JP3992313B2 - らせん状の波形金属管の端部を接続片と連結するための構造部 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、らせん状の波形金属管の端部を接続片と連結するための構造部に関する。
【０００２】
【従来の技術】
金属管同士の相互連結部や金属管と接続片との間の連結部の製造には多様な方策が知られている。通常は、前記金属管等の構成部材は相互にはんだ付けされるか或いは溶接されるか、またはねじどめされる。
問題は薄壁の金属管相互のまたはフランジとの連結部の製造である。というのはねじどめ或いは溶接は肉厚が薄いので実施困難であり、はんだ付けは金属の僅かな種類のものにしか有効ではないからである。
【０００３】
らせん状の薄肉厚の波形管のフランジへの接続部は更に圧縮されて形成される。
【０００４】
スイス特許公報第５８９ ２４９号から、波形金属管の端部をフランジの内側面に対して押し延ばし、波形を平らにすることが知られている。この押し延ばしの際、強い押圧力を加えることによりそれまで波形であった金属管と金属フランジとの間に密な圧接連結が行われる。この連結様式は組み立て箇所で使用する器具に高い費用がかかり、成形部分は肉厚の厚いものとなる。
【０００５】
波形金属管の他の連結様式は、ドイツ特許第３３ ０２ ４５０号に記載されている。波形管の端部に支持ブシュをねじはめし、短管がその波形管の端部にねじ込まれる。密閉は、前記支持ブシュの内側の広がりを端部の方向で増大させ、および／または前記短管の外径を端部の方向けで縮小させることによって達成される。短管を成形工具によって外側ブシュの内側輪郭に適合された波形管端部にねじ込む際に波形管は短管と支持ブシュとの間で密閉される。
【０００６】
ドイツ特許公開第４０ ２７ ８１８号から、せん状の波形金属に使用する接続具が知られている。この接続具は波形管端部にねじ込まれ、その端部から突出した平滑管突起を備えている外側ブッシュを有している。この平滑管突起はめねじを備えており、、このめねじ内に接続管片がねじ込まれる。接続管片は段差部を備えている端部で波形管内に進入する。この接続管片をねじ込む際、波形管の波形の端部が圧縮される。密封は波形の最後の部分に挿入されたグラフアイト製シーリングストリップにより行われる。このシーリングストリップは波形が圧縮された際、予備成形されて、外側ブシュの内壁部と、波形管端部にねじ込まれた、短管の段差が付されている端部とに対して押しつけられる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の課題は、単純な構成部材から成り、特殊工具を使用しなくとも組立てることができる、らせん状の波形金属管のための接続連結部・連続接続部を造ることである。特に溶接工具或いははんだ付け工具は使用されない。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は本発明により、
ａ）らせん状の波形金属管の端部にこの金属管の波形に適合されておりかつ支持管の外表 面の一部に延在している粗ねじ山を有する支持管がねじ込こまれており、
ｂ）支持管に設けられている平滑壁部が波形金属管の端部から突出しており、
ｃ）らせん状の波形金属管の端部へめねじを有する圧力管が、らせん状の波形金属管の端 部が圧力管から突出するまで押しばめられており、
ｄ）接続片は波形金属管の端部の方向に面したその端部にフランジ部分を有し、これによ り接続片が圧力管及び支持管の平滑壁部と共に圧縮室を形成しており、
ｅ）圧縮室に圧力管と接続片もしくは圧力管相互を軸方向に対向方向に引くことにより圧 縮されている密封管が設けられている、
ことにより解決される。
【０００９】
この発明の特別の長所は、密封部が力のバイパス中に設けられ、組立ての後外側からの応力が機械的にとり除かれる点にある。その結果大きい温度変化にあっても密閉は永続する。
特に有利なのは、この発明の構造部は二つの同軸の波形管から成る案内管の内側管の連結に応用できることである。そのような案内管は波形管と波形管との間に発泡プラスチックから成る絶縁層を有し、特に遠送伝熱管として使用できるてとである。
【００１０】
他の有利な構成を請求項２以下に記載した。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を実施例を示した図１〜３にもとづいて説明する。
図１は、らせん状の波形金属管１と特に金属製の接続片２との連結部を図示している。接続片２の端部に管設計者にはごく普通の態様で平滑管端部、管フランジ等をはんだづけ、溶接或いはねじどめすることができる。接続片２はねじボルト３が通される孔２ｂを有するフランジ部分２ａを有する。
【００１２】
波形金属管１の端部には粗ねじ山４ａを有する支持管４がねじ込まれている。支持管４は平滑壁部４ｂを有し、この平滑壁部４ｂは金属管１の端部から突出している。金属管１の端部には粗ねじ山５ａを有する圧力管５が、金属管１の端部が少なくとも一つの波山ピッチ分で圧力管５から突出するように嵌合されている。圧力管５も同様に孔５ｂを有し、この孔５ｂは特にねじ山孔として形成され、このねじ山孔内にねじボルト３がねじ込まれている。
【００１３】
圧力管５は延長部５ｃを有し、この延長部は接続片２のフランジ部分２ａに進入している。延長部５ｃは端面が円錐形に形成されていてもよい。管状の部分からフランジ部分２ａに到る接続片２の移行部には中ぐり部２ｃが設けられており、この中ぐり部２ｃが平滑壁部４ｂの端部を収容する。中ぐり部２ｃには円錐形の移行部２ｄが連なっている。
平滑壁部４ｂ、金属管１の端部、延長部５ｃ、フランジ部分２ａ及び円錐形の移行部２ｄによって形成された密封室内には、圧縮可能であり、１．２５〜１．６ｇ／ｃｍ ³ の密度を有するグラフアイトから成るパッキンリング６が設けられている。このグラフアイトは、ねじボルト３を密封室の容積が減少するようにねじ締めした際、１０〜２０％ だけ大きい密度で圧縮され、個々の構成部材の間に形成される間隙内に流入する。
【００１４】
図２にあっては、軸方向の押圧とパッキンリング６の圧縮が、ねじボルト３の代わりに、図示してない特殊の工具によって行われるている。圧縮された状態の固定は、接続片２が波形管１の方向に面している端部２ｅにおいて圧力管５から突出し、突出した端部２ｅは下方へ形成されるように行われる。他の解決策は一本または数本のピン２ｆが設けられており、これらのピンは圧力管５と接続片２を固定することである。
【００１５】
図３は、らせん状の二つの波形金属管１０ａと１０ｂの連続連結部を図示している。管１０ａと１０ｂのそれぞれ内に支持管１４ａと１４ｂがねじ込まれている。支持管１４ａと１４ｂの平滑壁延長部１４ｃと１４ｄは直径が異なり、従って両者は互いに入り込まれる。波形管１０ａと１０ｂには圧力管１５ａと１５ｂとがねじ込まれており、これらの圧力管はねじボルト１３によって相互に対向方向に引き寄せられる。延長部１５ｃと１５ｄ上には密閉室を外に対して閉じるスリーブ１６が存在している。密閉室内にはパッキンリング６と同様に圧縮可能なグラフアイトから成るパッキンリング１７が設けられている。
【００１６】
【発明の効果】
この発明により得られる効果は、密封部が力のバイパス中に設けられ、組立ての後外側からの応力が機械的にとり除かれる点にある。その結果大きい温度変化にあっても密閉は永続する。
【００１７】
【図面の簡単な説明】
【図１】 第一実施例の縦断面図である。
【図２】 第二実施例の縦断面図である。
【図３】 第三実施例の縦断面図である。
【符号の説明】
１ らせん状波形金属管
２ 接続片
２ａ フランジ部分
２ｂ 孔
２ｃ 中ぐり部
２ｄ 移行部
２ｅ 突出端部
２ｆ ピン
３ ねじボルト
４ 支持管
４ａ 粗ねじ山
４ｂ 平滑壁部
５ 圧力管
５ａ 粗ねじ山
５ｂ 孔
６ パッキンリング
１０ａ らせん状波形金属管
１０ｂ らせん状波形金属管
１４ａ 支持管
１４ｂ 支持管
１４ｃ 平滑壁延長部
１４ｄ 平滑壁延長部
１５ａ 圧力管
１５ｂ 圧力管
１５ｃ 延長部
１５ｄ 延長部
１６ スリーブ
１７ パッキンリング

Claims (8)

1. らせん状の波形金属管の端部を接続片と連結するための構造部において、
   ａ）らせん状の波形金属管（１、１０ａ、１０ｂ）の端部にこの金属管（１、１０ａ、１ ０ｂ）の波形に適合されておりかつ支持管の外表面の領域に延在している粗ねじ山（４ ａ）を有する支持管（４、１４ａ、１４ｂ）がねじ込こまれており、
   ｂ）支持管（４、１４ａ、１４ｂ）に設けられている平滑壁部（４ｂ、１４ｃ、１４ｄ） が波形金属管（１、１０ａ、１０ｂ）の端部から突出しており、
   ｃ）らせん状の波形金属管（１、１０ａ、１０ｂ）の端部へめねじ（５ａ）を有する圧力 管（５、１５ａ、１５ｂ）が、らせん状の波形金属管（１、１０ａ、１０ｂ）の端部が 圧力管（５、１５ａ、１５ｂ）から突出するまで押しばめられており、
   ｄ）接続片（２）は波形金属管（１、１０ａ、１０ｂ）の端部の方向に面しているその端 部にフランジ部分（２ａ）を有し、これにより接続片（２）が圧力管（５、１５ａ、１ ５ｂ）及び支持管（４、１４ａ、１４ｂ）の平滑壁部と共に圧縮室を形成しており、
   ｅ）圧縮室に圧力管（５）と接続片（２）もしくは圧力管（１５ａ、１５ｂ）相互を軸方 向に対向方向に引くことにより圧縮されている密封管（６、１７）が設けられている、ことを特徴とする構造部。
2. 密封管（６、１７）がグラフアイトで形成されていることを特徴とする請求項１に記載の構造部。
3. グラフアイトは組み込み状態で１．２５〜１．６ｇ／ｃｍ ³ の密度を有し、圧縮状態では１０〜２０％ だけ大きい密度を有することを特徴とする請求項２に記載の構造部。
4. 密封管（６、１７）が内径に段差を付して設けられており、第一段差部は支持管（４）の平滑壁部（４ｂ）上に存在しており、第二段差部は波形金属管（１）の端部上に存在していることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一に記載のの構造部。
5. 接続片（２）の内径部とフランジ部分（２ａ）との間に円錐形の移行部（２ｄ）が設けられていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一に記載の構造部。
6. 圧力管（５、１５ａ、１５ｂ）が多数の開口部（５ｂ）を有するフランジを有していること、接続片（２）も多数の開口部（２ｂ）を有するフランジ部分（２ａ）を有していること、前記の各開口部（２ｂ、５ｂ）内にあるねじボルト（３、１３）により軸方向に対向方向に引っ張られるように構成されていることを特徴とする請求項１〜５のいずれか一に記載の構造部。
7. 開口部（５ｂ）が圧力管（５、１５ａ、１５ｂ）のフランジ中にそれぞれ一つのめねじを有することを特徴とする請求項６に記載の構造部。
8. 密封管（６）がそれぞれを密度が異なる二つの部分から成ることを特徴とする請求項１〜７のいずれか一に記載の構造部。

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