JP3991940B2 - エンジン制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン制御装置、特に、吸気弁及び排気弁のバルブオーバラップを変更可能なエンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のエンジン制御装置では、エンジン始動時のHC排出量低減のため、燃料噴射弁付近の吸入負圧の発達を促進して燃料気化を向上する制御が行われている。エンジン回転数の上昇速度を大きくすることにより吸気負圧の発達を促進することができるが、この場合、初爆後にエンジン自身の発生トルクによりピーク回転数が過上昇し、過度な吹き上がり感やエンジン騒音が発生するという点において、エンジンの運転性が悪化する虞がある。
【0003】
特許文献1には、エンジンの始動時においてエンジン回転数の上昇を向上させる制御装置が記載されている。このエンジン制御装置では、クランキングの初期において吸気弁閉時期を下死点よりも進角させ、実圧縮比を下げてクランキング回転数を早期に上昇させるとともに、クランキング回転数上昇後には、吸気弁閉時期を遅角させ、実圧縮比を上昇させて初爆を確実にしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−276446号公報(第11頁、第10図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載のエンジン制御装置では、初爆前に吸気弁閉時期を遅角させて実圧縮比が高くなる設定にし、初爆を確実に行えるようにしているが、初爆後にエンジン回転数を抑制する手段を有しておらず、実圧縮比が高い設定でエンジン回転数が上昇すると、ピーク回転数が過上昇してしまう虞がある。そして、ピーク回転数の過上昇により、前述したように、過度な吹き上がり感やエンジン騒音が発生するという点において、エンジンの運転性が悪化する虞がある。
【0006】
本発明の目的は、車両のエンジンの始動時において、HC排出量の低減とエンジンの運転性とを両立させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエンジン制御装置は、吸気弁及び排気弁のバルブオーバラップを変更可能なエンジンの制御装置であって、条件判定手段と弁制御手段とを備えている。条件判定手段は、エンジン始動開始後にエンジン回転数が所定回転数を上回ったか否かを判定する。弁制御手段は、エンジン始動開始時に、バルブオーバラップが通常運転時に比較して大きくなるように吸気弁又は排気弁のバルブタイミングを設定し、所定条件を満たしたときに、バルブオーバラップが小さくなるように吸気弁又は排気弁のバルブタイミングを設定する。条件判定手段における所定回転数は、所定条件を満たす前のエンジン運転状態での推定ピーク回転数と、エンジン運転性を悪化させない限界のエンジン回転数である上限目標回転数とに基づいて設定される。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、エンジンの始動開始時にバルブオーバラップを通常運転時よりも大きく設定し、クランキング時のポンプ損失を低減させ、クランキング時及び初爆後の回転数を速やかに上昇させることにより、吸気負圧の発達が促進されて燃料気化が向上し、エンジンからのHC排出量を低減できる。また、所定条件を満たしたときには、バルブオーバラップを小さく設定してポンプ損失を大きくし、エンジンのピーク回転数が過度に上昇しないように抑制することにより、ピーク回転数の過上昇に起因するエンジンの運転性の悪化を抑制し得る。
【0009】
この結果、エンジン始動時において、HC排出量の低減とエンジンの運転性とを両立することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(1)第1実施形態
(1−1)構成
図1は、第1実施形態に係るエンジン制御装置が適用された車両のエンジンの概略図である。
【0011】
エンジン本体1には、燃焼室1aと、燃焼室1aに連通する吸気ポート2a及び排気ポート3aとが形成されている。燃焼室1aの上部中央には点火コイル9によって点火される点火プラグ10が装着されている。点火コイル9は、後述するコントロールユニット(ECU)13からの信号で駆動される。吸気ポート2a及び排気ポート3aの燃焼室1aの開口部には、吸気及び排気の流入出を制御する吸気弁2b及び排気弁2bが配置されている。
【0012】
吸気弁2b及び排気弁3bは、弁駆動機構2c及び3cよってそれぞれ開閉される。吸気弁2bを開閉させる弁駆動機構2cは、吸気弁2bのリフト中心角を図2に示すように変更する位相可変機構が設けられている。このような位相可変機構は、例えば特開2002−295290号公報に記載されているものを使用する。
【0013】
吸気ポート2aの吸気弁2bの上流側近傍には、コントロールユニット13からの駆動信号に基づいて吸気ポート2a内に燃料を噴射供給する燃料噴射弁8が設けられている。エンジン本体1の下部には、クランク軸の回転を開始させるスタータモータ19が配置されている。スタータモータ19は、車室内のキースイッチに設けられるスタータスイッチ18からの信号に基づいてコントロールユニット13から出力される駆動信号により駆動される。さらに、エンジン本体1には、エンジン回転数Nを検出するためのクランク角センサ11、冷却ジャケット内の水温Twを検出する水温センサ12が設けられている。
【0014】
エンジン本体1の吸気ポート2aには吸気通路2が連結されている。吸気通路2には、吸入空気を浄化するエアクリーナ4、吸気量Qを検出するエアフローメータ5、吸気量Qを制御するスロットル弁6が配置されている。エアクリーナ4には、吸気温センサ20が配置されており、吸気温度Tairがコントロールユニット13に出力される。エアフローメータ5は、吸気量Qを検出してコントロールユニット13に出力する。スロットル弁6には、スロットル開度TVOを検出するためのスロットルセンサ6aが設けられている。また、スロットル弁6の下流には容積の大きいコレクタ7が連結されており、スロットル弁6をバイパスしてスロットル弁6の上流側からコレクタ7に連結されるバイパス通路14が設けられている。バイパス通路14には、通過する空気量を制御するためのアイドル制御弁14aが介装されている。アイドル制御弁14aは、コントロールユニット13からの信号によりエンジン始動時の吸気量Qを制御する。本実施形態では、アイドル制御弁14aによりエンジン始動時の吸気量Qを制御するが、スロットル弁6が電磁式である場合には、エンジン始動時の吸気量Qをスロットル弁6により制御し、バイパス通路14及びアイドル制御弁14aを省略しても良い。
【0015】
コントロールユニット13は、CPU、ROM、RAM及び入出力ポートを備えたマイクロコンピュータを内蔵しており、エアフローメータ5からの吸気量Q、スロットルセンサ6aからのスロットル開度TVO、スタートスイッチ18からのスタート信号、水温センサ12からの水温Tw、吸気温センサ20からの吸気温度Tair、クランク角センサ11からのエンジン回転数Nの各種信号を読み込み、エンジンの回転を制御する。
【0016】
(1−2)エンジンの始動制御
図3乃至図5は、エンジン始動制御のフローチャートである。図6は、推定ピーク回転数Np算出の説明図である。図7及び図8は、エンジン始動時の各特性値の変化を示すタイムチャートである。図7及び図8において、Iは本実施形態の場合の各特性値の変化であり、IIは比較のための特性値の変化であり、始動時からエンジン回転数を抑制した場合の変化である。
【0017】
ステップS1では、エンジンが運転中か否かを判別する。エンジンが運転中でなければ(図7の時刻t=t1より前)ステップS12に移行し、始動時用バルブタイミングに設定する。即ち、リフト中心角をθ1に設定する(図7(d))。このとき、図2に示すように、リフト中心角をθ1では、吸気弁開時期をIVO1は上死点TDCより進角し、吸気弁2b及び排気弁3bのバルブオーバラップφ1は通常運転時よりも大きくなる(図7(e))。例えば、IVO1の上死点TDCからの進角量を5度以上、バルブオーバラップφ1を30度以上に設定する。
【0018】
ステップS13では、ステップS12で設定したバルブタイミングと実際のバルブタイミングとの偏差が所定値以下になっているか否かを判別し、偏差が所定値以下になっていればリターンし、偏差が所定値以下になっていなければステップS14に移行し、リフト中心角がθ1に近づくように補正する。
【0019】
ステップS12〜S14のようにエンジン運転前に、バルブオーバラップφ1を通常運転時よりも大きく設定することにより、クランキング時及び初爆後においてエンジン回転数NがIIの曲線に比較して速やかに上昇する(図7(a)、(b))。上昇速度ΔNが大きくなることにより、燃料噴射弁8近傍の吸入負圧Pbの発達が促進され(図7(c))、燃料気化が向上し、気化せずに壁流となる燃料の割合を減少させることができる。この結果、図8に示すように、燃料噴射弁8近傍の混合気中の実空燃比A/Fが設定値に十分近いものとなり、壁流分を考慮しての燃料増量を減らすことが可能となり、HC排出量を低減できる。
【0020】
ステップS1においてエンジンが運転中であると判別した場合には、ステップS2に移行する。ステップS2では、現状のバルブタイミングを検出する。ステップS3では、エンジン回転数N、上昇速度ΔN、吸気量Q、吸気負圧Pb、水温Tw、吸気温度Tairを検出する。
【0021】
ステップS4では、エンジン回転数Nがピーク回転数Npに未到達か否かを判別する。具体的には、エンジン回転数Nが後述する制御開始回転数Nsになった時点(時刻t4)から所定時間T0が経過したか否かで判別する。所定時間T0は、エンジン回転数Nがピーク回転数Npを経過するのに十分な長さとする。なお、エンジン回転数Nがピーク回転数Npに未到達か否かは、エンジン回転数Nと目標アイドル回転数Naとの偏差が所定値以下になったか否かによって判別しても良い。即ち、偏差が所定値を超えている場合には、エンジン回転数Nがピーク回転数Npに未到達であり、偏差が所定値以下である場合には、エンジン回転数Nがピーク回転数Npに到達済みであると判別しても良い。
【0022】
ステップS4においてエンジン回転数Nがピーク回転数Npに未到達である場合にはステップS5に移行する。
【0023】
ステップS5では、推定ピーク回転数Npを算出する。図4は、ステップS5の推定ピーク回転数Np算出の具体的な処理を示すフローチャートである。
【0024】
ステップS21では、エンジン回転数N、回転上昇速度ΔN、水温Tw、バルブタイミングから、現時点(図6の時刻t0)における発生トルクTiを算出する。ステップS22では、エンジン回転数N、水温Tw、バルブタイミングに基づいて、エンジンの回転維持に必要なエンジン負荷としてのフリクショントルクTfを算出する。ステップS23では、発生トルクTi=フリクショントルクTfか否かを判別する。即ち、上昇速度ΔN=0となり、エンジン回転数Nがピーク回転数Npになったか否かを判別する。発生トルクTi=フリクショントルクTfになっていなければステップS24に移行する。ステップS24では、エンジン回転数Nを上昇させる余裕トルクTi−Tfを算出し、微小時間後の上昇速度ΔN、エンジン回転数Nを算出し、これらのΔN、Nを用いてステップS21、S22の計算を繰り返す。ステップS23でTi=TfとなるまでステップS21、S22の計算が微小時間ごとに繰り返し、図6(b)の曲線Ti、Tf(θ=θ1)のように発生トルクTi及びフリクショントルクTfが求められる。ステップS23でTi=TfとなるとステップS25に移行し、このときのエンジン回転数Nをピーク回転数Npと推定する。ここでは、エンジン回転数N及び上昇速度ΔNに加え、水温Twを考慮して推定ピーク回転数Npを推定したが、さらに油温や吸気温度Tairを考慮して推定ピーク回転数Npを推定するようにしても良い。
【0025】
ステップS6では、推定ピーク回転数Npを上限目標回転数Nmと比較する。ここで、上限目標回転数Nmは、エンジンの運転性を悪化させない、すなわち、過度な吹き上がり感やエンジン騒音を発生させない限界のエンジン回転数である。推定ピーク回転数Npが上限目標回転数Nm以下である場合には、エンジン回転数Nを抑制する必要がないためステップS1にリターンする。一方、図6(a)に実線で示すように推定ピーク回転数Npが上限目標回転数Nmを超えている場合には、エンジン回転数Nを抑制してピーク回転数Npを下げる必要があるためステップS7に移行する。
【0026】
以下、図6(a)において、ピーク回転数Npを上限目標回転数Nmまで抑制する処理を以下に説明する。
【0027】
ステップS7では、エンジン回転数抑制制御を開始する制御開始回転数Nsを算出する。図5は、制御開始回転数Ns算出の処理を示すフローチャートである。
【0028】
ステップS31では、推定ピーク回転数Npと上限目標回転数Nmとの差に基づいて、推定ピーク回転数Npを上限目標回転数Nmに抑制するために必要な要求トルク低下代ΔTを算出する。ステップS32では、図9に示すようなバルブオーバラップの変化に対するフリクショントルクの感度のMAPに基づいて、バルブタイミング変更時における微小時間ごとのフリクショントルクを算出する。ステップS33では、要求トルク低下代ΔT、フリクショントルクTfにバルブタイミング変更の応答性(バルブタイミングを目標値に設定してから実際に目標値に到達するまでの応答遅れ)を考慮して、制御開始回転数Nsを算出する。
【0029】
ステップS8では、エンジン回転数Nが制御開始回転数Nsに到達したか否かを判別する。エンジン回転数Nが制御開始回転数Ns未満であればリターンし、エンジン回転数Nが制御開始回転数Ns以上であればステップS9に移行する。
【0030】
ステップS9では、要求トルク低下代ΔTに基づいて、バルブオーバラップの目標値φ2を算出する。バルブオーバラップの目標値φ2は、図2に示すように初期値φ1よりも小さく、ポンプ損失(フリクショントルク)を増加させてピーク回転数Npを上限目標回転数Nmまで抑制できるような値である。そして、目標オーバラップφ2に対応する吸気弁2bの目標リフト中心角θ2を算出する。
【0031】
ステップS10では、吸気弁2bのリフト中心角をθ2に設定する。ステップS11では、目標リフト中心角θ2と実際のリフト中心角との偏差が所定値以下になっているか否かを判別する。偏差が所定値以下であればリターンし、偏差が所定値以下でなければステップS16に移行し、リフト中心角がθ2に近づくように補正する。
【0032】
このようにリフト中心角をθ2に設定してバルブオーバラップをφ2に減少させることにより、ポンプ損失が増大し、図6(b)に示すようにフリクショントルクTfが増加し、ピーク回転数Npが上限目標回転数Nmまで抑制される(図6(a)、図7)。
【0033】
ステップS4において、エンジン回転数Nがピーク回転数Npに到達済みになるとステップS15に移行し、通常運転時のバルブタイミング制御を行う。即ち、図7の時刻t6以降に示すように、リフト中心角をθ2からθ1に進角させ、バルブオーバラップをφ2からφ1に拡大する。
【0034】
(1−3)作用効果
本実施形態に係るエンジン制御装置では、エンジン始動前に吸気弁2bのリフト中心角をθ1に進角させて設定し、バルブオーバラップφを通常運転時よりも大きなφ1にするので、エンジン始動初期にポンプ損失(フリクショントルク)が小さくなり、クランキング時及び初爆後にエンジン回転数Nが速やかに上昇する。上昇速度ΔNが大きくなることにより、燃料噴射弁8近傍の吸入負圧Pbの発達が促進され、燃料気化が向上し、気化せずに壁流となる燃料の割合が減少させることができる。この結果、燃料噴射弁8近傍の混合気中の実空燃比A/Fが設定値に十分近いものとなり、壁流分を考慮しての燃料増量を減らすことが可能となり、HC排出量を低減できる。
【0035】
一方、エンジン回転数Nが制御開始回転数Nsに到達すると、吸気弁2bのリフト中心角をθ2に遅角させ、バルブオーバラップをφ1からφ2に減少させることにより、ポンプ損失(フリクショントルク)を増加させて上昇速度ΔNを抑制し、ピーク回転数Npを上限目標回転数Nm以下に抑制するので、ピーク回転数Npの過上昇に伴う過度な吹き上がり感やエンジン騒音を抑制し、運転性の悪化を防止することができる。
【0036】
このように、本実施形態に係るエンジン制御装置によれば、エンジン始動時において、HC排出量の低減と運転性とを両立させることができる。
【0037】
さらに、エンジン回転数Nがピーク回転数Npに到達した後には、図7(d)、(e)に示すように吸気弁2bの中心角θをθ1、バルブオーバラップφをφ1に戻すので、エンジン回転数Nがピークを経過して運転性悪化の可能性が低くなった後は、フリクショントルクを抑えてエンジンを回転させることができる。
【0038】
なお、上記では、エンジン回転数が制御開始回転数Nsに到達した場合に、オーバラップを減少させる制御を開始したが、エンジン始動開始時t1から所定時間が経過したことを条件に、オーバラップを減少させる制御を開始しても良い。
【0039】
(2)第2実施形態
図10は、第2実施形態に係るエンジン制御装置が適用された車両のエンジンの概略図である。第1実施形態では、位相可変機構により吸気弁2bのリフト中心角を変更してポンプ損失(フリクショントルク)を変更したが、本実施形態では、吸気弁2dを電磁駆動機構2dにより開閉する。電磁駆動機構2dによれば、吸気弁開閉時期を独立に設定することができる。このような電磁駆動機構は、例えば、特開2002−115515号公報に記載されているものを使用する。本実施形態では、図11に示すように、エンジン回転数Nが制御開始回転数Nsに到達するまでは、吸気弁開時期をIVO1に設定することによりバルブオーバラップを通常運転時よりも大きいφ1とする。その後、エンジン回転数Nが制御開始回転数Nsに到達すると、吸気弁開時期をIVO2に遅角させてバルブオーバラップをφ2に減少させる。このように吸気弁開時期をIVO1からIVO2に遅角させてバルブオーバラップをφ1からφ2に減少させることにより、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。本実施形態のエンジン始動制御のフローチャートは、図3〜図5に示すフローチャートとほぼ同様である。但し、本実施形態の場合は、ステップS9において目標バルブタイミングとして吸気弁開時期IVO2を求め、ステップS10において吸気弁開時期をIVO2に設定する。また、ステップS12において始動時用バルブタイミングとして吸気弁開時期をIVO2に設定する。また、ステップS15において通常運転時のバルブタイミングとして吸気弁開時期をIVO2に設定する。
【0040】
また、本実施形態では、電磁駆動機構2dによる吸気弁開時期を制御してバルブオーバラップを変更するので、バルブタイミング変更の応答遅れを考慮する必要がなく、バルブオーバラップを極めて短い時間で目標値に変更することができる。このため、バルブオーバラップの変更制御を開始する時期を上記実施形態の場合よりも遅らせることができ、制御開始回転数Nsをより高く設定することができる。この結果、エンジン回転数Nをより長い時間上昇させて吸気負圧Pbをさらに発達させ、HC排出量をさらに低減することができる。
【0041】
(3)第3実施形態
図12は、第3実施形態に係るエンジン制御装置が適用された車両のエンジンの概略図である。第1実施形態では、排気弁3bのリフト中心角は変更せず、位相可変機構により吸気弁2bのリフト中心角を変更することによりポンプ損失(フリクショントルク)を変更したが、本実施形態では、吸気弁2b及び排気弁3bのリフト中心角を共に変更する。図12において、吸気弁2b及び排気弁3bをそれぞれ開閉する弁駆動機構2c及び3dには共に位相可変機構が設けられており、リフト中心角を変更できるように構成されている。
【0042】
本実施形態では、図13に示すように、エンジン回転数Nが制御開始回転数Nsに到達するまでは、吸気弁2b及び排気弁3bのリフト中心角をそれぞれθ1及びθ4に設定することによりバルブオーバラップを通常運転時よりも大きいφ1とする。その後、エンジン回転数Nが制御開始回転数Nsに到達すると、吸気弁2bのリフト中心角をθ3に遅角し、排気弁3bのリフト中心角をθ5に進角させ、バルブオーバラップをφ1からφ2に減少させることにより、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0043】
本実施形態のエンジン始動制御のフローチャートは、図3〜図5に示すフローチャートとほぼ同様である。但し、本実施形態の場合は、ステップS9において目標バルブタイミングとして吸気弁2b及び排気弁3bのリフト中心角θ3及びθ5を求め、ステップS10において吸気弁2b及び排気弁3bのリフト中心角をθ3及びθ5に設定する。また、ステップS12において始動時用バルブタイミングとして吸気弁2b及び排気弁3bのリフト中心角θ1及びθ4に設定する。また、ステップS15において通常運転時のバルブタイミングとして吸気弁2b及び排気弁3bのリフト中心角θ1及びθ4に設定する。
【0044】
また、本実施形態では、吸気弁2b及び排気弁3bのリフト中心角の両方を同時に変更してバルブオーバラップを変更するので、吸気弁2bのリフト中心角のみを変更する第1実施形態の場合よりも短い時間でオーバラップを変更することができる。このため、制御開始回転数Nsを第1実施形態の場合よりも高く設定することができ、エンジン回転数Nをより長い時間上昇させて吸気負圧Pbをより発達させ、第1実施形態の場合よりもHC排出量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るエンジン制御装置が適用された車両のエンジンの概略図。
【図2】第1実施形態に係るバルブタイミングの説明図。
【図3】エンジン始動制御のフローチャート。
【図4】推定ピーク回転数Np算出のフローチャート。
【図5】制御開始回転数Ns算出のフローチャート。
【図6】推定ピーク回転数Npを算出する方法の説明図。
【図7】エンジン始動時の各特性値の変化を示すタイムチャート。
【図8】エンジン始動時の各特性値の変化を示すタイムチャート。
【図9】バルブオーバラップに対するフリクショントルクの感度を示すマップ。
【図10】第2実施形態に係るエンジン制御装置が適用された車両のエンジンの概略図。
【図11】第2実施形態に係るバルブタイミングの説明図。
【図12】第3実施形態に係るエンジン制御装置が適用された車両のエンジンの概略図。
【図13】第3実施形態に係るバルブタイミングの説明図。
【符号の説明】
1 エンジン本体
2 吸気通路
2a 吸気ポート
2b 吸気弁
2c 弁駆動機構
2d 電磁駆動機構
3 排気通路
3a 排気ポート
3b 排気弁
3c 弁駆動機構
4 エアクリーナ
5 エアフローメータ
6 スロットル弁
6a スロットルセンサ
7 コレクタ
8 燃料噴射弁
9 点火コイル
10 点火プラグ
11 クランク角センサ
12 水温センサ
13 コントロールユニット(ECU)
14 バイパス通路
14a アイドル制御弁
18 スタータスイッチ
19 スタータモータ
20 吸気温センサ
Claims (5)
- 吸気弁及び排気弁のバルブオーバラップを変更可能なエンジンの制御装置であって、
エンジン始動開始後にエンジン回転数が所定回転数を上回ったか否かを判定する条件判定手段と、
エンジン始動開始時に、バルブオーバラップが通常運転時に比較して大きくなるように吸気弁又は排気弁のバルブタイミングを設定し、所定条件を満たしたときに、バルブオーバラップがエンジン始動開始時よりも小さくなるように吸気弁又は排気弁のバルブタイミングを設定する弁制御手段と、を備え、
条件判定手段における所定回転数は、所定条件を満たす前のエンジン運転状態での推定ピーク回転数と、エンジン運転性を悪化させない限界のエンジン回転数である上限目標回転数とに基づいて設定される、エンジン制御装置。 - 推定ピーク回転数は、エンジン回転数、回転数上昇速度及びエンジン負荷に基づいて推定される、請求項1に記載のエンジン制御装置。
- 推定ピーク回転数はさらに水温に基づいて推定される、請求項2に記載のエンジン制御装置。
- 推定ピーク回転数はさらに吸気温度に基づいて推定される、請求項2または3に記載のエンジン制御装置。
- 弁制御手段は、バルブオーバラップを小さく設定した後、再びバルブオーバラップが大きくなるように吸気弁又は排気弁のバルブタイミングを戻す、請求項1から4のいずれかに記載のエンジン制御装置。
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