JP3993250B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、空気入りラジアルタイヤ、特に、乗用車、軽トラック、小型トラック・バス及びトラック・バス等に使用される空気入りラジアルタイヤ(以下、単に、「タイヤ」ともいう。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、カーカスのコードを、タイヤ赤道面に対して実質的に直交する向きに配列した、所謂、ラジアルタイヤが知られており、バイアス構造のタイヤに比べて耐摩耗性及び操縦安定性に優れていることから、近年、乗用車のみならず小型トラック及びトラック・バス等の車両においても使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
傾斜部分を有する路面、例えば、轍等の凹凸を有する路面を走行する際に、運転者が予測できない車輌の複雑な動き、所謂、ワンダリングと称される現象が発生する場合がある。車両の高速化に伴ってラジアルタイヤの採用も増加してきたが、道路網の整備拡充により車両の高速走行が日常的に行われるようになると、上記のワンダリング現象の発生頻度も増してきた。このワンダリングは、車両の直進性を損なう危険な現象であるために、タイヤの高性能化が進む中で大きな問題となっている。
【0004】
本発明の目的は、上述した従来の空気入りラジアルタイヤが有する課題を解決するとともに、直進安定性及び発熱耐久性の向上した空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、1対のビードコア間にトロイド状をなして跨がるカーカスのタイヤ径方向外側にベルト及びトレッドを配置した空気入りラジアルタイヤであって、前記トレッドが、JATMA規格に定められた内圧を充填して、最大負荷能力の70%の荷重を負荷した状態で平坦路に接地する第1トレッドと、第1トレッドよりもタイヤ幅方向外側に延在し傾斜路面の山側において接地する第2トレッドとからなり、この第2トレッドのトレッド端は、前記状態の下で、タイヤ赤道線と路面の垂直線とのなす角を10°とする時、接地幅よりもタイヤ幅方向外側に張り出して配置され、且つ、トレッドの接地端側面部にタイヤ幅方向に深さを有する溝を設けたものである。
【0006】
以下に、本発明の空気入りラジアルタイヤのタイヤ幅方向の断面図である図1、タイヤが傾斜路面と接地した状態を示す模式図である図2及びタイヤが傾斜路面と接地した状態を示すタイヤ幅方向の断面図である図3を用いて本発明について説明する。
【0007】
1は、空気入りラジアルタイヤであり、タイヤ1は、コードがタイヤ赤道面に対して実質的に直交するように埋設された少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス2と、1対のビードコア3と、互いに平行に配列されたコードをゴム被覆したコード層を、そのコードが互いに交叉するように積層した、少なくとも2層のプライからなるベルト4と、該ベルト4のタイヤ半径方向外側に配置されたトレッド5とから構成されており、そして、上記のカーカス2は、1対のビードコア3の間にトロイド状に跨がって配置されている。なお、6は、タイヤサイド部である。
【0008】
上述したトレッド5は、トレッド端5’が、タイヤ幅方向外側に張り出しており、そして、平坦路において接地する第1トレッド5aと、第1トレッド5aよりもタイヤ幅方向外側に延びていて、傾斜路面の山側において接地する第2トレッド5bとから形成されている。より具体的には、上記の第1トレッド5a及び第2トレッド5bは、その輪郭線が、所定の曲率半径を有する緩い湾曲線で構成されており、JATMA規格に定められた内圧及び最大負荷能力の70%の荷重において、平坦路に接地するトレッドが第1トレッド5aであり、また、第1トレッド5aのタイヤ幅方向外側に延びていて傾斜路面の山側に新たに接地するトレッドが第2トレッド5bである。このときの路面傾斜角、即ち、タイヤ赤道線と路面の垂直線とのなす角を10°とする時、第2トレッド5bのトレッド端5’は、接地幅よりもタイヤ幅方向外側に張り出して配置される。
なお、実際の使用荷重は、JATMA規格の最大負荷能力の約70%であり、また、轍路等の凹凸斜面の傾斜角は、余程大きな場合でも10°程度までなので、これに対応できる第2トレッド5bを備えていれば実用上十分である。
【0009】
タイヤが、轍の凹凸等の傾斜路面を乗り上げる向きに、ある進入角をもって横断しようとするとき、図2に示すように、タイヤ1には、路面からの反力Frと、タイヤ1と傾斜路面との間に発生するキャンバースラストFcとによる横力Fyが働く。ところで、タイヤをラジアル化すると、タイヤの剛性が高くなって、バイアス構造のタイヤと比較して、路面からの反力Frが大きく、キャバースラストFcが小さくなるために、横力Fyが大となり、従って、傾斜路面を乗り上げるためには進入角を大きくしなければならず、スムーズな轍の乗り越しができず、ワンダリングが発生することが判明した。従って、ラジアルタイヤにおけるワンダリング現象を抑制するには、キャンバースラストFcを増すことにより横力Fyを減ずることが有効である。
【0010】
図3に示されているように、タイヤ1が傾斜路面に接地して撓み変形した時に発生するタイヤサイド部6の倒れ込み変形Bsideが、接地近傍でのトレッド5の曲げ変形Bsho を起こし、この変形によるトレッド5の剪断変形Ssho によって発生する傾斜路面を登る向きの横力Fsho が、キャンバースラストFcの増大化に寄与することが判った。そこで、キャンバースラストFcを増大するには、タイヤサイド部6の倒れ込み変形Bsideを、接地端部に伝わり易くすることにより、接地近傍でのトレッド5の曲げ変形Bsho を大きくすれば良く、また、接地端近傍のトレッド5が、特に傾斜路面に接地した時に、より広く接地するようにすれば良い。
【0011】
本発明のように、第1トレッド5aよりもタイヤ幅方向外側に延びていて傾斜路面の山側において接地する第2トレッド5bを設けることにより、斜度が10°までの傾斜路面での接地幅を拡大することができる。また、このような幅広のトレッドを有するタイヤでは、トレッド端部近傍のトレッド肉厚が厚くなり、従って、発熱耐久性が悪化するが、放熱部を設けることにより、発熱耐久性の悪化を防止することができる。このような放熱部を、図1に示されているように、トレッドの接地端側面部にタイヤ幅方向に所定の深さを有する凹部や溝7を設けることにより形成することができ、このような放熱部を設けることにより、トレッド端部近傍の放熱性を高め、発熱耐久性の低下を抑制することができる。
【0012】
【実施例】
次に、図4に示されているような従来の空気入りラジアルタイヤ、第1トレッド5aと第2トレッド5bを有するが、トレッド5の接地端側面部に溝7が設けられていない比較例と本発明の実施例との比較試験について説明する。
【0013】
タイヤは、いずれも小型トラック用タイヤであり、サイズは、195/85R16 114/112 LTであり、また、最大負荷能力は、1180kgf(JATMA)である。なお、実施例のタイヤにおいては、トレッドの輪郭線を、タイヤ赤道面からタイヤ幅方向外側37.6mmまでは曲率半径が300mm、タイヤ赤道面からタイヤ幅方向外側37.6〜80.0mmまでは曲率半径が100mm、これより幅方向外側は曲率半径が50mmの円弧で構成した。これに対し、従来タイヤは、上述した第2トレッドを有しておらず、曲率半径が300mmで構成される第1トレッドのみからなる。即ち、トレッドが平坦路で実質上全域に亘って接地するものである。また、実施例では、トレッドの接地端側面部に大きな溝が設けてあり、該溝により側面部肉厚が9.2mmがら2mmに減少した。このように、カーカス近傍まで放熱部を設けることができる。
【0014】
これらのタイヤに規定内圧6.0kgf/cm2 を充填後、2トン積みの小型トラック(後輪が複輪タイプ)に装着し、該小型トラックに規定最大荷重を負荷した状態で轍を含む舗装路をテストドライバーが走行し、直進安定性を官能評価した。その結果を、従来タイヤを100とする指数評価にて表1に記す(指数が大きいほど直進安定性が良好)。表1から明らかなように、本発明の実施例のタイヤは、従来のタイヤに比べ、直進安定性が顕著に向上している。
【0015】
【表1】
【0016】
また、えぐり溝を、トレッドの接地端側面部に設けることにより、第2トレッドを配置したために低下する発熱耐久性を、従来のタイヤの値近くまで向上することができる。比較例1及び比較例2は、第1トレッド5aと第2トレッド5bを有するが、トレッドの接地端側面部に溝が形成されていないタイヤである。表1から明らかなように、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて、直進安定性並びに発熱耐久性が優れたタイヤとなっている。なお、発熱耐久性は、規定最大荷重(上述したサイズのタイヤにおいては1180kgf)の130%荷重にて、ドラム上を速度65km/hで走行させた際に、トレッドの一部が、ベルト或いはカーカスから剥離故障するまでの走行距離を、従来のタイヤの剥離故障するまでの走行距離19700kmを100としたときの指数として表したものである。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0018】
空気入りラジアルタイヤのワンダリング現象の発生を抑制することができるとともに、轍の凹凸等の傾斜部分を有する路面での直進安定性及び発熱耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の空気入りラジアルタイヤのタイヤ幅方向の断面図である。
【図2】図2はタイヤが傾斜路面と接地した状態を示す模式図である。
【図3】図3は本発明の空気入りラジアルタイヤが傾斜路面と接地した状態を示すタイヤ幅方向の断面図である。
【図4】図4は従来の空気入りラジアルタイヤのタイヤ幅方向の断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・空気入りラジアルタイヤ
2・・・・・・カーカス
3・・・・・・ビードコア
4・・・・・・ベルト
5・・・・・・トレッド
5a・・・・・第1トレッド
5b・・・・・第2トレッド
Claims (1)
- 1対のビードコア間にトロイド状をなして跨がるカーカスのタイヤ径方向外側にベルト及びトレッドを配置した空気入りラジアルタイヤであって、前記トレッドが、JATMA規格に定められた内圧を充填して、最大負荷能力の70%の荷重を負荷した状態で平坦路に接地する第1トレッドと、第1トレッドよりもタイヤ幅方向外側に延在し傾斜路面の山側において接地する第2トレッドとからなり、この第2トレッドのトレッド端は、前記状態の下で、タイヤ赤道線と路面の垂直線とのなす角を10°とする時、接地幅よりもタイヤ幅方向外側に張り出して配置され、且つ、トレッドの接地端側面部にタイヤ幅方向に深さを有する溝を設けたことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
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- 1995-03-13 JP JP08073095A patent/JP3993250B2/ja not_active Expired - Fee Related
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