JP3994006B2 - 電動リールのモータ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ制御装置、特に、遊星減速機構とクラッチ機構とを介して一方向に回転するモータの回転が釣り糸巻き取り用のスプールに伝達される電動リールのモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
巻き上げ時のスプールの回転をモータで行う電動リールは、たとえば、50m以上の水深を回遊する魚を船の上から釣るときによく使用される。この種の電動リールは、リール本体と、リール本体に回転自在に支持されたスプールと、スプールを回転させるハンドルと、スプールを巻き上げ方向に駆動するモータとを備えている。ハンドルは、逆転防止機構により繰り出し方向に逆転しないようになっている。モータは、モータの回転を減速するコンパクトな遊星減速機構とともにスプール内部に設けられており、スプールを巻取方向に駆動するように一方向にのみ回転するようになっている。また、ハンドルと遊星減速機構との間には、ハンドルの回転を遊星減速機構に伝達する駆動機構と、動力を係脱するクラッチ機構とが設けられている。駆動機構は、ハンドル軸にドラグ機構を介して連結されたメインギアと、メインギアに噛み合うピニオンギアとを有している。クラッチ機構は、ピニオンギアの端面とこの端面に係合する遊星減速機構の一部とで構成されている。ピニオンギアは、軸方向に係合位置と離脱位置との間で移動可能であり、クラッチ操作レバーによりその位置を係合位置と離脱位置との間で切換可能である。
【0003】
この種の電動リールでは、釣り糸を繰り出す際には、クラッチ操作レバーによりクラッチ機構を離脱状態にしスプールを自由状態にする。これにより仕掛けは重りの自重により水中を落下し、スプールが糸繰り出し方向に回転して釣り糸が繰り出される。また、釣り糸を巻き取る際には、クラッチ操作レバーによりクラッチ機構を係合状態にするとともにモータオンオフスイッチを操作すると、モータが一方向に回転し、それが遊星減速機構を介してスプールに伝達され、スプールが糸巻き上げ方向に回転する。また、ハンドルを回すと駆動機構及び遊星減速機構を介してその回転がスプールに伝達され、スプールが糸巻き上げ方向に回転する。
【0004】
糸繰り出しときには、電動リールの場合、スプールが回転すると遊星減速機構の遊星ギア等も回転するので、この遊星減速機構の遊星ギアの駆動トルクや軸受の摩擦抵抗やグリースの粘性等によりスプールに制動力が作用し、手巻きリールに比べて仕掛けの落下速度が遅くなることがある。
【0005】
これを防止するために糸送りモードで動作する電動リールが実公平7−46150号公報に開示されている。前記公報に開示された電動リールは、クラッチのオンオフを検知する検知手段と、検知手段の検知結果によりモータを回転制御する制御手段とを有している。この電動リールでは、クラッチをオフしてスプールを自由状態にすると糸送りモードになる。糸送りモードでは、このクラッチオフを検知してモータを糸巻上げ方向に所定の電流値で回転させる。クラッチオフ状態でモータを糸巻き上げ方向に回転させると、遊星減速機構の駆動トルクや摩擦抵抗等が相殺されるとともにグリースの粘性等によりわずかな駆動力でスプールが糸繰り出し方向に回転する。この結果、糸送りモードにすると、自由状態での降下速度より速く仕掛けが降下するようになる。そして、たとえば棚位置に仕掛けが到達してクラッチがオンされると、クラッチがオンしたことを検知手段が検知してモータをオフする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成では、仕掛けを投入するときなど糸送りモードで動作するときには、所定の電流値でモータが回転するので、モータから発せられる音は比較的小さい。しかし、糸送りモードではなく通常の巻き上げ動作中に、高速ジギングやさそいなどで高速でモータを回転させたときにクラッチ機構をオフすると、その回転速度に応じた電流でモータが駆動されたままの状態で釣り糸が繰り出される。このとき、無負荷状態に近いのでモータが高速回転して回転音が大きくなり耳障りになる。
【0007】
本発明の課題は、電動リールのモータ制御装置において、モータ駆動中にスプールが糸繰り出し方向に回転したときに、モータの過剰な回転による耳障りな音の発生を防止することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る電動リールのモータ制御装置は、遊星減速機構とクラッチ機構とを介して一方向に回転するモータの回転が釣り糸巻き取り用のスプールに伝達される電動リールのモータを制御する装置であって、回転方向検出手段と、駆動指令受付手段と、モータ状態設定手段と、第1モータ駆動手段と、第2モータ駆動手段と、第3モータ制御手段とを備えている。回転方向検出手段は、スプールの回転方向を検出する手段である。駆動指令受付手段は、モータへの駆動指令を受け付ける手段である。モータ状態設定手段は、モータを複数段の回転状態に設定するための手段である。第1モータ駆動手段は、駆動指令を受け付けたとき、モータ状態設定手段で設定された回転状態でモータを駆動する手段である。第2モータ駆動手段は、第1モータ駆動手段によりモータが駆動されている場合にスプールが糸繰り出し方向に回転したとき、モータ状態設定手段で設定された回転状態にかかわらずモータを最大定格電流より低い第1電流で駆動する手段である。第3モータ制御手段は、第1モータ駆動手段によりモータが駆動されている場合にスプールが糸繰り出し方向に回転しかつモータ状態設定手段で設定された回転状態に応じた電流値が第1電流より低いとき、回転状態に応じた電流値でモータを駆動する手段である。
【0009】
このモータ制御装置では、駆動指令受付手段が駆動指令を受け付けると、第1モータ駆動手段によりモータ状態設定手段で設定された回転状態でモータが回転駆動される。この駆動中にクラッチ機構がオフ状態になったりドラグが作動したりしてスプールが糸繰り出し方向に回転すると、第2モータ駆動手段によりモータが最大定格電流より低い第1電流で駆動される。ここでは、巻き上げ中にスプールが糸繰り出し方向に回転するとモータが最大定格電流より低い第1電流で駆動されるので、最大回転速度より低い速度でモータが回転しつつ釣り糸が繰り出される。このため、高速ジギングやさそいなどで巻き上げ中にクラッチ機構をオフしたときやドラグが作動したときでも、モータの過剰な回転による耳障りな音の発生を防止して釣り糸を高速で繰り出すことができる。
【0010】
また、設定された回転状態に応じた電流値が第1電流より低い状態での巻き上げ中にスプールが糸繰り出し方向に回転したときには、第1電流ではなく設定された回転状態に応じた電流値でモータが駆動されるので、モータの回転速度がさらに遅くなり、モータの過剰な回転による耳障りな音の発生をさらに防止できる。
【0011】
発明に係る電動リールのモータ制御装置は、発明1に記載の装置において、第1モータ駆動手段は、2又は第3モータ駆動手段によりモータが駆動されている場合にスプールが糸繰り出し方向に回転しなくなったとき、モータ状態設定手段で設定された回転状態でモータを駆動する。この場合には、釣り糸が繰り出されなくなると、再度設定された回転状態でモータがただちに駆動されるので、高速ジギングを行うときなどに巻き上げ効率が向上する。
【0012】
発明に係る電動リールのモータ制御装置は、発明1又は2に記載の装置において、モータ状態設定手段は、スプールの回転速度を一定に保持するように複数段の回転速度を設定可能であり、第2モータ駆動手段は、複数段の回転速度のうち中間の回転速度に応じた第1電流で前記モータを駆動する。この場合には、モータの回転速度が設定された速度になるようにモータを制御する速度一定制御モードにおいて、中間の回転速度に応じた電流値でモータが駆動されるので、電力の消費を抑えて静音化を図ることができる。
【0013】
発明に係る電動リールのモータ制御装置は、発明1又は2に記載の装置において、モータ状態設定手段は、スプールから繰り出される釣り糸の張力を一定に保持するように複数段の張力を設定可能であり、第2モータ駆動手段は、複数段の張力のうち中間の張力に応じた第1電流で前記モータを駆動する。この場合には、釣り糸の張力が設定された張力になるようにモータを制御する張力一定制御モードにおいて、中間の回転速度に応じた電流値でモータが駆動されるので、電力の消費を抑えて静音化を図ることができる。
【0014】
発明に係る電動リールのモータ制御装置は、発明1からのいずれかに記載の装置において、釣り糸の先端部の水深を計測する水深計測手段をさらに備え、モータが駆動されていない状態でスプールが糸繰り出し方向に回転し、釣り糸の先端部が所定以下の水深から所定以上の水深になるまで駆動指令を受け付けなかったとき、モータを最大定格電流より低い第2電流で駆動する第4モータ駆動手段をさらに備える。この場合には、船縁から釣り糸の先端部に取り付けられた仕掛けを投入するときに糸送りモードで釣り糸を高速で繰り出すことができる。
【0015】
発明に係る電動リールのモータ制御装置は、発明に記載の装置において、モータに供給された電流値を検出する電流値検出手段をさらに備え、第4モータ駆動手段は、電流値検出手段が第2電流より大きい第3電流以上の電流値を検出したとき、モータの駆動を停止する。この場合には、クラッチ機構がオン状態になって釣り糸の繰り出しが停止すると電流値が上昇することを利用してモータを停止しているので、クラッチ機構の状態を検出することなくモータを停止することができる。
【0016】
発明に係る電動リールのモータ制御装置は、発明又はに記載の装置において、第2電流は、第1電流と同じ電流値である。この場合には、釣り糸が繰り出されるときのモータの駆動電流が一種だけであるので制御が簡素化する。
【0017】
【発明の実施の形態】
〔全体構成〕
図1に示す本発明の一実施形態を採用した電動リールは、糸繰り出し長さにより水深を表示する水深表示器を有するリールである。電動リールは、釣り竿Rに装着されるリール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール12の回転用のハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを主に備えている。スプール12の内部にはモータ13が収納されている。
【0018】
リール本体1は、対向して配置された1対の側板を有するフレーム10と、フレーム10の両側方に配置されたカバー11a,11bとを有している。このフレーム10の中央部に外周に釣り糸が巻き付けられるスプール12が回転自在に配置されている。
【0019】
スプール12の内部に収納されたモータ13の出力軸14の先端は、ハンドル側のカバー11aに向かって延びている。この出力軸14は、図示しないワンウェイクラッチにより一方向(糸巻取方向)にのみ回転する。
【0020】
〔リール上部の構成〕
リール本体1の上部には水深表示用のカウンターケース4が固定されている。カウンターケース4には、図2に詳しく説明するように、仕掛けの水深や2つの基準で棚位置を表示するための液晶ディスプレイからなる表示部5と、表示部5の周囲に配置された各種の操作キー部6とが設けられている。
【0021】
表示部5には、表示モード(上からモードと底からモード)に応じて異なる水深を表示する水深表示部5aと、各種のモードや動作状態を表示するためのモード表示部5bと、水底の水深Sや棚位置TPを表示するための棚表示部5cと、スプール12の巻き上げ時のモータ13の7つの変速段を表示するための速度表示部5dと、釣り糸に作用する張力を表示する張力表示部5eとが含まれている。
【0022】
水深表示部5a及び棚表示部5cは、正負4桁及び3桁で水深を表示可能である。動作モード表示部5bは、上からモードと底からモードの2つの表示モードのいずれかを表示するために底からモードのときに表示される「底」の文字、学習モードのときの選択されたモードの文字、及び張力一定モードと速度一定モードとの二つのモードのいずれかを表示するために張力一定モードのときに表示される「張力」の文字などを表示する。ここで、上からモードとは、リールを基準とした水面からの仕掛けの水深を表示するモードであり、底からモードとは水底を基準とした水底から仕掛けまでの距離を表示するモードである。このため、上からモードは、「上もの」と呼ばれる魚を釣るときに好適であり、底からモードは「底もの」と呼ばれる魚を釣るときに好適である。
【0023】
また、速度一定モードは、操作キー部6の後述する設定スイッチSKの上スイッチSK1又は下スイッチSK2で設定された巻き上げ速度でスプール12が回転するようにモータ13を制御するモードであり、張力一定モードとは、操作キー部6の上スイッチSK1又は下スイッチSK2で設定された張力で釣り糸が巻き上げられるようにモータ13を制御するモードである。したがって、速度一定モードでは、仕掛けに作用する負荷により釣り糸の張力が変化し、張力一定モードのときには、仕掛けに作用する負荷により巻き上げ速度が変化する。
【0024】
速度表示部5dは、スプールの回転速度(モータの回転速度)をたとえば並べて配置された15個のセグメントにより15段階に表示する。さらに張力表示部は、釣り糸に作用する張力を数字によりたとえば8段階に表示する。この速度表示部5d及び張力表示部5eの表示はモータ13の回転中は実際の速度又は張力を、設定スイッチSKによる設定中は、設定された速度又は張力を表示する。なお、図2では張力が3に設定されている状態を示している。
【0025】
操作キー部6には、表示部5の右側に上下に並べて配置された速度又は張力を設定するための設定スイッチSK及びモータオンオフボタンPBと、左側に上下に並べて配置された切換ボタンTS、メモボタンTB及びモードボタンMDとが設けられている。
【0026】
設定スイッチSKは、上下2つのスイッチSK1,SK2を有するものであり、上スイッチSK1を押すと設定する速度又は設定する張力が押している時間だけ徐々に高くなる方向に移行し、下スイッチSK2を押すと低くなる方向に移行する。また、上スイッチSK1を3秒以上押し続けると、表示モードを上からモードと底からモードとの間で切り換えでき、下スイッチSK2を3秒以上押し続けると、糸送りモードの設定をオンオフできる。ここでは、糸送りモードとは、クラッチオフ状態でモータ13を糸巻き上げ方向に回転させると、後述する遊星減速機構20の駆動トルクや摩擦抵抗等が相殺されるとともにグリースの粘性等によりわずかな駆動力でスプール12を糸繰り出し方向に高速で回転させるモードである。これにより、仕掛けを速く棚位置に到達させることができる。
【0027】
モータオンオフボタンPBは、操作のつどモータ13のオンオフを交互に繰り返すように設定されている。
【0028】
切換ボタンTSは、速度一定モードと張力一定モードとを切り換えるためのボタンである。メモボタンTBは、上から及び底からモードのときの棚位置や底からモードのときの底位置を設定するためのボタンである。なお、メモボタンTBを3秒以上押し続けると、水深表示が0セットされる。モードボタンMDは、各種の学習モードの設定に用いられるボタンである。
【0029】
なお、電動リールには、蓄電池などの外部電源50からの電力が電源ケーブル51を介して供給され、供給された電力によりモータ13や後述する制御部80などが動作する。
【0030】
〔駆動系の構成〕
スプール12の内部及びカバー11aの内部には、図3に示すように、スプール12を回転駆動するための駆動系8が設けられている。駆動系8は、スプール12の内部に配置された遊星歯車列からなる遊星減速機構20と、カバー11a内に配置されたハンドル軸21に装着されたドラグ機構22と、ドラグ機構22と遊星減速機構20との間に配置されたピニオンギア36及びクラッチ機構24とを有している。
【0031】
遊星減速機構20は、モータ13の出力軸14に固定された第1太陽ギア25と、これに噛み合う3つの第1遊星ギア26(1つのみ図示)と、出力軸14に回転自在に支持された第2太陽ギア28と、この第2太陽ギア28に噛み合う3つの第2遊星ギア29(1つのみ図示)とを備えている。第2太陽ギア28には、第1遊星ギア26を回転自在に支持する第1キャリア27が固定されている。第1及び第2遊星ギア26,29は、スプール12内の内周面に形成された内歯ギア30に噛み合っている。第2遊星ギア29は第2キャリア31に回転自在に支持されている。第2キャリア31は筒状軸31aを有しており、筒状軸31aは出力軸14に回転自在に支持されている。
【0032】
ドラグ機構22は、メインギア35と、このメインギア35内に収容されハンドル軸21とメインギア35とのいずれか一方に回転不能に連結された複数の摩擦プレート及び中間プレートと、皿バネとから構成されており、スタードラグ3を調整することによってそのドラグ力を変更することが可能である。
【0033】
ピニオンギア36はメインギア35に噛み合っている。ピニオンギア36はカバー11aに支持された支持軸37の回りに回転自在に支持されている。クラッチ機構24は、スプール12を巻上状態と自由状態とに切り換えるものであり、クラッチオフすると自由状態となり、釣糸を繰り出すことが可能となる。また、クラッチオンすると巻上状態となり、駆動モータ13またはハンドル2による巻き上げ動作を行うことが可能となる。クラッチ機構24は、ピニオンギア36の一端と第2キャリア31の筒状軸31aの一端とによって構成されている。これらの対向する端部同士は噛み合いが可能であり、ピニオンギア36を筒状軸31aから離す方向に移動させるとクラッチが解除された状態(クラッチオフ)となり、また逆方向に移動させることによってクラッチが接続された状態(クラッチオン)となる。
【0034】
また、スプール12の一端側には第1ギア40が一体で形成されており、この第1ギア40は中間ギア列41を介して螺軸駆動ギア42と噛み合っている。螺軸駆動ギア42は螺軸43の一端に固定されており、螺軸43の表面には螺旋溝43aが形成されている。螺旋溝43aには釣り糸ガイド44が噛み合っており、釣り糸ガイド44は、スプール12の回転により螺軸43により左右に往復移動して釣り糸をスプール12に均一に巻き取る。
【0035】
クラッチ機構24は、図4に示すように、カバー11a内に設けられたクラッチ操作機構によってクラッチをオン/オフすることが可能である。クラッチ操作機構は、カバー11aから上方に突出するクラッチレバー60と、クラッチプレート61と、クラッチヨーク62とを有している。クラッチレバー60は揺動自在に設けられており、その揺動中心部にはカム63が形成されている。カム63の一部には突起部63aが設けられており、この突起部63aは、クラッチプレート61の上部に設けられた長孔61aに係合している。クラッチプレート61は斜め上下方向にスライド自在であり、かつほぼ中間部に設けられた支持ピン64を中心に揺動自在である。
【0036】
また、クラッチプレート61にはカム面61bが形成されている。クラッチヨーク62はカム面61bに当接しており、クラッチプレート61が斜め方向にスライドすることによって図3の紙面直交方向にスライドが可能である。クラッチヨーク62はピニオンギア36に係合しており、このクラッチヨーク62がスライドすることでピニオンギア36をモータ13の出力軸14方向にスライド可能である。なお、クラッチヨーク62はリターンスプリングによって常にピニオンギア36を第2キャリア31側(クラッチオン側)に付勢している。
【0037】
クラッチプレート61の下方には、クラッチプレート61を下降させた図5に示す状態で維持するためのロック部材65が設けられている。ロック部材65はフレーム10に取付られたソレノイド66及びそのロッドに装着されたリング部材67によって斜め方向に昇降可能である。このため、図5に示すように、クラッチプレート61とロック部材65とは噛み合ってクラッチプレート61がクラッチオフ位置に維持された状態でソレノイド66をオンすると、リンク部材67を介してロック部材65が下降し、そのロックを解除することが可能である。
【0038】
また、ハンドル軸21はラチェット70が固定されており、このラチェット70はストッパーレバー71によってその一方向(図4反時計回り)の回転が禁止されるようになっている。この結果、駆動モータ13使用時にハンドル2が逆回転しないようにできる。なお、ストッパーレバー71は、図示しないストッパーアームによりラチェット70に当接する位置(図4)と解除する位置(図5)とに移動可能である。ストッパーアームは、カバー11aから下方に突出している。
【0039】
ラチェット70にはクラッチロック解除用のロッド72が設けられている。このため図5に示すように、クラッチがオフされた状態でハンドル軸21を回すと、ラチェット70が図5において時計方向に回転し、そのクラッチロック解除用のロッド72がクラッチプレート61に当接してその下端を上方に押す。すると、クラッチプレート61は支持ピン64を中心に反時計回りに回動し、ロック部材65とのロックが外れる。これによりクラッチプレート61はバネ73によって上昇させられ、クラッチはオン状態となる。なお、クラッチレバー60もスプリング74によって常にクラッチオン側の姿勢に付勢されている。
【0040】
〔駆動系の動作〕
このように構成された駆動系8では、クラッチ機構24が接続(クラッチオン)した状態でモータ13を回転させると、出力軸14に固定された第1太陽ギア25が回転する。これに噛み合う第1遊星ギア26は、内歯ギア30に噛み合っているので、第1太陽ギア25の回転が回転すると、第1遊星ギア26を回転自在に支持する第1キャリア27がモータ13と同方向に公転する。これにより、第1キャリア27に固定された第2太陽ギア28が同方向に回転する。このとき、第2遊星ギア29を回転自在に支持する第2キャリア31は、クラッチ機構24によりハンドル軸21に連結されており、ハンドル軸21はラチェット70により逆転禁止されているので、第2キャリア31は公転が禁止された状態である。したがって第2太陽ギア28が回転すると、第2遊星ギア29が自転しスプール12をモータ13の回転方向と逆方向に減速回転させる。
【0041】
クラッチ機構24を切断(クラッチオフ)しスプール12が仕掛けの重量で糸繰り出し方向に自由回転しているときにモータ13を駆動すると、内歯ギア30に噛み合う第1及び第2遊星ギア26,29の噛み合いによる抵抗や軸受部の摩擦抵抗や内部に封入されたグリースの粘性等によりスプール12に作用する制動力を相殺するようなトルクでモータ13は回転する。すなわち、第2キャリア31が空転状態のため、モータ13が回転すると第1及び第2遊星ギア26,29は自転しながら公転し、第2キャリア31にそれを公転させる駆動トルクがわずかに作用する。この結果、スプール12を僅かの駆動トルクでモータ13の回転方向と同じ糸繰り出し方向に減速回転させる。このようにモータ13の回転により前述した制動力が相殺されるため、スプール12はスムーズに糸繰り出し方向に回転する。
【0042】
一方、クラッチ機構24が接続(クラッチオン)した状態でハンドル2を回転させると、その回転は、ドラグ機構22を介してピニオンギア36に伝達される。このとき、モータ13は逆転禁止されているので、第1太陽ギア25は回転しない。このため、これに噛み合う第1遊星ギア26は公転せず、第1キャリア27も回転せず、第2太陽ギア28も固定状態である。この状態では、ピニオンギア36に回転が伝達されると第2キャリア31が公転し、それにより第2遊星ギア29が公転しながら自転してスプール12を回転させる。
【0043】
〔制御系の構成〕
電動リールは、図6に示す制御部80を有している。制御部80は、カウンターケース4内に配置されたCPU,RAM,ROM,I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータを備えており、制御プログラムに従って後で説明する各種の制御動作を実行する。制御部80には、操作キー部6の各種のボタンと、スプール12の回転方向及び回転数を検出するための1対のリードスイッチからなるスプールセンサ81と、モータ13に供給された電流を検出する電流検出部83とが接続されている。
【0044】
また、制御部80には、各種の報知を行うためのアラーム7と、表示部5と、モータ13を電流のパルス幅を変更してデューティ制御するためのPWM駆動回路85と、各種の制御データを記憶する不揮発メモリからなる記憶部86と、クラッチオン用のソレノイド66と、他の入出力部とが接続されている。PWM駆動回路85にはモータ13が接続されている。PWM駆動回路85は、速度一定モードのとき、制御部80からの指令により15段階のデューティ比D1〜D15でモータ13を駆動する。また、張力一定モードのときには、8段階のデューティ比D1,D3・・・D13,D15でモータ13を駆動する。ここで、デューティ比D1は、たとえば30%デューティであり、最大定格電流Imaxの30%の電流値となる。そしてそれからたとえは5刻みでデューティ比が大きくなる。そしてデューティ比D15は、100%デューティであり、このとき、最大定格電流Imaxの電流でモータ15を駆動する。
【0045】
〔制御系の動作〕
次に、制御部80によって行われる制御処理を図7〜図12に示す制御フローチャートに従って説明する。
【0046】
電動リールに図示しないバッテリーが接続されると、図7のステップS1において初期設定を行う。ここでは、水深表示を「0」にしたり、動作モードを示す糸送りフラグLF等の各種のフラグを「0」にリセットしたり、表示モードを上からモードに設定する。また、モータ13をPWM制御する際のデューティ比DをD1(たとえば30%デューティ)にセットする。
【0047】
ステップS2では、表示処理を行う。表示処理では、表示部5での水深表示等の各種の表示を行う。ここで、上からモードのときには、水深表示部5aに上からの水深LNが、底からモードのときには水底からの距離Sが表示される。また、棚位置がセットされると、上からモードのときには棚表示部5cに棚位置が、底からモードのときには底位置が適宜のタイミングで表示される。
【0048】
ステップS3では、操作キー部6の各種ボタンやスイッチの操作によるキー入力がなされているか否かを判断する。ステップS4では、スプール12が回転しているか否かを判断する。この判断は、スプールセンサ81の出力により行う。ステップS5では、モータ13が糸巻取状態で回転しているか否かを、回転フラグMFにより判断する。この回転フラグMFは、後述するモータオンオフボタン処理(PBON処理)でモータ13の回転を糸巻取状態で開始したときセットされる。ステップS6では、他の指令がなされたか否かを判断する。他の指令がなされていない場合にはステップS2に戻る。
【0049】
キー入力がなされているとステップS3からステップS8に移行し、図8に示すキー入力処理を行う。スプール12が回転していると判断するとステップS4からステップS9に移行し、学習モードか否かを判断する。学習モードの場合にはステップS10に移行し、スプール12の回転と糸長との関係を学習する学習処理に移行する。学習モードではない場合にはステップS11に移行し、各モード処理を実行する。
【0050】
モータ13が糸巻取状態で回転しているとステップS5からステップS12に移行する。ステップS12ではスプール12が糸繰り出し方向に回転しているか否かを判断する。ステップS12でスプールが糸巻取方向に回転していると判断すると、ステップS13に移行する。ステップS13では、図12に示す糸巻取処理を実行する。一方、巻取中にクラッチ機構24がオフ状態になり、ステップS12でスプールが糸繰り出し方向に回転していると判断すると、ステップS14に移行する。高速ジギングのときのように、巻取中にクラッチ機構24をオフして釣り糸を繰り出す操作をしたときなどにこの判断が「Yes」になる。ステップS14では、図13に示す第1糸送り処理を実行する。
【0051】
他の指令がなされるとステップS6からステップS16に移行し、指令に応じた他の処理を行い、ステップS2に戻る。
【0052】
ステップS8のキー入力処理では、図8のステップS21でモータオンオフボタンPBが押されているか否かを判断する。ステップS22では設定スイッチSKの上スイッチSK1が押されているか否かを判断する。ステップS23では設定スイッチSKの下スイッチSK2が押されているか否かを判断する。ステップS24では切換ボタンTSが押されたか否かを判断する。ステップS25ではメモボタンTBやモードボタンMD等の他のキーが押されたか否かを判断する。
【0053】
モータオンオフボタンPBが押されていると、ステップS21からステップS26に移行する。ステップS26では、図9に示すモータオンオフボタンPBの押圧(PBON)処理を行う。
【0054】
設定SKの上スイッチSK1が押されていると、ステップS22からステップS27に移行する。ステップS27では図10に示す上スイッチ処理を行う。設定スイッチSKの下スイッチSK2が押されていると、ステップS23からステップS28に移行する。ステップS33では図11に示す下スイッチ処理を行う。
【0055】
切換ボタンTSが押されるとステップS24からステップS29に移行する。この切換ボタンTSは、速度一定モードと張力一定モードとを切り換えるためのスイッチであるので、ステップS29では、現在のモードが速度一定モードか否かを判断する。速度一定モードのときにはステップS30に移行し、張力一定モードに切り換える。張力一定モードのときにはステップS31に移行し、速度一定モードに切り換える。他のキー入力がなされた場合にはステップS25からステップS32に移行し、押されたキーに応じた他のキー入力処理を行い、メインルーチンに戻る。
【0056】
図9に示すモータオンオフボタンPBの押圧処理では、ステップS36でモータ13が回転しているか否かを判断する。この判断は、回転フラグMF又は回転フラグFFのいずれかがセット(=1)されているか否かにより行う。ここで、回転フラグFFは、糸送り状態でモータ13が回転していることを示すフラグであり、後述する第1又は第2糸送り処理でセットされる。モータ13が回転していない場合には、ステップS37に移行し、モータ13のデューティ比Dを記憶部86に記憶された前回セットされたデューティ比Dn(ただし、nは1から15の整数。また、電源投入直後はデューティ比D1)にセットする。ステップS38では、回転フラグMFを1にセットし、キー入力処理ルーチンに戻る。これにより、モータ13が前回セットされた速度又は張力で回転を開始する。モータ13がすでに回転しているときには、ステップS36からステップS39に移行し、回転フラグMF,FFをリセットする。これによりモータ13は停止する。
【0057】
図10に示す上スイッチ処理では、ステップS40でモータ13が回転しているか否かを判断する。この判断は回転フラグMFにより行う。モータ13が回転していない場合にはステップS41に移行する。ステップS41では、上スイッチSK1が3秒以上長押しされているか否かを判断する。長押しされていない場合には誤操作として処理を終了してキー入力処理ルーチンに戻る。長押しされている場合にはステップS42に移行し、表示モードが上からモードか否かを判断する。上からモードのときには、ステップS43に移行して底からモードにセットする。また、底からモードのときにはステップS44に移行して上からモードにセットする。
【0058】
モータ13が回転している場合には、ステップS40からステップS45に移行する。ステップS45では、速度一定モードか否かを判断する。速度一定モードのときには、ステップS46に移行し、デューティ比Dを速度一定モードにおける一段階高速側のデューティ比Dn+1にセットする。ここで、nは前述したように1から15の整数である。張力一定モードのときにはステップS45からステップS47に移行する。ステップS47では、デューティ比Dを張力一定モードにおける一段階高張力側のデューティ比Dm+1にセットする。ここで、mは1から15の奇数である。なお、n,mが15になるとこれ以上デューティ比Dが上がることはない。また、これらのセットされたデューティ比Dは、記憶部86に記憶され、モータオンオフボタンPBによりモータ13が停止しても残されている。
【0059】
図11に示す下スイッチ処理では、ステップS50でモータ13が回転しているか否かを判断する。この判断は回転フラグMFにより行う。モータ13が回転していない場合にはステップS51に移行する。ステップS51では、上スイッチSK1が3秒以上長押しされているか否かを判断する。長押しされていない場合には誤操作として処理を終了してキー入力処理ルーチンに戻る。長押しされている場合にはステップS52に移行し、糸送りモードが設定されているか否かを判断する。この判断は、糸送りフラグLFがセットされている(=1)か否かにより判断する。ここで、糸送りモードが設定されているときには、ステップS43に移行して糸送りフラグLFをリセットし糸送りモードを解除する。また、糸送りモードではないときは、ステップS44に移行して糸送りフラグLFをセットして糸送りモードをセットする。
【0060】
モータ13が回転している場合には、ステップS50からステップS55に移行する。ステップS55では、速度一定モードか否かを判断する。速度一定モードのときには、ステップS56に移行し、デューティ比Dを速度一定モードにおける一段階低速側のデューティ比Dn-1にセットする。張力一定モードのときにはステップS55からステップS57に移行する。ステップS57では、デューティ比Dを張力一定モードにおける一段階低張力側のデューティ比Dm-1にセットする。なお、n,mが1になるとこれ以上デューティ比Dが下がることはない。
【0061】
図12に示す糸巻取処理では、ステップS61で速度一定モードか否かを判断する。速度一定モードのときにはステップS62に移行し、スプール12の回転速度Rをスプールセンサ81の出力により検出する。ステップS63では、検出した回転速度Rが変速段nに応じた所定の回転速度Rnに到達したか否かを判断する。すでに所定の回転速度Rnに到達した場合にはこの処理を終了する。所定の回転速度Rnに到達していない場合には、ステップS64に移行し、現在のデューティ比Dが変速段に応じた最大デューティ比Dnmaxを超えているか否かを判断する。現在のデューティ比Dが変速段に応じた最大デューティ比Dnmaxを超えていない場合には、ステップS65に移行する。ステップS65では、デューティ比Dを所定の増分DI増加させる。この増分DIはたとえば「5」程度である。最大デューティ比Dnmaxを超えた場合にはステップS64からステップS66に移行する。ステップS66ではデューティ比Dを最大デューティ比Dnmaxにセットする。これにより、仕掛けに作用する負荷に関わりなくスプールの回転速度が設定された回転速度に近づくことになる。
【0062】
速度一定モードではなく張力一定モードのときには、ステップS61からステップS67に移行する。ステップS67では、巻径を算出する。この巻径は、後述する水深算出処理の際に得られる水深データLNとスプール12の糸巻胴径とにより算出する。ステップS68では得られた巻径を用いてセットされたデューティ比Dを補正する。この理由はデューティ比Dを一定にするとトルク(巻径×張力)は一定になるが、巻径の変化により張力は変化する。この張力の巻径による変化を補正するためにステップS68の処理は行われる。これにより、仕掛けに作用する負荷に関わりなく釣り糸に一定の張力が作用し、口が弱い獲物でも確実に取り込むことができる。
【0063】
図13に示す第1糸送り処理では、最大デューティ比D15と最小デューティ比D1の間のデューティ比D8をすでにセットされているデューティ比Dが超えているか否かをステップS70で判断する。すなわち、第1糸送り処理で使用されるデューティ比D8を超えたデューティ比がセットされているか否かを判断する。セットされたデューティ比Dがデューティ比D8を超えている場合にはステップS71に移行する。ステップS71では、回転フラグMFによりモータ13が糸巻取状態ですでに回転しているか否かを判断する。モータ13が糸巻取状態で回転している場合にはステップS72に移行し、デューティ比Dをデューティ比D8にセットする。ステップS73では、回転フラグMFをリセットするとともに回転フラグFFをセットする。これによりモータ13がデューティ比D9以上で駆動されていてもそれより低いデューティ比D8で駆動される。セットされたデューティ比Dがデューティ比D8を超えていない場合にはこれらのステップS71からステップS73の処理をスキップし、ステップS74に移行する。また、糸巻取状態で回転していない場合(MF=0)には、ステップS72及びステップS73をスキップし、ステップS74に移行する。これにより、第1糸送り処理の際にはモータ13がデューティ比D8以下の小さい電流値で一方向に回転駆動される。この結果、駆動系8での動作で説明したように、スプール12に作用する制動力がモータ13の回転により相殺され、スプール12が僅かな駆動トルクで糸繰り出し方向に駆動される。
【0064】
ステップS74では、電流検出部83の出力を読み込むことによりモータ13に供給された電流値Iを検出する。ステップS75では、検出された電流値Iが所定の電流値Ia未満か否かを判断する。検出された電流値Iが所定の電流値Ia未満の場合にはメインルーチンに戻る。検出された電流値Iが所定の電流値Ia以上の場合にはステップS75からステップS76に移行する。この所定の電流値Iaはクラッチ機構24がオンしたときの負荷により上昇する程度の電流値を判断するための値である。ステップS76では、回転フラグMFにより、モータ13の回転が糸巻取状態で回転しているか否かを判断する。モータ13が糸巻取状態で回転している場合にはメインルーチンに戻る。モータ13が糸巻取状態ではなく第1糸送り状態で回転している場合にはステップS77に移行する。ステップS77では、デューティ比Dを糸巻取状態のときにセットされたデューティ比Dnに戻す。ステップS77では、回転フラグMFをセットするとともに回転フラグFFをリセットする。ここでは、釣り糸の繰り出しが終わると元の高速のデューティ比でモータ13が駆動される。
【0065】
ここでは、ジギング時などの巻き上げ中に釣り人がクラッチ機構24をオフすると自動的にモータ13の回転速度が低くなり、釣り人がクラッチ機構24をオンして再度巻き上げを始めると、モータ13に作用する負荷が上昇して供給された電流値Iが所定の電流値Iaを超えることを利用してクラッチオンを検出している。そして、供給された電流値Iが所定の電流値Ia以上になると、第1糸送りモードが解除されモータ13が糸巻取状態で回転する。また、セットされたデューティ比Dがデューティ比D8以下のときには、回転速度が低いのでそのまま糸巻取状態でモータ13を回転させる。これにより、巻き上げ中にスプール12が糸繰り出し方向に回転するとモータ13が最大定格電流より低い電流で駆動されるので、最大回転速度より低い速度でモータ13が回転しつつ釣り糸が繰り出される。このため、高速ジギングやさそいなどで巻き上げ中にクラッチ機構24をオフしたときやドラグが作動したときでも、モータ13の過剰な回転による耳障りな音の発生を防止して釣り糸を高速で繰り出すことができる。
【0066】
図14に示す各動作モード処理では、ステップS81でスプール12の回転が糸繰り出し方向の回転か否かを判断する。この判断はスプールセンサ81のいずれのリードスイッチが先にオンしたかにより行う。スプール12の回転方向が糸繰り出し方向と判断するとステップS82に移行する。ステップS82では、回転データNを増加させる。ステップS83では、回転データNと水深LNとの関係を巻径を考慮して設定したマップデータMAPにより、増加された回転データNから水深LNを求める。これによりステップS2の表示処理で水深表示が更新される。ステップS84では、水深LNが5m未満か否かを判断する。ステップS85では、算出された水深LNが棚位置と一致するか否かを判断する。ステップS86では、他のモードか否かを判断する。他のモードではない場合には、各動作モード処理を終わりメインルーチンに戻る。
【0067】
水深LNが5m以上の場合には、ステップS84からステップS87に移行する。ステップS87では、糸送りフラグLFが「1」か否か、つまり動作モードが糸送りモードに設定されているか否かを判断する。糸送りモードに設定されている場合には、ステップS88に移行し、図15に示す第2糸送り処理を実行する。ここでは、一度、動作モードが糸送りモードに設定されると、水深LNが5mを超えた時点で従来知られている糸送りモード処理、つまりモータ13の回転が自動的に開始され、釣り糸が速く繰り出される。糸送りモードに設定されていない場合にはステップS85に移行する。
【0068】
水深LNが棚位置に一致するとステップS85からステップS89に移行する。ステップS89ではアラーム7から棚アラームを出力する。ステップS90では、ソレノイド66をオンしてクラッチ機構24をオンする。この結果、釣り糸の繰り出しが停止し、負荷の上昇によりモータ13に供給される電流値Iが増加する。他のモードの場合にはステップS86からステップS91に移行し、他のモード処理を実行する。
【0069】
スプール12の回転方向が糸巻き上げ方向と判断するとステップS81からステップS92に移行する。ステップS92では、回転データNを減少させる。ステップS93では、減少された回転データNからマップデータMAPにより水深LNを求める。これにより表示処理で水深表示が更新される。ステップS94では、算出された水深LNが船縁停止位置と一致するか否かを判断する。この船縁停止位置は、仕掛けが手元に戻るようにセットされた位置である。
【0070】
水深LNが船縁停止位置FBに一致するとステップS94からステップS95に移行する。ステップS95ではアラーム7から船縁アラームを出力する。ステップS96では回転フラグMFをリセットしモータ13を停止する。
【0071】
図15に示す第2糸送り処理では、最大デューティ比D15と最小デューティ比D1の間のデューティ比D8をすでにセットされているデューティ比Dが超えているか否かをステップS100で判断する。すなわち、第2糸送り処理で使用されるデューティ比D8を超えたデューティ比がセットされているか否かを判断する。セットされたデューティ比Dがデューティ比D8を超えている場合にはステップS101に移行する。
【0072】
ステップS101では、回転フラグMFによりモータ13が糸巻取状態ですでに回転しているか否かを判断する。モータ13が糸巻取状態で回転している場合には各動作モード処理に戻る。モータ13が糸巻取状態で回転していない場合にはステップS102に移行する。ステップS102では、モータ13が糸送り状態で駆動されているか否かを、回転フラグFFがセットされているか否かにより判断する。モータ13が糸送り状態で回転していない場合には、ステップS103に移行し、デューティ比Dをデューティ比D8にセットする。ステップS104では、回転フラグFFをセットする。これによりモータ13がデューティ比D9以上で駆動されていても、第2糸送り処理のときにはそれより低いデューティ比D8で駆動される。セットされたデューティ比Dがデューティ比D8を超えていない場合にはこれらのステップS101からステップS104の処理をスキップし、ステップS100からステップS105に移行する。また、糸送り状態で回転している場合(FF=1)には、ステップS103及びステップS104をスキップし、ステップS102からステップS105に移行する。これにより、第2糸送り処理中はモータ13が常にデューティ比D8以下の小さい電流値で一方向に回転駆動される。この結果、駆動系8での動作で説明したように、スプール12に作用する制動力がモータ13の回転により相殺され、スプール12が僅かな駆動トルクで糸繰り出し方向に駆動され、スプール12の繰り出し速度が増加して、棚位置に仕掛けを早く到達させることができる。
【0073】
ステップS105では、電流検出部83の出力を読み込むことによりモータ13に供給された電流値Iを検出する。ステップS106では、検出された電流値Iが所定の電流値Ia未満か否かを判断する。検出された電流値Iが所定の電流値Ia未満の場合には各動作モードルーチンに戻る。検出された電流値Iが所定の電流値Ia以上の場合にはステップS106からステップS107に移行する。この所定の電流値Iaはクラッチ機構24がオンしたときの負荷により上昇する程度の電流値を判断するための値である。ステップS107では、回転フラグMF及び回転フラグFFをともにリセットしモータ13の回転を停止し、釣り糸の繰り出しを止める。
【0074】
ここでは、釣り糸の繰り出しを停止するために釣り人がクラッチ機構24をオンすると、モータ13に作用する負荷が上昇して供給された電流値Iが所定の電流値Iaを超えることを利用してクラッチオンを検出している。そして、供給された電流値Iが所定の電流値Ia以上になると、糸送りモードを維持してモータ13を停止させている。これにより、糸送りモードでモータ13を停止させるためにクラッチのオンオフ検出機構を設ける必要がなくなり、従来からの糸送りモードを簡素な構成で実現できる。
【0075】
ここでは、一般のモータ過負荷防止制御に使用されている電流検出部83により、図13のステップS75や図15のステップS106で実質的にクラッチオンを検出しているので、クラッチ機構24のオンを検出するための専用の検知手段を設ける必要がなく、第1及び第2糸送り処理を簡素な構成で実現できる。
【0076】
また、スプール12が糸繰り出し方向に回転して釣り糸が繰り出された状態で仕掛けの水深LNが5m以上の場合に、図14のステップS88で動作モードを第2糸送り処理に設定するので、船縁位置から5m以上仕掛けが繰り出されると自動的に糸送りモードに設定できる。このため、糸送りモードの設定するためにクラッチオフを検出する必要がなく、糸送りモードをより簡素な構成で実現できるとともに、迅速に糸送りモードを実行することができる。
【0077】
また、高速ジギングを行っているときのように高速での糸巻取中にクラッチ機構24がオフされても、モータ13の回転が低くなるので、モータ13の過剰な回転による耳障りな音の発生を防止して釣り糸を高速で繰り出すことができる。
【0078】
さらに、デューティ比D8より低速又は低張力で巻き上げているときにはその設定されたデューティ比Dでモータ13を回転させているので、このような場合モータ13の回転速度がさらに遅くなり、モータ13の過剰な回転による耳障りな音の発生をさらに防止できる。
【0079】
また、第1糸送り処理中にクラッチ機構24がオンしてスプール12が糸繰り出し方向に回転しなくなったとき、以前にセットされたデューティ比Dnでモータ13が駆動されるので、高速ジギングを行うときなどに巻き上げ効率が向上する。
【0080】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、第1糸送り処理と第2糸送り処理とで同じデューティ比Dによる電流値を用いたが、別のデューティ比による電流値を用いてもよい。また、そのときの電流値は、最大定格電流より低い値であればどのような値でもよい。
【0081】
(b)前記実施形態では、電流値によりクラッチ機構24のオン状態を検出したが、クラッチ機構24に検出手段を装着してクラッチオンを直接検出してもよい。また、クラッチオンの間接的な検出方法は、電流値に限定されず、たとえばスプールセンサの出力など他のセンサの出力を用いてもよい。
【0082】
(c)前記実施形態では、モータ状態設定手段は、スプールの回転速度又は釣り糸の張力を一定に保持するように構成したが、モータの回転速度又はモータの出力トルクを一定に保持するように構成してもよい。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、巻き上げ中にスプールが糸繰り出し方向に回転するとモータが最大定格電流より低い第1電流で駆動されるので、最大回転速度より低い速度でモータが回転しつつ釣り糸が繰り出される。このため、高速ジギングやさそいなどで巻き上げ中にクラッチ機構をオフしたときやドラグが作動したときでも、モータの過剰な回転による耳障りな音の発生を防止して釣り糸を高速で繰り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態が採用された電動リールの平面図。
【図2】 その操作パネルの平面拡大図。
【図3】 電動リールの断面部分図。
【図4】 電動リールの断面側面部分図
【図5】 電動リールの断面側面部分図。
【図6】 電動リールの制御ブロック図。
【図7】 メインルーチンの処理内容を示すフローチャート。
【図8】 キー入力処理の内容を示すフローチャート。
【図9】 PBON処理の内容を示すフローチャート。
【図10】 上スイッチ処理の内容を示すフローチャート。
【図11】 下スイッチ処理の内容を示すフローチャート。
【図12】 糸巻取処理の内容を示すフローチャート。
【図13】 第1糸送り処理の内容を示すフローチャート。
【図14】 各モード処理の内容を示すフローチャート。
【図15】 第2糸送り処理の内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
12 スプール
13 モータ
24 クラッチ機構
80 制御部
81 スプールセンサ
83 電流検出部

Claims (7)

  1. 遊星減速機構とクラッチ機構とを介して一方向に回転するモータの回転が釣り糸巻き取り用のスプールに伝達される電動リールのモータ制御装置であって、
    前記スプールの回転方向を検出する回転方向検出手段と、
    前記モータへの駆動指令を受け付ける駆動指令受付手段と、
    前記モータを複数段の回転状態に設定するためのモータ状態設定手段と、
    前記駆動指令を受け付けたとき、前記モータ状態設定手段で設定された回転状態で前記モータを駆動する第1モータ駆動手段と、
    前記第1モータ駆動手段により前記モータが駆動されている場合に前記スプールが糸繰り出し方向に回転したとき、前記モータを最大定格電流より低い第1電流で駆動する第2モータ駆動手段と、
    前記第1モータ駆動手段により前記モータが駆動されている場合に前記スプールが糸繰り出し方向に回転しかつ前記モータ状態設定手段で設定された前記回転状態に応じた電流値が前記第1電流より低いとき、前記回転状態に応じた電流値で前記モータを駆動する第3モータ制御手段と、
    を備えた電動リールのモータ制御装置。
  2. 前記第1モータ駆動手段は、前記第2又は第3モータ駆動手段により前記モータが駆動されている場合に前記スプールが糸繰り出し方向に回転しなくなったとき、前記モータ状態設定手段で設定された回転状態で前記モータを駆動する、請求項1に記載の電動リールのモータ制御装置。
  3. 前記モータ状態設定手段は、前記スプールの回転速度を一定に保持するように複数段の回転速度を設定可能であり、
    前記第2モータ駆動手段は、前記複数段の回転速度のうち中間の回転速度に応じた前記第1電流で前記モータを駆動する、請求項1又は2に記載の電動リールのモータ制御装置。
  4. 前記モータ状態設定手段は、前記スプールから繰り出される釣り糸の張力を一定に保持するように複数段の張力を設定可能であり、
    前記第2モータ駆動手段は、前記複数段の張力のうち中間の張力に応じた前記第1電流で前記モータを駆動する、請求項1又は2に記載の電動リールのモータ制御装置。
  5. 前記釣り糸の先端部の水深を計測する水深計測手段をさらに備え、
    前記モータが駆動されていない状態でスプールが糸繰り出し方向に回転し、前記釣り糸の先端部が所定以下の水深から所定以上の水深になるまで前記駆動指令を受け付けなかったとき、前記モータを前記最大定格電流より低い第2電流で駆動する第4モータ駆動手段をさらに備える、請求項1からのいずれかに記載の電動リールのモータ制御装置。
  6. 前記モータに供給された電流値を検出する電流値検出手段をさらに備え、
    前記第4モータ駆動手段は、前記電流値検出手段が前記第2電流より大きい第3電流以上の電流値を検出したとき、前記モータの駆動を停止する、請求項に記載の電動リールのモータ制御装置。
  7. 前記第2電流は、前記第1電流と同じ電流値である、請求項又はに記載の電動リールのモータ制御装置。
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