JP3992521B2 - 隣接妨害検出装置および方法、ならびにその方法を利用可能な放送受信装置 - Google Patents

隣接妨害検出装置および方法、ならびにその方法を利用可能な放送受信装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、FM放送等の放送受信装置において、隣接妨害の状態を自動的に検知することが可能な隣接妨害検出装置および方法、ならびにそれを用いた放送受信装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、FMラジオ受信機等においては、妨害信号が希望放送局からの放送信号に隣接して発生した場合、いわゆる「隣接妨害」と呼ばれる通信品質の劣化が生じる。
【0003】
したがって、このような隣接妨害が発生した場合、これを検知して、受信機側で、たとえば受信信号をダウンコンバートした中間周波数信号(IF信号)を通過させるIFフィルタの通過帯域幅を変更するなどして、このような妨害信号の影響を低減する等の対策がとられている。しかしながら、たとえば欧州ではチャネルが100KHzの単位で隣接するため、IFフィルタの通過帯域の調整だけでは、妨害信号を除去しきれず、隣接妨害対策がFM受信機等の設計における1つの課題となっている。
【0004】
このような妨害信号の有無を検知する方法としては、たとえば、まず、特開平8−97738号公報に、希望波の周波数を中心として広帯域と狭帯域に含まれるエネルギを比較し、その比較結果に基づいて、隣接妨害の存在を検知する手法が開示されている。
【0005】
あるいは、特開平5−191312号公報には、中間周波数フィルタにより、受信希望信号の上側および下側の周波数帯域に存在する妨害波を検出し、この検出出力を差動増幅して、この差動増幅出力に応じて、希望信号用IFフィルタの中心周波数を妨害波のエネルギーの小さい方へ移動させる技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したような従来技術によれば、特定の条件下において、隣接妨害波を検出することは可能であるものの、以下のような問題点がある。
【0007】
まず、特開平8−97738号公報に開示された発明では、所望波と妨害波との間の強度比(以下、DU比と呼ぶ)について見ると、後に説明する相互変調が起きると、その検知できるDU比の範囲が狭くなるという問題がある。
【0008】
一方、もう一方の特開平5−191312号公報に開示された方法でも、相互変調妨害が発生するような条件下では、本来の妨害局とこのような相互変調によって生じる変調妨害が希望局を挟むように現われてしまうため、誤判定を起こしてしまうという問題点があった。
【0009】
以下、この相互変調妨害についてさらに詳しく説明する。図11は、このような相互変調について説明するための概念図である。
【0010】
アンテナからの受信信号を受けて、中間周波数に変換するFM受信機等におけるフロントエンド部では、受信波の増幅も行われるが、このような増幅器を通過した信号では、いわゆる相互変調歪が発生する。
【0011】
図11に示すように、高周波増幅器に周波数の異なる2つ以上の信号、たとえば周波数faおよびfbを有する信号が入力された場合、入力した信号相互、あるいは増幅器の非直線性により発生した高周波との間で相互変調を起こして、増幅器の出力にいわゆる「スプリアス」が発生する。すなわち、増幅器に入力された信号の両側に相互変調に伴う新たな妨害信号が発生し得る。
【0012】
図12は、このような相互変調妨害が、上述したようなFM受信機等における妨害局が存在する場合に与える影響を示す概念図である。
【0013】
図12に示すとおり、希望局の周波数Fの近傍にその希望局の周波数に対して+Δfだけずれた周波数側に妨害局からの妨害信号が発生していると、図11において説明したような相互変調の影響により、希望局の信号に対して、妨害局の信号とは反対側の、希望局信号の周波数から−Δfだけずれた位置にスプリアス信号が発生する。
【0014】
したがって、たとえば、上述した特開平5−191312号公報に開示されているような発明では、希望局からの信号の両側の信号レベルの差動増幅により妨害波の発生を検知する構成であるため、誤判定を起こしてしまうという問題がある。
【0015】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、FM放送受信機等において、妨害局の発生を広いDU比の範囲にわたって正確に検出することが可能な隣接妨害検出装置およびこれを用いた放送受信装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様は隣接妨害検出装置に関する。この装置は、希望波の周波数を中心とした通過帯域の異なる2つの帯域フィルタを通過した信号出力の差分値を出力する第1検出部と、前記希望波の周波数より高い周波数および低い周波数をそれぞれ中心周波数とする2つの帯域フィルタを通過した信号出力の加算値を出力する第2検出部と、前記希望波に隣接して発生する妨害波の出力レベルに応じて、前記第1および第2検出部を含む複数の検出部のいずれか1つの出力値を選択して、前記希望波と前記妨害波の強度比を判定する強度比判定部とを含む。
【0017】
前記妨害波の出力レベルは、前記第1または第2検出部の出力値を所定の閾値と比較することにより判定されてもよい。前記妨害波の出力レベルが所定の閾値より高い場合に、前記第1検出部の出力値を用いた強度比判定が行われ、前記妨害波の出力レベルが所定の閾値より低い場合に、前記第2検出部の出力値を用いた強度比判定が行われてもよい。
【0018】
第1検出部では、希望波の周波数を中心として両側の隣接妨害波を含みうるほどに広い通過帯域をもつ広帯域フィルタと、希望波の周波数を中心として、両側の隣接妨害波を含まない狭い通過帯域をもつ狭帯域フィルタが用いられてもよい。第2検出部では、両側の隣接妨害波の周波数付近がそれぞれ通過帯域となり、希望波を含まない比較的狭い通過帯域の2つの帯域フィルタが用いられてもよい。第2検出部で利用される2つの帯域フィルタは、前記希望波より低い周波数を中心周波数とし上限が前記希望波の中心周波数未満の帯域フィルタと、前記希望波より高い周波数を中心周波数とし下限が前記希望波の中心周波数を超える帯域のフィルタであってもよい。
【0019】
前記希望波の周波数より高い周波数および低い周波数をそれぞれ中心周波数とする2つの帯域フィルタを通過した信号出力の差分値を出力する第3検出部をさらに含み、前記強度比判定部は前記第1、第2、および第3検出部を含む複数の検出部のいずれか1つの出力値を選択して、前記強度比を判定してもよい。前記妨害波の出力レベルを3段階に分け、前記出力レベルの高い範囲では、前記第1検出部の出力する差分値を用いて強度比が判定され、前記出力レベルの低い範囲では、前記第3検出部の出力する差分値を用いて強度比が判定され、それ以外の中間の範囲では、前記第2検出部の出力する加算値を用いて強度比が判定されてもよい。前記第3検出部による差分値を利用することにより、希望波の変調度の高い場合でも、正確に強度比を判定することができる。
【0020】
第3検出部で利用される2つの帯域フィルタの通過帯域幅を、第2検出部で利用される2つの帯域フィルタの通過帯域幅に比べて大きくし、希望波の周波数の広がりをある程度含む通過帯域にしてもよい。
【0021】
前記第2検出部は、前記希望波の周波数より高い周波数および低い周波数をそれぞれ中心周波数とする前記2つの帯域フィルタを通過した信号出力の差分値をさらに出力し、前記強度判定部は、前記第1検出部の出力する差分値、前記第2検出部の出力する加算値および差分値のいずれか1つの値を選択して、前記強度比を判定してもよい。前記第2検出部の2つの帯域フィルタを共有化して、加算値と差分値とを求めることができ、構成を簡略化することができる。
【0022】
本発明の別の態様も隣接妨害検出装置に関する。この装置は、希望波の周波数より高い周波数および低い周波数をそれぞれ中心周波数とする2つの帯域フィルタを通過した信号出力の加算値を出力する第1検出部と、前記希望波の周波数より高い周波数および低い周波数をそれぞれ中心周波数とする2つの帯域フィルタを通過した信号出力の差分値を出力する第2検出部と、前記希望波に隣接して発生する妨害波の出力レベルに応じて、前記第1および第2検出部のいずれか1つの出力値を選択して、前記希望波と前記妨害波の強度比を判定する強度比判定部とを含む。前記妨害波の出力レベルを3段階に分けて、前記出力レベルの高い範囲および低い範囲では、前記第2検出部による前記差分値にもとづいて、それ以外の中間の範囲では、前記第1検出部による前記加算値にもとづいて、前記希望波と前記妨害波の強度比を判定してもよい。
【0023】
本発明の別の態様は放送受信装置に関する。この装置は、希望局から受信されたFM放送信号を中間周波数信号に変換するフロントエンド部と、前記中間周波数信号にもとづいて希望波に隣接する妨害波の強度を検出する隣接妨害検出部と、前記中間周波数信号を前記妨害波の強度に応じてフィルタリングして出力する中間周波数フィルタ部と、前記中間周波数フィルタ部からの出力信号をもとにFM復調信号を出力するFM検波部と、前記FM復調信号をステレオ復調して出力するステレオ復調部とを含む。前記隣接妨害検出部は、前記希望波の周波数の周辺周波数領域における前記妨害波の信号を異なる方法でフィルタリングして前記妨害波の出力レベルを検出して出力する複数の検出部と、前記妨害波の出力レベルに応じて、前記複数の検出部のいずれか1つの出力値を選択して、前記希望波と前記妨害波の強度比を判定する強度比判定部とを含む。
【0024】
前記複数の検出部は、前記希望波の周波数を中心に通過帯域の異なる2つの帯域フィルタを通過した信号出力の差分値を出力する第1検出部と、前記希望波の周波数より高い周波数および低い周波数をそれぞれ中心周波数とする2つの帯域フィルタを通過した信号出力の加算値を出力する第2検出部とを含んでもよい。前記複数の検出部は、前記希望波の周波数より高い周波数および低い周波数をそれぞれ中心周波数とする2つの帯域フィルタを通過した信号出力の差分値を出力する第3検出部をさらに含んでもよい。
【0025】
前記中間周波数フィルタ部は、前記強度比に応じて前記中間周波数信号を通過させる帯域フィルタの帯域幅を調整してもよい。前記ステレオ復調部は、前記強度比に応じてステレオ音声における左右チャンネルの分離度を調整してもよい。前記ステレオ復調部は、前記強度比に応じて前記FM復調信号の高周波成分を除去する割合を変更してもよい。
【0026】
本発明の別の態様は隣接妨害検出方法に関する。この方法は、希望波の周波数を中心に通過帯域の異なる2つの帯域フィルタを通過した信号出力の差分値を出力する第1検出工程と、前記希望波の周波数より高い周波数および低い周波数をそれぞれ中心周波数とする2つの帯域フィルタを通過した信号出力の加算値を出力する第2検出工程と、前記希望波に隣接して発生する妨害波の出力レベルに応じて、前記第1および第2検出工程のいずれか1つの工程の出力値を選択して、前記希望波と前記妨害波の強度比を判定する判定工程とを含む。
【0027】
前記希望波の周波数より高い周波数および低い周波数をそれぞれ中心周波数とする2つの帯域フィルタを通過した信号出力の差分値を出力する第3検出工程をさらに含み、前記判定工程は前記第1、第2、および第3検出工程のいずれか1つの工程の出力値を選択して、前記強度比を判定してもよい。
【0028】
本発明の別の態様も隣接妨害検出方法に関する。この方法は、希望波の周波数より高い周波数および低い周波数をそれぞれ中心周波数とする2つの帯域フィルタを通過した信号出力の加算値を出力する第1検出工程と、前記希望波の周波数より高い周波数および低い周波数をそれぞれ中心周波数とする2つの帯域フィルタを通過した信号出力の差分値を出力する第2検出工程と、前記希望波に隣接して発生する妨害波の出力レベルを3段階に分けて、前記出力レベルの高い範囲および低い範囲では、前記第2検出工程による差分値にもとづいて、それ以外の中間の範囲では、前記第1検出工程による加算値にもとづいて、前記希望波と前記妨害波の強度比を判定する判定工程とを含む。
【0029】
本発明の別の態様は、希望波の周辺周波数領域における隣接妨害波を検出するための隣接妨害検出装置に関する。この装置は、希望波を中心周波数とし第1の帯域のフィルタを通過した第1の信号と希望波を中心周波数とし第1の通過帯域より狭い第2の帯域のフィルタを通過した第2の信号との差分を求める第1の隣接妨害検出部と、希望波より低い周波数を中心周波数とし上限が希望波の中心周波数未満の第3の帯域のフィルタを通過した第3の信号と希望波より高い周波数を中心周波数とし下限が希望波の中心周波数を超える第4の帯域のフィルタを通過した第4の信号との和を求める第2の隣接妨害検出部と、希望波と妨害波の強度比が所定の閾値以上の場合は、第1の隣接妨害検出部の出力に基づいて、強度比が所定の閾値未満の場合は、第2の隣接妨害検出部の出力に基づいて、妨害波の検出を行う妨害波判定部とを備える。
【0030】
第2の隣接妨害検出部は、入力信号を受けて、第3の通過帯域を有する第1のバンドパスフィルタと、第1のバンドパスフィルタの出力を平滑化する第1の平滑化手段と、入力信号を受けて、第4の通過帯域を有する第2のバンドパスフィルタと、第2のバンドパスフィルタの出力を平滑化する第2の平滑化手段と、第1および第2の平滑化手段の出力を受けて加算する加算手段とを含んでもよい。
【0031】
本発明の別の態様は放送受信装置に関する。この装置は、所望の希望局からの放送信号を中間周波数に変換する受信手段と、受信手段の出力を受けて、制御信号に応じた帯域幅の信号を通過させるフィルタ手段と、フィルタ手段の出力を受けて、検波および復調を行う復調手段と、受信手段の出力に基づいて、希望波の周辺周波数領域における隣接妨害波を検出するための隣接妨害検出手段とを備え、隣接妨害検出手段は、希望波を中心周波数とし第1の帯域のフィルタを通過した第1の信号と希望波を中心周波数とし第1の通過帯域より狭い第2の帯域のフィルタを通過した第2の信号との差分を求める第1の隣接妨害検出部と、希望波より低い周波数を中心周波数とし上限が希望波の中心周波数未満の第3の帯域のフィルタを通過した第3の信号と希望波より高い周波数を中心周波数とし下限が希望波の中心周波数を超える第4の帯域のフィルタを通過した第4の信号との和を求める第2の隣接妨害検出部と、希望波と妨害波の強度比が所定の閾値以上の場合は、第1の隣接妨害検出部の出力に基づいて、強度比が所定の閾値未満の場合は、第2の隣接妨害検出部の出力に基づいて、妨害波の検出を行う妨害波判定部とを含む。
【0032】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0033】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1は、実施の形態1に係るFM放送受信装置100の構成を説明するための概略ブロック図である。
【0034】
図1を参照して、FM放送受信装置100は、アンテナ10と、アンテナ10からの信号を受けて、選局処理、増幅処理および中間周波数への変換処理等を行うフロントエンド部12と、フロントエンド部12の出力を受けて、所望帯域の中間周波数信号を通過させる帯域通過型フィルタであるIFフィルタ14と、IFフィルタ14の出力を受けて、FM検波を行うFM検波部16と、検波された信号を復調して、R信号およびL信号のステレオ信号に復調するステレオ復調部18と、フロントエンド部12の出力から、後に説明するように、DU比を検出して、IFフィルタ14に制御信号を与える隣接妨害検出部200とを備える。
【0035】
ここで、フロントエンド部12には、自動利得制御部(図示せず)が設けられており、受信点での電界強度にかかわらずフロントエンド部から出力される中間周波数信号(IF信号)は一定のレベルとなる。
【0036】
本発明では、妨害局の出力レベルが求まれば、このIF信号レベルのうち残りを占めている希望局のレベルがわかるという性質が利用される。また、後に説明するように、検出した隣接妨害局の出力の程度によって、DU比、すなわち希望波信号レベルと隣接妨害波信号レベルとの比を得られることを利用して、検出可能なDU比の範囲を広げることを可能とする。
【0037】
再び、図1を参照して、IFフィルタ14は、隣接妨害検出部200からの制御信号に基づいて、通過帯域を連続的、段階的に切換える。たとえば、妨害信号の発生が検知された場合は、妨害信号を除去可能な帯域までIFフィルタ14の帯域幅を減少させ、このように帯域幅の狭くなったIFフィルタ14からの出力を検波する構成とすることができる。このような制御を行う場合、隣接妨害が発生した場合にのみ、隣接妨害を有効に防止することとなるとともに、隣接妨害がないときは歪率について良好な検波出力を得ることが可能となる。
【0038】
図2は、図1に示した隣接妨害検出部200の構成を説明する概略ブロック図である。
【0039】
アンテナ10からフロントエンド部12を経て中間周波数(IF)に変換された受信信号は、広狭帯域差分方式による第1方式隣接妨害検出部202と、隣接帯域加算方式による第2方式隣接妨害検出部204に与えられる。
【0040】
DU比判定部210は、第1および第2方式隣接妨害検出部202および204からの出力に基づいて、受信信号のDU比を判定して判定結果を制御信号としてIFフィルタ14に与える。
【0041】
図3は、図2に示した第1方式隣接妨害検出部202の構成を説明するための概略ブロック図である。
【0042】
第1方式隣接妨害検出部202は、希望局の周波数を中心に通過帯域が広帯域である広帯域バンドパスフィルタ2022と、広帯域バンドパスフィルタ2022の出力を平滑化するための平滑化処理部2024と、希望波の周波数を中心として通過帯域が狭帯域のバンドパスフィルタ2026と、狭帯域バンドパスフィルタ2026の出力を平滑化するための平滑化処理部2028と、平滑化処理部2024および2028の出力の差分を算出するための差分器2030とを備える。
【0043】
妨害の程度は、この差分器2030の出力となって、DU比判定部210に与えられる。なお、後に説明するように、この差分器2030の出力は、第1方式隣接妨害検出部202と第2方式隣接妨害検出部204の出力とが所定の閾値で連続するように正規化する構成とすることができる。
【0044】
図4は、図3に示した広帯域バンドパスフィルタ2022および狭帯域バンドパスフィルタ2026の通過特性を示す図である。
【0045】
希望局の周波数Fを中心周波数として、広帯域バンドパスフィルタの通過帯域は、その両側の妨害波を含み得るほどに広い通過帯域を有している。
【0046】
一方、狭帯域バンドパスフィルタは、希望局の周波数Fを中心として、その妨害波を含まないように狭い通過帯域を有している。ただし、この狭帯域バンドパスフィルタまで通過帯域幅を狭くしてしまった場合、このような狭帯域バンドパスフィルタを通過した信号を、仮に検波回路で検波すればその歪率が大きくなってしまうために、このような狭帯域バンドパスフィルタを、変調度が大きいときはFM受信装置100のIFフィルタ14として用いることは妥当ではない。
【0047】
図5は、図2に示した第2方式隣接妨害検出部204の構成を説明するための概略ブロック図である。
【0048】
第2方式隣接妨害検出部204は、希望波から見て周波数の低い側の隣接周波数付近が通過帯域となる、マイナス側隣接妨害検出用のバンドパスフィルタ2042と、このバンドパスフィルタフィルタ2042の出力を受けて平滑化するための平滑化処理部2044と、希望局から見て周波数の高い側の隣接周波数付近が通過帯域となる、プラス側隣接妨害検出用のバンドパスフィルタ2046と、このバンドパスフィルタ2046の出力を受けて平滑化するための平滑化処理部2048と、平滑化処理部2044および2048の出力を受けて、その和の信号をDU比判定部210に対して出力する加算器2050とを備える。なお、後に説明するように、この加算器2050の出力も、第1方式隣接妨害検出部202と第2方式隣接妨害検出部204の出力とが所定の閾値で連続するように正規化する構成とすることができる。
【0049】
図6は、図5に示したマイナス側隣接妨害検出用のバンドパスフィルタ2042と、プラス側隣接妨害検出用のバンドパスフィルタ2046の通過帯域特性を示す図である。
【0050】
図6に示すとおり、マイナス側隣接妨害検出用のバンドパスフィルタ2042は、希望局の周波数FよりもΔfだけ低い周波数を中心周波数とする領域に通過帯域を有し、通過帯域の上限は希望波の中心周波数未満であり、希望波を含まないように、比較的狭い通過帯域に設定される。プラス側隣接妨害検出用のバンドパスフィルタ2046は、希望局の周波数FよりもΔfだけ高い周波数を中心周波数とする領域に通過帯域を有し、通過帯域の下限は希望波の中心周波数を超え、希望波を含まないように、比較的狭い通過帯域に設定される。これら2つのバンドパスフィルタ2042および2046とも、その通過帯域幅は、妨害波の領域に相当しているものとする。たとえば欧州仕様では、100KHz単位でチャネルが隣接するので、希望波の中心周波数と検出すべき妨害波の中心周波数との差であるΔfの値は100KHzとする。
【0051】
図7は、隣接局から相互変調妨害を受けた場合において、図2に示した第1方式隣接妨害検出部202から出力される差分値のDU比依存性を示す図であり、図8は、隣接局からの相互変調妨害を受けた場合において、図2に示した第2方式隣接妨害検出部204から出力される加算値出力のDU比依存性を示す図である。
【0052】
図7に示すとおり、たとえばDU比が−30〜0dBの範囲では、第1方式隣接妨害検出部202からの出力は妨害局の信号レベルに正確に対応しているが、DU比が0dBを超えるあたりからその出力レベルは急激に減少し、DU比の正確な判定ができなくなる。
【0053】
一方、図8に示すとおり、第2方式隣接妨害検出部204からの出力は、DU比が0〜30dBにおいても妨害局の信号レベルに正確に対応しているが、逆にDU比が0dB以下ではDU比の正確な判定ができなくなる。
【0054】
したがって、DU比の判定には、DU比が−30〜0dBの範囲は広狭帯域差分方式による第1方式隣接妨害検出部202の出力結果を、DU比が0〜+30dBの範囲では、隣接帯域加算方式による第2方式隣接妨害検出部204の出力結果を用いることで、広いDU比の範囲にわたって、良好な妨害波の検出を行うことが可能となる。
【0055】
すなわち、DU比判定部210は、このようにDU比の第1の所定範囲、たとえば上述したように−30〜0dBの範囲では、第1方式隣接妨害検出部202からの出力に基づいて妨害波の検出を行い、DU比が第1の所定範囲よりも大きくなる第2の所定範囲、たとえば、上述したような0〜+30dBの範囲では、第2方式隣接妨害検出部204からの出力に基づいて妨害波の検出を行う。
【0056】
図9は、このようにして、DU比判定部210が妨害波の検出を行う際の、その判定の基礎となる信号レベルのDU比依存性を示す図である。
【0057】
図7および図8に示した第1および第2方式隣接妨害検出部202および204のそれぞれの特性を領域に分けて使用することにより、DU比の検出範囲を拡大することができる。このとき、第1および第2方式隣接妨害検出部202および204の出力値のうちどちらを用いるかは、たとえば広狭帯域差分方式を用いる第1方式隣接妨害検出部202からの出力値により、DU比が0以上か否かの判定結果に基づいて行う。
【0058】
図10は、このような図2に示した隣接妨害検出部200の動作を説明するためのフローチャートである。
【0059】
図10を参照して、まずDU比の判定処理が開始されると(S100)、広狭帯域差分方式による差分値が閾値を超えているか否かの判定が行われる(S102)。
【0060】
閾値を超えている場合、第1方式隣接妨害検出部202からの広狭帯域の差分値を、たとえば1〜0.5の範囲に正規化した値をDU比の判定データとして、制御信号に含めて出力し(S104)、処理が終了する(S110)。
【0061】
一方、ステップS102において、広狭帯域差分値が所定の閾値を超えていないと判断された場合は、第2方式隣接妨害検出部204からの出力、すなわち、隣接帯域加算値に基づく判定値を受けて、DU比判定部210は、第2方式隣接妨害検出部204からの出力を、たとえば、0.5〜0の範囲に正規化した値をDU比の判定データとして、制御信号に含めて出力し(S106)、処理が終了する(S110)。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態によれば、広帯域および狭帯域のバンドパスフィルタを通過した信号の差分値に基づいて、DU比が所定の範囲では妨害波のレベルを判定し、この所定の範囲を超えて妨害波が大きくなった場合は、希望波の両側の隣接帯域をそれぞれ通過領域とする2つのバンドパスフィルタからの出力を加算した値に基づいて、妨害波のレベルを判定するので、より広いDU比の範囲にわたって、隣接妨害の状態を検知することが可能となる。
【0063】
実施の形態2
図13は、実施の形態2に係るFM放送受信装置100の構成図である。実施の形態1とは異なる構成と動作について説明する。隣接妨害検出部200が出力するDU比データ15はIFフィルタ14およびステレオ復調部18に与えられる。
【0064】
図14は、隣接妨害検出部200の構成図である。実施の形態1の隣接妨害検出部200との違いは、第3方式隣接妨害検出部206が設けられ、第3方式隣接妨害検出部206の出力がDU比判定部210に与えられる点である。DU比判定部210は、第1、第2および第3隣接妨害検出部202、204および206からの出力に基づいて、受信信号のDU比を判定してDU比データをIFフィルタ14とステレオ復調部18に与える。
【0065】
実施の形態1では、第1方式隣接妨害検出部202と第2方式隣接妨害検出部204の組み合わせにより、DU比の検出レンジを拡大することができたが、希望波信号の変調度が高い場合には、妨害波信号がない状態でも、第1方式隣接妨害検出部202による広狭帯域差分値と、第2方式隣接妨害検出部204による隣接帯域加算値とがともに、大きな値となってしまい、妨害波信号があると誤判定される。そこで本実施の形態では、妨害波のレベルが小さい範囲でのDU比の検出がより正確に行えるように第3方式隣接妨害検出部206をさらに用いてDU比の判定を行う。
【0066】
図15は、第3方式隣接妨害検出部206の構成図である。第3方式隣接妨害検出部206は、希望波から見て周波数の低い側の隣接周波数付近が通過帯域となるマイナス側隣接妨害検出用のバンドパスフィルタ2062と、このバンドパスフィルタ2062の出力を受けて平滑化するための平滑化処理部2064と、希望局から見て周波数の高い側の隣接周波数付近が通過帯域となるプラス側隣接妨害検出用のバンドパスフィルタ2066と、このバンドパスフィルタ2066の出力を受けて平滑化するための平滑化処理部2068と、平滑化処理部2064および2068の出力を受けて、その差の信号を出力する差分器2070と、差分器2070の出力の絶対値をDU比判定部210に対して出力する絶対値出力部2072とを備える。なお、差分器2070の出力は、第1方式隣接妨害検出部202、第2方式隣接妨害検出部204および第3方式隣接妨害検出部206の出力が所定の閾値で連続するように正規化する構成とすることができる。
【0067】
図16は、図15に示したマイナス側隣接妨害検出用のバンドパスフィルタ2062と、プラス側隣接妨害検出用のバンドパスフィルタ2066の通過帯域特性を示す図である。図16に示すとおり、マイナス側隣接妨害検出用のバンドパスフィルタ2062は、希望局の周波数FよりもΔfだけ低い周波数を中心周波数とする領域に通過帯域を有し、通過帯域の上限は前記希望波の中心周波数未満であるが、希望波の周辺周波数をある程度含むように、比較的広い通過帯域に設定される。プラス側隣接妨害検出用のバンドパスフィルタ2066は、希望局の周波数FよりもΔfだけ高い周波数を中心周波数とする領域に通過帯域を有し、通過帯域の下限は希望波の中心周波数を超えるが、希望波の周辺周波数をある程度含むように、比較的広い通過帯域に設定される。これら2つのバンドパスフィルタ2062および2066とも、その通過帯域幅は、妨害波の領域に相当しているものとし、通過帯域幅は一例として1.5Δf程度の値に設定する。あるいは7.5Δfから2.25Δfまでの範囲の値に設定してもよい。
【0068】
図17は、図13に示したIFフィルタ14の構成図である。IFフィルタ14は、広帯域IFフィルタ142、中帯域IFフィルタ144、および狭帯域IFフィルタ146をスイッチ148により切り替えて、IF信号を通過させ、FM検波部16へ与える。スイッチ148の切り替えは、DU比データ15の値に応じて行われる。DU比が小さい、すなわち妨害波のレベルが高い場合、選択性の高い狭帯域IFフィルタ146に切り替え、DU比が大きい、すなわち妨害波のレベルが低い場合、広帯域IFフィルタ142に切り替え、妨害波が中間程度のレベルである場合、中帯域IFフィルタ144に切り替える。
【0069】
図18は、図13に示したステレオ復調部18の構成図である。FM検波部16によりFM復調されたステレオコンポジット信号のL−Rサブ信号、L+Rメイン信号がステレオ復調部18に入力される。L−Rサブ信号は増幅器180により増幅され、加算器182と差分器184に入力される。一方、L+Rサブ信号はそのまま加算器182と差分器184へ入力される。加算器182からはL信号が、差分器184からはR信号が出力される。ここで増幅器180のゲインKは、DU比データ15に応じて調整される。これによりステレオ音声における左右チャンネルの分離度が変化し、妨害波のレベルの高低に応じたセパレーション制御がなされる。
【0070】
加算器182から出力されるL信号はゲインαの増幅器191に入力されるとともに、ローパスフィルタ186を通過した後、ゲインが(1−α)の増幅器192に入力される。2つの増幅器191および192からの出力は加算器196で加算されて最終的にL信号が出力される。
【0071】
加算器184から出力されるR信号はゲインαの増幅器193に入力されるとともに、ローパスフィルタ188を通過した後、ゲインが(1−α)の増幅器194に入力される。2つの増幅器193および194からの出力は加算器198で加算されて最終的にR信号が出力される。
【0072】
4つの増幅器191〜194のゲインαの値はDU比データ15に応じて調整され、ハイカット制御がなされる。すなわち妨害波のレベルが高いときには、ゲインαを小さくして、ローパスフィルタ186および188を通過した信号の重みづけを大きくして高周波成分をカットすることができる。
【0073】
図19は、図14に示した隣接妨害検出部200によるDU比判定手順を説明するフローチャートである。まずDU比の判定処理が開始されると(S200)、広狭帯域差分方式による差分値が第1閾値を超えているか否か判定される(S202)。この第1閾値は、DU比がたとえば0dBに相当するときの、第1方式隣接妨害検出部202が出力する広狭帯域差分値の値としてあらかじめ設定される。広狭帯域差分値が第1閾値を超えている場合(S202のY)、DU比は0dB未満と判定することができ、第1方式隣接妨害検出部202からの広狭帯域差分値をたとえば1〜0.6の範囲に正規化して、DU比の判定データとして出力し(S204)、DU比判定処理を終了する(S212)。
【0074】
一方、ステップS202において、広狭帯域差分値が第1閾値を超えていない場合(S202のN)、次に、隣接帯域差分方式による差分値が第2閾値を超えているか否か判定される(S206)。この第2閾値は、DU比がたとえば30dBに相当するときの、第3方式隣接妨害検出部206が出力する隣接帯域差分値としてあらかじめ設定される。隣接帯域差分値が第2閾値を超えていない場合(S206のN)、DU比は30dB以上であると判定することができ、第3方式隣接妨害検出部206からの隣接帯域差分値をたとえば0.2〜0の範囲に正規化した上でDU比の判定データとして出力し(S210)、DU比判定処理を終了する(S212)。
【0075】
一方、ステップS206において、隣接帯域差分値が第2閾値を超えている場合(S206のY)、DU比は0dBから30dBの間であると判定することができ、第2方式隣接妨害検出部204からの隣接帯域加算値をたとえば0.6〜0.2の範囲に正規化した上でDU比の判定データとして出力し(S208)、DU比処理を終了する(S212)。
【0076】
実施の形態3
実施の形態3に係るFM放送受信装置100の構成は、図13で示した実施の形態2と同じであり、隣接妨害検出部200の構成は、図2で示した実施の形態1と同様に、第1方式隣接妨害検出部202、第2方式隣接妨害検出部204、およびDU比判定部210を備え、実施の形態1と異なるのは、第2方式隣接妨害検出部204の構成である。図20に本実施の形態の第2方式隣接妨害検出部204の構成を示す。
【0077】
第2方式隣接妨害検出部204は、希望波から見て周波数の低い側の隣接周波数付近が通過帯域となるマイナス側隣接妨害検出用のバンドパスフィルタ2082と、このバンドパスフィルタ2082の出力を受けて平滑化するための平滑化処理部2084と、希望局から見て周波数の高い側の隣接周波数付近が通過帯域となるプラス側隣接妨害検出用のバンドパスフィルタ2086と、このバンドパスフィルタ2086の出力を受けて平滑化するための平滑化処理部2088と、平滑化処理部2084および2088の出力を受けて、その差分を出力する差分器2090と、差分器2090の出力の絶対値をDU比判定部210に対して出力する絶対値出力部2092と、平滑化処理部2084および2088の出力を受けて、その和をDU比判定部210に対して出力する加算器2094とを備える。なお、差分器2090と加算器2094の出力は、第1方式隣接妨害検出部202および第2方式隣接妨害検出部204の出力が所定の閾値で連続するように正規化する構成とすることができる。
【0078】
本実施の形態は、第2の実施の形態とは次の点で異なる。第2の実施の形態では、第2方式隣接妨害検出部204と第3方式隣接妨害検出部206のそれぞれが、マイナス側隣接妨害検出用とプラス側隣接妨害検出用のバンドパスフィルタをもち、第2方式隣接妨害検出部204が隣接帯域加算値を、第3方式隣接妨害検出部206が隣接帯域差分値を計算していた。本実施の形態では、バンドパスフィルタと平滑化処理部の構成を共有化して、第2方式隣接妨害検出部204の構成だけで隣接帯域加算値と隣接帯域差分値の両方を出力する。これにより隣接妨害検出部200の構成を簡略化することができる。一方、第2の実施の形態の隣接妨害検出部200では、隣接帯域加算値を計算する第2方式隣接妨害検出部204と、隣接帯域差分値を計算する第3方式隣接妨害検出部206とで、バンドパスフィルタの通過帯域や中心周波数を異ならせることができるという利点がある。
【0079】
実施の形態4
図21は、実施の形態4に係る隣接妨害検出部200の構成図である。本実施の形態では、隣接妨害検出部200は、第2方式隣接妨害検出部204、第3方式隣接妨害検出部206、およびDU比判定部210を含み、他の実施の形態と異なり、広狭帯域差分値を計算する第1方式隣接妨害検出部202を含まない。第2方式隣接妨害検出部204および第3方式隣接妨害検出部206の構成は、実施の形態2と同じである。本実施の形態では、隣接帯域差分方式の第3方式隣接妨害検出部206が、広帯域差分方式の第1方式隣接妨害検出部202の代わりとしても利用される点に特徴がある。
【0080】
図22は、本実施の形態に係る隣接妨害検出部200によるDU比判定手順を説明するフローチャートである。まずDU比の判定処理が開始されると(S300)、隣接帯域差分方式による差分値が第1閾値を超えているか否か判定される(S302)。この第1閾値は、DU比がたとえば0dBに相当するときの、第3方式隣接妨害検出部206が出力する隣接帯域差分値の値としてあらかじめ設定される。隣接帯域差分値が第1閾値を超えている場合(S302のY)、DU比は0dB未満と判定することができ、第3方式隣接妨害検出部206からの隣接帯域差分値をたとえば1〜0.6の範囲に正規化して、DU比の判定データとして出力し(S304)、DU比判定処理を終了する(S312)。
【0081】
一方、ステップS302において、隣接帯域差分値が第1閾値を超えていない場合(S302のN)、次に、隣接帯域差分値が第2閾値を超えているか否か判定される(S306)。この第2閾値は、DU比がたとえば30dBに相当するときの、第3方式隣接妨害検出部206が出力する隣接帯域差分値としてあらかじめ設定される。隣接帯域差分値が第2閾値を超えていない場合(S306のN)、DU比は30dB以上であると判定することができ、第3方式隣接妨害検出部206からの隣接帯域差分値をたとえば0.2〜0の範囲に正規化した上でDU比の判定データとして出力し(S310)、DU比判定処理を終了する(S312)。
【0082】
一方、ステップS306において、隣接帯域差分値が第2閾値を超えている場合(S306のY)、DU比は0dBから30dBの間であると判定することができ、第2方式隣接妨害検出部204からの隣接帯域加算値をたとえば0.6〜0.2の範囲に正規化した上でDU比の判定データとして出力し(S308)、DU比処理を終了する(S312)。
【0083】
本実施の形態では、広帯域差分方式の隣接妨害検出部を含まない構成のため、隣接妨害検出部200の構成を簡略化することができる。
【0084】
以上述べたように、いずれの実施の形態においても、隣接妨害検出部200の構成により複数の隣接妨害検出部からの計算出力をDU比に応じて選択することにより、広いDU比の範囲にわたって、正確に隣接妨害のレベルを判定することが可能となる。
【0085】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。また各構成要素は機能ブロックとして図示されており、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。いずれの実施の形態の隣接妨害検出部も、LSI化して単体の装置とすることができ、これをFM受信機等に組み込んで使用してもよい。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、隣接妨害のレベルをより広いDU比の範囲で正確に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係るFM放送受信装置の構成を説明するための概略ブロック図である。
【図2】 図1に示した隣接妨害検出部の構成を説明する概略ブロック図である。
【図3】 図2の第1方式隣接妨害検出部の構成を説明するための概略ブロック図である。
【図4】 図3の広帯域バンドパスフィルタおよび狭帯域バンドパスフィルタの通過特性を示す図である。
【図5】 図2の第2方式隣接妨害検出部の構成を説明するための概略ブロック図である。
【図6】 図5の2つのバンドパスフィルタの通過帯域特性を示す図である。
【図7】 隣接局から相互変調妨害を受けた場合において、第1方式隣接妨害検出部から出力される差分値のDU比依存性を示す図である。
【図8】 隣接局から相互変調妨害を受けた場合において、第2方式隣接妨害検出部から出力される加算値のDU比依存性を示す図である。
【図9】 図2のDU比判定部が妨害波の検出を行う際の、その判定の基礎となる信号レベルのDU比依存性を示す図である。
【図10】 実施の形態1に係る隣接妨害検出部によるDU比判定手順を説明するフローチャートである。
【図11】 相互変調について説明するための概念図である。
【図12】 FM受信機等において妨害局が存在する場合に、相互変調妨害が与える影響を示す概念図である。
【図13】 実施の形態2に係るFM放送受信装置の構成図である。
【図14】 図13の隣接妨害検出部の構成図である。
【図15】 図14の第3方式隣接妨害検出部の構成図である。
【図16】 図15の2つのバンドパスフィルタの通過帯域特性を示す図である。
【図17】 図13のIFフィルタの構成図である。
【図18】 図13のステレオ復調部の構成図である。
【図19】 実施の形態2に係る隣接妨害検出部によるDU比判定手順を説明するフローチャートである。
【図20】 実施の形態3に係る隣接妨害検出部の第2方式隣接妨害検出部の構成図である。
【図21】 実施の形態4に係る隣接妨害検出部の構成図である
【図22】 本実施の形態に係る隣接妨害検出部によるDU比判定手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 アンテナ、 12 フロントエンド部、 14 IFフィルタ、 16FM検波部、 18 ステレオ復調部、 100 FM放送受信装置、 200 隣接妨害検出部、 202 第1方式隣接妨害検出部、 204 第2方式隣接妨害検出部、 206 第3方式隣接妨害検出部、 210 DU比判定部。

Claims (4)

  1. 希望波の周波数より高い周波数および低い周波数をそれぞれ中心周波数とする2つの帯域フィルタを通過した信号出力の加算値を出力する第1検出部と、
    前記希望波の周波数より高い周波数および低い周波数をそれぞれ中心周波数とする2つの帯域フィルタを通過した信号出力の差分値を出力する第2検出部と、
    前記希望波に隣接して発生する妨害波の出力レベルに応じて、前記第1および第2検出部を含む複数の検出部のいずれか1つの出力値を選択して、前記希望波と前記妨害波の強度比を判定する強度比判定部を含むことを特徴とする隣接妨害検出装置。
  2. 前記強度比判定部は、
    前記第2検出部からの出力値が所定値より大きいとき、前記第1検出部からの出力値に基づいて前記強度比を判定し、
    前記第2検出部からの出力値が所定値より小さいとき、前記第2検出部からの出力値に基づいて前記強度比を判定する、請求項1記載の隣接妨害検出装置。
  3. 希望波の周波数を中心とした通過帯域の異なる2つの帯域フィルタを通過した信号出力の差分値を出力する第1検出部と、
    前記希望波の周波数より高い周波数および低い周波数をそれぞれ中心周波数とする2つの帯域フィルタを通過した信号出力の加算値を出力する第2検出部と、
    前記希望波に隣接して発生する妨害波の出力レベルに応じて、前記第1および第2検出部を含む複数の検出部のいずれか1つの出力値を選択して、前記希望波と前記妨害波の強度比を判定する強度比判定部を含み、
    前記強度比判定部は、
    前記第1検出部からの出力値が所定値より大きいとき、第1検出部からの出力値に基づいて前記強度比を判定し、
    前記第1検出部からの出力値が所定値より小さいとき、第2検出部からの出力値に基づいて前記強度比を判定することを特徴とする隣接妨害検出装置。
  4. 希望局から受信されたFM放送信号を中間周波数信号に変換するフロントエンド部と、
    前記中間周波数信号にもとづいて希望波に隣接する妨害波の強度を検出する、請求項1ないし3のいずれかに記載の隣接妨害検出装置と、
    前記中間周波数信号を前記隣接妨害検出装置で検出した妨害波の強度に応じた帯域フィルタでフィルタリングして出力する中間周波数フィルタ部と、
    前記中間周波数フィルタ部からの出力信号をもとにFM復調信号を出力するFM検波部と、
    前記FM復調信号をステレオ復調して出力するステレオ復調部を含むことを特徴とする放送受信装置。
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