JP3990495B2 - 波形再生装置および方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフレーズ等の波形データを再生する波形再生装置および方法に関する。
【0002】
フレーズ(楽句、楽節ともいう)は通常ある自然な一区切りのメロディ・ラインあるいはリズム・ライン等の音列を指すが、かかるフレーズを扱う音源では、複数のフレーズを時間的に連続して再生させることで曲を構成することが重要な機能となっている。演奏するフレーズをフレーズ単位でリアルタイムに選択して曲の構成を変えながら演奏する場合には、フレーズとフレーズの間を自然な感じでつなげるためには、現に再生中のフレーズの再生が終わると同時に、次のフレーズの再生の開始を指示する必要がある。
【0003】
しかしながら、こうした操作はフレーズとフレーズの切換えを行う際にその切換えタイミングをかなりシビアな精度で行うことが要求される。このため、演奏者はこのタイミングをとることに注意が奪われ、本来の演奏のほうに神経を十分に集中することができなくなる。
【0004】
このため、フレーズを扱う従来の音源では、前のフレーズをまだ再生している間に次のフレーズの再生指示を与えておき、前のフレーズの再生が終わった時点で自動的に次のフレーズに切り換えて再生を行うという機能を採用しているものもある。
【0005】
しかし、こうした方法は、それぞれのフレーズが小節単位で完結しており、したがってフレーズを小節単位で自動的に切り換えていくという場合には有効であるが、そうでない場合には問題がある。
【0006】
例えば、フレーズの終わりの方でシンバルなどの余韻の長い楽器が演奏された場合、その余韻部分は小節の終わりからはみ出してしまうので、その小節の終わりまででフレーズの波形データを切って記憶してしまうと、その波形データの再生音は不自然なものになってしまう。また、前記のような小節の終わりからはみ出したフレーズについても、その楽音が消音するまでその波形データを記憶してしまうと、そのフレーズのデータを連続して再生したときには、やはり音楽的に不自然なものになってしまう。
【0007】
図7はこの例を示したものである。図7(A)は1小節(4拍分)の音に続けて余韻部分の音が付いている。この元のフレーズを、図7(B)示すように1小節の長さで切ってしまった波形データとして記憶しておくと、この元フレーズに次のフレーズが繋がっている場合には、元フレーズの切り捨てた余韻部分で次のフレーズの再生が始まるので、余韻部分が切り捨てられたことは次のフレーズ音によって目立たなくなり、あまり不自然な音には聴こえないが、元フレーズの後に次のフレーズがないため第1小節の再生終了と同時に終わるような場合には、元フレーズの楽音は最後の余韻の部分がないため急に終わることになり、これにより不自然な音になってしまう。
【0008】
これを解決するためには、図7(A)のように楽音が十分に減衰するまでフレーズの長さを確保する必要があるが、そのようにしてしまうと、今度は図7(A)のフレーズを再生した後に次のフレーズを再生する場合には、次のフレーズの先頭は元フレーズの先頭から1小節(4拍分)を超えた位置となってそこから楽音の再生が始まることになり、この結果、拍のタイミングが乱れて、音楽的に不自然なものになる。
また、図7(B)のような再生も、余韻部分を切り捨てたことは次のフレームの楽音により余り目立たなくなるとはいえ、やはり本来あるべき第1小節の余韻部分が切り取られているものであるから、不自然に聴こえる。
【0009】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な操作で、連続して演奏するフレーズとフレーズとの繋ぎを、先のフレーズの余韻音等を残しつつ且つ曲の拍等も乱さずに、自然な感じで行えるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】
上述の課題を解決するために、本発明に係る波形再生装置は、一つの形態として、
一区切りの音列からなる複数のフレーズについての各フレーズの波形データと、該複数のフレーズのうちの所要のものについて、そのフレーズの時間軸上の位置であって音楽的なタイミングを指定するマークであり、フレーズの終了点を指定するための標識とは異なるものとを記憶することができる記憶手段と、
該複数のフレーズのうち所望のフレーズの再生開始を指示する指示手段と、
該指示手段で再生開始が指示されたフレーズを該記憶手段の該当するフレーズの波形データに基づき再生する再生手段と、
該指示手段でフレーズの再生開始を指示したときに該再生手段で既にフレーズが再生中であれば、当該既に再生中のフレーズに付された上記マークの位置まで待機してから、該指示されたフレーズの再生を当該マークの位置から開始するとともに、当該既に再生中のフレーズは上記マークの位置を経過しても再生を続けるよう制御する制御手段とを備える。
【0011】
上記の波形再生装置では、再生手段により一つのフレーズを再生中に、再生開始指示手段により次のフレーズの再生を開始する指示を受けた場合に、制御手段は、該一のフレーズに付されたマーク位置まで該次のフレーズの再生を待機し、該マーク位置から該次のフレーズの再生を開始するとともに、該既に再生中のフレーズは上記マークの位置を経過しても再生を続ける。よって、簡単な操作で、該一のフレーズに続いて曲の拍等を乱さない適正なタイミングで次のフレーズの再生を開始することができる。
【0012】
また本発明に係る波形再生装置は、他の形態として、
一区切りの音列からなる複数のフレーズについての各フレーズの波形データと、該複数のフレーズのうちの所要のものについて、そのフレーズの時間軸上の位置であって音楽的なタイミングを指定するマークであり、フレーズの終了点を指定するための標識とは異なるものとを記憶することができる記憶手段と、
該複数のフレーズのうち所望のフレーズの再生開始を指示する指示手段と、
複数の発音チャンネルを有し、該指示手段で再生開始が指示されたフレーズを該記憶手段の該当するフレーズの波形データに基づき所要の発音チャンネルを用いて再生する再生手段と、
該指示手段でフレーズの再生開始を指示したときに該再生手段で既にフレーズが再生中であれば、該指示したフレーズの再生を、当該既に再生中のフレーズに付された上記マークの位置まで待機してから、該再生中のフレーズの発音チャンネルとは異なる発音チャンネルを用いて当該マークの位置から開始するとともに、当該既に再生中のフレーズは上記マークの位置を経過しても該再生中の発音チャンネルを用いて再生を続けるよう制御する制御手段と
を備えたものである。
【0013】
上記の波形再生装置では、再生手段により一のフレーズを再生中に、指示手段により次のフレーズの再生を開始する指示を受けた場合に、制御手段は、該一のフレーズに付されたマークの位置まで該次のフレーズの再生を待機し、該マークの位置から該一のフレーズに用いている発音チャンネルとは異なる発音チャンネルを用いて該次のフレーズの再生を開始するとともに、当該既に再生中のフレーズは上記マークの位置を経過しても該再生中の発音チャンネルを用いて再生を続ける。よって、該一のフレーズについてそのマークの位置以降に余韻音等があってもそれを引き続いて再生することができるとともに、次のフレーズについては曲の拍等を乱さない適正なタイミングで再生を開始することが可能となる。
【0014】
また本発明に係る記憶媒体として、一区切りの音列からなるフレーズの波形データと、該フレーズの時間軸上の位置であって音楽的なタイミング(例えば次のフレーズの再生開始点あるいは各拍の先頭)を指定するマークであり、且つ該マークはフレーズの終了点を指定するための標識とは異なるもののデータとの組み合わせからなるフレーズデータを記憶したものを用いることができる。このような特徴を持つフレーズデータを上記波形再生装置でコンピュータ読取りしてその記憶手段にセットすることで、上記波形再生装置でフレーズを上記したように自然な感じで連続的に再生することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図2には本発明の一実施例としての波形再生装置が示される。図2において、CPU1は装置全体の制御を司る中央処理装置であり、例えば後述する操作子群7やパッド群9の操作を検出し、液晶表示器5にパラメータ等を表示し、音源回路10を制御したりする。ROM2はこの装置の制御プログラムや各種テーブル等を格納するリード・オンリー・メモリ、RAM3は演奏データ等を格納したり作業用メモリとして使用されるランダム・アクセス・メモリである。
【0016】
液晶表示器5は各種パラメータを表示するための表示器、LCDインタフェース回路4は液晶表示器5の点灯制御を行う回路である。操作子群7は例えばカーソルキー、データノブなどの各種パラメータ等を設定するなどのために用いるもの、操作子制御回路6は操作子群7の設定状態の検知等を行うものである。パッド群9は演奏するフレーズの種類とその演奏のオン/オフ(ノートオン/オフ)を指定するもの、パッドスイッチ制御回路8はパッド群9の操作状態の検知等を行うものである。
【0017】
図3にはこの波形再生装置のパネル上に配置される液晶表示器5、操作子群7、パッド群9の詳細構成が示される。図示するように、液晶表示器5には各種パラメータが表示される。例えばパッドパラメータ編集の画面では、フレーズ番号(1〜8の数字)、後述する再生モード、マーカ位置(フレーズの先頭からのサンプル数)のパラメータが表示される。
【0018】
操作子群7はパラメータの選択等に用いるカーソルキー71、選択したパラメータの値の増減を行うデータノブ72などを含む。例えばパラメータの変更は、カーソルキー71を用いて液晶表示器5の画面における目的とするパラメータにカーソルを移動することでそのパラメータを選択し、データノブ72でその選択したパラメータの値を指定するなどの方法をとる。
【0019】
パッド群9は8個のパッド91〜98からなり、各パッドの上面には1〜8の数字が付けられており、これらの各パッド91〜98に各々異なる種類のフレーズが割り当てられる。これらの各パッド91〜98は指等で押して操作するものであり、押している時がノートオン、離すとノートオフとなる。これらのパッド91〜98はフレーズの種類の指定とそのフレーズの演奏指示(ノートオン/オフ)の2つの目的に使用する。パッド91〜98のうちの何れかのパッドを押すと、そのパッドで指定された種類のフレーズの再生が開始されると同時に、液晶表示器5のフレーズ番号のパラメータがその押されたパッドのものに切り換えられ、それによりそのフレーズについて必要なエディットを素早く行うことができる。
【0020】
波形メモリ11は音源回路10が再生するフレーズのデータ(波形データ等)を複数種類記憶しているメモリである。フレーズデータは外部記憶装置(図示しない)からCPU1の制御に従って波形メモリ11に転送される。各フレーズデータはヘッダ部分と波形データ部分とから構成されている。ヘッダ部分には波形データを再生するための後述する各種データが収められている。波形データ部分は従来のサンプラーなどと同様に、16bit /44kHzなどでサンプリングされ量子化された音波形の振幅値データ(サンプル値)が収められている。
【0021】
〔フレーズのヘッダデータ〕
ヘッダデータとしては以下のものがある。以下において左側が変数名、右側がその内容である。
○サンプルレートSR:サンプリングの速度(単位はHz)
○波長WL:1フレーズ分の長さ(単位はサンプル数)
○開始アドレスSA:フレーズの開始点のアドレス
○終了アドレスEA:フレーズの終了点のアドレス
○ループ開始アドレスLSA:フレーズのループ区間の開始点のアドレス
○ループ終了アドレスLEA:フレーズのループ区間の終了点のアドレス
○マークアドレスMA(n):n番目のマークM(n)のアドレス
○マーク数MN:1フレーズ中のマークM(n)の個数
○再生モードPM:フレーズを再生するモードであって、「ループ」「ワンショット」「ループ+ワンショット」の三種類がある。
【0022】
ここで、上記の各アドレスは波形メモリにおける該当位置の波形データ(サンプル値)を格納しているアドレスである。上記のうち、開始アドレスSA、終了アドレスEA、ループ開始アドレスLSA、ループ終了アドレスLEA、マークアドレスMA(n)、再生モードPMについては、ユーザが自由に変更することができる。マーク数MNはマークアドレスMA(n)の指定値に基づいて対応する値に設定される。
【0023】
〔再生モード〕
上記のヘッダデータ中のパラメータ「再生モード」について以下に説明する。これらの再生モードは、パッドで指定されるフレーズ毎に設定されるものであって、図3の液晶表示器5の画面に表示され、それにより操作子群7を用いてそれぞれのフレーズの性格(種類)に適したモードを選択できるようになっている。
【0024】
(1)「ループ」モード
パッドをノートオンするとそのパッドがノートオフされるまでフレーズのループ再生を続けるモードである。これは1フレーズの波形全体が1小節に相当するような場合に適したモードであり、開始アドレスSAから終了アドレスEAまでが繰り返して再生される。
「開始アドレスSA<終了アドレスEA」の関係にある。
【0025】
(2)「ワンショット」モード
パットが押されると一回だけフレーズが再生されるモードである。このモードでは、フレーズの開始アドレスSAから終了アドレスEAまでが、パッドの一回のノートオンに対して一回だけ再生される。
「開始アドレスSA<終了アドレスEA」の関係にある。
【0026】
(3)「ループ+ワンショット」モード
パッドのノートオンにより開始アドレスSAからフレーズの再生が始まった後、パッドのノートオフを受信するまでの間、ループ開始アドレスLSAからループ終了アドレスLEAまでの区間を繰り返して再生し、当該パッドのノートオフを受信した後は現在再生中のアドレス(現アドレスCA)から終了アドレスEAまでを一回だけ再生して終了するモードである。
「開始アドレスSA≦ループ開始アドレスLSA<ループ終了アドレスLEA≦終了アドレスEA」の関係にある。
【0027】
この「ループ+ワンショット」モードでは、「開始アドレスSA=ループ開始アドレスLSA」の場合には、パットのノートオンの後、ループ開始アドレスLSAからループ終了アドレスLEAまでの再生を繰り返し、当該パッドのノートオフで終了アドレスEAまで再生することになる。また、「開始アドレスSA<ループ開始アドレスLSA」であれば、ノートオンの後、開始アドレスSAからループ開始アドレスLSAまでを再生した後、ループ開始アドレスLSAからループ終了アドレスLEAまでの区間の再生を繰り返し、当該パッドのノートオフで終了アドレスEAまでを再生することになる。
【0028】
音源回路10は、サンプラー等の音源回路であり、複数の発音チャンネルを有しており、各発音チャンネル毎にその発音チャンネルを制御するための制御情報を格納するレジスタを備えている。この制御情報としては、発音するフレーズデータを識別するフレーズ識別データ、「ループ」と「ワンショット」の2つの再生モードのうちの何れかを演奏モードとして選択する演奏モードデータなどからなる。ここで、音源回路10の「ループ」「ワンショット」の演奏モードは、前述したフレーズの「ループ」「ワンショット」の再生モードとそれぞれ同じ仕方で波形データを再生するモードである。
【0029】
この音源回路10では、CPU1から、これから使用せんとする発音チャンネルのレジスタに、発音するフレーズデータを識別するフレーズ識別データ、「ループ」「ワンショット」の2つの演奏モードのうち何れかを選択する演奏モードデータを設定することにより、設定されたフレーズ識別データと演奏モードに従ってその発音チャンネルでフレーズデータを再生する。
【0030】
また、発音チャンネルで再生しているフレーズデータの現アドレスCAがヘッダ部に記憶されているマークアドレスMA(n)(その現アドレスCA以降において最も近い位置にあるマークアドレス)に達すると、CPU1に割込み信号INTを出力する。なお、複数のマークアドレスMA(n)が記憶されている場合には、現アドレスCAがそれ以降の位置にあるマークアドレスに達する毎にCPU1に割込み信号INTが出力されるように構成されている。
【0031】
このような構成のため、後述するように、フレーズ1が発音中、例えばフレーズ2のパッドを押すと、そのパットが押されたタイミング以降の最寄りのマークアドレスMA(n)のタイミングからフレーズ2の発音を開始することができる。
【0032】
D/A(ディジタル/アナログ)変換器12は、音源回路10から出力されるフレーズのディジタル波形信号をアナログ信号に変換し、出力回路13に出力する。出力回路13はアナログ信号を増幅する増幅器等の回路からなる。
【0033】
以下、本実施例装置の動作を説明する。
図1には本実施例で用いるフレーズの一例として、フレーズ1とフレーズ2についてその波形データとヘッダデータの各アドレスとの関係が示されされている。図示するように、フレーズ1は、1小節(4拍分)の波形データに音の余韻部分(例えばシンバルの余韻音)の波形データが付加された長さのものであり、フレーズの先頭部分の位置に開始アドレスSAとループ開始アドレスLSAが設定され、1小節の終了部分にループ終了アドレスLEAが設定され、フレーズの最後尾に終了アドレスEAが設定される。さらに、この発明では、2拍目の終了点にマークアドレスMA(1)、3拍目の終了点にマークアドレスMA(2)、4拍目の終了点(小節の終了点)にマークアドレスMA(3)が設定されている。
【0034】
一方、フレーズ2は1小節(4拍分)の長さの波形データからなり、このフレーズ2の先頭部分の位置に開始アドレスSAとループ開始アドレスLSAが、4拍目の終了点(小節の終了点)に終了アドレスEAとループ終了アドレスLEAがそれぞれ設定されている。
【0035】
また、ヘッダデータのうちの各フレーズの再生モードとしては、フレーズ1には「ループ+ワンショット」モード、フレーズ2には「ループ」モードがそれぞれ設定されている。
【0036】
このようなヘッダ情報が設定されている場合、フレーズ1のパッドをノートオンすると、「ループ+ワンショット」の機能により、そのノートオン中はループ開始アドレスLSA(=開始アドレスSA)からループ終了アドレスLEAの区間を繰り返し再生し、パッドをノートオフすると現アドレスCAからループ終了アドレスLEAを超えて終了アドレスEAに至るまでを一回だけ再生して再生終了となる。
【0037】
一方、フレーズ1を再生していない状態でフレーズ2のパッドだけをノートオンすると、「ループ」の機能により、そのノートオン中はループ開始アドレス(=開始アドレスSA)からループ終了アドレスLEA(=終了アドレスEA)の区間を繰り返し再生し、当該パッドをノートオフすると現アドレスCAで再生を終了する。
【0038】
ここで、フレーズ1の再生中にフレーズ2のパッドを押す(ノートオン)ことで、フレーズ2の再生指示が出された場合の動作を、図4を参照して以下に説明する。フレーズ1の再生中に他のフレーズ2の再生の指示を受けると、フレーズ1の現在再生中のアドレス(現アドレスCA)以降でその現アドレスCAに最も近いマークM(n)のマークアドレスMA(n)を検索する。この場合、例えば4拍目の少し後にフレーズ2の再生指示が出されたものとすると、最も近いマークアドレスMA(n)はマークアドレスMA(3)となる。
【0039】
すると、音源回路10は、現在再生中の位置を示す現アドレスCAがマークアドレスMA(3)に等しくなるまで再生を続けながらフレーズ2の再生開始を待ち合わせ、このマークアドレスMA(3)のタイミングで、フレーズ2の再生をそのフレーズ2に割り当てられた発音チャンネルを用いて開始する。一方、フレーズ1はこのマークアドレスMA(n)以降も終了アドレスEAの位置に向かってフレーズ1の最後の余韻音部分が終わるまで再生を続ける。よって、フレーズ1の最後の減衰部分の発音を残しつつ、フレーズ2が音楽的に正確な拍のタイミングにおいて再生開始されることになる。
【0040】
次に、上述の動作を行うためのCPU1による処理手順をフローチャートを用いて説明する。
図5はCPU1によるメインルーチンのフローチャート、図6は音源回路10から割込み信号INTを受信したときにCPU1が行う割込み処理のフローチャートである。
【0041】
このメインルーチンは実施例装置の電源投入とともにスタートする。まず、使用するレジスタのリセット等の初期設定等を行う(ステップS1)。具体的には、パッド91〜98に割り当てられる初期フレーズデータ(波形データ)が、外部記憶装置(図示を省略)から音源回路10を介して波形メモリ11に転送される。その際に、フレーズデータ中のヘッダ部のヘッダデータは、CPU1が発音指示のときに利用できるようRAM3にも記憶される。
【0042】
次いで、パッド91〜98が操作されたかを検出する(ステップS2)。この操作内容としては、パッドを押すノートオン、押したパッドを離すノートオフがある。これらの操作がされていない場合には、操作子検出・設定処理を行う(ステップS3)。この処理は、操作子(カーソルキー71、データノブ72など)の操作状態を検出して、液晶表示器5に表示されているパラメータ等を設定変更するものである。この場合、電源投入時は液晶表示器5には初期設定として例えばパッド91のパラメータが表示されるので、パッド91のパラメータを変更することができる。パッド91〜98が操作された以降は後述するように、操作したパッドのパラメータが液晶表示器5に表示されるので、そのパッドのパラメータを変更することができるようになる。
【0043】
パッド操作が有りと判定された場合には(ステップS2)、その操作がパッドのノートオンかノートオフかを判定する(ステップS4)。ノートオンであった場合には、そのパッドのフレーズを開始する指示となるが、この場合、既に発音中のフレーズがあるか否かで処理の仕方が以下のように分かれる。
【0044】
すなわち、何れかの発音チャンネルがフレーズを既に発音中か否かを判定し(ステップS5)、発音中でなければ、今回初めてパッドが押されたものであるから、そのノートオン操作されたパッドに割り当てられているフレーズのヘッダデータに従って液晶表示器5にパラメータを表示し、それを変更できるようにする(ステップS7)。これとともに、空いている発音チャンネルをそのノートオン操作されたパッドに割り当てられているフレーズの発音に割り当て、そのフレーズデータに基づいて発音開始するよう音源回路10に指示する。
【0045】
一方、何れかの発音チャンネルが発音中であれば(ステップS5)、その発音中のフレーズ(すなわちフレーズ1)に続けて今回再生指示したフレーズ(すなわちフレーズ2)を発音開始することになる。この場合、音源回路10は、まず音源回路10からの割込み信号INTを受け付けることができるように「割込み許可」を設定する(ステップS6)。そして音源回路10では、前述のように発音中の波形データの現アドレスCAがそれ以降で最寄りのマークアドレスMA(n)の位置に達すると、割込み信号INTをCPU1に出力する。
【0046】
CPU1は、この割込み信号INTを受信すると、まずCPU1が音源回路10からの割込み信号INTを受け付けないように設定する(ステップS21)。次いで、そのノートオン操作されたパッドに割り当てられているフレーズのヘッダデータに従って液晶表示器5にパラメータを表示し、それを変更できるようにするとともに(ステップS22)、空いている発音チャンネルをそのノートオン操作されたパッドに割り当てられているフレーズの発音に割り当て、そのフレーズデータに基づいて発音開始するよう音源回路10に指示する(ステップS23)。
【0047】
このとき、音源回路10に演奏モードも設定されるが、そのフレーズの再生モードが「ループ」または「ループ+ワンショット」モードの場合は音源回路10には演奏モードとして「ループ」モードが設定され、再生モードが「ワンショット」の場合には音源回路10には演奏モードとして「ワンショット」が設定される。
【0048】
上記のフレーズ1とフレーズ2の発音指示では、先のフレーズ1の発音と異なる発音チャンネルでフレーズ2の発音を指示するため、先のフレーズ1の発音を途中で停止することなく、次のフレーズ2の発音を行うことができる。
【0049】
一方、前述のステップS4において、パッドの操作がノートオフと判定された場合には、そのパッドに割り当てられたフレーズの消音を行うことになる。この場合、そのパッドに割り当てられたフレーズの再生モードにより消音の仕方が異なってくるので、その再生モードが何であるかを判定する(ステップS9)。これはそのフレーズのヘッドデータのパラメータ「再生モード」により判別できる。再生モードが「ワンショット」である場合には音源回路10の演奏モードもこの「ワンショット」に設定されており、したがって音源回路10がワンショット再生(すなわち終了アドレスEAまで再生)をすると自動的に消音するので、CPU側は特別な処理は行わずに「パッド操作の監視処理」に戻る(ステップS2)。
【0050】
一方、そのフレーズの再生モードが「ループ」である場合には音源回路10の演奏モードもこの「ループ」に設定されており、したがってノートオフ操作されたパットのフレーズが割り当てられた発音チャンネルは、そのフレーズのループ再生をしている最中であるので、ノートオフされた時点でその発音チャンネルを消音するように指示して(ステップS10)、「パッド操作の監視処理」に戻る(ステップS2)。
【0051】
さらに、そのフレーズの再生モードが「ループ+ワンショット」である場合には音源回路10の演奏モードは「ループ」に設定されているが、このノートオフ操作が検出されるとそれに応じてその発音チャンネルの演奏モードを「ループ」から「ワンショット」に変更する(ステップS11)。この後、「パッド操作の監視処理に戻る(ステップS2)。したがって、ノートオフ操作されたパッドのフレーズが割り当てられていた発音チャンネルは、それまでループ再生をしていたものを、そのノートオフ操作以降はフレーズの終了アドレスEAまで一回だけ再生して、自動的に消音を行うことになる。
【0052】
なお、上述の実施例では、外部記憶装置にフレーズデータを記憶しておき、それを実施例装置の波形メモリとRAMとに転記するようにした。この外部記憶装置に用いる記憶媒体としては、フロッピィディスク、ハードディスク、CD、レーザディスク等の各種ディスク、カセットテープ、オープンリールテープ等の各種磁気テープなどの種々のコンピュータ読取り可能な記憶媒体が利用可能である。
【0053】
また、上述の実施例では、フレーズデータとして楽器音(例えばシンバル)を収めたものを利用したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば自然界の自然音などの各種効果音であってもよいことは勿論である。
【0054】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、簡単な操作で、連続して演奏するフレーズとフレーズとの繋ぎを容易にしたり、同じフレーズを使用して余韻を残しつつ終了する場合などに曲の拍等を乱すことなく自然な感じでフレーズとフレーズとを繋ぐことができる。また、さらにフレーズとフレーズとを繋ぐ場合において、先のフレーズの余韻音等を残しつつ且つ曲の拍等も乱さずに、自然な感じで繋ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いるフレーズ1、フレーズ2における波形データと各種のアドレスとの関係を説明する図である。
【図2】本発明の一実施例としての波形再生装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例装置におけるパネル上の表示器、各種操作子、パッドの配置例を示す図である。
【図4】本発明の実施例装置におけるフレーズ1とフレーズ2の再生の仕方を説明するための図である。
【図5】本発明の実施例装置におけるCPUで行われるメインルーチンを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例装置におけるCPUで行われる割込みルーチンを示すフローチャートである。
【図7】従来法によるフレーズ1とフレーズ2の再生の仕方を説明するための図である。
【符号の説明】
1 CPU(中央処理装置)
2 ROM(リード・オンリー・メモリ)
3 RAM(ランダム・アクセス・メモリ)
4 LCDインタフェース回路
5 液晶表示器
6 操作子制御回路
7 操作子群
8 パッドスイッチ制御回路
9 パッド群
10 音源回路
11 波形メモリ
12 D/A変換器
13 出力回路

Claims (3)

  1. 一区切りの音列からなる複数のフレーズについての各フレーズの波形データと、該複数のフレーズのうちの所要のものについて、そのフレーズの時間軸上の位置であって音楽的なタイミングを指定するマークであり、フレーズの終了点を指定するための標識とは異なるものとを記憶することができる記憶手段と、
    該複数のフレーズのうち所望のフレーズの再生開始を指示する指示手段と、
    該指示手段で再生開始が指示されたフレーズを該記憶手段の該当するフレーズの波形データに基づき再生する再生手段と、
    該指示手段でフレーズの再生開始を指示したときに該再生手段で既にフレーズが再生中であれば、当該既に再生中のフレーズに付された上記マークの位置まで待機してから、該指示されたフレーズの再生を当該マークの位置から開始するとともに、当該既に再生中のフレーズは上記マークの位置を経過しても再生を続けるよう制御する制御手段と
    を備えた波形再生装置。
  2. 一区切りの音列からなる複数のフレーズについての各フレーズの波形データと、該複数のフレーズのうちの所要のものについて、そのフレーズの時間軸上の位置であって音楽的なタイミングを指定するマークであり、フレーズの終了点を指定するための標識とは異なるものとを記憶することができる記憶手段と、
    該複数のフレーズのうち所望のフレーズの再生開始を指示する指示手段と、
    複数の発音チャンネルを有し、該指示手段で再生開始が指示されたフレーズを該記憶手段の該当するフレーズの波形データに基づき所要の発音チャンネルを用いて再生する再生手段と、
    該指示手段でフレーズの再生開始を指示したときに該再生手段で既にフレーズが再生中であれば、該指示したフレーズの再生を、当該既に再生中のフレーズに付された上記マークの位置まで待機してから、該再生中のフレーズの発音チャンネルとは異なる発音チャネルを用いて当該マークの位置から開始するとともに、当該既に再生中のフレーズは上記マークの位置を経過しても該再生中の発音チャンネルを用いて再生を続けるよう制御する制御手段と
    を備えた波形再生装置。
  3. 一区切りの音列からなるフレーズについて、そのフレーズの時間軸上の位置であって音楽的なタイミングを指定するマークであり、フレーズの終了点を指定するための標識とは異なるものを付し、一のフレーズを再生中に次のフレーズの再生を開始する指示を受けた場合に、該一のフレーズに付された該マークの位置まで該次のフレーズの再生を待機して該マークの位置から再生開始するとともに、該一のフレーズの再生も継続するようにした波形再生方法。
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