JP3992297B2 - ビタミンd3誘導体、およびそれを用いる炎症性呼吸器疾患治療剤 - Google Patents
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Description
本発明は医薬品として有用なビタミンD3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物、それらを用いた治療剤、それらを含有する医薬組成物、およびそれらの製造法に関する。さらに詳しくは、好中球浸潤抑制作用や悪性腫瘍細胞の増殖抑制・分化誘導作用などを有する1α−ヒドロキシビタミンD3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物、それらを有効成分とする炎症性呼吸器疾患や悪性腫瘍などの疾患の治療剤、それらを含有する医薬組成物、およびそれらの製造法に関する。
背景技術
活性型ビタミンD3誘導体は小腸でのカルシウム吸収促進作用を有し、骨では骨吸収、骨形成を調節するなどの作用を有し、種々のカルシウム代謝異常に基づく疾患の治療剤として使用されている。近年ではこれらの作用に加えて、免疫調節作用、細胞増殖抑制作用や細胞分化誘導作用が見いだされ、例えば関節リューマチ治療剤(特開昭56−26820号公報)、抗アレルギー剤(特開昭63−107928号公報、イギリス特許2260904号明細書(GB2260904−A))、乾せん治療剤(特開平3−68009号公報)、トロンボキサンA2の産生に起因する疾患の治療剤(特開平5−294834号公報)、湿疹、皮膚炎治療剤(特開平7−291868号公報)等への適応が検討されている。
一方、気道感染は、病原体が気道の感染予防機構を乗り越えて侵入した際に成立する病態で、気管支拡張薬や去痰薬のような気道クリアランスを改善させる治療を根幹とする。しかし、感染により急性増悪をきたした場合には起炎菌に対して抗菌剤治療を強力に行う治療が主体である。ところが、ほとんどの基礎疾患は急性増悪を繰り返すたびに確実に悪化してゆくことが多い。さらにMRSA等の耐性菌の出現により抗菌剤に頼りすぎる現在の治療が見直されつつある。
最近、慢性下気道感染症に対するエリスロマイシンの少量長期投与の有用性が報告され、注目されている。慢性下気道感染症とは慢性気管支炎、びまん性汎細気管支炎、および気管支拡張症等に見られる細菌感染を総称したものである(他に感染を伴う気管支喘息、慢性肺気腫、肺結核後遺症などが含まれることもある)。これらは疾患名は異なるが、いずれも多量の膿性痰、労作性呼吸困難、低酸素血症などの共通した病態をとることが知られている。エリスロマイシンの作用機序に関しては単なる抗菌力に基づくものではないと推測されており、細菌そのものよりむしろそれに伴って気道に集積する炎症細胞、特に好中球に作用しているものと理解されている。すなわち、感染に基づく種々の刺激により好中球が組織に浸潤して、プロテアーゼや活性酸素を放出し、これが上皮傷害、繊毛運動障害、粘液過分泌をもたらし呼吸生理作用に悪影響を及ぼしていること、そしてエリスロマイシンがこれらの過程に作用しているものと考えられている。このような考えから、好中球の肺組織浸潤を抑制あるいはその機能を抑制する薬剤は炎症性呼吸困難、例えば慢性下気道感染症の治療剤として有用といえる。
また、悪性腫瘍細胞に対する作用については、増殖抑制・分化誘導作用・免疫機能に対する調節作用などの多岐にわたる生理作用を有することが報告されている。例えば、白血病細胞(キャンサー・トリートメント・レポーツ(Cancer Treatment Reports)、69巻、1399−1407頁、1985年;キャンサー・リサーチ(Cancer Res.)、43巻、5862−5867頁、1983年)、大腸癌細胞(ガット(Gut)、33巻、1660−1663頁、1992年;ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・キャンサー・リサーチ(Jpn. J. Cancer Res.)、88巻、1052−1062頁、1997年)、乳癌細胞(キャンサー・リサーチ(Cancer Res.)、53巻、2534−2537頁、1993年)、前立腺癌細胞(エンドクリノロジー(Endocrinology)、132巻、1952−1960頁、1993年)などに対して増殖抑制作用あるいは分化誘導作用を示すことが報告されている。また、ヒトでの大腸癌発症に関しては、その発症率とビタミンD3の摂取量との相関性についての報告が存在する(ランセット(Lancet)、1巻、307−309頁、1985年)。
悪性腫瘍の治療は医療現場における重要な課題になっており、多種の悪性腫瘍治療剤が開発されている。しかしながらそれらの治療剤の作用機作の大部分は細胞機能障害によるものであり、激しい副作用を伴うことが多い。また、悪性腫瘍の種類によっては有効な治療剤が存在しないものもある。したがって、これまでの悪性腫瘍治療剤とは異なる作用機作により治療効果を発揮し、かつ副作用が少ない悪性腫瘍治療剤の開発が望まれている。
ビタミンD類、特に活性型ビタミンD3およびその誘導体の悪性腫瘍に対する治療効果がこれまで検討されてきたが(例えば、特開昭57−149224号公報など)、実際のヒトへの臨床においてはビタミンD類が有する本来の生理作用に起因すると考えられる高カルシウム血症が重篤な副作用となり、十分な治療成績が得られていない。したがってこれらの化合物を悪性腫瘍治療剤として開発するためには、ビタミンD類が有する悪性腫瘍細胞に対する増殖抑制・分化誘導作用を損なうことなく高カルシウム血症を誘発しない化合物の利用が有効な手段なると考えられている。
発明の開示
したがって、本発明の目的は、高カルシウム血症を誘発せずに、好中球浸潤抑制作用を有する炎症性呼吸器疾患治療剤として有効な新規ビタミンD3誘導体を提供することである。
また、本発明の目的は、高カルシウム血症を誘発せずに、悪性腫瘍細胞増殖抑制・分化誘導作用を有する悪性腫瘍治療剤として有効な新規ビタミンD3誘導体を提供することである。
また、本発明の目的は、それらのビタミンD3誘導体を有効成分として用いた炎症性呼吸器疾患の治療方法を提供することである。
また、本発明の目的は、それらのビタミンD3誘導体を有効成分として用いた悪性腫瘍の治療方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、それらのビタミンD3誘導体を有効成分として含有する医薬組成物を提供することである。
さらに、本発明の目的は、それらのビタミンD3誘導体の製造法を提供することである。
本発明によれば、本発明の上記目的は、下記一般式[1]
[式中、Zは1a、1b、または1cのいずれかを表す。R1、R2は、同一もしくは異なり、水素原子、トリ(C1〜C7アルキル)シリル基、アセチル基、メトキシメチル基、またはテトラヒドロピラニル基を表す。R3、R4は、同一もしくは異なり、水素原子;水酸基;C2〜C8アシルオキシ基;C1〜C7アルキルオキシ基;C1〜C6アルキルチオ基;または水酸基、C2〜C8アシルオキシ基、もしくはC1〜C7アルキルオキシ基で置換されていてもよいC1〜C7アルキル基を表す。R5、R6、R7、R8は、同一もしくは異なり、水素原子、水酸基、C1〜C7アルキル基、またはC2〜C8アシルオキシ基を表す。R9は水素原子、水酸基、C1〜C7アルキル基、またはC1〜C6アルキルチオ基を表す。R10は水素原子、C1〜C7アルキル基、またはC1〜C7アルキルオキシ基を表す。A、Bは同一もしくは異なり、水素原子または水酸基を表わすか、あるいは、両者一緒になって単結合を表わし、明示された単結合と共に二重結合を形成する(以下、「AとBが一緒になって全体として二重結合を表わす」と表現することがある)。X、Yは両者一緒になって、それらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を表すか、どちらか一方が水素原子であり、他方が水酸基であるか、どちらか一方が水素原子であり、他方がC2〜C7アシルオキシ基であることを表す。nは0から2の整数を表わし、mは0から2の整数を表す。]
で表されるビタミンD3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物により達成される。
上記式[1]中、20位の炭素原子についての立体配置は(S)配置でも(R)配置のいずれであってもよい。R3/R4、R5/R6、R7/R8、X/Y、A、およびBが結合している炭素原子が不斉中心となる場合には、その炭素原子についての立体配置が(S)配置でも(R)配置のいずれであってもよい。また、A,Bが一緒になって全体として二重結合を形成する場合には、二重結合についての立体配置は(E)配置でも(Z)配置でもよい。さらに、本発明にはこれらの各種立体異性体の任意の割合の混合物も含まれる。
また、本発明によれば、本発明の上記目的は、有効成分として治療有効量の上記ビタミンD3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を含有する炎症性呼吸器疾患の治療方法により達成される。
また、本発明によれば、本発明の上記目的は、有効成分として治療有効量の上記ビタミンD3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を含有する悪性腫瘍の治療方法により達成される。
また、本発明によれば、本発明の上記目的は、上記ビタミンD3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物と製薬学的に許容される担体とからなる医薬組成物により達成される。
さらに、本発明によれば、本発明の上記目的は、1位および3位の水酸基がトリ(C1〜C7アルキル)シリル基で保護されているビタミンD3誘導体を、テトラフルオロボレートアルカリ金属塩と鉱酸の組み合わせからなる試剤で脱保護することによる活性型ビタミンD3誘導体の製造法により達成される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ヒト悪性腫瘍細胞を腎膜下移植したマウスへ活性型ビタミンD3(1α、25(OH)2D3)あるいは本発明の化合物(No.1126b)を2週間反復経口投与した後の血中カルシウム濃度を示す図である。
C:コントロール群
*:コントロール群に対する統計学的有意差あり
(Dunnett法:有意水準5%)
***:コントロール群に対する統計学的有意差あり
(Dunnett法:有意水準0.01%)
第2図は、HL−60細胞を腎膜下移植したマウスへ活性型ビタミンD3(1α、25(OH)2D3)あるいは本発明の化合物(No.1126b)を2週間反復経口投与した後の移植細胞凝集塊の大きさ(Tumor Area)を示す図である。
C:コントロール群
*:コントロール群に対する統計学的有意差あり
(Dunnett法:有意水準5%)
第3図は、HT−29細胞を腎膜下移植したマウスへ活性型ビタミンD3(1α、25(OH)2D3)あるいは本発明の化合物(No.1126b)を2週間反復経口投与した後の移植細胞凝集塊の大きさ(Tumor Area)を示す図である。
C:コントロール群
*:コントロール群に対する統計学的有意差あり
(Dunnett法:有意水準5%)
***:コントロール群に対する統計学的有意差あり
(Dunnett法:有意水準0.01%)
発明を実施するための最良の形態
本発明における用語の定義は以下の通りである。
アルキル基とは直鎖あるいは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基を表す。
アルキルオキシ基とは直鎖あるいは分岐鎖の脂肪族炭化水素オキシ基、または芳香族炭化水素オキシ基を表す。
アシル基とは直鎖あるいは分岐鎖の脂肪族炭化水素カルボニル基、または芳香族炭化水素カルボニル基を表す。
アシルオキシ基とは直鎖あるいは分岐鎖の脂肪族炭化水素カルボニルオキシ基、または芳香族炭化水素カルボニルオキシ基を表す。
アルキルチオ基とは直鎖あるいは分岐鎖の脂肪族炭化水素チオ基、または芳香族炭化水素チオ基を表す。
上記式[1]中、Zは1a、1b、または1cを表す。なかでも1aまたは1bが好ましい。
上記式[1]中、R1、R2は同一または異なり、水素原子、トリ(C1〜C7炭化水素)シリル基、アセチル基、メトキシメチル基、またはテトラヒドロピラニル基を表す。これら中でもR1およびR2がともに水素原子である場合が最も好ましい。
また、R1、R2がトリ(C1〜C7アルキル)シリル基を表す場合、その具体例として、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、トリベンジルシリル基等を好ましいものとして挙げることができる。
上記式[1]中、R3、R4は、同一もしくは異なり、水素原子;水酸基;アルキルオキシ基;C1〜C6アルキルチオ基;または水酸基、C2〜C8アシルオキシ基、もしくはC1〜C7アルキルオキシ基で置換されていてもよいC1〜C7アルキル基を表す。
R3、R4がC1〜C7アルキルオキシ基を表す場合、その具体例として、例えばメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、s−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、ベンジルオキシ基などを挙げることができるが、これらのうち、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、s−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ベンジルオキシ基が好ましく、なかでもメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ基が最も好ましい。
R3、R4がC1〜C6アルキルチオ基を表す場合、その具体例として、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、フェニルチオ基などを挙げることができるが、これらのうち、C1〜C4アルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ基が好ましく、なかでもメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ基が最も好ましい。
R3、R4がC2〜C8アシルオキシ基を表す場合、その具体例として、例えばアセトキシ、プロピオニルオキシ、イソプロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、s−ブチリルオキシ、バレリルオキシ、イソバレリルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ヘプタノイルオキシ、ベンゾイルオキシ基等を挙げることができる。これらのうち、C2〜C4アシル基、例えばアセトキシ、プロピオニルオキシ、イソプロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、s−ブチリルオキシ、およびベンゾイルオキシ基が好ましい。
R3、R4が水酸基、C2〜C8アシルオキシ基、もしくはC1〜C7アルキルオキシ基で置換されていてもよいC1〜C7アルキル基を表す場合、C1〜C7アルキル基は、水酸基、C2〜C8アシルオキシ基、C1〜C7アルキルオキシ基により、いずれの位置で置換されていてもよい。このようなアルキル基の具体例として、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、ベンジル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、ヒドロキシヘプチル、ヒドロキシベンジル、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ベンゾイルオキシメチル、アセトキシエチル、プロピオニルオキシエチル、ブチリルオキシエチル、ベンゾイルオキシエチル、アセトキシプロピル、プロピオニルオキシプロピル、ブチリルオキシプロピル、ベンゾイルオキシプロピル、メトキシメチル、エトキシメチル、ベンジルオキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、ベンジルオキシエチル、メトキシプロピル、エトキシプロピル、ベンジルオキシプロピル基などを挙げることができるが、これらのうち、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ベンジル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシベンジル、アセトキシメチル、ベンゾイルオキシメチル、アセトキシエチル、ベンゾイルオキシエチル、アセトキシプロピル、ベンゾイルオキシプロピル、メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、メトキシエチル、ベンジルオキシエチル、メトキシプロピル、ベンジルオキシプロピル基が好ましく、なかでもメチル、エチル、プロピル、ベンジル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、ベンジルオキシメチル基がもっとも好ましい。
また、これらのうちR3、R4の組合わせとしては、R3、R4のどちらか一方が水酸基であり他方が水酸基、C2〜C8アシルオキシ基、またはC1〜C7アルキルオキシ基で置換されていてもよいC1〜C7アルキル基;R3、R4のどちらか一方が水素原子であり他方が水酸基、C2〜C8アシルオキシ基、またはC1〜C7アルキルオキシ基で置換されていてもよいC1〜C7アルキル基;R3、R4の双方が水素原子;またはR3、R4の双方が同一もしくは異なる水酸基、C2〜C8アシルオキシ基、C1〜C7アルキルオキシ基で置換されていてもよいC1〜C7アルキル基であることが好ましい。
上記式[1]中、R5、R6、R7、R8は同一もしくは異なり、水素原子、水酸基、C1〜C7アルキル基、またはC2〜C7アシルオキシ基を表す。これらの中でも水素原子またはC1〜C7アルキル基が好ましい。
R5、R6、R7、R8がC1〜C7アルキル基を表す場合、その具体例として、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、ベンジル基を挙げることができるが、これらのうちメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル基が好ましく、特にメチル、エチル、プロピル基が好ましい。
R5、R6、R7、R8がC2〜C7アシルオキシ基を表す場合、その具体例として、例えばアセトキシ、プロピオニルオキシ、イソプロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、s−ブチリルオキシ、バレリルオキシ、イソバレリルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ヘプタノイルオキシ、ベンゾイルオキシ基等を挙げることができる。これらのうち、C2〜C4アシル基、例えばアセトキシ、プロピオニルオキシ、イソプロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、s−ブチリルオキシ、およびベンゾイルオキシ基が好ましい。
上記式[1]中、R9は水素原子、水酸基、C1〜C7アルキル基、またはC1〜C6アルキルチオ基を表す。
R9がC1〜C7アルキル基を表す場合、その具体例として、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、ベンジル基などを挙げることができるが、これらのうち、C1〜C4アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル基が好ましく、なかでもメチル、エチル、プロピル基がもっとも好ましい。
R9がC1〜C6アルキルチオ基を表す場合、その具体例として、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、フェニルチオ基などを挙げることができるが、これらのうち、C1〜C4アルキルチオ基、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ基が好ましく、なかでもメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ基がもっとも好ましい。また、上記以外にも、R9は水素原子、水酸基が好ましい。
上記式[1]中、R10は水素原子、C1〜C7アルキル基、またはC1〜C7アルキルオキシ基を表す。これらの中でも水素原子が好ましい。
R10がC1〜C7アルキル基を表す場合、その具体例として、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、ベンジル基などを挙げることができるが、これらのうち、C1〜C4アルキル基例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル基が好ましく、なかでもメチル、エチル、プロピル基がもっとも好ましい。
また、R10がC1〜C7アルキルオキシ基を表す場合、その具体例として、例えばメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、s−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、ベンジルオキシ基などを挙げることができるが、これらのうち、C1〜C4アルキルオキシ基例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、s−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ基が好ましく、なかでもメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ基がもっとも好ましい。
上記式[1]中、A、Bは同一もしくは異なり、水素原子、水酸基、または一緒になって単結合を表す。これらの中でAとBがともに水素原子であるか、Aが水酸基でBが水素原子であるか、もしくは一緒になって単結合を形成する場合が好ましい。特にAとBがともに水素原子であるか、A、Bが一緒になって単結合を形成する場合が最も好ましい。
上記式[1]中、X、Yは一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基を表すか、どちらか一方が水素原子でもう一方が水酸基であるか、どちらか一方が水素原子でもう一方がC2〜C8アシルオキシ基であることを表す。これら中で、X、Yは一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基であるか、どちらか一方が水素原子でもう一方が水酸基であることが好ましい。
X、Yのどちらか一方が水素原子でもう片方がC2〜C8アシルオキシ基を表す場合、C2〜C8アシルオキシ基の具体例として、例えばアセトキシ、プロピオニルオキシ、イソプロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、s−ブチリルオキシ、バレリルオキシ、イソバレリルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ヘプタノイルオキシ、ベンゾイルオキシ基等を挙げることができる。これらのうち、C2〜C4アシル基、例えば、アセトキシ、プロピオニルオキシ、イソプロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、s−ブチリルオキシ基が好ましい。
上記式[1]中、nは0から2の整数を表わす。これらの中でもnは0または1が好ましい。
上記式[1]中、mは0から2の整数を表わす。これらの中でもmは0または1が好ましい。
本発明のビタミンD3誘導体は必要に応じてその医薬上許容される溶媒和物に変換することができる。そのような溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、t−ブタノール、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、酢酸エチル、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ベンゼン、トルエン、DMF、DMSO等を挙げることができる。特に、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルを好ましいものとして挙げることができる。
上記式[1]で表される本発明のビタミンD3誘導体の好ましい具体例を示すと、表1−1〜表1−14、表2−1〜表2−3の通りである。なおこれらの化合物において、20位の炭素原子の立体配置は(S)配置および(R)配置のもの両方を含む。R3/R4、R5/R6、R7/R8、X/Y、A、およびBが結合している炭素原子が不斉中心となる場合には、その炭素原子の立体配置が(S)配置および(R)配置のもの両方を含む。また、A,Bが一緒になって全体として二重結合を形成する場合には二重結合の配置は(E)配置および(Z)配置のもの両方を含む。
上記式[1]で表されるビタミンD3誘導体の製造は、例えば下記式[2]で表されるアルデヒドと下記式[3]および下記式[4]で表される化合物とを塩基触媒存在下、アルドール反応させた後、必要により脱水、脱保護、還元、異性化などの反応を組合わせることにより行うことができる。
[式中、R1、R2、R10、n、mは、前記式[1]の定義に同じであり、R3a、R4aは、同一もしくは異なり、水素原子;水酸基;保護された水酸基;C2〜C8アシルオキシ基;C1〜C7アルキルオキシ基;C1〜C6アルキルチオ基;または水酸基、保護された水酸基、C2〜C8アシルオキシ基、C1〜C7アルキルオキシ基で置換されていてもよいC1〜C7アルキル基を表す。R5a、R6a、R7a、R8aは、同一もしくは異なり、水素原子、水酸基、保護された水酸基、C1〜C7アルキル基またはC2〜C8アシルオキシ基を表す。R9aは水素原子、水酸基、保護された水酸基、C1〜C7アルキル基、またはC1〜C6アルキルチオ基を表す。]
上記式[2]で表されるアルデヒドと上記式[3]または上記式[4]で表される化合物とのアルドール反応、引き続いてR3a〜R9aが保護された水酸基を表わす場合、必要によりこれを脱保護することにより、[1](Z=[1a]/Aが水酸基でBが水素原子/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)あるいは[1](Z=[1b]/Aが水酸基でBが水素原子/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)で表されるビタミンD3誘導体、または[1](Z=[1a]/AとBが一緒になって全体として二重結合(E体)/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)、あるいは[1](Z=[1b]/AとBが一緒になって全体として二重結合(E体)/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)で表されるビタミンD3誘導体を得ることができる。
[1](Z=[1a]/Aが水酸基でBが水素原子/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)あるいは[1](Z=[1b]/Aが水酸基でBが水素原子/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)で表されるビタミンD3誘導体については、脱水反応を施すことにより[1](Z=[1a]/AとBが一緒になって全体として二重結合(E体)/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)あるいは[1](Z=[1b]/AとBが一緒になって全体として二重結合(E体)/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)で表されるビタミンD3誘導体に変換することができる。
上記アルドール反応において、塩基触媒としては、例えば炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水素化ナトリウムなどの無機塩基触媒;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン(DBU)などの有機塩基触媒;リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシルアミド、ナトリウムヘキサメチルジシルアミドなどの有機金属塩基触媒を挙げることができる。これらの中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド、またはリチウムヘキサメチルジシルアミドを好ましいものとして挙げることができる。これらの塩基触媒は原料のアルデヒドに対して0.1〜10当量、好ましくは0.5〜3当量用いられ、また必要に応じて反応を促進するための添加剤を反応系に加えてもよい。ここで、上記式[2]で表されるアルデヒドと、上記式[3]、[4]で表される化合物とは化学量論的には等モル反応を行うが、反応を確実に完結させるためにどちらか一方入手容易な方を小過剰用いることが望ましい。
アルドール反応において用いられる有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒;ヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の水溶性溶媒;またはこれらの混合溶媒等があげられ、化合物の溶解性、反応性を考慮し選ぶことができる。反応温度は、一般に−78℃から溶媒の沸点の範囲が使用される。反応時間は用いる塩基触媒、反応溶媒および反応温度により異なり、通常、薄層クロマトグラフィー等の分析手段を用いて上記式[3]、[4]で表される化合物、あるいは上記式[2]で表されるアルデヒドのいずれかが消滅するまで行うことが望ましい。
脱水反応に用いる脱水剤としては、硫酸水素カリウム、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、ヨウ素、無水硫酸銅等の酸;チオニルクロライド、りん酸クロライド等のハロゲン化剤;あるいはメタンスルホニルクロリドなどのスルホン化剤などが挙げられ、アルドール付加体[1](Z=[1a]/Aが水酸基でBが水素原子/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)あるいは[1](Z=[1b]/Aが水酸基でBが水素原子/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)に対して1〜10当量、好ましくは1〜5当量用いられる。
このようにして得られた[1](Z=[1a]/AとBが一緒になって全体として二重結合(E体)/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)、または[1](Z=[1b]/AとBが一緒になって全体として二重結合(E体)/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)で表されるビタミンD3誘導体の側鎖カルボニル基を還元することにより、以下に示すような[1](Z=[1a]/AとBが一緒になって全体として二重結合(E体)/X、Yのどちらか一方が水素原子でもう一方が水酸基)、または[1](Z=[1b]/AとBが一緒になって全体として二重結合(E体)/X、Yのどちらか一方が水素原子でもう一方が水酸基)で表されるビタミンD3誘導体を得ることができる。
この還元反応には水素化ホウ素ナトリウム−セシウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAH)、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)、水素化n−ブチルホウ素リチウム、K−セレクトライド、トリ−i−ブチルアルミニウムなどを用いることができる。
同様の還元反応は[1](Z=[1a]/Aが水酸基でBが水素原子/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)あるいは[1](Z=[1b]/Aが水酸基でBが水素原子/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)で表されるビタミンD3誘導体についても行うことができ、その場合には下記に示すような[1](Z=[1a]/Aが水酸基でBが水素原子/X、Yのどちらか一方が水素原子でもう一方が水酸基)、または[1](Z=[1b]/Aが水酸基でBが水素原子/X、Yのどちらか一方が水素原子でもう一方が水酸基)で表されるビタミンD3誘導体を得ることができる。
また上記の還元反応で得られた[1](Z=[1a]/AとBが一緒になって全体として二重結合(E体)/X、Yのどちらか一方が水素原子でもう一方が水酸基)は、側鎖ケトンのα、β位に位置する二重結合をエポキシ化、エポキシ環を還元開環、ケトンの酸化を行うことにより、[1](Z=[1a]/Aが水素原子でBが水酸基/X、Yが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)で表されるビタミンD3誘導体を得ることができる。
また、上記式[1](Z=[1a]/AとBが一緒になって全体として二重結合(E体)/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)の側鎖ケトンのα、β位に位置する二重結合を還元することにより、下記に示すような[1](Z=[1a]/AとBがともに水素原子/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)で表されるビタミンD3誘導体を得ることができる。
この還元反応には水素化ホウ素ナトリウム、Na2S2O4、NaHTe、トリ−n−ブチルすずヒドリド、K−セレクトライド、水素化アルミニウムヒドリド−塩化銅、バーチ還元などを用いることができる。
また、上記式[1](Z=[1a]/AとBが一緒になって全体として二重結合(E体)/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)の側鎖ケトンのα、β位に位置する二重結合を異性化させることにより、下記に示すような[1](Z=[1c]/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)で表されるビタミンD3誘導体や[1](Z=[1a]/AとBが一緒になって全体として二重結合(Z体)/XとYが一緒になって結合する炭素原子とともにカルボニル基)で表されるビタミンD3誘導体を得ることができる。
この異性化反応には塩化ロジウムなどの遷移金属、紫外光などを用いることができる。
以上のようにして得られる上記式[1]で表される化合物は必要に応じて脱保護反応を行うことによりR1、R2が水素である上記式[1]で表されるビタミンD3誘導体に変換できる。
本発明のビタミンD3誘導体の側鎖部分の変換法に関しては、実施例において詳細に示される。
脱保護反応は公知の方法(例えばCaverly、テトラヘドロン(Tetrahedron)、20巻、4609−4619頁、1987年)に準じて行うことができ、脱保護剤として例えばテトラブチルアンモニウムフロリド、ピリジニウムp−トルエンスルホネート、フッ化水素等を用いることができる。反応に用いられる有機溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒;ヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の水溶性溶媒;またはこれらの混合溶媒等があげられ、化合物の溶解性、反応性を考慮し選ぶことができる。反応温度は、一般に−20℃から溶媒の沸点の範囲が使用される。反応時間は用いる脱水剤、脱保護剤、反応溶媒および反応温度により異なり、通常薄層クロマトグラフィー等の分析手段を用いて、出発原料が消失するまで行うことが望ましい。
また、この脱保護反応において、R1およびR2がトリ(C1〜C7アルキル)シリル基である上記式[1]で表されるビタミンD3誘導体を脱保護する場合、テトラフルオロボレートアルカリ金属塩と鉱酸の組み合わせからなる試剤で行うこともできる。テトラフルオロボレートアルカリ金属塩としては、リチウムテトラフルオロボレート、ナトリウムテトラフルオロボレート、カリウムテトラフルオロボレートが用いられ、鉱酸としては、塩酸、硫酸などを用いることができる。テトラフルオロボレートアルカリ金属塩は脱保護する水酸基に対して1〜3当量、鉱酸は0.05〜3当量用いることが好ましい。反応溶媒、反応温度、反応時間は上記の脱保護反応と同様の条件が適用できるが、特に反応溶媒としてはアセトニトリルや塩化メチレンが、反応温度は0℃〜室温、反応時間は10分〜1時間程度が好ましい。
さらにこのテトラフルオロボレートアルカリ金属塩と鉱酸の組み合わせからなる試剤による脱保護反応は、1位および3位の水酸基がトリ(C1〜C7アルキル)シリル基で保護されているビタミンD3誘導体全般に適用することができる。
上記式[2]で表されるアルデヒドは、例えば下記のスキームに従って合成することができる。
nが0であるアルデヒド化合物は、ビタミンD2より公知の方法(国際公開WO90/0991パンフレット;Caverly、テトラヘドロン(Tetrahedron)、20巻、4609−4619頁、1987年)によって得ることができる。nが1および2であるアルデヒド化合物は下記のスキーム1、スキーム2に示されるような公知の方法を組み合わせることにより得ることができる。
また、上記式[3]、上記式[4]で表される化合物は市販品であるか、あるいは公知の方法を組合わせることにより得ることができる。
また、本発明における、上記式[1]で表されるビタミンD3誘導体は以下の製造法によっても得ることができる。すなわち、下記式[5]で表される化合物と、下記式[6]で表されるエンイン化合物とをパラジウム触媒の存在下にカップリングさせることにより、上記式[1]で表されるビタミンD3誘導体を得ることができる。
また必要に応じて脱保護反応を行うことによりR1、R2が水素原子である上記式[1]で表されるビタミンD3誘導体に変換することができる。
[上記式中、R1〜R10、A、B、X、Y、n、およびmは上記式[1]の定義に同じ。Qは臭素原子またはヨウ素原子を表す。]
カップリング反応に用いられるパラジウム触媒は、例えば0価または2価の有機パラジウム化合物と三置換リン化合物(モル比1:1〜1:10)の混合物が用いられる。そのようなパラジウム化合物としては、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムクロロホルム、酢酸パラジウムを挙げることができる。また、三置換リン化合物としてはトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンを挙げることができる。好ましいパラジウム触媒としては、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムクロロホルムとトリフェニルホスフィン(1:1〜1:10)の組み合わせを挙げることができる。また、パラジウム触媒は上記式[5]で表される化合物に対して1〜100モル%、好ましくは5〜30モル%の範囲で使用される。ここで、上記式[5]で表される化合物と、上記式[6]で表されるエンイン化合物とは化学量論的には等モル反応を行うが、反応を確実に完結させるためにどちらか一方、入手容易な方を小過剰用いることが望ましい。
カップリング反応に用いられる有機溶媒としては、ヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の水溶性溶媒;またはこれらの混合溶媒等があげられ、いずれも十分に脱気した後に使用することが好ましい。反応温度は、一般に室温から溶媒の沸点の範囲が使用される。反応時間は用いる反応溶媒および反応温度により異なり、通常、薄層クロマトグラフィー等の分析手段を用いて上記式[5]で表されるシクロアルカノン化合物、あるいは上記式[6]で表されるエンイン化合物のいずれかが消滅するまで行うことが望ましい。また、パラジウム触媒に加えて、ハロゲン化水素を捕捉するために、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等の塩基の存在下に反応を行うことが望ましい。かかる塩基の量としては、上記式[5]で表されるシクロアルカノン化合物に対して1当量以上が好ましく、必要により溶媒と兼用することもできる。また、脱保護反応は前述の方法に準じて行うことができる。
本製造方法において原料として用いられる上記式[5]で表される化合物は、例えば下記のスキーム3に示すように、下記式[7]で表される化合物と[3]あるいは[4]で表わされる化合物とをアルドール反応させた後、必要により脱水、脱保護、還元、異性化反応などを行うことにより得ることができる。これらの反応は、基本的には前述した上記式[2]で表される化合物と上記式[3]あるいは上記式[4]で表わされる化合物とのアルドール反応、および必要により引き続いて行われる脱水、脱保護、還元、異性化反応などによる上記式[1]で表わされる化合物の製造法と同じである。
さらに上記スキーム3における化合物[7]は下記のスキーム4(n=0)、スキーム5(n=1)、スキーム6(n=2)に示されるような公知の方法を組み合わせることにより得ることができる。
また、上記式[3]および上記式[4]で表される化合物は、市販品であるか、あるいは公知の方法を組合わせることにより得ることができる。
以上のようにして得られたビタミンD3誘導体は、必要に応じて前述のような医薬上許容される溶媒和物に変換することができる。
また、本発明は治療有効量の上記ビタミンD3誘導体を含有する炎症性呼吸器疾患の治療剤であり、それを用いた該疾患の治療方法である。
本発明の治療剤ないし治療方法の対象となる炎症性呼吸器疾患としては、例えば急性上気道感染症、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、慢性下気道感染症、肺気腫、肺炎、喘息、肺結核後遺症、急性呼吸窮迫症候群、および肺線維症からなる群から選ばれる1種または2種以上の炎症性呼吸器疾患を挙げることができる。
これらの中でも、本発明の対象の炎症性呼吸器疾患としては、例えばかぜ、急性咽頭炎、急性鼻炎、急性副鼻腔炎、急性扁桃炎、急性喉頭炎、急性喉頭蓋炎および急性気管支炎からなる群から選ばれる1種または2種以上の急性上気道感染症、または例えば慢性気管支炎、びまん性汎細気管支炎および気管支拡張症からなる群から選ばれる1種または2種以上の慢性下気道感染症が好ましいものとして挙げられる。
また、本発明は治療有効量の上記ビタミンD3誘導体を有効成分として含有する悪性腫瘍の治療剤であり、それを用いた該疾患の治療方法である。この治療剤は、癌の診断確定後に腫瘍部位の縮小あるいは増殖を抑制するために、また、外科手術や放射線治療後の癌再発予防のために投与することができる。なお、対象となる悪性腫瘍の種類は特に限定されないが、特に、白血病、大腸癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、脳腫瘍、メラノーマを好ましいものとして挙げることができる。
さらに本発明は治療有効量のビタミンD3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を含有する、関節リューマチ、骨粗鬆症、真性糖尿病、高血圧症、脱毛症、アクネ、乾癬症、皮膚炎からなる群から選ばれる疾患の治療剤であり、それを用いた該疾患群の治療方法である。
本発明の各種疾患の治療剤は経口的に、あるいは静脈内、皮下、筋肉内、経皮、経鼻、直腸内等の非経口的に、または吸入によって投与することができる。
経口投与のための剤型としては、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、カプセル剤などがある。
錠剤を調製する際には常法に従ってラクトース、スターチ、炭酸カルシウム、結晶性セルロース、あるいはケイ酸などの賦形剤;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、リン酸カルシウム、あるいはポリビニルピロリドン等の結合剤;アルギン酸ナトリウム、重ソウ、ラウリル硫酸ナトリウムやステアリン酸モノグリセライド等の崩壊剤;グリセリン等の潤滑剤;カオリン、コロイド状シリカ等の吸収剤;タルク、粒状ホウ酸などの潤滑剤などの添加剤が用いられて製剤化される。
丸剤、散剤または顆粒剤も上記と同様添加剤を用いて常法に従って製剤化される。
液剤、懸濁剤、シロップ剤などの液体製剤も常法に従って製剤化される。担体としては例えばトリカプリリン、トリアセチン、ヨード化ケシ油脂肪酸エステル等のグリセロールエステル類;水;エタノール等のアルコール類;流動パラフィン、ココナッツ油、大豆油、ゴマ油、トウモロコシ油等の油性基剤が用いられる。
カプセル剤は散剤、顆粒剤、液体製剤等をゼラチン等のカプセルに充填することにより成型される。
静脈内、皮下、筋肉内投与の剤型としては無菌の水性あるいは非水溶性溶液剤などの形態にある注射剤がある。水溶性液剤は例えば生理食塩水などが用いられる。非水性溶液剤は、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコールまたはオリーブ油のような植物油、オレイン酸エチル、ヨード化ケシ油脂肪酸エステルのような注射しうる有機エステル類などが用いられる。これらの製剤には必要に応じて等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定剤などが添加され、またバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合、あるいは照射等の処理を適宜行うことによって無菌化できる。また無菌の固形製剤を製造し、使用直前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して使用することができる。
さらに、本発明化合物は、α,β、または、γ−シクロデキストリンあるいはメチル化シクロデキストリン等と包接化合物を形成して使用することもできる。またリポ化の形態にした注射剤でもよい。
経皮投与用薬剤の剤形としては、軟膏、クリーム、ローション、液剤等が挙げられる。
軟膏の基剤としては、例えばヒマシ油、オリーブ油、ゴマ油、サフラワー油などの脂肪油;ラノリン;白色、黄色もしくは親水ワセリン;ロウ;オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルイドデカノール、ヘキシルデカノールなどの高級アルコール類;グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、1,3−ブタンジオールなどのグリコール類などが挙げられる。また本発明化合物の可溶化剤としてエタノール、ジメチルスルホキシド、ポリエチレングリコールなどを用いてもよい。また必要に応じて、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、ソルビン酸、ホウ酸などの保存剤;ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤などを用いてもよい。
また、経皮吸収促進を図るため、ジイソプロピルアジペート、ジエチルセバケート、エチルカプロエート、エチルラウレートなどの吸収促進剤を加えてもよい。また、安定化を図るため、本発明化合物はα,βまたはγ−シクロデキストリンあるいはメチル化シクロデキストリン等と包接化合物を形成して使用することもできる。
軟膏は通常の方法によって製造することができる。クリーム剤としては水中油型クリーム剤の形態が本発明化合物の安定化を図るうえで好ましい。またその基剤としては、前述した如き、脂肪油、高級アルコール類、グリコール類などが用いられ、またジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウムなどの乳化剤が用いられる。さらに、必要に応じて前述したような保存剤、酸化防止剤などを添加してもよい。また、軟膏剤の場合と同様に、本発明化合物をシクロデキストリン、メチル化シクロデキストリンの包接化合物として用いることもできる。クリーム剤は通常の方法によって製造することができる。
ローション剤としては、懸濁型、乳剤型、溶液型ローション剤が挙げられる。懸濁型ローション剤は、アルギン酸ナトリウム、トラガント、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどの懸濁化剤を用い、必要に応じて酸化防止剤、保存剤などを加えて得られる。
乳化型ローション剤は、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウムなどの乳化剤を用い、通常の方法で得られる。溶剤としては、本発明化合物をエタノールなどのアルコール溶液に溶解し、必要に応じて酸化防止剤、保存剤などを添加したものが挙げられる。
これらの剤形以外でも、パスタ剤、パップ剤、エアゾール剤等の剤形が挙げられる。かかる製剤は通常の方法によって製造することができる。
経鼻による投与の製剤は、液状または粉末状の組成物として与えられる。液状剤の基剤としては水、食塩水、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液等が用いられ、さらに界面活性剤、酸化防止剤、安定剤、保存剤、粘性付与剤を含んでいてもよい。粉末状剤の基剤としては、水吸収性のものが好ましく、例えば、水易溶性のポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウムなどのポリアクリル酸塩類、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース低級アルキルエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、アミロース、プルランなどが、また水難溶性の結晶セルロース、α−セルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース類、ヒドロキシプロピン澱粉、カルボキシメチル澱粉、架橋澱粉、アミロース、アミロペクチン、ペクチンなどの澱粉類、ゼラチン、カゼイン、カゼインナトリウムなどのタンパク類、アラビアガム、トラガントガム、グルコマンナンなどのガム類、ポリビニルポリピロリドン、架橋ポリアクリル酸およびその塩、架橋ポリビニルアルコールなどが挙げられ、これらを混合して用いてもよい。さらに粉末状剤には、酸化防止剤、着色剤、保存剤、防腐剤、矯腐剤等を添加してもよい。かかる液状剤、粉末状剤は例えばスプレー器具等を用いて投与することができる。
直腸内投与のためには、ゼラチンソフトカプセルなどの通常の坐剤が用いられる。
また、吸入のためには、スプレー、ネブライザー、アトマイザー等の投与装置を用いて、本発明の有効成分のビタミンD3誘導体を単独または適当な生体適合性の賦形剤と組み合わせて粉末状または液状組成物として疾患部位に投与することができる。あるいはフロン等のエアロゾル用噴射剤に懸濁することによって疾患部位に投与することもできる。
本発明の有効成分の治療有効量は、投与経路、患者の年齢、性別、対象疾患、その疾患の程度によって異なるが、通常0.001〜100μg/日程度、より好適には0.1〜10μg/日程度であり、投与回数は通常1〜3回/日であり、このような条件を満足するように製剤を調製するのが好ましい。
なお、本発明の各種疾患の治療剤は、既存の薬剤と併用することも可能である。
本発明の上記式[1]で表されるビタミンD3誘導体の炎症性呼吸器疾患への有用性は、後記実施例に具体的に示すように、炎症性肺疾患モデルとして汎用されているLPS惹起肺炎症ハムスターを用いた実験において示された。すなわち、本発明の化合物はLPSで惹起した肺炎症を気道内投与および経口投与において有意に抑制することがわかった。
また、本発明の上記式[1]で表されるビタミンD3誘導体の悪性腫瘍への有用性は、後記実施例に具体的に示すようにヒト白血病細胞(HL−60)、ヒト大腸癌細胞(HT−29)、癌細胞移植マウスを用いた実験において示された。すなわち、本発明のビタミンD3誘導体はヒト白血病細胞(HL−60)の分化誘導作用、ヒト大腸癌細胞(HT−29)の増殖抑制作用を示し、癌細胞移植マウスの癌細胞増殖を経口投与において抑制することがわかった。
一方、一般に活性型ビタミンD3化合物で最も懸念される副作用は血中カルシウム濃度の上昇であるが、本発明の化合物の血中カルシウム濃度上昇作用は、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3と比較して顕著に低減されていることが明らかになった。例えば、ラット経口投与において、本発明のビタミンD3誘導体の血中カルシウム濃度上昇作用は、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3と比較して、
化合物 No.1101 で1/>500
化合物 No.1105bで1/17
化合物 No.1110bで1/111
化合物 No.1112bで1/27
化合物 No.1126bで1/47
化合物 No.1126dで1/115
化合物 No.1127aで1/41
化合物 No.1127bで1/79
化合物 No.1128aで1/16
化合物 No.1128bで1/11
化合物 No.1129bで1/55
化合物 No.1130bで1/11
化合物 No.1131aで1/10
化合物 No.1401aで1/158 である。
以上のことから、上記式[1]で表されるビタミンD3誘導体は、抗炎症作用発現濃度や抗悪性腫瘍作用発現濃度と、血中カルシウム濃度上昇作用発現濃度の分離が実現されており、副作用も発現しないと考えられる。
以上より、上記式[1]で表されるビタミンD3誘導体を有効成分として含有する治療剤は炎症性呼吸器疾患や悪性腫瘍に対して有用であるといえる。
ところで活性型ビタミンD3は細胞代謝に対して種々の作用を有することが報告されているが、それらの例として、例えば、細胞の成熟および分化の刺激(田中ら、(バイオケミカル・ジャーナル(Biochem. J.)、204巻、713−719頁、1982年;Amentoら、ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(J. Clin. Invest.)、73巻、731−739頁、1984年;Colstonら、エンドクリノロジー(Endocrinology)、108巻、1083−1086頁、1981年;Abeetlら、プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc. Natl. Acad. Sci.)、78巻、4990−4994頁、1981年)、およびインターロイキン−2産生阻害などの免疫抑制作用(Rigby、イミュノロジー・トゥデー(Immunology Today)、9巻、54−58頁、1988年)を挙げることができる。さらに免疫相乗作用も認められており、殺菌性酸素代謝物の産生および白血球の走化性反応を刺激することが見いだされている。
上記式[1]で表されるビタミンD3誘導体においても上述のように細胞分化誘導能を有することが確認されている。このことにより上記式[1]で表されるビタミンD3誘導体は例えば乾癬症、関節リューマチ、皮膚炎などの炎症性疾患および自己免疫性疾患、感染症(とりわけ細菌性、ウイルス性および真菌性)の化学療法における補助剤、および単核食細胞が関連するその他の治療様相におけるような種々の領域での治療の可能性を有する。
さらに活性型ビタミンD3が有効とされている高血圧症の治療(Lindら、アクタ・メディカル・スカンジナビア(Acta Med. Scand.)、222巻、423−427頁、1987年)および真性糖尿病の治療(Inomataら、ボーンミネラル(Bone Mineral)、1巻、187−192頁、1986年)、また毛髪成長の促進(ランセット(Lancet)、3月4日、478頁、1989年)やアクネの治療(Malloyら、トリコンチネンタル・ミーティング・フォー・インベスティゲーティブ・デルマトロジー(Tricontinental Meeting for Investigative Dermatology)、ワシントン、1989年)に対しても同様に有効であることが期待できる。
本発明の上記式[1]で表されるビタミンD3誘導体の中には、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3レセプターとの結合能が1α,25−ジヒドロキシビタミンD3に対して同程度から約1/50と非常に高いものがあり、高いビタミンD3様作用が期待できる。
他の細胞系を用いた評価系においても、例えば化合物No.1127aは、マウス骨芽細胞株(MCJT)でのコラーゲン合成および非コラーゲン蛋白合成を用量依存的に促進した。このコラーゲン合成促進作用は1α,25−ジヒドロキシビタミンD3よりも強かった。さらにその化合物においては、ヒト骨芽細胞(SAM−1)において石灰化促進作用も認められている。また破骨細胞の形成促進作用を評価したところ、化合物No.1128a、化合物No.1130aにおいては著明な破骨細胞形成促進効果がみられた。これは、破骨細胞形成促進に伴い骨代謝回転を活性化させることにより、これらの化合物が骨粗鬆症治療薬にもなり得ることを示唆している。
実施例
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。各実施例における化合物No.は、前記表1−1〜1−14、表2−1〜2−3に示した化合物No.を示す。化合物No.にアルファベットのついているものは、それらの立体異性体(幾何異性体を含む)である。
[参考例1]
化合物[7](n=0)の製造
[a]2.15gを室温で50mlの塩化メチレンに溶解させ、これを氷冷した。ここへ1.58gのジイソプロピルエチルアミン、1.54gのt−ブチルジメチルシリルクロリドを順次加え、室温に昇温し終夜撹拌した。これを氷冷した水へ注ぎ、塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、未精製の[b]を得た。
得られた[b]を20mlの塩化メチレンに溶解させ、氷冷した。ピリジニウムクロロクロメート(PCC)3.3gとセライト約3gの混合物を加え、室温に昇温した。2.5時間撹拌した後反応液を濾過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)にて精製を行い、[c]3.2gを得た。収率98%。
1H NMR(CDCl3)δ:3.33,(dd,J=2.6,9.6Hz,1H),2.57(dd,J=2.6,9.6Hz,1H),2.27(dd,J=2.6,6.3Hz,1H),1.23-2.29(m,1H),1.03(d,J=6.3Hz,3H),0.89(s,9H),0.65(s,3H),0.03(s,6H)
モレキュラーシーブス4A0.45gを入れた容器を、減圧下、ヒートガンで加熱し、乾燥した。これにブロモメチルトリフェニルホスフィンブロミド13.26gとテトラヒドロフラン70mlをくわえ、−70℃に冷却した。ナトリウムビストリメチルシリルアミドの1Mテトラヒドロフラン溶液を26ml滴下し、徐々に温度を−40℃まで昇温した。これをまた−78℃に冷却し、−15℃に冷却した[c]1.23gのテトラヒドロフラン(15ml)溶液にカニューレを通じて滴下した。滴下終了後さらに30分そのまま撹拌を続けた。反応液をシリカゲルを懸濁させたヘキサンに注ぎ、これをセライト濾過し、酢酸エチルでシリカゲルを洗浄した。ろ液の溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=100:1〜10:1)にて精製を行うと[d]がトリフェニルホスフィンとの混合物として得られた。
得られた[d]を塩化メチレン5mlとアセトニトリル5mlに溶解し、0℃に冷却した。これにリチウムテトラフルオロボレート739mgを加えた後、濃硫酸をアセトニトリルで希釈したものを滴下した。[d]が薄層クロマトグラフィー(TLC)上で観測されなくなったら、水と飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮した。残さをシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=5:1〜4:1)にて精製すると[e]が660mg得られた。収率59%。
1H NMR(CDCl3)δ:5.66(d,J=1.7Hz,1H),3.65(dd,J=3.3,10.6Hz,1H),3.40(dd,J=6.6,10.6Hz,1H),2.85-2.90(m,1H),1.23-2,03(m,12H),1.06(d,J=6.6Hz,3H),0.59(s,3H)
得られた[e]660mgをアセトン18mlに溶解した。これにN−メチルモルホリン−N−オキサイド546mgとトリストリフェニルホスフィンルテニウム(II)クロリド67mgを加え、室温で1時間撹拌した。反応液をシリカゲルを懸濁させたエーテルにそそぎ、セライト濾過した。ろ液を減圧下濃縮し、残さをシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=30:1〜1:1)にて精製すると、目的物が432mgが得られた。収率67%。
1H NMR(CDCl3)δ:9.59(d,J=3.3Hz,1H),5.68(s,1H),2.88-2.93(m,1H),2.32-2.42(m,1H),2.01-2.10(m,2H),1.33-1.98(m,9H),1.15(d,J=6.9Hz,3H),0.61(s,3H)
[参考例2]
化合物[7](n=1)の製造
100mlナスフラスコにブロモメチレントリフェニルホスホニウムブロミド2.39gをとり、乾燥したTHF40mlを加えて攪拌し、−70℃に冷却した。1Mのナトリウムヘキサメチルジシラジド/THF溶液5.28mlを滴下して、同温度で1時間攪拌した。次に[f]300mgを乾燥したTHF10mlに溶かした溶液を滴下した。冷却バスをはずして1時間攪拌した。次にヘキサンを加えて不溶物を濾別し、溶媒を減圧下留去した。残さをシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=14:1〜9:1)で精製し、[g]を178mg(収率48%)得た。
1H NMR(CDCl3)δ:7.78(d,J=8Hz,2H),7.35(d,J=8Hz,2H),5.64(s,1H),3.96(dd,J=3,9Hz,1H),3.82(dd,J=6,9Hz,1H),2.45(s,3H),0.99(d,J=7Hz,3H),0.53(s,3H)
50mlナスフラスコに[g]を178mgとり、DMF6mlを加えて溶解した。ここにKCN215mgを投入し、50℃で24時間攪拌した。反応液に水50mlを加え、エーテルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を減圧下留去して、粗体110mgを得た。これをシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=14:1)で精製を行い、[h]を84mg(収率69%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ:5.67(s,1H),2.86-2.91(m,1H),2.21-2.35(m,2H),1.18(d,J=6Hz,3H),0.59(s,3H)
25mlナスフラスコに[h]84mgをとり、乾燥したジクロロメタン5mlを加えて溶解した。−70℃に冷却し、1.5Mのジイソブチルアルミニウムヒドリド/トルエン溶液660μlを滴下した。同温度で1時間攪拌し、飽和硫酸ナトリウム水0.5ml、メタノール0.3ml、2Nの塩酸0.5ml、酢酸エチル15mlを加えて30分攪拌した。反応液をセライト濾過し、ろ液を飽和塩化アンモニウム水、次いで飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を減圧留去して、目的物を85mg得た。
[参考例3]
化合物[7](n=2)の製造
[a]10.05gをピリジン80mlに溶解し、これを0℃に冷却し、トリメチルアセチルクロリド6.1mlを加え、1時間撹拌した。次にトリメチルシリルクロリド6.6mlを加えて、さらに1時間撹拌した。反応溶液を氷水に注ぎ、エーテルで抽出した。有機層を飽和硫酸水素カリウム溶液で洗浄し、続いて水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮すると未精製の[i]が得られた。
得られた[i]のエーテル溶液を0℃のt−ブトキシカリウム21.2g,水2mlのエーテル(270ml)の懸濁液に滴下した。そのまま室温まで昇温し、一晩撹拌した。反応液を氷水に注ぎ、エーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残さをシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、[j]12.86gが得られた。収率96%。
1H NMR(CDCl3)δ:4.00(br,1H),3.63(dd,J=3.3,10.6Hz,1H),3.36(dd,J=6.9,10.6Hz,1H),1.10-1.96(m,13H),1.02(d,J=6.6Hz,3H),0.90(s,3H),0.05(s,9H)
得られた[j]を参考例1の[e]から[7](n=0)への変換と同様の処理を行い、[k]を得た。
1H NMR(CDCl3)δ:9.58(d,J=3.2Hz,1H),4.02(br.,1H),2.31-2.41(m,1H),1.24-1.83(m,12H),1.09(d,J=6.5Hz,3H),0.93(s,3H),0.06(s,9H)
得られた[k]3.46gのトルエン(70ml)溶液にメチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート12.24gを加えて、一晩加熱還流した。不溶物を濾過したのち溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=30:1)で精製すると、[l]3.88gが得られた。収率94%。
1H NMR(CDCl3)δ:6.84(dd,J=8.9,15.5Hz,1H),5.74(d,J=15.5Hz,1H),3.99(br.,1H),3.72(s,3H),2.21-2.30(m,1H),1.11-1.96(m,12),1.06(d,J=6.3Hz,3H),0.92(s,3H),0.05(s,9H)
得られた[l]2.08gをメタノール10mlと酢酸エチル5mlに溶解した。濃塩酸1滴を加え、パラジウム−炭素を約100mg加え、系内を水素置換した。そのまま室温で一晩撹拌したのち、反応液を濾過し、ろ液を濃縮した。残さをシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、[m]1.58gを得た。収率96%。
1H NMR(CDCl3)δ:4.08(d,J=3.OHz,1H),3.66(s,3H),1.05-2.42(m,17H),0.93(s,3H),0.90(d,J=6.6Hz,3H)
ピリジニウムダイクロメート(PDC)3.64gをジメチルホルムアミド20mlに溶解し、0℃に冷却した。これに、上記のようにして得られた[m]1.29gのジメチルホルムアミド(5ml)溶液を滴下し、そのまま2時間撹拌した。反応溶液をシリカゲルで懸濁させたヘキサン:酢酸エチル=2:1の溶液に注ぎ、この溶液をセライト濾過し、ろ液を濃縮した。残さをシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=8:1〜4:1)で精製し、[n]1.24gを得た。収率97%。
1H NMR(CDCl3)δ:3.67(s,3H),1.26-2.48(m,17H),0.96(d,J=4.6Hz,3H),0.64(s,3H)
得られた[m]を参考例1の[c]から[d]への変換と同様の処理を行い、[n]を得た。収率50%。
1H NMR(CDCl3)δ:5.64(d,J=1.7Hz,1H),3.66(s,3H),2.84-2.90(m,1H),2.23-2.42(m,2H),1.21-2.04(m,14H),0.93(d,J=6.3Hz,3H),0.56(s,3H)
得られた[n]292mgの塩化メチレン(5ml)溶液に−78℃でジイソブチルアルミニウムヒドリドの0.93Mヘキサン溶液を1ml加えた。30分撹拌したのちメタノール2mlを加えよく撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液をくわえ、室温に戻し、反応液を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水、ついで水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。残さをシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=25:1)で精製すると[7](n=2)243mgが得られた。収率91%。
1H NMR(CDCl3)δ:9.78(t,J=1.8Hz,1H),5.65(d,J=1.7Hz,1H),2.85-2.90(m,1H),2.36-2.54(m,1H),1.26-2.05(m,16H),0.94(d,J=6.3Hz,3H),0.57(s,3H)
[実施例1]
化合物No.1144の製造
前述した方法でビタミンD2から調製されたアルデヒド[A]232mgとケトン[B]52mgをエタノール3mlに溶解し、これにKOH 54mgを加えて室温で終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルおよび1N塩酸を加えて酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせて飽和重曹水で洗浄後、乾燥、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル100:3〜100:7)で精製し、[C]を含むスポット2つを分離した。収量51、55mg(合計106mg、38%)。無色オイル。得られた[C]のうち、TLC上で上のスポット51mgを塩化メチレン0.5ml、アセトニトリル2.5mlの混合溶媒に溶解し氷冷した。これにリチウムテトラフルオロボレート21mgを加え、さらに1規定の硫酸/アセトニトリル溶液67.2mlを滴下して、そのまま1時間撹拌した。反応液に飽和重曹水を加えて酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮した。残さをHPLC(カラム:ODS、溶媒:アセトニトリル/水)で精製し、高極性(化合物No.1144a)および低極性(化合物No.1144b)の目的物を得た。これらは20位炭素および付加したケトン[B]の不斉炭素に由来する光学異性体である。
また得られた[C]のうち、TLC上で下のスポット55mgについても同様の脱保護反応、精製を行い、高極性(化合物No.1144c)および低極性(化合物No.1144d)の目的物を得た。これらは20位炭素および付加したケトン[B]の不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1144a]
1H NMR(CDCl3)δ:6.62(dt,J=2.5,10.7Hz,1H),6.35(d,J=11.2Hz,1H),6.00(d,J=11.1Hz,1H),5.33(s,1H),4.43(br.,1H),4.99(s,1H),4.22(br.,1H),2.78-2.82(m,1H),2.56-2.65(m,2H),2.10-2.45(m,4H),1.85-2.06(m,4H),1.48-1.65(m,10H),1.15-1.46(m,5H),0.97(d,J=6.8Hz,3H),0.92(t,J=7.3Hz,3H),0.43(s,3H)
MS m/e=477.3[M+Na]+
[化合物No.1144b]
1H NMR(CDCl3)δ:6.53(dt,J=2.5,10.7Hz,1H),6.37(d,J=11.1Hz,1H),6.01(d,J=11.4Hz,1H),5.32(s,1H),4.98(s,1H),4.43(br.,1H),4.24(br.,1H),2.81-2.86(m,1H),2.58-2.68(m,2H),2.28-2.43(m,3H),2.07-2.18(m,1H),1.64-2.05(m,8H),1.37-1.59(m,10H),1.11-1.19(m,1H),1.06(d,J=6.6Hz,3H),0.93(t,J=7.4Hz,3H),0.57(s,3H)
MS m/e=477.3[M+Na]+
[化合物No.1144c]
1H NMR(CDCl3)δ:6.63(d,J=10.4Hz,1H),6.36(d,J=11.2Hz,1H),6.00(d,J=11.2Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.43(br.,1H),4.22(br.,1H),2.79-2.84(m,1H),2.57-2.66(m,2H),2.10-2.43(m,4H),1.79-2.07(m,4H),1.16-1.70(m,15H),0.97(d,J=6.8Hz,3H),0.94(t,J=7.3Hz,3H),0.41(s,3H)
MS m/e=477.3[M+Na]+
[化合物No.1144d]
1H NMR(CDCl3)δ:6.54(dt,J=2.5,10.6Hz,1H),6.37(d,J=11.2Hz,1H),6.01(d,J=11.2Hz,1H),5.32(s,1H),4.98(s,1H),4.43(br.,1H),4.23(br.,1H),2.81-2.86(m,1H),2.57-2.67(m,2H),2.28-2.44(m,3H),2.04-2.18(m,1H),1.26-2.01(m,19H),1.06(d,J=6.6Hz,3H),0.94(t,J=7.3Hz,3H),0.57(s,3H)
MS m/e=477.3[M+Na]+
[実施例2]
化合物No.1104の製造
実施例1と同様にして、対応するケトンを用いて製造した。
1H NMR(CDCl3)δ:6.57(d,J=11Hz,1H),6.42(d,J=10Hz,1H),5.87(d,J=11Hz,1H),5.12(m,1H),4.98(m,1H),4.50(m,1H),4.23(m,1H),1.10-2.89(m,27H),1.02(d,J=6Hz,3H),0.60(s,3H)
[実施例3]
化合物No.1105aの製造
実施例1と同様にして、対応するアルデヒドとケトンを用いて製造した。
1H NMR(CDCl3)δ:6.67-6.70(m,1H),6.38(d,J=10Hz,1H),6.02(d,J=11Hz,1H),5.33(m,1H),5.00(s,1H),4.43(m,1H),4.23(m,1H),1.23-2.85(m,29H),0.94(d,J=6Hz,3H),0.55(s,3H)
[実施例4]
化合物No.1106の製造
実施例1と同様にして、対応するアルデヒドとケトンを用いて製造した。
1H NMR(CDCl3)δ:6.61(m,1H),6.38(d,J=11Hz,1H),6.02(d,J=11Hz,1H),5.33(m,1H),5.00(s,1H),4.43(m,1H),4.23(m,1H),1.22-2.85(m,31H),0.95(d,J=6Hz,3H),0.54(s,3H)
[実施例5]
化合物No.1126の製造
実施例1と同様にして、対応するケトンを用いて製造した。脱保護反応後、クルード生成物をHPLC(カラム:ODS、溶媒:アセトニトリル/水)で精製して目的物(4つの異性体)を得た。以下、保持時間の短い順にデータを記した。これらは20位炭素および付加したケトンの不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1126a]
1H NMR(CDCl3)δ:6.63(d,J=10.7Hz,1H),6.35(d,J=11.2Hz,1H),6.00(d,J=11.2Hz,1H),5.33(s,1H),4.99(s,1H),4.43(br.,1H),4.23(br.,1H),1.00-3.00(m,21H),1.25(s,3H),0.96(d,J=6.8Hz,3H),0.44(s,3H)
[化合物No.1126b]
1H NMR(CDCl3)δ:6.54(d,J=10.6Hz,1H),6.37(d,J=11.2Hz,1H),6.01(d,J=11.2Hz,1H),5.32(s,1H),4.98(s,1H),4.43(br.,1H),4.23(br.,1H),0.88-2.62(m,20H),1.26(s,3H),1.06(d,J=6.6Hz,3H),0.58(s,3H)
[化合物No.1126c]
1H NMR(CDCl3)δ:6.64(dd,J=2.4,10.8Hz,1H),6.36(d,J=11.2Hz,1H),6.00(d,J=11.5Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.43(br.,1H),4.23(br.,1H),2.79-2.82(m,1H),1.21-2.79(m,26H),0.97(d,J=6.6Hz,3H),0.41(s,3H)
[化合物No.1126d]
1H NMR(CDCl3)δ:6.56(d,J=10.2Hz,1H),6.37(d,J=11.2Hz,1H),6.01(d,J=12.2Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.44(m,1H),4.23(m,1H),2.81-2.87(m,1H),1.13-2.62(m,20H),1.27(s,3H),1.07(d,J=6.6Hz,3H),0.58(s,3H)
[実施例6]
化合物No.1129の製造
実施例1と同様にして、対応するケトンを用いて製造した。アルドール反応後、シリカゲルカラムで低極性と高極性の化合物に分離し、それぞれ脱保護反応を行い、これらのクルード生成物をそれぞれHPLC(カラム:ODS、溶媒:アセトニトリル/水)で分取精製してそれぞれ低極性と高極性の目的物を得た。これらは20位炭素および付加したケトンの不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1129a](アルドール低極性、HPLC高極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.37(d,J=11.1Hz,2H),6.00(d,J=11.5Hz,1H),5.32(t,J=1.8Hz,1H),4.99(s,1H),4.41-4.45(m,1H),4.19-4.25(m,1H),2.78-2.83(m,2H),2.59(dd,J=3.8,13.7Hz,1H),2.17-2.35(m,3H)1.85-2.11(m,7H),1.19-1.80(m,16H),0.94(d,J=6.6Hz,3H),0.39(s,3H)
[化合物No.1129b](アルドール低極性、HPLC低極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.38(d,J=10.5Hz,1H),6.20(d,J=10.0Hz,1H),6.02(d,J=11.6Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.43(m,1H),4.08-4.24(m,1H),3.75(br.,1H),2.81-2.88(m,2H),1.23-2.72(m,20H),1.25(s,3H),1.02(d,J=6.6Hz,3H),0.59(s,3H)
[化合物No.1129c](アルドール高極性、HPLC高極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.36(d,J=11.2Hz,2H),6.01(d,J=11.2Hz,1H),5.33(t,J=1.7Hz,1H),4.99(s,1H),4.41-4.46(m,1H),4.19-4.26(m,1H),2.78-2.87(m,2H),2.59(dd,J=3.5,13.5Hz,1H),2.11-2.37(m,3H),1.86-2.06(m,7H),1.15-1.78(m,16H),0.92(d,J=6.6Hz,3H),0.46(s,3H)
[化合物No.1129d](アルドール高極性、HPLC低極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.37(d,J=11.2Hz,1H),6.29(d,J=9.6Hz,1H),6.03(d,J=11.5Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.42(m,1H),4.23(m,1H),3.71(br.,1H),2.81-2.86(m,2H),1.23-2.57(m,20H),1.30(s,1H),1.04(d,J=6.6Hz,3H),0.58(s,3H)
[実施例7]
化合物No.1148の製造
実施例1と同様にして、対応するケトンを用いて製造した。アルドール反応後、シリカゲルカラムで低極性と高極性の化合物に分離し、それぞれ脱保護反応を行い、これらのクルード生成物をそれぞれHPLC(カラム:ODS、溶媒:アセトニトリル/水)で分取精製してそれぞれ低極性と高極性の目的物を得た。これらは20位炭素および付加したケトンの不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1148a](アルドール低極性、HPLC高極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.63(dt,J=2.3,10.4Hz,1H),6.36(d,J=11.2Hz,1H),6.00(d,J=11.1Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.43(br.,1H),4.23(br.,1H),2.79-2.83(m,1H),2.52-2.66(m,2H),2.11-2.44(m,4H),1.78-2.07(m,5H),1.16-1.70(m,16H),0.97(d,J=6.6Hz,3H),0.92(t,J=6.9Hz,3H),0.41(s,3H)
MS m/e=469.0[M+1]+
[化合物No.1148b](アルドール低極性、HPLC低極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.54(dt,J=2.6,10.2Hz,1H),6.37(d,J=10.1Hz,1H),6.01(d,J=11.6Hz,1H),5.32(d,J=1.7Hz,1H),4.98(s,1H),4.43(br.,1H),4.23(br.,1H),2.81-2.86(m,1H),2.57-2.66(m,2H),2.28-2.49(m,4H),2.07-2.18(m,1H),1.13-2.00(m,20H),1.06(d,J=6.6Hz,3H),0.92(t,J=6.9Hz,3H),0.58(s,3H)
MS m/e=469.6[M+1]+
[化合物No.1148c](アルドール高極性、HPLC高極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.61(dt,J=2.5,10.4Hz,1H),6.36(d,J=11.2Hz,1H),6.01(d,J=11.6Hz,1H),5.33(d,J=1.5Hz,1H),4.99(s,1H),4.44(br.,1H),4.23(br.,1H),2.78-2.83(m,1H),2.55-2.64(m,2H),2.05-2.46(m,4H),1.79-2.02(m,5H),1.15-1.65(m,16H),0.97(d,J=6.6Hz,3H),0.89(t,J=6.9Hz,3H),0.44(s,3H)
MS m/e=469.3[M+1]+
[化合物No.1148d](アルドール高極性、HPLC低極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.53(dt,J=2.3,10.4Hz,1H),6.37(d,J=11.2Hz,1H),6.01(d,J=11.7Hz,1H),5.33(d,J=1.7Hz,1H),4.99(s,1H),4.43(br.,1H),4.23(br.,1H),2.81-2.87(m,1H),2.52-2.67(m,2H),2.28-2.43(m,4H),2.04-2.18(m,1H),1.65-2.01(m,7H),1.11-1.57(m,13H),1.06(d,J=6.6Hz,3H),0.91(t,J=6.9Hz,3H),0.58(s,3H)
MS m/e=469.0[M+1]+
[実施例8]
化合物No.1152の製造
実施例1と同様にして、対応するケトンを用いて製造した。アルドール反応後、シリカゲルカラムで低極性と高極性の化合物に分離し、それぞれ脱保護反応を行い、これらのクルード生成物をそれぞれHPLC(カラム:ODS、溶媒:アセトニトリル/水)で分取精製してそれぞれ低極性と高極性の目的物を得た。これらは20位炭素および付加したケトンの不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1152a](アルドール低極性、HPLC高極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:7.24-7.32(m,3H),7.15-7.18(m,2H),6.66(d,J=10.4Hz,1H),6.35(d,J=10.9Hz,1H),5.99(d,J=11.4Hz,1H),5.32(s,1H),4.98(s,1H),4.43(br.,1H),4.22(br.,1H),2.83(d,J=1.2Hz,2H),2.77-2.88(m,1H),2.50-2.62(m,2H),2.13-2.34(m,4H),1.78-2.07(m,5H),1.14-1.69(m,12H),0.94(d,J=6.8Hz,3H),0.39(s,3H)
MS m/e=517.3[M+1]+
[化合物No.1152b](アルドール低極性、HPLC低極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:7.20-7.32(m,3H),7.15-7.18(m,2H),6.57(dt,J=2.6,10.6Hz,1H),6.37(d,J=11.2Hz,1H),6.00(d,J=11.1Hz,1H),5.31(s,1H)4.98(s,1H),4.43(br.,1H),4.22(br.,1H),2.82(d,J=2.1Hz,2H),2.76-2.86(m,1H),2.50-2.62(m,2H),2.12-2.40(m,4H),1.88-2.06(m,4H),1.66-1.83(m,4H),1.11-1.57(m,9H),1.04(d,J=6.6Hz,3H),0.56(s,3H)
MS m/e=517.3[M+1]+
[化合物No.1152c](アルドール高極性、HPLC高極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:7.21-7.27(m,3H),7.10-7.13(m,2H),6.63(d,J=10.6Hz,1H),6.37(d,J=11.2Hz,1H),6.02(d,J=11.4Hz,1H),5.33(d,J=1.7Hz,1H),5.00(s,1H),4.44(br.,1H),4.23(br.,1H),2.84(s,2H),2.80-2.84(m,1H),2.50-2.64(m,2H),2.12-2.35(m,4H),1.78-2.07(m,5H),1.20-1.70(m,12H),0.95(d,J=6.8Hz,3H),0.39(s,3H)
MS m/e=517.3[M+1]+
[化合物No.1152d](アルドール高極性、HPLC低極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:7.22-7.32(m,3H),7.10-7.16(m,2H),6.55(dt,J=2.3,10.7Hz,1H),6.38(d,J=11.4Hz,1H),6.02(d,J=11.2Hz,1H),5.34(d,J=1.7Hz,1H),5.00(s,1H),4.44(br.,1H),4.24(br.,1H),2.82(d,J=2.2Hz,2H),2.77-2.88(m,1H),2.54-2.65(m,2H),2.28-2.39(m,2H),2.13-2.25(m,2H),1.87-2.08(m,4H),1.64-1.84(m,4H),1.13-1.58(m,9H),1.05(d,J=6.6Hz,3H),0.57(s,3H)
MS m/e=517.2[M+1]+1
[実施例9]
化合物No.1156の製造
実施例1と同様にして、対応するケトンを用いて製造した。アルドール反応後、脱保護反応を行い、クルード生成物をHPLC(カラム:ODS、溶媒:アセトニトリル/水)で分取精製して低極性と高極性の目的物を得た。これらは付加したケトンの不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1156a](低極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.43(m,1H),6.37(d,J=11Hz,1H),6.01(d,J=11Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.43(m,1H),4.23(m,1H),3.55-3.64(m,2H),1.28-2.86(m,27H),1.06(m,3H),0.58(s,3H)
[化合物No.1156b](高極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.43(m,1H),6.37(d,J=11Hz,1H),6.01(d,J=11Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.43(m,1H),4.23(m,1H),3.55-3.64(m,2H),1.28-2.86(m,27H),1.09(m,3H),0.58(s,3H)
[実施例10]
化合物No.2101の製造
実施例1と同様にして、対応するケトンを用いて製造した。
1H NMR(CDCl3)δ:7.56(m,1H),6.45(d,J=11Hz,1H),6.35-6.40(m,2H),6.01(d,J=11Hz,1H),5.32(s,1H),4.98(d,J=10Hz,1H),4.98(s,1H),4.42(m,1H),4.23(m,1H),3.20(m,1H),1.13-2.86(m,19H),1.09(d,J=6Hz,3H),0.59(s,3H)
[実施例11]
化合物No.2104の製造
実施例1と同様にして、対応するケトンを用いて製造した。アルドール反応後、脱保護反応を行い、クルード生成物をHPLC(カラム:ODS、溶媒:アセトニトリル/水)で分取精製して低極性と高極性の目的物を得た。これらは20位炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.2104a](低極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:7.17(s,1H),6.42(d,J=11.1Hz,1H),6.37(d,J=11.1Hz,1H),6.00(d,J=11.1Hz,1H),5.32(s,1H),4.98(s,1H),4.43(br.,1H),4.24(br.,1H),1.85(s,3H),1.08(d,J=6.5Hz,3H),1.00-3.00(m,19H),0.58(s,3H)
MS m/e=421.1[M-1]+
[化合物No.2104b](高極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:7.17(s,1H),6.53(d,J=11.6Hz,1H),6.36(d,J=11.2Hz,1H),6.00(d,J=11.2Hz,1H),5.33(s,1H),4.99(s,1H),4.43(br.,1H),4.23(br.,1H),1.85(s,3H),1.00-3.00(m,19H),1.00(d,J=6.6Hz,3H),0.42(s,3H)
MS m/e=444.9[M+23]+
[実施例12]
化合物No.1130の製造
アルゴン雰囲気下、ブチルリチウムの1.66Mヘキサン溶液1.15mlを0℃に冷却したジイソプロピルアミン212mgのTHF溶液に加え、15分撹拌した。−78℃に冷却した後ケトン[E]285mgのTHF溶液を加え20分撹拌した。ここへ参考例2で製造したアルデヒド[D]285mgのTHF溶液を加え、1時間撹拌した。15mlの飽和塩化アンモニウム溶液を加えて反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、未精製の[F]を得た。
得られた[F]をジメチルホルムアミドに溶解した。アルゴン雰囲気下0℃でジメチルアミノピリジン612mgとメタンスルホニルクロリド160μlを加えた。50℃に昇温し、終夜撹拌した。飽和食塩水を加え、有機物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄したのち無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残さをシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製して[G]約560mgを得た。
アルゴン雰囲気下、トリフェニルホスフィン35.3mgとジベンジリデンアセトンジパラジウムクロロホルム錯体22.7mgをトルエン2mlとジイソプロピルエチルアミン2mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。ここに[G]90.3mgと[H]165mgのトルエン−ジイソプロピルエチルアミン混合溶液を加え、120℃に昇温し、2時間撹拌した。放冷後、濾過、濃縮し、残さをシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)にて精製し、[I]113mgを得た。
得られた[I]をアセトニトリル:塩化メチレン=3:1の混合溶媒に溶解し、0℃に冷却した。40mgのリチウムテトラフルオロボレートを加え、硫酸のアセトニトリル希釈溶液を少しずつ滴下した。原料が消失したところで飽和重曹水を加え、塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製、次いでHPLC(カラム:ODS、溶媒:アセトニトリル/水)で精製し、低極性および高極性の目的物を得た。これらは付加したケトン[E]の不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1130a](低極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.51-6.57(m,1H),6.38(d,J=11Hz,1H),6.02(d,J=11Hz,1H),5.33(d,J=1.3Hz,1H),5.00(d,J=1.3Hz,1H),4.41-4.45(m,1H),4.20-4.26(m,1H),3.70(br.,1H),2.77-2.84(m,2H),2.57-2.63(m,1H),1.23-2.35(m,24H),1.31(s,3H),0.94(d,J=6.6Hz,3H)
[化合物No.1130a](高極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.51-6.57(m,1H),6.38(d,J=11Hz,1H),6.02(d,J=11Hz,1H),5.33(d,J=1.3Hz,1H),5.00(d,J=1.3Hz,1H),4.41-4.45(m,1H),4.20-4.26(m,1H),3.70(br.,1H),2.77-2.84(m,2H),2.57-2.63(m,1H),1.23-2.35(m,24H),1.31(s,3H),0.94(d,J=6.6Hz,3H)
[実施例13]
化合物No.1101の製造
実施例12と同様にして、対応するアルデヒドとケトンを用いて製造した。
1H NMR(CDCl3)δ:6.37(d,J=10.5Hz,2H),6.02(d,J=11.2Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.31-4.43(m,1H),4.2-4.3(m,1H),1.2-2.9(m,25H),1.05(d,J=6.6Hz,3H),0.58(s,3H)
[実施例14]
化合物No.1102の製造
実施例12と同様にして、対応するケトンを用いて製造した。
1H NMR(CDCl3)δ:6.56-6.64(m,1H),6.38(d,J=11Hz,1H),6.01(d,J=11Hz,1H),5.33(s,1H),5.00(s,1H),4.41-4.46(br.,1H),4.21-4.27(br.,1H),2.80-2.85(m,1H),2.56-2.63(m,1H),1.20-2.80(m,25H),0.95(d,J=6.3Hz,3H),0.55(s,3H)
[実施例15]
化合物No.1103の製造
実施例12と同様にして、対応するアルデヒドとケトンを用いて製造した。
1H NMR(CDCl3)δ:6.53(t,J=7.6Hz,1H),6.37(d,J=11.2Hz,1H),6.02(d,J=11.5Hz,1H),5.33(s,1H),5.00(s,1H),4.41-4.46(m,1H),4.22-4.24(m,1H),2.70-2.85(m,1H),1.1-2.7(m,28H),0.96(d,J=6.3Hz,3H),0.54(s,3H)
[実施例16]
化合物No.1107の製造
実施例12と同様にして、対応するアルデヒドとケトンを用いて製造した。
1H NMR(CDCl3)δ:6.41(d,J=10.6Hz,1H),6.37(d,J=10.6Hz,1H),6.01(d,J=11.2Hz,1H),5.32(s,1H),4.98(s,1H),4.40-4.45(m,1H),4.19-4.25(m,1H),2.80-2.86(m,1H),1.08-2.61(m,26H),1.02(d,J=6.6Hz,3H),0.59(s,3H)
[実施例17]
化合物No.1110の製造
実施例12と同様にして、対応するアルデヒドとケトンを用いて製造した。脱保護反応後クルード生成物をHPLC(カラム:ODS、溶媒:アセトニトリル/水)で分取精製して低極性と高極性の目的物を得た。これらは付加したケトンの不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1110a](低極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.38(d,J=11Hz,2H),6.01(d,J=11Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.43(br.,1H),4.22-4.24(br.,1H),2.80-2.85(m,1H),2.56-2.69(m,1H),1.3-2.8(m,22H),1.13(d,J=7Hz,3H),1.06(d,J=6.6Hz,3H),0.58(s,3H)
[化合物No.1110b](高極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.39(d,J=10.3Hz,1H),6.38(d,J=11.9Hz.1H),6.00(d,J=11.5Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.43(s,1H),4.24(s.,1H),2.80-2.86(m,1H),1.3-2.8(m,23H),1.14(d,J=6.9Hz,3H),1.05(d,J=6.6Hz,3H),0.57(s,3H)
[実施例18]
化合物No.1112の製造
実施例12と同様にして、対応するアルデヒドとケトンを用いて製造した。脱保護反応後クルード生成物をHPLC(カラム:ODS、溶媒:アセトニトリル/水)で分取精製して低極性と高極性の目的物を得た。これらは付加したケトンの不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1112a](低極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.38(d,J=11Hz,2H),6.01(d,J=11Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H).4.43(br.,1H),4.23(br.,1H),2.81-2.86(m,1H),1.30-2.80(m,25H),1.04(d,J=7Hz,3H),0.96(t,J=7Hz,3H),0.57(s,3H)
[化合物No.1112b](高極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.38(d,J=11Hz,2H),6.01(d,J=11Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.43(br.,1H),4.23(br.,1H),2.81-2.86(m,1H),1.30-2.80(m,25H),1.04(d,J=7Hz,3H),0.96(t,J=7Hz,3H),0.57(s,3H)
[実施例19]
化合物No.1116の製造
実施例12と同様にして、対応するアルデヒドとケトンを用いて製造した。
1H NMR(CDCl3)δ:6.41(d,J=10.6Hz,1H),6.37(d,J=9.6Hz,1H),6.01(d,J=11.2Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.43(s,1H),4.21(s,1H),1.2-2.9(m,23H),1.07(s,6H),1.05(d,J=5Hz,3H),0.58(s,3H)
[実施例20]
化合物No.1127の製造
実施例12と同様にして、対応するケトンを用いて製造した。エンイン化合物とのカップリング反応の後、クルード生成物をシリカゲルカラムで精製して低極性と高極性の生成物を分離した。それぞれ脱保護反応を行い目的物を得た。これらは付加したケトンの不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1127a](シリカゲルカラム低極性からのもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.37(d,J=11.2Hz,1H),6.29(d,J=9.6Hz,1H),6.03(d,J=11.5Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.42(m,1H),4.23(m,1H),3.71(br.,1H),2.81-2.86(m,2H),1.23-2.57(m,20H),1.30(s,1H),1.04(d,J=6.6Hz,3H),0.58(s,3H)
[化合物No.1127b](シリカゲルカラム高極性からのもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.38(d,J=10.5Hz,1H),6.20(d,J=10.0Hz,1H),6.02(d,J=11.6Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.43(m,1H),4.08-4.24(m,1H),3.75(br.,1H),2.81-2.88(m,2H),1.23-2.72(m,20H),1.25(s,3H),1.02(d,J=6.6Hz,3H),0.59(s,3H)
[実施例21]
化合物No.1128の製造
実施例12と同様にして、対応するアルデヒドとケトンを用いて製造した。脱保護反応後クルード生成物をHPLC(カラム:ODS、溶媒:アセトニトリル/水)で分取精製して低極性と高極性の目的物を得た。これらは付加したケトンの不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1128a](低極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.72(t,J=7.6Hz,1H),6.38(d,J=11.2Hz,1H),6.02(d,J=11.2Hz,1H),5.33(s,1H),5.00(s,1H),4.44(br.,1H),4.23(br,1H),2.80-2.85(m,1H),1.15-2.62(m,24H),1.27(s,3H),0.96(d,J=6.3Hz,3H),0.55(s,3H)
[化合物No.1128b](高極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.72(t,J=7.6Hz,1H),6.38(d,J=11.2Hz,1H),6.02(,J=11.2Hz d,1H),5.33(s,1H),5.00(s,1H),4.44(br.,1H),4.23(br.,1H),2.80-2.85(m,1H),1.15-2.62(m,24H),1.27(s,3H),0.96(d,J=6.3Hz,3H),0.55(s,3H)
[実施例22]
化合物No.1131の製造
実施例12と同様にして、対応するアルデヒドとケトンを用いて製造した。脱保護反応後クルード生成物をHPLC(カラム:ODS、溶媒:アセトニトリル/水)で分取精製して低極性と高極性の目的物を得た。これらは付加したケトンの不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1131a](低極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.47-6.50(m,1H),6.38(d,J=11,2Hz,1H),6.02(d,J=11.2Hz,1H),5.33(s,1H),5,00(s,1H),4.43(m,1H),4.23(m,1H),3.71(br.,1H),2.81(m,2H),2.58(m,1H),1.23-2.35(m,24H),1.30(s,3H),0.96(d,J=6.3Hz,3H),0.55(s,3H)
[化合物No.1131b](高極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.47-6.50(m,1H),6.38(d,J=11.2Hz,1H),6.02(d,J=11.2Hz,1H),5.33(s,1H),5.00(s,1H),4.43(m,1H),4.23(m,1H),3.71(br.,1H),2.81(m,2H),2.58(m,1H),1.23-2.35(m,24H),1.30(s,3H),0.96(d,J=6.3Hz,3H),0.54(s,3H)
[実施例23]
化合物No.1110cの製造
参考例1で得られたアルデヒド[J]213mgをDMFに溶解し、DABCO74mgを加えて室温で3日間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去するとホルミル基のα位がエピマー化したアルデヒド[K]が得られた。その後は実施例12と同様にして、対応するケトンを用いて製造した。脱保護反応後クルード生成物をHPLC(カラム:ODS、溶媒:アセトニトリル/水)で精製して目的物を得た。
1H NMR(CDCl3)δ:6.46(d,J=10.2Hz,1H),6.37(d,J=10.2Hz,1H),6.00(d,J=10.7Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.44(br.,1H),4.23(br.,1H),2.77-2.86(m,1H),1.2-2.8(m,23H),1.14(d,J=6.6Hz,3H),0.95(d,J=6.6Hz,3H),0.42(s,3H)
[実施例24]
化合物No.1226の製造
窒素雰囲気下、ナトリウムボロヒドリド56.7mgをピリジン6mlに加えて、70℃で約30分間攪拌した。その後、室温に冷やしてから[L]335mgをピリジン6mlに溶かした溶液をシリンジを用いて上記還元剤溶液に加え、室温で約1時間攪拌した。反応液に6N塩酸を加え、酢酸エチルを用いて抽出した。有機層を飽和重曹水溶液で洗浄し、乾燥、濃縮した。残さをシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)を用いて精製すると[M]が得られた。このものを実施例1の方法に従って脱保護反応を行い、粗生成物をHPLC(カラム:ODS、溶媒:アセトニトリル/水)で精製すると目的物が得られた。
1H NMR(CDCl3)δ:6.36(d,J=11.1Hz,1H),6.03(d,J=11.1Hz,1H),5.34(s,1H),4.99(s,1H),1.00-3.00(m,24H),1.22(s,3H),0.95(d,J=5.9Hz,3H),0.56(s,3H)
MS m/e=465.2[M+23]+
[実施例25]
化合物No.1401の製造
窒素雰囲気下、−78℃に冷却した[化合物No.1101]34mgの塩化メチレン溶液に1.01Mのジイソブチルアルミニウムヒドリド 180μlを滴下し、40分間攪拌した。飽和硫酸ナトリウム水溶液0.5mlをゆっくりと加え、反応を停止させた後、メタノール0.5ml、2N塩酸0.5mlを加え、さらに酢酸エチル、硫酸マグネシウムを加え、室温で30分間攪拌した。ろ過後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥した。残さをシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、これを更にHPLC(カラム:ODS、溶媒:アセトニトリル/水)で精製すると、低極性および高極性の目的物が得られた。これらは本反応により生成した水酸基の結合する不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1401a](低極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.38(d,J=11Hz,1H),6.01(d,J=11Hz,1H),5.35(d,J=10Hz,1H),5.32(s,1H),5.00(s,1H),4.42(br.,1H),4.36(br.,1H),4.21-4.20(m,1H),2.82(t-like,1H),2.60(d-like,1H),2.60(d-like,1H),1.2-2.4(m,23H),0.99(d,J=7.4Hz,3H),0.57(s,3H)
[化合物No.1401b](高極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.37(d,J=11Hz,1H),6.02(d,J=11Hz,1H),5.35(d,J=10Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.43(br.,1H),4.35(br.,1H),4.11-4.20(m,1H),2.82(t-like,1H),2.60(d-like,1H),2.58(d-like,1H),1.2-2.4(m,23H),0.99(d,J=7.4Hz,3H),0.57(s,3H)
[実施例26]
化合物No.1404の製造
実施例25と同様にして、対応するケトンを用いて製造した。反応後クルード生成物をHPLC(カラム:ODS、溶媒:アセトニトリル/水)で分取精製して低極性と高極性の目的物を得た。これらは本反応により生成した水酸基の結合する不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1404a](低極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.38(d,J=11Hz,1H),6.02(d,J=11Hz,1H),5.32(s,1H),5.13(d,J=10Hz,1H),5.00(s,1H),4.43(m,1H),4.23(m,1H),4.08(m,1H),1.10-2.85(m,28H),0.97(d,J=6Hz,3H),0.59(s,3H)
[化合物No.1404b](高極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.38(d,J=11Hz,1H),6.00(d,J=11Hz,1H),5.32(s,1H),5.13(d,J=10Hz,1H),5.00(s,1H),4.42(m,1H),4.22(m,1H),4.06(m,1H),1.10-2.85(m,28H),0.98(d,J=6Hz,3H),0.58(s,3H)
[実施例27]
化合物No.1416の製造
実施例25と同様にして、対応するケトンを用いて製造した。反応後クルード生成物をHPLC(カラム:ODS、溶媒:アセトニトリル/水)で分取精製して低極性と高極性の目的物を得た。これらは本反応により生成した水酸基の結合する不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1416a](低極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.38(d,J=11Hz,1H),6.01(d,J=11Hz,1H),5.32(d,J=14Hz,1H),5.26(d,J=12Hz,1H),4.99(s,1H),4.42(br.,1H),4.23(br.,1H),3.83(s,1H),2.82(d,J=14Hz,1H),2.60(d,J=16Hz,1H),1.1-2.4(m,22H),1.01(s,3H),0.98(d,J=8Hz,3H),0.79(s,3H),0.57(s,3H)
[化合物No.1416b](高極性のもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.38(d,J=11Hz,1H),6.00(d,J=11Hz,1H),5.32(s,1H),5,30(d,J=12Hz,1H),5.00(s,1H),4.43(br.,1H),4.23(br.,1H),3.81(s,1H),2.83(d,J=15Hz,1H),2.61(d,J=15Hz,1H),1.1-2.4(m,22H),0.97(d,J=7Hz,3H),0.97(s,3H),0.84(s,3H),0.57(s,3H)
[実施例28]
化合物No.1426a、bの製造
参考例1で製造したアルデヒド[J]とケトン[N]を実施例12の方法に従ってアルドール付加・脱水物[O]に変換した。窒素雰囲気下、[O]27mgをエーテル1mlに溶解し、−20℃に冷却した。この溶液に0.15M Zn(BH4)2のエーテル溶液(水素化ホウ素ナトリウムと塩化亜鉛(II)から調製)0.4mlを加えて徐々に室温に上げながら6.5時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥した。残さをシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=50:1〜10:1)で精製すると、低極性および高極性のアルコール[P]が得られた。これらそれぞれのアルコールを実施例12と同様の方法で[H]とカップリングし、脱保護すると、目的物が得られた。これらは本実施例におけるケトンの還元反応で生成した水酸基の結合する不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1426a](シリカゲルカラム低極性からのもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.52(d,J=11Hz,1H),6.00(d,J=11Hz,1H),5.38(d,J=10Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.34(br.,1H),4.23(br.,1H),3.91(m,1H),3.91(br.,1H),2.83(d,J=14Hz,1H),2.60(d,J=10Hz,1H),1.23-2.27(m,19H),1.27(s,3H),0.99(d,J=6.5Hz,3H),0.56(s,3H)
[化合物No.1426b](シリカゲルカラム高極性からのもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.37(d,J=11Hz,1H),6.01(d,J=11Hz,1H),5.37(m,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.41-4.45(m,1H),4.22-4.24(m,1H),4.06(br.,1H),2.80-2.85(m,1H),2.58-2.63(m,1H),1.19(s,3H),0.85-2.35(m,19H),0.97(d,J=6.5Hz,3H),0.57(s,3H)
[実施例29]
化合物No.1426c、dの製造
実施例28と同様にして、ケトン[N]のかわりにケトン[Q]を用いて製造した。これらは本実施例におけるケトンの還元反応で生成した水酸基の結合する不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1426c](シリカゲルカラム低極性からのもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.38(d,J=7.0Hz,1H),6.02(d,J=7.0Hz,1H),5.39(d,J=12Hz,1H),5.32(s,1H),5.00(s,1H),4.44(br.,1H),4.23(br.,1H),3.89(br.,1H),3.49(s,1H),2.83(m,1H),0.93-3.49(m,20H),1.26(s,3H),0.99(d,J=6.5Hz,3H),0.57(s,3H)
[化合物No.1426d](シリカゲルカラム高極性からのもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.37(d,J=7.0Hz,1H),6.01(d,J=7.0Hz,1H),5.37(m,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.45(m,1H),4.23(m,1H),4.08(br.,1H),2.83(m,1H),2.69(m,1H),1.01-2.33(m,19H),1.17(s,3H),1.00(d,J=6.6Hz,3H),0.57(s,3H)
[実施例30]
化合物No.1716の製造
参考例1で製造したアルデヒド[J]とケトン[R]を実施例12と同様の方法に従ってアルドール付加物[S]に変換した。これを実施例25と同様の方法に従って還元すると、低極性および高極性のアルコール[T]が得られた。これらそれぞれのアルコールを実施例12と同様の方法で[H]とカップリングし脱保護すると、目的物が得られた。これらは本実施例におけるケトンの還元反応で生成した水酸基の結合する不斉炭素に由来する光学異性体である。
[化合物No.1716a](シリカゲルカラム低極性からのもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.33(d,J=12Hz,1H),6.09(d,J=11Hz,1H),5.29(dd,J=1.3,2.3Hz,1H),4.90(d.,J=1Hz,1H),4.35(br.,1H),4.07(br.,1H),3.56(d,J=10Hz,1H),3.29-3.31(m,2H),1.2-2.9(m,25H),1.00(s,3H),0.93(d,J=6Hz,3H),0.92(s,3H),0.57(s,3H)
[化合物No.1716b](シリカゲルカラム高極性からのもの)
1H NMR(CDCl3)δ:6.33(d,J=11Hz,1H),6.09(d,J=11Hz,1H),5.30(t,J=1.6Hz,1H),4.91(d,,J=1.6Hz,1H),4.36(t,J=6Hz,1H),4.13(br..1H),3.82(d,J=10Hz,1H),3.64(d,J=4Hz,1H),3.31(t,J=1.7Hz,2H),1.25-2.90(m,24H),1.04(s,3H),0.95(s,3H),0.93(d,J=7Hz,3H),0.57(s,3H)
[実施例31]
化合物No.1126eの製造
化合物No.1126b41mgをトルエン5ml、エタノール5mlに溶解し、アントラセン38.5mg、トリエチルアミン3mlを加えた後、窒素雰囲気下にて350nmの紫外光を6時間照射した。減圧下濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、これをさらにHPLCより精製し、目的物を得た。
1H NMR(CDCl3)δ:6.37(d,J=11Hz,1H),6.02(d,J=11Hz,1H),5.62(dt,J=2,11Hz,1H),5.32(m,1H),4.99(s,1H),4.42(m,1H),4.22(m,1H),3.69-3.75(m,2H),1.24(m,3H),1.28-2.82(m,22H),0.99(d,J=6Hz,3H),0.63(s,3H)
[実施例32]
化合物No.1126fの製造
実施例31と同様にして化合物No.1126cを用いて製造した。
1H NMR(CDCl3)δ:6.34(d,J=10Hz,1H),5.96-6.02(m,2H),5.32(m,1H),4.98(s,1H),4.43(m,1H),4.22(m,1H),3.73(m,1H),3.58(m,1H),1.22(m,3H),1.18-2.83(m,22H),0.96(d,J=6Hz,3H),0.36(s.3H)
[実施例33]
化合物No.1105bの製造
実施例31と同様にして化合物No.1105aを用いて製造した。
1H NMR(CDCl3)δ:6.38(d,J=11Hz,1H),6.01(d,J=10Hz,1H),5.60(m,1H),5.32(s,1H),5.00(s,1H),4.43(m,1H),4.23(m,1H),1.22-2.85(m,29H),0.91(d,J=6Hz,3H),0.55(s,3H)
[実施例34]
化合物No.1606aの製造
実施例12の方法に従って、アルデヒド[U]とケトン[V]を反応させてアルコール[W]を得た。
モレキュラーシーブス4A100mg存在下にてチタンテトライソプロポキシド69.1mgの塩化メチレン2ml溶液を−23℃に冷却し、ここへL−(+)−酒石酸ジイソプロピル68.8mgの塩化メチレン2ml溶液を加え、次いで[W]106mgの塩化メチレン2ml溶液を加えた。さらにt−ブチルハイドロパーオキシドの2、2−ジメチル−4−メチルペンタン溶液(3M)0.044mlを加え、2時間攪拌した。メタノールを加えた後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて室温まで昇温した。反応液をセライトろ過した後、酢酸エチルで抽出した。あわせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、[X]を得た。
得られた[X]41.8mgのジエチルエーテル2ml溶液を、水素化アルミニウムリチウム5.5mgをジエチルエーテル0.5mlに懸濁した液に加え、[X]が消失するまで水素化アルミニウムリチウムを加えた(6.6mg)。水素が発生しなくなるまで飽和硫酸ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させ、ジエチルエーテルで希釈した後、セライト上で不溶物をろ別し、さらにこれを酢酸エチルで洗浄した。合わせた有機層を減圧下濃縮し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、[Y]を得た。
氷冷した[Y]13.7mgの塩化メチレン溶液に、三酸化硫黄・ピリジン錯体50.9mg、ジメチルスルフォキシド0.109ml、トリエチルアミン0.125ml、塩化メチレン1mlの割合で調製された酸化剤を約3ml加えた。8時間攪拌し、水を加えて反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出した。あわせた有機層を飽和硫酸水素カリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、[Z]を得た。
得られた[Z]を実施例12と同様の方法に従ってエンイン化合物とカップリング反応を行い、続いて脱保護反応を行うことによって、目的物を得た。
1H NMR(CDCl3)δ:6.38(d,J=10.9Hz,1H),6.01(d,J=11.2Hz,1H),5.33(s,1H),5.00(s,1H),4.41-4.45(m,1H),4.23-4.25(m,1H),3.97(s,1H),2.80-2.84(m,1H),0.92-2.62(m,30H),0.90(d,J=6.3Hz,3H),0.53(s,3H)
[実施例35]
化合物No.1606bの製造
実施例34のエポキシ化の段階でL−(+)−酒石酸ジイソプロピルの代わりにL−(−)−酒石酸ジイソプロピルを用いることにより、目的物を得た。これは本実施例におけるエポキシ環の開環反応で生成した水酸基の結合する不斉炭素に由来する、化合物 No.1606aの光学異性体である。
1H NMR(CDCl3)δ:6.38(d,J=11.2Hz,1H),6.01(d,J=1.2Hz,1H),5.33(s,1H),5.00(s,1H),4.43(dd,J=4.6,7.6Hz,1H),4.20-4.26(m,1H),3.98(s,1H),2.82(dd,J=3.3,11.9Hz,1H),2.60(dd,J=3.5,13.4Hz,1H),2.46-2.50(m,2H),0.76-2.35(m,26H),0.90(d,J=5.9Hz,3H),0.53(s,3H)
[実施例36]
化合物No.1132の製造
実施例5で得た化合物No.1126cの1、3−TBS保護体67mgをクロロホルム1.5mLに溶解し、これにトリエチルアミン80mgとアセチルクロリド48mg、ジメチルアミノピリジン12mgを加えて室温で5時間攪拌した。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、[A’]が得られた。これをメタノール1.5mLに溶解し、PPTSポリマーを5mg加えて室温で一晩攪拌した。反応液をろ過、ろ液を濃縮し、残さをHPLCで精製すると目的物が得られた。
1H NMR(CDCl3)δ:6.60(d,J=10.7Hz,1H),6.37(d,J=11.1Hz,1H),6.00(d,J=10.7Hz,1H),5.32(s,1H),4.99(s,1H),4.45(br.,1H),4.22(br.,1H),2.56-2.81(m,3H),2.26-2.41(m,4H),1.87-2.07(m,5H),2.04(s,3H),1.19-1.78(m,11H),1.38(s,3H),0.97(d,J=6.4Hz,3H),0.46(s,3H)
[実施例37]
化合物No.1138の製造
実施例36と同様の方法に従い、アセチルクロリドの代わりにブタノイルクロリドを用いて製造した。
1H NMR(CDCl3)δ:6.59(d,J=10.6Hz,1H),6.37(d,J=11.4Hz,1H),6.00(d,J=11.2Hz,1H),5.32(t,J=1.7Hz,1H),4.99(s,1H),4.43(br.,1H),4.22(br.,1H),2.69-2.82(m,2H),2.40-2.62(m,1H),2.24-2.39(m,5H),1.68-2.06(m,6H),1.13-1.65(m,16H),0.97(d,J=6.6Hz,3H),0.93(t,J=7.3Hz,3H),0.46(s,3H)
[実施例38]
ハムスターLPS惹起肺炎症モデル用いた好中球浸潤抑制作用
雄性ゴールデンハムスターを吸入用チャンバー(容量:12リットル)に入れ、超音波ネブライザーにて発生させたLPS(ネブライザー充填濃度:2.0mg/ml)を30分間吸入させ、肺炎症を惹起した。LPSの吸入直後にハロセン麻酔下にて本発明の化合物を20μg/kg経気道投与あるいは経口投与し、24時間後に気管支肺胞洗浄を行って洗浄液中の好中球数を測定した。本発明の化合物を投与しない場合の好中球数をコントロールとし、これに対する好中球数の減少率を%抑制率として示した。
結果を表3(経気道投与)および表4(経口投与)に示す。
本モデルは炎症性肺疾患モデルとして汎用されており(Esbenshade, A.M. ら,ジャーナル・オブ・アプライド・フィジオロジー(J. Appl. Physiol.)、53巻、967−976頁、1982年)、炎症性肺疾患の急性悪化様の病態を示すことが報告されている(Hurlar, L.M. ら,ジャーナル・オブ・アプライド・フィジオロジー(J. Appl. Physiol.)、54巻、1463−1468頁、1983年)。
表3および表4の結果から、本発明の化合物が本モデルにおいて好中球浸潤抑制作用を有することが認められた。以上のことから本発明の化合物は炎症性呼吸器疾患治療剤として有効であることが示された。
[実施例39]
ヒト白血病細胞HL−60細胞に対する分化誘導作用
HL−60細胞は細胞バンクから購入したものを用いた。細胞は継代培養による細胞特性の変化を防ぐため凍結保存ストックとし、実験開始前に解凍して継代培養を始めたものを使用した。継代は、浮遊培養状態の細胞を遠心回収して、新鮮な培養液に1/100程度(1−2×104 cells/ml)の濃度に希釈することで実施した。培養液として10%牛胎児血清を含むRPMI−1640培地を用いた。この継代培養していた細胞を遠心回収して培養液に2×104cells/mlに分散させ、24ウエル培養シャーレに1ml/ウェルで播種した。この系に本発明化合物の1×10-5Mエタノール溶液をウェルあたり1μl添加した(化合物の最終濃度:1×10-8M)。コントロールにはエタノールをウェルあたり1μl添加した。37℃、5% CO2下で4日間培養した後、細胞を遠心回収した。
ニトロブルーテトラゾリウム(以下NBT)還元活性の測定は以下の手順に従って実施した。すなわち、遠心回収した細胞を新鮮な培養液に浮遊させた後、NBT0.1%、12−O−テトラデカノイルホルボール−13−アセテート(以下TPA)100nMとなるように添加し、37℃で25分間インキュベートした後、サイトスピン標本を作製した。風乾後、ケルネヒトロート染色をおこない、光学顕微鏡下でNBT還元活性陽性細胞の比率を求めた。結果を表5に示す。
以上のように、本発明の化合物は腫瘍細胞の分化誘導作用を有することが示された。
[実施例40]
ヒト大腸癌細胞HT−29細胞に対する増殖抑制作用
HL−29細胞は細胞バンクから購入したものを用いた。細胞は継代培養による細胞特性の変化を防ぐため凍結保存ストックとし、実験開始前に解凍して継代培養を始めたものを使用した。継代は、浮遊培養状態の細胞を遠心回収して、新鮮な培養液に1/100程度(1−2×104 cells/ml)の濃度に希釈することで実施した。培養液として10%牛胎児血清を含むRPMI−1640培地を用いた。この継代培養していた細胞を遠心回収して培養液に2.5×103cells/mlに分散させ、直径35mmのシャーレに2ml/シャーレで播種した。この系に本発明化合物として化合物No.1126bの1×10-4〜1×10-3Mエタノール溶液をシャーレあたり2μl添加した(化合物の最終濃度:1×10-7〜1×10-6M)。コントロールにはエタノールをシャーレあたり2μl添加した。37℃、5% CO2下で10日間培養した後、培養液を除去してPBSで洗浄し、10%ホルマリン緩衝液で固定した。水洗後、風乾し、クリスタルバイオレット液で染色した。染色後、水洗、風乾させ、コントロールのシャーレの吸光度を100とした相対吸光度を測定して細胞の相対増殖度を求めた。結果を表6に示す。
以上のように、本発明の化合物は腫瘍細胞の増殖を用量依存的に抑制することが示された。
[実施例41]
ラット反復経口投与における血中カルシウム濃度上昇作用
ラットは日本エスタルシーから購入した6週齢の雄性SD系統を用いた。動物飼育用飼料(オリエンタル酵母工業株式会社製、MF)および飲料水(0.4±0.2ppmの次亜塩素酸を処理した井水)は実験期間を通して自由摂取させた。動物は1匹ずつ吊式ラットゲージに収容し、温度24±2℃、湿度55±5%の条件下で飼育した。コントロール群には溶媒(0.1% Triton X−100)を、被験物質として1α、25(OH)2D3 0.1〜0.5μg/kg/日、本発明化合物として化合物No.1126b 2〜10μg/kg/日を2週間経口投与した。最終投与から約24時間後に、エーテル麻酔下でヘパリン加ガラスマイクロキャピラリーを用いて眼底採血し、血漿を得た後、自動分析装置(OLYMPUSモデルAU−600)を用いてカルシウム濃度を測定した。結果を表7に示す。
コントロール群でのカルシウム濃度は約10.7mg/dlであったが、1α、25(OH)2D3投与群では0.5μg/kg/日の投与量で約11.6mg/dlと顕著に上昇した。一方、化合物No.1126b 投与群では、2μg/kg/日の投与量では全くカルシウム濃度の上昇は認められず、10μg/kg/日ではわずかに上昇が認められたものの、統計学的な有意差は認められなかった。
この結果から、本発明化合物の反復経口投与における血中カルシウム濃度上昇作用は、1α、25(OH)2D3に比較して顕著に低減されていることが示された。
[実施例42]
癌細胞腎膜下移植マウスを用いた抗悪性腫瘍作用および血中カルシウム濃度上昇作用
マウスは日本チャールズ・リバーから購入した6週齢の雄性ICR系統を用いた。動物飼育用飼料(オリエンタル酵母工業株式会社製、MF)および飲料水(0.4±0.2ppmの次亜塩素酸を処理した井水)は、実験期間を通して自由摂取させた。動物はポリカーボネート製の飼育ゲージに収容し、温度23±1℃、湿度55±10%の条件下で飼育した。腎膜下へ移植するヒト悪性腫瘍細胞には実施例39で用いたHL−60細胞および実施例40で用いたHT−29細胞を用いた。腎膜下への移植および移植悪性腫瘍細胞凝集塊の増殖抑制作用の評価は、Fingertら(キャンサー・リサーチ(Cancer Res.)、47巻、3824−3829頁、1987年)およびTanakaら(キャンサー・リサーチ(Cancer Res.)、54巻、5148−5153頁、1994年)の方法に従った。マウスには手術の前日に150mg/kgのサイクロフォスファミドを腹腔内投与した。移植するHL−60細胞およびHT−29細胞については、以下の方法によりフィブリン凝集塊を形成させた。すなわち、細胞を遠心回収してリン酸緩衝液で洗浄した後、血清を含まないRPMI−1640培地に浮遊させ、フィブリノーゲン20mg/ml、トロンビン20U/mlを添加して37℃で10分インキュベートした。固形化した細胞凝集塊を接眼マイクロメーター付き実体顕微鏡下で約1.5mm角に細切した。細切した細胞凝集塊は、移植まで氷冷したRPMI−1640培地中で保存した。移植は、ネンブタール麻酔下でマウスの左後背面を約1cm切開し、左腎臓を引き出した状態で腎膜に小さい切れ目を入れ、切れ目から移植針(夏目製作所製)を用いて細胞凝集塊を腎膜下へ挿入することにより実施した。移植翌日から、全動物に対してサイクロスポリンA 100mg/kgを腹腔内投与した。コントロール群には溶媒(0.1% Triton X−100)を、被験物質として1α、25(OH)2D3 1μg/kg/日、本発明化合物として化合物No.1126b 10あるいは20μg/kg/日を2週間経口投与した。最終投与から約24時間後に、ネンブタール麻酔下で心採血を実施して血清を得た後、自動分析装置(日立製作所製7070型)を用いてカルシウム濃度を測定した。さらに心採血後に左腎臓を摘出し、10%中性緩衝ホルマリン液で固定した後、移植悪性腫瘍細胞凝集塊の大きさを実体顕微鏡下でマイクロメーターを用いて計測した。移植細胞凝集塊の大きさの指標にはTumor Area(凝集塊の腎長軸方向のマイクロメーター目盛り×凝集塊の腎短軸方向のマイクロメーター目盛り)を用いた。
血中カルシウム濃度を測定した結果を第1図に、移植悪性腫瘍細胞の増殖抑制作用を検討した結果を第2図(HL−60を移植)および第3図(HT−29を移植)に示す。
第2図および第3図からわかるように、1α、25(OH)2D3投与群ではHL−60細胞、HT−29細胞いずれの場合においても増殖抑制作用が認められたが、第1図に示したように、血中カルシウム濃度はコントロールに比べて顕著に上昇していた。
一方、化合物No.1126b投与群では、HL−60細胞、HT−29細胞いずれの場合においても増殖抑制作用が認められ、かつ図1に示したように、これらの濃度では血中カルシウム上昇作用はわずかしか認められなかった。
以上、実施例39〜42の結果から、本発明の化合物はin vitroにおいて悪性腫瘍細胞の分化誘導作用、増殖抑制作用を有し、in vivoにおいて血中カルシウム濃度上昇作用が1α、25(OH)2D3に比較して顕著に低減されていること、さらに血中カルシウム濃度上昇作用がほとんど認められない用量で移植悪性腫瘍細胞に対する増殖抑制作用を有することが明らかとなった。以上のことから本発明の化合物は悪性腫瘍治療剤として有効であることが示された。
[実施例43]錠剤の製造
1錠が次の組成からなる錠剤を製造した。
化合物No.1144b 50mg
乳糖 230mg
じゃがいもデンプン 80mg
ポリビニルピロリドン 11mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
本発明の化合物(化合物No.1144b)、乳糖およびじゃがいもデンプンを混合し、これをポリビニルピロリドンの20%エタノール溶液に均等に湿潤させ、20メッシュのふるいを通し、45℃で乾燥させ、かつ再び15メッシュのふるいを通した。こうして得られた顆粒をステアリン酸マグネシウムと混和して錠剤に圧縮した。
産業上の利用分野
本発明の上記式[1]で表されるビタミンD3誘導体を有効成分とする薬剤は、炎症性呼吸器疾患の治療のために用いることができる。
また、本発明の上記式[1]で表されるビタミンD3誘導体を有効成分とする薬剤は、悪性腫瘍の治療のために用いることができる。
一方、本発明のビタミンD3誘導体の血中カルシウム濃度上昇作用は、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3と比較して顕著に低減されている。
さらに、本発明の上記式[1]で表されるビタミンD3誘導体は、細胞の成熟および分化の刺激、インターロイキン−2産生阻害などの免疫抑制作用、さらには免疫相乗作用として、殺菌性酸素代謝物の産生および白血球の走化性反応を刺激する作用がある。したがって、本発明のビタミンD3誘導体を有効成分とする薬剤は、乾癬症、関節リューマチ、皮膚炎などの炎症性疾患および自己免疫性疾患、感染症の化学療法における補助剤、単核食細胞が関連する治療様相における治療剤となりうる。
このほか、本発明のビタミシD3誘導体を有効成分とする薬剤は、高血圧症の治療、真性糖尿病の治療、毛髪成長の促進、アクネ、骨粗鬆症の治療のためにも用いることができる。
Claims (13)
- 下記一般式[1]
[式中、Zは[1a]または[1b]を表す。R1、R2、R5、R6、R7、R8、およびR10はいずれも水素原子を表す。R3、R4は、同一もしくは異なり、水素原子、水酸基、または水酸基で置換されていてもよいC1〜C7アルキル基を表す。R9は水素原子またはC1〜C7アルキル基を表す。A、Bはいずれも水素原子を表すか、どちらか一方が水素原子を表し、他方が水酸基を表すか、あるいは両者一緒になって単結合を表し、明示された単結合と共に二重結合を形成する。X、Yは両者一緒になって、それらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を表すか、どちらか一方が水素原子を表し、他方が水酸基を表す。nは0から2の整数を表し、mは0から2の整数を表す。]
で表されるビタミンD3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物。 - 上記式[1]において、Zが[1a]である、請求の範囲第1項に記載のビタミンD3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物。
- 上記式[1]において、Zが[1b]である、請求の範囲第1項に記載のビタミンD3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物。
- 上記式[1]において、A、Bがいずれも水素原子であるか、A、Bが一緒になって単結合を表し、明示された単結合と共に二重結合を形成する、請求の範囲第1項から第3項のいずれかに記載のビタミンD3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物。
- 上記式[1]において、mが0または1である、請求の範囲第1項から第4項のいずれかに記載のビタミンD3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物。
- 上記式[1]において、nが0または1である、請求の範囲第1項から第5項のいずれかに記載のビタミンD3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物。
- 請求の範囲第1項から第6項のいずれかに記載のビタミンD3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物と製薬学的に許容される担体とからなる医薬組成物。
- 請求の範囲第1項から第6項のいずれかに記載のビタミンD3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する、炎症性呼吸器疾患治療剤。
- 炎症性呼吸器疾患が、急性上気道感染症、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、慢性下気道感染症、肺気腫、肺炎、喘息、肺結核後遺症、急性呼吸窮迫症候群、および肺線維症からなる群から選ばれる1種または2種以上の疾患である、請求の範囲第8項に記載の炎症性呼吸器疾患治療剤。
- 炎症性呼吸器疾患が、かぜ、急性咽頭炎、急性鼻炎、急性副鼻腔炎、急性扁桃炎、急性喉頭炎、急性喉頭蓋炎、および急性気管炎からなる群から選ばれる1種または2種以上の疾患である、請求の範囲第8項に記載の炎症性呼吸器疾患治療剤。
- 炎症性呼吸器疾患が、慢性気管支炎、びまん性汎細気管支炎および気管支拡張症からなる群から選ばれる1種または2種以上の疾患である請求の範囲第8項に記載の炎症性呼吸器疾患治療剤。
- R3は水酸基を表し、R4は水酸基で置換されていてもよいC1〜C7アルキル基を表し、A、Bは両者一緒になって単結合を表し、X、Yは両者一緒になって、それらが結合する炭素原子とともにカルボニル基を表し、mは0または1を表すものである請求の範囲第2項に記載のビタミンD3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する、悪性腫瘍治療剤。
- 請求の範囲第項1から第6項のいずれかに記載の活性型ビタミンD3誘導体の1位および3位の水酸基がトリ(C1〜C7アルキル)シリル基で保護されたものに相当するビタミンD3誘導体を、テトラフルオロボレートアルカリ金属塩と鉱酸の組み合わせからなる試剤で脱保護することを特徴とする、請求の範囲第1項から第6項のいずれかに記載の活性型ビタミンD3誘導体の製造法。
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