JP3988442B2 - 光学装置、複合光学素子、光ピックアップ装置及び光学ディスク装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、往復光路を分離する光学装置及び複合光学素子に関し、並びにこの複合光学素子を有する、例えば、光磁気ディスク、光ディスク等の光学ディスクに対して情報を記録及び/又は再生する光ピックアップ装置に関し、並びにこの光ピックアップ装置を備える光学ディスク装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば光ディスク、光磁気ディスク等の光学ディスクに対して情報を記録及び/又は再生する光ピックアップ装置が知られている。
【0003】
図13に示すように、この種の光ピックアップ装置が備える光学系101は、光路順に、光学ディスク104にレーザ光を出射する光源111と、この光源111から出射された出射光を分割する回折格子112と、出射光と光学ディスク104からの戻り光とを分離するビームスプリッタ113と、出射光を所定の開口数NAに絞るための開口絞り114と、光学ディスク104に出射光を集光する対物レンズ115と、光学ディスク104からの戻り光を受光する受光部116とを有している。
【0004】
光源111は、半導体レーザが用いられており、レーザ光を出射する。回折格子112は、いわゆる3ビーム法によってトラッキングエラー信号を得るために、光源111から出射された出射光を0次光及び±1次光からなる3ビームに分割する。ビームスプリッタ113は、光源111からの出射光を反射するとともに光学ディスク104からの戻り光を透過するハーフミラー119を有し、出射光と戻り光とを分離する。
【0005】
受光部116は、図示しないが、戻り光のうち回折格子112で分割された0次光を受光するメインビーム用フォトディテクタと、戻り光のうち回折格子112で分割された±1次光をそれぞれ受光する一組のサイドビーム用フォトディテクタとを有している。
【0006】
光学系101には、フォーカシングエラー信号を検出する検出方法として、いわゆる非点収差法が用いられている。このため、図14(a),図14(b),図14(c)に示すように、メインビーム用フォトディテクタ121は、戻り光を受光する受光面が略方形状に形成されており、受光面の中央を通り互いに直交する一組の分割線により4等分割された各受光領域a2,b2,c2,d2を有する分割パターンとされている。また、図示しないが、サイドビーム用フォトディテクタは、メインビーム用フォトディテクタ121を間に挟んで対向する位置にそれぞれ配設されている。
【0007】
そして、光学系101は、図13に示すように、光源111から光学ディスク104までの往路において、光源111の発光点を物点として、その共役点である像点が、光学ディスク104の記録面105上に位置するように各光学部品がそれぞれ配設されている。
【0008】
また、光学系101は、光学ディスク104から受光部116までの復路において、光学ディスク104の記録面105上の点を物点として、その共役点である像点が受光部116のメインビーム用フォトディテクタ121の受光面上に位置するように各光学部品がそれぞれ配設されている。
【0009】
したがって、光学系101は、光源111の発光点と受光部116のメインビーム用フォトディテクタ121の受光面上の点も、また互いに共役な関係とされている。
【0010】
上述したメインビーム用フォトディテクタ121の各受光領域a2,b2,c2,d2により、フォーカシングエラー信号を得る方法を以下説明する。
【0011】
まず、光学ディスク104の記録面105に対して対物レンズ115が最適な位置とされて、光学ディスク104の記録面105に対して合焦された、いわゆるジャストフォーカスの状態であれば、メインビーム用フォトディテクタ121の受光面上のビームスポットの形状は、図14(b)に示すように、円形となる。
【0012】
しかし、対物レンズ115が光学ディスク104の記録面105に近づき過ぎた場合、ジャストフォーカスの状態から外れて、戻り光がビームスプリッタ113を通過することによって発生した非点収差によって、メインビーム用フォトディテクタ121の受光面上のビームスポットの形状は、図14(a)に示すように長軸が受光領域a2及び受光領域c2に跨った楕円形状になる。
【0013】
さらに、対物レンズ115が光学ディスク104の記録面105から遠ざかり過ぎた場合、ジャストフォーカスの状態から外れて、戻り光がビームスプリッタ113を通過することによって発生した非点収差によって、メインビーム用フォトディテクタ121の受光面上のビームスポットの形状は、図14(c)に示すように長軸が受光領域b2及び受光領域d2に跨った楕円形状になり、上述した図14(a)に示すビームスポットの形状に比して長軸方向が90度だけ傾いた楕円形状になる。
【0014】
メインビーム用フォトディテクタ121は、各受光領域a2,b2,c2,d2による戻り光の出力を各々Sa2,Sb2,Sc2,Sd2とすると、フォーカシングエラー信号FEは、以下に示す式Aで計算される。
FE=(Sa2+Sc2)−(Sb2+Sd2)・・・・(式A)
すなわち、図14(b)に示すように、メインビーム用フォトディテクタ121は、対物レンズ115が合焦位置に位置された、いわゆるジャストフォーカスの状態の場合、上述した式Aにより演算されるフォーカシングエラー信号FEが0となる。
【0015】
また、メインビーム用フォトディテクタ121は、対物レンズ115が光学ディスク104の記録面105に近づき過ぎた場合、フォーカシングエラー信号FEが正となり、また対物レンズ115が光学ディスク104の記録面105から遠ざかり過ぎた場合、フォーカシングエラー信号FEが負となる。
【0016】
トラッキングエラー信号TEは、回折格子112で分割された±1次光をサイドビーム用フォトディテクタがそれぞれ受光して、各サイドビーム用フォトディテクタの各出力の差分を演算することにより得られる。
【0017】
以上のように構成された光学系101を備える光ピックアップ装置は、受光部116のメインビーム用フォトディテクタ121によって得られたフォーカシングエラー信号FE、及びサイドビーム用フォトディテクタによって得られたトラッキングエラー信号TEに基づいて、対物レンズ115を駆動変位させることによって、光学ディスク104の記録面105に対して対物レンズ115が合焦位置に移動されて、出射光が光学ディスク104の記録面105上に合焦されて、光学ディスク104から情報が再生される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した光ピックアップ装置が備える光学系101は、上述した受光部116によってフォーカシングエラー信号FEを得る場合、メインビーム用フォトディテクタ121の受光面上に照射されるビームスポットの中心が、図15に示すように、メインビーム用フォトディテクタ121の中央からいずれかの方向に少しでも外れることにより、ジャストフォーカスの状態の場合の出力が0でなくなるため、結果的にフォーカシングエラー信号FEにオフセットがかかることになる。
【0019】
光学系101は、フォーカシングエラー信号FEが0になるようにフォーカシング制御が行われるため、対物レンズ115を正確な合焦位置に駆動制御することができなくなるという問題がある。
【0020】
したがって、上述した光ピックアップ装置は、対物レンズ115を適正な位置に制御することが可能とされる適正なフォーカシングエラー信号FEを得るために、光源111の発光点に対して共役な位置に高精度にメインビーム用フォトディテクタ121の受光面が4分割される中心を位置させるように配設する必要がある。
【0021】
上述したように光源111に対する受光部116の位置精度を高く確保するためには、メインビーム用フォトディテクタ121の製造時に、例えばパッケージの位置基準に対してメインビーム用フォトディテクタ121の受光面の位置精度を厳密に管理する等の必要がある。
【0022】
このため上述したような光学系101は、メインビーム用フォトディテクタ121等の受光素子の製造コストを低減する妨げになるとともに、光ピックアップ装置の組立工程の生産性を向上する妨げにもなり、結果的に光ピックアップ装置自体の製造コストの低下の妨げや品質低下の大きな要因となり得るという問題がある。
【0023】
そこで、本発明は、生産性を向上し、製造コストの低減を図り、フォーカスエラー信号の信頼性を向上することができる複合光学素子、光ピックアップ装置及び光学ディスク装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明に係る光学装置は、光源から光学ディスクに出射された出射光を主ビーム及び2つの副ビームに3分割する第1の回折素子と、第1の回折素子で3分割された各出射光を透過させ光学ディスクからの各戻り光を回折させる第2の回折素子と、第2の回折素子で回折された各戻り光のうち主ビームが略合焦位置で入射される位置に配置されるとともに各戻り光のうち副ビームが入射される位置に配置され、各戻り光のうち主ビームを略合焦位置で複数に分割して透過させ、各戻り光のうち副ビームを複数に分割された主ビームよりも大きい偏向角となるように透過させ、複数の受光領域を有する受光手段に導く光分割手段とを備え、上記光分割手段は、それぞれに対応する上記受光領域の領域内にビームスポットを形成するように主ビームを複数に分割することを特徴とする。
【0025】
以上のように構成された本発明に係る光学装置は、光源から出射された出射光を第1の回折素子で主ビーム及び2つの副ビームに3分割して光学ディスクに導き、光学ディスクからの各戻り光を第2の回折素子により回折させて各出射光の光路と分離し、第2の回折素子で回折された各戻り光のうち主ビームを光分割手段で複数に分割して透過させ、副ビームを複数に分割された主ビームよりも大きい偏向角となるように透過させ、光分割手段でその略合焦位置で分割された主ビームを光ピックアップ装置がフォーカシングエラー信号を得るために複数の受光領域を有する受光手段に導き、光分割手段を透過した副ビームを光ピックアップ装置がトラッキングエラー信号を得るために複数の受光領域を有する受光手段に導く。
【0026】
また、上述した目的を達成するため、本発明に係る複合光学素子は、光源から光学ディスクに出射された出射光を主ビーム及び2つの副ビームに3分割する第1の回折素子と、第1の回折素子で3分割された各出射光を透過させ光学ディスクからの各戻り光を回折させる第2の回折素子と、第2の回折素子で回折された各戻り光のうち主ビームが略合焦位置で入射される位置に配置されるとともに各戻り光のうち副ビームが入射される位置に配置され、各戻り光のうち主ビームを略合焦位置で複数に分割して透過させ、各戻り光のうち副ビームを複数に分割された主ビームよりも大きい偏向角となるように透過させ、複数の受光領域を有する受光手段に導く光分割手段とを備え、上記光分割手段は、それぞれに対応する上記受光領域の領域内にビームスポットを形成するように主ビームを複数に分割することを特徴とする。
【0027】
以上のように構成された本発明に係る複合光学素子は、光源から出射された出射光を第1の回折素子で主ビーム及び2つの副ビームに3分割して光学ディスクに導き、光学ディスクからの各戻り光を第2の回折素子により回折させて各出射光の光路と分離し、第2の回折素子で回折された各戻り光のうち主ビームを光分割手段で複数に分割して透過させ、副ビームを複数に分割された主ビームよりも大きい偏向角となるように透過させ、光分割手段でその略合焦位置で分割された主ビームを光ピックアップ装置がフォーカシングエラー信号を得るために複数の受光領域を有する受光手段に導き、光分割手段を透過した副ビームを光ピックアップ装置がトラッキングエラー信号を得るために複数の受光領域を有する受光手段に導く。
【0028】
さらに、上述した目的を達成するため、本発明に係る光ピックアップ装置は、所定の波長の光を出射する光源と、光学ディスクに光源から出射された出射光を集光するとともに光学ディスクからの戻り光を集光する対物レンズと、光源から光学ディスクに出射された出射光を主ビーム及び2つの副ビームに3分割する第1の回折素子と第1の回折素子で3分割された各出射光を透過させ光学ディスクからの各戻り光を回折させる第2の回折素子と第2の回折素子で回折された各戻り光のうち主ビームが略合焦位置で入射される位置に配置されるとともに各戻り光のうち副ビームが入射される位置に配置され、各戻り光のうち主ビームを略合焦位置で複数に分割して透過させ、各戻り光のうち副ビームを複数に分割された主ビームよりも大きい偏向角となるように透過させ、各戻り光を所定の位置に導く光分割手段とを有する複合光学素子と、光分割手段で分割された主ビームをフォーカシングエラー信号を得るために複数の受光領域で受光し、副ビームをトラッキングエラー信号を得るために受光する受光手段とを備え、上記光分割手段は、それぞれに対応する上記受光領域の領域内にビームスポットを形成するように主ビームを複数に分割することを特徴とする。
【0029】
以上のように構成された光ピックアップ装置は、光源から出射した出射光を第1の回折素子により主ビーム及び副ビームに分割して対物レンズにより光学ディスクに集光し、光学ディスクからの各戻り光を複合光学素子内の第2の回折素子により回折させて出射光と分離する。そして、光ピックアップ装置は、第2の回折素子で回折された各戻り光のうち主ビームを光分割手段で複数に分割して透過させ、副ビームを複数に分割された主ビームよりも大きい偏向角となるように透過させ、光分割手段でその略合焦位置で分割された主ビームを光ピックアップ装置がフォーカシングエラー信号を得るために複数の受光領域を有する受光手段に導き、光分割手段を透過した副ビームを光ピックアップ装置がトラッキングエラー信号を得るために複数の受光領域を有する受光手段に導くことで、良好なフォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号を得る。
【0030】
さらにまた、上述した目的を達成するため、本発明に係る光学ディスク装置は、光学ディスクに対して情報を記録及び/又は再生する光ピックアップと、光学ディスクを回転駆動するディスク回転駆動手段とを備える光学ディスク装置において、光ピックアップは、所定の波長の光を出射する光源と、光学ディスクに光源から出射された出射光を集光するとともに光学ディスクからの戻り光を集光する対物レンズと、光源から光学ディスクに出射された出射光を主ビーム及び2つの副ビームに3分割する第1の回折素子と第1の回折素子で3分割された各出射光を透過させ光学ディスクからの各戻り光を回折させる第2の回折素子と第2の回折素子で回折された各戻り光のうち主ビームが略合焦位置で入射される位置に配置されるとともに各戻り光のうち副ビームが入射される位置に配置され、各戻り光のうち主ビームを略合焦位置で複数に分割して透過させ、各戻り光のうち副ビームを複数に分割された主ビームよりも大きい偏向角となるように透過させ各戻り光を所定の位置に導く光分割手段とを有する複合光学素子と、光分割手段で分割された主ビームをフォーカシングエラー信号を得るために複数の受光領域で受光し、副ビームをトラッキングエラー信号を得るために受光する受光手段とを有し、上記光分割手段は、それぞれに対応する上記受光領域の領域内にビームスポットを形成するように主ビームを複数に分割することを特徴とする。
【0031】
以上のように構成された光学ディスク装置は、ディスク回転駆動手段により光学ディスクが回転駆動されて、光ピックアップにより情報の記録及び/又は再生が行われる。このとき光学ディスク装置は、光ピックアップが、光源から出射した出射光を第1の回折素子により主ビーム及び2つの副ビームに3分割して対物レンズにより光学ディスクに集光し、光学ディスクからの各戻り光を複合光学素子の第2の回折素子により回折させて出射光と分離する。そして、光学ディスク装置は、光ピックアップが、第2の回折素子で回折された各戻り光のうち主ビームを光分割手段で複数に分割して透過させ、副ビームを複数に分割された主ビームよりも大きい偏向角となるように透過させ、光分割手段でその略合焦位置で分割された主ビームを光ピックアップ装置がフォーカシングエラー信号を得るために複数の受光領域を有する受光手段に導き、光分割手段を透過した副ビームを光ピックアップ装置がトラッキングエラー信号を得るために複数の受光領域を有する受光手段に導くことで、良好なフォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号を得る。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された光学ディスク装置について、図面を参照して説明する。
【0033】
光学ディスク装置1は、図1に示すように、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Varsatile Disc)、情報の追記が可能とされるCD−R(Recordable)、情報の書き換えが可能とされるCD−RW(ReWritable)等の光ディスクや、光磁気ディスク等の光学ディスク2に対して情報の記録及び/又は再生(以下では記録再生と記述する。)を行うことができるようにされている。
【0034】
光学ディスク装置1は、光学ディスク2から情報の記録再生を行う光ピックアップ3と、光学ディスク2を回転駆動するディスク回転駆動機構4と、光ピックアップ3を光学ディスク2の径方向に移動させる送り機構5と、これら光ピックアップ3、ディスク回転駆動機構4、送り機構5を制御する制御部6とを備えている。
【0035】
ディスク回転駆動機構4は、光学ディスク2が載置されるディスクテーブル7と、このディスクテーブル7を回転駆動するスピンドルモータ8とを有している。送り機構5は、図示しないが、光ピックアップ3を支持する支持ベースと、この支持ベースを移動可能に支持する主軸及び副軸と、支持ベースを移動させるスレッドモータとを有している。
【0036】
制御部6は、図1に示すように、送り機構5を駆動制御して光学ディスク2の径方向に対する光ピックアップ3の位置を制御するアクセス制御回路9と、光ピックアップ3の二軸アクチュエータを駆動制御するサーボ回路10と、これらアクセス制御回路9、サーボ回路10を制御するドライブコントローラ11とを有している。また、この制御部6は、光ピックアップ3からの信号を復調処理する信号復調回路12と、復調処理された信号を誤り訂正する誤り訂正回路13と、誤り訂正された信号を外部コンピュータ等の電子機器に出力するためのインターフェース14とを有している。
【0037】
以上のように構成された光学ディスク装置1は、ディスク回転駆動機構4のスピンドルモータ8によって、光学ディスク2が載置されたディスクテーブル7を回転駆動し、制御部6のアクセス制御回路9からの制御信号に応じて送り機構5を駆動制御し、光ピックアップ3を光学ディスク2の所望の記録トラックに対応する位置に移動することで、光学ディスク2に対して情報の記録再生を行う。
【0038】
ここで、上述した光ピックアップ3について詳しく説明する。
【0039】
光ピックアップ3は、図2に示すように、光学ディスク2から情報を再生する光学系30と、この光学系30が有する後述する対物レンズを駆動変位させる図示しないレンズ駆動機構とを有している。
【0040】
光ピックアップ3が有する光学系30は、光路順に、レーザ光を出射する光源31と、この光源31から出射された出射光を分割し、光学ディスク2からの戻り光を回折するとともに、さらに戻り光を分割する複合光学素子32と、光源31から出射され複合光学素子32を透過した出射光を所定の開口数NAに絞る開口絞り33と、この開口絞り33により絞られた出射光を光学ディスク2の記録面2aに集光させる対物レンズ34と、複合光学素子32を透過した光学ディスク2からの戻り光を受光する受光部35とを有している。
【0041】
光源31は、波長が例えば780nm程度のレーザ光を出射する半導体レーザを有している。
【0042】
複合光学素子32は、図3に示すように、例えば樹脂材料を用いた射出成形によってブロック状に形成されており、光源31に臨まされるとともにこの光源31から出射される出射光の光軸に直交する第1の面41と、この第1の面41と平行に対向する第2の面42と、第2の面42に対して所定の角度だけ傾斜して対向する第3の面43と、第1の面41及び第2の面42に対して垂直且つ第3の面43に対して所定の角度だけ傾斜して対向する第4の面44とを有している。なお、図3においては、各戻り光のうちメインビームをL1として、L1の光路のみを示している。
【0043】
第1の面41には、光源31から出射された出射光を、0次光(以下では、メインビームと称する。)及び±1次光(以下では、サイドビームと称する。)からなる3ビームに分割する第1の回折格子45が設けられている。光学系30は、トラッキングエラー信号TEを得るために、いわゆる3スポット法(3ビーム法)が適用されており、サイドビームの各出力の差分を検出することによってトラッキングサーボを行うように構成されている。
【0044】
第2の面42には、光学ディスク2からの各戻り光のうち第1の回折格子45で分割されたメインビーム及びサイドビームを回折させ、さらに0次光及び±1次光に分割して、例えば+1次光を戻り光として出射光の光路と分離する第2の回折格子46が設けられている。
【0045】
第3の面43には、第2の回折格子46によって分離された各戻り光の光路上に位置して、第2の回折格子46によって分離された各戻り光を回折させ、さらに0次光及び±1次光に分割して、例えば−1次光を戻り光として、光源31から出射される出射光の波長変動により第2の回折格子46で発生する光路変動を補正する第3の回折格子47が設けられている。
【0046】
この第3の回折格子47は、入射された各戻り光が全反射するように第3の面43に所定の反射膜が設けられており、いわゆる反射型の回折格子として機能する。第3の回折素子47は、反射型の回折格子とされているため、複合光学素子32内で、上述した光路変動を補正することができる。
【0047】
第4の面44には、第3の回折格子47によって光路変動が補正された各戻り光の光路上に位置して、この各戻り光のうちメインビームを4分割するとともに、サイドビームをメインビームよりも大きい偏向角で透過させる分割プリズム48が設けられている。
【0048】
この分割プリズム48は、図4及び図5に示すように、略正四角錐をなす形状に形成された頂上部48aと、この頂上部48aを囲む4つの側面x1,x2,x3,x4と、これら4つの側面x1,x2,x3,x4の傾斜角に対して急峻な傾斜角とされた急峻面x5,x6とが設けられている。分割プリズム48は、第3の回折格子47によって反射及び回折された各戻り光のうち、メインビームが、焦点又は焦点近傍で頂上部48aの中心に入射され、サイドビームがそれぞれ急峻面x5,x6に入射されるように配設されている。なお、図4及び図5においては、各戻り光のうち、メインビームをL1、サイドビームをL2,L3として、各光路を示している。
【0049】
また、分割プリズム48は、複合光学素子62の内方に位置して、この内方側に頂上部48aを向けて凹形状に設けられている。すなわち、分割プリズム48は、第1の回折格子45で分割されたメインビームが、第2の回折格子46で回折され、第3の回折格子47で反射及び回折されて、頂上部48aに入射されるように配設されている。なお、分割プリズム48は、底面が、第3の回折格子47で反射及び回折されたメインビームの光軸に対して直交するように配設されている。
【0050】
また、複合光学素子32は、第2の回折格子46で分離された各戻り光が通過することによって、分割プリズム48に入射される各戻り光に非点収差を所定量だけ付与する。複合光学素子32は、光源31から出射された出射光の光軸方向の位置を調動することによって、光学ディスク2に対するデフォーカスを容易に調整することが可能とされる。
【0051】
複合光学素子32は、上述したように樹脂材料を射出成型することにより形成される。また、その他の形成方法としては、エッチング加工により上述の第1の回折格子45、第2の回折格子46、第3の回折格子47及び分割プリズム48を形成しても良いし、機械加工により形成してもかまわない。なお、複合光学素子32を形成する材料としては、樹脂材料に限定されるものではなく、硝材等の透光性を有する光学材料を用いることができ、さらにこれらの光学材料の組み合わせにより、部分的に材料構成を変えるようにしてもよい。
【0052】
このように設計された複合回折素子32は、光源31周辺の温度変化等により光源31から出射される出射光の波長変動し、この波長変動により光学ディスク2からの戻り光が第2の回折格子46で+1次光として回折されて出射光と分離される際に、この分離された戻り光の光路が変動しても、この戻り光を第3の回折格子47で−1次光として反射及び回折させることにより、光学ディスク2からの戻り光を常に分割プリズム48の頂上部48aに導き、分割プリズム48で分割された各戻り光を受光部35の受光領域の所定の位置に正確に導くことができるようにされている。
【0053】
開口絞り33は、複合光学素子32の第2の回折格子46を通過した出射光の光軸上に位置して配設されている。
【0054】
対物レンズ34は、少なくとも1つの凸レンズにより構成され、光源31から出射され開口絞り33で絞られた出射光を光学ディスク2に集光するとともに、光学ディスク2からの戻り光を集光するように配設されている。
【0055】
受光部35は、図6に示すように、第1の回折格子45で分割されたメインビームを受光する略方形状のメインビーム用フォトディテクタ51と、第1の回折格子45で分割されたサイドビームをそれぞれ受光する一組の略帯状のサイドビーム用フォトディテクタ52,53とを有している。受光部35は、複合光学素子32の分割プリズム48によって分割された各戻り光に対応する位置に配設されている。受光部35には、中央に位置して略方形状のメインビーム用フォトディテクタ51が配設されるとともに、このメインビーム用フォトディテクタ51を間に挟み込んで両側に位置して一組の略帯状のサイドビーム用フォトディテクタ52,53がそれぞれ配設されている。
【0056】
また、受光部35のメインビーム用フォトディテクタ51は、互いに直交する一組の分割線によって4等分割された各受光領域a1,b1,c1,d1を有している。これら各受光領域a1,b1,c1,d1には、分割プリズム48によって4分割されたメインビームがそれぞれ照射される。
【0057】
光ピックアップ3が有するレンズ駆動機構は、図示しないが、対物レンズ34を保持するレンズホルダと、このレンズホルダを対物レンズ34の光軸に平行なフォーカシング方向及び対物レンズ34の光軸に直交するトラッキング方向との二軸方向に変位可能に支持するホルダ支持部材と、レンズホルダを二軸方向に電磁力により駆動変位させる電磁駆動部とを有している。
【0058】
レンズ駆動機構は、受光部35のメインビーム用フォトディテクタ51が検出するフォーカシングエラー信号及びサイドビーム用フォトディテクタ52,53が検出するトラッキングエラー信号に基づいて、対物レンズ34をフォーカシング方向及びトラッキング方向にそれぞれ駆動変位させて、光学ディスク2の記録面2aの記録トラックに出射光を合焦させる。
【0059】
なお、上述した複合光学素子32は、分割プリズム48の頂上部48aが例えば略八角錐状に形成されるとしてもよい。この場合には、受光部35のメインビーム用フォトディテクタ51が、受光面の中央から放射状の分割線によって8分割されるように構成されてもよい。また、複合光学素子32は、分割プリズム48が、第4の面44に対して内方側に凹形状に設けられたが、第4の面44に対して外方側に突設されてもよい。さらに、複合光学素子32は、分割プリズム48が、平面を有する略角錐に限定されずに、複数の曲面を有する形状とされていてもよい。この場合には、受光部35のメインビーム用フォトディテクタ51の分割領域を対応するように設けることとなる。さらに、複合光学素子32は、第1の回折格子45、第2の回折格子46及び第3の回折格子47がそれぞれホログラム素子として所定のホログラムパターンをエッチング処理等によって形成する構成とされてもよい。このようなホログラムは、例えば、表面レリーフ型ホログラムとすることで、回折効率が向上し迷光が低減するので特に好ましい。
【0060】
また、複合光学素子32は、分割プリズム48の代わりに、図7に示すように、6つの領域に分割されたグレーティング49を用いても同等の効果を得ることができる。この場合に、グレーティング49は、分割プリズム48と同等の効果が得られるように、分割領域y1,y2,y3,y4,y5,y6が設けられ、各分割領域y1,y2,y3,y4,y5,y6において溝を形成する方向がそれぞれ異なっている。具体的には、分割領域y1とy3との溝を形成する方向と、分割領域y2とy4との溝を形成する方向とが互いに直交するようにされている。グレーティング49は、入射した光学ディスク2からの各戻り光のうちメインビームを、各分割領域y1,y2,y3,y4におけるそれぞれの溝の向き及び格子定数に応じて回折させて4分割し、サイドビームを、各分割領域y5,y6におけるそれぞれの溝の向き及び格子定数に応じて分割されたメインビームよりも大きい偏向角となるように回折させて受光部35のサイドビーム用フォトディテクタ52,53に導く。また、グレーティング49は、ホログラムであっても良く、例えば、表面レリーフ型ホログラムを用いることで、回折効率が向上し迷光が低減するので特に好ましい。
【0061】
さらに、複合光学素子32は、内部に反射面を有する設計にしてもよく、反射面を利用して光路を曲げることにより光学設計の自由度を向上させることができる。
【0062】
さらにまた、複合光学素子32は、分割プリズム48に入射する光学ディスク2からの各戻り光のうちメインビームの入射角が分割プリズム48の各側面x1,x2,x3,x4に対して20°以下となるようにする、すなわち分割プリズム48の各側面x1,x2,x3,x4の傾斜角を20°以下とすることで、入射するメインビームが全反射条件に入らずに屈折による分割されたメインビームの偏向角を大きくすることができ、メインビーム用フォトディテクタ51内の各分割領域の間隔を広く取ることができ、光ピックアップ3の組立精度を緩くすることができる。また、複合光学素子32は、分割プリズム48に入射する光学ディスク2からの各戻り光のうちサイドビームの入射角が分割プリズム48の各急峻面x5,x6に対して35°以下となるようにする、すなわち分割プリズム48の各急峻面x5,x6の傾斜角を35°以下とすることで、メインビームよりもサイドビームの偏向角が大きくなるため、メインビーム用フォトディテクタ51とサイドビーム用フォトディテクタ52,53との間隔を広く取ることができ、光ピックアップ3の組立精度を緩くすることができる。
【0063】
以上のように構成された光学ディスク装置1は、光学ディスク2からの各戻り光によって光ピックアップ3が検出したフォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいて、サーボ回路10から光ピックアップ3の二軸アクチュエータに制御信号が出力されて、対物レンズ34がフォーカシング方向及びトラッキング方向にそれぞれ駆動変位されることにより、出射光が対物レンズ34を介して光学ディスク2の所望の記録トラックに合焦される。そして、光学ディスク装置1は、光ピックアップ3によって読み取られた信号が信号復調回路12及び誤り訂正回路13により、復調処理及び誤り訂正処理された後、インターフェース14から再生信号として出力される。
【0064】
ここで、光学ディスク装置1について、光ピックアップ3内の出射光及び戻り光の光路を図面を参照して説明する。
【0065】
光学ディスク装置1は、図2に示すように、光学ディスク2の記録面2aから情報を再生する場合、光源31から出射されたレーザ光が、複合光学素子32の第1の回折格子45によってメインビーム及びサイドビームからなる3ビームにそれぞれ分割される。3ビームに分割された各出射光は、複合光学素子32の第2の回折格子46を透過されて、対物レンズ34により光学ディスク2の記録面2aに集光される。
【0066】
光学ディスク2の記録面2aからの各戻り光は、再び対物レンズ34で集光され、複合光学素子32の第2の回折格子46により回折し、+1次光が戻り光として第3の面43に向かう光路に導かれて、各戻り光が第3の回折格子47に入射される。第3の回折格子47に入射された各戻り光は、第3の回折格子47により反射及び回折し、−1次光が戻り光として、分割プリズム48の頂上部48aにメインビームが入射され、各急峻面x5,x6にサイドビームがそれぞれ入射される。分割プリズム48の頂上部48aに入射されたメインビームは、各側面x1,x2,x3,x4に入射されることにより、互いに異なる方向にそれぞれ屈折し、4本の光束に4分割されて、受光部35のメインビーム用フォトディテクタ51の各受光領域a1,b1,c1,d1にそれぞれ照射される。また、分割プリズム48の各急峻面x5,x6に入射されたサイドビームは、メインビームよりも大きい偏向角で透過し、受光部35のサイドビーム用フォトディテクタ52,53にそれぞれ照射される。
【0067】
第3の回折格子47で反射及び回折されたメインビームが分割プリズム48の頂上部48aに入射されるとき、図8(b)に示すように、光学ディスク2の記録面2aに対して対物レンズ34が合焦位置に位置されている場合、分割プリズム48の頂上部48aには、ほぼ円形とされたメインビームが入射される。
【0068】
一方、メインビームが分割プリズム48の頂上部48aに入射されるとき、図8(a)に示すように、光学ディスク2の記録面2aに対して対物レンズ34が近づき過ぎた場合、対物レンズ34が合焦位置から外れるため、メインビームが複合光学素子32を通過することにより発生する非点収差によって、分割プリズム48の頂上部48aには、長軸が図中右上がりの楕円形とされたメインビームが入射される。
【0069】
また、メインビームが分割プリズム48の頂上部48aに入射されるとき、図8(c)に示すように、光学ディスク2の記録面2aに対して対物レンズ34が遠ざかり過ぎた場合、対物レンズ34が合焦位置から外れるため、メインビームが複合光学素子32を通過することにより発生する非点収差によって、分割プリズム48の頂上部48aには、長軸が図中左上がりの楕円形とされたメインビームが入射される。
【0070】
したがって、対物レンズ34が合焦位置から外れた状態で、分割プリズム48の頂上部48aにメインビームが入射するとき、分割プリズム48の互いに対向する二組の側面x1,x3と側面x2,x4には、一方の組の各側面にメインビームの大部分が入射するとともに、他方の組の各側面にメインビームのごく僅かが入射するように分かれる。
【0071】
すなわち、図8(a)に示すように楕円形とされたメインビームが入射する分割プリズム48には、メインビームの大部分が一組の対向する各側面x1,x3に入射するとともに、メインビームのごく僅かが一組の対向する各側面x2,x4に入射する。また、図8(c)に示すように楕円形とされたメインビームが入射する分割プリズム48には、メインビームの大部分が一組の各側面x2,x4に入射するとともに、メインビームのごく僅かが一組の対向する各側面x1,x3に入射する。
【0072】
このように、第1の回折格子45で分割されたメインビームは、光学ディスク2で反射され、第2の回折格子46で回折され+1次光とされて、第3の回折格子47で反射及び回折されて、分割プリズム48の各側面x1,x2,x3,x4にそれぞれ入射されることにより、互いに異なる方向に屈折されるため、4本の光束に分割されて、受光部35のメインビーム用フォトディテクタ51の各受光領域a2,b2,c2,d2にそれぞれ入射する。
【0073】
また、第1の回折格子45で分割されたサイドビームは、光学ディスク2で反射され、第2の回折格子46で回折され+1次光とされて、第3の回折格子47で反射及び回折されて、分割プリズム48の各急峻面x5,x6にそれぞれ入射されることにより、異なる方向に屈折され、受光部35のサイドビーム用フォトディテクタ52,53の各受光領域にそれぞれ入射する。
【0074】
このため、図9(a)及び図9(c)に示すように、メインビーム用フォトディテクタ51の互いに対向する二組の各受光領域a2,c2と各受光領域b2,d2とでは、一方の組の各受光領域が受光する受光量が多くなるとともに、他方の組の各受光領域が受光する受光量が少なくなる。
【0075】
すなわち、図8(a)に示すような楕円形のメインビームが分割プリズム48に入射した場合、メインビーム用フォトディテクタ51は、図9(a)に示すように、対向する各受光領域a2,c2が受光する受光量が多くなるとともに、対向する各受光領域b2,d2が受光する受光量が少なくなる。また、図8(c)に示すような楕円形のメインビームが分割プリズム48に入射した場合、メインビーム用フォトディテクタ51は、図9(c)に示すように、対向する各受光領域b2,d2が受光する受光量が多くなるとともに、対向する各受光領域a2,c2が受光する受光量が少なくなる。
【0076】
また、図8(b)に示すような円形のメインビームが分割プリズム48の頂上部48aに入射した場合、メインビーム用フォトディテクタ51は、図9(b)に示すように、対向する各受光領域a2,c2と各受光領域b2,d2の各受光量が等しくなる。
【0077】
したがって、メインビーム用フォトディテクタ51は、各受光領域a2,b2,c2,d2がそれぞれ検出する各出力をSa2,Sb2,Sc2,Sd2とすると、フォーカシングエラー信号FEは、以下に示す式1で計算することができる。
FE=(Sa2+Sc2)−(Sb2+Sd2)・・・・(式1)
すなわち、メインビーム用フォトディテクタ51は、光学ディスク2の記録面2aに対して対物レンズ34が合焦位置に位置された場合、式1によって演算されるフォーカシングエラー信号FEが0となる。また、メインビーム用フォトディテクタ51は、光学ディスク2の記録面2aに対して対物レンズ34が近づき過ぎた場合、フォーカシングエラー信号FEが正となり、また光学ディスク2の記録面2aに対して対物レンズ34が遠ざかり過ぎた場合、フォーカシングエラー信号FEが負となる。
【0078】
上述のように受光部35のメインビーム用フォトディテクタ51は、各受光領域a2,b2,c2,d2にそれぞれ入射された各ビームスポットの出力により、フォーカシングエラー信号FEを得るとともに再生信号を得る。
【0079】
また、一組の各サイドビーム用フォトディテクタ52,53は、第1の回折格子45で分割されたサイドビームのうち光学ディスク2からの各戻り光の各受光量を検出し、サイドビームの各出力の差分を演算することによってトラッキングエラー信号TEを得る。
【0080】
以上のように光学ディスク装置1は、光ピックアップ3により得られたフォーカシングエラー信号FE及びトラッキングエラー信号TEに基づいて、サーボ回路10がレンズ駆動機構を制御して対物レンズ34をフォーカシング方向及びトラッキング方向にそれぞれ駆動変位させることにより、光学ディスク2の記録面2aに出射光を合焦させて、光学ディスク2から情報を再生する。
【0081】
上述したように、光学ディスク装置1は、光ピックアップ3が、光学ディスク2からの各戻り光を回折する第2の回折格子46と、この第2の回折格子46により回折された+1次光を戻り光として、この戻り光をさらに回折する第3の回折素子47と、この第3の回折格子47で回折された−1次光を戻り光として、この戻り光をさらに分割する分割プリズム48とが設けられた複合光学素子32を有することにより、従来に述べた光学系101のようにメインビーム用フォトディテクタの分割線によってビームスポットを分割する形式に比して光路上で戻り光が分割されるため、分割プリズム48で分割された4本のメインビームを受光するようにメインビーム用フォトディテクタ51の各受光領域a1,b1,c1,d1を所定の大きさに確保することで、メインビーム用フォトディテクタの分割位置等に要求される精度が緩和される。このため、光学ディスク装置1は、光ピックアップ3におけるメインビーム用フォトディテクタ51の製造コストを低減するとともに、光ピックアップ3の製造工程でメインビーム用フォトディテクタ51の位置調整を容易に行うことが可能とされて、得られるフォーカシングエラー信号FEの信頼性を向上することができる。また、光学ディスク装置1は、分割プリズム48に入射されるメインビームよりもサイドビームの偏向角が大きいので、メインビームとサイドビームとが受光部35に形成するビームスポットが重なることなく離れるので、メインビーム用フォトディテクタ51とサイドビーム用フォトディテクタ52,53との間隔を大きくすることができ、光ピックアップ3におけるサイドビーム用フォトディテクタ52,53の製造コストを低減するとともに、光ピックアップ3の製造工程でサイドビーム用フォトディテクタ52,53の位置調整を容易に行うことが可能とされて、得られるトラッキングエラー信号TEの信頼性を向上することができる。
【0082】
また、光学ディスク装置1は、光ピックアップ3において、複合光学素子32のみで、従来に述べた光学系101が有する回折格子112及びビームスプリッタ113の各機能を備えているため、光学部品の点数を必要最小限に留めて、光学系30の構成を簡素化、小型化を図るとともに製造コストを低減することが可能とされる。
【0083】
したがって、光学ディスク装置1は、光ピックアップ3内の光学系30が複合光学素子32有することで、生産性が向上し、製造コストの低減を図り、信頼性を向上させることができる。
【0084】
さらに、光学ディスク装置1は、図示しないが、光ピックアップ3を光源31と受光部35とが一体化された光学ユニットとして構成することにより、さらに部品点数を削減し、製造コストの低減を実現することが可能とされる。
【0085】
なお、光学ディスク装置1は、上述した光ピックアップ3においてフォーカシングエラー信号FEを得るために、いわゆる非点収差法が採用されたが、フーコー法等の他の検出方法が用いられてもよい。
【0086】
また、複合光学素子32を1つの素子により構成せずに、各光学素子を上述と同じような配置とすることで同様の機能を得ることができることは言うまでもない。
【0087】
ここで、複合光学素子32の分割プリズム48が上述とは異なる形状とされている場合について説明する。なお、上述で説明したもの略同等のものには同じ符号を付して説明を省略する。
【0088】
図10及び図11に示すよに、分割プリズム60は、略四角錐状をなす形状に形成された頂上部60aと、この頂上部60aを囲む4つの側面z1,z2,z3,z4と、これら4つの側面z1,z2,z3,z4の傾斜角に対して急峻な傾斜角とされ各側面z1,z2,z3,z4にそれぞれ連続した各急峻面z5,z6,z7,z8とが設けられた形状とされている。複合光学素子32のその他の構成は、上述したものと同様であるので、この分割プリズム60には、第3の回折格子47で反射及び回折された各戻り光が入射されることとなる。この場合、分割プリズム60は、第3の回折格子47によって反射及び回折された各戻り光のうち、メインビームが、焦点又は焦点近傍で頂上部60aの中心に入射され、サイドビームがそれぞれ各急峻面z5,z6,z7、z8に入射されるように配設されている。なお、図10及び図11においては、各戻り光のうち、メインビームをL1、サイドビームをL2,L3として、各光路を示している。
【0089】
また、分割プリズム60は、複合光学素子32の内方に位置して、この内方側に頂上部60aを向けて凹形状に設けられている。すなわち、分割プリズム60は、第1の回折格子45で分割されたメインビームが、第2の回折格子46で回折され、第3の回折格子47で反射及び回折されて、頂上部60aに入射されるように配設されている。なお、分割プリズム60は、底面が、第3の回折格子47で反射及び回折されたメインビームの光軸に対して直交するように配設されている。
【0090】
さらにまた、複合光学素子32は、分割プリズム60に入射する光学ディスク2からの各戻り光のうちメインビームの入射角が分割プリズム60の各側面z1,z2,z3,z4に対して20°以下となるようにする、すなわち分割プリズム60の各側面z1,z2,z3,z4の傾斜角を20°以下とすることで、入射するメインビームが全反射条件に入らずに屈折による分割されたメインビームの偏向角を大きくすることができ、メインビーム用フォトディテクタ51内の各分割領域の間隔を広く取ることができ、光ピックアップ3の組立精度を緩くすることができる。また、複合光学素子32は、分割プリズム60に入射する光学ディスク2からの各戻り光のうちサイドビームの入射角が分割プリズム60の各急峻面z5,z6,z7,z8に対して35°以下となるようにする、すなわち分割プリズム60の各急峻面z5,z6,z7,z8の傾斜角を35°以下とすることで、メインビームよりもサイドビームの偏向角が大きくなるため、メインビーム用フォトディテクタ51とサイドビーム用フォトディテクタ52,53との間隔を広く取ることができ、光ピックアップ3の組立精度を緩くすることができる。
【0091】
上述のような、分割プリズム60に各戻り光が入射される場合は、メインビームが頂上部60aに入射され、各側面z1,z2,z3,z4により4分割されて、図12に示すように、メインビーム用フォトディテクタ51に導かれる。また、サイドビームが各急峻面z5,z6,z7,z8に入射されて、メインビームよりも大きい偏向角で透過するので、メインビーム用フォトディテクタ51より離れたサイドビーム用フォトディテクタ52,53に導かれる。この際に、一方のサイドビームは、L2の光路に示すように、急峻面z5,z6に跨って入射するので、急峻面z5,z6により異なる方向に屈折し、サイドビーム用フォトディテクタ52,53の一方に2つのビームスポットを生成する。また、他方のサイドビームは、L3の光路に示すように、急峻面z7,z8に跨って入射するので、急峻面z7,z8により異なる方向に屈折し、サイドビーム用フォトディテクタ52,53の他方に2つのビームスポットを生成する。
【0092】
なお、上述したような分割プリズム60を有する場合のフォーカシングエラー信号FE及びトラッキングエラー信号TEの生成方法については、上述した分割プリズム48を有する場合と同様である。
【0093】
このように、分割プリズム60を有する複合光学素子32を光ピックアップに用いた光学ディスク装置1は、従来に述べた光学系101のようにメインビーム用フォトディテクタの分割線によってビームスポットを分割する形式に比して光路上で戻り光が分割されるため、分割プリズム60で分割された4本のメインビームを受光するようにメインビーム用フォトディテクタ51の各受光領域a1,b1,c1,d1を所定の大きさに確保することで、メインビーム用フォトディテクタ51の分割位置等に要求される精度が緩和される。このため、光学ディスク装置1は、光ピックアップ3におけるメインビーム用フォトディテクタ51の製造コストを低減するとともに、光ピックアップ3の製造工程でメインビーム用フォトディテクタ51の位置調整を容易に行うことが可能とされて、得られるフォーカシングエラー信号FEの信頼性を向上することができる。また、光学ディスク装置1は、分割プリズム60に入射されるメインビームよりもサイドビームの偏向角が大きいので、メインビームとサイドビームとが受光部35に形成するビームスポットが重なることなく離れるので、メインビーム用フォトディテクタ51とサイドビーム用フォトディテクタ52,53との間隔を大きくすることができ、光ピックアップ3におけるサイドビーム用フォトディテクタ52,53の製造コストを低減するとともに、光ピックアップ3の製造工程でサイドビーム用フォトディテクタ52,53の位置調整を容易に行うことが可能とされて、得られるトラッキングエラー信号TEの信頼性を向上することができる。
【0094】
また、光学ディスク装置1は、光ピックアップ3において、複合光学素子32のみで、従来に述べた光学系101が有する回折格子112及びビームスプリッタ113の各機能を備えているため、光学部品の点数を必要最小限に留めて、光学系30の構成を簡素化、小型化を図るとともに製造コストを低減することが可能とされる。
【0095】
したがって、光学ディスク装置1は、光ピックアップ3内の光学系30が複合光学素子32有することで、生産性が向上し、製造コストの低減を図り、信頼性を向上させることができる。
【0096】
さらに、光学ディスク装置1は、図示しないが、光ピックアップ3を光源31と受光部35とが一体化された光学ユニットとして構成することにより、さらに部品点数を削減し、製造コストの低減を実現することが可能とされる。
【0097】
なお、光学ディスク装置1は、上述した光ピックアップ3においてフォーカシングエラー信号FEを得るために、いわゆる非点収差法が採用されたが、フーコー法等の他の検出方法が用いられてもよい。
【0098】
また、複合光学素子32を1つの素子により構成せずに、各光学素子を上述と同じような配置とすることで同様の機能を得ることができることは言うまでもない。
【0099】
【発明の効果】
上述したように本発明に係る光学装置によれば、光学ディスク装置においてこの光学装置を光ピックアップに用いることで、生産性を向上し、製造コストの低減を図り、フォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号の信頼性を向上することができる。
【0100】
上述したように本発明に係る複合光学素子によれば、光学ディスク装置においてこの複合光学素子を光ピックアップに用いることで、生産性を向上し、製造コストの低減を図り、フォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号の信頼性を向上することができる。
【0101】
また、本発明に係る光ピックアップ装置によれば、光学ディスク装置においてこの光ピックアップ装置を用いることで、生産性を向上し、製造コストの低減を図り、フォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号の信頼性を向上することができる。
【0102】
さらに、本発明に係る光学ディスク装置によれば、生産性を向上し、製造コストの低減を図り、フォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学ディスク装置の構成を示す概略図である。
【図2】同光学ディスク装置が備える光ピックアップの概略を示す図である。
【図3】上記光ピックアップが有する複合光学素子を示す斜視図である。
【図4】上記光ピックアップにおける複合光学素子が有する分割プリズムを示す平面図である。
【図5】上記光ピックアップにおける複合光学素子が有する分割プリズムを示す斜視図である。
【図6】上記光ピックアップが有する受光部の各受光領域を示す図である。
【図7】上記光ピックアップにおける複合光学素子が有する分割プリズムと同等の機能を有するグレーティングを示す平面図である。
【図8】上記光ピックアップにおける複合光学素子が有する分割プリズムに入射されるメインビームを示し、(a)は対物レンズが光学ディスクに近い状態を示し、(b)は対物レンズが合焦位置に位置する状態を示し、(c)は対物レンズが光学ディスクから遠い状態を示す図である。
【図9】上記光ピックアップが有するメインビーム用フォトディテクタの各受光領域のビームスポットを示し、(a)は対物レンズが光学ディスクに近い状態を示し、(b)は対物レンズが合焦位置に位置する状態を示し、(c)は対物レンズが光学ディスクから遠い状態を示す図である。
【図10】上記光ピックアップにおける複合光学素子が有する他の分割プリズムを示す平面図である。
【図11】上記光ピックアップにおける複合光学素子が有する他の分割プリズムを示す斜視図である。
【図12】上記光ピックアップが有する受光部の他の各受光領域を示す図である。
【図13】従来の光ピックアップ装置が備える光学系を示す模式図である。
【図14】従来の光学系が有するメインビーム用フォトディテクタの各受光領域のビームスポットを示し、(a)は対物レンズが光学ディスクに近い状態を示し、(b)は対物レンズが合焦位置に位置する状態を示し、(c)は対物レンズが光学ディスクから遠い状態を示す図である。
【図15】従来の光学系のメインビーム用フォトディテクタの受光面の中央に対してビームスポットの中心が外れた状態を示す図である。
【符号の説明】
1 光学ディスク装置、2 光学ディスク、30 光学系、31 光源、32複合光学素子、34 対物レンズ、35 受光部、41 第1の面、42 第2の面、43 第3の面、44 第4の面、45 第1の回折格子、46 第2の回折格子、47 第3の回折格子、48 分割プリズム
Claims (42)
- 光源から光学ディスクに出射された出射光を主ビーム及び2つの副ビームに3分割する第1の回折素子と、
上記第1の回折素子で3分割された各出射光を透過させ、上記光学ディスクからの各戻り光を回折させる第2の回折素子と、
上記第2の回折素子で回折された各戻り光のうち主ビームが略合焦位置で入射される位置に配置されるとともに上記各戻り光のうち副ビームが入射される位置に配置され、上記各戻り光のうち主ビームを上記略合焦位置で複数に分割して透過させ、上記各戻り光のうち副ビームを複数に分割された主ビームよりも大きい偏向角となるように透過させ、複数の受光領域を有する受光手段に導く光分割手段とを備え、
上記光分割手段は、それぞれに対応する上記受光領域の領域内にビームスポットを形成するように主ビームを複数に分割する光学装置。 - 上記第1の回折素子は、ホログラムであることを特徴とする請求項1記載の光学装置。
- 上記第2の回折素子は、ホログラムであることを特徴とする請求項1記載の光学装置。
- 上記光分割手段は、複数の平面又は曲面により構成されたプリズムであることを特徴とする請求項1記載の光学装置。
- 上記プリズムは、略四角錐状に形成された頂上部に主ビームが略合焦位置で入射されるとともに、副ビームが入射される側面部の一部が当該側面部の傾斜角よりも急峻となる傾斜角で形成されてなることを特徴とする請求項4記載の光学装置。
- 更に、上記第2の回折素子と上記光分割手段との間の光路上に配置され、上記光源から出射される出射光の波長変動により上記第2の回折素子で発生する各戻り光の光路変動を補正し、上記光分割手段の所定の位置に各戻り光を導く光路変動補正手段を備えることを特徴とする請求項1記載の光学装置。
- 上記光路変動補正手段は、回折素子であり、上記第2の回折素子で回折された各戻り光を更に回折させることを特徴とする請求項6記載の光学装置。
- 上記回折素子は、反射型回折素子であることを特徴とする請求項7記載の光学装置。
- 上記回折素子は、ホログラムであることを特徴とする請求項7記載の光学装置。
- 光源から光学ディスクに出射された出射光を主ビーム及び2つの副ビームに3分割する第1の回折素子と、
上記第1の回折素子で3分割された各出射光を透過させ、上記光学ディスクからの各戻り光を回折させる第2の回折素子と、
上記第2の回折素子で回折された各戻り光のうち主ビームが略合焦位置で入射される位置に配置されるとともに上記各戻り光のうち副ビームが入射される位置に配置され、上記各戻り光のうち主ビームを上記略合焦位置で複数に分割して透過させ、上記各戻り光のうち副ビームを複数に分割された主ビームよりも大きい偏向角となるように透過させ、複数の受光領域を有する受光手段に導く光分割手段とを備え、
上記光分割手段は、それぞれに対応する上記受光領域の領域内にビームスポットを形成するように主ビームを複数に分割する複合光学素子。 - 上記第1の回折素子と上記第2の回折素子と上記光分割手段とが樹脂材料により一体成型されてなることを特徴とする請求項10記載の複合光学素子。
- 上記第1の回折素子は、ホログラムであることを特徴とする請求項10記載の複合光学素子。
- 上記第2の回折素子は、ホログラムであることを特徴とする請求項10記載の複合光学素子。
- 上記光分割手段は、複数の平面又は曲面により構成されたプリズムであることを特徴とする請求項10記載の複合光学素子。
- 上記プリズムは、略四角錐状に形成された頂上部に主ビームが略合焦位置で入射されるとともに、副ビームが入射される側面部の一部が当該側面部の傾斜角よりも急峻となる傾斜角で形成されてなることを特徴とする請求項14記載の複合光学素子。
- 更に、上記第2の回折素子と上記光分割手段との間の光路上に配置され、上記光源から出射される出射光の波長変動により上記第2の回折素子で発生する各戻り光の光路変動を補正し、上記光分割手段の所定の位置に各戻り光を導く光路変動補正手段を備えることを特徴とする請求項10記載の複合光学素子。
- 上記第1の回折素子と上記第2の回折素子と上記光分割手段と上記光路変動補正手段とが樹脂材料により一体成型されてなることを特徴とする請求項16記載の複合光学素子。
- 上記光路変動補正手段は、回折素子であり、上記第2の回折素子で回折された各戻り光を更に回折させることを特徴とする請求項16記載の複合光学素子。
- 上記回折素子は、反射型回折素子であることを特徴とする請求項18記載の複合光学素子。
- 上記回折素子は、ホログラムであることを特徴とする請求項18記載の複合光学素子。
- 所定の波長の光を出射する光源と、
光学ディスクに上記光源から出射された出射光を集光するとともに上記光学ディスクからの戻り光を集光する対物レンズと、
上記光源から上記光学ディスクに出射された出射光を主ビーム及び2つの副ビームに3分割する第1の回折素子と、上記第1の回折素子で3分割された各出射光を透過させ、上記光学ディスクからの各戻り光を回折する第2の回折素子と、上記第2の回折素子で回折された各戻り光のうち主ビームが略合焦位置で入射される位置に配置されるとともに上記各戻り光のうち副ビームが入射される位置に配置され、上記各戻り光のうち主ビームを上記略合焦位置で複数に分割して透過させ、上記各戻り光のうち副ビームを複数に分割された主ビームよりも大きい偏向角となるように透過させ、各戻り光を所定の位置に導く光分割手段とを有する複合光学素子と、
上記光分割手段で分割された主ビームをフォーカシングエラー信号を得るために複数の受光領域で受光し、副ビームをトラッキングエラー信号を得るために複数の受光領域で受光する受光手段とを備え、
上記光分割手段は、それぞれに対応する上記受光領域の領域内にビームスポットを形成するように主ビームを複数に分割する光ピックアップ装置。 - 上記複合光学素子は、上記第1の回折素子と上記第2の回折素子と上記光分割手段とが樹脂材料により一体成型されてなることを特徴とする請求項21記載の光ピックアップ装置。
- 上記第1の回折素子は、ホログラムであることを特徴とする請求項21記載の光ピックアップ装置。
- 上記第2の回折素子は、ホログラムであることを特徴とする請求項21記載の光ピックアップ装置。
- 上記光分割手段は、複数の平面又は曲面により構成されたプリズムであることを特徴とする請求項21記載の光ピックアップ装置。
- 上記プリズムは、略四角錐状に形成された頂上部に主ビームが略合焦位置で入射されるとともに、副ビームが入射される側面部の一部が当該側面部の傾斜角よりも急峻となる傾斜角で形成されてなり、上記第2の回折素子で回折された各戻り光のうち主ビームを4分割するとともに、
上記受光手段は、上記4分割された主ビームを受光する上記受光領域が4分割されたことを特徴とする請求項25記載の光ピックアップ装置。 - 更に、上記複合光学素子は、上記第2の回折素子と上記光分割手段との間の光路上に配置され、上記光源から出射される出射光の波長変動により上記第2の回折素子で発生する各戻り光の光路変動を補正し、上記光分割手段の所定の位置に各戻り光を導く光路変動補正手段を有することを特徴とする請求項21記載の光ピックアップ装置。
- 上記複合光学素子は、上記第1の回折素子と上記第2の回折素子と上記光分割手段と上記光路変動補正手段とが樹脂材料により一体成型されてなることを特徴とする請求項27記載の光ピックアップ装置。
- 上記光路変動補正手段は、回折素子であり、上記第2の回折素子で回折された各戻り光を更に回折させることを特徴とする請求項27記載の光ピックアップ装置。
- 上記回折素子は、反射型回折素子であることを特徴とする請求項29記載の光ピックアップ装置。
- 上記回折素子は、ホログラムであることを特徴とする請求項29記載の光ピックアップ装置。
- 光学ディスクに対して情報を記録及び/又は再生する光ピックアップと、上記光学ディスクを回転駆動するディスク回転駆動手段とを備える光学ディスク装置において、
上記光ピックアップは、所定の波長の光を出射する光源と、
上記光学ディスクに上記光源から出射された出射光を集光するとともに上記光学ディスクからの戻り光を集光する対物レンズと、
上記光源から上記光学ディスクに出射された出射光を主ビーム及び2つの副ビームに3分割する第1の回折素子と、上記第1の回折素子で3分割された各出射光を透過させ、上記光学ディスクからの各戻り光を回折させる第2の回折素子と、上記第2の回折素子で回折された各戻り光のうち主ビームが略合焦位置で入射される位置に配置されるとともに上記各戻り光のうち副ビームが入射される位置に配置され、上記各戻り光のうち主ビームを上記略合焦位置で複数に分割して透過させ、上記各戻り光のうち副ビームを複数に分割された主ビームよりも大きい偏向角となるように透過させ、各戻り光を所定の位置に導く光分割手段とを有する複合光学素子と、
上記光分割手段で分割された主ビームをフォーカシングエラー信号を得るために複数の受光領域で受光し、副ビームをトラッキングエラー信号を得るために複数の受光領域で受光する受光手段とを有し、
上記光分割手段は、それぞれに対応する上記受光領域の領域内にビームスポットを形成するように主ビームを複数に分割する光学ディスク装置。 - 上記複合光学素子は、上記第1の回折素子と上記第2の回折素子と上記光分割手段とが樹脂材料により一体成型されてなることを特徴とする請求項32記載の光学ディスク装置。
- 上記第1の回折素子は、ホログラムであることを特徴とする請求項32記載の光学ディスク装置。
- 上記第2の回折素子は、ホログラムであることを特徴とする請求項32記載の光学ディスク装置。
- 上記光分割手段は、複数の平面又は曲面により構成されたプリズムであることを特徴とする請求項32記載の光学ディスク装置。
- 上記プリズムは、略四角錐状に形成された頂上部に主ビームが略合焦位置で入射されるとともに、副ビームが入射される側面部の一部が当該側面部の傾斜角よりも急峻となる傾斜角で形成されてなり、上記第2の回折素子で回折された各戻り光のうち主ビームを4分割するとともに、
上記受光手段は、上記4分割された主ビームを受光する上記受光領域が4分割されたことを特徴とする請求項36記載の光学ディスク装置。 - 更に、上記複合光学素子は、上記第2の回折素子と上記光分割手段との間の光路上に配置され、上記光源から出射される出射光の波長変動により上記第2の回折素子で発生する各戻り光の光路変動を補正し、上記光分割手段の所定の位置に各戻り光を導く光路変動補正手段を有することを特徴とする請求項32記載の光学ディスク装置。
- 上記複合光学素子は、上記第1の回折素子と上記第2の回折素子と上記光分割手段と上記光路変動補正手段とが樹脂材料により一体成型されてなることを特徴とする請求項38記載の光学ディスク装置。
- 上記光路変動補正手段は、回折素子であり、上記第2の回折素子で回折された各戻り光を更に回折させることを特徴とする請求項38記載の光学ディスク装置。
- 上記回折素子は、反射型回折素子であることを特徴とする請求項40記載の光学ディスク装置。
- 上記回折素子は、ホログラムであることを特徴とする請求項40記載の光学ディスク装置。
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