JP3995387B2 - 偏光板保護用透明フィルム及びそれを用いてなる偏光板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は偏光板に用いられる偏光板保護用の透明フィルム及びそれを用いてなる偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
偏光板はサングラス、反射防止膜、液晶表示装置等に用いられ主に無偏光から偏光を取り出す光学素子として利用されている。特に液晶表示装置において用いられる偏光板の偏光機能を発現する部材としては、延伸配向したポリビニールアルコール中にヨウ素や二色性色素が配向して保持されたものや、ポリアセチレン等のように直鎖状の多数の共役二重結合が主鎖や側鎖に配置されてなる配向高分子等が用いられている。一般にこれらの偏光機能を有する部材は耐擦傷性、機械的強度、耐久性等の点で、実用上問題が生じる場合がある為、これらの片面または両面に保護フィルムが接着剤や粘着剤を介して設置されているのが普通である。
【0003】
液晶表示装置において広く用いられている偏光板の保護フィルムとしてはトリアセチルセルロースフィルムがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
液晶表示装置において用いられる偏光板の保護フィルムに要求される特性としては、湿熱耐久性、透明性、低い光学異方性等を挙げることが出来る。良好な湿熱耐久性は特に自動車内で用いられる液晶表示装置に用いられる偏光板としては必須項目であるが、具体的には高いガラス転移点温度や、低い吸水率であるものが好ましい。特に自動車内で用いられる液晶表示装置の偏光板としては100℃以上での耐環境性が要求されるので、ガラス転移点温度が高いことが必要であり、また同時に吸水率が高い場合には高分子中の水の分子運動により、ガラス転移点温度以下でも収縮、膨潤等の変形を生じる可能性があり、吸水率は低い方が好ましい。
【0005】
また、液晶表示装置に用いられる偏光板の保護フィルムは、透明性に優れ光学異方性の小さいこと、特に三次元的な屈折率異方性が小さいことが好ましい。特に昨今の液晶表示装置は視野角特性が良好になってきており、それにともにない偏光板の視野角特性が問題になる場合がある。
【0006】
特に液晶表示装置用の偏光板用保護フィルムとして広く用いられているトリアセチルセルロースフィルムは、吸水率が4重量%以上と高く、高温高湿度下では、変形等の問題が生じる場合がある。また、該フィルムは透明性及び面内リタデーション(R(550))を10nm以下にすることができ、二次元的には光学異方性が小さい優れた特性を有するものの、三次元的に見た光学異方性は大きい。
【0007】
このような問題を有するトリアセチルセルロースフィルムに対して、他の樹脂を用いたフィルムも提案されているが、一般に検討されている熱可塑性樹脂からなる透明フィルムは、R(550)は例えば、絶対値で10nm以下のものが実現できるが、三次元の屈折率異方性は一般に大きく、特に生産性を高めるのが困難である。例えば、市販のビスフェノールAを重縮合した単位を有するポリカーボネートを溶液キャスト製膜法または溶融押出し法にてフィルム製膜したものは、R(550)は10nm以下に出来るが、三次元の屈折率異方性は非常に大きい。無理に三次元の屈折率異方性を小さくしようとしてもフィルム面内でむらが発生したり、極端に生産性が悪くなってしまう等の問題があり、現実に入手可能で、フィルム全体としての屈折率異方性が小さい透明フィルムを得ることは甚だ困難であった。
【0008】
三次元の屈折率異方性が大きいとは、通常、膜厚方向の屈折率が、面内方向の屈折率と大きく異なっているためで、これは、例えば、フィルム溶融成形時の流動配向や、溶液キャスト製膜であれば、キャスト直後の溶媒蒸発時の流動配向やその後の工程である乾燥工程で、フィルムのしわ等を無くす為にフィルムに張力をかけざるを得ないこと等が主な原因となっていると思われる。しかしながら、これらの製膜工程を改善することにより光学異方性を低減するには限界があり、他の特性、例えば表面平坦性や膜厚むら、光学的なむら等の両立が難しいといった問題や極端に生産性が悪くなるといった問題が生じてしまう。
【0009】
また、上述した光学異方性は位相差(nm)で表現したが、この位相差は一般に角度でも表現することが出来る。このとき、角度で表現した位相差R1とnmを単位とした位相差R2の換算式は、R1(度)=(R2(nm)/λ)×360で表される(λは位相差測定波長)。偏光板用の保護フィルムが持っている位相差R1の大きさが、偏光板の偏光度、すなわち液晶表示装置に用いた場合には液晶表示装置のコントラスト等の画質に影響を与える。すなわち、R2が使用する位相差測定波長に対して常に一定の値であった場合でも、短波長側になればなるほど、R1は大きくなってしまい、短波長になるほど保護フィルムの持つ位相差が直線偏光板の偏光度を悪化させる。すなわち、このR2で表記される位相差は短波長ほど小さいことが好ましい。例えば、保護フィルムの持つ位相差の偏光板の偏光度に与える影響を、可視光の範囲ですべて同じにするということであれば、R2の波長λに対する変化を波長λの変化に近づけることが好ましいと言うことになる。これは、R2で表記される位相差は短波長ほど小さいことが好ましいことを意味する。しかし、通常の高分子材料からなる透明フィルムはいずれも、R2が短波長になると大きくなってしまうかまたは良くても一定なものが普通であり、耐熱、耐水性に優れ、かつ実用に耐えるようなそのような特性を有するフィルムは存在していなかった。なお、特に断りが無い場合には本明細書中の位相差とはnmを単位としたものを指すこととする。
【0010】
本発明は上記課題を解決して面内及び三次元の光学異方性が小さく、位相差が短波長ほど小さくかつ湿熱耐久性に優れた偏光板用保護フィルムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、保護フィルムの三次元屈折率異方性を根本的に低減するには、高分子の構造が非常に重要であると考えた。
【0012】
そして上記課題を解決する為に、偏光板用保護フィルムの高分子構造等に着目し、特に発光、非発光問わず表示装置の偏光板の保護フィルムとして好適な透明フィルムついて鋭意検討したところ、生産性、光学的均一性、平面性等に優れた透明フィルムを与え得る熱可塑性樹脂を選び、吸水率が1重量%以下である1枚の透明フィルムであって、光学等方性が極めて高い、面内及び三次元の屈折率異方性が特定値以下の透明フィルムを見出し本発明を達成したものである。
【0013】
すなわち本発明は、 熱可塑性樹脂からなり、吸水率1重量%以下の1枚の透明フィルムであって、該透明フィルムが下記条件AまたはB:
[条件A]
(i)正の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位(以下、第1のモノマー単位という。)と負の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位(以下、第2のモノマー単位という。)とを含む高分子から構成されるフィルムであって、
ii )該第1のモノマー単位に基づく高分子のR(450)/R(550)は、該第2のモノマー単位に基づく高分子のR(450)/R(550)よりも小さく、かつ
iii )正の屈折率異方性を有する、
[条件B]
(i)正の屈折率異方性を有する高分子を形成するモノマー単位(以下、第1のモノマー単位という。)と負の屈折率異方性を有する高分子を形成するモノマー単位(以下、第2のモノマー単位という。)とを含む高分子から構成されるフィルムであって、
ii )該第1のモノマー単位に基づく高分子のR(450)/R(550)は、該第2のモノマー単位に基づく高分子のR(450)/R(550)よりも大きく、かつ
iii )負の屈折率異方性を有する、
のいずれかを満たす透明フィルムであって、波長450nm,550nmにおける位相差が下記式(1)〜(3)を同時に満たすことを特徴とする偏光板保護用透明フィルムである
【0014】
【数2】
|R(550)|≦15nm (1)
|K(550)|≦35nm (2)
R(450)/R(550)<1 (3)
(式中、R(450)及びR(550)はそれぞれ波長450nm及び550nmにおける透明フィルムの面内位相差であり、K(550)は波長550nmにおける透明フィルムのK=〔nz−(nx+ny)/2〕×d(式中、nx,ny,nzは透明フィルムの三次元屈折率でそれぞれx軸、y軸、z軸方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さである。)で計算される値である。)
【0015】
本発明において、偏光板保護用透明フィルムの光学異方性が小さいとは、上記(1)、(2)を満足することであり、さらに、偏光板用保護フィルムの位相差が短波長ほど小さくなるとは上記(3)を満足することをいう。
【0016】
測定波長400〜700nmにおいて透明フィルムの位相差が短波長ほど小さいことが好ましいが、さらに、実用的な観点からは、透明フィルムの波長450nm、550nm及び650nmにおける位相差が、下記式(4)及び(5):
【0017】
【数3】
0<R(450)/R(550)<0.95 (4)
1.02<R(650)/R(550)>1.5 (5)
〔式中、R(650)は波長650nmにおける透明フィルムの面内位相差である。〕
を満たすことが好ましい。
【0018】
ここで、本発明においては、波長450,550,650nmにおける透明フィルムの位相差およびK値をそれぞれR(450),R(550),R(650)、及びK(450),K(550),K(650)と表記する。
【0019】
透明フィルムの位相差(レターデーション)は、光が厚さdのフィルムを透過したときにフィルムの配向方向とそれに垂直な方向の光の進行速度(屈折率)の差にもとづく位相の差をいい、配向方向とそれに垂直な方向の屈折率の差Δnとフィルムの厚さdとの積Δn・dで表わされることは知られている。
【0020】
位相差Δn・dは透明フィルムが同一であれば複屈折Δnに比例するので、位相差の波長分散(波長依存性)は複屈折Δnの波長分散(波長依存性)で表わすことができる。
【0021】
透明フィルムの面内における配向方向の屈折率がそれと垂直な方向の屈折率より大きい場合を、光学的異方性が正といい、逆の場合を光学的異方性が負という。ここで透明フィルムの配向方向は、例えば、フィルムを公知の位相差フィルム製造条件であるガラス転移点温度Tg近傍(Tg±20℃)の条件で一軸延伸した場合には、その延伸方向になる。二軸延伸の場合には配向が高くなるように延伸した方向をいう。
【0022】
なお、本発明において、位相差というときは位相差の絶対値をいう。光学異方性が負の場合には位相差は負であるが、本発明では特にことわらない限り正負の符号は無視する。
【0023】
また、光学異方性の正負を判断するのに用いる測定光学波長は550nmとする。
【0024】
本発明によれば、光学異方性が小さくかつ、位相差が短波長ほど小さい透明フィルムは、下記(A)または(B)の条件を満たす透明フィルムによって得ることができることが見い出された。
【0025】
(A)()正の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位(以下、第1のモノマー単位という。)と負の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位(以下、第2のモノマー単位という。)とを含む高分子から構成されるフィルムであって、
ii)該第1のモノマー単位に基づく高分子のR(450) /R(550) は、該第2のモノマー単位に基づく高分子のR(450) /R(550) よりも小さく、かつ
iii)正の屈折率異方性を有する、
透明フィルム。
【0026】
(B)()正の屈折率異方性を有する高分子を形成するモノマー単位(以下、第1のモノマー単位という。)と負の屈折率異方性を有する高分子を形成するモノマー単位(以下、第2のモノマー単位という。)とを含む高分子から構成されるフィルムであって、
ii)該第1のモノマー単位に基づく高分子のR(450) /R(550) は、該第2のモノマー単位に基づく高分子のR(450) /R(550) よりも大きく、かつ
iii)負の屈折率異方性を有する、
透明フィルム。
【0027】
上記(A)または(B)の条件を満たす態様の例として、下記条件(C)(D)を満たすものがある。
【0028】
(C)()正の屈折率異方性を有する高分子と負の屈折率異方性を有する高分子とからなるブレンド高分子及び/又は正の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位と負の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位とからなる共重合体から構成されるフィルムであって、
ii)該正の屈折率異方性を有する高分子のR(450) /R(550) は該負の屈折率異方性を有する高分子のR(450) /R(550) よりも小さく、かつ
iii)正の屈折率異方性を有する、
透明フィルム。
【0029】
(D)()正の屈折率異方性を有する高分子と負の屈折率異方性を有する高分子とからなるブレンド高分子及び/又は正の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位と負の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位とからなる共重合体から構成されるフィルムであって、
ii)該正の屈折率異方性を有する高分子のR(450) /R(550) は該負の屈折率異方性を有する高分子のR(450) /R(550) よりも大きく、かつ
iii)負の屈折率異方性を有する、
透明フィルム。
【0030】
ここで、正又は負の屈折率異方性を有する高分子とは、正又は負の屈折率異方性を有する透明フィルムを与える高分子をいう。
【0031】
この透明フィルムが、測定波長が短いほど位相差が小さくなる必要条件である理由を以下に記す。
【0032】
一般に、高分子Aと高分子Bの二成分からなる高分子ブレンドの複屈折Δnは、以下のように表されることが知られている。(H. Saito and T. Inoue, J. Pol. Sci. Part B, 25, 1629 (1987))
【0033】
【数4】
Δn=Δn0 A fA φA +Δn0 B fB φB +ΔnF (a)
ここで、Δn0 A :高分子Aの固有複屈折、Δn0 B :高分子Bの固有複屈折、fA :高分子Aの配向関数、fB :高分子Bの配向関数、φA :高分子Aの体積分率、φB :高分子Bの体積分率(=1−φA )、ΔnF :構造性複屈折である。一般に複屈折ΔnはΔn=fΔn0 で表される。また、Δn0 は二色性赤外分光法と位相差測定等を組み合わせて求めることが出来る。
【0034】
(a)式はポリマーA,B間の電子的な相互作用による分極率の変化は完全に無視しているが、以下でもこの仮定を採用する。また、本発明のような位相差フィルム用途では、光学的に透明であることが要求されることから、ブレンドは相溶ブレンドであることが好ましく、この場合には、ΔnF は非常に小さく無視することが出来る。
【0035】
次に測定波長が短いほど複屈折が小さくなる透明フィルムについてであるが、この測定波長として、ここでは450, 550nmのみ考えることとする。この位相差フィルムのこれらの波長における複屈折をそれぞれ、Δn(450) 、Δn(550) とすると、Δn(450) /Δn(550) <1と表せる。通常の高分子フィルムからなる位相差フィルムはΔn(450) /Δn(550) >1であることは言うまでもなく、例えばビスフェノールAとホスゲンの重合から得られるポリカーボネートのΔn(450) /Δn(550) は1.08程度であり、複屈折の波長分散が小さいといわれるポリビニールアルコールでも1.01程度である。
【0036】
このΔn(450) /Δn(550) を複屈折波長分散係数とすると、(a)式を用いて次の様に表される。
【0037】
【数5】
Figure 0003995387
ここで、相溶ブレンドであるのでfA =fB と仮定すると、(b)式は以下のように書き表せる。
【0038】
【数6】
Figure 0003995387
次に表1に記すような仮想的な値を(c)式に用いて、複屈折波長分散値について検討した。なお、表1ではΔn0 A (450) 、Δn0 B (450) の代わりに、 高分子A,B単独の複屈折分散値を記した。
【0039】
【表1】
Figure 0003995387
【0040】
式(c)は表1の値が与えられるとφAの関数としてそれぞれ図2〜5のように表される。ケース1〜4はそれぞれ図2〜5に対応する。表1では正の屈折率異方性を有する高分子を高分子A、負のそれを高分子Bとしているので、図2〜5に記した漸近線よりもφAの少ない領域では、ブレンド高分子の光学異方性は負であり、一方、漸近線よりもφBの多い領域は異方性は正である。
【0041】
図2〜5より明らかなように、Δn(450) /Δn(550) <1となるためには、表1のケース1,3のように、正の高分子の複屈折波長分散係数が負のそれよりも小さくかつ該透明フィルムの光学異方性が正であるか、または、ケース2,4のように高分子単独の複屈折波長分散係数が負のそれよりも大きくかつ該透明フィルムの光学異方性が負である必要がある。ここでは、代表的な波長として450, 550nmを用いたが、他の波長を用いても同様に成立する。
【0042】
なお、(c)式より考察すると、正と負の高分子の複屈折波長分散係数が完全に等しい場合には、本発明の透明フィルムは得られない。
【0043】
上記考察は、上記式(a)を基にした考察であるが、後述する実施例のように実際の系でもこの考え方は非常によく成り立つので、この考え方が正しいことは実施例でも証明される。例えば、後述する実施例においてフルオレン骨格を有するポリカーボネート共重合体では、Δn(450) /Δn(550) <1となるときに、異方性は正であるので、厳密には値は異なるが表4のケース1、3に相当し、また、ポリスチレンとポリフェニレンオキサイドのブレンドの場合には、Δn(450) /Δn(550) <1となるときに、異方性は負であるので、厳密には値は異なるが表4のケース2、4に相当するものと考えられる。
【0044】
上記の考察は2成分について述べたが、3成分以上でも上記の考え方は成立する。例えば、正の光学異方性を有する成分が2成分と負の異方性を有する成分が1成分である系では、正の光学異方性を有する成分の複屈折率値及び複屈折分散値等を正の異方性の2成分間の体積分率等で補正し、この2成分を1成分と見なして上記式(a)以下の考察の考え方を適用することが可能である。
【0045】
また、上記式(a)に基づく説明は高分子A,Bのブレンドとして説明したが、高分子が異なるモノマー単位を含む共重合体の場合にも上述した考察の考え方は同様に成立し、第1のモノマー単位に基づく単独重合体(高分子A)と第1のモノマー単位と異なる第2のモノマー単位に基づく単独重合体(高分子B)とから成ると見なして上記の考え方を適用すればよい。
【0046】
さらに、単独重合体と共重合体との高分子ブレンドあるいは共重合体どうしの高分子ブレンドでも、上述した考察の考え方を同様に適用することができる。即ち、この場合には、高分子ブレンドの成分高分子を構成するモノマー単位に分けて、その高分子ブレンドをそれぞれのモノマー単位からなる単独重合体の集合体と見なし、この集合体を正の光学異方性を有する単独重合体の群からなる成分Aと負の異方性を有する単独重合体の群からなる成分Bとの組合せと見なして、上記の考察を適用すればよい。
【0047】
例えば、正の光学異方性を有する高分子X,Yと、負の光学異方性を有するモノマー単位x,zの共重合体において、xが正の光学異方性を有し、zが負の光学異方性を有する場合には、正の光学異方性を有する成分は、X,Y及びxからなると考えて、これらの複屈折率値及び複屈折分散値等を正の異方性の3成分間の体積分率等で補正して、これらの3成分を1成分Aとみなし、負の異方性を有する成分はモノマー単位zからなる重合体Bと見なして、成分A及び成分Bについて、上記(a)以下の考察の考え方を適用すればよい。
【0048】
なお、第1又は第2のモノマー単位に基づく単独高分子において、単独高分子がポリカーボネートの場合、ポリカーボネートは一般にジヒドロキシ化合物とホスゲンとの重縮合により得られるので、重合の観点からは、ビスフェノールからなるジヒドロキシ化合物とホスゲンがモノマーになる。このようにポリカーボネートの場合は、モノマー単位はビスフェノールに由来する部分をいい、ホスゲンに由来する部分は含まない。
【0049】
一般に室温付近で測定された光学弾性係数と、何らかの高分子成形後、フィルム成形の場合には製膜や延伸工程後に発現する位相差を関連付けて議論することが多いが、実際は必ずしも対応するものではない。むしろ、位相差は複屈折とフィルム膜厚との積であり、また複屈折は固有複屈折と配向関数との積であるので、分子設計の立場からはこの固有複屈折と配向関数について考える必要がある。小さい位相差値を有している透明フィルムを生産性よく得る為には、まず、この固有複屈折を小さくすることが重要である。配向関数は高分子の配向に関する因子であるので、これは成形プロセスに依存すると考えられる。通常フィルムの成形工程として用いられる溶液キャスト製膜工程を考えた場合、固有複屈折が大きいものはプロセスにて配向関数を下げる必要があり、何らかの温度むらや張力むら等の外乱要因があった場合には、これが配向関数の不均一性に繋がり、結果として得られる透明フィルムは位相差の大きいものになる。一方、固有複屈折の小さいものであれば、配向関数に多少むらがあっても、位相差が小さくかつ均一なものが得られると予想される。本発明では固有複屈折が小さい材料を用いている。
【0050】
【発明の実態の形態】
本発明における偏光板保護用透明フィルムは、吸水率1重量%以下の熱可塑性樹脂からなる1枚の透明フィルムからなり、上記式(1)〜(3)を同時に満足することを特徴としている。なお、上記式(1)について好ましくは|R(550)|≦10nm、より好ましくは|R(550)|≦5nmである。上記式(2)については、好ましくは|K(550)|≦25nm、より好ましくは|K(550)|≦10nmである。上記式(1)、(2)では位相差を測定波長550nmで定義しているが、可視光波長で測定して上記値を満足することが好ましい。
【0051】
上記特性を透明フィルム1枚で満足するための材料に対する原理についてはすでに述べたので、以下具体的な材料について説明する。
【0052】
本発明の偏光板保護用透明フィルムの吸水率は1重量%以下であることが必要である。透明フィルムの吸水率が1重量%を超えると偏光板用保護フィルムとして実用する上で特に高温高湿環境下においては問題が生じる場合がある。特に好ましくは0.5重量%以下の条件を満たすように選択すると、湿熱耐久性がより高まるのでよい。
【0053】
さらに本発明の偏光板保護用透明フィルムは、ガラス転移点温度が120℃以上であることが好ましい。これ未満では、耐久試験時等に収縮等の変形の問題等が発生する場合がある。
【0054】
本発明の偏光板保護用透明フィルムを構成する熱可塑性樹脂は特に限定されず、上記の条件をかかるフィルム1枚で満たす(共重合)ポリマー、それらのブレンド体であれば特に制限はない。例えば、耐熱性に優れ、光学性能が良好で、溶液製膜ができる材料、例えばポリアリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリスルフィン系共重合体、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどの熱可塑性ポリマーが好適である。
【0055】
この熱可塑性ポリマーを用いた場合、上述したように、正の屈折率異方性を有する高分子と負の屈折率異方性を有する高分子とからなるブレンド高分子、正の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位と負の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位とからなる共重合体がより好適である。それらは2種類以上組合せてもよく、また1種類以上のブレンド高分子と1種類以上の共重合体とを組合せて用いてもよい。
【0056】
ブレンド高分子であれば、光学的に透明である必要があることから相溶ブレンドまたは、各々の高分子の屈折率が略等しいことが好ましい。ブレンド高分子の具体的な組み合わせとしては、例えば負の光学異方性を有する高分子としてポリ(メチルメタクリレート)と、正の光学異方性を有する高分子としてポリ(ビニリデンフロライド)、ポリ(エチレンオキサイド)及びポリ(ビニリデンフロライド−コ−トリフルオロエチレン)からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリマーとの組み合わせ、正の光学異方性を有する高分子としてポリ(フェニレンオキサイド)と、負の光学異方性を有する高分子としてポリスチレン、ポリ(スチレン−コ−ラウロイルマレイミド)、ポリ(スチレン−コ−シクロヘキシルマレイミド)及びポリ(スチレン−コ−フェニルマレイミド)からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリマーとの組み合わせ、負の光学異方性を有するポリ(スチレン−コ−マレイン酸無水物)と正の光学異方性を有するポリカーボネートとの組み合わせ、正の光学異方性を有するポリ(アクリロニトリル−コ−ブタジエン)と負の光学異方性を有するポリ(アクリロニトリル−コ−スチレン)との組み合わせ、正の光学異方性を有するポリカーボネートと負の光学異方性を有するポリカーボネートとの組み合わせを好適に挙げることができるが、これらに限定されるものではない。特に透明性の観点から、ポリスチレンと、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)等のポリ(フェニレンオキサイド)とを組み合わたブレンドポリマー、正の光学異方性を有するポリカーボネートと負の光学異方性を有するポリカーボネートとを組み合わせたブレンド体が好ましい。前者の場合、該ポリスチレンの比率が全体の67重量%以上75重量%以下を占めることが好ましい。後者の場合、正の光学異方性を有するビスフェノールAをジオール成分とするポリカーボネートと、ビスフェノールフルオレンをジオール成分とする、フルオレン骨格を主として有するポリカーボネートとを配合してなるものが好ましい。該ビスフェノールフルオレン成分のブレンド体全体における含有率は、30〜90モル%が好適である。
【0057】
また、共重合体としては例えばポリ(ブタジエン−コ−ポリスチレン)、ポリ(エチレン−コ−ポリスチレン)、ポリ(アクリロニトリル−コ−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−コ−ブタジエン−コ−スチレン)、ポリカーボネート共重合体、ポリエステル共重合体、ポリエステルカーボネート共重合体、ポリアリレート共重合体等を用いることが出来る。特に、フルオレン骨格を有するセグメントは負の光学異方性となり得るため、フルオレン骨格を有するポリカーボネート共重合体、ポリエステル共重合体、ポリエステルカーボネート共重合体、ポリアリレート共重合体等はより好ましく用いられる。
【0058】
上記高分子材料は、2種類以上の共重合体のブレンド体でもよく、1種以上の共重合体と上記ブレンド体または他のポリマーとからなるブレンド体であってもよく、2種類以上のブレンド体または共重合体または他のポリマーのブレンド体でもよい。これらの場合、該ビスフェノールフルオレン成分の全体における含有率は、30〜90モル%とすることが好適である。
【0059】
ビスフェノール類とホスゲンあるいは炭酸ジフェニルなどの炭酸エステル形成性化合物と反応させて製造されるポリカーボネート共重合体は透明性、耐熱性、生産性に優れており特に好ましく用いることが出来る。ポリカーボネート共重合体としては、フルオレン骨格を有する構造を含む共重合体であることが好ましい。フルオレン骨格を有する成分は式(I)で表わされる繰返し単位であり、繰返し単位全体の1〜99モル%含まれていることが好ましい。
【0060】
具体的には、下記式(I)
【0061】
【化8】
Figure 0003995387
【0062】
(上記式(I)において、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種であり、Xは
【0063】
【化9】
Figure 0003995387
【0064】
である。)
で示される繰り返し単位を30〜90モル%と、下記式(II)
【0065】
【化10】
Figure 0003995387
【0066】
(上記式(II)において、R9〜R16はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種であり、Yは下記式群
【0067】
【化11】
Figure 0003995387
【0068】
(ここで、Y中のR17〜R19、R21及びR22はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から、R20及びR23はそれぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれ、Arは炭素数6〜10のアリール基から選ばれる少なくとも一種の基である。)
で示される繰り返し単位が全体の70〜10モル%を占めるポリカーボネート共重合体が挙げられる。
【0069】
上記式(I)において、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれる。かかる炭素数1〜6の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基が挙げられる。この中で、水素原子、メチル基が好ましい。
【0070】
上記式(II)において、R9〜R16はそれぞれ独立に水素原子、ハロン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる。かかる炭素数1〜22の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜9のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基等のアリール基が挙げられる。この中で、水素原子、メチル基が好ましい。
【0071】
上記式(II)のYにおいて、R17〜R19、R21及びR22はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基である。かかる炭化水素基については、上記したものと同じものを挙げることができる。R20及びR23はそれぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれ、かかる炭化水素基については、上記したものと同じものを挙げることができる。Arはフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基である。
【0072】
本発明における透明フィルムは、フルオレン骨格を有するポリカーボネートを用いたものが好ましい。このフルオレン骨格を有するポリカーボネートとしては、例えば上記式(I)で表わされる繰り返し単位と上記式(II)で表わされる繰り返し単位とからなるポリカーボネート共重合体、上記式(I)で表わされる繰り返し単位からなるポリカーボネートと上記式(II)で表わされる繰り返し単位からなるポリカーボネートとのブレンド体がよく、上記式(I)の含有率、すなわち共重合体の場合共重合組成、ブレンド体の場合ブレンド組成比は、ポリカーボネート全体の30〜90モル%が好適である。かかる範囲を外れた場合には、小さい位相差値を有する位相差フィルムを均一に得ることが困難となる。上記式(I)の含有率は、ポリカーボネート全体の35〜85モル%が好ましく、50〜80モル%がより好ましい。
【0073】
上記共重合体は、上記式(I)および(II)で表わされる繰り返し単位をそれぞれ2種類以上組み合わせたものでもよく、ブレンド体の場合も、上記繰り返し単位はそれぞれ2種類以上組み合わせてもよい。
【0074】
ここで上記モル比は共重合体、ブレンド体に関わらず、透明フィルムを構成するポリカーボネートバルク全体で、例えば核磁気共鳴(NMR)装置により求めることができる。
【0075】
上記フルオレン骨格を有するポリカーボネートとしては、下記式(III)
【0076】
【化12】
Figure 0003995387
【0077】
(上記式(III)において、R24及びR25はそれぞれ独立に水素原子およびメチル基から選ばれる少なくとも一種である。)
で示される繰り返し単位を35〜85モル%と、下記式(IV)
【0078】
【化13】
Figure 0003995387
【0079】
(上記式(IV)において、R26及びR27はそれぞれ独立に水素原子、メチル基から選ばれ、Zは下記式群
【0080】
【化14】
Figure 0003995387
【0081】
から選ばれる少なくとも一種の基である。)
が全体の65〜15モル%を占めるポリカーボネート共重合体及び/またはブレンド体を用いることが特に好ましい。
【0082】
上記した共重合体及び/またはブレンド体は公知の方法によって製造し得る。ポリカーボネートはジヒドロキシ化合物とホスゲンとの重縮合による方法、溶融重縮合法等が好適に用いられる。ブレンド体の場合は、相溶性ブレンドが好ましいが、完全に相溶しなくても成分間の屈折率を合わせれば成分間の光散乱を抑え、透明性を向上させることが可能である。
【0083】
上記ポリカーボネートの極限粘度は0.3〜2.0dl/gであることが好ましい。0.3未満では脆くなり機械的強度が保てないといった問題があり、3.0を超えると溶液粘度が上がりすぎるため溶液製膜においてダイラインの発生等の問題や、重合終了時の精製が困難になるといった問題がある。
【0084】
本発明の偏光板保護用透明フィルムは透明性が高いことが必要で、具体的にはヘーズ値は3%以下、全光線透過率は測定波長380〜780nmにおいて80%以上、好ましくは85%以上であることが好ましい。さらに無色透明であることが好ましいが、JISZ-8279に記載のL***表色系のうち、2度視野C光源を用いたb*で定義するなら、1.3以下であることが好ましく、より好ましくは0.9以下である。
【0085】
本発明の偏光板保護用透明フィルムは、さらに、フェニルサリチル酸、2−ヒドロキシベンゾフェノン、トリフェニルフォスフェート等の紫外線吸収剤や、色味を変えるためのブルーイング剤、酸化防止剤等を含有してもよい。
【0086】
本発明の偏光板保護用透明フィルムの製造方法としては、公知の溶融押し出し法、溶液キャスト法等が用いられるが、膜厚むら、外観等の観点から溶液キャスト法がより好ましく用いられる。溶液キャスト法における溶剤としては、メチレンクロライド、ジオキソラン等が好適が用いられる。残留メチクロ量としては0.5重量%以下が好ましく、より好ましくは0.3重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下である。
【0087】
かくして得られた透明フィルムは、必要に応じて、所望の光学特性となるように、延伸等を行い高分子鎖を配向させてもよい。延伸方法としては、公知の延伸方法を使用し得るが、好ましくは縦一軸延伸である。この際、かかるフィルム中には延伸性を向上させる目的で、可塑剤を添加することができる。可塑剤等の添加剤は、位相差波長分散を変化させ得るが、添加量は、ポリマー固形分対比10wt%以下が好ましく、3wt%以下がより好ましい。
【0088】
本発明の偏光板保護用透明フィルムの膜厚としては、5μmから 200μmであることが好ましく、より好ましくは10〜120μmである。
【0089】
光学異方性を持った透明なフィルムには一般に斜めからの入射光に対しては、正面入射光と比較して異なる位相差値を与えることが知られている。ここで高分子材料の三次元屈折率とは、nx,ny,nzで表され、それぞれの定義は、
nx:透明フィルム面内における主配向方向の屈折率
ny:透明フィルム面内における主配向方向に直交する方位の屈折率
nz:透明フィルム表面の法線方向の屈折率
とする。ここで、主配向方向とは例えばフィルムの流れ方向を意味しており、化学構造的には高分子主鎖の配向方向を指す。nx>nzのときを光学異方性が正、nx<nzのときを光学異方性が負であるとここでは呼ぶ。この三次元屈折率は、透明フィルムに偏光を入射して得られる出射光の偏光状態を解析する手法である偏光解析法により測定されるが、本発明では透明フィルムの光学異方性を屈折率楕円体と見なして公知の屈折率楕円体の式により求める方法によりこの三次元屈折率を求めている。この三次元屈折率は使用する光源の波長依存性があるので、使用する光源波長で定義することが好ましい。この三次元屈折率を用いて光学異方性を表記する方法として下記式(8)
【0090】
【数7】
Nz=(nx−nz)/(nx−ny) (8)
があるが、これを用いて三次元屈折率を定義するならば、 Nzが0.3〜1.5の範囲にあるとき、非常に位相差値の入射角依存性が小さくなる。特にNz=0.5のときは位相差値の入射角依存性が実質的に無くなり、どの角度から光が入っても同じ位相差値を与える。
【0091】
なお、上記定義によれば、正の光学異方性を有する透明フィルムの遅相軸はnx,進相軸はnyとなる。
【0092】
本発明の偏光板保護用透明フィルムとして用いられる透明フィルムの位相差を短波長ほど小さくするためには、先述の通り特定の化学構造を有することが必須条件であり、位相差波長分散はかなりの部分がその化学構造で決まるが、添加剤、製膜条件、ブレンド状態、分子量等によっても変動することに留意されるべきである。
【0093】
本発明の偏光板保護用透明フィルムを用いてなる偏光板の構成としては、該透明フィルムが偏光層の両側または片側に設置されているもので、偏光層と透明フィルム間の接着は接着剤または粘着剤が用いられる。該透明フィルムが偏光層の両側に設置されてなる偏光板の概略断面図を図1に記す。この接着を良好なものするために、透明フィルム上にコーテイング層やコロナ処理、親水処理等を行なっても良い。また、本発明の偏光板保護用透明フィルムが例えば、表示装置の最表面に設置される場合には、ハードコート層、反射防止層、防眩処理等を行なっても良い。偏光層とは、この場合無偏光から偏光を発生させる層をいい、例えば、ポリビニルアルコール等高分子にヨウ素や二色性色素を分散配向させたもの、二色性を有する高分子、ポリアセチレンを配向させたもの等を指す。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により吸水率1重量%以下の熱可塑性樹脂からなる透明フィルム1枚で光学異方性が小さくかつ位相差が短波長ほど小さい偏光板保護用透明フィルムを量産性良く提供することが出来るので、これを偏光板に用いることにより例えば耐久性と偏光性能に優れた偏光板が実現できる。
【0095】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(評価法)
本明細書中に記載の材料特性値等は以下の評価法によって得られたものである。
(1)位相差値(R=Δn・d(nm))、K値の測定
偏光板用保護フィルムの複屈折Δnと膜厚dの積である位相差R値及びK値は、分光エリプソメータである日本分光(株)製の商品名『M150』により測定した。R値は入射光線とフィルム表面が直交する状態で測定した。また、K値(nm)は入射光線とフィルム表面の角度を変えることにより、各角度での位相差値を測定し、公知の屈折率楕円体の式でカーブフィッチングすることにより三次元屈折率であるnx,ny,nzを求め、下記式(7)に代入することにより求めた。
【0096】
【数8】
K=(nz−(nx+ny)/2)*d (7)
【0097】
(2)吸水率の測定
乾燥させたフィルムの状態で膜厚を 130±50μmとした以外は、JIS K 7209記載の『プラスチックの吸水率及び沸騰吸水率試験方法』に準拠して測定した。試験片の大きさは50mm正方形で、水温25℃、24時間サンプルを浸水させた後、重量変化を測定した。いわゆる飽和吸水量であり単位は重量%である。
【0098】
(3)高分子のガラス転移点温度(Tg)の測定
TA Instruments社製『DSC2920 Modulated DSC 』により測定した。フィルム成形後ではなく、樹脂重合後、フレークスまたはチップの状態で測定した。
【0099】
(4)フィルム膜厚測定
アンリツ社製の電子マイクロで測定した。
【0100】
(5)高分子共重合比の測定
日本電子社製『JNM-alpha600』のプロトンNMRにより測定した。特にビスフェノールAとビスクレゾールフルオレンの共重合体の場合には、溶媒として重ベンゼンを用い、それぞれのメチル基のプロトン強度比から算出した。
【0101】
(6)透過率の測定
日立製作所製の分光光度計である商品名『U-3500』を用いた。測定波長は380〜780nmとしたが、実施例では測定波長550nmに代表させて記載している。
【0102】
また、以下の実施例、比較例で用いたポリカーボネートのモノマー構造を以下に記す。
【0103】
【化15】
Figure 0003995387
【0104】
[実施例1]
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応槽に水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を仕込み、これに上記構造を有するモノマー[A]と[F]を表2のモル比で溶解させ、少量のハイドロサルファイトを加えた。次にこれに塩化メチレンを加え、20℃でホスゲンを約60分かけて吹き込んだ。さらに、p-tert-ブチルフェノールを加えて乳化させた後、トリエチルアミンを加えて30℃で約3時間攪拌して反応を終了させた。反応終了後有機相分取し、塩化メチレンを蒸発させてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。
【0105】
この共重合体をメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度20重量%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液からキャストフィルムを作製し透明フィルムを得た。
【0106】
表2に測定結果をまとめる。このフィルムは、R、K値ともに小さく、また、1m幅のフィルムで幅方向を測定してR(550)のばらつきの範囲は±0.5nmであった。測定波長400〜700nmにおいて短波長ほど位相差が小さくなり、かつ、屈折率異方性は正であることを確認した。偏光板保護用フィルムとして好適であることが分かった。
【0107】
[実施例2]
表2記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜し透明フィルムを得た。表2に測定結果をまとめる。また測定波長400〜700nmにおいて短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は正であることを確認した。
【0108】
[実施例3]
表2記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜し透明フィルムを得た。表2に測定結果をまとめる。また測定波長400〜700nmにおいて短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は正であることを確認した。
【0109】
[実施例4]
表2記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜し透明フィルムを得た。表2に測定結果をまとめる。また測定波長400〜700nmにおいて短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は正であることを確認した。
【0110】
[実施例5]
表2記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜し透明フィルムを得た。表2に測定結果をまとめる。また測定波長400〜700nmにおいて短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は正であることを確認した。
【0111】
[実施例6]
表2記載のモノマーを使った以外は実施例1と同様の方法にてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同様であった。実施例1と同様に製膜し透明フィルムを得た。表2に測定結果をまとめる。また測定波長400〜700nmにおいて短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は正であることを確認した。
【0112】
[実施例7]
負の屈折率異方性を有する高分子としてポリスチレン(和光純薬工業(株))、正の屈折率異方性を有する高分子としてポリフェニレンオキサイド(ポリ(2,6−ジメチル 1,4−フェニレンオキサイド)和光純薬工業(株))を、それぞれ70, 30重量%の比率でクロロホルムに溶解させ、固形分濃度18重量%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液からキャストフィルムを作製し透明フィルムを得た。
【0113】
表2に光学特性測定結果をまとめる。このフィルムは、測定波長400〜700nmにおいて短波長ほど位相差が小さくなりかつ、屈折率異方性は負であることを確認した。偏光板保護用透明フィルムとして好適であることが分かった。
【0114】
参考として、ポリスチレン、ポリフェニレンオキサイドのブレンド比率を変えた際の複屈折波長分散係数とポリフェニレンオキサイドの体積分率との関係を図6に記す。ポリフェニレンオキサイドの少ない領域では、光学異方性は負であり、複屈折波長分散係数が1より小さくなる領域が存在することが分かる。一方、ポリフェニレンオキサイドの多い屈折率異方性が正の領域ではその値は1より大きい。
【0115】
次に、前述の式(c)を用いて計算した図6のような体積分率と複屈折波長分散係数との関係を図7に記す。図7はポリスチレン、ポリフェニレンオキサイドの波長 550nmにおける固有複屈折をそれぞれ、−0.10, 0.21 (D. Lefebvre, B. Jasse and L. Monnerie, Polymer 23 706-709 (1982)を参考)、また、それぞれのR(450)/R(550)の値を、1.06,1.15として計算した。図6と図7の一致は良いといえる。ポリスチレン、ポリフェニレンオキサイドの密度はそれぞれ、1.047, 1.060g/cm3とした。
【0116】
【表2】
Figure 0003995387
【0117】
[比較例1]
市販のビスフェノールAとホスゲンとの重縮合からなる市販のポリカーボネート(帝人化成製『パンライトC1400』)を用いて、実施例1と同様に製膜し透明フィルムを得た。表3に測定結果をまとめる。K値が負に大きく、また、測定波長が短波長ほど位相差が大きく、本発明で目的としているところの偏光板保護用フィルムとしては好ましくないことが分かった。
【0118】
[比較例2]
市販のノルボルネン樹脂であるJSR製の『ARTON』を用いて、実施例1と同様に製膜した。表3に測定結果をまとめる。K値が負に大きく、また、測定波長が短波長ほど位相差が大きく、本発明で目的としているところの偏光板保護用フィルムとしては好ましくないことが分かった。
【0119】
[比較例3]
トリアセチルセルロース樹脂(和光純薬工業(株)、極限粘度[η]1.335、アセチル化度2.917)を用いて、溶媒を塩化メチレン/メタノール(重量比9/1)とした以外は実施例1と同様に製膜した。表3に測定結果をまとめる。K値が正に大きく、また、測定波長が短波長ほど絶対値で位相差が大きく、また、吸水率は4重量%であり、本発明で目的としているところの偏光板保護用フィルムとしては好ましくないことが分かった。
【0120】
【表3】
Figure 0003995387

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偏光板保護用透明フィルムを用いた偏光板の一例の概略断面図である。
【図2】表1のケース1に対応する二成分ブレンド高分子の複屈折の波長分散と体積分率φAの関係を示すグラフである。
【図3】表1のケース2に対応する二成分ブレンド高分子の複屈折の波長分散と体積分率φAの関係を示すグラフである。
【図4】表1のケース3に対応する二成分ブレンド高分子の複屈折の波長分散と体積分率φAの関係を示すグラフである。
【図5】表1のケース4に対応する二成分ブレンド高分子の複屈折の波長分散と体積分率φAの関係を示すグラフである。
【図6】ポリスチレンとポリフェニレンオキサイドのブレンドにおけるポリフェニレンオキサイドの体積分率とR(450)/R(550)の関係を示すグラフである。(実測値)
【図7】ポリスチレンとポリフェニレンオキサイドのブレンドにおけるポリフェニレンオキサイドの体積分率とR(450)/R(550)の関係を示すグラフである。(計算値)
【符号の説明】
1:本発明の偏光板保護用透明フィルム
2:接着層
3:偏光層

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂からなり、吸水率1重量%以下の1枚の透明フィルムであって、該透明フィルムが下記条件AまたはB:
    [条件A]
    (i)正の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位(以下、第1のモノマー単位という。)と負の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位(以下、第2のモノマー単位という。)とを含む高分子から構成されるフィルムであって、
    ii )該第1のモノマー単位に基づく高分子のR(450)/R(550)は、該第2のモノマー単位に基づく高分子のR(450)/R(550)よりも小さく、かつ
    iii )正の屈折率異方性を有する、
    [条件B]
    (i)正の屈折率異方性を有する高分子を形成するモノマー単位(以下、第1のモノマー単位という。)と負の屈折率異方性を有する高分子を形成するモノマー単位(以下、第2のモノマー単位という。)とを含む高分子から構成されるフィルムであって、
    ii )該第1のモノマー単位に基づく高分子のR(450)/R(550)は、該第2のモノマー単位に基づく高分子のR(450)/R(550)よりも大きく、かつ
    iii )負の屈折率異方性を有する、
    のいずれかを満たす透明フィルムであって、波長450nm,550nmにおける位相差が下記式(1)〜(3)を同時に満たすことを特徴とする偏光板保護用透明フィルム。
    Figure 0003995387
    (式中、R(450)及びR(550)はそれぞれ波長450nm及び550nmにおける透明フィルムの面内位相差であり、K(550)は波長550nmにおける透明フィルムのK=〔nz−(nx+ny)/2〕×d(式中、nx,ny,nzは透明フィルムの三次元屈折率でそれぞれx軸、y軸、z軸方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さである。)で計算される値である。)
  2. 波長400〜700nmにおいて透明フィルムの位相差が短波長ほど小さい請求項1記載の偏光板保護用透明フィルム。
  3. 前記透明フィルムのガラス転移点温度が120℃以上である請求項1〜のいずれかに記載の偏光板保護用透明フィルム。
  4. 前記透明フィルムがフルオレン骨格を有するポリカーボネートを含む請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板保護用透明フィルム。
  5. フルオレン骨格を有するポリカーボネートが、下記式(I)
    Figure 0003995387
    (上記式(I)において、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種であり、Xは
    Figure 0003995387
    である。)
    で示される繰り返し単位を30〜90モル%と、下記式(II)
    Figure 0003995387
    (上記式(II)において、R〜R16はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種であり、Yは下記式群
    Figure 0003995387
    (ここで、Y中のR17〜R19、R21及びR22はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種であり、R20及びR23はそれぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種であり、Arは炭素数6〜10のアリール基から選ばれる少なくとも一種の基である。)
    で示される繰り返し単位が全体の70〜10モル%を占めるポリカーボネート共重合体及び/またはブレンド体であることを特徴とする請求項記載の偏光板保護用透明フィルム。
  6. フルオレン骨格を有するポリカーボネートが、下記式(III)
    Figure 0003995387
    (上記式(III)において、R24及びR25はそれぞれ独立に水素原子およびメチル基から選ばれる少なくとも一種である。)
    で示される繰り返し単位を35〜85モル%と、下記式(IV)
    Figure 0003995387
    (上記式(IV)において、R26及びR27はそれぞれ独立に水素原子、メチル基から選ばれ、Zは下記式群
    Figure 0003995387
    から選ばれる少なくとも一種の基である。)
    で示される繰り返し単位が全体の65〜15モル%を占めるポリカーボネート共重合体及び/またはブレンド体であることを特徴とする請求項記載の偏光板保護用透明フィルム。
  7. 透明フィルムは、正の屈折率異方性を有する高分子と負の屈折率異方性を有する高分子からなるブレンド体からなり、該正の屈折率異方性を有する高分子がポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)であり、該負の屈折率異方性を有する高分子がポリスチレンでありかつポリスチレン含有割合が67重量%〜75重量%である請求項記載の偏光板保護用透明フィルム。
  8. 透明フィルムが溶液キャスト製膜法により作製されたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の偏光板保護用透明フィルム。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の透明フィルムを用いてなることを特徴とする偏光板。
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