁10Aとキャピラリチューブ10B とは、室内熱交換器9Aと室外熱交換器9Bとの間に介設されている。
【0187】
また、第9実施形態の流路切換弁は、逆転弁本体1の片方の端部を封止する栓体3を貫通して、状態保持用切換弁29のハウジング29aの一部が逆転弁本体1の内部に挿入されている点において、図1に示す第1実施形態の流路切換弁とは構成が大きく異なっている。
【0188】
この第9実施形態の流路切換弁においては、図25に冷房モード時における流路切換弁を断面で示す冷凍サイクルの説明図で示すように、栓体3に当接してそ れ以上の栓体3側への移動を規制される第2箇所と、図24に示すように、連結杆28の先端が栓体2に当接してそれ以上の栓体2側への移動を規制される第1 箇所との間で、ピストン筒12が移動可能とされている。
【0189】
さらに、前記状態保持用切換弁29は、図24に示すように、ハウジング29aと、このハウジング29a内に収容された切換弁体29e(第2切換弁体に相当)及びコイルスプリング29k(切換弁付勢手段に相当)とを有している。
【0190】
前記ハウジング29aは、図26に要部拡大断面図で示すように、一端が閉塞された筒状を呈していて、その開放端が逆転弁本体1の圧力変換室R2 の内部に挿入されており、ハウジング29aの閉塞端寄りの箇所には、ハウジング29aの内部と外部とを連通させる第1ポート29bが貫設されている。
【0191】
この第1ポート29bには、ハウジング29aの外側から管路14Aが接続されており、この管路14Aは、図24に示すように、冷凍サイクルAの電動膨張弁10Aとキャピラリチューブ10Bとの間の箇所に接続されている。
【0192】
また、図26に示すように、ハウジング29aのうち、第1ポート29bから栓体3寄りに位置をずらした箇所には、ハウジング29aの内部と外部とを連通させる第2ポート29cが貫設されている。
【0193】
この第2ポート29cには、ハウジング29aの外側から管路14Bが接続されており、この管路14Bは、図24に示すように、吸入管6に接続されている。
【0194】
さらに、図26に示すように、ハウジング29aには、ハウジング29aの周方向における位置を第2ポート29cと同じくして、ハウジング29aの内部と圧力変換室R2 とを連通させる第3ポート29dが貫設されている。
【0195】
また、前記切換弁体29eは、ハウジング29aの内径に対応する外径で形成されていて、切換弁体29eの一端には操作ピン29fが突設されており、操作 ピン29fは、ハウジング29aに嵌着されたストッパリング29gの内部を挿通して、ハウジング29aの開放端の外方に突出している。
【0196】
さらに、切換弁体29eの周面には環状溝29hが形成されており、切換弁体29eと操作ピン29fとの内部には、両者の全体に亘って通孔29jが貫設されている。
【0197】
前記コイルスプリング29kの一端側は切換弁体29eの通孔29jに挿入されて、通孔29j内の段差部に係止されており、コイルスプリング29kの他端 側はハウジング29aの閉塞端に当接されていて、コイルスプリング29kは切換弁体29eを、操作ピン29fとの段差部分がストッパリング29gに当接す る方向、即ち、切換弁体29eがハウジング29aの開放端から圧力変換室R2 側に突出する方向に付勢している。
【0198】
そして、上述した状態保持用切換弁29は、コイルスプリング29kの付勢力により切換弁体29eと操作ピン29fとの段差部分がストッパリング29gに 当接した第1状態において、切換弁体29eが第1ポート29bよりもハウジング29aの開放端側に位置して、この第1ポート29bが通孔29jを介して圧 力変換室R2 に連通されると共に、環状溝29hが第3ポート29dのみに臨んで、第2ポート29cが切換弁体29eの周面により閉塞されるように構成されている。
【0199】
また、状態保持用切換弁29は、図27に要部拡大断面図で示すように、コイルスプリング29kの付勢力に抗して、切換弁体29eと操作ピン29fとの段 差部分をストッパリング29gからハウジング29aの閉塞端側に離間させた第2状態において、第1ポート29bが切換弁体29eの周面により閉塞されると 共に、環状溝29hが第2ポート29cと第3ポート29dとに跨って臨んでこれらをハウジング29aの内部で連通させ、第2ポート29cが環状溝29h及 び第3ポート29dを介して圧力変換室R2 に連通されるように構成されている。
【0200】
次に、上述した構成による第9実施形態の流路切換弁の動作(作用)について説明する。
【0201】
まず、圧縮機4が停止している状態では、図24に示すように、圧縮ばね13により付勢されたピストン筒12が第1箇所に位置し、閉塞空間S1を介して吸入管6と導管8とが連通すると共に、高圧空間S2を介して吐出管5と導管7とが連通している。
【0202】
尚、この状態においては、コイルスプリング29kにより切換弁体29eが付勢されて、この切換弁体29eにより状態保持用切換弁29が、第1ポート29bを介して管路14Aに圧力変換室R2 が連通される第1状態とされて、圧力変換室R2 が、管路14Aの接続先である、冷凍サイクルAの電動膨張弁10Aとキャピラリチューブ10Bとの間の箇所に連通している。
【0203】
したがって、圧縮機4が運転を開始した場合、冷凍サイクルAの電動膨張弁10Aとキャピラリチューブ10Bとの間の箇所における冷媒の圧力が、高圧空間 S2に流入した冷媒の圧力とさほど変わらず、そのため、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加 えた合力以下であれば、ピストン筒12は第1箇所に位置したまま移動しない。
【0204】
また、ピストン筒12は第1箇所に位置したままであるから、切換弁体29eは、図26に示すように、コイルスプリング29kにより付勢されたままとなり、その結果、状態保持用切換弁29は圧力変換室R2 を管路14Aに連通させる第1状態を維持することになる。
【0205】
したがって、圧縮機4の運転開始後も、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加えた合力以下と なるように、圧縮機4から吐出される冷媒の圧力や、電動膨張弁10Aとキャピラリチューブ10Bとの間の箇所における冷媒の圧力が設定されている限り、ピ ストン筒12は第1箇所に位置し続け、その結果、吐出管5が高圧空間S2を介して導管7に連通し、かつ、吸入管6が閉塞空間S1を介して導管8に連通した ままの状態となる。
【0206】
これに対し、冷凍サイクルAの電動膨張弁10Aとキャピラリチューブ10Bとの間の箇所における冷媒の圧力が高圧空間S2に流入した冷媒の圧力に比べて かなり低く、そのため、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加えた合力を上回ると、ピストン筒 12が第1箇所から移動し、図25に示すように、第2箇所に位置するようになる。
【0207】
また、ピストン筒12が第2箇所に移動すると、ピストン筒12により操作ピン29fがハウジング29aの閉塞端側に押圧されて、図27に示すように、コ イルスプリング29kの付勢力に抗して操作ピン29fにより切換弁体29eが切換動作させられ、状態保持用切換弁29が、圧力変換室R2 を管路14Aに連通させる第1状態から、圧力変換室R2 を管路14Bに連通させる第2状態に切り換わる。
【0208】
すると、圧力変換室R2 が、管路14Bの接続先である吸入管6に連通して、圧力変換室R2 の冷媒圧力が、高圧空間S2に流入した冷媒の圧力に比べてかなり低い、吸入管6における冷媒の圧力となる。
【0209】
したがって、吐出管5における冷媒の圧力と吸入管6における冷媒の圧力との差の分だけ、高圧室R1 の冷媒圧力が圧力変換室R2 の冷媒圧力を上回るようになり、ピストン筒12が第2箇所に位置し続ける。
【0210】
そして、ピストン筒12が第2箇所に位置し続けることから、このピストン筒12に押圧された操作ピン29fによる、コイルスプリング29kの付勢力に抗した切換弁体29eの切換動作によって、状態保持用切換弁29が圧力変換室R2 を管路14Bに連通させる第2状態に維持される。
【0211】
即ち、圧縮機4の運転開始時に、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加えた合力が、順方向移動力F1以上となるよ うに、冷凍サイクルAの電動膨張弁10Aとキャピラリチューブ10Bとの間の箇所における冷媒の圧力を設定すると、図24に示すように、ピストン筒12が 第1箇所に位置したままとなると共に、状態保持用切換弁29が第1状態のままとなる。
【0212】
これに対し、圧縮機4の運転開始時に、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加えた合力が、順方向移動力F1を下回 るように、冷凍サイクルAの電動膨張弁10Aとキャピラリチューブ10Bとの間の箇所における冷媒の圧力を設定すると、図25に示すように、ピストン筒 12が第1箇所から第2箇所に移動し、これに伴い、状態保持用切換弁29が第1状態から第2状態に切り換わって、ピストン筒12が第2箇所に位置したまま の状態に維持されることになる。
【0213】
また、その後、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力から静止摩擦力Ffを減じた力以下となるように、圧縮機4の 運転を一度停止させる等して、圧縮機4から吐出されて吐出管5を介して高圧空間S2に流入される冷媒の圧力を降下させると、図24に示すように、ピストン 筒12が第2箇所から第1箇所に移動することになる。
【0214】
そして、ピストン筒12が第2箇所から第1箇所に移動すると、操作ピン29fにより切換動作させられていた切換弁体29eに、コイルスプリング29kの付勢力が作用して、状態保持用切換弁29が、圧力変換室R2 を管路14Bに連通させる第2状態から、圧力変換室R2 を管路14Aに連通させる第1状態に切り換わることになる。
【0215】
よって、冷凍サイクルAを暖房モードで運転する場合は、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加えた合力が、順方向 移動力F1以上となるように、圧縮機4の運転開始時に電動膨張弁10Aを閉塞側に制御して、冷凍サイクルAの電動膨張弁10Aとキャピラリチューブ10B との間の箇所における冷媒の圧力を高めに設定することで、ピストン筒12が第1箇所に維持されるようにすればよい。
【0216】
一方、冷凍サイクルAを冷房モードで運転する場合は、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加えた合力が、順方向移 動力F1を下回るように、圧縮機4の運転開始時に電動膨張弁10Aを開放側に制御して、冷凍サイクルAの電動膨張弁10Aとキャピラリチューブ10Bとの 間の箇所における冷媒の圧力を低めに設定することで、圧縮機4の運転直後にピストン筒12を第1箇所から第2箇所に移動させればよい。
【0217】
そして、ピストン筒12が第2箇所に一旦移動し終えてしまったならば、それ以後は、電動膨張弁10Aの開度を絞ったとしても、順方向移動力F1が、逆方 向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力から静止摩擦力Ffを減じた力を上回る限り、ピストン筒12が第2箇所に位置したままの状態に維持さ れ、冷凍サイクルAは冷房モードで運転され続ける。
【0218】
このように第9実施形態によれば、逆転弁本体1の圧力変換室R2 を、管路14A,14Bを介して、冷凍サイクルAの電動膨張弁10Aとキャピラリチューブ10Bとの間の箇所と、吸入管6とのいずれか一方に選択的に接続する状態保持用切換弁29を設ける構成とした。
【0219】
このため、圧縮機4からの吐出冷媒が導管7を経て室内熱交換器9Aに供給される暖房モードと、導管8を経て室外熱交換器9Bに供給される冷房モードと を、電磁ソレノイド等の専用の動力源を用いずに、圧縮機4の運転開始時における、電動膨張弁10Aとキャピラリチューブ10Bとの間における冷媒の圧力の 変化や、圧縮機4からの吐出冷媒の圧力の変化で切り換え、その切換状態を維持させることができる。
【0220】
そして、この第9実施形態によれば、流路切換弁の切換動作の動力を、電動膨脹弁10Aの開度の制御による逆転弁本体1の高圧室R1 と圧力変換室R2 との冷媒圧力の変化により得るようにしたので、従来の技術の欄で説明した電磁ソレノイド等の電動の駆動源を別途用いる必要をなくすことができる。
【0221】
次に、本発明の第10実施形態に係る、圧縮機の発生する振動の周波数変化で流路の切換動作を行わせる流路切換弁を、図28及び図29を参照して説明する。
【0222】
図28は本発明の第10実施形態に係る流路切換弁を適用した冷凍サイクルAの概略構成を示す説明図であり、図28中において図24の第9実施形態に係る冷凍サイクルと同一の部材、部分には、図24で付したものと同一の引用符号を付して説明する。
【0223】
そして、図28に示すように、第10実施形態に係る流路切換弁は、状態保持用切換弁29に代えて、ハウジング29aの第1ポート29bを省略した構成の 保持用切換弁29Aを設けると共に、前記管路14Bから分岐させた管路14Cを逆転弁本体1の外側から栓体3を介して圧力変換室R2 に接続し、この管路14C中にパイロット振動弁30を介設した点において、図24に示す第9実施形態の流路切換弁とは構成が大きく異なっている。
【0224】
前記パイロット振動弁30は、図29に拡大断面図で示すように、ハウジング30aと、このハウジング30aの内部に収容された振動子30dと、この振動子30dに取着されたボール弁30fと、コイルスプリング30g,30h,30jとを有している。
【0225】
ハウジング30aの一方の端面には、圧力変換室R2 の内部とハウジング30aの内部とを連通する第1ポート30bが形成されており、他方の端面には、管路14Bに連通する第2ポート30cが形成されている。
【0226】
前記振動子30dは、その断面長手方向の中央にフランジ部30eを有しており、このフランジ部30eを挟んで断面長手方向における振動子30dの両側部 分には、コイルスプリング30g,30hが各々巻装されていて、コイルスプリング30gは振動子30dのフランジ部30eとハウジング30aの一方の端面 との間に介設され、また、コイルスプリング30hは振動子30dのフランジ部30eとハウジング30aの他方の端面との間に介設されている。
【0227】
また、コイルスプリング30jは、振動子30dのフランジ部30eとハウジング30aの内壁との間に、ハウジング30aの周方向に間隔をおいて複数介設 されており、ボール弁30fは、ハウジング30aの一方の端面側に位置する振動子30dの一方の端面に一部埋め込まれている。
【0228】
上述した振動子30dは、コイルスプリング30g,30h,30jによって、3次元方向に移動可能で、かつ、コイルスプリング30g,30h,30jの弾発力により、ボール弁30fが第2ポート30cを閉塞する基準位置に復帰可能に支持されている。
【0229】
このように形成されたパイロット振動弁30は、特定周波数の振動がハウジング30aに生じた際に、コイルスプリング30g,30h,30j相互の弾発力 のバランスが崩れて振動子30dが共振し、これにより、振動子30dが所定の3次元軌跡上を周期的に移動して、ボール弁30fが第2ポート30cを開放す るように構成されている。
【0230】
尚、パイロット振動弁30は、特定周波数以外の周波数の振動がハウジング30aに生じた場合や、ハウジング30aに振動が発生していない状態において は、コイルスプリング30g,30h,30jの弾発力により振動子30dを基準位置に静置させて、ボール弁30fが第2ポート30cを閉塞し続けるように 構成されている。
【0231】
次に、上述した構成による第10実施形態に係る流路切換弁の動作(作用)について、簡単に説明する。
【0232】
まず、圧縮機4が停止している状態では、ピストン筒12が図28に示すように第1箇所に位置し、吸入管6と導管8とが連通すると共に、吐出管5と導管7 とが連通し、この状態においては、パイロット振動弁30の振動子30dが基準位置に静置されてボール弁30fが第2ポート30cを閉塞している。
【0233】
一方、圧縮機4が運転を開始すると、圧縮機4の振動が逆転弁本体1及び栓体3や、吸入管6及び管路14Cを介してハウジング30aに伝わり、圧縮機4の振動に応じた周波数でハウジング30aが振動する。
【0234】
そして、このハウジング30aの振動が特定周波数でなければ、振動子30dが基準位置に静置されてボール弁30fが第2ポート30cを閉塞することから、圧力変換室R2 が吸入管6から遮断された状態となり、したがって、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加えた合力以下である限り、ピストン筒12は第1箇所に位置したまま移動しない。
【0235】
また、ピストン筒12が第1箇所に位置したまま移動しなければ、切換弁体29eはコイルスプリング29kにより付勢されたままとなるので、状態保持用切換弁29は、圧力変換室R2 を管路14Bから遮断する第1状態を維持することになり、圧力変換室R2 の冷媒圧力に変化が生じないことから、ピストン筒12は第1箇所に位置し続ける。
【0236】
これに対し、圧縮機4からハウジング30aに伝わる振動が特定周波数であると、振動子30dが共振してボール弁30fが第2ポート30cを開放することから、圧力変換室R2 がパイロット振動弁30及び管路14Cを介して圧縮機4の吸入管6と連通して、圧力変換室R2 の冷媒圧力が、高圧空間S2に流入した冷媒の圧力に比べてかなり低い、吸入管6における冷媒の圧力となる。
【0237】
したがって、順方向移動力F1が、逆方向移動力F2と圧縮ばね13の付勢力Fsとの合成力に静止摩擦力Ffを加えた合力を上回る力ようになり、その結果、ピストン筒12が第1箇所から移動して第2箇所に位置するようになる。
【0238】
また、ピストン筒12が第1箇所から第2箇所に移動すると、ピストン筒12によりハウジング29aの閉塞端側に押圧された操作ピン29fが、コイルスプ リング29kの付勢力に抗して切換弁体29eを切換動作させ、状態保持用切換弁29が第1状態から第2状態に切り換わって圧力変換室R2 が管路14Bと連通し、パイロット振動弁30及び管路14Cとは異なる経路で圧力変換室R2 が、吸入管6に連通する。
【0239】
したがって、その後に圧縮機4の振動が変化し、この振動が伝わって振動するハウジング30aの振動周波数が特定周波数から変化して、振動子30dが基準位置に復帰してボール弁30fが第2ポート30cを閉塞しても、圧力変換室R2 の冷媒圧力が吸入管6における冷媒の圧力に維持され、その結果、ピストン筒12は第2箇所に位置し続ける。
【0240】
さらにその後、圧縮機4の運転を一度停止させる等して、圧縮機4から吐出管5を経て高圧空間S2に流入させる冷媒の圧力を降下させ、ピストン筒12を第 2箇所から第1箇所に移動させると、操作ピン29fにより切換動作させられていた切換弁体29eに作用するコイルスプリング29kの付勢力によって、状態 保持用切換弁29が第2状態から第1状態に切り換わり、パイロット振動弁30は、振動子30dが基準位置に復帰してボール弁30fが第2ポート30cを閉 塞した状態を維持することになる。
【0241】
よって、冷凍サイクルAを暖房モードで運転する場合は、逆転弁本体1及び栓体3や吸入管6及び管路14Cを介して伝わる圧縮機4の振動により、ハウジン グ30aが特定周波数以外の周波数で振動するように、圧縮機4の運転開始時における回転数を設定することで、圧縮機4の運転後にもピストン筒12を第1箇 所に位置させ続ければよい。
【0242】
一方、冷凍サイクルAを冷房モードで運転する場合は、逆転弁本体1及び栓体3や吸入管6及び管路14Cを介して伝わる圧縮機4の振動により、ハウジング 30aが特定周波数で振動するように、圧縮機4の運転開始時における回転数を設定することで、圧縮機4の運転直後にピストン筒12を第1箇所から第2箇所 に移動させればよい。
【0243】
そして、ピストン筒12が第2箇所に一旦移動し終えてしまったならば、後は、圧縮機4の運転を停止させない限り、圧縮機4の振動が変化し、この振動が伝 わって振動するハウジング30aの振動周波数が特定周波数から変化したとしても、ピストン筒12が第2箇所に位置したままの状態に維持され、冷凍サイクル Aは冷房モードで運転され続ける。
【0244】
このような構成による第10実施形態の流路切換弁によっても、第9実施形態の流路切換弁と同様の効果を得ることができる。
【0245】
そして、この第10実施形態によれば、流路切換弁の切換動作の動力を、圧縮機4が発生する振動の周波数の変化により開閉状態が変化するパイロット共振弁30によって、逆転弁本体1の高圧室R1 と圧力変換室R2 との冷媒圧力を変化させることで得るようにしたので、第9実施形態と同様に、従来の技術の欄で説明した電磁ソレノイド等の電動の駆動源を別途用いる必要をなくすことができる。
【0246】
また、第10実施形態によれば、第9実施形態のように、圧縮機4の運転開始時において、冷凍サイクルAの電動膨張弁10Aの開閉により、管路14Aを介して圧力変換室R2 に導入される冷媒の圧力を調整する必要がない分、冷凍サイクルA上から電動膨張弁10Aを省略して構成を簡素化することができると共に、暖房モードと冷房モードとを切り換えるための流路切換弁の切換動作を、より容易に行わせることができる。
【0247】
尚、上述した第9及び第10の各実施形態において、切換弁体29eに操作ピン29fを設ける代わりに、ピストン筒12に操作ピンを設ける構成としてもよい。
【0248】
次に、本発明の第11実施形態に係る、熱交換器による熱交換の能力調整で流路の切換動作を行わせる流路切換弁を、図30及び図31を参照して説明する。
【0249】
図30は本発明の第11実施形態に係る流路切換弁を適用した冷凍サイクルAの概略構成を示す説明図であり、図30中において図24の第9実施形態に係る冷凍サイクルと同一の部材、部分には、図24で付したものと同一の引用符号を付して説明する。
【0250】
そして、図30に示すように、第11実施形態に係る流路切換弁は、第9実施形態における電動膨脹弁10Aが省略され、吐出管5と吸入管6との間に差圧切換弁40が介設されている点において、図24に示す第9実施形態の流路切換弁とは構成が大きく異なっている。
【0251】
前記差圧切換弁40は、図31に拡大断面図で示すように、ハウジング40aと、このハウジング40aの内部に収容されたベローズ40bと、このベローズ 40bの伸縮によりハウジング40a内の第1室40cと第2室40dとを仕切る弁ポート40eを開閉する弁体40fと、この弁体40fを貫通しベローズ 40bの内部と連通するパイロット通路40gを弁体40fの開閉動作により開閉させるパイロット弁40hとを有しており、ベローズ40bはコイルスプリン グ40jにより収縮方向に付勢され、この付勢力により弁体40fは弁ポート40eを閉じる方向に付勢されている。
【0252】
そして、前記第1室40cには管路14Aが接続されており、前記第2室40dは管路14Dを介して吸入管6と連通しており、前記ベローズ40bの内部は、管路14Eを介して吐出管5と連通している。
【0253】
次に、第11実施形態に係る流路切換弁の動作(作用)について説明すると、管路14Eを介して吐出管5から冷媒が内部に導入されるベローズ40bは、そ の内部の冷媒と管路14Dを介して吸入管6から導入される第2室40d内の冷媒との差圧が、コイルスプリング40jの付勢力を上回らない限り、収縮した状 態を保ち、その間は弁体40fが弁ポート40eを閉じた状態のままとなるが、上述した冷媒の差圧がコイルスプリング40jの付勢力を上回ると、ベローズ 40bが伸張して弁体40fが弁ポート40eを開くことになる。
【0254】
尚、このコイルスプリング40jの付勢力を上回る冷媒の差圧を差圧域値Pkとすると、この差圧域値Pkはコイルスプリング40jの付勢力との関係により 相対的に設定されることになるが、いずれにしても、冷媒の差圧が実際にこの差圧域値Pkとされることは、通常の使用状態においてはなく、通常の冷媒の差圧 は、コイルスプリング40jの付勢力を下回る値に維持される。
【0255】
そして、暖房運転を行う際には、上述した冷媒の差圧がコイルスプリング40jの付勢力を下回る値となるように制御し、これにより、弁体40fに弁ポート 40eを閉じさせて、圧縮機4からの冷媒を吐出管5から管路14E、ベローズ40bの内部、弁体40fのパイロット通路40g、管路14Aを介して圧力変 換室R2 に導入させ、これにより、高圧室R1 の冷媒と圧力変換室R2 の冷媒とを同圧にさせてピストン筒12を第1箇所に位置させるようにする。
【0256】
これに対し、冷房運転を行う際には、上述した冷媒の差圧がコイルスプリング40jの付勢力を上回る差圧域値Pkとなるように一旦制御して、ベローズ 40bの伸張により弁体40fに弁ポート40eを開かせると共にパイロット弁40hによりパイロット通路40gを閉じさせ、これにより、圧力変換室R2 を管路14A、弁ポート40e、管路14Dを介して吸入管6に連通させ、圧力変換室R2 の冷媒を高圧室R1 の冷媒よりも低圧とさせて、ピストン筒12を第1箇所から第2箇所に移動させる。
【0257】
尚、ピストン筒12が一旦第2箇所に移動すると、その後は、第9実施形態の流路切換弁と同じく、状態保持用切換弁29によりピストン筒12が第2箇所に そのまま維持されるので、コイルスプリング40jの付勢力を下回る値まで冷媒の圧力を下げるよう制御しても、ピストン筒12が第2箇所に位置する冷房運転 状態がそのまま維持される。
【0258】
そして、冷媒の圧力が差圧域値Pkとなるように制御するには、室内熱交換器9Aや室外熱交換器9Bの熱交換量を変化させるのが一番容易であり、例えば、 室内熱交換器9Aや室外熱交換器9Bの送風機を停止させれば、それらにおける熱伝達が阻害されて熱交換効率が低下し、その結果、冷媒の圧力はより上昇して 高圧となり、圧縮機4に吸入される冷媒の圧力はより低下して、両者の差が大きくなるので、冷媒の圧力を容易に差圧域値Pkとすることができる。
【0259】
このような構成による第11実施形態によっても、第9実施形態や第10実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0260】
そして、この第11実施形態によれば、流路切換弁の切換動作の動力を、室内熱交換器9Aや室外熱交換器9Bにおける熱交換効率の変化により発生する冷媒の圧力変化によって、逆転弁本体1の高圧室R1 の冷媒と圧力変換室R2 の冷媒との差圧を変化させることで得るようにしたので、第9実施形態や第10実施形態の流路切換弁と同様に、従来の技術の欄で説明した電磁ソレノイド等の電動の駆動源を別途用いる必要をなくすことができる。
【0261】
次に、本発明の第12実施形態に係る、2つの三方弁により流路の切換動作を行わせる流路切換弁を、図32を参照して説明する。
【0262】
図32は本発明の第12実施形態に係る流路切換弁を適用した冷凍サイクルAの概略構成を示す説明図であり、図32中において図1の第1実施形態に係る流路切換弁と同一の部材、部分には、図1で付したものと同一の引用符号を付して説明する。
【0263】
そして、図32において、暖房モード時における動作状態を断面にて示す第12実施形態の流路切換弁は、室内熱交換器9A、絞り10、及び、室外熱交換器 9Bの直列回路に並列に接続される第1及び第2の2つの三方弁41,42により四方弁を構成し、これら第1及び第2の2つの三方弁41,42を圧縮機4に 接続した点において、図1に示す第1実施形態の流路切換弁とは構成が大きく異なっている。
【0264】
図32に示すように、前記第1三方弁41は、逆転弁本体1(ハウジングに相当)と、この逆転弁本体1に接続された吐出管5及び導管7A,8Aと、逆転弁 本体1の内部を介した吐出管5の連通先を導管7Aと導管8Aとの間で切り換えるピストン41a(移動部材に相当)とを有している。
【0265】
前記第1三方弁41の逆転弁本体1は、大径部1aの両側に小径部1b,1cを連接した筒状を呈しており、各小径部1b,1cに導管7A,8Aが各々接続されていると共に、大径部1aに吐出管5が接続されている。
【0266】
前記各小径部1b,1cの内部には軸受41b,41cが各々設けられていて、これら軸受41b,41cによりスライドシャフト41dが回転及び軸方向動 可能に支持されていると共に、各軸受41b,41cには、これら軸受41b,41cの両端間を貫通する通路41e,41fが設けられている。
【0267】
また、前記スライドシャフト41dの周面には、Eリング等によるストッパ41g,41hが軸方向に間隔をおいて嵌着されており、ストッパ41gと軸受 41bとの間、及び、ストッパ41hと軸受41cとの間に、コイルスプリング41j,41k(第2、第1付勢力蓄積手段に各々相当)が各々配設されてい て、これらコイルスプリング41j,41kはスライドシャフト41dに各々嵌装されている。
【0268】
さらに、前記ピストン41aは、小径部1b,1cの内径よりも大きく大径部1aの内径よりも小さい外径で形成されていて、大径部1a内に収容されている と共に、ストッパ41g,41h間においてスライドシャフト41dの軸方向にスライドできるように、スライドシャフト41dに対して嵌装されており、ピス トン41aとスライドシャフト41dとの間には、シール用のOリング41mが介設されている。
【0269】
尚、吐出管5は圧縮機4の吐出口(図示せず)に接続されており、導管7Aは室内熱交換器9Aに接続されており、導管8Aは室外熱交換器9Bに接続されている。
【0270】
このように形成された第1三方弁41においては、コイルスプリング41kの弾発力を上回る力が、スライドシャフト41dの小径部1b側の端面に加わると、スライドシャフト41dが小径部1c側に移動する。
【0271】
すると、ストッパ41gに押圧されてピストン41aが、大径部1aと小径部1cとの段差により形成された弁ポート1eを閉じると共に、大径部1aと小径 部1bとの段差により形成された弁ポート1dを開く第1箇所に移動し、軸受41bの通路41eを介して吐出管5が導管7Aに連通される。
【0272】
そして、ピストン41aの第1箇所においては、コイルスプリング41kが、ストッパ41hにより押圧され収縮して、スライドシャフト41dを小径部1b側に移動させる付勢力を蓄積した状態となる。
【0273】
また、図32に示す状態から、スライドシャフト41dの小径部1b側の端面に加わっていた力が解除されると、コイルスプリング41kの弾発力によりストッパ41hが押圧されてスライドシャフト41dが小径部1b側に移動する。
【0274】
すると、Oリング41mとスライドシャフト41dとの間の摺動抵抗によりスライドシャフト41dと共にピストン41aが、弁ポート1eを開くと共に弁ポート1dを閉じる第2箇所に移動し、軸受41cの通路41fを介して吐出管5が導管8Aに連通される。
【0275】
但し、コイルスプリング41kの弾発力によりスライドシャフト41dが小径部1b側に移動しただけの状態では、ピストン41aはスライドシャフト41d に対して相対移動せず、したがって、ピストン41aはストッパ41gに当接しストッパ41hからは離間していると共に、コイルスプリング41jは伸張して いる。
【0276】
そして、この状態から、コイルスプリング41jの弾発力を上回る力が、スライドシャフト41dの小径部1c側の端面に加わると、スライドシャフト41d のみが、ピストン41aにストッパ41hが当接するまで小径部1b側に移動して、ストッパ41gがピストン41aから小径部1b側に離間する。
【0277】
すると、コイルスプリング41jが、ストッパ41gにより押圧され収縮して、スライドシャフト41dを小径部1c側にスライドさせる付勢力を蓄積した状態となる。
【0278】
さらに、この状態から、スライドシャフト41dの小径部1c側の端面に加わっていた力が解除されると、コイルスプリング41jの弾発力によりスライドシャフト41dが小径部1c側に移動する。
【0279】
すると、Oリング41mとスライドシャフト41dとの間の摺動抵抗によりスライドシャフト41dと共にピストン41aが、弁ポート1eを閉じると共に弁ポート1dを開く第1箇所に移動し、軸受41bの通路41eを介して吐出管5が導管7Aに連通される。
【0280】
但し、コイルスプリング41jの弾発力によりスライドシャフト41dが小径部1c側に移動しただけの状態では、ピストン41aはスライドシャフト41d に対して相対移動せず、したがって、ピストン41aはストッパ41hに当接しストッパ41gからは離間していると共に、コイルスプリング41kは伸張して いる。
【0281】
そして、この状態から、コイルスプリング41kの弾発力を上回る力が、スライドシャフト41dの小径部1b側の端面に加わると、スライドシャフト41d のみが、ピストン41aにストッパ41gが当接するまで小径部1c側に移動して、ストッパ41hがピストン41aから小径部1c側に離間する。
【0282】
すると、コイルスプリング41kがストッパ41gにより押圧されて収縮し、図32に示す、スライドシャフト41dを小径部1b側にスライドさせる付勢力を蓄積した状態に復帰する。
【0283】
一方、前記第2三方弁42は、逆転弁本体1(ハウジングに相当)と、この逆転弁本体1に接続された吸入管6及び導管7B,8Bと、逆転弁本体1の内部を 介した吸入管6の連通先を導管7Bと導管8Bとの間で切り換える2つのピストン42a,42b(移動部材に相当)とを有している。
【0284】
前記第2三方弁42の逆転弁本体1は、小径部1fの両側に大径部1g,1hを連接した筒状を呈しており、各大径部1g,1hに導管7B,8Bが各々接続されていると共に、小径部1fに吸入管6が接続されている。
【0285】
前記逆転弁本体1の内部には、スライドシャフト42cがスラスト方向に移動可能に配設されていて、このスライドシャフト42cにはEリング等によるストッパ42d,42e,42f,42gが軸方向に間隔をおいて嵌着されている。
【0286】
前記各ピストン42a,42bは、小径部1fの内径よりも大きく大径部1g,1hの内径よりも小さい外径で各々形成されていて、ピストン42aは大径部 1g内に、ピストン42bは大径部1h内に各々収容されていると共に、ピストン42aは、ストッパ42d,42e間においてスライドシャフト42cの軸方 向にスライドできるように、また、ピストン42bは、ストッパ42f,42g間においてスライドシャフト42cの軸方向にスライドできるように、各々スラ イドシャフト41dに対して嵌装されている。
【0287】
そして、大径部1gにはピストン42aを大径部1h側に付勢するコイルスプリング42hが収容されていると共に、大径部1hにはピストン42bを大径部 1g側に付勢するコイルスプリング42jが収容されており、各ピストン42a,42bとスライドシャフト42cとの間には、シール用のOリング42k, 42mが各々介設されている。
【0288】
尚、吸入管6は圧縮機4の吸入口(図示せず)に接続されており、導管7Bは室内熱交換器9A及び第1三方弁41の導管7Aに接続されており、導管8Bは室外熱交換器9B及び第1三方弁41の導管8Aに接続されている。
【0289】
このように形成された第2三方弁42においては、コイルスプリング42jの弾発力を上回る力が大径部1g側からスライドシャフト42cに加わると、ストッパ42dの取着されたスライドシャフト42cが大径部1h側にスライドする。
【0290】
すると、ストッパ42fに押圧されてピストン42bが、小径部1fと大径部1hとの段差により形成された弁ポート1mを開く第2箇所に移動し、かつ、O リング42kとスライドシャフト42cとの間の摺動抵抗によりピストン42aが、小径部1fと大径部1gとの段差により形成された弁ポート1kを閉じる第 2箇所に移動し、吸入管6が導管8Bに連通される。
【0291】
そして、ピストン42aの第2箇所においては、コイルスプリング42jがピストン42bにより押圧されて収縮し、ピストン42bを大径部1g側にスライドさせる付勢力を蓄積した状態となる。
【0292】
また、第2三方弁42においては、図32に示す状態から、スライドシャフト42cに大径部1g側から加わっていた力が解除されると、コイルスプリング 42jの弾発力によりピストン42bが押圧されて、弁ポート1mを閉じる第1箇所にピストン42bが移動すると共に、スライドシャフト42cが大径部1g 側に移動する。
【0293】
すると、スライドシャフト42cが大径部1g側に移動する途中の時点までは、Oリング42kとスライドシャフト42cとの間の摺動抵抗によりスライドシャフト42cと共にピストン42aが、弁ポート1kを開く第1箇所に移動し、吸入管6が導管7Bに連通される。
【0294】
そして、この状態からスライドシャフト42cがさらに大径部1g側に移動すると、Oリング42kとスライドシャフト42cとの間の摺動抵抗を上回る弾発 力が、コイルスプリング42hからピストン42aに働いて、この弾発力によりピストン42aが第1箇所に止まり、ピストン42aに対してスライドシャフト 42cのみが大径部1g側に移動して、それまで当接していたストッパ42dがピストン42aから離間すると共に、それまで離間していたストッパ42eがピ ストン42aに接触する。
【0295】
この状態で、コイルスプリング42hの弾発力を上回る力が大径部1h側からスライドシャフト42cに加わると、ストッパ42eに押圧されてピストン 42aが大径部1g側に移動し、これによりコイルスプリング42hが、ピストン42aにより押圧され収縮して、ピストン42aを大径部1h側に移動させる 付勢力を蓄積した状態となる。
【0296】
これと共に、弁ポート1mを閉じる第1箇所においてピストン42bがそれ以上の大径部1g側への移動を規制されていることから、それまで当接していたストッパ42fがピストン42bから離間すると共に、それまで離間していたストッパ42gがピストン42bに接触する。
【0297】
この状態から、スライドシャフト42cに大径部1h側から加わっていた力が解除されると、コイルスプリング42hの弾発力によりピストン42aが押圧さ れて、弁ポート1kを閉じる第2箇所にピストン42aが移動すると共に、スライドシャフト42cが大径部1h側に移動する。
【0298】
すると、スライドシャフト42cが大径部1h側に移動する途中の時点までは、Oリング42mとスライドシャフト42cとの間の摺動抵抗によりスライド シャフト42cと共にピストン42bが、弁ポート1mを開く第2箇所に移動し、これにより、吸入管6が導管8Bに連通される。
【0299】
そして、この状態からスライドシャフト42cがさらに大径部1h側に移動すると、Oリング42mとスライドシャフト42cとの間の摺動抵抗を上回る弾発 力が、コイルスプリング42jからピストン42bに働いて、この弾発力によりピストン42bが第2箇所に止まり、ピストン42bに対してスライドシャフト 42cのみが大径部1h側に移動して、それまで当接していたストッパ42gがピストン42bから離間すると共に、それまで離間していたストッパ42fがピ ストン42bに接触する。
【0300】
この状態で、コイルスプリング42jの弾発力を上回る力が大径部1g側からスライドシャフト42cに加わると、ストッパ42fに押圧されてピストン 42bが大径部1h側に移動し、これによりコイルスプリング42jが、ピストン42bにより押圧され収縮して、ピストン42bを大径部1g側に移動させる 付勢力を蓄積した状態となる。
【0301】
これと共に、弁ポート1kを閉じる第2箇所においてピストン42aがそれ以上の大径部1h側への移動を規制されていることから、それまで当接していたス トッパ42eがピストン42aから離間すると共に、それまで離間していたストッパ42dがピストン42aに接触して、図32に示す状態に戻る。
【0302】
次に、上述した構成による第12実施形態の流路切換弁の動作(作用)について説明する。
【0303】
まず、圧縮機4が停止している状態では、第1三方弁41の各コイルスプリング41j,41kや第2三方弁42の各コイルスプリング42h,42jはいず れも伸張していて、付勢力を蓄えていない状態にあり、第1三方弁41のピストン41aや第2三方弁42のピストン42a,42bは、直前の圧縮機4の運転 中と同じ位置にある。
【0304】
ここで、第1三方弁41のピストン41aが第1箇所にあり、第2三方弁42のピストン42a,42bが第2箇所にあるものとして、圧縮機4が運転を開始 すると、圧縮機4から吐出された高圧冷媒が吐出管5を経て第1三方弁41の大径部1aに流入し、さらに、弁ポート1d及び軸受41bの通路41eを介し て、導管7Aから室内熱交換器9Aに流入する。
【0305】
すると、室内熱交換器9Aに流入した冷媒が絞り10及び室外熱交換器9Bを経て第2三方弁42の導管8Bに流入し、さらに、弁ポート1m及び吸入管6を介して圧縮機4の吸入口に戻るので、冷凍サイクルAは暖房モードとなる。
【0306】
このとき、第1三方弁41においては、圧縮機4の吐出口に連通する導管7Aの方が、第2三方弁42を介して圧縮機4の吸入口に連通する導管8Aよりも、 冷媒の圧力が高いことから、コイルスプリング41kの弾発力を上回る力でスライドシャフト41dが小径部1c側に押圧されてコイルスプリング41kが収縮 され、これにより、スライドシャフト41dを小径部1b側に付勢する付勢力がコイルスプリング41kに蓄積される。
【0307】
一方、第2三方弁42においては、第1三方弁41を介して圧縮機4の吐出口に連通する導管7Bの方が、圧縮機4の吸入口に連通する導管8Bよりも、冷媒 の圧力が高いことから、コイルスプリング42jの弾発力を上回る力が大径部1g側からスライドシャフト42cに加わり、これにより、ピストン42bが大径 部1h側に押圧されてコイルスプリング42jが収縮され、ピストン42bを大径部1g側に付勢する付勢力がコイルスプリング42jに蓄積される。
【0308】
したがって、その後、圧縮機4の運転が停止されると、第1三方弁41においては、コイルスプリング41kに蓄積された付勢力により、スライドシャフト41dと共にピストン41aが、小径部1b側に移動して第2箇所に位置するようになる。
【0309】
また、第2三方弁42においては、コイルスプリング42jに蓄積された付勢力により、ピストン42bが大径部1g側に移動して第1箇所に位置すると共 に、スライドシャフト42c及びピストン42aがピストン42bと共に移動して、ピストン42aが第1箇所に位置するようになる。
【0310】
この状態で圧縮機4が運転を開始すると、圧縮機4から吐出された高圧冷媒が吐出管5を経て第1三方弁41の大径部1aに流入し、さらに、弁ポート1e及び軸受41cの通路41fを介して、導管8Aから室外熱交換器9Bに流入する。
【0311】
すると、室外熱交換器9Bに流入した冷媒が絞り10及び室内熱交換器9Aを経て第2三方弁42の導管7Bに流入し、さらに、弁ポート1k及び吸入管6を介して圧縮機4の吸入口に戻るので、冷凍サイクルAは冷房モードとなる。
【0312】
このとき、第1三方弁41においては、圧縮機4の吐出口に連通する導管8Aの方が、第2三方弁42を介して圧縮機4の吸入口に連通する導管7Aよりも、 冷媒の圧力が高いことから、コイルスプリング41jの弾発力を上回る力でスライドシャフト41dが小径部1b側に押圧されてコイルスプリング41jが収縮 され、これにより、スライドシャフト41dを小径部1c側に付勢する付勢力がコイルスプリング41jに蓄積される。
【0313】
一方、第2三方弁42においては、第1三方弁41を介して圧縮機4の吐出口に連通する導管8Bの方が、圧縮機4の吸入口に連通する導管7Bよりも、冷媒 の圧力が高いことから、コイルスプリング42hの弾発力を上回る力が大径部1h側からスライドシャフト42cに加わり、これにより、ピストン42aが大径 部1g側に押圧されてコイルスプリング42hが収縮され、ピストン42aを大径部1h側に付勢する付勢力がコイルスプリング42hに蓄積される。
【0314】
したがって、その後、圧縮機の運転が停止されると、第1三方弁41においては、コイルスプリング41jに蓄積された付勢力により、スライドシャフト41dと共にピストン41aが、小径部1c側に移動して第1箇所に位置するようになる。
【0315】
また、第2三方弁42においては、コイルスプリング42hに蓄積された付勢力により、ピストン42aが大径部1h側に移動して第2箇所に位置すると共 に、スライドシャフト42c及びピストン42bがピストン42aと共に移動して、ピストン42bが第2箇所に位置するようになる。
【0316】
このように第12実施形態によれば、圧縮機4の運転中に蓄積される付勢力を用いて圧縮機4の運転停止時に連通先を切り換える第1及び第2の三方弁41,42により、冷凍サイクルAにおける冷媒の流路を切り換える四方弁を構成するようにした。
【0317】
このため、吐出管5からの吐出冷媒が第1三方弁41の導管7Aを経て室内熱交換器9Aに供給される暖房モードと、第1三方弁41の導管8Aを経て室外熱 交換器9Bに供給される冷房モードとを、電磁ソレノイド等の専用の動力源を用いずに、圧縮機4の運転開始の回数を調整することによって切り換え、その切換 状態を維持させることができる。
【0318】
しかも、この第12実施形態によれば、第1三方弁41や第2三方弁42における吐出管5や吸入管6の連通先の切り換えが、圧縮機4の運転開始及び停止に より従動的に行われるので、電気的な駆動のための動力源を不要にするだけに止まらず、流路を切り換えるため電気的な信号による制御をも不要にできるので、 有利である。
【0319】
次に、本発明の第13実施形態に係る、パイロット弁として三方弁を用いた四方弁により流路の切換動作を行わせる流路切換弁を、図33を参照して説明する。
【0320】
図33は本発明の第13実施形態に係る流路切換弁を適用した冷凍サイクルAの概略構成を示す説明図であり、図33中において図6の第3実施形態に係る流路切換弁と同一の部材、部分には、図6で付したものと同一の引用符号を付して説明する。
【0321】
そして、図33において、暖房モード時における動作状態を断面にて示す第13実施形態の流路切換弁は、スライド式四方弁43と、このスライド式四方弁43のパイロット弁として機能する三方弁44(パイロット弁に相当)とを有している。
【0322】
このうち、スライド式四方弁43は、高圧室R1 を挟んで圧力変換室R2 と対向する第2圧力変換室R5 (第 3圧力室に相当)を画成する第2ピストン筒12´が、逆転弁本体1内における弁シート11と栓体2との間に設けられており、スライドバルブ27と第2ピス トン筒12´とが第2連結杆28´により連結されていると共に、ピストン筒12を第2箇所から第1箇所に向けて付勢する圧縮ばね13が省略されている点に おいて、図6に示す第3実施形態の流路切換弁とは構成が大きく異なっている。
【0323】
このスライド式四方弁43においては、ピストン筒12の通孔121 (第1均圧通路に相当)と同様の第2通孔121 ´(第2均圧通路に相当)が第2ピストン筒12´に形成されていて、この第2通孔121 ´によって、高圧室R1 と第2圧力変換室R5 とが常時連通している。
【0324】
そして、圧縮機4の吸入口に連なる吸入管6には導管14Fの一端が接続されており、栓体2には、外部から管路14Gの一端が接続されていると共に弁座2aが形成されており、栓体3には、外部から管路14Hの一端が接続されていると共に弁座3aが形成されている。
【0325】
また、ピストン筒12には、図33に示すピストン筒12の第1箇所において栓体3の弁座3aから離間し導管14Hと圧力変換室R2 とを連通させる副弁122 (第1副弁に相当)が設けられており、第2ピストン筒12´には、図33に示すピストン筒12の第1箇所において栓体2の弁座2aに着座し導管14Gと第2圧力変換室R5 とを遮断する第2副弁122 ´が設けられている。
【0326】
尚、閉塞空間S1を介して吸入管6と導管7とが連通すると共に高圧空間S2を介して吐出管5と導管8とが連通するピストン筒12の第2箇所において、副弁122 は栓体3の弁座3aに着座して導管14Hと圧力変換室R2 とを遮断し、第2副弁122 ´は栓体2の弁座2aから離間して導管14Gと第2圧力変換室R5 とを連通させる。
【0327】
そして、このスライド式四方弁43においては、ピストン筒12及び第2ピストン筒12´により、請求項中の移動部材が構成されている。
【0328】
また、三方弁44は、スライド式四方弁43の外部に設けられており、導管14F,14G,14Hの各他端が接続されたハウジング44a(第2ハウジング に相当)と、導管14Fの連通先を導管14Gと導管14Hとの間で切り換える2つのピストン44b,44c(切換弁体に相当)とを有している。
【0329】
前記ハウジング44aは、小径部1fの両側に大径部1g,1hを連接した筒状を呈しており、各大径部1g,1hに導管14G,14Hの各他端が各々接続されていると共に、小径部1fに導管14Fが接続されている。
【0330】
前記ハウジング44aの内部には、スライドシャフト44dがスラスト方向に移動可能に配設されていて、このスライドシャフト44dにはEリング等によるストッパ44e,44f,44g,44hが軸方向に間隔をおいて嵌着されている。
【0331】
前記各ピストン44b,44cは、小径部1fの内径よりも大きく大径部1g,1hの内径よりも小さい外径で各々形成されていて、ピストン44bは大径部 1g内に、ピストン44cは大径部1h内に各々収容されていると共に、ピストン44bは、ストッパ44e,44f間においてスライドシャフト44dの軸方 向にスライドできるように、ピストン44cは、ストッパ44g,44h間においてスライドシャフト44dの軸方向にスライドできるように、各々スライド シャフト44dに対して嵌装されている。
【0332】
そして、大径部1gには、ストッパ44eを介してスライドシャフト44dを大径部1h側に付勢するコイルスプリング44j(第4付勢力蓄積手段に相当) が収容されていると共に、大径部1hには、ストッパ44hを介してスライドシャフト44dを大径部1g側に付勢するコイルスプリング44k(第3付勢力蓄 積手段に相当)が収容されており、各ピストン44b,44cとスライドシャフト44dとの間には、シール用のOリング44m,44nが各々介設されてい る。
【0333】
また、大径部1gには、ストッパ44eよりも大きくピストン44bよりも小さい内径の環状を呈するストッパ44pが取着されており、大径部1hには、ストッパ44hよりも大きくピストン44cよりも小さい内径の環状を呈するストッパ44rが取着されている。
【0334】
そして、ストッパ44rには、図33に示すようにピストン44cが当接した状態でこのストッパ44rの両側を連通させる通孔44tが貫設されており、同様の通孔44sがストッパ44pにも貫設されている。
【0335】
このように形成された三方弁44においては、コイルスプリング44kの弾発力を上回る力が大径部1g側からスライドシャフト44dに加わると、スライドシャフト44dが大径部1h側にスライドする。
【0336】
すると、ストッパ44gに押圧されてピストン44cが、小径部1fと大径部1hとの段差により形成された弁ポート1mを開き、かつ、ストッパ44rに当 接する第2箇所に移動すると共に、ストッパ44eに押圧されてピストン44bが、小径部1fと大径部1gとの段差により形成された弁ポート1kを閉じ、か つ、ストッパ44pから離間する第2箇所に移動し、これにより、小径部1f、大径部1h、及び、ストッパ44rの通孔44tを介して、導管14Fが導管 14Gに連通される。
【0337】
そして、ピストン44bの第2箇所においては、コイルスプリング44kがストッパ44hにより押圧されて収縮し、ストッパ44hを大径部1g側にスライドさせる付勢力を蓄積した状態となる。
【0338】
また、三方弁44においては、図33に示す状態から、スライドシャフト44dに大径部1g側から加わっていた力が解除されると、コイルスプリング44k の弾発力によりストッパ44hを介してスライドシャフト44dが押圧されて、スライドシャフト44dが大径部1g側に移動し、Oリング44nとスライド シャフト44dとの間の摺動抵抗によりスライドシャフト44dと共にピストン44cが、弁ポート1mを閉じ、かつ、ストッパ44rから離間する第1箇所に 移動する。
【0339】
これと共に、大径部1g側に移動するスライドシャフト44dとOリング44mとの間の摺動抵抗により、スライドシャフト44dと共にピストン44bが、 弁ポート1kを開き、かつ、ストッパ44pに当接する第1箇所に移動し、これにより、小径部1f、大径部1g、及び、ストッパ44pの通孔44sを介し て、導管14Fが導管14Hに連通される。
【0340】
但し、コイルスプリング44kの弾発力によりスライドシャフト44dが大径部1g側にスライドしただけの状態では、ピストン44b,44cはスライド シャフト44dに対して各々相対移動せず、したがって、ピストン44bはストッパ44eに当接しストッパ44fからは離間しており、ピストン44cはス トッパ44gに当接しストッパ44hからは離間している。
【0341】
この状態から、コイルスプリング44jの弾発力を上回る力が大径部1h側からスライドシャフト44dに加わると、スライドシャフト44dが大径部1g側 にさらに移動し、これによりコイルスプリング44jが、ストッパ44eにより押圧されて収縮し、ストッパ44eを大径部1h側に移動させる付勢力を蓄積し た状態となる。
【0342】
これと共に、弁ポート1mを閉じる第1箇所においてピストン44cがそれ以上の大径部1g側への移動を規制されていることから、それまで当接していたストッパ44gがピストン44cから離間すると共に、それまで離間していたストッパ44hがピストン44cに当接する。
【0343】
さらに、この状態から、スライドシャフト44dに大径部1h側から加わっていた力が解除されると、コイルスプリング44jの弾発力によりストッパ44e を介してスライドシャフト44dが押圧されて、スライドシャフト44dが大径部1h側に移動し、Oリング44mとスライドシャフト44dとの間の摺動抵抗 によりスライドシャフト44dと共にピストン44bが、弁ポート1kを閉じ、かつ、ストッパ44pから離間する第2箇所に移動する。
【0344】
これと共に、大径部1h側に移動するスライドシャフト44dとOリング44nとの間の摺動抵抗により、スライドシャフト44dと共にピストン44cが、 弁ポート1mを開き、かつ、ストッパ44rに当接する第2箇所に移動し、これにより、小径部1f、大径部1h、及び、ストッパ44rの通孔44tを介し て、導管14Fが導管14Gに連通される。
【0345】
但し、コイルスプリング44jの弾発力によりスライドシャフト44dが大径部1h側にスライドしただけの状態では、ピストン44b,44cはスライド シャフト44dに対して相対移動せず、したがって、ピストン44bはストッパ44fに当接しストッパ44eからは離間しており、ピストン44cはストッパ 44hに当接しストッパ44gからは離間している。
【0346】
この状態から、コイルスプリング44kの弾発力を上回る力が大径部1g側からスライドシャフト44dに加わると、スライドシャフト44dが大径部1h側 にさらに移動し、これによりコイルスプリング44kが、ストッパ44hにより押圧されて収縮し、ストッパ44hを大径部1g側に移動させる付勢力を蓄積し た状態となる。
【0347】
これと共に、弁ポート1kを閉じる第2箇所においてピストン44bがそれ以上の大径部1h側への移動を規制されていることから、それまで当接していたス トッパ44fがピストン44bから離間すると共に、それまで離間していたストッパ44eがピストン44bに当接して、図33に示す状態に戻る。
【0348】
次に、上述した構成による第13実施形態の流路切換弁の動作(作用)について説明する。
【0349】
まず、圧縮機4が停止している状態では、スライド式四方弁43のピストン筒12及び第2ピストン筒12´は、直前の圧縮機4の運転時における位置をその まま維持しており、三方弁44のピストン44b,44cは、直前の圧縮機4の運転時に第1箇所にあったならば第2箇所に移動し、第2箇所にあったならば第 1箇所に移動している。
【0350】
ここで、図33に示すように冷凍サイクルAが暖房モードにある状態で、圧縮機4が運転を停止すると、スライド式四方弁43のピストン筒12は、図33に 示す第1箇所に位置したまま移動しないが、三方弁44のピストン44b,44cは、スライドシャフト44dに大径部1g側から加わっていた力が解除される ので、図33に示す第2箇所から第1箇所に移動することになる。
【0351】
よって、吸入管6に導管14Fを介して連通している三方弁44の小径部1fが、第1箇所に位置するピストン44bにより開放された弁ポート1kを介して大径部1gに連通し、この大径部1gが、副弁122 が開放している弁座3aと導管14Hとを介してスライド式四方弁43の圧力変換室R2 に連通して、三方弁44を介して吸入管6と圧力変換室R2 とが連通する。
【0352】
この状態で圧縮機4が運転を開始すると、圧縮機4からの高圧冷媒が吐出管5を経てスライド式四方弁43の高圧空間S2に流入し、さらに、導管7から室内 熱交換器9Aに流入すると共に、この冷媒が絞り10及び室外熱交換器9Bを経て導管8から閉塞空間S1に流入し、さらに、吸入管6を介して圧縮機4の吸入 口に戻るので、冷凍サイクルAは暖房モードとなる。
【0353】
このとき、ピストン筒12の通孔121 を通過可能な冷媒の量が僅かであることから、圧縮機4の運転開始に伴うスライド式四方弁43の圧力変換室R2 内の冷媒圧力の上昇は僅かであり、そのため、三方弁44を介して吸入管6に連通する圧力変換室R2 の冷媒と高圧空間S2の冷媒との差圧が大きくなる。
【0354】
これにより、スライド式四方弁43のピストン筒12及び第2ピストン筒12´が図33に示す第1箇所から第2箇所に移動して、圧縮機4から吐出管5を経 て高圧空間S2に流入した高圧冷媒が、導管8から室外熱交換器9Bに流入し、この冷媒が絞り10及び室内熱交換器9Aを経て導管7から閉塞空間S1及び吸 入管6を介して圧縮機4の吸入口に戻るようになるので、冷凍サイクルAは冷房モードとなる。
【0355】
このとき、スライド式四方弁43においては、ピストン筒12及び第2ピストン筒12´が第2箇所に移動するのに伴って、副弁122 がそれまで開放していた弁座3aを閉塞すると共に、第2副弁122 ´がそれまで閉塞していた弁座2aを開放するので、第2ピストン筒12´の通孔121 ´を介して高圧空間S2から流入する高圧冷媒により、第2圧力変換室R5 内の冷媒圧力が次第に上昇する。
【0356】
すると、三方弁44においては、導管14Fを介して吸入管6に連通している小径部1fよりも、第2副弁122 ´が開放している弁座2a及び導管14Gを介して第2圧力変換室R5 に連通している大径部1hの方が、冷媒の圧力が高いことから、大径部1gの冷媒と大径部1hの冷媒との圧力差によって、コイルスプリング44jの弾発力を上回る力が大径部1h側からスライドシャフト44dに加わる。
【0357】
これにより、スライドシャフト44dが大径部1g側に移動し、コイルスプリング44jが収縮されて、ピストン44cを大径部1h側に付勢する付勢力がコイルスプリング44jに蓄積される。
【0358】
したがって、その後、圧縮機4の運転が停止されると、三方弁44においては、コイルスプリング44jに蓄積された付勢力により、スライドシャフト44d と共にピストン44b,44cが、大径部1h側に移動して第2箇所に位置するようになると共に、スライド式四方弁43は、ピストン筒12及び第2ピストン 筒12´が第2箇所に位置したままの状態に保たれる。
【0359】
よって、吸入管6に導管14Fを介して連通している三方弁44の小径部1fが、第2箇所に位置するピストン44bにより開放された弁ポート1mを介して大径部1hに連通し、この大径部1hが、第2副弁122 ´が開放している弁座2aと導管14Gとを介して、スライド式四方弁43の第2圧力変換室R5 に連通して、三方弁44を介して吸入管6と第2圧力変換室R5 とが連通する。
【0360】
この状態で圧縮機4が運転を開始すると、圧縮機4からの高圧冷媒が吐出管5を経てスライド式四方弁43の高圧空間S2に流入し、さらに、導管8から室外 熱交換器9Bに流入すると共に、この冷媒が絞り10及び室内熱交換器9Aを経て導管7から閉塞空間S1に流入し、さらに、吸入管6を介して圧縮機4の吸入 口に戻るので、冷凍サイクルAは冷房モードとなる。
【0361】
このとき、第2ピストン筒12´の通孔121 ´を通過可能な冷媒の量が僅かであることから、圧縮機4の運転開始に伴うスライド式四方弁43の第2圧力変換室R5 内の冷媒圧力の上昇は僅かであり、そのため、三方弁44を介して吸入管6に連通する第2圧力変換室R5 の冷媒と高圧空間S2の冷媒との差圧が大きくなる。
【0362】
これにより、スライド式四方弁43のピストン筒12及び第2ピストン筒12´が第2箇所から図33に示す第1箇所に移動して、圧縮機4から吐出管5を経 て高圧空間S2に流入した高圧冷媒が、導管7から室内熱交換器9Aに流入し、この冷媒が絞り10及び室外熱交換器9Bを経て導管8から閉塞空間S1及び吸 入管6を介して圧縮機4の吸入口に戻るようになるので、冷凍サイクルAは暖房モードとなる。
【0363】
このとき、スライド式四方弁43においては、ピストン筒12及び第2ピストン筒12´が第1箇所に移動するのに伴って、副弁122 がそれまで閉塞していた弁座3aを開放すると共に、第2副弁122 ´がそれまで開放していた弁座2aを閉塞するので、ピストン筒12の通孔121 を介して高圧空間S2から流入する高圧冷媒により、圧力変換室R2 内の冷媒圧力が次第に上昇する。
【0364】
すると、三方弁44においては、導管14Fを介して吸入管6に連通している小径部1fよりも、副弁122 が開放している弁座3a及び導管14Hを介して圧力変換室R2 に連通している大径部1gの方が、冷媒の圧力が高いことから、大径部1gの冷媒と大径部1hの冷媒との圧力差によって、コイルスプリング44kの弾発力を上回る力が大径部1g側からスライドシャフト44dに加わる。
【0365】
これにより、スライドシャフト44dが大径部1h側に移動し、コイルスプリング44kが収縮されて、ピストン44bを大径部1g側に付勢する付勢力がコイルスプリング44kに蓄積される。
【0366】
したがって、その後、圧縮機4の運転が停止されると、三方弁44においては、コイルスプリング44kに蓄積された付勢力により、スライドシャフト44d と共にピストン44b,44cが、大径部1g側に移動して第1箇所に位置するようになると共に、スライド式四方弁43は、ピストン筒12及び第2ピストン 筒12´が第1箇所に位置したままの状態に保たれる。
【0367】
このように第13実施形態によれば、高圧空間S2内の冷媒と圧力変換室R2 又は第2圧力変換室R5 内の冷媒との差圧により、ピストン筒12及び第2ピストン筒12´を第1箇所と第2箇所との間で切り換えるスライド式四方弁43を、圧縮機4の運転中に蓄積される付勢力を用いて吸入管6の連通先を圧力変換室R2 と第2圧力変換室R5 との間で切り換える三方弁44を用いて切換動作させる構成とした。
【0368】
このため、吐出管5からの吐出冷媒が導管7を経て室内熱交換器9Aに供給される暖房モードと、導管8を経て室外熱交換器9Bに供給される冷房モードと を、電磁ソレノイド等の専用の動力源を用いずに、圧縮機4の運転開始の回数を調整することによって切り換え、その切換状態を維持させることができる。
【0369】
しかも、この第13実施形態によれば、スライド式四方弁43における吐出管5や吸入管6の連通先の切り換えが、圧縮機4の運転開始及び停止により従動的 に行われるので、電気的な駆動のための動力源を不要にするだけに止まらず、流路を切り換えるため電気的な信号による制御をも不要にできるので、有利であ る。
【0370】
尚、上述した第13実施形態では、ピストン筒12や第2ピストン筒12´に通孔121 や第2通孔121 ´が設けられた両持ち式のスライド式四方弁43に、本発明を適用する場合について説明したが、通孔がピストン筒に一切設けられていない両持ち式のスライド式四方弁にも、本発明は適用可能である。
【0371】
そこで、次に、そのような場合を示す本発明の第14実施形態に係る流路切換弁を、図34を参照して説明する。
【0372】
図34は本発明の第14実施形態に係る流路切換弁を適用した冷凍サイクルAの概略構成を示す説明図であり、図34中において図33の第3実施形態に係る流路切換弁と同一の部材、部分には、図33で付したものと同一の引用符号を付して説明する。
【0373】
そして、図34において、冷房モード時における動作状態を断面にて示す第14実施形態の流路切換弁は、スライド式四方弁43において、ピストン筒12や第2ピストン筒12´から通孔121 や第2通孔121 ´を省略すると共に、副弁122 や第2副弁122 ´を省略した点において、図33に示す第13実施形態の流路切換弁とは構成が大きく異なっている。
【0374】
また、第14実施形態の流路切換弁は、スライド式四方弁43のパイロット弁として機能する三方弁45(パイロット弁に相当)を三方弁44に変えて設けた点において、図33に示す第13実施形態の流路切換弁とは構成が大きく異なっている。
【0375】
そして、三方弁45は、導管14F,14G,14Hの各他端が接続されたハウジング45a(第2ハウジングに相当)と、導管14Fの連通先を導管14Gと導管14Hとの間で切り換えるピストン45r(切換弁体に相当)とを有している。
【0376】
前記ハウジング45aは、大径部45bの両側に小径部45c,45dを連接した筒状を呈しており、このハウジング45aの内部には、スライドシャフト45eがスラスト方向に移動可能に収容されている。
【0377】
そして、小径部45cには、スライドシャフト45eを小径部45d側に付勢するコイルスプリング45f(第4付勢力蓄積手段に相当)が収容されており、 小径部45dには、スライドシャフト45eを小径部45c側に付勢するコイルスプリング45g(第3付勢力蓄積手段に相当)が収容されている。
【0378】
また、スライドシャフト45eの周面には環状溝部45h,45jが軸方向に間隔をおいて形成されていて、スライドシャフト45eの一方の端面とこれに近 い方の環状溝部45hとが、スライドシャフト45eの内部に貫設された連通路45kを介して連通していると共に、スライドシャフト45の他方の端面とこれ に近い方の環状溝部45jとが、スライドシャフト45eの内部に貫設された連通路45mを介して連通している。
【0379】
さらに、スライドシャフト44dの環状溝部45h,45j間の部分には、Eリング等によるストッパ45n,45pが軸方向に間隔をおいて嵌着されている。
【0380】
前記ピストン45rは、小径部45c,45dの内径よりも大きく大径部45bの内径よりも小さい外径で形成されていて、大径部45b内に収容されてお り、このピストン45rは、ストッパ45n,45p間においてスライドシャフト45eの軸方向にスライドできるように、スライドシャフト45eに対して嵌 装されている。
【0381】
尚、ピストン45rとスライドシャフト45eとの間には、シール用のOリング45sが介設されている。
【0382】
そして、ハウジング45aの各小径部45c,45dには、スライドシャフト45eの各端面に開口が臨むように、導管14G,14Hの各他端が各々接続さ れていると共に、スライドシャフト45eの周面に開口が臨むように、二股状に分岐された導管14Fの各他端が接続されており、大径部45bには、導管 14Jを介してスライド式四方弁43の吐出管5が接続されている。
【0383】
このように形成された三方弁45においては、図34に示すように、コイルスプリング45gの弾発力を上回る力が、スライドシャフト45eの小径部45c側の端面に加わると、スライドシャフト45eが小径部45d側に移動する。
【0384】
すると、ストッパ45nに押圧されてピストン45rが、大径部45bと小径部45dとの段差により形成された弁ポート45vを閉じると共に、大径部 45bと小径部45cとの段差により形成された弁ポート45tを開く第2箇所に移動し、これにより、大径部45b、弁ポート45t、及び、小径部45cを 介して、導管14Jが導管14Hに連通される。
【0385】
また、ピストン45rの第2箇所においては、小径部45cに接続された導管14Fの開口がスライドシャフト45eの周面により閉塞されて、小径部45c に接続された導管14Fが導管14Hから遮断されると共に、小径部45dに接続された導管14Fの開口がスライドシャフト45eの環状溝部45jに臨み、 この環状溝部45j及び連通路45mを介して、小径部45dに接続された導管14Fが導管14Gに連通される。
【0386】
そして、ピストン45rの第2箇所においては、コイルスプリング45gがスライドシャフト45eの小径部45d側の端面により押圧されて収縮し、スライドシャフト45eを小径部45c側に移動させる付勢力を蓄積した状態となる。
【0387】
また、三方弁45においては、図34に示す状態から、スライドシャフト45eの小径部45c側の端面に加わっていた力が解除されると、コイルスプリング45gの弾発力により押圧されてスライドシャフト45eが小径部45c側に移動する。
【0388】
すると、Oリング45sとスライドシャフト45eとの間の摺動抵抗によりスライドシャフト45eと共にピストン45rが、弁ポート45vを開くと共に弁 ポート45tを閉じる第1箇所に移動し、これにより、大径部45b、弁ポート45v、及び、小径部45dを介して、導管14Jが導管14Gに連通される。
【0389】
また、ピストン45rの第1箇所においては、小径部45cに接続された導管14Fの開口がスライドシャフト45eの環状溝部45hに臨み、この環状溝部 45h及び連通路45kを介して、小径部45cに接続された導管14Fが導管14Hに連通されると共に、小径部45dに接続された導管14Fの開口がスラ イドシャフト45eの周面により閉塞されて、小径部45dに接続された導管14Fが導管14Gから遮断される。
【0390】
但し、コイルスプリング45gの弾発力によりスライドシャフト45eが小径部45c側に移動しただけの状態では、ピストン45rはスライドシャフト 45eに対して相対移動せず、したがって、ピストン45rはストッパ45nに当接しストッパ45pからは離間していると共に、小径部5cのコイルスプリン グ45fは伸張している。
【0391】
そして、この状態から、コイルスプリング45fの弾発力を上回る力が、スライドシャフト45eの小径部45d側の端面に加わると、スライドシャフト 45eのみが、ピストン45rにストッパ45pが当接するまでさらに小径部45c側に移動して、ストッパ45nがピストン45rから小径部45c側に離間 する。
【0392】
すると、コイルスプリング45fがスライドシャフト45eの小径部45c側の端面により押圧されて収縮し、スライドシャフト45eを小径部45d側にスライドさせる付勢力を蓄積した状態となる。
【0393】
この状態から、スライドシャフト45eの小径部45d側の端面に加わっていた力が解除されると、コイルスプリング45fの弾発力によりスライドシャフト45eが小径部45d側に移動する。
【0394】
すると、Oリング45sとスライドシャフト45eとの間の摺動抵抗によりスライドシャフト45eと共にピストン45rが、弁ポート45vを閉じると共に 弁ポート45tを開く第2箇所に移動し、これにより、大径部45b、弁ポート45t、及び、小径部45cを介して、導管14Jが導管14Hに連通される。
【0395】
また、ピストン45rの第2箇所においては、小径部45cに接続された導管14Fの開口がスライドシャフト45eの周面により閉塞されて、小径部45c に接続された導管14Fが導管14Hから遮断されると共に、小径部45dに接続された導管14Fの開口がスライドシャフト45eの環状溝部45jに臨み、 この環状溝部45j及び連通路45mを介して、小径部45dに接続された導管14Fが導管14Gに連通される。
【0396】
但し、コイルスプリング45fの弾発力によりスライドシャフト45eが小径部45d側に移動しただけの状態では、ピストン45rはスライドシャフト 45eに対して相対移動せず、したがって、ピストン45rはストッパ45pに当接しストッパ45nからは離間していると共に、小径部45dのコイルスプリ ング45gは伸張している。
【0397】
そして、この状態から、コイルスプリング45gの弾発力を上回る力が、スライドシャフト45eの小径部45c側の端面に加わると、スライドシャフト 45eのみが、ピストン45rにストッパ45nが当接するまでさらに小径部45d側に移動して、ストッパ45pがピストン45rから小径部45d側に離間 する。
【0398】
すると、コイルスプリング45gがスライドシャフト45eの小径部45d側の端面により押圧されて収縮し、スライドシャフト45eを小径部45c側にスライドさせる付勢力を蓄積した、図34に示す状態に復帰する。
【0399】
次に、上述した構成による第14実施形態の流路切換弁の動作(作用)について説明する。
【0400】
まず、圧縮機4が停止している状態では、スライド式四方弁43のピストン筒12及び第2ピストン筒12´は、直前の圧縮機4の運転時における位置をその まま維持しており、三方弁45のピストン45rは、直前の圧縮機4の運転時に第1箇所にあったならば第2箇所に移動し、第2箇所にあったならば第1箇所に 移動している。
【0401】
ここで、図34に示すように冷凍サイクルAが暖房モードにある状態で、圧縮機4が運転を停止すると、スライド式四方弁43のピストン筒12及び第2ピス トン筒12´は図34に示す第1箇所のまま移動しないが、三方弁45のピストン45rは、スライドシャフト45eの小径部45c側の端面に加わっていた力 が解除されるので図34に示す第2箇所から第1箇所に移動することになる。
【0402】
よって、導管14Gを介してスライド式四方弁43の第2圧力変換室R5 に連通している三方弁45の小径部45dが、第1箇所に位置するピストン45rにより開放された弁ポート45vを介して大径部45bに連通し、この大径部45bが導管14Jを介して吐出管5に連通して、三方弁45を介して吐出管5と第2圧力変換室R5 とが連通する。
【0403】
また、導管14Hを介してスライド式四方弁43の圧力変換室R2 に連通している三方弁45の小径部45cが、連通路45k、環状溝部45h、及び、導管14Fを介して吸入管6に連通して、三方弁45を介して吸入管6と圧力変換室R2 とが連通する。
【0404】
この状態で圧縮機4が運転を開始すると、圧縮機4からの高圧冷媒が吐出管5及び導管14Jを介して三方弁45の大径部45bに流入して、連通路45k及 び環状溝部45hを介して導管14Fと連通している小径部45c内の冷媒と大径部45bの高圧冷媒との差圧が大きくなる。
【0405】
これにより、コイルスプリング45fがスライドシャフト45eの小径部45c側の端面により押圧されて収縮し、スライドシャフト45eを小径部45d側にスライドさせる付勢力がコイルスプリング45fに蓄積される。
【0406】
また、三方弁45を介して吐出管5と第2圧力変換室R5 とが連通していることから、第2圧力変換室R5 内の冷媒圧力が、高圧空間S2内の冷媒圧力と等しくなるように上昇すると共に、三方弁45を介して吸入管6と圧力変換室R2 が連通していることから、圧力変換室R2 内の冷媒圧力が低下して、高圧空間S2内の冷媒圧力との差が大きくなる。
【0407】
したがって、スライド式四方弁43のピストン筒12及び第2ピストン筒12´が図34に示す第1箇所から第2箇所に移動して、圧縮機4から吐出管5を経 て高圧空間S2に流入した高圧冷媒が、導管8から室外熱交換器9Bに流入し、この冷媒が絞り10及び室内熱交換器9Aを経て導管7から閉塞空間S1に流入 し、さらに、吸入管6を介して圧縮機4の吸入口に戻るので、冷凍サイクルAは冷房モードとなる。
【0408】
その後、圧縮機4の運転が停止されると、三方弁45においては、コイルスプリング45fに蓄積された付勢力により、スライドシャフト45eと共にピスト ン45rが、小径部45d側に移動して第2箇所に位置するようになると共に、スライド式四方弁43は、ピストン筒12及び第2ピストン筒12´が第2箇所 に位置したままの状態に保たれる。
【0409】
よって、導管14Hを介してスライド式四方弁43の圧力変換室R2 に連通している三方弁45の小径部45cが、第2箇所に位置するピストン45rにより開放された弁ポート45tを介して大径部45bに連通し、この大径部45bが導管14Jを介して吐出管5に連通して、三方弁45を介して吐出管5と圧力変換室R2 とが連通する。
【0410】
また、導管14Gを介してスライド式四方弁43の第2圧力変換室R5 に連通している三方弁45の小径部45dが、連通路45m、環状溝部45j、及び、導管14Fを介して吸入管6に連通して、三方弁45を介して吸入管6と第2圧力変換室R5 とが連通する。
【0411】
この状態で圧縮機4が運転を開始すると、圧縮機4からの高圧冷媒が吐出管5及び導管14Jを介して三方弁45の大径部45bに流入して、連通路45m及 び環状溝部45jを介して導管14Fと連通している小径部45d内の冷媒圧力と大径部45bの高圧冷媒との差圧が大きくなる。
【0412】
これにより、コイルスプリング45gがスライドシャフト45eの小径部45d側の端面により押圧されて収縮し、スライドシャフト45eを小径部45c側にスライドさせる付勢力がコイルスプリング45gに蓄積される。
【0413】
また、三方弁45を介して吐出管5と圧力変換室R2 とが連通していることから、圧力変換室R2 内の冷媒圧力が、高圧空間S2内の冷媒圧力と等しくなるように上昇すると共に、三方弁45を介して吸入管6と第2圧力変換室R5 とが連通していることから、第2圧力変換室R5 内の冷媒圧力が低下して、高圧空間S2内の冷媒圧力との差が大きくなる。
【0414】
したがって、スライド式四方弁43のピストン筒12及び第2ピストン筒12´が第2箇所から図34に示す第1箇所に移動して、圧縮機4から吐出管5を経 て高圧空間S2に流入した高圧冷媒が、導管7から室内熱交換器9Aに流入し、この冷媒が絞り10及び室外熱交換器9Bを経て導管8から閉塞空間S1に流入 し、さらに、吸入管6を介して圧縮機4の吸入口に戻るので、冷凍サイクルAは暖房モードとなる。
【0415】
その後、圧縮機4の運転が停止されると、三方弁45においては、コイルスプリング45gに蓄積された付勢力により、スライドシャフト45eと共にピスト ン45rが、小径部45c側に移動して第1箇所に位置するようになると共に、スライド式四方弁43は、ピストン筒12及び第2ピストン筒12´が第1箇所 に位置したままの状態に保たれる。
【0416】
このような第14実施形態の流路切換弁によっても、第13実施形態の流路切換弁と同様の効果を得ることができる。
【0417】
以上の第1乃至第14実施形態では主に、三方弁やスライド式の四方弁を用いて構成した流路切換弁について説明したが、次に、ハウジングの内部における主弁体の回転により流路の切換動作を行うロータリ式の流路切換弁に本発明を適用した場合について説明する。
【0418】
まず、図35の説明図を参照して、ロータリ式流路切換弁を用いた冷凍サイクルAの概略構成について説明するが、図35中において図33の第13実施形態に係る冷凍サイクルAと同一の部材、部分には、図33で付したものと同一の引用符号を付して説明する。
【0419】
そして、図35において冷房モード時における流路を実線で示し、暖房モード時における流路を破線で示す冷凍サイクルAは、圧縮機4から吐出される高圧冷 媒の導入先と、アキュムレータ46を介して圧縮機4に吸入される冷媒の導入元とを、ロータリ四方弁50により室内熱交換器9Aと室外熱交換器9Bとの一方 から他方に切り換えるように構成されており、室内熱交換器9Aと室外熱交換器9Bとの間には電動膨張弁10Aが介設されている。
【0420】
次に、図35のロータリ四方弁50として使用可能な本発明の第15実施形態に係る流路切換弁について、図36乃至図45を参照して説明する。
【0421】
図36は本発明の第15実施形態に係る流路切換弁の断面図であり、図36中引用符号51で示す第15実施形態の流路切換弁は、円筒状の弁ハウジング53 の内部に、略円柱状の主弁体55を、回転可能でかつ回転軸方向に移動可能に収容して、弁ハウジング53の開放端を弁座57により閉塞すると共に、弁ハウジ ング53の内部に、主弁体55を弁座57から離間させるように付勢するコイルスプリング59を収容して構成されている。
【0422】
詳しくは、前記弁ハウジング53は、アウタハウジング53aと上下2つのインナハウジング53b,53cとで構成されており、このうち、アウタハウジン グ53aは、一端が開放され他端が閉塞された円筒状に形成されていて、アウタハウジング53aの他端には吐出管5が接続されている。
【0423】
前記上下の各インナハウジング53b,53cは、アウタハウジング53aの内部に収容できる外径の円筒状を呈しており、図37に側面図で示すように、上 インナハウジング53bの一方の端部には、90゜周期で山部と谷部とが連なるように、第1傾斜端面53dと第2傾斜端面53eとが、上インナハウジング 53bの周方向に交互に2つずつ形成されていて、第1傾斜端面53dの一端と接合して谷部を構成する第2傾斜端面53eの一端には、上インナハウジング 53bの軸方向に延在する逃げ溝部53fが形成されている。
【0424】
また、下インナハウジング53cは、図38に側面図で示すように、上インナハウジング53bと上下対称に構成されている。
【0425】
そして、上述した上下のインナハウジング53b,53cは、図39に側面図で示すように、山部に谷部が臨むように互いの一方の端部どうしを対向させた状態で、図36に示すようにアウタハウジング53a内に収容される。
【0426】
すると、図39に示すように、上インナハウジング53bの第1傾斜端面53dと下インナハウジング53cの第2傾斜端面53eとの間に第1カム溝部 53gが形成され、同様に、上インナハウジング53bの第2傾斜端面53eと下インナハウジング53cの第1傾斜端面53dとの間に第2カム溝部53hが 形成される。
【0427】
したがって、図36に示すように、上下のインナハウジング53b,53cをアウタハウジング53a内に収容して弁ハウジング53を構成すると、第1及び 第2のカム溝部53g,53hと逃げ溝部53fとによるカム溝53jが、弁ハウジング53の内周面に形成されることになる。
【0428】
前記弁座57には、図40に平面図で示すように、底面側から導管7が接続される第1切換ポート57aと、底面側から導管8が接続される第2切換ポート 57bとが、弁座57の中心を挟んで対向する位置に各々貫設されており、これら第1及び第2の切換ポート57a,57bから弁座57の周方向に90゜ずつ 位相をずらした箇所に、2つの低圧側ポート57c,57cが貫設されていて、これら2つの低圧側ポート57c,57cには、弁座57の底面側から、吸入管 6が二股に分岐されて各々接続される。
【0429】
尚、図40中引用符号57eは、コイルスプリング59の一端を挿入するために弁座57の外縁寄り部分に形成された環状溝を示し、この環状溝57e内に は、コイルスプリング59の他端が主弁体55に食いついて主弁体55と共に回転した場合に、コイルスプリング59の一端と環状溝57eの底面とのこじりを 防止し主弁体55の弁ハウジング53に対する回転を円滑にするための、スラストベアリング58(滑動手段に相当)が収容されている。
【0430】
前記主弁体55は、図41に図36のイ−イ線断面図で示すように、低圧側連通溝55aと高圧側連通路55bとが形成されている。
【0431】
前記低圧側連通溝55aは、主弁体55の弁座57側の端面に開口するように形成されており、この端面が弁座57に当接した状態で、主弁体55の第1の回 転位置においては、第1切換ポート57aと2つの低圧側ポート57c,57cとが低圧側連通溝55aにより相互に連通接続されると共に、主弁体55の第2 の回転位置においては、第2切換ポート57bと2つの低圧側ポート57c,57cとが低圧側連通溝55aにより相互に連通接続されるように構成されてい る。
【0432】
前記高圧側連通路55bは、図36に示すように、弁ポート55cを介して主弁体55の弁座57側とは反対側の端面に開放された中空室55dと、図41に 示す内部通路55eとを有しており、この内部通路55eは、主弁体55の弁座57側の端面に低圧側連通溝55aを避けて開口し、弁体55の内部において中 空室55dと連通するように構成されている。
【0433】
そして、図36に示すように、主弁体55の中心には操作杆55fが軸方向動可能に挿通されており、主弁体55が弁座57から離間した状態では、この操作 杆55fの弁ポート55c側の端部に取着された補助弁体55gが弁ポート55cを閉じて、高圧側連通路55bが遮断状態となり、図42及び図43に断面図 で各々示すように、主弁体55が弁座57に着座した状態では、操作杆55fの先端が弁座57に当接することで補助弁体55gが弁ポート55cを開いて、高 圧側連通路55bが開放状態となる。
【0434】
また、主弁体55の周方向に180゜位相をずらした周面箇所にはガイドピン55h(カムフォロワピンに相当)が各々突設されており、これらガイドピン55hは、図36に示すように、弁ハウジング53の内部に主弁体55を収容した状態で、カム溝53jに各々挿入される。
【0435】
次に、上述した構成による第15実施形態の流路切換弁51の動作(作用)について説明する。
【0436】
まず、圧縮機4が停止している状態では、図36に示すように、主弁体55がコイルスプリング59の付勢力により弁座57から離間して、補助弁体55gに より弁ポート55cが閉じられると共に、主弁体55の2つのガイドピン55hが、弁ハウジング53のカム溝53jの弁座57から最も離間した箇所、即ち、 図44にカム溝53jの展開図で示す90゜及び270゜の目盛りが記された上インナハウジング53bの逃げ溝部53fに位置する。
【0437】
尚、図44中の角度目盛りは、主弁体55のガイドピン55hのカム溝53j内における回転方向位置を示している。
【0438】
そして、冷凍サイクルAが暖房モードであった状態から圧縮機4の運転が停止し、ガイドピン55hが、図44の90゜(及び270゜)の目盛りが記された 上インナハウジング53bの逃げ溝部53fに位置したものとすると、図45の説明図における一番右のように、主弁体55の低圧側連通溝55aが、弁座57 の第1及び第2の切換ポート57a,57bに臨むようになる。
【0439】
この状態で、圧縮機4が運転を開始すると、補助弁体55gが弁ポート55cを閉じていることから、圧縮機4から弁ハウジング53の内部に流入した高圧冷媒が、コイルスプリング59の付勢力に抗して主弁体55を弁座57側に移動させるように作用する。
【0440】
すると、上インナハウジング53bの90゜(及び270゜)の逃げ溝部53fに各々位置しているガイドピン55hが、下インナハウジング53の第1傾斜 端面53dに倣って第2カム溝部53h上を移動し、図44の180゜(及び0゜)の目盛りが記された下インナハウジング53cの逃げ溝部53fに各々位置 するようになる。
【0441】
そして、ガイドピン55hが上述したように第2カム溝部53h上を移動するのに伴って、主弁体55は弁ハウジング53内で回転しながら弁座57側に移動 し、90゜回転したところで、図42に示すように、主弁体55が弁座57に着座して第1箇所に到達し、これにより、操作杆55fの先端が弁座57に当接し 補助弁体55gが弁ポート55cを開いた状態となる。
【0442】
この状態では、図45の一番左のように、低圧側連通溝55aが第1切換ポート57aと2つの低圧側ポート57cとに臨むと共に、内部通路55eが第2切換ポート57bに臨むようになる。
【0443】
このため、図42に示すように、高圧側連通路55bと第2切換ポート57bとを介して吐出管5が導管8に連通すると共に、第1切換ポート57a、低圧側連通溝55a、及び、2つの低圧側ポート57cを介して、吸入管6が導管7に連通する。
【0444】
したがって、圧縮機4からの高圧冷媒は、吐出管5、高圧側連通路55b、及び、第2切換ポート57bを経て、導管8から室外熱交換器9Bに流入し、絞り 10及び室内熱交換器9Aを経て導管7から、第1切換ポート57a、低圧側連通溝55a、及び、2つの低圧側ポート57cを経て、吸入管6から圧縮機4の 吸入口に戻るようになり、冷凍サイクルAは冷房モードとなる。
【0445】
その後、圧縮機4の運転が停止されると、弁ハウジング53の内部に流入した冷媒の圧力が低下するので、コイルスプリング59の付勢力が、主弁体55を弁座57から離間する方向に移動させるように作用する。
【0446】
すると、下インナハウジング53の180゜(及び0゜)の逃げ溝部53fに位置しているガイドピン55hが、上インナハウジング53bの第1傾斜端面 53dに倣って第1カム溝部53g上を移動し、上インナハウジング53bの270゜(及び90゜)の逃げ溝部53fに位置するようになる。
【0447】
そして、ガイドピン55hが上述したように第1カム溝部53g上を移動するのに伴って、主弁体55は弁ハウジング53内で回転しながら吐出管5側に移動 し、90゜回転したところで、図36に示す状態とは回転方向において180゜反対向きの、主弁体55が弁座57から最も離間した第1中間箇所に到達し、こ れにより、弁座57から先端が離間した操作杆55fの補助弁体55gにより弁ポート55cが閉じられる。
【0448】
この状態では、図45の左から2番目のように、低圧側連通溝55aが第1及び第2の切換ポート57a,57bに臨むようになる。
【0449】
この状態で、圧縮機4が運転を開始すると、上インナハウジング53bの270゜(及び90゜)の逃げ溝部53fに各々位置しているガイドピン55hが第 2カム溝部53h上を移動して、下インナハウジング53cの0゜(及び180゜)の逃げ溝部53fに位置するようになる。
【0450】
そして、ガイドピン55hが上述したように第2カム溝部53h上を移動するのに伴って、主弁体55は弁ハウジング53内で回転しながら弁座57側に移動 し、90゜回転したところで、図43に示すように、主弁体55が弁座57に着座して第2箇所に到達し、これにより、操作杆55fの先端が弁座57に当接し 補助弁体55gが弁ポート55cを開いた状態となる。
【0451】
この状態では、図45の右から2番目のように、低圧側連通溝55aが第2切換ポート57bと2つの低圧側ポート57c,57cとに臨むと共に、内部通路55eが第1切換ポート57aに臨むようになる。
【0452】
このため、図43に示すように、高圧側連通路55bと第1切換ポート57aとを介して、吐出管5が導管7に連通すると共に、第2切換ポート57b、低圧側連通溝55a、及び、2つの低圧側ポート57c,57cを介して、吸入管6が導管8に連通する。
【0453】
したがって、圧縮機4からの高圧冷媒は、吐出管5、高圧側連通路55b、及び、第1切換ポート57aを経て、導管7から室内熱交換器9Aに流入し、絞り 10及び室外熱交換器9Bを経て導管8から、第2切換ポート57b、低圧側連通溝55a、及び、2つの低圧側ポート57c,57cを経て、吸入管6から圧 縮機4の吸入口に戻るようになり、冷凍サイクルAは暖房モードとなる。
【0454】
その後、圧縮機4の運転が停止されると、弁ハウジング53の内部に流入した冷媒の圧力低下に伴って主弁体55に作用するコイルスプリング59の付勢力に より、下インナハウジング53cの0゜(及び180゜)の逃げ溝部53fに位置しているガイドピン55hが第1カム溝部53g上を移動し、上インナハウジ ング53bの90゜(及び270゜)の逃げ溝部53fに位置するようになる。
【0455】
そして、ガイドピン55hが上述したように第1カム溝部53g上を移動するのに伴って、主弁体55は弁ハウジング53内で回転しながら吐出管5側に移動 し、90゜回転したところで、図36に示すように、主弁体55が弁座57から最も離間した第2中間箇所に到達し、これにより、弁座57から先端が離間した 操作杆55fの補助弁体55gにより弁ポート55cが閉じられる。
【0456】
これにより、図45の一番右のように、低圧側連通溝55aが第1及び第2の切換ポート57a,57bに臨む一番最初の状態に戻る。
【0457】
このように第15実施形態の流路切換弁51によれば、圧縮機4の冷媒流によって生じる差圧力と、主弁体55と弁座57との間に介設したコイルスプリング 59の付勢力とを用いて、主弁体55を弁座57に対して接近離間する方向に移動させると共に、ガイドピン55hをカム溝53jに倣って移動させて、主弁体 55を弁ハウジング53に対して回転させて、主弁体55を第1箇所と第2箇所との間で移動させる構成とした。
【0458】
このため、電磁ソレノイド等の専用の動力源を用いずに、圧縮機4の運転の開始及び停止によって、低圧側連通溝55aや高圧側連通路55bにより連通され る吐出管5や吸入管6の連通先を、弁座57の第1及び第2の切換ポート57a,57bの相互間で切り換えて、吐出管5からの吐出冷媒が導管7を経て室内熱 交換器9Aに供給される暖房モードと、導管8を経て室外熱交換器9Bに供給される冷房モードとの間で冷凍サイクルAを切り換え、その切換状態を維持させる ことができる。
【0459】
しかも、この第15実施形態によれば、流路切換弁51における吐出管5や吸入管6の連通先の切り換えが、圧縮機4の運転開始及び停止により従動的に行わ れるので、電気的な駆動のための動力源を不要にするだけに止まらず、流路を切り換えるため電気的な信号による制御をも不要にできるので、有利である。
【0460】
そして、第15実施形態の流路切換弁51では、弁ハウジング53に形成するカム溝53jの逃げ溝部53fを、第1傾斜端面53dの一端と第2傾斜端面53eの一端との接合部ではなく、第2傾斜端面53eの一端にずらして形成したので、次のような利点がある。
【0461】
即ち、主弁体55の弁座57に接近離間する方向への移動時に、第1傾斜端面53d側から逃げ溝部53fに移動したガイドピン55hが第1傾斜端面53d 側に戻ってしまうのを防ぎ、確実に第2傾斜端面53e側に移動させて、主弁体55の回転方向を一方向に限定し、冷凍サイクルAの冷房モードと暖房モードと の切り換えを、圧縮機4の運転の開始及び停止の回数による制御にて間違いなく行わせることができるので、有利である。
【0462】
尚、上述した第15実施形態の流路切換弁51では、弁座57から離間する方向への主弁体55の移動を、主弁体55と弁座57との間に介設したコイルスプ リング59の付勢力により行わせるものとしたが、図46に断面図で示す本発明の第16実施形態の流路切換弁61のように、弁ハウジング53の姿勢を上下逆 転させて、吐出管5が鉛直方向下方に位置するようにし、弁座57から離間する方向への主弁体55の移動を主弁体55の自重により行わせる構成としてもよ い。
【0463】
そして、このように構成した場合、補助弁体55gは、主弁体55が弁座57に着座していなくても操作杆55fの自重により弁ポート55cを開いており、 圧縮機4が運転を開始して圧縮機4からの高圧冷媒が吐出管5を経て弁ハウジング53の内部に流入した後、主弁体55が弁座57に着座するまでの間に限り、 弁ハウジング53の内部に流入した高圧冷媒の圧力により、操作杆55fの自重に抗して補助弁体55gが弁ポート55cを閉じることになる。
【0464】
上述した第16実施形態の流路切換弁61によっても、第15実施形態の流路切換弁51と同様の効果を得ることができ、その上、第16実施形態の流路切換 弁61のように、弁座57から離間する方向への主弁体55の移動を主弁体55の自重により行わせる構成とすれば、コイルスプリング59を省略することがで きる分だけ部品点数を削減して、構成の簡略化によるコスト削減を実現することができるので、有利である。
【0465】
また、図47に断面図で示す本発明の第17実施形態の流路切換弁71のように、図36に示す第15実施形態の流路切換弁51において、主弁体55と弁座 57との間に介設したコイルスプリング59に代えて、吐出管5が接続されたアウタハウジング53aの閉塞端と主弁体55との間に第2コイルスプリング73 を介設し、この第2コイルスプリング73の付勢力により主弁体55を弁座57側に付勢する構成としてもよい。
【0466】
そして、このように構成した場合、主弁体55の第1箇所と第2箇所との間の移動は、吐出管5に吐出口が接続された圧縮機4を逆回転させて、アウタハウジ ング53aの閉塞端と主弁体55との間の空間の冷媒圧力を減圧させ、これにより、第2コイルスプリング73の付勢力に抗して主弁体55を弁座57から離間 する方向に移動させることで行う。
【0467】
このように構成された第17実施形態の流路切換弁71によっても、第15実施形態の流路切換弁51と同様の効果を得ることができ、しかも、第17実施形 態の流路切換弁71によれば、圧縮機4を通常回転させなくても主弁体55が第1箇所と第2箇所との間で移動するので、前回行っていた運転モードと同じ運転 モードで冷凍サイクルAを再び運転させる場合に、流路の切り換えのために圧縮機4を一度通常回転で運転させる必要性をなくし、冷凍サイクルAのいわばダ ミー運転を不要にすることができるので、有利である。
【0468】
次に、図35のロータリ四方弁50として使用可能な本発明の第18実施形態に係る流路切換弁について、図48乃至図53を参照して説明する。
【0469】
図48は本発明の第18実施形態に係る流路切換弁の断面図であり、図48中において図36の第15実施形態に係る流路切換弁51と同一の部材、部分には、図36で付したものと同一の引用符号を付して説明する。
【0470】
そして、図48中引用符号81で示す第18実施形態の流路切換弁は、吐出管5が接続されたアウタハウジング53aの閉塞端と主弁体55との間に、主弁体 55を弁座57に接近する方向に付勢する第2コイルスプリング73を介設している点において、図36に示す第15実施形態の流路切換弁51とは構成が大き く異なっており、その他の点は、図36に示す第15実施形態の流路切換弁51と同様に構成されている。
【0471】
このように構成された第18実施形態の流路切換弁81においては、圧縮機4が停止している状態で主弁体55が、図48に示す状態や、これとは左右対称 の、コイルスプリング59の付勢力と第2コイルスプリング73の付勢力との均衡により、弁座57に対して接近離間する方向への移動範囲における中途箇所に 位置していて、図49や図51にカム溝53jの展開図で示すように、ガイドピン55hがカム溝53jの第1カム溝部53gや第2カム溝部53hの中間箇所 に位置している。
【0472】
尚、図49中の角度目盛りは、図44と同様に、主弁体55のガイドピン55hのカム溝53j内における回転方向位置を示している。
【0473】
そして、冷凍サイクルAが冷房モードであった状態から圧縮機4の運転が停止し、ガイドピン55hが、図49の90゜(及び270゜)の目盛りが記された 上インナハウジング53bの逃げ溝部53fよりも30゜手前の、第1カム溝部53gの中間箇所に位置したものとして、圧縮機4が運転を開始すると、次のよ うになる。
【0474】
即ち、補助弁体55gが弁ポート55cを閉じていることから、圧縮機4から弁ハウジング53の内部に流入した高圧冷媒が、コイルスプリング59の付勢力に抗して主弁体55を弁座57側に移動させるように作用する。
【0475】
すると、第1カム溝部53gの中間箇所に位置しているガイドピン55hが、下インナハウジング53の第2傾斜端面53eに倣って第1カム溝部53g上を 移動し、下インナハウジング53cの0゜(及び180゜)の逃げ溝部53fに位置するようになり、図50に断面図で示すように、主弁体55が弁座57に着 座して第1箇所に到達し、これにより、冷凍サイクルAは冷房モードとなる。
【0476】
その後、圧縮機4の運転が停止されると、弁ハウジング53の内部に流入した冷媒の圧力が低下するので、コイルスプリング59の付勢力が、主弁体55を弁座57から離間させるように作用する。
【0477】
すると、下インナハウジング53の0゜(及び180゜)の逃げ溝部53fに位置しているガイドピン55hが、上インナハウジング53bの第1傾斜端面 53dに倣って第1カム溝部53g上を移動して、図49に示す第1カム溝部53gの中間箇所に戻り、これにより主弁体55は、図48に示すように、コイル スプリング59の付勢力と第2コイルスプリング73の付勢力とが均衡する前記中途箇所に戻る。
【0478】
その後、圧縮機4を再び運転させると、上述したのと同様の動作により主弁体55が第1箇所に戻って、冷凍サイクルAは冷房モードとなる。
【0479】
一方、圧縮機4を逆回転で運転させると、アウタハウジング53aの閉塞端と主弁体55との間の空間の冷媒圧力が減圧されて、第2コイルスプリング73の付勢力に抗して主弁体55が弁座57から離間する方向に移動する。
【0480】
これにより、第1カム溝部53gの中間箇所に位置しているガイドピン55hが、図51に示すように、上インナハウジング53bの第1傾斜端面53dに 倣って第1カム溝部53g上を移動し、90゜(及び270゜)の目盛りが記された上インナハウジング53bの逃げ溝部53fに位置するようになる。
【0481】
すると、主弁体55は、図52に断面図で示すように、弁座57から最も離間した箇所に到達する。
【0482】
その後、圧縮機4の運転が停止されると、アウタハウジング53aの閉塞端と主弁体55との間の空間での冷媒圧力の減圧がなくなるので、主弁体55が第2コイルスプリング73の付勢力により弁座57に接近する方向に移動する。
【0483】
すると、上インナハウジング53bの90゜(及び270゜)の逃げ溝部53fに位置しているガイドピン55hが第2カム溝部53h上を移動して、図51 に示す下インナハウジング53の180゜(及び0゜)の逃げ溝部53f側に30゜進んだ、第2カム溝部53hの中間箇所に位置するようになり、これにより 主弁体55は、図48に示す状態から60゜さらに回転して前記中途箇所に到達する。
【0484】
その後、圧縮機4を再び運転させると、補助弁体55gが弁ポート55cを閉じていることから、圧縮機4から弁ハウジング53の内部に流入した高圧冷媒が、コイルスプリング59の付勢力に抗して主弁体55を弁座57側に移動させるように作用する。
【0485】
すると、第2カム溝部53hの中間箇所に位置しているガイドピン55hが、下インナハウジング53の第1傾斜端面53dに倣って第2カム溝部53h上を 移動し、図51に示す下インナハウジング53cの180゜(及び0゜)の逃げ溝部53fに位置するようになり、図53に断面図で示すように、主弁体55が 弁座57に着座して第2箇所に到達し、これにより、冷凍サイクルAは暖房モードとなる。
【0486】
その後、圧縮機4の運転が停止されると、弁ハウジング53の内部に流入した冷媒の圧力低下により主弁体55に作用するコイルスプリング59の付勢力によって、主弁体55が弁座57から離間する方向に移動する。
【0487】
すると、下インナハウジング53の180゜(及び0゜)の逃げ溝部53fに位置しているガイドピン55hが第1カム溝部53g上を移動して、図51に示 すように、上インナハウジング53bの270゜(及び90゜)の逃げ溝部53f側に60゜進んだ、第1カム溝部53gの中間箇所に到達し、これにより主弁 体55は、図48に示す状態から180゜さらに回転した前記中途箇所に到達する。
【0488】
その後、圧縮機4を再び運転させると、弁ハウジング53の内部に流入した高圧冷媒により主弁体55が、コイルスプリング59の付勢力に抗して弁座57に接近する方向に移動する。
【0489】
すると、図51に示す第1カム溝部53gの中間箇所に位置しているガイドピン55hが、下インナハウジング53の第2傾斜端面53eに倣って第1カム溝 部53g上を移動し、下インナハウジング53cの180゜(及び0゜)の逃げ溝部53fに戻り、図53に示す第2箇所に主弁体55が戻って、冷凍サイクル Aは暖房モードとなる。
【0490】
一方、圧縮機4を逆回転で運転させると、アウタハウジング53aの閉塞端と主弁体55との間の空間の冷媒圧力が減圧されて、第2コイルスプリング73の 付勢力に抗して主弁体55が弁座57から離間する方向に移動するのに伴って、図51に示す第1カム溝部53gの中間箇所に位置しているガイドピン55h が、上インナハウジング53bの270゜(及び90゜)の逃げ溝部53fに位置するようになる。
【0491】
すると、主弁体55は、図52に示す状態からさらに180゜回転した、弁座57から最も離間した箇所に到達する。
【0492】
その後、圧縮機4の運転が停止されると、ガイドピン55hが上インナハウジング53bの270゜(及び90゜)の逃げ溝部53fから第2カム溝部53h 上を移動して、下インナハウジング53の0゜(及び180゜)の逃げ溝部53f側に30゜進んだ、第2カム溝部53hの中間箇所に位置するようになり、こ れにより主弁体55は、図48に示す状態から240゜さらに回転した前記中途箇所に到達する。
【0493】
ここで、圧縮機4を再び運転させると、弁ハウジング53の内部に流入した高圧冷媒により主弁体55が、コイルスプリング59の付勢力に抗して弁座57に接近する方向に移動する。
【0494】
すると、第2カム溝部53hの中間箇所に位置しているガイドピン55hが、下インナハウジング53の第1傾斜端面53dに倣って第2カム溝部53h上を 移動し、下インナハウジング53cの0゜(及び180゜)の逃げ溝部53fに位置するようになり、図50に示すように、主弁体55が弁座57に着座して第 1箇所に到達し、これにより、冷凍サイクルAは冷房モードとなる。
【0495】
その後、圧縮機4の運転が停止されると、弁ハウジング53の内部に流入した冷媒の圧力低下により主弁体55に作用するコイルスプリング59の付勢力に よって、主弁体55が弁座57から離間するように移動し、下インナハウジング53の0゜(及び180゜)の逃げ溝部53fに位置しているガイドピン55h が、第1カム溝部53g上を移動して図49に示す第1カム溝部53gの中間箇所に戻り、これにより主弁体55は、図48に示す前記中途箇所に戻る。
【0496】
このような構成による第18実施形態の流路切換弁81によっても、第15実施形態の流路切換弁51と同様の効果を得ることができ、その上、第18実施形 態の流路切換弁81のように、コイルスプリング59の付勢力と第2コイルスプリング73の付勢力との均衡により、弁座57に対して接近離間する方向への移 動範囲における中途箇所に主弁体55を位置させる構成とすれば、第17実施形態の流路切換弁71と同様に、冷凍サイクルAのいわばダミー運転を不要にする ことができるので、有利である。
【0497】
尚、上述した第15乃至第18実施形態の流路切換弁51,61,71,81ではいずれも、主弁体55のガイドピン55hをハウジング53のカム溝53j に倣って移動させることで、弁座57に接近離間する移動を主弁体55の周方向への回転に変換する構成としたが、ガイドピンとカム溝との配置を主弁体55と 弁ハウジング53との間で逆転させてもよい。
【0498】
そのように構成したのが、図54に断面図で示す本発明の第19実施形態の流路切換弁であり、図54中引用符号91で示す第19実施形態の流路切換弁にお いては、主弁体55の回転中心軸93を弁座57の中央部に突設し、この回転中心軸93の周面に、図55に側面図で示し、かつ、図56に展開図で示すよう に、カム溝53jを形成し、図54に示すように回転中心軸93が挿入される主弁体55の軸孔55jに、図57に要部拡大断面図で示すように、カム溝53j に半部が挿入されるガイドボール95の残る半部が挿入される凹部55kを形成している。
【0499】
尚、この第19実施形態の流路切換弁91では、主弁体55の低圧側連通溝や高圧側連通路等の構成が、第15乃至第18実施形態の流路切換弁51,61, 71,81とは異なっているが、第19実施形態の流路切換弁91の要部は、弁座57に接近離間する方向への主弁体55の移動を主弁体55の周方向への回転 に変換するための構成にあり、流路切換のための主弁体55の構造にあるわけではないので、その部分の構成については説明を省略する。
【0500】
そして、上述の構成による第19実施形態の流路切換弁91によっても、第15実施形態の流路切換弁51と同様の効果を得ることができる。
【0501】
また、上述した第15乃至第19実施形態の流路切換弁51,61,71,81,91ではいずれも、カム溝53jが弁ハウジング53や回転中心軸93の全周に亘って形成されているものとしたが、カム溝はそれらの全周でなく一部に形成されていてもよい。
【0502】
そのように構成したのが、図58に断面図で示す本発明の第20実施形態の流路切換弁であり、図58中引用符号101で示す第20実施形態の流路切換弁 は、ガイドピン55hが平面視略矩形状を呈していて、主弁体55に回転可能に取り付けられている点と、図59に展開図で示すように、弁ハウジング53の内 周面のカム溝53kが、弁ハウジング53の全周に亘るものではなく、2つ独立して形成されている点とにおいて、図36に示す第16実施形態の流路切換弁 51とは構成が大きく異なっている。
【0503】
そして、この第20実施形態の流路切換弁101においては、弁座57に接近離間する方向に主弁体55が移動すると、図59に示すように、ガイドピン 55hが途中で適宜向きを変えながら、カム溝53kに倣って略X字状の経路を往復移動し、これにより、主弁体55が弁ハウジング53に対して所定角度内で 往復回転移動するように構成されている。
【0504】
尚、この第20実施形態の流路切換弁101についても、主弁体55の低圧側連通溝や高圧側連通路等の構成が、第15乃至第19実施形態の流路切換弁 51,61,71,81,91とは異なっており、加えて、弁座57のポートの構成等についても、第15乃至第19実施形態の流路切換弁51,61,71, 81,91とは異なっている。
【0505】
しかし、第20実施形態の流路切換弁101の要部は、弁座57に接近離間する方向への主弁体55の移動を主弁体55の周方向への回転に変換するための構 成にあり、流路切換のための主弁体55や弁座57の構造にあるわけではないので、その部分の構成については説明を省略する。
【0506】
そして、上述の構成による第20実施形態の流路切換弁101によっても、第15実施形態の流路切換弁51と同様の効果を得ることができる。
【0507】
以上に、本発明に係る流路切換弁の実施形態を種々説明したが、続いて、本発明に係る流路切換弁付き圧縮機の実施形態を説明することにする。
【0508】
図60は本発明の第21実施形態に係る流路切換弁付き圧縮機を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図であり、図60中において図9の第5実施形態に係る冷凍サイクルと同一の部材、部分には、図9で付したものと同一の引用符号を付して説明する。
【0509】
そして、図60において、暖房モード時における動作状態を断面にて示す第21実施形態の流路切換弁付き圧縮機は、図9に示す本発明の第5実施形態に係る流路切換弁を、図60中引用符号4Aで示す圧縮機本体と一体化して構成されている。
【0510】
前記圧縮機本体4Aは、圧縮機ハウジング4aと、この圧縮機ハウジング4aの内部に設けられ、前記吸入管6と連通する低圧室4bと、この低圧室4bと区 画して圧縮機ハウジング4aの内部に設けられた高圧室4cと、圧縮機ハウジング4aの内部に設けられて、吸入管6から低圧室4bに導入された冷媒を圧縮し て高圧室4cに導出する圧縮部4dとを備えている。
【0511】
そして、上述したように形成された圧縮機本体4Aは、圧縮機ハウジング4aの高圧室4cを内部に画成する圧縮機ハウジング4a部分を、第5実施形態の流路切換弁における逆転弁本体1と一体化して、高圧室4cと逆転弁本体1の高圧室R1 とを連通させている。
【0512】
したがって、この圧縮機本体4Aでは、圧縮機ハウジング4aの高圧室4cを内部に画成する部分が、圧縮部4dで圧縮された高圧冷媒を逆転弁本体1の高圧室R1 に導く前記吐出管5として機能することになる。
【0513】
このように構成された第21実施形態の流路切換弁付き圧縮機では、第5実施形態に係る冷凍サイクルにおける圧縮機4の動作と同様に圧縮機本体4Aを動作させることで、逆転弁本体1のピストン筒12を第1箇所と第2箇所との間で切り換えることができる。
【0514】
このような構成による第21実施形態の流路切換弁付き圧縮機によれば、第5実施形態の流路切換弁と同様の効果を得ることができる他、流路切換弁が圧縮機と一体化されていることから、高圧室4cと高圧室R1 との配管接続を省略して構成を簡略化することができる。
【0515】
また、高圧室4cと高圧室R1 と の配管接続部における冷媒のリークの可能性をなくして、大気汚染の予防等にも大きく貢献することができ、また、振動が発生する圧縮機回りに電磁ソレノイド 等のための通電部がないので、電気接点における通電不良や電気配線の断線等による電気的な障害の発生を防ぎ、動作の信頼性を向上させることができる。
【0516】
尚、流路切換弁付き圧縮機を構成するために圧縮機本体4Aと一体化する流路切換弁は、上述した第21実施形態の流路切換弁付き圧縮機において採用した、 図9に示す第5実施形態の流路切換弁に限らず、図61に本発明の第22実施形態に係る流路切換弁付き圧縮機を用いた冷凍サイクルの概略構成の説明図で示す ように、図18に示す本発明の第7実施形態に係る流路切換弁であってもよいのは勿論である。
【0517】
また、図示は省略するものの、図15及び図23に各々示す、本発明の第6及び第8の各実施形態に係る流路切換弁を、流路切換弁付き圧縮機を構成するため に圧縮機本体4Aと一体化するようにしてもよく、上述した第5乃至第8実施形態に係る流路切換弁に限らず、第20実施形態までの各実施形態で説明した各流 路切換弁を、流路切換弁付き圧縮機を構成するために圧縮機本体4Aと一体化するようにしてもよいのは勿論である。
【0518】
そして、上述した第5実施形態の流路切換弁以外の実施形態に係る流路切換弁を、流路切換弁付き圧縮機を構成するために圧縮機本体4Aと一体化する場合、それら各実施形態に係る流路切換弁において圧力変換室R2 や第2圧力変換室R5 等に直接的或は間接的に接続されている管路は、圧縮機本体4Aと一体化して構成された流路切換弁付き圧縮機においても、同様に接続されることになる。
【0519】
上述した第21及び第22の各実施形態に係る流路切換弁付き圧縮機を含めて、第5実施形態の流路切換弁以外の実施形態に係る流路切換弁を圧縮機本体4A と一体化して構成された流路切換弁付き圧縮機では、その流路切換弁付き圧縮機を構成するために圧縮機本体4Aと一体化した流路切換弁を圧縮機4と別体に構 成して、冷凍サイクルAを構成した場合に行ったのと同様の動作を行うことで、流路切換弁の切換動作を実行することができる。
【0520】
そして、上述した第21及び第22の各実施形態に係る流路切換弁付き圧縮機を含めて、第5実施形態の流路切換弁以外の実施形態に係る流路切換弁を圧縮機 本体4Aと一体化して構成された流路切換弁付き圧縮機によっても、第21実施形態の流路切換弁付き圧縮機と同様の効果を得ることができる。
【0521】
尚、上述した各実施形態では、冷凍サイクルAにおいて冷媒の流路を逆転させるために用いる流路切換弁や、そのような流路切換弁が一体化された流路切換弁 付き圧縮機を例に取って説明したが、本発明は、例えば、圧油や水等の液体や冷媒以外の気体といった、各種流体の流路を切り換えるために用いられる流路切換 弁、或は、流路切換弁に限らず他の形式の流路切換弁や、その種の流路切換弁が一体化された流路切換弁付き圧縮機にも広く適用可能であることは言うまでもな い。
【0522】
【発明の効果】
請求項1に記載した本発明の流路切換弁によれば、移動部材が第1箇所と第2箇所との間で移動することにより達成される、2つの切換ポートのうち一 方と他方との間でのメインポートの連通先の切り換えを、電動の動力を用いずに行わせることができ、その結果、電動の動力を発生する駆動源が不要となる分だ け故障の発生要因を減らして動作の信頼性を向上させることができ、また、発電所の操業による環境汚染の防止やエネルギー節約等の強力な推進に寄与すること ができる。さらに、移動手段の第1箇所と第2箇所 との間の移動に必要なスペースを、リニアスライドの場合に比べて少なく済ませつつ、主弁体によってハウジングの内部に画成される第1圧力室内の第1空間と 第2圧力室との間で発生する、ハウジングの外部から導入される流体とハウジングの外部に排出される流体との圧力差により、主弁体を回転移動させて流体の流 路を切り換えることができる。
【0523】
さらに、請求項2に記載した本発明の流路切換弁によれば、請求項1に記載した本発明の流路切換弁において、弁座のポートどうしの連通用に主弁体の一 方の端面に形成された第2連通手段に流入する流体の圧力を用いて、主弁体の回転推進力を発生させて、主弁体を電動の動力を用いずに回転させて、流体の流路 を切り換えることができる。
【0524】
さらに、請求項3に記載した本発明の流路切換弁によれば、請求項又はに記載した本発明の流路切換弁において、非電動の動力により主弁体をハウジング 中心軸方向に移動させることで、この中心軸方向への移動をハウジングの周方向への回転に移動方向変換手段により変換して、主弁体を第1箇所と第2箇所との 間で回転させて、流体の流路の切り換えを行わせることができる。
【0525】
さらに、請求項4に記載した本発明の流路切換弁によれば、請求項3に記載した本発明の流路切換弁において、弁座から主弁体が離間してポートどうしが第2連通手段により連通できない主弁体の第1箇所及び第2箇所以外の箇所において、ハウジングの他端側部分に形成された他方のポートを一端側の弁座に形成された2つの切換ポートに選択的に連通させる連通通路を、副弁付勢手段により閉弁方向に付勢された副弁により閉弁させて、正規の切り換え状態ではない状態での、他方のポートと切換ポートとの無用な連通を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図である。
【図2】 冷房モード時における図1の流路切換弁を断面で示す冷凍サイクルの説明図である。
【図3】 本発明の第2実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図である。
【図4】 本発明の第1実施形態や第2実施形態に係る流路切換弁の変形例を示す正面図である。
【図5】 図4の流路切換弁の側面図である。
【図6】 本発明の第3実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図である。
【図7】 冷房モード時における図6の流路切換弁を断面で示す冷凍サイクルの説明図である。
【図8】 本発明の第4実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図である。
【図9】 本発明の第5実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図である。
【図10】 冷房モード時における図9の流路切換弁を断面で示す冷凍サイクルの説明図である。
【図11】 図9のラッチ機構の要部拡大断面図である。
【図12】 図11の内筒の要部拡大展開図である。
【図13】 図9のラッチ機構の要部拡大断面図である。
【図14】 図9のラッチ機構の要部拡大断面図である。
【図15】 本発明の第6実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図である。
【図16】 図9や図15のラッチ機構に代えて用いることができるラッチ機構の概略構成を示す説明図である。
【図17】 図16のカムフォロワピンが移動するカム溝の展開図である。
【図18】 本発明の第7実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図である。
【図19】 図18のパイロット弁機構の要部拡大断面図である。
【図20】 図18のパイロット弁機構の要部拡大断面図である。
【図21】 図18のパイロット弁機構の要部拡大断面図である。
【図22】 冷房モード時における図18の流路切換弁を断面で示す冷凍サイクルの説明図である。
【図23】 本発明の第8実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図である。
【図24】 本発明の第9実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図である。
【図25】 冷房モード時における図24の流路切換弁を断面で示す冷凍サイクル置の説明図である。
【図26】 図24の状態保持用切換弁の要部拡大断面図である。
【図27】 図24の状態保持用切換弁の要部拡大断面図である。
【図28】 本発明の第10実施形態に係る流路切換弁を適用した冷凍サイクルの概略構成を示す説明図である。
【図29】 図28のパイロット振動弁の拡大断面図である。
【図30】 本発明の第11実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図である。
【図31】 図30の差圧切換弁の拡大断面図である。
【図32】 本発明の第12実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図である。
【図33】 本発明の第13実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図である。
【図34】 本発明の第14実施形態に係る流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図である。
【図35】 本発明の流路切換弁を適用することのできるロータリ式流路切換弁を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図である。
【図36】 図35のロータリ式流路切換弁として使用可能な本発明の第15実施形態に係る流路切換弁の断面図である。
【図37】 図36の上インナハウジングの側面図である。
【図38】 図36の下インナハウジングの側面図である。
【図39】 図36のアウタハウジングに収容した状態における図36の上下の各インナハウジングの側面図である。
【図40】 図36の弁座の平面図である。
【図41】 図36のイ−イ線断面図である。
【図42】 冷房モード時における図36の流路切換弁の断面図である。
【図43】 暖房モード時における図36の流路切換弁の断面図である。
【図44】 図39のカム溝の展開図である。
【図45】 図36の主弁体と弁座の回転方向における相対位置関係を示す説明図である。
【図46】 図35のロータリ式流路切換弁として使用可能な本発明の第16実施形態に係る流路切換弁の断面図である。
【図47】 図35のロータリ式流路切換弁として使用可能な本発明の第17実施形態に係る流路切換弁の断面図である。
【図48】 図35のロータリ式流路切換弁として使用可能な本発明の第18実施形態に係る流路切換弁の断面図である。
【図49】 図48のカム溝の展開図である。
【図50】 冷房モード時における図48の流路切換弁の断面図である。
【図51】 図48のカム溝の展開図である。
【図52】 冷房モードと暖房モードとの相互間での切り換え時における図48の流路切換弁の断面図である。
【図53】 暖房モード時における図48の流路切換弁の断面図である。
【図54】 図35のロータリ式流路切換弁として使用可能な本発明の第19実施形態に係る流路切換弁の断面図である。
【図55】 図54の回転中心軸の側面図である。
【図56】 図55のカム溝の展開図である。
【図57】 図54の主弁体の要部拡大断面図である。
【図58】 図35のロータリ式流路切換弁として使用可能な本発明の第20実施形態に係る流路切換弁の断面図である。
【図59】 図58のカム溝の展開図である。
【図60】 本発明の第21実施形態に係る流路切換弁付き圧縮機を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図である。
【図61】 本発明の第22実施形態に係る流路切換弁付き圧縮機を用いた冷凍サイクルの概略構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 逆転弁本体(ハウジング)
2,3 栓体(ハウジング)
4 圧縮機
4a 圧縮機ハウジング
4b 圧縮機本体低圧室(低圧室)
4c 圧縮機本体高圧室(高圧室)
4d 圧縮部
5 吐出管
6 吸入管
7 導管(第2切換管)
8 導管(第1切換管)
11 弁シート
11a 弁シート通口(排出ポート)
11b,11c 弁シート通口(切換ポート)
12, ピストン筒(移動部材)
12´ 第2ピストン筒(移動部材)
121 ピストン筒通孔(均圧通路、第1均圧通路)
121 ´ ピストン筒第2通孔(第2均圧通路)
122 副弁(第1副弁)
122 ´ 第2副弁
13 圧縮ばね(付勢手段)
14A,14B,14C 管路
27 スライドバルブ
29,29A 状態保持用切換弁
29a ハウジング
29b 第1ポート(第1導入ポート)
29c 第2ポート(第2導入ポート、導入ポート)
29e 切換弁体(第2切換弁体)
29k コイルスプリング(切換弁付勢手段)
30 パイロット振動弁(共振弁)
32,34 ラッチ機構
32a 封止ハウジング(ハウジング)
32k ラッチコマ
33e パイロット弁体(パイロット弁)
33h 操作ピン(開弁部材)
33j 操作プレート(開弁部材)
40 差圧切換弁
41 第1三方弁
41a,42a,42b ピストン(移動部材)
41j コイルスプリング(第2付勢力蓄積手段)
41k コイルスプリング(第1付勢力蓄積手段)
42 第2三方弁
43 スライド式四方弁(流路切換弁)
44,45 三方弁(パイロット弁)
44a,45a 三方弁ハウジング(第2ハウジング)
44j,45f コイルスプリング(第4付勢力蓄積手段)
44k,45g コイルスプリング(第3付勢力蓄積手段)
44b,44c,45r ピストン(切換弁体)
51,61,71,81,91,101 流路切換弁
53 弁ハウジング
53b 上インナハウジング
53c 下インナハウジング
53j,53k カム溝
55 主弁体
55a 低圧側連通溝(第2連通手段)
55b 高圧側連通路
55h ガイドピン(カムフォロワピン)
57 弁座
57a 第1切換ポート
57b 第2切換ポート
58 スラストベアリング(滑動手段)
A 冷凍サイクル
1 高圧室(第1圧力室)
2 圧力変換室(第2圧力室)
5 第2圧力変換室(第2圧力室)
S1 閉塞空間(第2空間)
S2 高圧空間(第1空間)

Claims (4)

  1. 圧縮機、熱交換器、絞り、及び、流路切換弁を備えた冷凍サイクルで用いられ、
    流体が吸入される吸入ポート及び流体が排出される排出ポートを備えると共に、2つの切換ポートを備える前記流路切換弁のハウジングの内部で第1箇所と第2箇所との間を移動部材が移動することで、前記移動部材の前記第1箇所にあっては、前記吸入ポートと前記2つの切換ポートのうちいずれか一方の切換ポートとが前記ハウジングの内部で連通されると共に、前記排出ポートと前記2つの切換ポートのうちいずれか他方の切換ポートとが前記ハウジングの内部で連通され、前記移動部材の前記第2箇所にあっては、前記吸入ポートと前記2つの切換ポートのうちいずれか他方の切換ポートとが前記ハウジングの内部で連通されると共に、前記排出ポートと前記2つの切換ポートのうちいずれか一方の切換ポートとが前記ハウジングの内部で連通される流路切換弁であって、
    前記移動部材を、圧縮機の運転及び停止により前記流路切換弁内での流体の圧力、差圧、及び、流量のうち少なくとも1つの変化で発生する動力を用いて前記第1箇所と前記第2箇所との間で移動させる移動手段を備え、
    前記ハウジングは円筒状に形成されていて、少なくとも前記2つの切換ポートは、前記ハウジングのうち該ハウジングの中心軸方向における 一端側の弁座に形成されており、前記移動部材は、前記ハウジング内に収容されて前記中心軸の周りに回転可能な主弁体により構成されていると共に、該主弁体 には、前記2つの切換ポートのうち片方の切換ポートを選択的に吸入ポートに連通させる連通手段が形成されており、前記主弁体は、前記中心軸の周りに回転変位することで前記第1箇所と前記第2箇所との間を移動し、前記主弁体の前記第1箇所にあっては、前記連通手段により前記2つの切換ポートのうちいずれか一 方の切換ポートが前記吸入ポートに連通され、前記主弁体の前記第2箇所にあっては、前記連通手段により前記2つの切換ポートのうちいずれか他方の切換ポー トが前記吸入ポートに連通されることを特徴とする流路切換弁。
  2. 前記排出ポートは前記弁座に形成されていると共に、前記中心軸方向における前記主弁体の一方の端面は前記弁座に着座し、該一方の端面に は、前記排出ポートに前記2つの切換ポートのうち片方の切換ポートを選択的に連通させる第2連通手段が形成されており、前記主弁体の前記第1箇所にあっては、前記第2連通手段により前記他方の切換ポートが前記排出ポートに連通され、前記主弁体の前記第2箇所にあっては、前記第2連通手段により前記一方の切 換ポートが前記排出ポートに連通されることを特徴とする請求項1に記載の流路切換弁。
  3. 前記主弁体は前記ハウジング内において前記中心軸方向に移動可能に構成されており、前記主弁体の前記ハウジングに対する前記中心軸方向への移動を該中心軸の周りの回転方向への移動に変換する移動方向変換手段をさらに備えており、前記移動手段は前記主弁体を前記ハウジングに対して前記中心軸方向に往復移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の流路切換弁。
  4. 前記吸入ポートは、前記中心軸方向における前記ハウジングの他端側部分に形成されており、前記連通手段は、前記ハウジングの内部において前記主弁体の一方の端面側と他方の端面側とを連通させる連通通路と、該連通通路を開閉する副弁と、該副弁を閉弁方向に付勢する副弁付勢手段と、前記主弁体の一方の端面が前記弁座に着座した状態で前記副弁付勢手段による付勢力に抗して前記副弁を開弁させる開弁手段とを有している請求項3に記載の流路切換弁。
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