JP3994091B2 - 高濃度液体柔軟剤組成物の連続製造方法及びそれにより得られる高濃度液体柔軟剤組成物 - Google Patents

高濃度液体柔軟剤組成物の連続製造方法及びそれにより得られる高濃度液体柔軟剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP3994091B2
JP3994091B2 JP2004063729A JP2004063729A JP3994091B2 JP 3994091 B2 JP3994091 B2 JP 3994091B2 JP 2004063729 A JP2004063729 A JP 2004063729A JP 2004063729 A JP2004063729 A JP 2004063729A JP 3994091 B2 JP3994091 B2 JP 3994091B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil phase
stirring blade
cationic surfactant
oil
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004063729A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005248406A (ja
Inventor
仁志 大迫
進 塚越
喜保 光永
良司 安江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lion Corp filed Critical Lion Corp
Priority to JP2004063729A priority Critical patent/JP3994091B2/ja
Publication of JP2005248406A publication Critical patent/JP2005248406A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3994091B2 publication Critical patent/JP3994091B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Colloid Chemistry (AREA)

Description

本発明は、繊維や衣料に柔軟性を付与する柔軟剤基材である陽イオン性界面活性剤の含有量を高めた高濃度液体柔軟剤組成物の連続的な製造方法及び該製造方法により得られる高濃度液体柔軟剤組成物に関し、特に基材濃度が高いために生じる高粘度及び経時による粘度上昇や分離が抑制された高濃度液体柔軟剤組成物の連続的な製造方法に関する。
最近の、陽イオン性界面活性剤を含有した柔軟剤製品は、製造及び輸送時のコストダウン、消費者の使用性等の要請により、柔軟剤基剤の含有量を高めた濃縮型、即ち、高濃度化が主流となっており、現在もなお更なる高濃度化の方向に進んでいる。
しかしながらこのような濃縮型柔軟剤に使用される陽イオン性界面活性剤の多くは、疎水性の長鎖アルキル基を持つために水に難溶性である。しかも、陽イオン性界面活性剤が水と接触するとその表面が液晶構造となり、そのため表面の粘性が増加して粘稠な液体となって微粒化が困難となる。このため、濃縮型の柔軟剤製品を製造しようとすると、柔軟剤が、使用するにはあまりにも高粘度になったり、経時と共に粘度変化や分離等が生じて経時安定性が問題になったりすることがあった。
濃縮型の柔軟剤を製造することに関し、特許文献1では、陽イオン性界面活性剤の液晶構造を利用して、しかも陽イオン性界面活性剤自身が分散質となってo/wエマルジョンを生成する2段乳化法が提案されている。この方法では陽イオン性界面活性剤の高濃度化が可能であることから濃縮型の柔軟剤の製造が可能であるが、工程が2段階にわたっているため操作が非常に複雑となる。従って、プロセス的に効率の良いエマルジョンの製造方法とは言えない。
また、濃縮型柔軟剤の大きな問題点である高粘度を解消するために、減粘効果を示す添加物が添加されていた。従来より柔軟剤を減粘化する添加物としては、糖アルコール類、芳香族酸類、イミダゾリン類、アミドカチオン類などがある。例えば、特許文献2では10%以上の芳香族酸類混合物を、特許文献3では糖アルコール類を柔軟剤組成物に添加することで陽イオン性界面活性剤の高濃度化を達成している。しかしながら、これら添加物の添加量が高く、コスト面で高価になってしまう。又、特許文献4では、ジエステル型第4級アンモニウム塩とイミダゾリン類やアミドカチオン類とを特定比で配合することで低温安定性が改善されている。しかしながら、常温での安定性は満足できる結果が得られておらず、コスト面で高価になることが予想される。その他エチレングリコール等の適当な減粘剤を配合したとしても、粘度や経時安定性が十分とは言えなかった。更に、エタノール等の溶剤を配合することも考えられるが、エタノールは可燃性であるために配合時や使用時の安全性に問題があった。
特許文献5には、安定した水中油型エマルジョンの製法が開示されている。しかしながら、該特許文献の製法では連続的な乳化を行っていないため、生産効率の点で十分ではなかった。
また、特許文献6には、陽イオン性界面活性剤の連続的微粒化方法が開示されている。また、高濃度の陽イオン性界面活性剤を分散質とする水中油型(o/w)エマルジョンを含有する柔軟剤を製造するには、疎水性の大きい陽イオン性界面活性剤の特異な性質からくる制約条件、(イ)水と接触または混合することにより液晶構造をとり粘稠な液体となるため、分散前における水との接触をできる限り避けること、(ロ)最初に加えられる分散力が粒径に大きな影響を与えるため、水と接触し粘稠な液体となって微分散が困難となる前に速やかに攪拌翼へ供給すること、という2つの点を十分満足できる条件で行われなければならない旨が開示されている。しかしながら、該特許文献では陽イオン性界面活性剤としてジ長鎖ジメチルアンモニウムクロリドしか使用されていないため、陽イオン性界面活性剤による液晶形成の抑制効果が十分ではなかった。また、高濃度の柔軟基材を含有する組成物を製造する場合の問題点も指摘されておらず、組成物中の陽イオン性界面活性剤濃度は5%と低いものである。
特許文献7には、ラインミキサーを使用して柔軟剤組成物を製造する方法が開示されている。この方法は、従来の比較的低濃度の柔軟材組成物を製造する方法であると共に、陽イオン性界面活性剤(油相)を供給している配管内に水相を連続的に供給する方法である。
特許文献8には、水中におけるカチオン界面活性剤の微粒化方法が開示されている。しかしながら、該特許文献の製法ではラインミキサーを使用しておらず、連続的な乳化を行っていないため、生産効率の点で十分ではなかった。
また、いずれの文献にも、攪拌翼の周速度と攪拌翼を通過する液体の線速度との比を特定範囲に設定することによる高濃度柔軟剤組成物を簡便に得られる方法は開示されていない。
以上のように簡便な製造方法でかつ特別な減粘剤を添加せずに高濃度の陽イオン性界面活性剤を含んだ高濃度柔軟剤組成物が得られる製造方法は、未だ実現できていないのが現状である。
特開平2−68137号公報 特表平9―503826号公報 特開平10−298149号公報 特表平9−506684号公報 特開昭58−143830号公報 特開昭57−102226号公報 特開平1−249129号公報 特開昭57−5797号公報
本発明は、このような状況下、特別な減粘剤を使用することなく、低粘度でかつ経時安定性の良好な高濃度液体柔軟剤組成物の簡便で連続的な製造方法及びそれにより得られる高濃度液体柔軟剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、攪拌翼を備えたラインミキサーで水相と油相を攪拌混合することについて鋭意検討を重ねた結果、陽イオン性界面活性剤を含む油相を水相に連続的に添加した後の混合及び乳化分散時、攪拌翼の周速度及び攪拌翼を通過する液体の長手方向速度を制御することにより、油相の微粒子化を促進させることができ、それにより、低粘度で経時安定性が良好な柔軟剤組成物を連続的に製造できることを見出した。
即ち、本発明は、水相に油相が乳化分散した高濃度液体柔軟剤組成物の連続製造方法であって、
周方向に回転する攪拌翼を備えたラインミキサーを配置した長手方向に延びる配管内に水相を連続的に供給する工程と、
陽イオン性界面活性剤混合物を含有する油相を、水相を供給している配管内に前記攪拌翼の上流側から連続的に供給する工程と、
前記攪拌翼によって前記配管内の油相を水相に混合及び乳化分散させて柔軟剤組成物にする工程と、を含み、
前記油相を供給する工程では、柔軟剤組成物中の陽イオン性界面活性剤の濃度が10〜40重量%になるように油相が供給され、
前記油相を水相に混合及び乳化分散させる工程は、(I)前記攪拌翼の周速度をA m/s、(II)前記攪拌翼を通過する水相及び油相の長手方向線速度をB m/sとしたとき、10≦A/B≦300の条件で行われることを特徴とする前記高濃度液体柔軟剤組成物の連続製造方法を提供するものである。
本発明において、好ましくは、油相を供給する工程は、供給された油相が水相との接触により液晶構造を形成する前に攪拌翼に到達することを可能にする箇所から油相を供給する。
本発明において、好ましくは、前記油相を供給する工程が、前記陽イオン性界面活性剤混合物の全重量に対し、長鎖アルキル基又はアルケニル基を分子内に1つ含むモノ長鎖型陽イオン性界面活性剤を10〜80重量%の量となるように、モノ長鎖型陽イオン性界面活性剤を供給する。
本発明はまた、上述の本発明による連続製造方法によって製造された高濃度液体柔軟剤組成物を提供する。
本発明の組成物において、好ましくは、粘度が1500 cP以下である。
本発明の連続製造方法により、柔軟剤基材が高含有であるにもかかわらず、低粘度でかつ経時による粘度上昇や分離が抑制された経時安定性の良好な高濃度液体柔軟剤組成物を連続的に簡便に製造することができる。また、油相を供給する工程が、供給された油相が水相との接触により液晶構造を形成する前に攪拌翼に到達する箇所から油相を供給する工程を含むとき、陽イオン性界面活性剤が水と接触しても、液晶構造を実質的に形成しないので、強大な剪断力を適用することなく、高い生産効率で高濃度液体柔軟剤組成物を製造することができる。
本発明の製法により得られる高濃度液体柔軟剤組成物は流動性が良好であることから使用性に優れる。そして、本発明の製造方法は非常に簡便な方法であることから、このような高濃度柔軟剤組成物の製造に好適であるのみならず、製造時における系の流動性も良好となって、柔軟剤基材からなる粒子を均一分散させることが容易となるので、上記特性を有するのみならず、分散安定性及び経時安定性にも優れる高濃度柔軟剤組成物を容易に製造することができる。
本発明の製法により得られる高濃度液体柔軟剤組成物中の陽イオン性界面活性剤混合物濃度は、10〜40重量%、好ましくは12〜38重量%、より好ましくは15〜35重量%である。このような範囲内にあると、濃縮型柔軟剤組成物として使用するのに好適な粘度が得られるので好ましい。
本発明において使用できる陽イオン性界面活性剤としては、特に制限なく使用することができるが、下記一般式(1)、一般式(2)又は一般式(3)で表されるモノ長鎖型陽イオン性界面活性剤を含有することが好ましい。特に一般式(1)で表されるモノ長鎖型陽イオン性界面活性剤を含有することが好ましい。
Figure 0003994091

Figure 0003994091
Figure 0003994091
一般式(1)において、R1〜R3の基は同一でも異なっていても良く、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基若しくは−(CH2−CH(Y)−O)n−H(式中、Yは水素原子又はCH3であり、nは2〜3の数である)で表される基又はベンジル基を表す。このうち、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基が好ましい。R1〜R3の基の少なくとも1つが水素原子の場合は一般式(1)は、アミンの中和物を表す。R4の基は、炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、更に無置換であっても、−O−,−CONH−,−NHCO−,−COO−,−OCO−等の官能基で分断若しくは−OH等の官能基で置換されていても良い。このうち、炭素数14〜20のアルキル基、アルケニル基が好ましく、分断の有無および分断する官能基の構造は限定されない。Xはハロゲン原子又はモノアルキル硫酸基である。例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メチル硫酸基、エチル硫酸基、水酸基等が挙げられる。このうち、ハロゲン原子、メチル硫酸基が好ましい。特に、R1〜R3がメチル基又はヒドロキシエチル基であり、R4が部分水素添加パームオイルオキシエチル基であり、Xが塩素原子又はメチル硫酸基である化合物が好ましい。
一般式(2)において、R1〜R3の基は、一般式(1)と同一の意味を有する。R5、R6の基は、どちらか一方が炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、更に無置換であっても、−O−,−CONH−,−NHCO−,−COO−,−OCO−等の官能基で分断若しくは−OH等の官能基で置換されていても良い。このうち、炭素数14〜20のアルキル基、アルケニル基が好ましく、分断の有無および分断する官能基の構造は限定されない。もう一方は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル又は−(CH2−CH(Y)−O)n−H(式中、Yは水素原子又はCH3であり、nは2〜3の数である)で表される基である。このうち、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基が好ましい。Xは、一般式(1)と同一の意味を有する。
一般式(3)において、R7、R8の基は、どちらか一方が炭素数10〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、更に無置換であっても、−O−,−CONH−,−NHCO−,−COO−,−OCO−等の官能基で分断若しくは−OH等の官能基で置換されていても良い。このうち、炭素数14〜20のアルキル基、アルケニル基が好ましく、分断の有無および分断する官能基の構造は限定されない。もう一方は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基又は−(CH2−CH(Y)−O)n−H(式中、Yは水素原子又はCH3であり、nは2〜3の数である)で表される基である。このうち、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基が好ましい。
上記一般式(1)及び一般式(2)のモノ長鎖型陽イオン性界面活性剤の具体例としては、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、牛脂トリメチルアンモニウムクロリド、ヤシ油トリメチルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、オレオイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、N−ステアロイルオキシエチル−N−,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−ステアロイルオキシエチル−N−メチル−N−,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−オレオイルオキシエチル−N−,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、1−タローイルオキシ−2−ヒドロキシ−3−トリメチルアンモニウムプロパンクロリド、、N−オレオイルオキシエチル−N−メチル−N−,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−リノーレイルオキシエチル−N−メチル−N−,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−パルミオイルオキシエチル−N−メチル−N−,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−パ−ムオイルオキシエチル−N−メチル−N−,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェートなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、N−ステアロイルオキシエチル−N−メチル−N−,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−オレオイルオキシエチル−N−メチル−N−,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−リノーレイルオキシエチル−N−メチル−N−,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−パルミオイルオキシエチル−N−メチル−N−,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−パ−ムオイルオキシエチル−N−メチル−N−,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェートが好ましい。
上記一般式(1)〜(3)中の長鎖炭素部位は一般的な油脂から誘導される脂肪酸の残基である。油脂としては例えば、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ脂、カポック油、白カラシ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、シナアット油、シナキリ油、大豆油、茶実油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ひまし油、ひまわり油、綿実油、ヤシ油、木ロウ、落花生油、馬脂、牛脂、牛脚脂、牛酪脂、豚脂、山羊脂、羊脂、乳脂、魚油、鯨油等の動物性油脂が挙げられる。これらの油脂を硬化、変性、精製等を行ってもよく、2種以上の油脂を混合しても良い。
上記一般式(1)及び一般式(2)のモノ長鎖型陽イオン性界面活性剤がアミンの中和物及び一般式(3)がモノ長鎖型イミダゾリン塩の場合、その中和は通常の酸を用いることができる。上記酸としては、具体的には、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、安息香酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、アクリル酸等の有機酸等が挙げられる。
上記一般式(1)及び一般式(2)のモノ長鎖型アミンの中和物としては、例えば、ステアリルジメチルアミン塩酸塩、オレイルジメチルアミン塩酸塩、ステアリルジメチルアミン硫酸塩、N−ステアロイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン塩酸塩、N−オレオイルオキシエチル−N−,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミン硫酸塩、1−ココイルオキシ−2−ヒドロキシ−3−ジメチルアミン塩酸塩などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記一般式(3)のモノ長鎖型イミダゾリン塩の具体例としては、1−ステアロイルオキシエチル−2−メチルイミダゾリン塩酸塩、1−ステアロイルオキシエチル−2−エチルイミダゾリン塩酸塩、1−ステアロイルオキシエチル−2−プロピルイミダゾリン塩酸塩などが挙げられる。
本発明において使用できる陽イオン性界面活性剤混合物としては、上記一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)で表されるモノ長鎖型陽イオン性界面活性剤に加え、ジ長鎖型陽イオン性界面活性剤であるN−,N−ジオクチル−N−,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N−,N−ジドデシル−N−,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N−,N−ジヘキサデシル−N−,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N−,N−ジ牛脂−N−,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N−,N−ジヤシ油−N−,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N−,N−ジオクタデシル−N−,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N−,N−ジステアロイルオキシエチル−N−,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N−,N−ジオレオイルオキシエチル−N−,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N−,N−ジステアロイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−,N−ジオレオイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−,N−パルミオイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−,N−パームオイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、1−,2−ジタローイルオキシ−3−トリメチルアンモニウムプロパンクロリドなどを挙げることができる。このうち、N−,N−ジステアロイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−,N−ジオレオイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−,N−パルミオイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−,N−リノーレイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェート、N−,N−パームオイルオキシエチル−N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェートが好ましい。
上記一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)で表されるモノ長鎖型陽イオン性界面活性剤の濃度としては、柔軟剤組成物中の陽イオン性界面活性剤混合物全重量に対して10〜80重量%であることが望ましい。このような範囲内にあると、陽イオン性界面活性剤混合物を含有する油相と水相とが接触した場合であっても液晶構造形成が抑制され、しかも満足できる柔軟性能を発揮することができるので好ましい。好ましくは15〜70重量%、より好ましくは20〜60重量%である。
本発明の柔軟剤組成物では、上記陽イオン性界面活性剤混合物による膜形成を容易にするため、油相に上記陽イオン性界面活性剤混合物と共に非イオン性界面活性剤を配合することができる。
本発明において使用できる非イオン性界面活性剤としては、一般的には、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドなどが挙げられる。
このような非イオン性性界面活性剤の具体例としては、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸POE(15)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(20)ソルビタン、モノヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン、トリオレイン酸POE(20)ソルビタン、テトラオレイン酸POE(40)ソルビット、テトラオレイン酸POE(60)ソルビット、POE(20)ひまし油、POE(40)ひまし油、POE(20)硬化ひまし油、POE(40)硬化ひまし油、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25EO)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40EO)、POE(20)セチルエーテル、POE(40)セチルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(20)イソデシルエーテル、POE(60)イソヘキサデシルエーテル、POE(40)イソトリデシルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(25)オクチルドデシルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(7.5)ノニルフェニルエーテル、POE(15)ノニルフェニルエーテル、POE(15)ステアリルアミン、POE(15)ステアリン酸アミドなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記非イオン性界面活性剤の柔軟剤組成中の配合量は柔軟剤組成中に0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜5重量%である。
本発明の製法において使用する陽イオン性界面活性剤混合物及び必要により使用する非イオン性界面活性剤は、界面活性剤製造時に使用する水や有機溶媒を除去することなく使用することができる。この場合、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤からの持ち込みの水、溶剤が有っても構わない。但し、陽イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤と水若しくは有機溶媒の比率は、質量比で好ましくは10:1〜1:1、より好ましくは8:1〜3:1である。水の量がこのような範囲であれば、油相がゲル化増粘することなく、容易に乳化できるので好ましい。溶剤の量がこのような範囲であれば、容易に乳化及び粒子化することができ、粒径の小さな粒子を単分散で得やすくなり、得られる柔軟剤組成物の安定性も良好な範囲であるので好ましい。
陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤からの持ち込みの有機溶媒の具体例としては、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコールなどの低級アルコール類、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。
更に、本発明の柔軟剤組成物は、上記陽イオン性界面活性剤混合物に加えて、油相に必要に応じて油性成分を配合することもできる。このような油性成分としては、油溶性香料、油溶性抗菌剤等を挙げることができ、これらの成分の配合量は本発明の効果を妨げない範囲で適宜選定することができる。
柔軟剤組成物の使用感を高めるための香料の例としては、脂肪族炭化水素、テルペン炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコール、テルペンアルコール、芳香族アルコール等のアルコール類、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等のエーテル類、脂肪族オキサイド、テルペン類のオキサイド等のオキサイド類、脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、水素化芳香族アルデヒド等、チオアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪族ケトン、テルペンケトン、水素化芳香族ケトン、脂肪族環状ケトン、非ベンゼン系芳香族ケトン、芳香族ケトン等のケトン類、アセタール類、ケタール類、フェノール類、フエノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸、水素化芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の酸類、酸アマイド類、脂肪族ラクトン、大環状ラクトン、テルペン系ラクトン、水素化芳香族ラクトン、芳香族ラクトン等のラクトン類、脂肪族エステル、フラン系カルボン酸族エステル、脂肪族環状カルボン酸エステル、シクロヘキシルカルボン酸族エステル、テルペン系カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル等のエステル類、ニトロムスク類、ニトリル、アミン、ピリジン類、キノリン類、ピロール、インドール等の含窒素化合物等々の合成香料及び動物、植物からの天然香料、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料の1種又は、2種以上を混合し使用することができる。例えば、1996年化学工業日報社刊 印藤元一著「合成香料 化学と商品知識」、1969年MONTCLAIR,N.J.刊STEFFEN ARCTANDER著“Perfume and Flavor Chemicals”等に記載の香料が使用できる。
水相としては、水と、必要に応じ、分散安定剤、低温安定化剤、無機塩、有機酸塩、色素、抗菌剤、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、水溶性高分子、水溶性有効成分、pH調整剤等を含むことができる。これらの成分の配合量は本発明の効果を妨げない範囲で適宜選定することができる。
本発明の中で、柔軟剤基剤として加水分解基を有する陽イオン性界面活性剤を使用する場合、柔軟剤組成物のpHによっては、基剤が保存中に加水分解を起こすことがあるため、通常、組成物のpHを加水分解基の安定化領域であるpH2〜5に酸性化合物で調整することが行われており、本発明の製法により得られる組成物も上記pHに調整することが望ましい。この場合、酸性化合物としては、例えば塩酸、硫酸、クエン酸、リン酸等の水溶液が好適に使用される。酸性化合物は、水相に添加してもよく、乳化後に添加してもよく、分割して添加しても構わない。
次に、図1を参照して、高濃度液体柔軟剤組成物の本発明による連続製造方法を実施するための装置の一例を説明する。図1は、高濃度液体柔軟剤組成物の本発明による連続製造方法を実施する分散装置の概略図である。
分散装置1は、長手方向に延び且つラインミキサー2が配置された、上流側から水相を供給するための配管3と、ラインミキサー2の上流側で配管3と連通する、陽イオン性界面活性剤を含有する油相を供給するための供給管4とを有している。
配管3は、供給管4からラインミキサー2にかけて、ほぼ直線状である。配管3の内径は、ラインミキサー2の上流側部分がラインミキサー2を含む部分よりもわずかに小さくなっている。ラインミキサー2を含む部分の内径は、例えば、20〜150mmである。配管3は、上下方向に配置されるのが好ましい。水相を上から下に流すこともできるし、下から上に流すこともできる。
ラインミキサー2は、配管3と同軸に配置され、周方向に回転可能な攪拌翼5と、それから下流側に延び、攪拌翼5を回転させるための回転軸6と、回転軸6を駆動するためのモーター(図示せず)とを有している。ラインミキサー2は、例えば、従来使用されているラインミキサー、ラインホモミキサーである。
攪拌翼5は、剪断効果を重視して選定されるのが良く、槽内処理の適用例のように全体混合するような混合効果を考慮して選定される必要はない。従って、攪拌翼5の型は、ディスパー型、ファンタービン型、ディスプロ型、傾斜型等の高速回転しかつ高剪断をかけられる型であるのが好ましい。また、攪拌翼5の段数は、図1のように1段であっても良いし、複数段であっても良い。また、攪拌翼5は、配管3内に供給された油相の全量を巻き込むことができるように、配管3の内径の全域に及ぶ翼外径を有するものが好ましい。
供給管4は、配管3内のほぼ中心まで突出し、そこから下流側に曲げられ、ラインミキサー2に面する供給口7で終端している。供給口7の内径は、流量の少ない油相が水相中に入ることを促進させるため、又は、水相の圧力損失を軽減させるために、供給口7を含む配管3の部分の内径の2/3以下であるのが好ましく、1/2以下であるのがより好ましい。供給口7は、供給された油相が水相との接触により液晶構造を形成する前に攪拌翼5に到達することを可能にする箇所に設けられることが好ましい。この箇所は、陽イオン性界面活性剤と水とが接触してから液晶構造を形成する前に攪拌翼によって分散されるまでの時間及びその間の流れの乱れによる混合度合により支配される。供給口7と攪拌翼5の上流端との間の距離は、攪拌翼5の翼先端の径をdとしたとき、dの50倍以下とするのが良く、好ましくは30d以下、より好ましくは20d以下が適している。
次に、上述した分散装置の動作及び動作条件を説明する。
配管3の上流側から上述した水相を連続的に供給する。次いで、攪拌翼5を周方向に回転させ、陽イオン性界面活性剤混合物を含有する上述した油相を供給管4から連続的に供給する。油相の供給量は、油相と水相とにより製造される高濃度液体柔軟剤組成物中の陽イオン性界面活性剤の濃度が10〜40重量%になるように定められる。供給管4から連続的に供給された油相は、配管3内を連続的に供給されている水相と共に、ラインミキサー2の攪拌翼5まで流れていく。油相と水相は、攪拌翼5により混合され、分散、即ち、乳化され、それにより、高濃度液体柔軟剤組成物になる。詳細には、油相が攪拌翼5により、剪断、微粒化され、乳化が促進される。また、供給口7が、供給された油相が水相との接触により液晶構造を形成する前に攪拌翼5に到達することを可能にする箇所に設けられているので、水相に添加された油相は直ちに攪拌翼5に巻き込まれて剪断、微粒化される。かくして、分散水溶液である高濃度液体柔軟剤組成物が連続的に製造され、配管3の流出口(図示せず)から排出される。
攪拌翼の周速度A m/s及び攪拌翼を通過する水相及び油相の長手方向線速度B m/sは、10≦A/B≦300の条件を満たすように定められる。
具体的には、攪拌翼の周速度、即ち、翼先端の周速度は、回転より発生する乱流強度との関連において陽イオン性界面活性剤の微細化を十分なものとするために、5 m/s以上、好ましくは7 m/s以上、より好ましくは10 m/s以上である。しかしながら、攪拌機を回転させるのに消費するエネルギーが大きくなり、回転軸5がぶれやすくなって危険であるので、周速度は25 m/s以下であるのが好ましい。ただし、ラインミキサー4の能力に依存して、周速度が25 m/s以上であっても良い場合がある。翼先端の径が25mmであれば、このような周速度は、ラインミキサーの回転数を、好ましくは6000rpm以上、より好ましくは8000rpm以上、さらに好ましくは10000rpm以上に設定することにより得ることができる。このような条件で剪断力を付加することにより、粒径0.1〜0.2μmのエマルジョン粒子を得ることが出来、分散安定性が良好となるので好ましい。
また、攪拌翼5を通過する液体の線速度Bは、式:
(水相の流量+油相の流量)/(ローター外径(羽外径)/2)2×π
により求められる値である。ここでは、計算の簡単のため回転軸5の先端の径をゼロとしている。本発明の製法において、Bは、0.05〜0.4m/sの範囲であるのが好ましく、0.1〜0.25m/sの範囲であるのがより好ましい。
攪拌翼を通過する液流量に対す該攪拌翼の回転の条件は、該攪拌翼の周速度をA m/s、該攪拌翼を通過する液体の線速度をB m/sとした時、A/Bは10〜300であることが必要条件である。A/Bがこのような範囲内にあると、乳化粒子の微細化が達成できるため、得られる液体柔軟剤組成物の分散安定性が向上するので好ましい。又、単位時間当たり得られる液体柔軟剤組成物の量が大きく、高い生産性を達成できるので好ましい。さらに、ラインミキサーに大きな負荷をかけることがないので好ましい。さらに、油相中にダマが発生するのを抑制できるので好ましい。A/Bは、好ましくは80〜250であり、より好ましくは90〜220であり、更に好ましくは100〜200である。
油相の温度は、該油相の転移温度以上に加熱するのが好ましい。特に、油相の転移温度より5〜15℃高い温度に加熱するのが好ましい。水相の温度は、油相の転移温度以上の温度まで、例えば油相の転移温度より0〜10℃高い温度に上昇させることもできるが、特開昭58−143830公報にあるように油相の転移温度より低温でかつ常温に近い温度でも良い。水相の温度は、油相の転移温度より5〜10℃低温であるのが好ましい。更に、乳化工程後に冷却を行っても良い。
上述の分散装置によって得られた柔軟剤組成物の粘度は、陽イオン性界面活性剤の種類、配合量、組成等によって種々異なるが、25℃における組成物の粘度として、BL型回転粘度計を使用し、ローターを30 rpmで20秒間回転させた後に測定された粘度で表す場合、通常1500 cP以下、特に500 cP以下であることが望ましい。1500cPを超えるような高粘度では柔軟剤製品としては流動性が極めて悪いため、柔軟剤製品の汎用ボトルの内部で詰まり等の不具合を生じてしまう。また、柔軟剤組成物外観は、初期から均一分散状態で、かつ経時で分離せず均一分散を維持されていることが望ましい。
次に、図2を参照して、高濃度液体柔軟剤組成物の本発明による連続製造方法を実施するための装置の他の例を説明する。図2は、高濃度液体柔軟剤組成物の連続製造方法を実施する分散装置の概略図である。この分散装置は、ラインミキサーの上流側の配管形状が異なること以外、図1を参照して説明した分散装置2と同様の構造を有しているので、同様の構成部品については同じ符号を付し、異なる構成部品については、符号に「‘」を追加して示す。
ラインミキサー2の上流側部分における分散装置1’の配管3’の内径は、ラインミキサー2に向かって先細になり、ラインミキサーの直前で急拡大している。このようにすれば、ラインミキサー2の攪拌翼5の翼先端の径を、ラインミキサー2を含む配管3’の部分の径に対して小さくすることができる。
上述した2つの分散装置において、供給口7は、供給された油相が水相との接触により液晶構造を形成する前に攪拌翼5に到達することを可能にする箇所に設けられているが、油相が攪拌翼5により混合及び分散されれば、それよりも上流側に設けられていても良い。
また、上述した2つの分散装置において、供給管4は配管3内に突出しているが、油相が配管内に供給されれば十分であるので、突出していなくても良い。また、供給管4は、配管3の長手方向に対して垂直方向に突出しているが、斜め方向に突出していても良い。また、突出させた供給管4の供給口7は、どの方向を向いていてもよく、突出させた供給管4は曲げられていなくても良い。また、供給管4が供給口7に向かって先細り担っていても良い。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら制限されるものではない。
[実施例1〜8、比較例1〜6]
乳化機としてはロボミックス(特殊機化工業製)パイプラインホモミキサーを用いた。攪拌翼は、4枚の傾斜パドル翼である。翼先端の径は25 mmであり、攪拌翼と配管とのクリアランスは0.5 mm、油相供給口と攪拌翼との距離は2mmである。
[実施例1]
油相として、陽イオン性界面活性剤のエタノール溶液(15000 g、85%溶液)、非イオン性界面活性剤(15000 g)及び香料(382 g)の混合物を予め容器に調製し、55℃に加熱した。一方、水相として、水(55616g)、水溶性抗菌剤(0.75 g)及び水溶性色素(0.53 g)の混合物を容器に調製し、40℃に加熱した。上記乳化機に水相を3.4 kg/minで連続的に供給し、そこに油相を1.0 kg/minで連続的に供給した(線速度0.15 m/s)。更に攪拌翼を回転数15000 rpm(周速度19.6 m/s)で攪拌し乳化分散を行った。得られた乳化物(967 g)に無機塩水溶液(33 g、15%塩化カルシウム水溶液)を加え攪拌混合し得られた物を実施例1の液体柔軟剤組成物とした。
[実施例2]
実施例1と同様の方法で、水相を2.6 kg/minで連続的に供給しているところに、油相を0.75 kg/minで連続的に供給する条件に変更して実施例2の柔軟剤組成物を得た。
[実施例3]
実施例1と同様の方法で、水量を44146gに変更した水相を2.7 kg/minで連続的に供給しているところに、陽イオン性界面活性剤のエタノール溶液の量を26471gに変更した油相を1.7 kg/minで連続的に供給する条件に変更して実施例3の柔軟剤組成物を得た。
[実施例4]
実施例1と同様の方法で、水量を44146gに変更した水相を2.0 kg/minで連続的に供給しているところに、陽イオン性界面活性剤のエタノール溶液の量を26471gに変更した油相を1.3 kg/minで連続的に供給する条件に変更して実施例4の柔軟剤組成物を得た。
[実施例5〜8]
陽イオン性界面活性剤種を変更して、実施例5は実施例1の方法で、実施例6は実施例2の方法で、実施例7は実施例3の方法で、実施例8は実施例4の方法でと行った。
[比較例1]
実施例1と同様の方法で、攪拌翼の回転数を1500 rpm(周速度2.0 m/s)に、また水相を8.7 kg/minで連続的に供給しているところに、油相を2.7 kg/minで連続的に供給する条件に変更して比較例1の柔軟剤組成物を得た。
[比較例2]
実施例1と同様の方法で、水量を26499gに変更した水相を1.1 kg/minで連続的に供給しているところに、陽イオン性界面活性剤のエタノール溶液の量を44118gに変更した油相を2.0 kg/minで連続的に供給する条件に変更して比較例2の柔軟剤組成物を得た。
[比較例3]
陽イオン性界面活性剤種を変えたこと以外は、比較例1と同様に行った。
[比較例4]
陽イオン性界面活性剤種を変えたこと以外は、比較例2と同様に行った。
[評価方法]
得られた柔軟剤組成物は25℃での初期粘度と25℃、2ヶ月間静置保存後の粘度測定及び外観の観察を行う。粘度測定法はBL型回転粘度計を使用し、ローターを30rpmで20秒間回転させた後の粘度を測定する。外観の評価は、◎:均一分散、○:極僅か分級(濃度むら)有り、△:明らかに分級有り、×:2相分離やゲル化 で評価した。その結果を表1、表2に示す。
Figure 0003994091





Figure 0003994091
表1によれば、本発明(実施例1〜4)の場合、一般式(1)で表されるモノ長鎖型陽イオン性界面活性剤重量を陽イオン性界面活性剤全重量に対し27%、41%、柔軟剤組成中の陽イオン性界面活性剤濃度を17%、30%になるように配合し、さらに攪拌翼の周速度をA m/s、該攪拌翼を通過する液体の線速度をB m/sとした時のA/Bを130、180に設定することによって、初期粘度は約20〜190 cPであり、2ヶ月後もほとんど増粘せず、外観も変化なく均一分散を維持している。それに対し、比較例1のようにA/Bを5と低くすると初期粘度は低いものの増粘する速度が速くかつ外観が2層分離を起こす。又、比較例2のように柔軟剤組成中の陽イオン性界面活性剤濃度を50重量%と高くすると、初期からゲル状で粘度が非常に高くなる。
表2によれば、本発明(実施例5〜8)の場合、表1で使用した一般式(1)で表されるモノ長鎖型陽イオン性界面活性剤とは別のモノ長鎖型陽イオン性界面活性剤を陽イオン性界面活性剤全重量に対し40%、58%、柔軟剤組成中の陽イオン性界面活性剤濃度を17%、30%になるように配合し、さらに攪拌翼の周速度をA m/s、該攪拌翼を通過する液体の線速度をB m/sとした時のA/Bを130、180に設定することによって、初期粘度は約20〜190 cPであり、2ヶ月後もほとんど増粘せず、外観も変化なく均一分散を維持している。それに対し、比較例3のようにA/Bを5と低くすると初期粘度は低いものの増粘する速度が速くかつ外観が2層分離を起こす。又、比較例4のように柔軟剤組成中の陽イオン性界面活性剤濃度を50重量%と高くすると、初期からゲル状で粘度が非常に高くなる。
本発明による連続製造方法を実施する分散装置の一例を示す概略図である。 本発明による連続製造方法を実施する分散装置の他の例を示す概略図である。
符号の説明
1,1’ 分散装置
2 ラインミキサー
3,3’ 配管
4 供給管
5 攪拌翼
6 回転軸
7 供給口

Claims (4)

  1. 水相に油相が乳化分散した高濃度液体柔軟剤組成物の連続製造方法であって、
    周方向に回転する攪拌翼を備えたラインミキサーを配置した長手方向に延びる配管内に水相を連続的に供給する工程と、
    陽イオン性界面活性剤混合物を含有する油相を、水相を供給している配管内に前記攪拌翼の上流側から連続的に供給する工程と、
    前記攪拌翼によって前記配管内の油相を水相に混合及び乳化分散させて柔軟剤組成物にする工程と、を含み、
    前記油相を供給する工程では、柔軟剤組成物中の陽イオン性界面活性剤の濃度が10〜40重量%になるように油相が供給され、かつ前記陽イオン性界面活性剤混合物の全重量に対し、長鎖アルキル基又はアルケニル基を分子内に1つ含むモノ長鎖型陽イオン性界面活性剤を10〜80重量%の量となるように、モノ長鎖型陽イオン性界面活性剤を供給し、
    前記油相を水相に混合及び乳化分散させる工程は、(I)前記攪拌翼の周速度をA m/s、(II)前記攪拌翼を通過する水相及び油相の長手方向線速度をB m/sとしたとき、5≦A≦25、かつ、80≦A/B≦300の条件で行われることを特徴とする前記高濃度液体柔軟剤組成物の連続製造方法。
  2. 前記油相を供給する工程が、供給された油相が水相との接触により液晶構造を形成する前に前記攪拌翼に到達することを可能にする箇所から油相を供給する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の高濃度液体柔軟剤組成物の連続製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法により製造される高濃度液体柔軟剤組成物。
  4. 粘度が1500 cP以下であることを特徴とする請求項記載の高濃度液体柔軟剤組成物。
JP2004063729A 2004-03-08 2004-03-08 高濃度液体柔軟剤組成物の連続製造方法及びそれにより得られる高濃度液体柔軟剤組成物 Expired - Fee Related JP3994091B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004063729A JP3994091B2 (ja) 2004-03-08 2004-03-08 高濃度液体柔軟剤組成物の連続製造方法及びそれにより得られる高濃度液体柔軟剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004063729A JP3994091B2 (ja) 2004-03-08 2004-03-08 高濃度液体柔軟剤組成物の連続製造方法及びそれにより得られる高濃度液体柔軟剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005248406A JP2005248406A (ja) 2005-09-15
JP3994091B2 true JP3994091B2 (ja) 2007-10-17

Family

ID=35029155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004063729A Expired - Fee Related JP3994091B2 (ja) 2004-03-08 2004-03-08 高濃度液体柔軟剤組成物の連続製造方法及びそれにより得られる高濃度液体柔軟剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3994091B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5100158B2 (ja) * 2006-03-07 2012-12-19 ライオン株式会社 ベシクル水分散液及びその製造方法
EA019920B1 (ru) 2007-12-03 2014-07-30 ДСМ АйПи АССЕТС Б.В. Система и способ изготовления бусин
JP2012061446A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Lion Corp カプセル粒子含有乳化物の製造方法
JP6444062B2 (ja) * 2013-06-17 2018-12-26 花王株式会社 分散液の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005248406A (ja) 2005-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6479041B2 (en) Method for producing aqueous emulsions or suspensions
JP3778237B2 (ja) O/w型エマルジョンの製造方法
CN108159414B (zh) 动物疫苗用油包水佐剂及其制备方法和用途
JP2012005975A (ja) 水中油型乳化物の製造方法
WO1998041600A1 (en) Super-concentrated liquid rinse cycle fabric softening composition
JP3994091B2 (ja) 高濃度液体柔軟剤組成物の連続製造方法及びそれにより得られる高濃度液体柔軟剤組成物
JP5307343B2 (ja) 非水溶性香料を含む水中油型エマルションの製造方法
JP4870883B2 (ja) 毛髪化粧料組成物
CN1311814A (zh) 赋予织物柔软基本组合物美学属性的油包水微乳状液
TWI391175B (zh) 水中油性乳膠組成物及其製造方法
JP2005187684A (ja) 変性シリコーンエマルション及びその製造方法、並びに衣料用柔軟仕上げ剤
JP2007237050A (ja) 第四級アンモニウム塩を高濃度含有する水中油型乳化物の製造方法
JP3666526B2 (ja) 小胞体分散液の製造方法
JP2000128733A (ja) O/w型エマルション及びその製造方法
TWI551297B (zh) 囊胞組合物之製造方法
JP5100158B2 (ja) ベシクル水分散液及びその製造方法
CN1282368A (zh) 稳定的乳液
JP2014079699A (ja) 消泡剤及びその製造方法
JP2013129922A (ja) 液体柔軟剤組成物及びその製造方法
JPH10298149A (ja) 高濃度第4級アンモニウム塩分散液及びその調製方法
JP5732118B2 (ja) ベシクル組成物
JP2009172591A (ja) 非水溶性香料を含む水中油型エマルションの製造方法
JP5887131B2 (ja) ラメラ構造を有する板状αゲル組成物の製造方法
JP2010106044A (ja) 乳化組成物
JP2012061446A (ja) カプセル粒子含有乳化物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070501

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070723

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070730

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3994091

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120803

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130803

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees