JP3996150B2 - 2型糖尿病モデルマウス - Google Patents

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Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、2型糖尿病を自然発症する遺伝子を有するマウスに関する。
背景技術
糖尿病、特に2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)は、生活習慣病といわれて久しく、また世界的にみても患者数が急増している疾患の一つである。この患者数急増の原因としては、第一には生活習慣の大きな変化が挙げられ、さらに遺伝的要因も重要な要因となっている。患者数急増により、適切な糖尿病の予防法および治療法の開発、原因遺伝子の解明、発症機構の解明は急務である。この目的のためには、適切な疾患モデル動物が必要不可欠である。特に、自然発症型の疾患モデル動物は、原因遺伝子の解明等の観点から有用である。
従来、自然発症の2型糖尿病モデル動物としては、KK−Ayマウス(Nishimura M., Exp. Anim., 18:147-157., 1969)、NSYマウス(Ueda H. et al., Diabetologia 38, 503-508., 1995)、db/dbマウス(Hummel K P. et al., Science 153, 1127-1128., 1966)、ob/obマウス(Herberg L & Coleman DL. Horm Metab Res. 7, 410-5., 1975)、および、AKITAマウス(Yoshioka M. et al., Diabetes 46, 887-894., 1997)などが報告されている。
この内、KK−AyマウスおよびNSYマウスは肥満を伴うものであり、また、db/dbマウスおよびob/obマウスは、それぞれレプチン受容体異常あるいはレプチン産生異常による肥満に伴うモデルである。一方、AKITAマウスは、膵β細胞異常により糖尿病を発症するモデルである。
一方で、日本人の糖尿病患者のうち90数%を占める2型糖尿病患者のほとんどは、肥満を伴わない非肥満型の2型糖尿病患者であるとされている。このため、非肥満型の2型糖尿病の原因究明および治療方法の確立のためには、従来型の2型糖尿病モデル動物では不十分であり、肥満を伴わない2型糖尿病モデル動物が望まれていた。
これまでに非肥満型の2型糖尿病モデル動物としては、例えば、特開2004−65181号公報(特許文献1)に記載のモデルマウスが報告されている。このマウスはインスリンの分泌異常を伴うものである。
2型糖尿病の発症および病態には、インスリン分泌の低下と、インスリン感受性の低下(インスリン抵抗性)の2要因が密接に関係するとされている。
特開2004−65181号公報
発明の概要
本発明者は今般、2型糖尿病を自然発症するマウスの作出に成功した。このマウスは肥満傾向を実質的に有さないものであった。また、このマウスの膵β細胞は正常であり、マウスのインスリン分泌も正常であった。これらの特徴は、従来の2型糖尿病モデルであるマウスとは異なるものであった。本発明はかかる知見に基づくものである。
よって、本発明は2型糖尿病を自然発症する遺伝子を有する新規なマウスの提供をその目的としている。
そして本発明による2型糖尿病モデルマウスは、下記特性(1)〜(3)を発現しうる原因遺伝子をヘテロまたはホモの状態で有し、かつ、前記特性が常染色体性の劣性遺伝形質であることを特徴とするものである:
(1) 生後10〜14週齢で、正常系統マウスに比べて高血糖であり、かつ、生後10〜14週齢またはさらに加齢した状態において、血中の糖化ヘモグロビン(HbA1c)濃度が2.5%以上を示す;
(2) 生後10〜14週齢で、尿糖陽性である;かつ
(3) 膵島炎は実質的に認められず、かつ、血中インスリン濃度は正常系統マウスに比べて同等であるか、もしくはそれより高い値を示す。
本発明の一つの好ましい態様によれば、前記原因遺伝子は以下の特性をさらに発現しうるものである:
(4) 肥満傾向は実質的に認められない。
本発明の別の態様によれば、本発明による前記マウスの子孫であって、前記特性(1)〜(3)を示すマウスが提供される。
本発明の別の好ましい態様によれば、本発明による前記マウスの子孫であって、前記特性(1)〜(4)を示すマウスであり、かつ、任意のラボラトリーマウスに、原因遺伝子を戻し交配により導入することにより得られるコンジェニックマウスであるものが提供される。
発明の具体的説明
受精卵の寄託
本発明によるマウスの受精卵、すなわち前記特性(1)〜(3)の原因遺伝子をヘテロの状態で有するマウスの受精卵は、2型糖尿病マウスの表示で、平成16(2004)年7月21日(受託(受領)日)付で独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305-8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託された。受託番号は、FERM P−20124(国際寄託番号FERM BP−10202)である。
本発明によるマウス
本明細書において、2型糖尿病モデルマウスという場合には、特に記載のない限り、2型糖尿病モデルマウスが有する前記特性(1)〜(3)の原因遺伝子を、遺伝子型としてホモまたはヘテロのいずれの状態で有するものを意味する。したがって、本発明による2型糖尿病モデルマウスは、前記特性の原因遺伝子をヘテロまたはホモの状態で有する限りにおいて、そのマウスの種類(系統、交雑系など)、すなわちその遺伝的背景としてのマウスの種類自体は、特に制限されない。よって、該マウスの系統としては、本発明による2型糖尿病モデルマウスの由来となった近交系KORマウスおよびアトピー性皮膚炎モデルNCマウスの他に、例えば、C3H/Heマウス、BALB/cマウス、C57BL/6マウス、AKR/Msマウス、およびA/Jマウス等が挙げられる。
本明細書において、「ホモ接合体」とは、前記特性(1)〜(3)の原因遺伝子をホモの状態で有するマウスを意味し、「ヘテロ接合体」とは、該原因遺伝子をヘテロの状態で有するマウスを意味する。
したがって、本発明による2型糖尿病モデルマウスには、2型糖尿病を自然発症するホモ接合体、および2型糖尿病を発症しないヘテロ接合体のいずれもが包含される。なおヘテロ接合体は、正常マウスと同等の寿命を有するため、扱いやすく、継代や運搬等を行う場合に有利となることがある。
よって、本発明の一つの好ましい態様によれば、本発明による2型糖尿病モデルマウスはその原因遺伝子をホモの状態で有する。また本発明の別の一つの好ましい態様によれば、本発明による2型糖尿病モデルマウスはその原因遺伝子をヘテロの状態で有する。
本明細書において、「自然発症」とは、突然変異等の天然由来の形質を引き継ぐことにより、2型糖尿病を発症することができるか、または2型糖尿病を潜在的に発症し得る状態にあることをいう。ここで「2型糖尿病を潜在的に発症し得る状態にある」とは、原因遺伝子をヘテロの状態で有する場合をいう。したがって、本発明によるマウスは、2型糖尿病を自然発症するか、また自然発症を潜在的にし得るものであり、遺伝子工学的技術を用いて遺伝子を人為的に操作したマウス、例えばノックアウト型マウスおよびトランスジェニック型マウスとは区別されるものである。
マウスの由来
本発明者は、1988年および1989年に福島県郡山市で捕獲した日本産野生マウス(Mus musculus molossinus)由来の近交系KORマウスと、アトピー性皮膚炎モデルマウスであるNCマウス(NC/Jicマウス、日本クレア株式会社より入手可能)との交配により作出されたF2マウス中に、2型糖尿病を自然発症するマウスを見出した。
よって、本発明による2型糖尿病モデルマウスは、典型的には、近交系KORマウスとアトピー性皮膚炎モデルNCマウスの子孫である。
マウスの特性
本発明による2型糖尿病モデルマウスは、下記特性1)〜5)を発現する原因遺伝子をヘテロまたはホモの状態で有するものである。
1) 生理学的特徴
本発明による2型糖尿病モデルマウス(ホモ接合体)は、以下の生理学的特徴、典型的には少なくとも下記(i)〜(iv)の特徴、を具備するものである。
(i) 血糖
本発明による2型糖尿病モデルマウス(ホモ接合体)は、生後10〜14週齢で、正常系統マウスに比べて高血糖である。
ここで「正常系統マウス」は、血糖値、尿糖、およびインスリン分泌などについて異常を示さないマウスであれば特に制限はなく、いずれのマウスであってよい。「正常系統マウス」としては、好ましくは、KORマウス、NCマウス、および、コンジェニック系マウス作出において反復親として使用されるラボラトリーマウス(例えば、C3H/Heマウス、BALB/cマウス、C57BL/6マウス等)等が挙げられる。
「正常系統マウスに比べて高血糖」であるとは、絶食時における血糖値(血中グルコース濃度)が、正常系統マウスの絶食時の値に比べて高いことをいい、好ましくは、血糖値が130mg/dl以上、より好ましくは、血糖値が140mg/dl以上、さらに好ましくは、血糖値が200mg/dl以上、さらにより好ましくは、血糖値が300mg/dl以上であることをいう。またここで「絶食時」とは、12時間程度マウスを絶食させた後の状態をいう。
本発明において「血糖値」は、慣用の方法により測定することができ、例えば、後述する実施例に記載の方法にしたがって、市販の測定機(メディセーフ・リーダー、株式会社テルモ製)を用いて測定することができる。
(ii) 糖化ヘモグロビン(HbA1c)濃度
本発明による2型糖尿病モデルマウス(ホモ接合体)は、生後10〜14週齢またはさらに加齢した状態において、血中の糖化ヘモグロビン濃度が2.5%以上、好ましくは2.6%以上、より好ましくは2.8%以上、さらに好ましくは3.0%以上を示す。
ここで「糖化ヘモグロビン濃度」とは、血中において、赤血球中のヘモグロビンの内で、グルコースと結合しているヘモグロビンの割合を意味する。糖化ヘモグロビン濃度は、糖尿病患者の治療コントロールの良否判定の指標として用いられるものであり、現時点の血糖値よりも1〜2ヶ月前の血糖値と相関することが知られている。
「糖化ヘモグロビン濃度」は、慣用の方法により測定することができ、例えば、後述する実施例に記載の方法にしたがって、市販の測定機(DCA2000システム、バイエルンメディカル社製)を用いて測定することができる。具体的には、例えば、測定機として前記DCA2000システムを使用する場合、ここでは、総ヘモグロビン量はチオシアンメトヘモグロビン法に従い測定され、また、糖化ヘモグロビン量はラテックス凝集阻止反応により測定される。
(iii) 尿糖
本発明による2型糖尿病モデルマウス(ホモ接合体)は、生後10〜14週齢で、尿糖陽性である。
ここで「尿糖陽性」とは、マウスの排出する尿中のブドウ糖濃度が100mg/dl以上であるこという。ここで尿中ブドウ糖濃度は、慣用の方法により測定することができ、例えば、後述する実施例に記載の方法にしたがって、市販のキット(プレテスト、和光純薬工業株式会社製)を用いて測定することができる。具体的には例えば、測定キットとして前記プレテストを使用する場合、まず検体であるマウスの尿を前記プレテストの試験紙につけ、30秒後に該キット所定の色調表にしたがって判定することにより、−〜+4までの5段階に分類することができる。この内、判定結果が+1の場合には、尿中ブドウ糖濃度は、100〜250mg/dlであり、+2の場合には250〜500mg/dl、+3の場合には500〜2000mg/dl、+4の場合には2000mg/dl以上であることを示す。このとき、判定結果が+1以上である場合を「尿糖陽性」であるとする。
(iv) 血中インスリン濃度
本発明による2型糖尿病モデルマウス(ホモ接合体)の血中インスリン濃度は、正常系統マウスに比べてそれと同等であるか、もしくはそれより高い値を示す。
血中インスリン濃度が「正常系統マウスに比べてそれと同等であるか、もしくはそれより高い値を示す」とは、絶食時における血中のインスリン濃度が、正常系統マウスの絶食時の値に比べて同等であるかまたはそれより高いことをいい、好ましくは、血中インスリン濃度が90pg/ml以上、より好ましくは、血中インスリン濃度が110pg/ml以上であることをいう。
本発明において「血中インスリン濃度」は、慣用の方法により測定することができ、例えば、後述する実施例に記載の方法にしたがって、レビスインスリン測定キットU−タイプ(株式会社シバヤギ製)を用いて測定することができる。具体的には、例えば、プレートに抗インスリンモノクローナル抗体(マウス)を固相化しておき、検体中のインスリンをこれに結合させた後、インスリンの別な部位を認識するビオチン標識抗インスリンモノクローナルを反応させ、ここにさらに、ペルオキシダーゼ−アビジン結合物を加えてビオチンに結合させ、最後に色原性基質を加えて発色させることによって、インスリンを測定する。
(v) 耐糖能
本発明による2型糖尿病モデルマウス(ホモ接合体)は、耐糖能異常が認められる。
マウスの耐糖能が正常であるか異常であるかは糖負荷試験により確認することができる。糖負荷試験は、慣用の手順により実施することができ、例えば、絶食時のマウスに、体重1g当たり1mgのブドウ糖を腹腔内投与し、所定の糖負荷経過時間について(例えば、180分間にわたって30分毎に)、そのマウスの血糖値を測定することにより行うことができる。測定の結果、時間の経過に伴って血糖値が、正常系統マウスと比較して、減少する傾向が認めらない場合には、耐糖能は異常であると判断される。
(vi) その他
本発明による2型糖尿病モデルマウス(ホモ接合体)は、糖尿病発症後、典型的には、生後10〜14週齢以降において、水の多飲傾向、および、多尿傾向が認められる。多飲傾向は、例えば、飼育用のケージに設置した給水瓶中の水の減少速度に着目し、正常系統マウスと比較することにより、確認することができる。また、多尿傾向は、例えば、飼育用のケージ内の床敷きの濡れ具合を観察し、正常系統マウスと比較することにより、確認することができる。
2) 病理学的特徴
本発明による2型糖尿病モデルマウス(ホモ接合体)においては、膵島(ランゲルハンス島)炎は実質的に認められない。
ここで、「膵島炎が実質的に認められない」とは、病理学的検索を行った場合に、膵島β細胞の一部に萎縮が見られる等の軽微な変異が見られることがある以外は、膵島β細胞の損傷または破壊が認められない状態をいう。ここでいう病理学的検索は、例えば、後述する実施例に記載の方法にしたがって行うことができる。
本発明によるマウスにおいては、膵島炎が実質的に認められないため、インスリン分泌は正常であると言える。インスリン分泌が正常であることは、上記したように、血中インスリン濃度を測定し、正常系統マウスのものと比較することにより、確認することができる。
3) 肥満
本発明による2型糖尿病モデルマウス(ホモ接合体)には、肥満傾向は実質的に認められない。
本発明において、マウスの肥満傾向の有無は、マウスの体重を、同週齡の正常系統マウスのものと比較することにより、判定することができる。判定するにあたっては、複数のサンプルを用いて、統計学的な手法(例えば有意差検定)を適用することができる。
4) 遺伝様式
本発明による2型糖尿病モデルマウスの特性は、常染色体性の劣性遺伝形質である。すなわち、本発明によるマウスの交配実験によれば、2型糖尿病は、常染色体劣性遺伝様式によって発症し、単純なメンデル遺伝に従った。本発明によるマウスの2型糖尿病は、その原因遺伝子をホモの状態で有する場合(ホモ接合体の場合)において発症する。一方、ヘテロ接合体の血糖値、糖化ヘモグロビン濃度、尿糖などの糖尿病に関する指標は正常である。
したがって、本発明による2型糖尿病モデルマウス(ホモ接合体)と任意のラボラトリーマウスとの交配によって得られたF1個体は、ヘテロ接合体であるため、病変は認められない。F1個体同士の交配により得られるF2個体は、その約1/4はホモ接合体となるため、この個体は2型糖尿病を発症する。
5) 性差による発症頻度
本発明による2型糖尿病モデルマウスは、性差による発症頻度の違いがほとんど見られない。
すなわち、日本人では、1型および2型糖尿病のいずれも発症に性差はないとされている。しかしながら、2型糖尿病モデルKKマウスでは、雄は、一般飼料でも生後17〜18週齢で80%前後が尿糖陽性を示すが、雌では、雄よりも肥満が軽度で糖尿病症状も軽度であることが報告されている(Nishimura, M., Exp. Anim., 18:147-157, 1969)。また、2型糖尿病モデルAkitaマウスでも発症に性差が存在し、雄は雌よりも糖尿病の程度が重く1年生存率も50%程度と悪いが、雌はほぼ100%と正常同胞と変わらないことが報告されている(Yoshioka, M., et al. Diabetes, 46:887-894,1997)。さらに、同じく2型糖尿病モデルであるNSY(Nagoya Shibata Yasuda)マウスでは、8週齢以降糖尿病を発症するが、48週齢までの累積発症率は雄でほぼ100%、雌で20%程度であることが報告されている(Ueda, H., et al. Diabetologia, 38:503-508,1995)。このように、これらマウスでは、性差による発症の差異が認められいずれも雄の頻度が高く、重症である。一方、1型糖尿病モデルであるNODマウスでも、その発症率に性差が認められている。前記したKKマウス等のモデルマウスとは逆に、雌の発症頻度の方が高く、生後30週齢までの累計で雌は90%、雄では50%であることが報告されている(Hattori, M., et al. Science, 231:733-763, 1986)。
これらに対して、本発明による2型糖尿病マウスは、系統樹立過程ではあるが、これまでの観察から発症率に実質的な性差は認められない。このため、本発明によるマウスは、モデル動物実験に両性を使用することができ、十分な匹数を得ることができる。また、ヒト糖尿病の場合と同様に、発症の差異が認められないため、優れたモデルといえる。
マウスの継代
本発明による2型糖尿病マウス(ホモ接合体)は、雄の生殖能力が加齢に伴い低下する傾向がある。したがって、継代維持は若齢時よりホモ接合体雌雄を同居させ、繁殖を行うことが望ましい。あるいは、ヘテロ接合雄個体とホモ接合雌個体の交配によって行うこともできる。このような交配によって得られる子のうち、2型糖尿病の発症個体は雌雄共にすべてホモ接合体であり、正常個体は雌雄共にすべてヘテロ接合体個体である。
さらに次世代を得たい場合には、例えば、同様にヘテロ接合雄個体とホモ接合雌個体とによる交配により得ることができる。
ホモ接合体とヘテロ接合体との判別は、8から10週齢時に血糖値および尿糖を測定することによって容易に行うことができる。最終的には、糖化ヘモグロビン値を10から14週齢時に測定して判定することにより、より正確に判別を行うことができる。
マウスの繁殖
本発明によるマウスの繁殖は、近交系動物の繁殖に通常用いられているように、兄妹交配によって増殖を行って、必要なマウス数を確保することができる。
例えば、雄のヘテロ接合個体と雌のホモ接合個体とを用いて交配させ、生まれる子の中から、前記したような判別手段を用いてホモ接合個体を選択することによって、目的とする多くの個体を得ることができる。
よって本発明の別の態様によれば、本発明による2型糖尿病モデルマウス同士を交配させ、発症する特性の原因遺伝子をホモの状態で有するマウスを選択することを含んでなる、2型糖尿病を自然発症するモデルマウスの作出方法が提供される。
マウスの飼育条件
本発明による2型糖尿病モデルマウスの飼育条件は、特に制限はなく慣用のマウス飼育法にしたがって飼育することができる。例えば、飼育条件は、室温22±2℃で、湿度65±5%のSPF環境で、飼料として、普通飼料(船橋農場製、F2)を不断給餌し、水は水道水を自由摂取させることである。またマウスは、木製チップを床敷きにしたアルミケージ内で飼育することができる。
本発明によるマウスは、任意のラボラトリーマウスとを交配させて得られる交雑マウスや、後述するコンジェニック系マウスを包含する。
本発明の別の態様によれば、前記した2型糖尿病モデルマウスの子孫であって、前記した特性を示すマウスが提供される。
ここでいう子孫には、本発明による2型糖尿病モデルマウスと、任意のラボラトリーマウスとを交配させて得られる交雑マウスや、後述するコンジェニック系マウスが包含される。
コンジェニック系マウス
本発明によれば、任意のラボラトリーマウスに、前記特性(1)〜(3)を発現する原因遺伝子を戻し交配により導入することによって得られるコンジェニックマウスである2型糖尿病モデルマウス、すなわちコンジェニック系マウスが提供される。このコンジェニック系マウスは、前記原因遺伝子以外についての遺伝的背景が、任意のラボラトリーマウスとなっているものである。このコンジェニック系マウスも前記原因遺伝子を有するため、2型糖尿病を発症する。
このようなコンジェニック系マウスは、本発明による2型糖尿病モデルマウス(ホモ接合体)と、任意のラボラトリーマウスとを公知の戻し交雑育種法にしたがって戻し交配を進めることにより、作出することができる。このとき、供与親を本発明による2型糖尿病モデルマウス(ホモ接合体)とし、反復親を任意のラボラトリーマウスとする。また通常戻し交配によりコンジェニック系マウスを確立する場合には、交配世代は少なくとも8世代、典型的には12世代程度経る必要がある。
またここで用いられる任意のラボラトリーマウスとしては、例えば、C3H/Heマウス、BALB/cマウス、C57BL/6マウス、NC/Jicマウス、AKR/Msマウス、およびA/Jマウスが挙げられる。好ましくは、C3H/Heマウス、BALB/cマウス、C57BL/6マウスである。
具体例として本発明者は、ラボラトリーマウスとして、耐糖能に劣るC57BL/6マウスおよびBALB/cマウスと、耐糖能に優れるC3H/Heマウスとを用いて、遺伝的背景の異なる3系統のコンジェニック系マウスの作出を行っている。
例えば後述する実施例にあるように、BALB/c系、C57BL/6系、およびC3H/He系のすべての系の作出過程のものにおいて、正常系統マウスに比べて表現型に差異があることが本発明者により確認されている。このような状況から、当業者であれば、コンジェニック系マウスの作出が可能であることが理解できよう。
原因遺伝子をラボラトリーマウスに導入したコンジェニック系マウスは、前記した供与親である本発明による2型糖尿病モデルマウスと異なる遺伝的背景を持つ。このため、供与親である本発明による2型糖尿病モデルマウスと、コンジェニック系マウスとは、遺伝的背景の差異が2型糖尿病の病態に及ぼす影響を解析するのに有用である。
モデル動物としての有用性
(a) 本発明による2型糖尿病モデルマウス(ホモ接合体)は、膵β細胞異常によるインスリン分泌異常が見られないものである。また本発明によるマウスには、肥満傾向がほとんど見られないものであることができる。既知の非肥満型の2型糖尿病モデルマウスは、インスリン分泌異常を伴うものである。このため、本発明によるマウスは、2型糖尿病に関する新たなモデルマウスの系統ということができ、2型糖尿病の発症機序、その予防および治療、創薬研究の分野において有用な研究用モデルマウスになると考えられる。
(b) 本発明による2型糖尿病モデルマウスを用いることにより、そのコンジェニック系マウスの系統を構築することができる。このようなコンジェニック系マウスの系統の構築は、未だ不明な点が多い2型糖尿病の発症機序の解明、新しい治療戦略と創薬研究、オーダーメイド治療の開発、予防法の確立等に有用であると考えられる。またコンジェニック系マウスにおいて、遺伝的背景としたラボラトリーマウスを、比較対象となる正常コントロールマウスとして使用することができる。さらにコンジェニック系マウスとすることにより、マウスの繁殖性を向上させ、寿命を延ばすことが可能となる。そして、本発明においては、本発明による糖尿病マウスを、3系統の近交系マウス(C3H/Heマウス、C57BL/6およびBALB/cマウス)にそれぞれ戻し交配手法を適用して、それぞれのコンジェニック系マウスを作出している。近交系マウスの系統間には耐糖能に差異のあることが知られており、C3H/Heマウスは、C57BL/6およびBALB/cマウスより耐糖能が良いことが知られている。このように本発明によれば、耐糖能に系統間差異のある複数系統のモデルマウスを樹立することができるため、糖尿病の発症機構に関与する遺伝要因および環境要因の相互作用を解明することが可能となり、画期的な疾患モデルセットを構築できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
作出の経緯
本発明の2型糖尿病モデルマウスは、福島県郡山市で捕獲した日本産野生マウス(Mus musculus molossinus)由来の近交系KORマウスと、市販のアトピー性皮膚炎モデルマウスであるNCマウス(NC/Jicマウス、日本クレア株式会社より入手可能)との交配により作出されたF2マウス中に、2003年に見出された。前記F2マウスを収容していたケージ内床敷きに異常な水ぬれと汚れがあり、観察の結果、これらの異常な水ぬれと汚れは、多尿によることが判した。また、給水瓶の水の減り具合から多飲であることを確認し、糖尿病発症であることが疑われた。前記F2マウスの血糖値および尿糖を検査した結果、高血糖でかつ尿糖陽性であった。このようにして2型糖尿病を自然発症するマウスを見出した。
このマウスについてさらに検索を行うと同時に、この異常が遺伝的疾患であることを想定して、両親および同腹の兄妹の交配実験によって2型糖尿病のマウスを分離、継代し、本発明によるマウスを得た。
すなわち、本発明による2型糖尿病モデルマウスは、そのKOR系と市販のNC系の雑種中に突然変異として見出されたものを、突然変異系統の2型糖尿病モデルマウスとして確立したものである。なお、最初に見出された背景の一方となるKOR系は、すでにF24世代以上の近交系となっている。
本発明による2型糖尿病モデルマウスは、室温は22±2℃,湿度65±5%のSPF環境で飼育した。飼料は普通飼料(船橋農場製、F2)を不断給餌した。水は水道水を給水瓶から自由摂取させ、木製チップを床敷きにしてアルミケージで飼育した。
血糖値の測定
検体マウスの血糖値(血中グルコース濃度)は、市販の測定機(メディセーフ・リーダー、株式会社テルモ製)を用いて測定した。この測定機の原理を説明すると以下のとおりである。測定法は比色法によるものである。測定用チップを用意し、この測定用チップに、触媒としてのグルコースオキシダーゼおよびペルオキシダーゼと、発色剤としての4−アミノアンチピリンおよびN−エチルーN(2−ヒドロキシー3−スルフォプロピル)−m−トルイジンとをセットしておく。毛細管現象により吸引された血液を、このチップ上にのせると、血中のグルコースがグルコースオキシダーゼによって酸化される。そして、この時に発生した過酸化水素とペルオキシダーゼとによりチップ上の発色剤が酸化され、赤紫色に発色する。血中のグルコース量は、この色調の度合いを測定して算出される。
ここでは、検体マウスから血液サンプルとして、全血4μLを得、これを、測定時間を18秒間として測定した。
本発明による2型糖尿病マウス(ホモ接合体)として、サンプル個体#1および#3を用意し、これらについて、血糖値を測定した。また、比較例として、正常系統マウスであるC57BL/6マウスの血糖値も併せて測定した。
結果は、表1に示される通りであった。
表1:
サンプル個体 血糖値(mg/dl) 尿糖 血中インスリン濃度(pg/ml)
#1 529 +4 40
#3 470 +4 90
比較例 100−110 − 110
尿糖の測定
検体マウスの尿中ブドウ糖(尿糖)は、市販のキット(プレテスト、和光純薬工業株式会社製)を用いて測定した。測定は、まず検体であるマウスの尿を前記プレテストの試験紙に染み込ませ、30秒後に該キット所定の色調表にしたがって試験紙を判定することにより、尿糖レベルを−〜+4までの5段階に分類した。ここで、判定結果が+1の場合には、尿中ブドウ糖濃度は、100〜250mg/dlであり、+2の場合には250〜500mg/dl、+3の場合には500〜2,000mg/dl、+4の場合には2,000mg/dl以上であることを意味する。この内、判定結果が+1以上である場合を「尿糖陽性」であるとした。
本発明による2型糖尿病マウス(ホモ接合体)として、サンプル個体#1および#3を用意し、これらについて尿糖を測定した。また、比較例として、正常系統マウスであるC57BL/6マウスの尿糖も併せて測定した。
結果は、表1に示される通りであった。
血中インスリン濃度の測定
検体マウスの血中インスリン濃度は、市販のキット(レビスインスリン測定キットU−タイプ、株式会社シバヤギ製)を用いて測定した。測定は、プレートに抗インスリンモノクローナル抗体(マウス)を固相化しておき、検体中のインスリンをこれに結合させた後、インスリンの別な部位を認識するビオチン標識抗インスリンモノクローナルを反応させ、ここにさらに、ペルオキシダーゼ−アビジン結合物を加えてビオチンに結合させ、最後に色原性基質を加えて発色させることによって、インスリンを測定した。なお測定範囲は、通常マウスで39〜2,500pg/mlである。
本発明による2型糖尿病マウス(ホモ接合体)として、サンプル個体#1および#3を用意し、これらについて血中インスリン濃度を測定した。また、比較例として、正常系統マウスであるC57BL/6マウスの血中インスリン濃度も併せて測定した。
結果は、表1に示される通りであった。
耐糖能の評価
検体マウスの耐糖能を、以下のような糖負荷試験にしたがって評価した。
糖負荷試験は、まず12時間絶食状態にしたマウスに、体重1g当たり1mgのブドウ糖を腹腔内投与し、その後180分間にわたって30分毎に、そのマウスの血糖値(末梢血)を測定することにより行った。なお血糖値は、前記した測定法にしたがって測定した。測定の結果、時間の経過に伴って血糖値が、正常系統マウスの場合のように減少する傾向が認めらない場合には、耐糖能は異常であると判断した。
本発明による2型糖尿病モデルマウス(ホモ接合体)としてサンプル個体#3(6ヶ月齢)と、比較例として正常系統マウスであるKORマウス(3ヶ月齢)およびNCマウス(3ヶ月齢)とを用意し、これらについて糖負荷試験を行った。
結果は、図1に示される通りであった。
病理学的検索
本発明による2型糖尿病マウス(ホモ接合体)の膵臓組織と、正常マウス(KORマウス)の膵臓組織とをそれぞれ、10%フォルマリン固定後パラフィン包埋し、常法に従ってヘマトキシリン・エオジン(H−E)染色を行い、これを顕微鏡(倍率400倍)により観察した。
その結果、本発明によるマウスでは、膵臓組織、特に膵島β細胞の一部に正常マウスと比べると若干の萎縮が見られたものの、膵島β細胞の損傷または破壊は認められなかった。
マウスの肥満傾向の有無の判定
コンジェニック系作出途中のF2マウスにおいて、発症マウス(ホモ接合体)と非発症マウス(ヘテロ接合体および正常ホモ接合体)間の体重を測定し、それらを比較した。
C57BL/6系の雄について体重を比較したところ、発症マウスでは35.6±8.3g(n=28(ここでnは測定個体数を表す))であり、非発症マウスでは36.7±9.7g(n=42)であった。したがって、発症マウス(ホモ接合体)と非発症マウスとの間には、体重に有意の差は認められなかった。
コンジェニックマウスの作出
本発明による2型糖尿病モデルマウス(ホモ接合体)と、ラボラトリーマウスとを公知の戻し交雑育種法にしたがって戻し交配を進めることにより、コンジェニック系マウスの作出を行った。戻し交配では、供与親を2型糖尿病モデルマウス(ホモ接合体)とし、反復親を所定のラボラトリーマウスとした。
ラボラトリーマウスとしては、耐糖能に劣るC57BL/6マウスおよびBALB/cマウスと、耐糖能に優れるC3H/Heマウスとを用いた。これにより、遺伝的背景の異なる3系統のコンジェニック系マウスが作出される。
コンジェニック系マウスを確立する過程で得られたBALB/c系、C57BL/6系、およびC3H/He系の3つの系統の交配マウス(F2の発症個体)について、それぞれ血糖値および糖化ヘモグロビン濃度を測定した。血糖値の測定は、前述の測定法に従って行った。
血中の糖化ヘモグロビン濃度は、市販の測定機(DCA2000システム、バイエルンメディカル社製)を用いて測定した。この測定原理は、総ヘモグロビン量はチオシアンメトヘモグロビン法に従い測定し、また、糖化ヘモグロビン量はラテックス凝集阻止反応により測定するものであった。ここでは、測定範囲は2.5%〜14.0%であり、2.5%未満の場合は<2.5%と表示することとした。まず、検出サンプルとして全血1μlをキャピラリーに充填して本体にセットした。測定時間を6分間とした。
また、比較例として、正常系統マウスであるC57BL/6マウスについても併せて測定した。
結果は、表2に示される通りであった。
表2:
血糖値(mg/dl) SD HbA 1c (%) SD
C3H/He (n=8) 146.5 44.9 2.5 0.1
C57BL/6 (n=16) 151.3 31.2 3.0 0.2
BALB/c (n=7) 143.6 23.7 3.1 0.4
比較例 (n=9) 100−110 19.3 <2.5 0.1
なお表中SDは標準偏差を意味し、nは、測定に使用した個体数であり、血糖値および糖化ヘモグロビン濃度は、測定個体数の平均値である。
表から明らかなように、糖化ヘモグロビン濃度については、遺伝的背景の差異によると推定される有意差が認められた。
実施例における糖負荷試験の結果を示す図である。

Claims (5)

  1. 独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに受託番号FERM BP−10202として寄託されている受精卵から成長した、2型糖尿病モデルマウス。
  2. 請求項1に記載の2型糖尿病モデルマウスの子孫であって、2型糖尿病モデルマウスの下記特性(1)〜(3)を有する、マウス:
    (1) 生後10〜14週齢で、正常系統マウスに比べて高血糖であり、かつ、生後10〜14週齢またはさらに加齢した状態において、血中の糖化ヘモグロビン(HbA1c)濃度が2.5%以上を示す;
    (2) 生後10〜14週齢で、尿糖陽性である;かつ
    (3) 膵島炎は実質的に認められず、かつ、血中インスリン濃度は正常系統マウスに比べて同等であるか、もしくはそれより高い値を示す。
  3. 以下の特性をさらに有する、請求項2に記載のマウス:
    (4) 肥満傾向は実質的に認められない。
  4. 供与親を2型糖尿病モデルマウスとし、反復親を任意のラボラトリーマウスとして、戻し交配により得られるコンジェニックマウスである、請求項2または3に記載のマウス。
  5. 請求項2〜4のいずれか一項に記載のマウスと、任意のラボラトリーマウスとの交配によって得られるマウスであって、
    前記特性を発現しうる原因遺伝子をヘテロの状態で有し、かつ、前記特性が常染色体性の劣性遺伝形質である、マウス
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