JP3989811B2 - 副変速機構付き変速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力軸部材と出力軸部材との間の変速を行う変速機に関し、更に詳しくは、通常の主変速により得られる変速段全体を高低二段階に設定し得る副変速機能を備えた副変速機構付き変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両等に搭載される変速機(トランスミッション)は、エンジン等の原動機に繋がる入力軸部材(メインシャフト)と、これと平行に設けられた出力軸部材(カウンタシャフト)との間に入力軸部材の回転動力を変速して出力軸部材に伝達する主変速切り換え手段を有した構成となっている。この主変速切り換え手段は複数のギヤ列から構成される有段変速式のほか、両軸それぞれに取り付けられたプーリの間にベルト部材を掛け渡して構成され、プーリの間隔を変化させて無段階の変速を行う無段変速式ものとがある。また、有段変速式の変速機では、走行状態に応じた最適ギヤの選択を運転者自身がレバー操作により行うマニュアル式のほか、センサ等により走行状態(エンジン負荷や車速など)を検知して油圧によりクラッチやブレーキ等を作動させることにより最適ギヤが自動で選択されるようにしたオートマチック式が知られている。
【0003】
図3は従来の変速機としての車両用マニュアル式変速機の構成の一例をスケルトン図により示したものである。この例における変速機では、メインシャフト(入力軸部材)101とカウンタシャフト(出力軸部材)102との間にこれら両シャフト101,102を選択的に連結させる複数のギヤ列(第1速ギヤ列111、第2速ギヤ列112、第3速ギヤ列113、第4速ギヤ列114、第5速ギヤ列115、リバースギヤ列116)及びシンクロメッシュ機構(同期機構)121,122,123が配置されており、運転席に設けられたチェンジレバー(図示せず)の操作によりシンクロメッシュ機構121,122,123のスリーブ131,132,133を移動させ、所望の変速比に対応するギヤ列によりメインシャフト101とカウンタシャフト102とを連結させて変速を行う構成となっている。なお、この例はFF(フロントエンジン・フロントドライブ)タイプの四輪駆動車(フルタイム4WD車)用であり、車両の前輪(図示せず)はカウンタシャフト102によりファイナルギヤ列117を介して駆動されるフロントディファレンシャル機構140及びフロントアクスルシャフト141を介して、また後輪(図示せず)はカウンタシャフト102によりトランスファシャフト駆動ギヤ列118を介して駆動されるトランスファシャフト103、トランスファ119、リアアクスルプロペラシャフト104、リアアクスルシャフト(図示せず)を介してそれぞれ駆動されるようになっている。
【0004】
また、積載量の大きい大型のトラックやバス等においては、副変速機構を備えた変速機が搭載される場合もある(例えば、後記の特許文献1参照)。このような副変速機構付きの変速機では、通常の変速機(副変速機構を備えていない変速機)に追加する形で組み込むことが可能であり、メインシャフトに伝わった原動機の動力を迂回させた形でカウンタシャフトに伝達させることにより、主変速段全体を高低二段階に設定る副変速機能を有するものである。このような副変速機構付き変速機では、例えば1速から5速まである主変速段の全てを副変速機構により高低切り換えできる場合には高速5段(主に普通路走行用)と低速5段(主に不整地走行用)との都合10速が得られることとなり、走行状態に応じたより最適な変速比で走行することができるようになる。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−277889号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような副変速機構付き変速機には、以下のような問題点もあった。先ず、このような副変速機構はベースとなる変速機(主変速機構のみの変速機に相当)におけるメインシャフト及びカウンタシャフトの端部に追加して設けられるケースが多いため、全長(変速機のシャフト方向の寸法)が大きくなってしまうという問題があった。これは、変速機のシャフトが車両の前後方向に向くように搭載されるFR(フロントエンジン・リアドライブ)車用の変速機ではこのような全長の制約が少ないために特に問題はないが、シャフトが車両の幅方向に向くように搭載されて全長の制約の大きいFF車用の変速機では搭載ができないなどの問題があった。このためFF車用では、あまり全長を拡大させることなく追加組み込みのできる超低速段(超低速前進及び後退)と呼ばれる減速部をメインシャフト及びカウンタシャフトの端部(エンジンが配置されるのとは反対側の端部)に追加できるに止まっていた。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、変速機の全長をあまり増大させずに副変速機構を組み込むことができ、FF車用の変速機としても十分に実用化が可能な構成の副変速機構付き変速機を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る副変速機構付き変速機は、原動機(例えば、実施形態におけるエンジンEG)に繋がる入力軸部材(例えば、実施形態におけるメインシャフト21)と、入力軸部材と平行に設けられた出力軸部材(例えば、実施形態におけるカウンタシャフト22)と、出力軸部材に対して同軸かつ相対回転自在に設けられ、内部に出力軸部材が貫通する中空状の第1中間軸部材(例えば、実施形態における第1中間シャフト23)と、入力軸部材と第1中間軸部材との間に複数のギヤ列を有し、少なくとも入力軸部材に配置されて複数のギヤ列を選択的に結合する機構によって変速を行う主変速切り換え手段(例えば、実施形態における主変速ギヤ列及び第1〜第3シンクロメッシュ機構S1,S2,S3)と、出力軸部材に対し同軸かつ相対回転自在に設けられ、内部に出力軸部材が貫通する中空状の第2中間軸部材(例えば、実施形態における第2中間シャフト24)と、出力軸部材と平行に設けられ、第1の動力伝達手段(例えば、実施形態において第1副変速ドライブギヤ57と第1副変速ドリブンギヤ58とからなる第1副変速ギヤ列)を介して第1中間軸部材と連結されるとともに第2の動力伝達手段(例えば、実施形態において第2副変速ドライブギヤ59と第2副変速ドリブンギヤ60とからなる第2副変速ギヤ列)を介して第2中間軸部材と連結された第3中間軸部材(例えば、実施形態における第3中間シャフト26)と、出力軸部材を第1中間軸部材及び第2中間軸部材のいずれか一方と選択的に結合することで副変速機構を形成する選択結合手段(例えば、実施形態における副変速用シンクロメッシュ機構S4)とを備える。そして、結合手段のうち入力軸部材に配置されて複数のギヤ列を選択的に結合する機構(例えば、実施形態における第2シンクロメッシュ機構S2)に対向するように、第1の動力伝達手段を第1中間軸部材及び第3中間軸部材に配置する。
【0009】
このような構成の変速機では、原動機の動力は入力軸部材から主変速切り換え手段を介して第1中間軸部材に伝達される。ここで、選択結合手段により出力軸部材がが第1中間軸部材と結合されている場合には、出力軸部材は第1中間軸部材と一体になって回転するため、出力軸部材の回転数は第1中間軸部材の回転数と同じになるが、選択結合手段により出力軸部材が第2中間軸部材と結合されている場合には、入力軸部材から第1中間軸部材に伝達された動力は第3中間軸部材から第2中間軸部材を経て出力軸部材に伝達されるため、出力軸部材の回転数を第1中間軸部材の回転数と異ならせることができる。すなわち、第1中間軸部材と第3中間軸部材との間の変速比及び第3中間軸部材と第2中間軸部材との間の変速比を所望に設定することにより、主変速切り換え手段により得られる変速段全体を高低二段階に設定することができる。
【0010】
このように本発明に係る副変速機構付き変速機では、主変速切り換え手段により得られる変速段全体を高低二段階に設定する副変速を行うことができるのであるが、ベースとなる主変速のみの変速機の出力軸部材に相当する部材が本変速機では出力軸部材及びこれと同軸に設けられて相対移動自在な第1中間軸部材からなるとともに、第2中間軸部材を第1中間軸部材と同じく出力軸部材と同軸かつ相対回転自在に構成しており、ベースとなる主変速のみの変速機に対して新たに増加する軸(軸部材の回転中心としての軸)は第3中間軸部材の軸のみとなっている。このため、ベースとなる変速機に副変速機構を追加設置する際の設計が大変容易であるとともに、既存の設備をそのまま流用することができるので、低コストで生産することが可能となる。また、副変速機構付きでありながら全体として軸数が少ないために構造が簡易で組み立てが容易であり、レイアウトに課せられる制限が少ないので設計の自由度が大きいという利点もある。また、新たに加えられる第3中間軸部材は出力軸部材と平行に設けられればよいので変速機の全長を殆ど増大させることがない。このためFR車のみならずFF車にも搭載することが可能である。
【0011】
また、四輪駆動車に搭載させる変速機のように、出力軸部材に平行な第2出力軸部材(四輪駆動車用であればトランスファシャフトに相当する)が設けられている場合には、上記第3中間軸部材が中空状に形成されるとともに、第2出力軸部材が第3中間軸部材内を通ってこの第3中間軸部材と同軸かつ相対回転自在に設けられた上で、第3の動力伝達手段(例えば、実施形態におけるトランスファシャフトギヤ列)を介して出力軸部材と連結される構成を採ればよい。このような構成であれば、副変速機構に必要な全ての中間軸部材が既存の軸部材(ここでは出力軸部材及び第2出力軸部材)と同軸に設けられるため、副変速機構の追加設置により新たに追加される軸は全くなくなり、本発明により得られる上記効果はより一層大きなものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は本発明に係る副変速機構付き変速機を車両用変速機としてFF車用のフルタイム4WD車に適用した場合の実施形態をスケルトン図により示したものである。この副変速機構付き変速機(以下、単に変速機という)20は、原動機としてのエンジンEGの回転駆動力(トルク)を変速して車両の前輪及び後輪(いずれも図示せず)に伝達するものであり、エンジンEGと変速機20のメインシャフト21との間には、エンジンEGからメインシャフト21への動力伝達を断続するためのクラッチ10が設けられている。
【0013】
クラッチ10は、エンジンEGのクランクシャフトCSに連結されたフライホイール11と、フライホイール11にボルト締めされてフライホイール11と一体となって回転するクラッチカバー12と、クラッチカバー12の内部に設けられたクラッチディスク13、プレッシャプレート14、ダイアフラムスプリング15、メインシャフト21上をスライド移動自在に設けられたレリーズベアリング17及びクラッチカバー12の外部に設けられたレリーズフォーク18等を有して構成されている。
【0014】
クラッチディスク13はメインシャフト21の先端部(図1では右端部)にスプライン結合されており、ダイアフラムスプリング15はクラッチカバー12の内面側に固定された二つのワイヤーリング16に挟持されてクラッチカバー12に取り付けられている。プレッシャプレート14はダイアフラムスプリング15のエンジンEG側の端部(外周側端部)に取り付けられており、常時フライホイール11側に付勢された状態となっている。また、ダイアフラムスプリング15の変速機20側の端部(内周側端部)はレリーズベアリング17のエンジンEG側に対向して位置している。
【0015】
レリーズフォーク18は図示しないクラッチカバー(クラッチ10全体を覆うカバー部材)上の支点18aにおいて揺動自在に支持されており、運転席内のクラッチペダル(図示せず)が踏み込まれたときに図示しないワイヤを介して図1の矢印Aの方向に揺動するように構成されている。ここで、クラッチクラッチペダルが踏み込まれていない状態(図1に示す状態)では、クラッチディスク13はダイアフラムスプリング15により付勢されたプレッシャプレート14によりフライホイール11に押し付けられているため、フライホイール11,クラッチディスク13及びプレッシャプレート14は相互の摩擦力により一体に回転し、エンジンEGの動力はフライホイール11からクラッチディスク13を介してメインシャフト21へと伝達される(クラッチ10の接続状態)。
【0016】
一方、クラッチペダルが踏み込まれている状態では、支点18aを支点に矢印Aの方向に揺動したレリーズフォーク18がレリーズベアリング17を介してダイアフラムスプリング15の内周側端部(変速機20側端部)をエンジンEG側に押圧するため(このときレリーズベアリング17はメインシャフト21上をエンジンEG側へスライド移動している)、これによりワイヤーリング16を支点に変形したダイアフラムスプリング15はプレッシャプレート14を変速機20側へ引き寄せるので、プレッシャプレート14はクラッチディスク13と離間する。このためフライホイール11、クラッチディスク13及びプレッシャプレート14の間の摩擦力はなくなり、エンジンEGの動力はメインシャフト21までは伝達されなくなる(クラッチ10の遮断状態)。
【0017】
車両の運転席には図示しないチェンジレバー(主変速切り換えレバー)と副変速切り換えレバーとが設けられている。チェンジレバーはニュートラル(N)、第1速(Low)、第2速(2nd)、第3速(3rd)、第4速(4th)、第5速(5th)及び後退(R)のいずれかの変速段を選択する操作を行うことができるようになっている。また、副変速切り換えレバーは、高速段及び低速段のいずれか一方を選択する操作を行うことができるようになっている。
【0018】
変速機20は、上述のメインシャフト21のほか、カウンタシャフト22、第1中間シャフト23、第2中間シャフト24、トランスファシャフト25、第3中間シャフト26、リバースギヤシャフト27及び主変速ギヤ列(前進用の第1〜第5速ギヤ列及び後退用のリバースギヤ列)を備えている。ここで、メインシャフト21、カウンタシャフト22、トランスファシャフト25及びリバースギヤシャフト27は互いに平行になるように配設されている。第1中間シャフト23、第2中間シャフト24及び第3中間シャフト26はいずれも中空円筒状のシャフトであり、第1中間シャフト23及び第2中間シャフト24はカウンタシャフト22上に、カウンタシャフト22と同軸かつ相対回転自在に設けられている。但し、第2中間シャフト24は第1中間シャフト23のエンジンEGとは反対の側(図1では左側)の位置に第1中間シャフト23の軸方向に並んで設けられている。また、第3中間シャフト26はトランスファシャフト25上に、トランスファシャフト25と同軸かつ相対回転自在に設けられている。したがって、第1中間シャフト23、第2中間シャフト24及び第3中間シャフト26は互いに平行であり、かつ、上記メインシャフト21、カウンタシャフト22、トランスファシャフト25及びリバースギヤシャフト27とも平行になっている。
【0019】
メインシャフト21及び第1中間シャフト23上には、エンジンEG側から順に、第1速ギヤ列、リバースギヤ列、第2速ギヤ列、第3速ギヤ列、第4速ギヤ列及び第5速ギヤ列が配設されている。第1速ギヤ列は、メインシャフト21上に設けられた第1速ドライブギヤ41と、第1中間シャフト23上に設けられた第1速ドリブンギヤ42とから構成されており、第2速ギヤ列は、メインシャフト21上に設けられた第2速ドライブギヤ43と、第1中間シャフト23上に設けられた第2速ドリブンギヤ44とから構成されている。また、第3速ギヤ列は、メインシャフト21上に設けられた第3速ドライブギヤ45と、第1中間シャフト23上に設けられた第3速ドリブンギヤ46とから構成されており、第4速ギヤ列は、メインシャフト21上に設けられた第4速ドライブギヤ47と、第1中間シャフト23上に設けられた第4速ドリブンギヤ48とから構成されている。更に、第5速ギヤ列は、メインシャフト21上に設けられた第5速ドライブギヤ49と、第1中間シャフト23上に設けられた第5速ドリブンギヤ50とから構成されている。
【0020】
上記各ギヤ列を構成するドライブ側ギヤとドリブン側ギヤは常時噛合しており、変速段が高いほど小さい変速比に設定されている。また、リバースギヤ列は、メインシャフト21上に設けられたリバースドライブギヤ51と、リバースギヤシャフト27上に設けられたリバースアイドルギヤ52と、第1中間軸23に固定された(詳細には、後述する第1シンクロメッシュ機構S1のスリーブV1に形成された)リバースドリブンギヤ53とから構成されている。
【0021】
第1速ドライブギヤ41と第2速ドライブギヤ43はメインシャフト21と一体回転するように取り付けられており、第1速ドリブンギヤ42と第2速ドリブンギヤ44は第1中間シャフト23上を空転するように取り付けられている。第1中間シャフト23上の第1速ドリブンギヤ42と第2速ドリブンギヤ44との間の位置には第1(1−2速用)シンクロメッシュ機構S1が設けられており、そのスリーブV1には第1シフトフォーク71が係合している。
【0022】
この第1シフトフォーク71は、前述のチェンジレバーをニュートラル位置から第1速位置に移動させる操作に伴って第1中間シャフト23の軸方向右側に移動し、ニュートラル位置から第2速位置に移動させる操作に伴って第1中間シャフト23の軸方向右側に移動する構成となっている。第1速ドリブンギヤ42の左側、第2速ドリブンギヤ44の右側及びスリーブV1の左右両側にはスプライン(いずれも図示せず)が設けられており、スリーブV1が第1中間シャフト23の軸方向右側に移動したときにはスリーブV1と第1速ドリブンギヤ42とが結合し、スリーブV1が第1中間シャフト23の軸方向左側に移動したときにはスリーブV1と第2速ドリブンギヤ44とが結合する。したがって、チェンジレバーをニュートラル位置から第1速位置に移動させると第1速ドリブンギヤ42と第1中間シャフト23とが結合し、チェンジレバーをニュートラル位置から第2速位置に移動させると第2速ドリブンギヤ44と第1中間シャフト23とが結合する。
【0023】
ここで、第1速ドリブンギヤ42と第1中間シャフト23とが結合されれば、メインシャフト21の動力は第1速ギヤ列(第1速ドライブギヤ41及び第1速ドリブンギヤ42)を介して第1中間シャフト23に伝達されるので変速機20は第1速変速状態となり、第2速ドリブンギヤ44と第1中間シャフト23とが結合されれば、メインシャフト21の動力は第2速ギヤ列(第2速ドライブギヤ43及び第2速ドリブンギヤ44)を介して第1中間シャフト23に伝達されるので変速機20は第2速変速状態となる。
【0024】
第3速ドライブギヤ45と第4速ドライブギヤ47はメインシャフト21上を空転するように取り付けられており、第3速ドリブンギヤ46と第4速ドリブンギヤ48は第1中間シャフト23と一体回転するように取り付けられている。メインシャフト21上の第3速ドライブギヤ45と第4速ドライブギヤ47との間の位置には第2(3−4速用)シンクロメッシュ機構S2が設けられており、そのスリーブV2には第2シフトフォーク72が係合している。
【0025】
この第2シフトフォーク72はチェンジレバーをニュートラル位置から第3速位置に移動させる操作に伴ってメインシャフト21の軸方向右側に移動し、ニュートラル位置から第4速位置に移動させる操作に伴ってメインシャフト21の軸方向左側に移動する構成となっている。第3速ドライブギヤ45の左側、第4速ドライブギヤ47の右側及びスリーブV2の左右両側にはスプライン(いずれも図示せず)が設けられており、スリーブV2がメインシャフト21の軸方向右側に移動したときにはスリーブV2と第3速ドライブギヤ45とが結合し、スリーブV2がメインシャフト21の軸方向左側に移動したときにはスリーブV2と第4速ドライブギヤ47とが結合する。したがって、チェンジレバーをニュートラル位置から第3速位置に移動させると第3速ドライブギヤ45とメインシャフト21とが結合し、チェンジレバーをニュートラル位置から第4速位置に移動させると第4速ドライブギヤ47とメインシャフト21とが結合する。
【0026】
ここで、第3速ドライブギヤ45とメインシャフト21とが結合されれば、メインシャフト21の動力は第3速ギヤ列(第3速ドライブギヤ45及び第3速ドリブンギヤ46)を介して第1中間シャフト23に伝達されるので変速機20は第3速変速状態となり、第4速ドライブギヤ47とメインシャフト21とが結合されれば、メインシャフト21の動力は第4速ギヤ列(第4速ドライブギヤ47及び第4速ドリブンギヤ48)を介して第1中間シャフト23に伝達されるので変速機20は第2速変速状態となる。
【0027】
第5速ドライブギヤ49はメインシャフト21上を空転するように取り付けられており、第5速ドリブンギヤ50は第1中間シャフト23と一体回転するように取り付けられている。メインシャフト21上には第3(5速用)シンクロメッシュ機構S3が設けられており、そのスリーブV3には第3シフトフォーク73が係合している。
【0028】
この第3シフトフォーク73はチェンジレバーをニュートラル位置から第5速位置に移動させる操作に伴ってメインシャフト21の軸方向右側に移動する構成となっている。第5速ドライブギヤ49の左側及びスリーブV3の右側にはスプライン(いずれも図示せず)が設けられており、スリーブV3がメインシャフト21の軸方向右側に移動したときにはスリーブV3と第5速ドライブギヤ49とが結合結合する。したがって、チェンジレバーをニュートラル位置から第5速位置に移動させると第5速ドライブギヤ49とメインシャフト21とが結合する。
【0029】
ここで、第1速ドリブンギヤ42と第1中間シャフト23とが結合されれば、メインシャフト21の動力は第1速ギヤ列(第1速ドライブギヤ41及び第1速ドリブンギヤ42)を介して第1中間シャフト23に伝達されるので変速機20は第1速変速状態となり、第2速ドリブンギヤ44と第1中間シャフト23とが結合されれば、メインシャフト21の動力は第2速ギヤ列(第2速ドライブギヤ43及び第2速ドリブンギヤ44)を介して第1中間シャフト23に伝達されるので変速機20は第2速変速状態となる。
【0030】
リバースドライブギヤ51はメインシャフト21と一体回転するように取り付けられており、リバースドリブンギヤ53は第1中間シャフト23と一体回転するように取り付けられている。また、リバースアイドルギヤ52はリバースギヤシャフト27上を空転するように取り付けられている。リバースアイドルギヤ52は第4シフトフォーク74によりリバースギヤシャフト27上を軸方向に移動させることができ、所定のギヤ非噛合位置からギヤ噛合位置へ移動させることにより、リバースアイドルギヤ52をリバースドライブギヤ51及びリバースアイドルギヤ53の双方と噛合させることができるようになっている。したがって、チェンジレバーを後退変速位置に入れる操作を行って第4シフトフォーク74をリバースギヤシャフト27の軸方向に移動させ、リバースアイドルギヤ52が上記ギヤ噛合位置へ移動したときには、メインシャフト21の動力はリバースギヤ列(リバースドライブギヤ51、リバースアイドルギヤ52及びリバースドリブンギヤ53)を介して第1中間シャフト23に伝達され、変速機20は後退変速状態となる。
【0031】
上記第1〜第4シフトフォーク71,72,73,74はチェンジレバーの操作により直接、或いはワイヤ等を介して機械的に動かす構成としてもよいが、チェンジレバーの操作位置をセンサ等により検知し、これに基づいて油圧シリンダや電動式のモータ等を駆動して動かす構成であってもよい。
【0032】
カウンタシャフト22とトランスファシャフト25とはトランスファシャフトギヤ列により連結されている。トランスファシャフトギヤ列は、カウンタシャフト22上(第2中間シャフト24の左側の位置)に固定されたカウンタシャフト側ギヤ55と、トランスファシャフト25上(第3中間シャフト26の左側の位置)に固定されたトランスファシャフト側ギヤ56とから構成されている。これら両ギヤ55,56は常時噛合しており、カウンタシャフト22が回転したときには、その動力がトランスファシャフトギヤ列を介してトランスファシャフト25に伝達される。
【0033】
第1中間シャフト23と第3中間シャフト26とは第1副変速ギヤ列を介して連結されている。第1副変速ギヤ列は第1中間シャフト23上(第3速ドリブンギヤ46と第4速ドリブンギヤ48との間の位置)に固定された第1副変速ドライブギヤ57と、第3中間シャフト26の最も右側の位置に固定された第1副変速ドリブンギヤ58とから構成されている。これら両ギヤ57,58は常時噛合しており、第1中間シャフト23が回転したときには、その動力が第1副変速ギヤ列を介して第3中間シャフト26に伝達される。
【0034】
また、第3中間シャフト26と第2中間シャフト24とは第2副変速ギヤ列を介して連結されている。第2副変速ギヤ列は第3中間シャフト26の最も左側に固定された第2副変速ドライブギヤ59と、第2中間シャフト24の最も左側に固定された第2副変速ドリブンギヤ60とから構成されている。これら両ギヤ59,60は常時噛合しており、第3中間シャフト26が回転したときには、その動力が第2副変速ギヤ列を介して第2中間シャフト24に伝達される。
【0035】
カウンタシャフト22上(第1中間シャフト23の右側の位置)にはファイナルドライブギヤ61が固定されており、このファイナルドライブギヤ61はディファレンシャルケース31に固定されたファイナルドリブンギヤ62と常時噛合している。このためカウンタシャフト22が回転したときには、その動力がディファレンシャル機構30からフロントアクスルシャフト32へ伝えられて車両の前輪が駆動される。
【0036】
また、トランスファシャフト25の最も右側の位置にはトランスファドライブギヤ63が固定されており、このトランスファドライブギヤ63はトランスファドリブンギヤ64と常時噛合している。このためトランスファシャフト25が回転したときには、その動力がトランスファ(トランスファドライブギヤ63及びトランスファドリブンギヤ64)からリアアクスルプロペラシャフト28、リアアクスルシャフト(図示せず)へと伝えられて車両の後輪が駆動される。
【0037】
カウンタシャフト22上の第1中間シャフト23と第2中間シャフト24との間の位置には副変速用シンクロメッシュ機構S4が設けられており、そのスリーブV4には第5シフトフォーク75が係合している。この第4シフトフォーク74は副変速切り換えレバーが低速側位置から高速側位置に移動させたときにはカウンタシャフト22の軸方向右側に移動し、副変速切り換えレバーが高速側から低速側に移動させたときにはカウンタシャフト22の軸方向左側に移動する構成となっている。第1中間シャフト23の左端部、第2中間シャフト24の右端部及びスリーブV4の左右両側にはスプラインが設けられており、スリーブV4がカウンタシャフト22の軸方向右側に移動したときにはスリーブV4とカウンタシャフト22とが結合し、スリーブV4がカウンタシャフト22の軸方向左側に移動したときにはスリーブV4と第2中間シャフト24とが結合する。したがって、副変速切り換えレバーを低速側位置から高速側位置に移動させると第1中間シャフト23とカウンタシャフト22とが結合し、副変速切り換えレバーを高速側位置から低速側位置に移動させると第2中間シャフト23とカウンタシャフト22とが結合する。
【0038】
ここで、副変速用シンクロメッシュ機構S4により第1中間シャフト23とカウンタシャフト22とが結合されているときには、これら両シャフト23,22は一体となって回転するので、エンジンEGからの動力はクラッチ10→メインシャフト21→第1中間シャフト23→カウンタシャフト22→ファイナルドライブギヤ61→ファイナルドリブンギヤ62→ディファレンシャル機構30→フロントアクスルシャフト32→前輪と伝達される。また、カウンタシャフト22に伝達された動力は、カウンタシャフト22→トランスファシャフトドライブギヤ55→トランスファシャフトドリブンギヤ56→トランスファシャフト25→トランスファドライブギヤ63→トランスファドリブンギヤ64→リアアクスルシャフト→後輪と伝達される。なお、このとき第1中間シャフト23は第1副変速ドライブギヤ57及び第1副変速ドリブンギヤ58を介して第3中間シャフト26を回転させ、更に第2副変速ドライブギヤ59及び第2副変速ドリブンギヤ60を介して第2中間シャフト25を回転させるが、これら両シャフト26,25は単に空転するのみである。
【0039】
一方、副変速用シンクロメッシュ機構S4により第2中間シャフト24とカウンタシャフト22とが結合されているときには、これら両シャフト24,22は一体となって回転するので、エンジンEGからの動力はクラッチ10→メインシャフト21→第1中間シャフト22→第1副変速ドライブギヤ57→第1副変速ドリブンギヤ58→第3中間シャフト26→第2副変速ドライブギヤ59→第2副変速ドリブンギヤ60→第2中間シャフト24→カウンタシャフト22→ファイナルドライブギヤ61→ファイナルドリブンギヤ62→ディファレンシャル機構30→フロントアクスルシャフト32→前輪と伝達される。また、カウンタシャフト22に伝達された動力は、カウンタシャフト22→トランスファシャフトドライブギヤ55→トランスファシャフトドリブンギヤ56→トランスファシャフト25→トランスファドライブギヤ63→トランスファドリブンギヤ64→リアアクスルシャフト→後輪と伝達される。
【0040】
このように、第1中間シャフト23とカウンタシャフト22とが結合されている状態では、カウンタシャフト22は第1中間シャフト23と一体となって回転するため、これら両シャフト23,22の回転数は一致するのに対し、第2中間シャフト24とカウンタシャフト22とが結合されている状態では、カウンタシャフト22は第3中間シャフト26及び第2中間シャフト24を介して第1中間シャフト23と連結されるため、カウンタシャフト22の回転数を第1中間シャフト23の回転数と異ならせることができる。このため、主変速段が同じ変速段であっても最終的な変速比を異なったものとすることができる。すなわち主変速段全体を高低二段に変速する副変速を行うことができる。
【0041】
ここで、カウンタシャフト22を第1中間シャフト23と第2中間シャフト24とのいずれに結合した場合が高速段になるかは第1副変速ドライブギヤ57の歯数Aと第1副変速ドリブンギヤ58の歯数Bとの関係、及び第2副変速ドライブギヤ59の歯数Cと第2副変速ドリブンギヤ69の歯数Dとの関係により定まる。例えば、第1副変速ドライブギヤ57の歯数Aに対する第1副変速ドリブンギヤ58の歯数Bの比(B/A)と、第2副変速ドライブギヤ59の歯数Cに対する第2副変速ドリブンギヤ60の歯数Dの比(D/C)との積{(B/A)・(D/C)}の値が1.0よりも大きいのであれば、カウンタシャフト22と第2中間シャフト24とが結合されている状態では、第1中間シャフト23の動力は減速してカウンタシャフト22に伝達されることになるため、カウンタシャフト22と第1中間シャフト23とが結合されているときよりも低速になる。すなわち第1中間シャフト23とカウンタシャフト22とが結合されている状態が高速段、第2中間シャフト24とカウンタシャフト22とが結合されている状態が低速段となる。
【0042】
このように本発明に係る副変速機構付き変速機(変速機20)では、主変速切り換え手段(主変速ギヤ列及び第1〜第3シンクロメッシュ機構S1,S2,S3)により得られる変速段全体を高低二段階に設定する副変速を行うことができるのであるが、ベースとなる主変速のみの変速機の出力軸部材(カウンタシャフト)に相当する部材が本変速機ではカウンタシャフト22及びこれと同軸に設けられて相対移動自在な第1中間シャフト23からなるとともに、第2中間シャフト34を第1中間シャフト23と同じくカウンタシャフト22と同軸かつ相対回転自在に構成しており、ベースとなる主変速のみの変速機に対して新たに増加する軸(軸部材の回転中心としての軸)は第3中間シャフト26の軸のみとなっている。このため、ベースとなる変速機に副変速機構を追加設置する際の設計が大変容易であるとともに、既存の設備をそのまま流用することができる(具体的には、周辺部品の共通化やケース加工の共用化など)ので、低コストで生産することが可能となる。
【0043】
また、副変速機構付きでありながら全体として軸数が少ないために構造が簡易で組み立てが容易であり、レイアウトに課せられる制限が少ないので設計の自由度が大きいという利点もある。また、新たに加えられる第3中間シャフト26はカウンタシャフト22と平行に設けられればよいので変速機の全長を殆ど増大させることがない。このためFR車のみならずFF車にも搭載することが可能である。
【0044】
また、本変速機20では、副変速機構に関するシャフト(第1中間シャフト23、第2中間シャフト24及び第3中間シャフト26)を中空状にして既存のシャフト(カウンタシャフト22及びトランスファシャフト25)と同軸に設置することで、各部品が変速機内に集約されて配置されており、以後機能追加が必要となったときでも、その周辺部品を入れ替えることで、その機能追加を容易に行うことが可能となっている。また、車両用変速機では一般に、各ギヤの回転変動に起因する走行時の駆動系異音を抑えるために、回転方向に柔剛性を持ったダンパーを配置することがあるが、本変速機20ではこれを第4シンクロメッシュ機構S4に設置することで、ダンパーのためのスペースを最小限の領域に抑えることが可能となっている。
【0045】
次に、本発明に係る副変速機構付き変速機のもう一つの実施形態について説明する。ここで、説明の便宜上、上述した例を第1実施形態、ここに示す例を第2実施形態と称する。図2はこの第2実施形態に係る副変速機構付き変速機の構成を示すスケルトン図であり、本変速機が搭載される車両が4WD車用でない場合、或いは4WD車であってもトランスファの駆動が上記第1実施形態に係る変速機20におけるファイナルドリブンギヤ62を介して行われる構造である場合など、第1実施形態において示したトランスファシャフト25がもともと設けられていない場合の例である。この場合第3中間シャフトは中空状にする必要はなく、中実の棒部材とすることができる。なお、この第2実施形態では第1実施形態との相違点のみを示し、第1実施形態と同一の部分については同位置の符号を付してその説明を省略する。
【0046】
この第2実施形態に係る変速機20‘では、上述の第1実施形態において示した変速機20における中空状の第3中間シャフト26に代えて中実の第3中間シャフト26’が用いられており、第1中間シャフト23上に設けられた第1副変速ドライブギヤ57にはこの第3中間シャフト26’に固定された第1副変速ドリブンギヤ58’が噛合しており、第2中間シャフト24上に設けられた第2副変速ドリブンギヤ60には第3中間シャフト26’に固定された第2副変速ドライブギヤ59’が噛合している。このような構成であっても上述の第1実施形態において示した変速機20の場合と同様の効果を得ることができる。
【0047】
但し、上述の第1実施形態において示した変速機20のように、本発明に係る変速機20が四輪駆動車用であり、カウンタシャフト22に平行なトランスファシャフト25がもとより設けられている場合には、副変速機構の追加設置により新たに追加される軸は全くなくなるため、本発明により得られる上記効果はより一層大きなものとなる。
【0048】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態に示されたものに限定されない。例えば、上述の実施形態においては、第1〜第4シフトフォークをチェンジレバーの操作により移動させる、いわゆるマニュアル式の構成であったが、これはチェンジレバーの操作によるものではなく、車速やエンジン負荷等を検知して自動で変速を行う構成、すなわちオートマチック式の構成であってもよい。また、上述の実施形態では、メインシャフト21と第1中間シャフト23との間を、シンクロメッシュ機構を備えた常時噛み合い式のギヤ列により結合させていたが、これは選択摺動式のギヤにより結合させる構成であってもよい。また、メインシャフト21と第1中間シャフト23との間の動力伝達は、両シャフト21,23それぞれに設けたプーリと、これら両プーリの間に掛け渡したベルト部材とを介して無段変速形で行うものであってもよい。
【0049】
また、原動機はエンジン等の内燃機関に限られず、クラッチの構成も上述の実施形態に特に限定されない。主変速の段数が1速〜5速に限定されない。更に、副変速の変速操作は手動でなくてもよく、車速やエンジン負荷等を検知して自動で行う構成であってもよい。また、カウンタシャフト22を第1中間シャフト23及び第2中間シャフト24のいずれか一方と選択的に結合する選択結合手段は、前述の実施形態ではシンクロメッシュ機構(第4シンクロメッシュ機構S4)であったが、これは一例であり、油圧クラッチなど他の手段を用いてもよい。また、本発明に係る副変速機構付き変速機は車両用でなくてもよく、他の原動機付き回転機械に応用することも可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る副変速機構付き変速機では、主変速切り換え手段により得られる変速段全体を高低二段階に設定する副変速を行うことができるのであるが、ベースとなる主変速のみの変速機の出力軸部材に相当する部材が本変速機では出力軸部材及びこれと同軸に設けられて相対移動自在な第1中間軸部材からなるとともに、第2中間軸部材を第1中間軸部材と同じく出力軸部材と同軸かつ相対回転自在に構成しており、ベースとなる主変速のみの変速機に対して新たに増加する軸(軸部材の回転中心としての軸)は第3中間軸部材の軸のみとなっている。このため、ベースとなる変速機に副変速機構を追加設置する際の設計が大変容易であるとともに、既存の設備をそのまま流用することができるので、低コストで生産することが可能となる。また、副変速機構付きでありながら全体として軸数が少ないために構造が簡易で組み立てが容易であり、レイアウトに課せられる制限が少ないので設計の自由度が大きいという利点もある。また、新たに加えられる第3中間軸部材は出力軸部材と平行に設けられればよいので変速機の全長を殆ど増大させることがない。このためFR車のみならずFF車にも搭載することが可能である。
【0051】
また、四輪駆動車に搭載させる変速機のように、出力軸部材に平行な第2出力軸部材(四輪駆動車用であればトランスファシャフトに相当する)が設けられている場合には、上記第3中間軸部材が中空状に形成されるとともに、第2出力軸部材が第3中間軸部材内を通ってこの第3中間軸部材と同軸かつ相対回転自在に設けられた上で、第3の動力伝達手段を介して出力軸部材と連結される構成を採ればよい。このような構成であれば、副変速機構に必要な全ての中間軸部材が既存の軸部材(ここでは出力軸部材及び第2出力軸部材)と同軸に設けられるため、副変速機構の追加設置により新たに追加される軸は全くなくなり、本発明により得られる上記効果はより一層大きなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る副変速機構付き変速機を車両用変速機としてフルタイム4WD車に適用した場合の実施形態を示すスケルトン図である。
【図2】第2実施形態に係る変速機の構成を示すスケルトン図である。
【図3】従来の変速機の一例を示すスケルトン図である。
【符号の説明】
10 クラッチ
20 副変速機構付き変速機
21 メインシャフト
22 カウンタシャフト
23 第1中間シャフト
24 第2中間シャフト
25 トランスファシャフト
26 第3中間シャフト
27 リバースギヤシャフト
30 ディファレンシャル機構
35 トランスファ
S1 第1シンクロメッシュ機構
S2 第2シンクロメッシュ機構
S3 第3シンクロメッシュ機構
S4 副変速用シンクロメッシュ機構
EG エンジン

Claims (2)

  1. 原動機に繋がる入力軸部材と、
    前記入力軸部材と平行に設けられた出力軸部材と、
    前記出力軸部材に対して同軸かつ相対回転自在に設けられ、内部に前記出力軸部材が貫通する中空状の第1中間軸部材と、
    前記入力軸部材と前記第1中間軸部材との間に複数のギヤ列を有し、少なくとも前記入力軸部材に配置されて前記複数のギヤ列を選択的に結合する機構によって変速を行う主変速切り換え手段と、
    前記出力軸部材に対し同軸かつ相対回転自在に設けられ、内部に前記出力軸部材が貫通する中空状の第2中間軸部材と、
    前記出力軸部材と平行に設けられ、第1の動力伝達手段を介して前記第1中間軸部材と連結されるとともに第2の動力伝達手段を介して前記第2中間軸部材と連結された第3中間軸部材と、
    前記出力軸部材を前記第1中間軸部材及び前記第2中間軸部材のいずれか一方と選択的に結合することで副変速機構を形成する選択結合手段とを備え、
    前記入力軸部材に配置されて前記複数のギヤ列を選択的に結合する機構に対向するように、前記第1の動力伝達手段を前記第1中間軸部材および前記第3中間軸部材に配置したことを特徴とする副変速機構付き変速機。
  2. 前記第3中間軸部材が中空状に形成されるとともに、第2出力軸部材が前記第3中間軸部材内を通ってこの第3中間軸部材と同軸かつ相対回転自在に設けられており、
    前記第2出力軸部材は第3の動力伝達手段を介して前記出力軸部材と連結されていることを特徴とする請求項1記載の副変速機構付き変速機。
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