JP3988624B2 - 水銀含有灰の固定化剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水銀含有灰の固定化剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、廃棄物の焼却飛灰などの水銀含有灰を固定化し、水銀の溶出を効果的に防止し得る水銀含有灰の固定化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年は、各自治体において、家庭ごみの分別回収が進められているが、それでもなお都市ごみへの乾電池、体温計、蛍光灯などの混入は完全には避けられない。廃棄物を焼却した際に発生する排ガス中には、水銀などの重金属を含む煤塵のほかに、有害な塩化水素などが含有されるために、消石灰などのアルカリ剤を添加して塩化水素などを中和し、この反応生成物及び煤塵を集塵器で捕集して無害化する処理が行われている。
集塵器で捕集された焼却飛灰は、混練機により重金属固定化剤と水とを添加したのち混練され、造粒機により造粒され、重金属が溶出しないように処理されるとともに、減容化されて、最終処分場に廃棄される。重金属固定化剤としては、ジチオカルバミン酸塩などのキレート剤が使用される場合が多い。例えば、飛灰からの水銀の揮散や水中への溶出を減少し得る処理方法として、都市ごみ焼却飛灰中に液体キレート水溶液を散布する方法が提案されている(特許文献1)。また、前処理や補助剤を必要としない重金属固定化方法として、重金属含有アルカリ性物質を、水分の存在下で、ジメチルジチオカルバミン酸又はその塩と混合する方法が提案されている(特許文献2)。pH調整剤を併用することなく、少量の固定化剤の添加で、容易かつ安価に処理して重金属の溶出を確実に防止する方法として、重金属含有灰に、水、キレート剤及びでんぷんを添加して混練する方法が提案されている(特許文献3)。さらに、洗煙塔における酸性ガス中和のための苛性ソーダの必要量の低減、洗煙塔循環水の強制排出量の低減、排出ガス中のダイオキシン類濃度の低減、捕集された飛灰中の重金属の溶出防止を一剤で行うことができる燃焼排ガスの処理方法として、消石灰、活性炭及び重金属固定化剤を含有する処理薬剤を、集塵器に導入される燃焼排ガスに吹き込む方法が提案されている(特許文献4)。
最近、前述した排ガスの処理方法として集塵器を二段に並べ、後段の集塵器の手前にアルカリ剤を添加する方法が増えている。この方法によれば、水銀を除くほとんどの重金属は、前段の集塵器で捕集されかつアルカリ剤を含まない。このために、前段の集塵器で捕集される飛灰の告示法による溶出試験の溶出液のpHは高くなることがないので、鉛などの重金属の溶出はほとんどなく、重金属固定化剤は少量ですみ、節約することが可能になる。後段の集塵器で捕集される飛灰は、水銀以外の重金属をほとんど含まないので、これによっても重金属固定化剤の使用量を節約することが可能である。また、後段の集塵器で捕集される飛灰は、排ガス中の酸性物質や窒素酸化物や硫黄酸化物とアルカリ剤の反応生成物がほとんどで、重金属がほとんど含まれないので、NaClやCaCl2などの反応生成物を回収し、資源としてリサイクルすることが可能である。
しかしながら、二段集塵の場合は、前述したように蒸発温度の低い水銀は集塵温度の低い後段の集塵器で凝縮し捕集されるために、後段の集塵飛灰から水銀が溶出する。水銀の溶出を防止するためには、ジチオカルバミン酸塩などのキレート剤を飛灰に添加して混練すればよいが、飛灰との混練時にジチオカルバミン酸が分解して有害な二硫化炭素や硫化カルボニルが発生するなど、周囲の作業環境に悪影響を及ぼすおそれがある。
また、二段集塵の場合、それぞれの集塵飛灰を別個に処理する方が前述したように重金属固定化剤の節約となるが、この場合は薬注ラインが二系統必要となり、設備コストが嵩んだり、操作が煩雑になるなどの問題がある。アルカリ剤にあらかじめキレート剤を混合し、後段の集塵器の手前に添加することができれば、これらの問題は解決するが、キレート剤の分解温度は100〜200℃であるために、キレート剤の熱分解を生じ、効果が発揮されない。
また、後段の集塵飛灰からアルカリ剤との反応生成物を回収する場合、キレー卜剤は水溶性であるために、過剰に添加されたキレート剤は反応生成物と同様に水側に移行し、目的物の純度を低下させることになり、リサイクルには不向きである。
【特許文献1】
特開昭63−205192号公報(第1−2頁)
【特許文献2】
特開平7−284748号公報(第2頁)
【特許文献3】
特開平10−249316号公報(第2−3頁)
【特許文献4】
特開2000−61252号公報(第2−3頁)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、廃棄物の焼却飛灰などの水銀含有灰を固定化し、水銀の溶出を効果的に防止し得る水銀含有灰の固定化剤を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水銀含有灰に粉末活性炭を添加して混練することにより、水銀の溶出量を著しく低減し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)捕集された水銀含有飛灰に添加する水銀溶出防止固定化剤であって、水銀溶出防止固定化剤が粉末亜炭系活性炭と硫酸第一鉄とを含有することを特徴とする水銀含有灰の固定化剤、及び、
)捕集された飛灰が、集塵器を二段に有する燃焼排ガス処理装置の後段の集塵器から捕集された飛灰である第1項記載の水銀含有灰の固定化剤、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の水銀含有灰の固定化剤は、粉末活性炭を含有する。
本発明の水銀固定化剤を適用する水銀含有灰としては、例えば、都市ごみや産業廃棄物を焼却炉で焼却した際に、燃焼排ガスに同伴して発生する焼却飛灰、焼却灰や飛灰を溶融炉で溶融する際に発生する溶融飛灰、金属の精錬電気炉から発生する電気炉ダストなどを挙げることができる。
本発明の水銀含有灰の固定化剤は、乾式、湿式などの任意の排ガス処理装置においてバグフィルターなどの集塵器で捕集された、水銀を含む灰に対して適用することができる。排ガス処理装置においては、集塵器を一段又は二段に設けることができるが、本発明の固定化剤は、二段式集塵器の後段の集塵器で捕集された灰に対して特に好適に適用することができる。二段式集塵器の場合、水銀以外の重金属は前段の集塵器で主として捕集されるが、水銀はほとんど後段の集塵器で捕集される。したがって、本発明の固定化剤を、集塵器を二段に有する燃焼排ガス処理装置の後段の集塵器から捕集された飛灰に添加することにより、固定化剤を主として水銀のみに作用させ、効率的に水銀を固定化することができる。
本発明の固定化剤に用いる粉末活性炭の原料に特に制限はなく、例えば、木炭、石炭、亜炭、泥炭、褐炭、やしがら炭、石油ピッチ、のこ屑などを挙げることができる。これらの中で、石炭又は亜炭を原料とする石炭系活性炭又は亜炭系活性炭は、成分中に硫黄を含有し、水銀を物理的及び化学的に吸着して不溶化し、安定に固定化することができるので、特に好適に用いることができる。
【0006】
本発明の水銀含有灰の固定化剤は、石炭系活性炭と亜炭系活性炭の両方を含有することが好ましい。水銀含有灰に添加されたとき、石炭系活性炭と亜炭系活性炭が共存することにより、両者の間に水銀の固定化に対する相乗的な効果が発現する。粉末活性炭の添加量が一定の場合、石炭系活性炭又は亜炭系活性炭をそれぞれ単独に用いた場合より、両者を併用することにより、溶出液の水銀濃度を低下させることができる。
本発明に用いる粉末活性炭は、JIS K 1474にしたがって測定したとき、粒子の90重量%が通過するふるいの目開きが500μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。
本発明の水銀含有灰の固定化剤の添加量に特に制限はないが、水銀含有灰100重畳部に対して、粉末活性炭として0.0l〜20重量部であることが好ましく、0.1〜10重量部であることがより好ましい。固定化剤の添加量が、水銀含有灰100重量部に対して粉末活性炭として0.01重量部未満であると、溶出液の水銀濃度が十分に低下しないおそれがある。固定化剤の添加量は、水銀含有灰100重量部に対して粉末活性炭として20重量部以下で十分な水銀の固定化効果が得られ、通常は水銀含有灰100重量部に対して粉末活性炭として20重量部を超える固定化剤を添加する必要はない。なお、水銀含有灰の溶出液の水銀の濃度は、環境庁告示第13号(産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法、昭和48年2月17日)にしたがって測定することができる。
【0007】
本発明の水銀含有灰の固定化剤には、金属鉄又は鉄化合物を含有させることができる。固定化剤に、粉末活性炭に加えて金属鉄又は鉄化合物を含有させることにより、水銀の固定化効果を高め、溶出液の水銀の濃度を低下させることができる。本発明に用いる金属鉄に特に制限はなく、例えば、JIS H 2601に規定する粉末冶金用還元鉄粉、電解鉄粉、噴霧鉄粉などを挙げることができる。本発明に用いる鉄化合物に特に制限はなく、例えば、塩化第一鉄、臭化第一鉄、ヨウ化第一鉄、硫酸第一鉄、硝酸第一鉄、チオシアン酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、塩化第二鉄、臭化第二鉄、ヨウ化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、チオシアン酸第二鉄、ギ酸第二鉄、乳酸第二鉄、クエン酸第二鉄などを挙げることができる。
本発明の水銀含有灰の固定化剤において、金属鉄又は鉄化合物の含有量に特に制限はないが、水銀含有灰に固定化剤を添加したとき、水銀含有灰100重畳部に対して、金属鉄又は鉄化合物の添加量が0.0l〜20重量部であることが好ましく、0.1〜10重量部であることがより好ましい。本発明の水銀含有灰の固定化剤は、あらかじめ粉末活性炭と金属鉄又は鉄化合物を混合した一剤型とすることができ、あるいは、粉末活性炭と金属鉄又は鉄化合物を別々に添加する二剤型とすることもできる。
【0008】
本発明の水銀含有灰の固定化剤の添加方法に特に制限はなく、例えば、混練機を用いて飛灰と固定化剤を混合する場合には、粉体供給装置により固定化剤を飛灰に定量供給して飛灰と所定の割合に混合したのち、加湿水を添加して混練することができ、あるいは、固定化剤にあらかじめ加湿水を添加し、分散状態で混練機に供給して混練することもできる。
図1は、本発明の水銀含有灰の固定化剤の添加混練方法の一態様を示す工程系統図である。集塵器により捕集された水銀を含有する飛灰が搬送管1を経由して飛灰サイロ2に送り込まれる。飛灰サイロの底から、飛灰が所定の供給速度でコンベア3に供給される。同時に固定化剤ホッパー4から、固定化剤が、ベルトフィーダー5により、所定の供給速度でコンベア3に供給される。固定化剤の定量供給には、ロータリーフィーダー、テーブルフィーダー、ベーレフィーダー、チェーンフィーダーなどを用いることもできる。
飛灰と固定化剤は、所定の割合で配合され、コンベアで移送される間にほぼ均一に混合し、コンベアの末端から混練機6内に落下する。混練機には、加湿水タンク7から、ポンプ8により、加湿水が供給される。加湿水の供給量に特に制限はないが、飛灰100重量部に対して10〜40重量部であることが好ましい。加湿水を添加された飛灰と固定化剤の混合物は、混練機により均一に混練され、水銀の固定化が進行する。混練機から排出される飛灰と固定化剤の混合物は、養生コンベア9の上に落下する。必要に応じて、混練機と養生コンベアの間に造粒機を設けることもできる。飛灰と固定化剤の混合物は、養生コンベアにより搬送される間に、水銀の固定化反応がほぼ完了し、ピット10に貯留される。
図1に示す態様においては、固定化剤を粉末の状態で飛灰に添加しているが、固定化剤にあらかじめ加湿水に加え、粉末活性炭を含む分散液として、ポンプにより飛灰に定量供給することもできる。
集塵器により捕集された水銀を含有する飛灰などに本発明の固定化剤を添加し、加湿水などを加えて混練することにより、飛灰中の水銀を不溶性として固定化し、廃棄物の最終処分場などにおける水銀の溶出を防止することができる。
二段式集塵器において、アルカリ剤が添加され、後段集塵器から排出される後段の捕集飛灰からアルカリ剤の反応生成物を回収する場合、捕集飛灰に水銀の固定化剤を混合して水銀の溶出を防止した後、いったん水に懸濁させて、NaCl、CaCl2などの塩を水側に移行させ、次いで固形分を分離、除去し、さらに水相側の水分を蒸発して濃縮し、NaCl、CaCl2などのアルカリ反応生成物を高濃度塩類溶液として回収する。この回収において、本発明では固定化剤として粉末活性炭を使用するので、固形物として分離され、回収物に混入することがない。得られた回収物は固定化剤によって純度が低下することがないので、再利用のための資源として好適である。
【0009】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
参考例1
廃棄物焼却施設より採取した二段式集塵器の後段の集塵飛灰の固定化処理を行った。この集塵飛灰は、含水率1.0重量%未満であり、重金属の含有量は、クロム40mgCr/kg未満、カドミウム10mgCd/kg未満、水銀9.7mgHg/kg、ひ素10mgAs/kg未満、鉛10mgPb/kg未満であった。
300mLポリビーカーに、集塵飛灰100gを採り、石炭系の粉末活性炭[日本ノリット(株)、Darco PC−100]0.5gと水30gを加え、スパーテルを用いて1分間混練して試料を得た。この試料について、環境庁告示第13号に基づいて溶出試験を行い、溶出液中の水銀を分析したところ、0.0021mgHg/Lであった。
石炭系の活性炭の添加量を、1.0g、2.0gに増加して、同じ操作を繰り返し、溶出液中の水銀を分析したところ、いずれも0.0005mgHg/L未満であった。
参考例2
石炭系の活性炭の代わりに、亜炭系の活性炭[日本ノリット(株)、Darco FGD]を用いた以外は、参考例1と同じ操作を繰り返した。
亜炭系活性炭の添加量を0.5g、1.0g、2.0gとしたとき、溶出液中の水銀は、それぞれ0.011mgHg/L、0.0008mgHg/L、0.0005mgHg/L未満であった。
実施例3
石炭系の活性炭の代わりに、石炭系の粉末活性炭[日本ノリット(株)、Darco PC−100]と亜炭系の活性炭[日本ノリット(株)、Darco FGD]の重量比50:50の混合物を用いた以外は、参考例1と同じ操作を繰り返した。
活性炭混合物の添加量を0.5gとしたとき、溶出液中の水銀は0.0006mgHg/Lであり、1.0g、2.0gとしたとき、溶出液中の水銀はいずれも0.0005mgHg/L未満であった。
実施例4
石炭系の活性炭の代わりに、亜炭系の活性炭[日本ノリット(株)、Darco FGD]と硫酸第一鉄の重量比50:50の混合物を用いた以外は、参考例1と同じ操作を繰り返した。
亜炭系活性炭と硫酸第一鉄の混合物を0.5g、1.0g又は2.0g添加したとき、溶出液中の水銀はすべて0.0005mgHg/L未満であった。
参考例5
石炭系の活性炭の代わりに、やしがら活性炭[武田薬品工業(株)]を用いた以外は、参考例1と同じ操作を繰り返した。
やしがら活性炭の添加量を0.5g、1.0g、2.0gとしたとき、溶出液中の水銀は、それぞれ0.320mgHg/L、0.206mgHg/L、0.096mgHg/Lであった。
比較例1
石炭系の活性炭の代わりに、硫酸第一鉄を添加した以外は、参考例1と同じ操作を繰り返した。
硫酸第一鉄の添加量を0.5g、1.0g、2.0gとしたとき、溶出液中の水銀は、それぞれ0.219mgHg/L、0.048mgHg/L、0.042mgHg/Lであった。
比較例2
300mLポリビーカーに、集塵飛灰100gを採り、水30gを加え、スパーテルを用いて1分間混練して試料を得た。この試料について、環境庁告示第13号に基づいて溶出試験を行い、溶出液中の水銀を分析したところ、0.746mgHg/Lであった。
参考例1〜2、実施例3〜4及び参考例5及び比較例1〜2の結果を、第1表に示す。
【0010】
【表1】
Figure 0003988624
【0011】
比較例2に見られるように、試験した集塵飛灰に水のみを加えて混練すると、環境庁告示第13号の溶出試験では、溶出液の水銀濃度が0.746mgHg/Lになる。これに対して、参考例1に見られるように、集塵飛灰に石炭系活性炭と水を添加して混練すると、集塵飛灰100gに対して石炭系活性炭0.5gの添加で溶出液の水銀濃度が0.0021mgHg/Lとなって基準値の0.005mgHg/Lを下回り、石炭系活性炭の添加量を集塵飛灰100gに対して1.0g以上にすると、溶出液の水銀濃度は、検出限界の0.0005mgHg/L未満となる。亜炭系活性炭を用いた参考例2においても、同様に水銀の固定化効果が認められる。
石炭系活性炭と亜炭系活性炭を併用した実施例3では、活性炭の添加量が集塵飛灰100gに対して同じ0.5gであっても、石炭系活性炭又は亜炭系活性炭をそれぞれ単独で使用した参考例1及び参考例2に比べて、溶出液の水銀濃度が低く、石炭系活性炭と亜炭系活性炭を併用することにより、両者の間に相乗的な効果が発現し、より強力に水銀が固定化されることが分かる。
比較例1に見られるように、集塵飛灰に硫酸第一鉄のみを添加しても、水銀の固定化効果は大きくないが、実施例4に見られるように、亜炭系活性炭と硫酸第一鉄を併用すると、両者の間に顕著な相乗的効果が発現し、溶出液の水銀濃度が低下する。
参考例5に見られるように、集塵飛灰にやしがら活性炭を添加すると、溶出液中の水銀の濃度は低下するが、その程度は石炭系活性炭又は亜炭系活性炭を添加した場合に比べて小さく、集塵飛灰中の水銀の固定化には、石炭系活性炭と亜炭系活性炭が特に有効であることが分かる。
【0012】
【発明の効果】
本発明の水銀含有灰の固定化剤によれば、廃棄物の焼却飛灰などの水銀含有灰を固定化し、水銀の溶出を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の水銀含有灰の固定化剤の添加混練方法の一態様を示す工程系統図である。
【符号の説明】
1 搬送管
2 飛灰サイロ
3 コンベア
4 固定化剤ホッパー
5 ベルトフィーダー
6 混練機
7 加湿水タンク
8 ポンプ
9 養生コンベア
10 ピット

Claims (2)

  1. 捕集された水銀含有飛灰に添加する水銀溶出防止固定化剤であって、水銀溶出防止固定化剤が粉末亜炭系活性炭と硫酸第一鉄とを含有することを特徴とする水銀含有灰の固定化剤。
  2. 捕集された飛灰が、集塵器を二段に有する燃焼排ガス処理装置の後段の集塵器から捕集された飛灰である請求項1記載の水銀含有灰の固定化剤。
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